結論
USバンコープは総資産 7,030 億ドル・預金 5,270 億ドル・貸出 4,095 億ドル(2026 年 7〜9 月期の平均)の全米 5 位の銀行で、収益 286.6 億ドル(2025 年)の約 4 割が手数料。法人・機関・富裕層(WCCIB)、個人・小規模事業(CBB)、決済(PS)の 3 本柱で稼ぐ。2022 年のユニオン・バンク(MUFG)の買収後に費用を絞り、2026 年は BTIG(証券・投資銀行)の買収と法人向けの貸出の伸び(WCCIB の貸出 +14%)で収益が前年比 8〜9% 伸びる見通しで、7〜9 月期は純利益 22.0 億ドル(+10%)、効率比率 55.9%、ROTCE 18.5% と、会社の中期目標(ROTCE 高 10% 台・ROA 1.15〜1.35%)の範囲に入った。
事業の質は、決済(加盟店処理のエラボン、法人カード、クレジットカード)と信託・資産管理の手数料が厚く、金利に左右されにくい点にある。弱みは、純金利マージンが 2.84% と大手では低めで、決済の純利益が前年 7〜9 月期の 2.55 億ドルから 1.75 億ドルへ減っている(カードの引当と投資)こと、カード金利の上限案・カード競争法・ステーブルコインの火種が決済の価格に効くことである。CET1 は 10.8% で自社株買いは 7〜9 月期ゼロだが、資本の余力は戻りつつある。
資本コスト 8.25%(基本 8.0% に quality +0.25%)の式では、10 年後の有形自己資本の利益率 14.8%(優先株とのれんを除く。帳簿の ROE は 12.6%)・成長 4.0% から利益ベースの上限 PER 14.5 倍(資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金では半分に薄れる)が出て、その 9 割の 13.1 倍(PBR 約 1.6 倍)に置いた。中立の筋書きは 10 年後に時価総額が今の約 1.8 倍、還元を足して割り引くと今の値段を 2〜3 割上回る。ただし 10 年のうちの不況(やや悲観、確率 20%)と、決済の価格と預金で構造的に負ける確率(12%)を置いた。結論はやや割安だが、倍率は資本コストと成長の差が小さい前提に敏感である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、銀行は預金を集めて貸す事業で、見るのは預金の質(安く長く残るか)、貸出の質(景気が悪い時に損をしないか)、費用の規律、資本の配分である。USB は、CRE のオフィスが小さく(CRE の 8.8%)、住宅ローンの償却率は 0.00%、効率比率は 55.9% と費用の規律がある。決済と信託の手数料は景気が悪い時も残りやすく、利益の質は高い。10 年後もこの事業は存在し、規模の利益で今より強いと考える。
オーナー利益(株主のものになる利益)は、純利益から伸びに要る資本(貸出が 4〜5% 伸びる分の自己資本)を引いた額で、長期の還元目標 70〜75% が示す通り、利益の約 6 割は株主に返せる。懸念は、決済の価格決定力(カード金利上限、手数料の義務化)が政策で削られること、買収で資本を使いすぎること、金利が上がった時の含み損が資本を縛ること。安全域は、悲観(構造的に負け、ROTCE 8%)でも PBR 0.8 倍前後で定着する前提で、純利益が不況で大きく減っても資本は保たれる点にある。わかりにくい部分は決済の収益性の底で、確信度は中程度とした。
何で稼ぐ会社か
法人・機関・富裕層(WCCIB)は、法人・商業用不動産(CRE)・機関投資家向けの貸出・預金・資金管理に、コーポレート・トラスト、ファンド管理、ウェルス(個人の資産運用)、投資銀行・市場業務(BTIG を含む)を束ねた部門で、2025 年の収益は約 131 億ドル(推定)。2026 年 7〜9 月期の収益は 40.0 億ドル(前年比 +20%)、純利益 16.0 億ドル、平均貸出は 2,170 億ドルと前年比 14% 伸びた。資本市場の収益は 6.4 億ドル(+69%)、うち BTIG が 2.26 億ドル。
個人・小規模事業(CBB)は、支店網とデジタルで預金・住宅ローン・自動車・小規模事業向け貸出・小口の消費者金融を提供する。2025 年の収益は約 80 億ドル(推定)。住宅ローン(平均 1,169 億ドル・償却率 0.00%)と小口貸出(441 億ドル・同 0.53%)が貸出の中心で、利ざやの改善(低利の固定資産の入れ替え)の恩恵を受ける。7〜9 月期の純利益は 6.3 億ドル。
決済(PS)は、加盟店処理のエラボン(Elavon)、法人カード・購買カード、個人向けのクレジットカード(残高 402 億ドル・償却率 3.29%)を持ち、2025 年の収益は約 82 億ドル(推定)。収益の大半が手数料と利回りで、残高あたりの収益率は高いが、報酬・引当・費用も重く、純利益率は低い(7〜9 月期の純利益は 1.75 億ドルで、前年の 2.55 億ドルから減)。小規模事業のカードの買収(7〜9 月期に 1.35 億ドルの初期引当)は残高を厚くする。会社全体の収益は純金利収益が約 6 割、手数料が約 4 割。
優良さと弱いところ
堀は 3 層。第 1 は決済で、エラボンの加盟店網と法人カード・購買カードは、取引先の会計・支払いの仕組みに組み込まれ、切り替えに費用と時間がかかる。第 2 は信託・資産管理(コーポレート・トラスト、ファンド管理)で、顧客との契約が長期で、市場が荒れても手数料が残る。第 3 は個人・小規模事業・法人の預金(平均 5,270 億ドル、総預金コスト 1.88%)で、貸出の原資を安定して確保する。
資本効率は、普通株 ROE が 13.6%、ROTCE が 18.5%(2026 年 7〜9 月期)と、ウェルズ・ファーゴの 16% 台より高く、JPモルガンの 20% 前後に近い。費用の規律(効率比率 55.9%)と手数料の厚みが背景にある。ただし純金利マージンは 2.84% で、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカより低く、低利の固定資産が残る分の改善余地はこれからである。
弱みは 4 つ。第 1 は決済の収益性で、純利益が前年を下回り、カードの償却率(3.29%)が高い。第 2 は決済の価格への政策リスク(カード金利の上限、カード競争法、ステーブルコイン)。第 3 は買収の消化で、BTIG(市場業務・投資銀行)は景気で振れやすく、小規模事業カードの買収も引当が先に出る。第 4 は資本で、CET1 は 10.8% だが、金利が上がると含み損が効き(AOCI を入れると 9.1%)、自社株買いの余地を縛る。2025 年にガンジャン・ケディア(Gunjan Kedia)が CEO に就き、費用・成長・決済の改革を掲げて運営している。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の銀行は、FDIC の 2026 年 4〜6 月期の速報で純利益 901 億ドル(年換算 3,600 億ドル)、ROA 1.37%、NIM 3.32% と、利益の水準が高い。短期金利が 3.5〜4%、10 年国債が 5% 前後で止まる世界では、低利の債券・住宅ローンが満期で高利に入れ替わり、NIM は少しずつ改善する。一方で預金は無利息では残らず、預金コストは 2010 年代のゼロには戻らない。
USB は NIM が 2.84% で、業界平均(3.3%)を下回るが、前年の 2.75% から改善している。決済と信託・資産管理の手数料が収益の約 4 割あり、金利の変動に強い。競合は、上位 4 行(JPモルガン・バンク・オブ・アメリカ・ウェルズ・ファーゴ・シティグループ)が預金の約 4 割を持つ構図の中で、USB は PNC・トゥルーイスト(Truist)と並ぶ第 2 グループの最上位にいる。決済ではエラボンがフィサーブ(Fiserv)・グローバル・ペイメンツ(Global Payments)・ストライプ(Stripe)・ブロック(Block)と競い、カードではキャピタル・ワン(ディスカバー統合)、アメリカン・エキスプレス、JPモルガン、シティが競る。
規制は緩和の方向で、資本規制(SLR の見直し・バーゼル III の再提案)が進めば大手の自社株買いの余力が増え、銀行の M&A の承認も早まる。見ておく点は、カード金利の上限案・クレジット・カード競争法(ネットワーク手数料の義務化)、ステーブルコインによる決済の置き換え、商業用不動産(USB のオフィスは 43 億ドルで CRE の 8.8%)と小規模事業・カードの信用コスト、預金コスト、AI による費用の圧縮である。
資本政策と M&A
還元の方針は「長期で利益の 70〜75% を配当と自社株買いで返す」。2026 年 7〜9 月期は自社株買いを止めて 8.5 億ドル(利益の約 38%、ほぼ配当のみ)、1〜9 月期の自社株買いは約 800 万株にとどまり、買収(BTIG・小規模事業カード)と貸出の伸びに資本を回している。配当は 7〜9 月期に前期比で約 4% 引き上げた。
買収の歴史は、2022 年のユニオン・バンク(MUFG)が最大で、西海岸の個人・法人の顧客と預金を取り込み、MUFG へ株を渡した。2026 年は BTIG(一部は普通株で支払い)と小規模事業のカード・ポートフォリオを取り込み、資本市場とカードの厚みを増やした。今後は、規制緩和で承認が早まる地銀の M&A に買い手として動く可能性があるが、買収で価値を壊さないこと(のれんの積み上げ)が要である。成立していない買収はここでは置かない。株式報酬による株の増加は小さく、配当と自社株買いの正味の還元で測る。 2026 年 1〜9 月の買い戻しは約 800 万株(約 4 億ドル)で今の株数に反映済み。起点の自己資本と 10 年の還元の合計から外した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ROTCE 18.5% は目標の高 10% 台の上端で、効率比率は 55.9% まで下がった。収益は 2026 年に前年比 8〜9% 伸び、BTIG を除いても 6〜7%、10〜12 月期は費用の伸び(約 8%)を収益が上回る営業の梃子(約 +300bp)が見える。WCCIB の貸出は 14% 伸び、純利益は前年比約 30% 増。NIM は 2.84% と前年から 9bp 上がり、低利の固定資産が高利へ入れ替わるほど上がる。
決済は純利益が一時的に減ったが、小規模事業カードの買収は残高を厚くし、初期引当は 1 回限り。CET1 は 10.8% と十分で、自社株買いを止めた分は貸出と買収の成長に回り、規制緩和(SLR・バーゼル III)が進めば自社株買いは増やせる。バリュー投資の観点では、PBR 1.40 倍は、ROTCE 18.5%・資本コスト 8.25% の銀行には低すぎる。決済・信託・市場業務の手数料が収益の 4 割あり、金利と景気の両方に強く、10 年でエラボンの網と法人の取引が広がる。
慎重な見方
7〜9 月期の純償却率 0.51% は、商業・住宅が平常以下という山の値で、カードの償却は 3.29% と高く、引当繰入は前年の 5.7 億ドルから 6.5 億ドルへ増えた。決済の純利益は前年の 2.55 億ドルから 1.75 億ドルへ 3 割減り、カードの償却と引当、買収の費用が重い。BTIG は市場業務で、景気や市場が荒れると収益が振れ、2.26 億ドルの寄与が剥げうる。
NIM は 2.84% で、JPモルガン・バンク・オブ・アメリカより低く、総預金コストは 1.81% から 1.88% へ上がり続けている。CET1 は AOCI を入れると 9.1% で、5 年金利が 86bp 上がった局面で含み損が増え、自社株買いの余力が削られた。カード金利の上限案・カード競争法・ステーブルコインは、収益の約 4 割を占める手数料の価格を直撃する。会社の目標(ROTCE 高 10% 台)は信用コストが平常以下という前提を含む。10 年後は、預金の流出(MMF・ステーブルコイン)と決済の価格の低下で、ROTCE が 10% を割る構造的な負けが 1 割強ある。
どちらに重みを置いたか
成長と費用の改善、手数料の厚みは強気の見方が強く、決済の収益性の低下と政策リスクは慎重な見方が強い。そこで中立に厚め(34%)、悲観を 12%、やや悲観を 20% と、ウェルズ・ファーゴ(悲観 12%・やや悲観 20%)と同じに置いた。ウェルズ・ファーゴの規制違反の前歴の代わりに、USB は決済の構造変化(価格・競争)が悲観の中身である。倍率は利益ベースの式で、中立は帳簿の ROE 12.6%・g 4.0% から上限 PER 14.5 倍、その 9 割の 13.1 倍(PBR 約 1.6 倍)。ROTCE を今の 18.5% より低く置いたのは、信用コストの正常化・決済の価格の低下・資本の積み増しのため。結論は「優良で、やや割安」だが、倍率が前提に敏感な点は同じである。 点検(2026-10-19):個人・小規模事業の率を 1.99%→2.22%(名目の残高に理由のない上げ)から 1.99% 据え置きに直し、営業利益・純利益・還元・倍率を流し直した。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 99.42 ドル1,549 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 36.35 ドル566 億ドル)。 今の値に割り戻すと 69.45 ドル1,082 億ドル、今との差 +15.7%、 期待の年率 +8.5%(資本コスト 8.3%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 150.41 ドル2,343 億ドル | 49.55 ドル772 億ドル | +233.2% | +12.8% | 20.00 ドル312 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 127.16 ドル1,981 億ドル | 43.36 ドル676 億ドル | +184.1% | +11.0% | 40.92 ドル638 億ドル |
| 中立 | 34% | 103.03 ドル1,605 億ドル | 37.48 ドル584 億ドル | +134.1% | +8.9% | 47.77 ドル744 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 74.55 ドル1,162 億ドル | 30.55 ドル476 億ドル | +75.1% | +5.8% | 21.02 ドル327 億ドル |
| 悲観 | 12% | 32.68 ドル509 億ドル | 17.80 ドル277 億ドル | −15.9% | −1.7% | 6.06 ドル94 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 99.42 ドル1,549 億ドル | 36.35 ドル566 億ドル | +126.2% | +8.5% | 135.77 ドル2,115 億ドル |
今の株価時価総額 60.02 ドル935 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:手数料と法人が伸び、ROTCE は 20% 台へ 利益 159 億ドル · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 150.41 ドル2,343 億ドル
2035 年末、資本規制の緩和と AI による費用の圧縮が重なり、BTIG と法人の取引が広がる。法人・機関・富裕層の貸出+預金は 8,235 億ドル、個人・小規模事業 6,690 億ドル、決済 895 億ドル。収益は 562 億ドルまで増え(2025 年の約 1.9 倍)、営業利益 208 億ドル、普通株の純利益は約 159 億ドル(2025 年の約 2.1 倍)。ROTCE(優先株とのれんを除く)は 19.9%。資本規制の緩和で純利益の約 7 割を還元できる。倍率は式どおり PER 14.7 倍(PBR 約 2.5 倍)。時価総額は今の約 2.6 倍になる。 個人・小規模事業の率は、残高がすでに名目の伸び(年 4% 前後)を含むため物価を重ねず、2025 年の 1.99% を基点に 2.08% とした(預金コストの戻りと手数料の差だけ)。
- 法人・機関・富裕層(WCCIB):数量 8,235(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 284 億ドル・営業利益 148 億ドル。法人・機関・富裕層
- 個人・小規模事業(CBB):数量 6,690(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 139 億ドル・営業利益 48 億ドル。個人・小規模事業
- 決済(PS):数量 895(カード貸出と決済預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.16(残高あたりの純収益の率(手数料と利回り。収益の大半が手数料なので残高に対して高い率になる))→ 売上 139 億ドル・営業利益 26 億ドル。決済
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 4 億ドル)・優先株(約 68 億ドル)を引いた普通株の値。のれん・無形資産(約 139 億ドル)を除いた有形ベースの ROE(ROTCE)は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.25%(基本 8.0%+quality +0.25%)、事業の ROE 16.7%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 12.5% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=16.0 倍が上限。利益の質(決済と信託の手数料が厚い一方、純金利の利ざやは大手で低く、決済の価格に政策リスクがある)から、上限の 9.2 割の PER 14.7 倍に置いた(検査の上限は時価総額 2721 億ドル)。
確率:資本規制の緩和・AI による費用の圧縮・決済の持ち直しが重なる姿は 10 年で 1 割と置く(ウェルズ・ファーゴの楽観は 11%)。
やや楽観 24% やや楽観:費用の規律と決済の持ち直しで ROTCE 18% 台 利益 141 億ドル · PER 14.1 倍 · 株価時価総額 127.16 ドル1,981 億ドル
2035 年末、費用の規律が続き、決済は価格を保って持ち直す。法人・機関・富裕層の貸出+預金は 7,775 億ドル、個人・小規模事業 6,448 億ドル、決済 855 億ドル。収益は 526 億ドルまで増え(2025 年の約 1.8 倍)、営業利益 185 億ドル、普通株の純利益は約 141 億ドル(2025 年の約 1.9 倍)。ROTCE(優先株とのれんを除く)は 17.3%。純利益の約 6 割を還元する。倍率は式どおり PER 14.1 倍(PBR 約 2.0 倍)。時価総額は今の約 2.2 倍になる。 個人・小規模事業の率は、残高がすでに名目の伸び(年 4% 前後)を含むため物価を重ねず、2025 年の 1.99% を基点に 2.04% とした(預金コストの戻りと手数料の差だけ)。
- 法人・機関・富裕層(WCCIB):数量 7,775(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 264 億ドル・営業利益 133 億ドル。法人・機関・富裕層
- 個人・小規模事業(CBB):数量 6,448(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 132 億ドル・営業利益 43 億ドル。個人・小規模事業
- 決済(PS):数量 855(カード貸出と決済預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.15(残高あたりの純収益の率(手数料と利回り。収益の大半が手数料なので残高に対して高い率になる))→ 売上 130 億ドル・営業利益 23 億ドル。決済
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 4 億ドル)・優先株(約 68 億ドル)を引いた普通株の値。のれん・無形資産(約 139 億ドル)を除いた有形ベースの ROE(ROTCE)は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.25%(基本 8.0%+quality +0.25%)、事業の ROE 14.6%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.4% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=15.3 倍が上限。利益の質(決済と信託の手数料が厚い一方、純金利の利ざやは大手で低く、決済の価格に政策リスクがある)から、上限の 9.2 割の PER 14.1 倍に置いた(検査の上限は時価総額 2309 億ドル)。
確率:費用の規律が続き、決済が価格を保つ姿。楽観とやや楽観を合わせて約 3 割強。
中立 34% 中立:ROTCE は 16% 前後に落ち着き、目標の上端には届かない 利益 123 億ドル · PER 13.1 倍 · 株価時価総額 103.03 ドル1,605 億ドル
2035 年末、法人・個人・決済の 3 部門とも名目の経済成長に近い伸びで、決済の価格は少しずつ下がる。法人・機関・富裕層の貸出+預金は 7,315 億ドル、個人・小規模事業 6,166 億ドル、決済 810 億ドル。収益は 490 億ドルまで増え(2025 年の約 1.7 倍)、営業利益 162 億ドル、普通株の純利益は約 123 億ドル(2025 年の約 1.6 倍)。ROTCE(優先株とのれんを除く)は 14.8%。10 年のうちに不況(純償却率 2.5% 前後)を 1 度挟み、純利益の約 6 割を還元する。倍率は式どおり PER 13.1 倍(PBR 約 1.6 倍)。時価総額は今の約 1.8 倍になる。 個人・小規模事業の率は、残高がすでに名目の伸び(年 4% 前後)を含むため物価を重ねず、2025 年の 1.99% を基点に 1.99% とした(預金コストの戻りと手数料の差だけ)。
- 法人・機関・富裕層(WCCIB):数量 7,315(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 245 億ドル・営業利益 120 億ドル。法人・機関・富裕層
- 個人・小規模事業(CBB):数量 6,166(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 123 億ドル・営業利益 38 億ドル。個人・小規模事業
- 決済(PS):数量 810(カード貸出と決済預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.15(残高あたりの純収益の率(手数料と利回り。収益の大半が手数料なので残高に対して高い率になる))→ 売上 122 億ドル・営業利益 20 億ドル。決済
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 4 億ドル)・優先株(約 68 億ドル)を引いた普通株の値。のれん・無形資産(約 139 億ドル)を除いた有形ベースの ROE(ROTCE)は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.25%(基本 8.0%+quality +0.25%)、事業の ROE 12.6%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 10.4% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.5 倍が上限。利益の質(決済と信託の手数料が厚い一方、純金利の利ざやは大手で低く、決済の価格に政策リスクがある)から、上限の 9.0 割の PER 13.1 倍に置いた(検査の上限は時価総額 1784 億ドル)。
確率:成長は続くが信用コストの正常化と決済の価格低下で ROTCE は 16% 前後に落ち着く姿を中心に置く。確率 34%。
やや悲観 20% やや悲観:決済の価格が下がり、ROTCE は 13% 前後 利益 97 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 74.55 ドル1,162 億ドル
2035 年末、カード金利や手数料の規制で決済の価格が下がり、預金コストが上がって NIM が伸び悩む。法人・機関・富裕層の貸出+預金は 6,688 億ドル、個人・小規模事業 5,763 億ドル、決済 740 億ドル。収益は 434 億ドルまで増え(2025 年の約 1.5 倍)、営業利益 130 億ドル、普通株の純利益は約 97 億ドル(2025 年の約 1.3 倍)。ROTCE(優先株とのれんを除く)は 12.0%。不況を 2 度挟み、純利益の約 56% を還元する。倍率は式どおり PER 11.9 倍(PBR 約 1.2 倍)。時価総額は今の約 1.3 倍になる。 個人・小規模事業の率は、残高がすでに名目の伸び(年 4% 前後)を含むため物価を重ねず、2025 年の 1.99% を基点に 1.94% とした(預金コストの戻りと手数料の差だけ)。
- 法人・機関・富裕層(WCCIB):数量 6,688(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 217 億ドル・営業利益 100 億ドル。法人・機関・富裕層
- 個人・小規模事業(CBB):数量 5,763(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 112 億ドル・営業利益 31 億ドル。個人・小規模事業
- 決済(PS):数量 740(カード貸出と決済預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.14(残高あたりの純収益の率(手数料と利回り。収益の大半が手数料なので残高に対して高い率になる))→ 売上 105 億ドル・営業利益 15 億ドル。決済
倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 4 億ドル)・優先株(約 68 億ドル)を引いた普通株の値。のれん・無形資産(約 139 億ドル)を除いた有形ベースの ROE(ROTCE)は帳簿より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.25%(基本 8.0%+quality +0.25%)、事業の ROE 10.1%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 9.2% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.3 倍が上限。利益の質(決済と信託の手数料が厚い一方、純金利の利ざやは大手で低く、決済の価格に政策リスクがある)から、上限の 9.0 割の PER 11.9 倍に置いた(検査の上限は時価総額 1412 億ドル)。
確率:決済の価格低下と預金コストの上昇が重なる姿。強気より慎重の見方が少し強いので 20%(ウェルズ・ファーゴと同じ)。
悲観 12% 悲観:預金流出と決済の価格低下で、もう優良ではなくなる 利益 44 億ドル · PER 11.5 倍 · 株価時価総額 32.68 ドル509 億ドル
2035 年末、預金が国債の MMF・ステーブルコインへ流れて預金コストが 4% 台に固定され、カード競争法で手数料が義務化され、決済の収益率が下がる。法人・機関・富裕層の貸出+預金は 5,894 億ドル、個人・小規模事業 4,997 億ドル、決済 610 億ドル。収益は 356 億ドル(2025 年の約 1.2 倍)まで増えるが、預金コストと手数料の両方で利益率が削られ、営業利益 60 億ドル、普通株の純利益は約 44 億ドル(2025 年の約 0.6 倍)。ROTCE(優先株とのれんを除く)は 6.1%。信用コストは 2 回の不況で高止まりし、自社株買いを大きく減らして 10 年の還元は約 277 億ドル。倍率は稼ぐ力の 9.5 割の PER 11.5 倍(PBR 約 0.5 倍は結果)で、時価総額は今の約 0.6 倍になる。 個人・小規模事業の率は、残高がすでに名目の伸び(年 4% 前後)を含むため物価を重ねず、2025 年の 1.99% を基点に 1.88% とした(預金コストの戻りと手数料の差だけ)。
- 法人・機関・富裕層(WCCIB):数量 5,894(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 177 億ドル・営業利益 55 億ドル。法人・機関・富裕層
- 個人・小規模事業(CBB):数量 4,997(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 94 億ドル・営業利益 16 億ドル。個人・小規模事業
- 決済(PS):数量 610(カード貸出と決済預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.13(残高あたりの純収益の率(手数料と利回り。収益の大半が手数料なので残高に対して高い率になる))→ 売上 79 億ドル・営業利益 5 億ドル。決済
倍率:稼ぐ力で測る(SCHEMA §1-3)。構造的に負けた筋書きで、ROTCE が k を下回るため PER は 1÷k が上限になる。ROE 4.6% が k 8.25%(基本 8.0%+quality +0.25%)以下なので、ためた利益は額面を下回る価値で、PER は 1÷k=12.1 倍が上限。上限の 9.5 割の PER 11.5 倍(時価総額 535 億ドルが上限)に置いた。PBR は結果であって根拠ではない。
確率:決済の構造変化(カード競争法・ステーブルコイン)と預金流出で構造的に負ける姿を 12% と置いた(ウェルズ・ファーゴの規制違反の前歴と同程度の厚み)。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
法人・機関・富裕層(WCCIB)
法人・CRE・機関向けの貸出・預金・資金管理、信託・ファンド管理、ウェルス、投資銀行・市場業務(BTIG)。
| 数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル) | 価格残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4,180 | 0.03 | 131 | 64 |
| 10 年後 中立 | 7,315 | 0.03 | 245 | 120 |
取り方:2026 年 7〜9 月期の平均貸出 2,170 億ドルは前年比 +14%、2025 年の平均を貸出約 1,880 億ドル+預金約 2,300 億ドル(推定)と置く。2025 年の収益は 9 か月の 96.7 億ドルを通期へ伸ばして約 131 億ドル(推定、率 3.13%)。税引前 64 億ドルは 9 か月の純利益 36 億ドルからの逆算。価格は利ざやと手数料の率で、物価では上がらず、物価の分は名目の残高の伸びに入れた。競合は JPモルガン・バンク・オブ・アメリカ・ウェルズ・ファーゴ・PNC。
個人・小規模事業(CBB)
個人・小規模事業の預金、住宅ローン、自動車・小口貸出。
| 数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル) | 価格残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4,030 | 0.02 | 80 | 30 |
| 10 年後 中立 | 6,166 | 0.02 | 123 | 38 |
取り方:貸出は住宅ローン約 1,170 億ドルに小口(その他リテール)440 億ドルの一部、預金は約 2,500 億ドルと置き、2025 年の平均を合計 4,030 億ドル(推定)。収益 80 億ドル(推定、率 1.99%)は全社収益 286.6 億ドルから他部門を引いた逆算。税引前 30 億ドルは 9 か月の純利益 17.2 億ドルからの逆算。 将来の率は、残高が名目の伸びを含むので物価を重ねない(2026-10-19 に直した。中立は 2025 年の率のまま、楽観 +4.5%・悲観 −5.5%)。
決済(PS)
加盟店処理のエラボン、法人・購買カード、クレジットカード。
| 数量カード貸出と決済預金の平均残高の合計(億ドル) | 価格残高あたりの純収益の率(手数料と利回り。収益の大半が手数料なので残高に対して高い率になる) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 500 | 0.16 | 82 | 13 |
| 10 年後 中立 | 810 | 0.15 | 122 | 20 |
取り方:カード貸出(7〜9 月期 402 億ドル、2025 年の平均を約 380 億ドル)と決済預金約 120 億ドルの合計 500 億ドル(推定)。収益 82 億ドル(推定)の率 16.4% は、加盟店処理・法人カードの手数料を含むため残高に対して高い。税引前 13 億ドルは 9 か月の純利益 7.9 億ドルからの逆算で、引当と報酬が重く利益率は 16%。
リスクと懸念
決済の価格への政策リスク(カード金利上限・カード競争法)
カード金利の上限案やクレジット・カード競争法(ネットワーク手数料の義務化)が成立すれば、決済の収益(手数料と利回り)が減る。決済は収益の約 3 割を占めるが純利益は小さく、価格が下がれば利益率は 1 桁へ落ちる。10 年の悲観・やや悲観の確率に入れた。
カード・小口の信用コスト
カードの純償却率は 3.29%(延滞 30〜89 日 1.35%)で、2010 年には約 10% まで上がった。小規模事業カードの買収(初期引当 1.35 億ドル)で残高も増える。物価と金利が高止まりして雇用が悪化すれば、損失が先に出る。
BTIG(市場業務・投資銀行)の振れ
BTIG は 7〜9 月期に 2.26 億ドルの収益を足し、資本市場の収益は +69% だが、市場業務は景気と取引量で大きく振れる。買収の相乗効果が届かなければ、費用だけが残る。市場業務の収益は 2025 年の同業でも四半期ごとに 2〜3 割振れる。
NIM の低さと預金コスト
NIM は 2.84% と改善しているが、同業の上位より低い。総預金コストは 1.88% で上がり続け、無利息預金が MMF・国債・ステーブルコインへ流れれば、NIM の改善は止まり、貸出が伸びても純金利収益が伸びない形になる。
含み損と資本の余力
CET1 は 10.8% だが、AOCI を入れると 9.1% で、5 年金利が 86bp 上がった局面で含み損が増えた。金利が下がらない限り含み損は解消せず、自社株買いと買収の余力を縛る。2025 年末の AFS の含み損は 44 億ドル。
商業用不動産と法人貸出
CRE の平均貸出は 530 億ドル(償却率 0.31%)、うちオフィスは 43 億ドル(8.8%)まで縮小したが、金利 5% の世界では借換えが重い。WCCIB の貸出が 14% 伸びており、不況時の損失は新しい貸出が多い分だけ重い。
買収の消化とのれん
ユニオン・バンク(MUFG)・BTIG・小規模事業カードと買収が続く。のれん・無形資産の積み上げは有形自己資本の利益率を下げ、買収で価値を壊すリスクがある。成立前の買収は置かず、確率で触れる。経営の規律(割高な買収をしない)を見る。
今後の分かれ目
- 失業率が 5% を超え、カードと小口・商業用不動産の延滞が 2 四半期続けて上がったら
- 引当が積み上がり、やや悲観・悲観の確率を上げる。谷の PBR は 0.8 倍前後を見て、利益が大きく減っても資本は保たれる前提で考える。
- カード金利の上限案・カード競争法が成立したら
- 決済の収益が 1〜2 割減り、決済の利益率を 3〜4 ポイント下げて見る。10 年の悲観の確率を 5 ポイント上げ、ROTCE と g を下げて式で倍率を引き直す。
- 資本規制の緩和(SLR・バーゼル III の再提案)が確定し、CET1 の必要水準が下がったら
- 自社株買いの余力が広がり、ROTCE が 1〜2 ポイント上がる。楽観・やや楽観の確率を上げ、ROTCE を上げて式で倍率を引き直す。
- 預金コストが上がり続け、NIM が 2.7% を割り込んだら
- 純金利収益の見通しを下げ、やや悲観の確率を上げる。ROTCE は 13% 台へ下げて見る。
- ROTCE が 2 四半期続けて 18% を超え、効率比率が 55% を下回ったら
- 目標の上振れが見えたとして、やや楽観・楽観の確率を上げる。
- BTIG の収益が景気や取引量の低下で半減したら
- WCCIB の収益と利益率を下げて見る(収益で年約 4 億ドル、純利益で約 1.5 億ドルの目減り)。買収の評価を下げ、資本配分の確信度も下げる。
見ておくもの
- NIM(2.84%)と総預金コスト(1.88%)、純金利収益の伸び(10〜12 月期 +6〜7% の見通し)
- 純償却率(0.51%)・カード償却率(3.29%)・延滞、CRE と小規模事業カードの引当
- CET1(10.8%・AOCI 込み 9.1%)、自社株買いの再開と配当の増額、資本規制の緩和
- 効率比率(55.9%)・営業の梃子(約 +300bp)・費用の伸び(約 +8%)
- 決済の純利益(1.75 億ドル)の回復と、カード金利上限案・カード競争法の動き
- BTIG の収益(2.26 億ドル)と資本市場の収益、WCCIB の貸出の伸び(+14%)
倍率と資本コストの決め方
今の PER 12.2 倍・PBR 1.40 倍を見る前に、3 つのセグメントごとの残高(貸出+預金)× 残高あたりの収益率を積み上げ、ROE・成長・資本コストから利益ベースの正当化 PER の上限を出し、その 9 割に倍率を置いた。資本コストは基本 8.0% に quality +0.25%(決済と信託の手数料で金利の影響は小さいが、信用コストと預金競争で振れる)を足した 8.25%。中立の 10 年後は帳簿の ROE 12.6%(ROTCE 14.8%。今の 18.5% より低く置き、信用コストの正常化・決済の価格低下・資本の積み増しを織り込む)・g 4.0%・RONIC 10.4% で上限 PER 14.5 倍、その 9 割の 13.1 倍。今の 1.40 倍にも過去の PER 幅にも寄せていない。他の大手銀行と同じ物差し(g 4.0%・RONIC は ROE から半分残す・上限の 9 割)で置いた。ROTCE が届かない道は確率で表した。表の純利益・自己資本は優先株を除く普通株の値で、文章の純利益は優先配当前の値。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 5% + β 1.02 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.25% = 8.25%。決済と信託の手数料で金利の影響は小さいが、NIM は大手で低めで、信用コストの振れもあるので小さく上げた。決済の政策リスク・買収の消化・預金流出は k に足さず、悲観の確率と利益率で表した。