結論
キーコープ(オハイオ州クリーブランド本社)は総資産約 1,910 億ドルの地銀で、法人向けの商業銀行が収益の約 5 割を占める。2026 年 4〜6 月期は普通株の純利益 4.73 億ドル(年換算 18.9 億ドル)、純金利マージン(NIM)2.89%、効率比率 61.9%、純償却率 0.42% で、特別項目はない。同じ領域のリージョンズ(NIM 3.68%・効率比率 56%)より利ざやと費用が劣り、これが今の PER 約 11 倍の理由である。ただし 2024 年末に利回り約 1.5% の低利債を売って 5.5% 前後の債券へ替える再編を済ませ(税引前の損失 18.3 億ドルが 2024 年の赤字の原因。2025 年以降の利ざやで回収する一回限りの投資とみて、過去の ROE では除いた)、固定金利資産約 90 億ドルの入れ替えが 2026 年後半から続く。会社は NIM が 2026 年末に 3% 超、2027 年に 3.25%、コア ROTCE が 2027 年に 15% 超になると言う。
見かけの有形普通株の利益率(ROTCE)は 13%(含み損約 24 億ドルが自己資本を削った分だけ高く、含み損を除くと約 11%)。台帳と同じ置き方(優先株込みの自己資本)の帳簿の ROE は、2014〜25 年が 5〜15%・平均 9.4%、最高は 2021 年の 15.1% で、中立の 10 年後に置いた 13.6% は平均を約 4 ポイント上回る。経営の目標が実現した姿で、平均に届かなかった歴史は、やや悲観・悲観の確率(10 年で計 36%)と深さに織り込んだ。
資本コスト 8.75%(基本 8.0% に quality +0.75%)、g 4.0%、帳簿の ROE 13.6%(資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金では半分に薄れる)の式から、中立の 10 年後は上限 PER 約 13.5 倍、その 8.5 割の約 11.5 倍に置いた(実績が目標に届かなかった歴史があり、9 割まで上げない)。今の約 11 倍とほぼ同じ倍率で、結論の割安は利益の伸びから来る。k − g は 4.75% で、g が 1 ポイント下がると倍率は約 1 倍縮む。スコシアバンクが約 14.9% を持つことは、資本と取締役の支えになる一方、買収の対象になる可能性も含む。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、銀行は預金を集めて貸す事業で、見るのは預金の質、貸出の質、費用の規律、資本の配分である。キーコープは商業銀行の専門性と手数料の厚みで地銀の中では独自の位置にあるが、預金の質(無利息約 20%、預金コスト 1.63%)と費用(効率比率 61.9%)は同領域の上位行に劣り、帳簿の ROE は 10 年以上、平均約 9.4% にとどまった。10 年後もこの事業は存在し、法人向けの専門性は今と同じかやや強いと考える。ただし堀の広さは、規模で勝つ大手や預金で勝つ南東部の地銀に比べて狭く、地銀の中位という位置にとどまる。
オーナー利益は、純利益から貸出の伸びに必要な資本を引いた額で、中立の筋書きでは純利益の約 3 分の 2 を株主に返せる。見るべき点は 3 つ。第 1 は、固定金利資産の入れ替えで NIM が 2.89% から 3% 台へ上がる道が、会社の 2027 年の目標(コア ROTCE 15% 超)として具体的に示されていること。第 2 は、含み損(約 24 億ドル)が戻る分が自己資本を厚くし、自社株買いの余地を広げること。第 3 は、経営がこれまで ROE の目標に届かなかった歴史で、中立の 10 年後の帳簿の ROE 13.6% は、平均を 4 ポイント上回る前提のため確信度を割り引き、確率を悲観寄りに置いた。
安全域は、悲観(構造的に負け、帳簿の ROE 4% 前後)では時価総額が今の約 0.5 倍まで下がるが、不況の底でも自己資本が保たれる点にある。ただし式の倍率は k − g が 4.75% で、帳簿の ROE が平均に戻れば縮むため、確信度は中程度とした。
何で稼ぐ会社か
キーコープ(キーバンクの持ち株会社)は、総資産 1,913 億ドル、期末の貸出約 1,104 億ドル・預金約 1,531 億ドル(無利息約 309 億ドル)を持つ。貸出の約 56% が事業向け(C&I)、約 26% が消費者向け、残りが商業不動産など。2026 年 4〜6 月期の収益は純金利収益 12.6 億ドル(約 64%)と手数料 7.1 億ドル(約 36%)で、手数料は投資銀行・債券引受 1.69 億ドル、信託・資産運用 1.59 億ドル、カード・決済 0.94 億ドル、法人サービス 0.80 億ドル、預金口座手数料 0.77 億ドル、商業不動産の債権管理 0.49 億ドルなどである。
事業は 2 つ。商業銀行は、中堅企業・大企業・商業用不動産・業種別(ヘルスケア・エネルギー・不動産など)の専門チームが、貸出と預金のほか資金管理(決済)、投資銀行(KeyBanc Capital Markets:債券・シンジケートローン・M&A 助言)、商業不動産の貸出と債権管理、リースを束ねて売る。4〜6 月期の収益は 11.1 億ドル、純利益 4.23 億ドル、平均貸出 762 億ドル・平均預金 589 億ドル。2026 年 8 月には英国の中堅企業向け M&A 助言会社クリアウォーター(Clearwater)を買収し、欧州の案件を加えた(条件非開示、2027 年の収益は 0.6〜0.7 億ドルの見込み)。消費者銀行は、個人・小規模事業の預金・住宅ローン・ホームエクイティ・カードなどの貸出、医療従事者向けのデジタル銀行ローレル・ロード、プライベートバンク(運用資産 742 億ドル)で、収益 10.1 億ドル、純利益 2.03 億ドル、平均貸出 333 億ドル・平均預金 874 億ドル。預金の入口として全体を支える。このほか資金部門・本社の費用が両事業の合計から差し引かれ、4〜6 月期の税引後で約 −1.2 億ドルの重しになっている。
数量と価格の置き方:数量は貸出と預金の平均残高の合計を名目で置き、価格は残高 1 ドルあたりの収益(利ざやと手数料)の率。残高が物価とともに名目で増えるので、率は物価では上げず、NIM の改善・悪化だけを乗せた(同じ領域の他行と同じ置き方)。セグメントの収益は、資金移転価格による内部の受け渡しを含むため、合計(年換算 84.7 億ドル)は全社の収益(約 78.6 億ドル)より約 6 億ドル多く、差は営業利益の調整に入れた。
優良さと弱いところ
堀は 3 つ。第 1 は商業銀行の専門性:業種別の担当者と資本市場・資金管理・商業不動産を束ねて中堅企業に売るモデルで、C&I の約 58% が投資適格。新規の取引先を選んで先に資本(貸出)を出し、12〜18 か月で手数料を得て目標の収益率に乗せる方針で、手数料の割合(約 36%)は地銀の中でも高い。第 2 は消費者銀行の預金基盤(平均 874 億ドル)と、運用資産 742 億ドルのプライベートバンク。第 3 はスコシアバンク(約 14.9%)という安定した大株主。2026 年 4〜6 月期は C&I の貸出が前期比で 3% 伸び、取引先の広がりが数字に出ている。
弱みははっきりしている。第 1 は利ざやと費用:NIM 2.89% と効率比率 61.9% は、リージョンズ(3.68%・56.2%)やフィフス・サードより劣る。2022〜23 年に低利の債券の含み損と預金コストの上昇で利ざやが縮み、2024 年に再編で痛みを先に出したが、2026 年 4〜6 月期の NIM も市場の期待に届かなかった(貸出が高格付けで利回りの低い先に偏った)。第 2 は預金の質:無利息預金は預金の約 20% で、リージョンズ(約 31%)より低く、季節的な預金の減りは市場からの調達で補う。第 3 は ROE の歴史:帳簿の ROE の 2014〜25 年の平均は約 9.4% で、10 年以上、期待に届かなかった。第 4 は投資銀行の収益が景気で振れること(4〜6 月期は期待を下回った)。第 5 は 2009 年に株価が山から約 84% 下げ、PBR が 0.36 倍まで落ちた歴史。経営は会長兼 CEO のクリス・ゴーマン(2025 年 1 月の決算説明会の発表者)。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の銀行は、FDIC によると 2026 年 4〜6 月期に全体で純利益 901 億ドル(年換算 3,600 億ドル)、ROA 1.37%、NIM 3.32%、貸出は前年比 +6.8% と好調である。短期金利 3.5〜4%・10 年国債 5% 前後が続く世界では、低利の債券・住宅ローンが満期や借り換えで高利に入れ替わり、利ざやは徐々に広がる。キーコープはその恩恵が遅れた分を、これから受ける側にいる(NIM 2.89% は業界平均より約 0.4 ポイント低い)。2026 年の見通しは、収益 +7〜8%、NII +9〜11%、平均貸出 +4〜5%、純償却 40〜45bp、NIM は年末に 3% 超。
競争は 3 つの軸で起きている。第 1 は地銀の再編:フィフス・サード(バンコープ)はコメリカを買ってテキサスを得て、ハンティントンはケイデンスの買収で南東部とテキサスへ進み、PNC もファースト・バンクを買って西部へ広がった。規制緩和で承認が早まり、上位地銀の規模が一段大きくなる。キーコープは預金を持つ銀行の買収には動かず、有機的な成長を優先すると言うため、規模の差が広がる側に立つ。第 2 は商業銀行の中堅企業向けで、JPモルガン・バンク・オブ・アメリカ・ウェルズ・ファーゴ・PNC・フィフス・サードと競り、資金管理と投資銀行を束ねて売る力が勝負になる。投資銀行はゴールドマン・サックス・JPモルガンなどの大手と、レイモンド・ジェームズなど地域の専業に挟まれる。第 3 は預金:MMF・ステーブルコインへの流出と、無利息預金の減少が 10 年の火種。
循環の位置:不況に近い局面ではない。ただし 4〜6 月期は NPL が不動産・消費財・農業の一部で微増し、会社も「広い意味では安定」と述べるにとどまる。商業不動産(オフィス)の損失は 2023〜24 年にほぼ出尽くしたが、金利が下がらない世界では借り換えの重さが続く。投資銀行のパイプラインは前期比 +9%・前年比 +31% で、7〜9 月期の手数料は約 +20% の見込み。
資本政策と M&A
還元:2026 年は自社株買い 13 億ドル以上を計画し、4〜6 月期は 3.41 億ドル(1,553 万株)を買った。配当は 1 株あたり据え置きで年約 8.8 億ドル(優先配当は年 1.44 億ドル)。CET1 は 11.2%、含み損を織り込んだ比率は 9.8%、有形普通株比率は 7.7%。2026 年は配当と自社株買いの合計(約 22 億ドル)が純利益(年換算 18.9 億ドル)を上回り、余った資本(CET1 が目標を上回る分)を使う。中期では純利益の約 3 分の 2 を還元し、残りは貸出の伸びに必要な資本として積み上げる。
スコシアバンク:2024 年 8 月(4.9%)と 12 月(約 10%)に、新株約 1.63 億株・約 28 億ドルで合計約 14.9% を取得し、取締役を 2 人指名できる。この新株は台帳の株数(約 10.7 億株)に入っている(2026 年 6 月末の発行済み普通株 10.72 億株と一致)。2026 年 3 月には、持ち分を最大 19.99% まで引き上げる許可を求めていると報じられた(市場での買い増しで、新株ではない。キーコープの自社株買いでも持ち分比率は上がる)。
M&A:成立済みはクリアウォーター(2026 年 8 月)で小口。預金を持つ銀行の買収は優先せず、有機的な成長を掲げる。一方で規模(総資産 1,910 億ドル)は、買う側にも買われる側にもなりうる大きさで、スコシアバンクが大株主にいることは、買収の可能性を残す。本分析は、成立していない合併を筋書きに入れず、今の会社だけで書く。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
4〜6 月期の NIM は 2.89%(前期 2.87%)で、会社は 2026 年末に 3% 超、2027 年に 3.25% を見込む。固定金利の貸出・債券約 90 億ドルが 2026 年後半に高い金利へ入れ替わり、預金コストは 1.63% で安定している。収益は +7〜8%、NII は +9〜11% の見通しに引き上げられ、貸出は前期に平均で 23 億ドル伸びた。費用の伸びを収益の伸びより低く抑えれば、効率比率は 62% から 58% へ下がり、利益は収益の伸びより速く増える(オペレーティング・レバレッジ)。
商業銀行の取引先は、2 年前から選んだ中堅企業で増え、資金管理・投資銀行・債権管理を束ねる顧客の収益率が上がる。投資銀行のパイプラインは前年比 +31% で、7〜9 月期の手数料は約 +20%、クリアウォーターが欧州の案件を足す。信託・資産運用は運用資産 742 億ドルと記録を更新した。バリュー投資の観点では、年換算の利益に対して約 11 倍の値段は、有形普通株の利益率 15% を目指す銀行には低すぎる。利益ベースの式でも帳簿の ROE 13.6% なら上限 PER 約 13.5 倍、その 8.5 割で約 11.5 倍が出て、利益の伸びで今の値段を上回る。スコシアバンクが持ち分を 19.99% へ上げれば、安定した買い手が下値を支えるという見方もある。
慎重な見方
4〜6 月期の NIM は市場の期待に届かなかった。貸出の伸びが高格付けで利回りの低い先に偏り、貸出の利回りが縮んだためで、会社の 3.25%(2027 年)は当初の想定より遅れている。効率比率は 61.9% と、リージョンズ(56%)・フィフス・サードより 5 ポイント以上高く、費用の伸びは前年比 +5%、収益の伸び +7% で、改善は途上である。無利息預金は預金の約 20%(リージョンズ約 31%)と低く、季節的な預金の減りを市場の調達で補う。
帳簿の ROE は 2014〜25 年の平均が約 9.4%、最高は 2021 年の 15.1%(引当金の取り崩しが大きかった年)で、会社の「ROTCE 15% 超」は過去に一度も届いていない水準に近い。中立の 10 年後の ROE 13.6% を支える前提はどれも経営の実行次第である。投資銀行は 4〜6 月期に期待を下回り、景気が悪くなれば真っ先に縮む。NPL は不動産・消費財・農業で微増し、純償却率は 0.42% と会社の見通しの上限(0.45%)に近い。2009 年は株価が山から 84% 下げて PBR 0.36 倍、2024 年は再編で赤字になった。フィフス・サード・ハンティントン・PNC が規模を広げ、キーコープは預金を持つ銀行を買わないと言うため、規模の差は広がる。式の PER 約 11.5 倍は k − g が 4.75% の差から出た数字で、g が 1 ポイント下がると倍率は約 1 倍縮む。
どちらに重みを置いたか
NIM が上がる道筋(固定金利資産の入れ替え)と手数料の厚みは強気の見方が強く、費用の高さ・預金の質・ROE が平均に届かなかった歴史は慎重な見方が強い。そこで 10 年は中立に厚め(34%)、やや悲観 23%、悲観 13% と、リージョンズ(悲観 12%)より悲観を厚くした。倍率は式どおりで、中立の 10 年は帳簿の ROE 13.6% と g 4.0%(業界ノートの物差し)から上限 PER 約 13.5 倍、その 8.5 割の約 11.5 倍。上限から離して置き、帳簿の ROE が平均に戻る姿をやや悲観(10.9%)と悲観(4.0%)で表した。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/12 期)
確率で加重した株価時価総額 38.97 ドル417 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 16.33 ドル175 億ドル)。 今の値に割り戻すと 27.58 ドル295 億ドル、今との差 +30.0%、 期待の年率 +10.1%(資本コスト 8.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 61.24 ドル656 億ドル | 20.26 ドル217 億ドル | +284.2% | +14.4% | 6.52 ドル70 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 51.90 ドル556 億ドル | 19.04 ドル204 億ドル | +234.5% | +12.8% | 15.61 ドル167 億ドル |
| 中立 | 34% | 42.47 ドル455 億ドル | 17.83 ドル191 億ドル | +184.3% | +11.0% | 20.50 ドル220 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 29.59 ドル317 億ドル | 15.22 ドル163 億ドル | +111.3% | +7.8% | 10.31 ドル110 億ドル |
| 悲観 | 13% | 10.83 ドル116 億ドル | 7.38 ドル79 億ドル | −14.1% | −1.5% | 2.37 ドル25 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 38.97 ドル417 億ドル | 16.33 ドル175 億ドル | +160.7% | +10.1% | 55.30 ドル592 億ドル |
今の株価時価総額 21.21 ドル227 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:NIM 3.4% 前後・効率比率 54% 台まで進み、ROTCE は 18% 台 利益 53 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 61.24 ドル656 億ドル
2036 年末、2027 年に目標とするコア ROTCE 15% 超と NIM 3.25% を達成した上で、預金の伸びと費用の規律で NIM は 3.4% 前後、効率比率は 54% 台まで進む。商業銀行の強み(投資銀行・資金管理・商業不動産の債権管理)が中堅企業の取引先の増加で伸び、クリアウォーターの欧州案件も加わって、手数料が収益の 4 割に近づく。競合のフィフス・サード・ハンティントン・USバンコープ(ROTCE 15〜19%)に並ぶ収益力に届く姿で、うまくいけば利益は今の約 2.8 倍。
残高(貸出+預金。名目)は 商業銀行 2,460 億ドル、消費者銀行 2,034 億ドル。セグメントの収益の合計は 162 億ドル(今の年換算 84.7 億ドルの約 1.91 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前、本社・資金部門の調整後)69 億ドル、普通株の純利益は約 52 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形普通株。含み損の戻りを含む)は 18.4%、帳簿の ROE(優先株・のれん込み)は 15.2%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 217 億ドル。時価総額は今の約 3.9 倍になる。
- 商業銀行(中堅・大企業・商業不動産・資金管理・投資銀行):数量 2,460(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.04(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 88 億ドル・営業利益 49 億ドル。商業銀行
- 消費者銀行(個人・小規模事業・プライベートバンク):数量 2,034(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.04(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 74 億ドル・営業利益 28 億ドル。消費者銀行
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年 1.44 億ドル)・優先株(25 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −23.5 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 16.4%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 12.6% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.4 倍が上限。利益の質(商業銀行の専門性と手数料は強いが、利ざやと効率は同業の下位で、預金の質が弱く、ROE が平均に届かなかった歴史がある)から、上限の 8.7 割の PER 12.5 倍に置いた(検査の上限は時価総額 754 億ドル)。
確率:NIM の改善と費用の規律が両方そろい、規模の差も詰める姿。経営の実行が歴史より良く出る場合で 8%(リージョンズ 8%・フィフス・サード 9%)。
やや楽観 22% やや楽観:固定金利資産の入れ替えが 2029 年ごろまで続き、手数料の割合が上がる 利益 46 億ドル · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 51.90 ドル556 億ドル
2036 年末、固定金利資産の入れ替えが 2029 年ごろまで続いて NIM は 3.3% 前後、効率比率は 55〜56%。投資銀行の手数料は景気循環を 1 度挟みながら平均で年 5〜6% 伸び、資金管理・カード・信託の手数料も貸出より速く増える。競合のフィフス・サード・ハンティントンに近づくが、預金のコストの低さでは追いつかない。純利益は今の約 2.4 倍。
残高(貸出+預金。名目)は 商業銀行 2,323 億ドル、消費者銀行 1,947 億ドル。セグメントの収益の合計は 151 億ドル(今の年換算 84.7 億ドルの約 1.79 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前、本社・資金部門の調整後)61 億ドル、普通株の純利益は約 46 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形普通株。含み損の戻りを含む)は 16.9%、帳簿の ROE(優先株・のれん込み)は 13.9%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 204 億ドル。時価総額は今の約 3.3 倍になる。
- 商業銀行(中堅・大企業・商業不動産・資金管理・投資銀行):数量 2,323(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.04(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 82 億ドル・営業利益 44 億ドル。商業銀行
- 消費者銀行(個人・小規模事業・プライベートバンク):数量 1,947(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.04(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 70 億ドル・営業利益 24 億ドル。消費者銀行
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年 1.44 億ドル)・優先株(25 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −23.5 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 15.0%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.9% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.0 倍が上限。利益の質(商業銀行の専門性と手数料は強いが、利ざやと効率は同業の下位で、預金の質が弱く、ROE が平均に届かなかった歴史がある)から、上限の 8.7 割の PER 12.2 倍に置いた(検査の上限は時価総額 640 億ドル)。
確率:固定金利資産の入れ替えが予定どおり進み、手数料が貸出より速く伸びる姿。楽観と合わせて約 3 割(同じ領域の地銀と同水準)。
中立 34% 中立:NIM 3.15% 前後で頭打ち、効率比率 57〜58%、信用は循環の平均へ 利益 40 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 42.47 ドル455 億ドル
2036 年末、NIM は 2029 年ごろに 3.15% 前後まで上がった後は頭打ち、効率比率は 57〜58%、純償却率は循環の平均で 0.45%。貸出と預金は市場並みに伸び、シェアは変わらない。投資銀行は不況の年に落ち、好況の年に戻る循環で、手数料の割合は 4 割弱のまま。競合との比較では、リージョンズ(NIM 3.68%)・USバンコープ・PNC より利ざやが低いままで、ROTCE は会社の目標どおり 15% 前後に届く程度。スコシアバンクとの関係は資本と取締役の支えにとどまり、利益を大きくは動かさない。純利益は今の約 2.1 倍(物価の 1.41 倍が大半)。
残高(貸出+預金。名目)は 商業銀行 2,191 億ドル、消費者銀行 1,862 億ドル。セグメントの収益の合計は 141 億ドル(今の年換算 84.7 億ドルの約 1.66 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前、本社・資金部門の調整後)53 億ドル、普通株の純利益は約 40 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形普通株。含み損の戻りを含む)は 15.4%、帳簿の ROE(優先株・のれん込み)は 12.5%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 191 億ドル。時価総額は今の約 2.7 倍になる。
- 商業銀行(中堅・大企業・商業不動産・資金管理・投資銀行):数量 2,191(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 75 億ドル・営業利益 39 億ドル。商業銀行
- 消費者銀行(個人・小規模事業・プライベートバンク):数量 1,862(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.04(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 65 億ドル・営業利益 21 億ドル。消費者銀行
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年 1.44 億ドル)・優先株(25 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −23.5 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 13.6%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.2% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.5 倍が上限。利益の質(商業銀行の専門性と手数料は強いが、利ざやと効率は同業の下位で、預金の質が弱く、ROE が平均に届かなかった歴史がある)から、上限の 8.5 割の PER 11.5 倍に置いた(検査の上限は時価総額 535 億ドル)。
確率:NIM が 3% 台前半で頭打ち、不況を 1 度挟んで信用が循環の平均へ戻る落としどころ。34%(ハンティントン 34%・リージョンズ 35%)。
やや悲観 23% やや悲観:預金の競争で NIM が 3.0% 止まり、効率比率は 60% 前後 利益 30 億ドル · PER 10.6 倍 · 株価時価総額 29.59 ドル317 億ドル
2036 年末、預金の競争で無利息預金が 20% を割り、中堅企業向けの貸出の競争で利回りが縮み、NIM は 3.0% 前後止まり。効率比率は 60% 前後で、不況を 2 度経験し純償却率の平均は 0.55%。投資銀行は大手(ゴールドマン・サックス・JPモルガン)と地域の専業(レイモンド・ジェームズ)に挟まれ、手数料の伸びは物価並みにとどまる。競合に負ける場合の利益は、今の約 1.6 倍。
残高(貸出+預金。名目)は 商業銀行 2,041 億ドル、消費者銀行 1,753 億ドル。セグメントの収益の合計は 127 億ドル(今の年換算 84.7 億ドルの約 1.50 倍。名目の残高の伸びと利ざやの変化を含む)、営業利益(貸倒引当後の税引前、本社・資金部門の調整後)40 億ドル、普通株の純利益は約 30 億ドル。ROTCE(優先株・のれん等を除く有形普通株。含み損の戻りを含む)は 12.4%、帳簿の ROE(優先株・のれん込み)は 10.0%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 163 億ドル。時価総額は今の約 1.8 倍になる。
- 商業銀行(中堅・大企業・商業不動産・資金管理・投資銀行):数量 2,041(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 68 億ドル・営業利益 32 億ドル。商業銀行
- 消費者銀行(個人・小規模事業・プライベートバンク):数量 1,753(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 60 億ドル・営業利益 17 億ドル。消費者銀行
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年 1.44 億ドル)・優先株(25 億ドル)を除いた普通株の値。AOCI の含み損(今 −23.5 億ドル)を除いた有形ベースの ROE は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 10.9%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 9.8% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.5 倍が上限。利益の質(商業銀行の専門性と手数料は強いが、利ざやと効率は同業の下位で、預金の質が弱く、ROE が平均に届かなかった歴史がある)から、上限の 8.5 割の PER 10.6 倍に置いた(検査の上限は時価総額 373 億ドル)。
確率:預金の競争と貸出の利回りの低下が続き、ROE が過去の平均に近づく姿。ROE の歴史が弱いため 23%(リージョンズ 22%)。
悲観 13% 悲観:預金流出と不況の連続で負け、ROTCE は 8〜9% 利益 11 億ドル · PER 10.9 倍 · 株価時価総額 10.83 ドル116 億ドル
2036 年末、預金が MMF・ステーブルコインへ流れて預金コストが 4% 台に固定され、NIM は 2.7% 前後に縮む。中堅企業向けの競争と不況の連続で商業不動産・事業向けに損失が続き、投資銀行の人材が流出して効率比率は 66% 前後。2 回の不況を経て ROTCE は 5% 前後に落ち、優良な地銀とは言えなくなる。スコシアバンクが持ち分を買い増すか、買収の対象になる可能性が高まる。純利益は今の約 0.6 倍まで落ちる。
残高(貸出+預金。名目)は 商業銀行 1,780 億ドル、消費者銀行 1,547 億ドル。セグメントの収益の合計は 107 億ドル、営業利益(貸倒引当後の税引前、本社・資金部門の調整後)15 億ドル、普通株の純利益は約 11 億ドル、帳簿の ROE(優先株・のれん込み)は 4.0%。期間の還元(配当+自社株買い − 株式報酬)は約 79 億ドル。倍率は稼ぐ力の 9.5 割の PER 10.9 倍(PBR 約 0.43 倍は結果)で、時価総額は今の約 0.5 倍になる。
- 商業銀行(中堅・大企業・商業不動産・資金管理・投資銀行):数量 1,780(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 57 億ドル・営業利益 13 億ドル。商業銀行
- 消費者銀行(個人・小規模事業・プライベートバンク):数量 1,547(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目))× 価格 0.03(残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない))→ 売上 50 億ドル・営業利益 7 億ドル。消費者銀行
倍率:稼ぐ力で測る(SCHEMA §1-3)。構造的に負けた筋書きで、ROE が k を下回るため PER は 1÷k が上限になる。ROE 4.0% が k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)以下なので、ためた利益は額面を下回る価値で、PER は 1÷k=11.4 倍が上限。上限の 9.5 割の PER 10.9 倍(時価総額 122 億ドルが上限)に置いた。PBR は結果であって根拠ではない。
確率:預金流出・不況の連続・費用の高止まりで構造的に負ける姿。ROE が平均に届かなかった歴史と、無利息預金の低さ(約 20%)から、リージョンズ(12%)より厚い 13%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
商業銀行(中堅・大企業・商業不動産・資金管理・投資銀行)
中堅・大企業・商業用不動産・業種別の貸出と預金、資金管理、投資銀行(債券・シンジケート・M&A 助言)、商業不動産の債権管理、リース。
| 数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目) | 価格残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,351 | 0.03 | 44 | 22 |
| 10 年後 中立 | 2,191 | 0.03 | 75 | 39 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の年換算。平均貸出 762 億ドル(商業銀行の貸出)と平均預金 589 億ドルの合計 1,351 億ドル。収益(TE)11.08 億ドル×4 = 44.3 億ドル。営業利益(貸倒引当後の税引前)は収益 11.08 − 費用 5.03 − 引当 0.67 = 5.38 億ドル(純利益 4.23 億ドル)×4 = 21.5 億ドル。価格は 3.28%(利ざやと手数料)で。残高は名目で物価とともに増え、率は利ざや・手数料の変化だけを映す(同じ領域の他行と同じ置き方)。競合は JPモルガン・バンク・オブ・アメリカ・ウェルズ・ファーゴ・PNC・フィフス・サード・ハンティントン・シチズンズ。
消費者銀行(個人・小規模事業・プライベートバンク)
個人・小規模事業の預金と、住宅ローン・ホームエクイティ・カードなどの貸出、プライベートバンク(運用資産 742 億ドル)、ローレル・ロード。
| 数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル・名目) | 価格残高あたりの収益率(利ざや+手数料の率。物価では上げない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/12 | 1,207 | 0.03 | 40 | 11 |
| 10 年後 中立 | 1,862 | 0.04 | 65 | 21 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の年換算。平均貸出 333 億ドルと平均預金 874 億ドルの合計 1,207 億ドル。収益(TE)10.10 億ドル×4 = 40.4 億ドル。営業利益は収益 10.10 − 費用 7.16 − 引当 0.26 = 2.68 億ドル×4 = 10.7 億ドル。価格は 3.35%。残高は名目で物価とともに増え、率は利ざや・手数料の変化だけを映す。競合はウェルズ・ファーゴ・バンク・オブ・アメリカ・シチズンズ・PNC・フィフス・サード。
リスクと懸念
NIM の改善が遅れる
固定金利資産約 90 億ドルの入れ替えで NIM が 2026 年末に 3% 超、2027 年に 3.25% へ上がる道筋が、預金コストの上昇や貸出の利回りの低下で遅れれば、利益の増加は 1〜2 割少なくなる。4〜6 月期の NIM は市場の期待に届かなかった。
預金の質と無利息預金の減少
無利息預金は預金の約 20% で、同領域の上位行より低い。季節的な預金の減りを市場からの調達で補う構造で、貯蓄が MMF・ステーブルコインへ流出する流れが進めば、預金コストが 4% 台に固定され、NIM が縮む。
投資銀行・手数料の循環
投資銀行・債券引受(4〜6 月期 1.69 億ドル)は景気で大きく振れる。会社は 7〜9 月期に約 +20% を見込むが、4〜6 月期は期待を下回った。手数料の厚み(約 36%)は強みである反面、景気後退では利益が大きく縮む。
信用の正常化と商業不動産
純償却率は 0.42%(見通し 40〜45bp)で平常の水準。NPL は不動産・消費財・農業で微増した。商業不動産(オフィス)の借り換えの重さが金利の高止まりで続き、不況が来れば 2009 年のような損失の再来になりうる。
効率比率の高さと実行力
効率比率 61.9% を 58% 前後へ下げる目標が、費用の抑制(人件費・技術投資・クリアウォーターの統合)で実現しなければ、収益が伸びても利益率が上がらない。ROE が平均に届かなかった歴史がある。
資本・規制と大株主
含み損(約 24 億ドル)と有形普通株比率(7.7%)に対する格付会社・規制の見方、バーゼル III の再提案が還元の水準を左右する。スコシアバンクの持ち分が 19.99% へ上がれば、経営の自由度や株主構成が変わりうる。
今後の分かれ目
- NIM が 2026 年 10〜12 月期に 3% を超え、2027 年に 3.25% へ進む
- 固定金利資産の入れ替えが予定どおり進むと確認され、やや楽観〜楽観の確率が上がる。コア ROTCE 15% 超の目標が現実味を増す。
- 7〜9 月期(2026 年 10 月 20 日発表)の NIM と投資銀行の手数料が、会社の見通しを下回る
- 慎重な見方が強まり、やや悲観の確率を厚くする。特に NIM が 2.9% 台で足踏みするなら、2027 年の目標の実現を割り引く。
- 預金コストが上がり、無利息預金の割合が 20% を割る
- 預金の質が崩れ始めたと見て、やや悲観の確率を厚くする。NIM の拡大が預金コストに食われる。
- 純償却率が 50bp を超え、商業不動産や事業向けで損失が広がる
- 信用の正常化が悪化に変わった合図。利益が 1〜2 割減り、倍率も縮む。やや悲観の確率を上げる。
- 費用の伸びが収益の伸びを上回り、効率比率が 62% を超えたまま
- 経営が目標を実現できていない合図で、10 年の帳簿の ROE を平均(約 9〜10%)に寄せ、やや悲観の確率を厚くする。
- スコシアバンクが持ち分を 19.99% へ上げる、または他行がキーコープへの合併を提案する
- 前者は株主構成の変化、後者は合併の条件で価値が変わる。成立していない合併は筋書きに入れず、成立した時点で筋書きと確率を組み直す。
見ておくもの
- NIM(2026 年 10〜12 月期に 3% 超、2027 年に 3.25%)と預金コスト(1.63%)、無利息預金の割合(約 20%)
- 効率比率(61.9%)と費用の伸び、コア ROTCE(2027 年に 15% 超の目標)
- 純償却率(見通し 40〜45bp)・NPL(0.73%)と商業不動産・消費財・農業の動向
- 投資銀行・債券引受の手数料(4〜6 月期 1.69 億ドル、7〜9 月期は約 +20% の見込み)とパイプライン
- 自社株買い(2026 年 13 億ドル以上)・CET1(11.2%)・含み損(約 24 億ドル)の戻り
- スコシアバンクの持ち分(約 14.9%、19.99% までの許可)と 2026 年 10 月 20 日の 7〜9 月期決算
倍率と資本コストの決め方
倍率は式どおりに置き、今の値段(年換算の利益の約 11 倍)には寄せていない。利益ベースの上限 PER 約 13.5 倍の 8.5 割(約 11.5 倍)は今の倍率とほぼ同じで、結論の割安は利益の伸び(今の NIM と効率が低く利益が小さい分)から来る。g は業界ノートの銀行の物差し 4%(物価 3.5% + 実質 0.5%・シェア 0)に揃え、帳簿の ROE を会社の目標(ROTCE 15% 超)に沿う 13.6% に置いた。2014〜25 年の平均 9.4%(2024 年の再編損失を除く)より約 4 ポイント上なので、roe_why に再編後の入れ替え効果と会社の目標を書き、届かない道をやや悲観・悲観(計 36%)と ROE の深さ(10.9%・4.0%)で表した。資本コストは基本 8.0% に quality +0.75%(商業銀行の景気感応度、含み損と預金の質の弱さ)を足した 8.75%。g を 1 ポイント下げると PER が約 1 倍縮む感度がある。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 1.05 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。2024 年に債券の入れ替えで赤字を出し、利ざやと効率が同業の下位で、含み損と預金の質の弱さも残るので、同じ領域のリージョンズ(8.5%)より高く置いた。預金の質・費用・商業用不動産は k に足さず、悲観の確率と利益率で表した。
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- KeyCorp 10-K 2024 年(証券の再編・損失)
- KeyCorp 2024 年 10〜12 月期 決算説明会の資料(再編の損益)
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