結論
プログレッシブ(Progressive)は、米国の個人向け自動車保険で首位を争う損害保険会社である。2025 年の保険料は 832 億ドル(前年比 +12%)、純利益は 113 億ドル、自己資本は 303 億ドルで ROE は 37%、引受利益率は 12.6% と過去に例のない高さだった。2026 年に入っても契約は 4,049 万件(8 月末、前年比 +7%)と伸びているが、複合損害率は 4〜6 月期の 87.3 から 8 月に 89.3 へ悪化し、純利益は前年同月より 22% 減った。
強みは、事故の確率を車ごとに細かく値付けする引受の精度、代理店と直販の両方の販売網、年 51 億ドルの広告で他社より低い費用で契約を取る規模である。弱みは、利益率が会社の目標(引受利益率 4%)の 3 倍に達していて、競合が広告と値下げで取り返しに来る局面にあること、そして運転支援・自動運転で事故そのものが減る長期の不確かさである。
バリュー投資の観点では、10 年後も自動車保険は存在し、保険料は物価並みに伸び、プログレッシブの堀(データ・価格を決める力・低い費用)は今より広いと見る。ただし今の利益は山にある。中立の筋書きは、10 年後に純利益が年 4% 弱で伸びて ROE 約 29% に収れんする。資本コスト 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)、倍率は利益ベースの正当化 PER の 8.5 割で、中立の PER は 14.9 倍。今の PER 11 倍・PBR 4.2 倍とは大きく違うが、今の株価には寄せていない。悲観の確率は 10 年で 12% 置いた。確率で加重した 10 年後の価値は 1725 億ドルで、今の時価総額 1285 億ドルに対し +34%(総合で「割安」)。差の大半は ROE の前提から来るので、数字の大きさは割り引いて読むべきである。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、自動車保険は「フロート(預かった保険料)を安く長く使えるか」で価値が決まる。プログレッシブは引受で利益を出しながら運用資産を 974 億ドルまで積み上げた。引受益が出る限り、フロートは費用のかからない資本であり、これが堀の中心である。10 年後も自動車保険の事業は存在し、プログレッシブは今より強い位置にいると見る。
オーナー利益は、純利益から成長に要る資本を引いたものである。保険料が増えれば支払余力(自己資本)も要るので、利益の全部は株主のものにならない。2025 年は純利益 113 億ドルに対し 82 億ドルを返した。成長が物価を少し上回る程度に鈍る成熟期には、利益の約 8 割を返せる計算になる。
資本配分の評価は高い。買収で価値を壊さず、自社株買いの値段で迷わず、利益が出た分を配当で返す。経営は利益率が目標を超えると広告に回して競争を呼ぶ。この規律は、短期の利益を最大にしない代わりに長期の数量とシェアを取る。
安全域は、悲観(運転支援で保険料が細り構造的に負けた 10 年)でも、還元を合わせて今の時価総額の 57% に留まる点にある。事業は分かりやすく確信度は高いが、利益率が山にあることと運転支援で事故が減る長期の不確かさの 2 つが残る。
何で稼ぐ会社か
プログレッシブは 3 つの塊で稼ぐ。第一に個人向け自動車・特殊車両(二輪・ボート・キャンピングカー)。2025 年の保険料は約 660 億ドルで全体の約 8 割を占め、直販(電話・ネット)と独立代理店の 2 つの経路で売る。直販の契約が 2026 年 8 月に前年比 +9%、代理店が +7% と伸びている。事故の履歴・走行の癖(運転の記録を取る「スナップショット」)・信用情報などを使って 1 台ごとに料率を変え、損害率が悪化すれば月単位で料率を見直す。
第二に個人向け財物(住宅保険・賃貸保険)で、契約は約 365 万件とほぼ横ばい。大災害の多い地域は引受を絞り、自動車と一緒に売る形が中心。第三に商業向けで、商用の自動車(運送・建設・配達など)と小口事業の賠償責任・財物を扱う。2025 年は配車アプリ会社向けの契約を更新せず、商業の保険料が 3% 減った。
利益は 2 つの源から出る。保険料から保険金・費用を引いた引受益(2025 年は約 100 億ドル)と、預かった保険料を払うまでの間に運用して得る運用益(2025 年は 36 億ドル)。運用資産は 974 億ドルで、債券が 85% を占める。短期金利 3.5〜4%・長期金利 5% の世界では、低い利回りで買った債券が満期を迎えて入れ替わるだけで運用益が増える。
もう 1 つの特徴は広告費で、2025 年は 51 億ドルを使った。契約を取る費用が損害率より先に動くため、競争が強まると利益率より先にこの数字が増える。株主への還元は「年次変動配当」で、引受益に連動して決まる(2025 年は 82 億ドルを宣言し、年末に未払いとして負債に計上済み)。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第一に引受の精度とデータ。数千万件の契約の事故・修理・医療の履歴と走行データが蓄積され、料率を細かく切るほど、ライバルは平均的な料率で優良な契約を取られ、悪い契約だけが残る逆選択に陥る。第二に低い費用。直販と代理店の両方で契約を取りながら、保険料に占める費用の割合は同業より低く、広告費の効率で上回る。第三に規模。2025 年の自動車保険は 2024 年に続き米国 2 位で、S&P の集計では 2026 年 3 月末の 12 か月で直接販売の保険料がステート・ファーム(State Farm)の群を初めて上回った。
価格を決める力は強いが、料率サイクルの外には出られない。2026 年 4〜6 月期に個人自動車の料率は全国で 1% 未満下がり、競合のオールステート(Allstate)は新規契約が +8.8% と攻めている。
資本効率は突出している。ROE は 2025 年に 37% で、同業の損保の多くが 10〜15% にとどまる中、約 2 倍の水準。ただし 12.6% の引受利益率は事故件数の少なさ(頻度の低下)と好天、準備金の好転に支えられた山で、10 年平均は 5〜8% だった。経営はトリシア・グリフィス CEO が 2016 年から率い、「利益を出しつつ最大限に成長する」方針で、利益率が目標(4%)を超えると広告と値下げに回す。この規律が弱みでもあり、利益が出るほど競争を呼び込む。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の個人自動車保険の保険料は年 3,800 億ドル規模(推定)で、上位 15 社が約 85% を握る寡占の市場である。2021〜23 年は修理費・部品・医療費・中古車価格の急騰で損害率が大きく悪化し、全社が大幅に値上げした。2024〜25 年は事故が減り、料率の遅れた効果もあって利益率が過去最高になり、業界の個人自動車の複合損害率は 91.8(2025 年・Triple-I)まで下がった。
2026 年は利益が出すぎた分を取り戻す局面に入った。料率は横ばいから微減に変わり、各社は広告で契約を取りに来ている。ステート・ファームの個人自動車は 1〜3 月に前年比 −2.8% と縮み、オールステートは契約が +2.8%・新規が +8.8% と増やしたが、1 契約あたりの平均保険料は前年よりやや下がった。ガイコ(GEICO、バークシャー・ハサウェイ傘下)は 2023 年の引き締めから攻めに転じている。
構造の変化は 3 つ。第一に運転支援・自動運転で事故が減り、長期では保険料の総額が伸びにくくなる(保険料は契約の数と 1 件の額で決まるので、1 件の額が物価に届かなくなる)。第二に修理費の物価で、関税で部品が上がり、新しい車は電子部品が多く直しにくい。第三に気候で、雹・ハリケーンの大災害が財物と自動車の車両保険の損害を増やす。価格(料率)と数量(契約)の関係は、料率を下げれば契約が増えるが、競合が同じことをすれば数量が増えずに価格だけ下がる。プログレッシブはこの局面で、損害率より先に広告費を増やして数量を取りにいく。
資本政策と M&A
資本政策の軸は「必要な自己資本を残して、残りを年次変動配当で返す」である。取締役会が決める割合と、成長と利益の目標に対する達成度(ゲインシェア係数 0〜2)で、税引き後の引受益に連動して決まる。2025 年は 82 億ドルを宣言し(純利益の約 72%)、年末に未払いの負債として計上した。自己資本 303 億ドルはこの控除後の値である。自社株買いは年 1〜2 億ドルと少なく、株数はほとんど変わらない(年 0.1% 増)。
借金は 69 億ドルの社債(自己資本比率 25.2%)で、時価総額の 5.4%。借り換えで金利は上がるが、純利益への影響は 1 億ドル前後と小さい。
M&A はほとんどしない。自前で契約を増やす有機成長を貫き、買収で買ったのれんは小さい。買われる側になる可能性も時価総額が約 1,290 億ドルと大きく、ほぼない。ガバナンスは、トリシア・グリフィス CEO(2016 年から)が率い、利益の分配が決まった仕組みなので透明性は高い。フロリダでは過剰な利益を契約者に返す法に基づき、2025 年に 12 億ドルを保険契約者への還元として費用にした(利益率を 1.7 ポイント押し下げた)。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
プログレッシブは、自動車保険で他社が追いつけない 3 つの差を持つ。第一にデータの差。数千万件の契約と車ごとの走行の癖で、優良な契約を安く、悪い契約を高く値付けでき、競合は逆選択に追い込まれる。2026 年も契約は +7%(直販 +9%)で伸び、ステート・ファームは縮んでいる。第二に費用の差。広告費は年 51 億ドルでも、保険料に対する費用率は同業より低く、規模が大きいほど 1 件あたりの広告費は下がる。第三に経営の規律。利益率が目標を超えれば広告と値下げに回して契約を取る。短期の利益を犠牲にして長期のシェアを買う方針は、10 年で個人自動車のシェアを 17% から 20% 台半ばへ押し上げる。
利益の質も高い。自己資本利益率は 37%、運用益は 36 億ドルで、金利が高い世界では低利で買った債券が入れ替わるたびに増える。引受利益率が 12.6% から 7〜8% に落ちても、保険料が 10 年で 2 倍になれば純利益は増える。ROE 約 29%・g 3.25% なら、利益ベースの正当化 PER は 20 倍前後になり、事業の質に見合う。2025 年の宣言配当は純利益の約 72% で、成長しながら返せる点も株主にとって大きい。
慎重な見方
今の利益は山にある。2025 年の引受利益率 12.6% は会社の目標(4%)の 3 倍で、事故が減った頻度の低下と好天、準備金の好転に支えられた。2026 年は 4〜6 月期に複合損害率 87.3 だったものが 8 月に 89.3、前年同月の 83.1 から 6 ポイント悪化し、純利益は 22% 減った。料率は 1% 未満下がり、オールステートは新規契約 +8.8%、ガイコは攻めに転じ、広告費の競争が始まっている。
利益が出るほど会社は広告と値下げに回す方針なので、利益率は目標に向かって下がる性質を持つ。過去 10 年の引受利益率は 5〜8% で、2022 年は 2.8%(営業利益率)まで落ちた。関税で修理部品が上がり、新しい車は直しにくく、気候で大災害が増える。フロリダでは過剰な利益を還元する法で 12 億ドルを費用にしており、利益が出すぎれば返す仕組みもある。
長期では、運転支援と自動運転で事故が減り、1 件あたりの保険料が物価に届かなくなる。ウェイモ(Waymo)やテスラ(Tesla)のように車の作り手が自分で保険を引き受ければ、自動車保険の市場そのものが細る。資本コストの前提がわずかに上がるだけで倍率は 2〜3 割下がる。中立の倍率を前提にした価値は、前提のずれに敏感すぎる。
どちらに重みを置いたか
事業の質は強気の見方が優勢で、ROE の高さ・データの差・規律は疑いが小さい。一方、利益率の置き方は慎重な見方を取り、引受利益率を 10 年で 7% に下げ、純利益は年 4% 弱にとどめた。確率は中立に最も厚く(10 年 34%)、悲観を 12% と慎重に置いた。倍率は利益ベースの正当化 PER の 8.5 割で、競争の影響は利益率と ROE の側に載せた。結果は 10 年で +34%、総合は「割安」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 384.14 ドル2,259 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 185.64 ドル1,092 億ドル)。 今の値に割り戻すと 293.36 ドル1,725 億ドル、今との差 +27.8%、 期待の年率 +9.5%(資本コスト 8.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 688.79 ドル4,051 億ドル | 246.22 ドル1,448 億ドル | +307.2% | +15.1% | 74.80 ドル440 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 564.65 ドル3,321 億ドル | 223.09 ドル1,312 億ドル | +243.1% | +13.1% | 173.30 ドル1,019 億ドル |
| 中立 | 34% | 417.48 ドル2,455 億ドル | 195.89 ドル1,152 億ドル | +167.1% | +10.3% | 208.54 ドル1,226 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 245.21 ドル1,442 億ドル | 163.58 ドル962 億ドル | +78.0% | +5.9% | 98.11 ドル577 億ドル |
| 悲観 | 12% | 33.51 ドル197 億ドル | 91.65 ドル539 億ドル | −45.5% | −5.9% | 15.02 ドル88 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 384.14 ドル2,259 億ドル | 185.64 ドル1,092 億ドル | +148.1% | +9.5% | 569.78 ドル3,351 億ドル |
今の株価時価総額 229.62 ドル1,350 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 強気:首位に立ち、シェア 26% へ 利益 243 億ドル · PER 16.7 倍 · 株価時価総額 688.79 ドル4,051 億ドル
プログレッシブが個人自動車の首位に立ち、シェアを伸ばし続ける筋書き。個人自動車の保険料市場は物価と台数で約 1.5 倍の約 5,700 億ドルに育ち、プログレッシブのシェアは 17% 前後から 26% に上がる。個人向け自動車は契約 +65%・保険料 1 件あたり +42% で 1,518 億ドル、複合損害率 90.5%(引受益 144 億ドル)。ステート・ファームは個人自動車で縮小を続け、ガイコとオールステートは追いつけない。財物は 125 億ドル、商業は 271 億ドル(小口事業と商用車の広がり)。運用資産は約 2,267 億ドル、運用益 108 億ドル。純利益は 243 億ドル(年 7.9%)、自己資本 697 億ドル。運転支援の普及で事故が減っても、料率が先に下がる分は引受の精度で吸収できる前提。
- 個人向け自動車・特殊車両:数量 5,330(契約件数(万件・年間平均の相当))× 価格 2,849(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 1,518 億ドル・営業利益 144 億ドル。複合損害率 90.5%
- 個人向け財物(住宅・賃貸):数量 504(契約件数(万件))× 価格 2,485(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 125 億ドル・営業利益 10 億ドル。複合損害率 92.0%
- 商業向け(商用自動車・小口事業):数量 198(契約件数(万件))× 価格 13,683(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 271 億ドル・営業利益 33 億ドル。複合損害率 88.0%
- 運用(保険料の預かり資産):数量 2,199(運用資産(億ドル。期中平均))× 価格 0.05(利回り(運用収益 ÷ 運用資産))→ 売上 108 億ドル・営業利益 108 億ドル。運用資産 × 利回り
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。保険料は物価並み、契約は市場の実質 +1% 前後で約 3.25%(中立)。4% を超えない)・事業の ROE 35%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 243.0 ÷ 自己資本 697.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 21.7%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 18.1 倍(上限 = 純利益 243.0 億ドル × これ = 4404 億ドル)。これの 0.9 割(16.7 倍)に置いた。楽観:利益の質が最も良く出る筋書きなので上限に最も近く置いた。
確率:自動車保険の首位として 10 年シェアを取り続ける筋書きは、競合が応戦する点で 1 割に届かない 8%。
やや楽観 22% やや強気:シェアが緩やかに伸び、堀が保たれる 利益 206 億ドル · PER 16.1 倍 · 株価時価総額 564.65 ドル3,321 億ドル
シェアは緩やかに上がり、堀は保たれる筋書き。個人向け自動車は契約 +52%・保険料 +40% で 1,379 億ドル(シェア約 24%)、複合損害率 91.5%(引受益 117 億ドル)。財物は 110 億ドル、商業は 241 億ドル。運用益 97 億ドル。純利益 206 億ドル(年 6.2%)、自己資本 630 億ドル。ガイコは広告と値下げで巻き返すが、プログレッシブは料率を車ごとに月単位で見直せる仕組みという価格を決める力で、引受利益率 8.5% を守る。ステート・ファームの縮小で出た契約の一部を直販で取り込み、商業は小口事業の広がりで保険料が約 2.3 倍になる。運転支援の影響は保険料の伸びを物価よりやや低く抑える程度にとどまる。
- 個人向け自動車・特殊車両:数量 4,910(契約件数(万件・年間平均の相当))× 価格 2,809(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 1,379 億ドル・営業利益 117 億ドル。複合損害率 91.5%
- 個人向け財物(住宅・賃貸):数量 450(契約件数(万件))× 価格 2,450(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 110 億ドル・営業利益 8 億ドル。複合損害率 93.0%
- 商業向け(商用自動車・小口事業):数量 176(契約件数(万件))× 価格 13,683(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 241 億ドル・営業利益 26 億ドル。複合損害率 89.0%
- 運用(保険料の預かり資産):数量 1,987(運用資産(億ドル。期中平均))× 価格 0.05(利回り(運用収益 ÷ 運用資産))→ 売上 97 億ドル・営業利益 97 億ドル。運用資産 × 利回り
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。保険料は物価並み、契約は市場の実質 +1% 前後で約 3.25%(中立)。4% を超えない)・事業の ROE 33%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 206.0 ÷ 自己資本 630.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 20.6%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 17.9 倍(上限 = 純利益 206.0 億ドル × これ = 3689 億ドル)。これの 0.9 割(16.1 倍)に置いた。やや楽観:楽観より伸びと利益率が控えめなので一段下。
確率:シェア獲得と堀が保たれる筋書き。過去 10 年の実績に近く 2 割強。
中立 34% 中立:優良な自動車保険会社としてシェア 22% へ 利益 165 億ドル · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 417.48 ドル2,455 億ドル
優良な自動車保険会社として、シェアを 17% から約 22% へ伸ばす筋書き。個人自動車の保険料市場は台数 +0.8%/年・保険料 +3.5%/年で約 1.5 倍の約 5,700 億ドル。プログレッシブの個人向け自動車は契約 +40%(シェア獲得と市場の台数増)・保険料 1 件あたり +37%(物価並みからわずかに下。運転支援による事故減が一部を打ち消す)で 1,243 億ドル、複合損害率 93.0%(引受益 87 億ドル)。財物は 96 億ドル(保険料は物価並みで契約は 1 割増)、商業は小口の伸びで 215 億ドル。運用資産は約 1,840 億ドルで運用益 86 億ドル。純利益は 165 億ドル(年 3.8%)、自己資本 566 億ドル(ROE 29%)。引受の利益率は 2025 年の 12.6% から会社の目標(4%)の倍近い 7% へ落ち着き、10 年かけて利益は物価をやや上回る程度に伸びる。
- 個人向け自動車・特殊車両:数量 4,522(契約件数(万件・年間平均の相当))× 価格 2,749(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 1,243 億ドル・営業利益 87 億ドル。複合損害率 93.0%
- 個人向け財物(住宅・賃貸):数量 396(契約件数(万件))× 価格 2,415(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 96 億ドル・営業利益 6 億ドル。複合損害率 94.0%
- 商業向け(商用自動車・小口事業):数量 160(契約件数(万件))× 価格 13,490(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 215 億ドル・営業利益 22 億ドル。複合損害率 90.0%
- 運用(保険料の預かり資産):数量 1,785(運用資産(億ドル。期中平均))× 価格 0.05(利回り(運用収益 ÷ 運用資産))→ 売上 86 億ドル・営業利益 86 億ドル。運用資産 × 利回り
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。保険料は物価並み、契約は市場の実質 +1% 前後で約 3.25%(中立)。4% を超えない)・事業の ROE 29%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 165.0 ÷ 自己資本 566.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.8%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 17.5 倍(上限 = 純利益 165.0 億ドル × これ = 2888 億ドル)。これの 0.9 割(14.9 倍)に置いた。中立:データと価格を決める力、低い費用による高い ROE は本物だが、利益率は山にあり、運転支援で長期の保険料が細る不確かさを織り込み、上限の 8.5 割にとどめた
確率:議論の落としどころ。シェアは伸びるが利益率は平常へ戻る。
やや悲観 24% やや弱気:競争が構造になり利益率が長く 5% 前後 利益 115 億ドル · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 245.21 ドル1,442 億ドル
競争が構造になり、利益率が長く 5% 前後にとどまる筋書き。ガイコ・ステート・ファーム・オールステートが広告と価格で応戦し、プログレッシブのシェアは約 19% で頭打ち。個人向け自動車は契約 +28%・保険料 +30% で 1,078 億ドル、複合損害率 95.0%(引受益 54 億ドル)。財物は大災害の増加で複合損害率 97.0%、商業は 93.0%。運用益 70 億ドル。純利益は 115 億ドル(年 0.2%)、自己資本 483 億ドル。株主への還元は変動配当の縮小で 962 億ドル。ステート・ファームが値下げで応戦し、ガイコが広告を増やす一方、運転支援で事故が減る分は料率の低下として契約者に還元される。契約は伸びても 1 件あたりの利益が薄く、財物は気候で赤字の年が増え、資本をかけた割に利益が伸びない。
- 個人向け自動車・特殊車両:数量 4,134(契約件数(万件・年間平均の相当))× 価格 2,608(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 1,078 億ドル・営業利益 54 億ドル。複合損害率 95.0%
- 個人向け財物(住宅・賃貸):数量 360(契約件数(万件))× 価格 2,275(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 82 億ドル・営業利益 2 億ドル。複合損害率 97.0%
- 商業向け(商用自動車・小口事業):数量 132(契約件数(万件))× 価格 12,527(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 165 億ドル・営業利益 12 億ドル。複合損害率 93.0%
- 運用(保険料の預かり資産):数量 1,523(運用資産(億ドル。期中平均))× 価格 0.05(利回り(運用収益 ÷ 運用資産))→ 売上 70 億ドル・営業利益 70 億ドル。運用資産 × 利回り
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.50%(基本 8.0% + quality +0.50%)・g 4.0%(上限の内側。保険料は物価並み、契約は市場の実質 +1% 前後で約 3.25%(中立)。4% を超えない)・事業の ROE 24%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 115.0 ÷ 自己資本 483.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 16.2%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 16.7 倍(上限 = 純利益 115.0 億ドル × これ = 1923 億ドル)。これの 0.8 割(12.5 倍)に置いた。やや悲観:伸びが落ち堀が削れた会社として中立より下。
確率:競争が構造になり利益率が 5% 前後にとどまる筋書き。慎重な見方の根拠が多いので 24%。
悲観 12% 悲観:運転支援と車の作り手の自社保険で保険料が細る 利益 17 億ドル · PBR 0.7 倍 · 株価時価総額 33.51 ドル197 億ドル
運転支援・自動運転と競争で、個人自動車の保険料が構造的に細り、もう優良な会社ではなくなっている筋書き。ウェイモ(Waymo)やテスラ(Tesla)のような車の作り手が自社で保険を引き受け、事故が減って保険料の総額が伸びなくなる。プログレッシブは値引きで契約を守るが、個人向け自動車は契約 ±0%・保険料 +12%(物価の半分以下)で 726 億ドル、複合損害率 102.0%(引受損 15 億ドル)。財物(複合損害率 108.0%)と商業も赤字寄り。運用益 43 億ドルが利益のほぼ全てで、純利益は 17 億ドル(ROE 4.6%)、自己資本 364 億ドル。ならした利益では見ず、自己資本 × 式の PBR で測る。還元(539 億ドル)は、縮む事業に不要になった余剰の自己資本を、債券の売却で現金をつくり変動配当と特別配当で払い出した分で、純利益の合計を超える。
- 個人向け自動車・特殊車両:数量 3,230(契約件数(万件・年間平均の相当))× 価格 2,247(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 726 億ドル・営業利益 −15 億ドル。複合損害率 102.0%
- 個人向け財物(住宅・賃貸):数量 252(契約件数(万件))× 価格 2,100(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 53 億ドル・営業利益 −4 億ドル。複合損害率 108.0%
- 商業向け(商用自動車・小口事業):数量 99.0(契約件数(万件))× 価格 11,563(1 件あたり年間保険料(ドル))→ 売上 114 億ドル・営業利益 −2 億ドル。複合損害率 102.0%
- 運用(保険料の預かり資産):数量 1,064(運用資産(億ドル。期中平均))× 価格 0.04(利回り(運用収益 ÷ 運用資産))→ 売上 43 億ドル・営業利益 43 億ドル。運用資産 × 利回り
倍率:構造的に負けた筋書き。10 年目の純利益 17 億ドルは自己資本 364 億ドルに対し ROE 4.6% で k(8.5%)を下回るので、ならした利益でなく稼ぐ力と自己資本で測る。稼ぐ力は 17 億ドル ÷ 8.5% = 約 200 億ドル。今の自己資本 303 億ドルの 0.65 倍 = 197 億ドルを置いた(稼ぐ力とほぼ同じ。保険料を預かる資産は残るため床は割らない)。市場の値付けからは置いていない。
確率:運転支援・自動運転と車の作り手による自社保険、価格競争が重なる確率を 12%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
個人向け自動車・特殊車両
個人の自動車保険(直販と独立代理店)と、二輪・ボート・キャンピングカーなどの特殊車両。事業の約 8 割。
| 数量契約件数(万件・年間平均の相当) | 価格1 件あたり年間保険料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,230 | 2,006 | 648 | 83 |
| 10 年後 中立 | 4,522 | 2,749 | 1,243 | 87 |
取り方:2025 年の経過保険料 約 648 億ドル(個人自動車・特殊車両の保険料 約 660 億ドルから算出)を、年間平均の契約 3,230 万件 × 1 件あたり 約 2,006 ドルに置いた推定(契約数は全社 4,049 万件・財物 365 万件・商業約 110 万件から逆算)。市場は米国の個人自動車保険(約 3,800 億ドルと推定。公表値に幅がある)で、シェアは約 17%。競合はステート・ファーム、ガイコ(GEICO)、オールステート(Allstate)。引受利益率は 2025 年の個人全体で 12.5%、車両は 12.8% と置いた。価格は 3 年 1.05 倍・10 年 1.37 倍(物価 1.11 倍・1.41 倍より低い。2026 年は料率が 1% 未満の低下、運転支援による事故減が一部を打ち消す)。
個人向け財物(住宅・賃貸)
住宅保険・賃貸保険。自動車とセットで売る。大災害の多い地域は絞る。
| 数量契約件数(万件) | 価格1 件あたり年間保険料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 360 | 1,750 | 63 | 6 |
| 10 年後 中立 | 396 | 2,415 | 96 | 6 |
取り方:2026 年 8 月の契約約 365 万件(前年比ほぼ横ばい)に合わせ、2025 年は 360 万件 × 約 1,750 ドルと置いた推定(保険料は個人の約 1 割弱)。引受利益率は大災害の影響で車両より低い約 9.5% と置いた。個人財物の料率は 2026 年 4〜6 月期に約 +1%。価格は再調達費(建築費)と大災害の増加で 3 年 1.10 倍・10 年 1.38 倍。競合はステート・ファーム、オールステートなど。
商業向け(商用自動車・小口事業)
運送・建設・配達などの商用自動車と、小口事業の賠償・財物。
| 数量契約件数(万件) | 価格1 件あたり年間保険料(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 110 | 9,636 | 106 | 14 |
| 10 年後 中立 | 160 | 13,490 | 215 | 22 |
取り方:2025 年の商業の保険料は個人(87%)に対する残りの約 13%、約 108 億ドル(2025 年は配車アプリ会社向けの契約を更新せず −3%)。経過保険料 約 106 億ドルを 110 万件 × 約 9,636 ドルに置いた推定。引受利益率は 13.0%(会社の開示)。価格は商用車の修理費・賠償の物価で 3 年 1.07 倍・10 年 1.40 倍。競合はトラベラーズ(Travelers)、バークシャー・ハサウェイ、ネイションワイド(Nationwide)など。
運用(保険料の預かり資産)
預かった保険料を払うまでの間の運用益。債券が約 85%。
| 数量運用資産(億ドル。期中平均) | 価格利回り(運用収益 ÷ 運用資産) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 890 | 0.04 | 36 | 36 |
| 10 年後 中立 | 1,785 | 0.05 | 86 | 86 |
取り方:2025 年の運用収益 35.8 億ドルを、期中平均の運用資産 約 890 億ドル(年末 974 億ドル)× 利回り 4.0% に置いた。10 年国債 5%・短期 3.5〜4% が 10 年続く前提で、低利の債券が満期に入れ替わるため利回りは 3 年で 4.6%、10 年で 4.8% に上がる。純利益への「その他」(手数料収入・利払い)は adjust に入れた。
リスクと懸念
利益率の山からの正常化(料率の下落と広告競争)
2025 年の引受利益率 12.6% は目標(4%)の 3 倍で、2026 年は料率が 1% 未満下がり、8 月の複合損害率は 89.3 と前年の 83.1 から悪化した。オールステートの新規契約は +8.8%、ガイコも攻めに転じている。利益が出るほど会社は広告と値下げに回すので、利益率は目標へ向かって下がる性質がある。
事故頻度の反転と修理費の物価
2024〜25 年の利益は事故の頻度が下がった分に支えられた。頻度が戻れば複合損害率は数ポイント悪化し、引受益は 3〜4 割減る。関税による部品高、新しい車の電子部品の多さ、医療費・訴訟費用の上昇が、1 件あたりの損害額を保険料より速く上げうる。
運転支援・自動運転で保険料が細る
運転支援が広がれば事故が減り、保険料の総額が物価に届かなくなる。ウェイモ(Waymo)やテスラ(Tesla)のように車の作り手が自分で保険を引き受ければ、個人自動車の市場そのものが縮む。10 年の悲観の主因で、確率は 12% と置いた。
大災害と財物の赤字
雹・ハリケーン・山火事で個人財物と車両保険の損害が増える。財物の契約は約 365 万件で横ばいだが、気候の傾向線は上向きで、規制の厳しい州では料率を上げにくい。財物の複合損害率は景気より大災害で動くので、利益が一年でほぼ消える年がありうる。自動車と一緒に売る形のため、財物を絞ると自動車の契約も減る点も悩ましい。
規制(フロリダの還元・料率の認可)
フロリダには過剰な利益を契約者に返す法があり、2025 年は 12 億ドルを還元の費用にして利益率を 1.7 ポイント押し下げた。利益が出すぎるほど返す方向に動く。カリフォルニアなど料率の認可が遅れる州では、損害が先に出て料率が遅れる。
運用資産の評価損と金利
運用資産 974 億ドルの 85% は債券で、金利が高止まりしても含み損は満期まで残る。景気後退で信用商品が傷めば、自己資本が削られる。金利が急落すれば、運用益の押し上げも止まる。2022 年のように金利が急に上がる局面でも、保有する債券の評価が下がり自己資本の見かけが減る。
資本コストの前提への敏感さ
k が 8.5% と quality +0.5% を含む水準でも、ROE が高く g との差が小さいので、倍率は k に敏感。k が 0.5 ポイント上がれば倍率は約 1 割下がる。価値の大半は 10 年後の倍率に依存するので、悲観の確率と深さを厚めに置いた。式の ROE も、引受利益率 7% と保険料 ÷ 自己資本 2.8 倍という前提に敏感である。
今後の分かれ目
- 月次の複合損害率が 90 を超えて数か月続き、料率の引き上げが始まる
- 利益率の正常化が 1〜2 年早まる。中立からやや弱気へ確率を寄せ、純利益の水準を下げる。ただし引き上げが効けば契約の伸びは鈍っても利益は戻る。
- オールステートやガイコが広告費を減らし、料率を上げる
- 競争が一巡し、プログレッシブが契約を取りながら利益率 10% 台を保つ。強気とやや強気の確率を上げられる。
- 事故の頻度が 2022 年水準へ戻る
- 複合損害率が数ポイント悪化し、引受益が 3〜4 割減る。ただし料率は後から追いつくので、一過性なら価値の損失は小さい。
- 運転支援の付いた車の保険料が、同じ車種の旧型より 1〜2 割下がる実績が出る
- 10 年の保険料の伸びを物価の半分以下に置き直し、悲観とやや悲観の確率を上げる。
- 配車・自動運転の事業者が自社で保険を引き受ける動きが広がる
- 商業向けと個人向けの両方で数量が細る。10 年の悲観の確率を 12% から上げる。
- 10 年国債が 3% 台に下がる
- 運用益の押し上げが止まり、利回りの上昇(4.0%→4.8%)が崩れる。純利益は 10 年で 1 割ほど減るが、割引率も下がるため価値の差は小さい。
見ておくもの
- 月次の複合損害率(個人自動車・商業別)と大災害を除いた値
- 個人自動車の料率の変化(四半期ごと)と契約の増加率(直販・代理店)
- 広告費の額と新規契約 1 件あたりの獲得費用
- ステート・ファーム・ガイコ・オールステートの新規契約と料率
- 事故の頻度と 1 件あたりの損害額(部品・医療費)
- 年次変動配当の額と必要自己資本の水準
- 運転支援・自動運転と保険の動き
倍率と資本コストの決め方
今の PER 11.4 倍・PBR 4.2 倍を先に見ず、事業ごとに契約 × 保険料で 10 年の利益を積み、その時点の ROE と g から式で倍率を出した。k = 基本 8.0% + quality +0.5% = 8.5%。結果は中立の 10 年で PER 14.9 倍。正当化 PER の 8.5 割に置き、やや悲観・悲観も同じ式の上限に対する割合で置いて、過去の PER や今の倍率には寄せていない。ROE は 10 年目のモデル値で、引受利益率を 2025 年の 12.6% から 7% へ下げて反映した。g は 3.25% と、4% を超えない範囲に置いた。悲観は構造的に負けた筋書きで、自己資本に対する PBR で見ても今の時価総額を下回る。総合は +34% で「割安」。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.5% = 8.5%(β は使わない。決まり v2。内訳は quality_parts と quality_why)。引受の循環と利益率の山、運転支援による長期の不確かさで quality を上げ、データと価格を決める力で一部を戻した。大災害・競争・運転支援のような個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益と悲観の確率・深さで表した。長期の g は 4.0% まで、k − g ≥ 3.5% を守る。