結論
CIBはコロンビア最大級の銀行バンコロンビアを中核とするグルーポ・シベストのADRである。筆者の結論は「やや割安」だが、大きな安全域があるという意味ではない。国内融資の約28%を握る預金網と、金融アプリNequiの顧客接点は10年後も価値を持つ。それでも融資の損失や政治・通貨の変化まで自由に制御できる銀行ではない。
2025年の純利益は添付の財務で9.4億ドルに落ちた。しかし、これは経常的な力だけを示す数字ではない。パナマのBanistmoの売却合意に伴い、のれんの減損と繰延税金負債の見直しを合わせて約3.46兆コロンビア・ペソの純損失が生じた。売却は2026年6月に14.18億ドルで完了し、将来の利益には売却済み銀行を含めない。2026年4〜6月期には親会社帰属利益が約2.73兆ペソ、通期換算ROEが28.7%に達した。ただし、有価証券の評価収益と貸倒費用の低下も寄与しており、その強さを10年間延ばすのは危険だ。
会社は2025年に持株会社へ移行し、Nequiを2026年9月に独立した金融事業会社へ移した。巨大な顧客基盤の上で送金・融資・決済の取引を増やせる利点がある。国内融資のシェアは2024年の27.2%から2025年の27.6%へ上がった半面、競争相手のダビビエンダも伸びている。決済手数料には中央銀行の即時送金網Bre-Bという値下げ圧力もある。
中立では、コロンビアの実質融資需要が緩やかに伸び、金利差が落ち着いた後も純利益を増やせるとみる。2035年の純利益は28.5億ドル、過去の谷を含む正味の10年還元は168.5億ドルと見込む。楽観側では企業向け融資とデジタル収益が想定以上に伸びるが、悲観側では預金流出、信用劣化、規制負担が同時に進む。優良さは認める一方、予測できない損失に備えることが長期保有の条件になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まずこの銀行が2035年にも顧客の資金を預かっているかを考える。答えは高い確率で肯定だ。コロンビアの給与振込、企業の資金決済、住宅融資、Nequiの少額送金は日常生活の仕組みに深く入り込んだ。国の金融システムを支える銀行には、法令順守と預金への信頼という新規参入の壁がある。
だが銀行の会計利益を全部株主に渡せるわけではない。貸出が実質で増えれば、貸倒に備える規制資本も増やさなければならない。2025年の表面上の低い純利益はBanistmoの減損に大きく影響されたが、2026年の高い利ざやも永続する保証はない。継続事業が平常時に稼ぐ利益から、金融システムに残す自己資本を引いた金額がオーナー利益に近い。中立の10年累計利益238.5億ドルに対して、正味の還元を168.5億ドルとするのはそのためだ。
銀行の安さは自己資本の額だけでは決まらない。貸倒が起きれば資産が帳簿どおりに回収できず、経営の良い年に高く買った銀行でも、後年のROEが資本コストを下回れば価値を失う。幸い2026年の事業整理は資本配分を改善する方向だ。ただし、ADR保有者は日々の配当を受けても経営への投票権が限られる。強い商圏を評価する一方、持ち分を守る手段が少ないことまで考えると、少しの割安さで大きな確信を持つべき会社ではない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱はコロンビアの預金・貸出である。バンコロンビアは個人、企業、政府に口座、運転資金、住宅ローン、カード、決済を売る。顧客の預金で融資と有価証券を運用し、受取利息から預金金利と貸倒費用を差し引く。手数料にはカード、口座、送金、保険代理、資産管理がある。2025年の銀行単体の受取利息・金融商品評価益は約26.1兆ペソ、手数料収入は約6.15兆ペソだった。米ドルで見る数値は添付の財務を正とし、事業別の元本・利回りは別途開示から組み立てた。
中米ではエルサルバドルのバンコ・アグリコラが家計と企業の預金・融資で稼ぐ。2025年末の同国融資シェアは24.8%、競争相手のクスカトランは17.4%である。グアテマラのBAMは企業融資と預金に強いが、国内融資シェアは9.3%にとどまり、バンコ・インドゥストリアルの28.6%には規模で及ばない。両国では送金を受け取る家計の収入と、商業・建設融資の信用力が利益を左右する。
国際銀行、リース、運用・証券サービスも収益を補う。米国・パナマでの国際融資や、Renting Colombiaの車両リース、投資銀行と信託は、貸出元本や運用・取扱資産に応じた利息・賃料・手数料を得る。NequiとWompiは主にデジタル口座、送金、加盟店決済を提供し、利用者や取扱件数が増えるほど収益機会が増える。Nequiの2025年末の稼働利用者は2,190万人、2026年6月には2,350万人に達した。2025年の独立した売上は十分に開示されないため、関連事業の手数料を顧客数で割る代理値を使う。
2025年のパナマ銀行Banistmoは別に扱う。売却合意時点で独立した非継続事業に分類され、2026年6月30日にグループを離れた。したがって基準年にはその金利収入と正常時の利益を示すが、2035年には数量も売上もゼロとする。売却代金を10年間の営業売上に紛れ込ませず、資本政策と自己資本の推移で扱う。
優良さと弱いところ
最大の堀は、単に支店が多いことではなく、賃金振込、商店の決済、融資審査、家族間送金が同じ金融網につながっていることだ。コロンビアの2025年末の融資シェア27.6%と当座預金シェア26.4%は、地域で積み重ねた信頼を示す。Bre-Bの即時決済用識別キーでも2025年末にバンコロンビアとNequiが約5,100万件を保有し、全体の約53%を占めた。決済接点と取引履歴が融資の審査と顧客維持につながる。
ただし、値上げを自由に通す独占企業ではない。預金者は金利の高い商品へ移り、融資先はダビビエンダ、ボゴタ銀行、BBVA、ヌーバンクを比較する。2026年4〜6月期の預金コストは4.40%に上がった。銀行の強みは支店と規模にあるが、規制と即時送金網は手数料を下げる方向に働く。Nequiの利用者は多いものの、利用者数がそのまま高い利益率の証拠になるわけではない。
資本効率も一様ではない。2025年は減損でROEが9.0%に低下したが、2022〜24年はおおむね14〜20%で推移した。2026年上期のROE21.5%は売却後の事業の力を示す一方、貸倒費用の戻りと証券評価益を含む。銀行にとって増分ROEが資本コストを超えて初めて融資拡大に価値が生まれる。筆者は国内の長い取引関係を評価するが、グアテマラでの弱い立場や規制・景気の影響を考え、全社の堀は「普通」と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
コロンビアの銀行市場は大手行への集中が進む寡占市場である。2025年末の融資シェアはバンコロンビア27.6%、ダビビエンダ16.0%、ボゴタ銀行12.8%、BBVA10.8%だった。上位4行だけで約3分の2を占める。ここから10年の国内市場の実質融資需要は中立で約1.10倍と想定する。バンコロンビアの残高がそれを上回るならシェアは28%台へ高まるが、競合の買収や信用審査の高度化によって逆転される道も残る。
中米は国ごとに事情が違う。エルサルバドルではバンコ・アグリコラが融資24.8%、決済性・貯蓄性預金30.7%で首位を維持するが、クスカトランやBACの追い上げがある。グアテマラではBAMの融資シェア9.3%に対し、最大手バンコ・インドゥストリアルは28.6%。中立では両市場の実質融資残高が10年で約1.12〜1.20倍に増え、会社の獲得分は店舗数と審査力の差で決まる。米国からの移民送金の鈍化は顧客の返済余力を減らす。
直近の信用環境は平穏と断言できない。2026年6月末のグループ融資残高は約262兆ペソ、預金は約271兆ペソだった。四半期の純金利マージンは7.94%まで改善したが、貸倒費用率は年率1.56%、30日以上の延滞率は3.59%ある。さらにコロンビア中央銀行は2026年10月1日から政策金利を12.25%としており、同年9月の物価上昇率は6.29%だった。高金利は融資利回りを助ける半面、新規借り手と既存債務者を傷める。
技術の変化も両刃だ。即時決済Bre-Bとヌーバンクなどは従来の送金手数料と口座の囲い込みを弱める。他方、金融免許、決済の清算、預金保険、信用リスクの負担はアプリだけでは置き換わらない。ここでの事業は人月受託や席課金SaaSではなく、指定のAIエージェント代替の型には該当しない。ただしAIが顧客の比較・決済操作を代行すると、顧客接点と手数料は細る可能性がある。
資本政策と M&A
資本配分で最も大きい判断はBanistmoの売却である。2013年に買収したパナマ銀行を2026年6月に14.18億ドルで手放した。2025年には売却のために正味約3.46兆ペソの減損を計上したが、保有を続けるより収益性と資本効率の高い領域へ資金を振り向ける機会を得た。売却を成功と呼べるかは、受領代金を低収益の買収で再び失わないかで決まる。
持株会社への再編は2025年5月に完了し、ADRも同じCIBのまま新持株会社へ交換された。2026年9月にはNequiをグループ内の独立金融会社へ移し、同年8月には給与・年金向け融資のAvista Colombiaを買収した。小型の買収は既存データと配布網に乗せられるが、高い融資利回りを求めすぎれば貸倒が増える。会社全体で10年後の利益や配当の数値保証はない。
還元については、2026年の通常配当を年4,512ペソ、9月の特別配当を計約1.20兆ペソと決議した。自社株買いは2026年4月承認の総額最大1.35兆ペソ、2029年4月までの枠がある。これは恒久的な還元率の約束ではない。2025年に添付財務で配当12.8億ドルと買戻し1.1億ドルを実施していても、特別利益・売却代金・過去の積立金からの支払いを毎年のオーナー利益と混同してはいけない。優先株のADRには通常の議決権がなく、スーラ・グループが普通株の大きな割合を保有する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
コロンビアの最大行が国内融資の約28%を握り、Nequiの稼働利用者が2,000万人を超える。この組み合わせは単なる大規模支店網より強い。会社の顧客は給与を受け取り、店の売上を決済し、借り入れ、余剰金を運用する。金融システムを移るには口座だけでなく、請求書や家族間送金、与信の履歴まで変える必要がある。2025年末のBre-B識別キーの過半が同じグループの経路にあり、ネットワークの厚みは実際に観測できる。
2026年4〜6月期の純金利マージン7.94%と親会社帰属利益約2.73兆ペソは、2025年の減損後も継続事業が稼げることを示す。延滞はあるが貸倒費用率が改善し、普通の預金に戻る利用者も多い。ペソの長期価値を一定に見れば、国内の実質融資需要が伸びるだけでなく、融資市場でシェアを30%程度まで高める可能性がある。競合のダビビエンダやボゴタ銀行より広い決済網を使い、審査と集客の単価を下げられる。
Banistmoを手放したこともプラスだ。パナマで弱い立場の銀行を維持する資本を、首位のコロンビアとエルサルバドルへ回せる。Nequiは独立会社になって新しい融資商品を出しやすくなり、Wompiと組むことで加盟店の収益を増やせる。買戻しと配当が利益に応じて続き、増分ROEが高く保たれれば、株主は事業成長に加えて相当額の現金を受け取ることになる。
慎重な見方
ここは銀行である以上、利ざやの高さを堀の広さと取り違えるべきではない。2026年10月のコロンビア政策金利は12.25%で、借り手は高い名目金利を負担している。信用費用率1.56%と30日延滞率3.59%は平時の薄い損失ではない。信用の急変が起きると、金利収入が増えても貸倒引当で利益は一気に消える。2020年には添付財務の営業利益率が1.9%まで落ちた。
Banistmoの売却では、2013年に取得した銀行の価値を大きく減らす結果になった。売却価格14.18億ドルは損失が解消した証拠ではない。管理の難しい海外事業を買い足すよりも、残る銀行の規制資本と貸倒の質を守ることが先だ。さらにスーラ・グループは議決権を持つ普通株に大きな持ち分を持ち、ADRが表す優先株には原則として議決権がない。経営判断が少数株主に不利でも、直接止めるのは難しい。
競合の脅威も小さくない。ダビビエンダの融資シェアは2024年から2025年へ上がり、ヌーバンクは若い顧客の預金とカードを取り込む。Bre-Bは決済の互換性を高め、既存銀行だけが送金を取り次ぐ時代を終わらせる。海外ではエルサルバドルのクスカトランとBAC、グアテマラのバンコ・インドゥストリアルが手強い。高金利・高税負担・預金流出が重なると、実質融資残高も単位収入も細り、増やした自己資本に見合う利益を得られなくなる。
どちらに重みを置いたか
事業の存続とコロンビアでの競争優位には強気の根拠がある。2025年の赤字要因は売却済み銀行の減損で、2026年上期の回復からも本業の稼ぐ力が消えたとは考えにくい。ただし、金融政策、貸倒、デジタル競争、少数株主の統治リスクを銀行自身は完全に制御できない。
そのため楽観とやや楽観を合わせ32%、やや悲観と悲観を合わせ34%と、わずかに慎重側へ寄せる。価値の差は2025年の一時損を将来へ引きずらず、かといって2026年の高収益を固定しないことから生じる。確率加重で割り引いた価値は約266億ドルで、台帳の約234億ドルを約14%上回る。結論は「やや割安」だ。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 152.92 ドル364 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 65.99 ドル157 億ドル)。 今の値に割り戻すと 111.52 ドル266 億ドル、今との差 +21.2%、 期待の年率 +11.2%(資本コスト 8.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 288.00 ドル686 億ドル | 104.91 ドル250 億ドル | +327.0% | +19.4% | 39.29 ドル94 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 224.11 ドル534 億ドル | 87.49 ドル209 億ドル | +238.6% | +16.1% | 68.55 ドル163 億ドル |
| 中立 | 34% | 163.37 ドル389 億ドル | 70.71 ドル169 億ドル | +154.4% | +12.1% | 79.59 ドル190 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 73.02 ドル174 億ドル | 44.06 ドル105 億ドル | +27.2% | +3.0% | 26.93 ドル64 億ドル |
| 悲観 | 11% | 22.51 ドル54 億ドル | 18.88 ドル45 億ドル | −55.0% | −9.5% | 4.55 ドル11 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 152.92 ドル364 億ドル | 65.99 ドル157 億ドル | +137.9% | +11.2% | 218.91 ドル522 億ドル |
今の株価時価総額 92.02 ドル219 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 楽観:国内シェアと決済網を広げ、利益率も高まる 利益 43 億ドル · PER 15.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 288.00 ドル686 億ドル
2035年にはコロンビアの実質貸出需要が約1.23倍に拡大し、バンコロンビアは与信と決済の顧客接点を使ってシェアを約30%まで広げる。国内の実質収益元本は740億ドル相当となり、単価も物価と商品構成の改善に沿って上昇する。ダビビエンダやボゴタ銀行が追いつかず、規模の利益で国内の税引前利益率は30%に達する。これは2026年の高い利ざやを無条件で固定するのではなく、預金流出を抑え信用費用を平準化できる場合の水準だ。
エルサルバドルは融資シェアを上げ、グアテマラではBAMが企業向けの審査力を磨く。Nequiは稼働利用者3,700万人に達し、Wompiの取扱件数と融資・手数料の顧客単価も上がる。Banistmoの営業利益は消えているが、売却済み資本の再投資をコロンビアと中米に集中する。Avistaの給与融資も事故を抑えられれば収益に加わる。全社税引前の事業利益は約56億ドル、純利益43.3億ドルとなる。10年累計利益333億ドルから規制資本を確保し、正味250億ドルを還元する。
- コロンビア銀行本業:数量 740(2025年価格に固定した国内の実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.20(実質元本1単位当たりの名目受取利息・融資手数料・付随サービス収益率(物価相当の元本単価を含む代理値))→ 売上 144 億ドル・営業利益 43 億ドル。国内融資シェアと預金コストが決め手。実質元本740億ドル相当、単位名目収入率19.5%(金利そのものではなく物価補正を含む)。
- エルサルバドル銀行:数量 62.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.21(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 13 億ドル・営業利益 5 億ドル。地場大手との融資シェア競争。実質収益元本62億ドル相当。
- グアテマラ銀行:数量 56.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.21(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。最大手バンコ・インドゥストリアルとの規模差を反映した実質元本56億ドル相当。
- 国際銀行・リース・運用:数量 142(国際貸出とリース・運用に使う実質の収益資産換算残高(億ドル))× 価格 0.08(同収益資産換算残高当たりの利息・賃料・運用手数料の名目率)→ 売上 11 億ドル・営業利益 4 億ドル。Banistmoを除く国際銀行・リース・運用の元本と報酬率。
- Nequi・Wompiのデジタル接点:数量 3,700(Nequiの年末稼働利用者数(万人。Wompiの加盟店取扱の代理母数))× 価格 0.00(稼働利用者1万人当たりの名目年間収入(億ドル。融資利息とWompi手数料を含む代理値))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル。Nequi稼働利用者3700万人とWompi手数料等の顧客単価。
- Banistmo(売却済み・非継続):数量 0.0(2025年価格に固定した実質の平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.11(同元本1単位当たりの名目受取利息と手数料の合計率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2026年6月30日に売却済み。2035年の営業収益と利益はゼロ。
倍率:市場の倍率ではなく、資本コストk8.5%、2035年自己資本ROE=23.01%(GAAP純利益43.3億ドル÷自己資本188.2億ドル)、moat普通の残存1/2からRONIC=15.75%を計算。g=4.00%は市場の実質融資需要・シェア変化・名目元本とサービス単価の伸びによる長期成長で、ROE×留保率から導かない。PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の正当化上限17.24倍に対し、信用循環・統治・新興国銀行利益の質を反映して15.85倍(約92%)にとどめた。優先配当と少数株主控除後のGAAP純利益とし、余剰現金の二重加算はしない。
確率:国内のシェア30%前後、信用コスト低下、Nequiの収益化、売却代金の有効利用がそろう場合。四つが同時に成功する確率は1割程度。
やや楽観 22% やや楽観:大手の地位を守りデジタル収益が育つ 利益 36 億ドル · PER 15.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 224.11 ドル534 億ドル
2035年の国内融資の実質量は2025年から約2割増える。バンコロンビアはシェアを伸ばすものの、ダビビエンダとヌーバンクも攻勢をかけるため、独占的な利ざやは得られない。預金と貸出の組み合わせを工夫し、国内税引前の利益率は27.5%を確保する。物価が名目元本に転嫁され、顧客の規模がそれに少し上乗せされる。
中米ではバンコ・アグリコラの地位が安定し、BAMも国内の融資市場と同じ程度に成長する。国際銀行とリースは運用資産の増加が費用を補う。Nequiの稼働利用者は3,200万人となり、Wompiとの組み合わせで送金・決済から融資までの単価が増える。売却したBanistmoに代わる新たな大型買収は行わず、Avistaは既存融資の小さな補完にとどめる。純利益は35.7億ドル、10年累計は景気循環の落ち込みも含め282億ドルになる。必要な規制資本を残し、208.5億ドルを正味で還元する。
- コロンビア銀行本業:数量 675(2025年価格に固定した国内の実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.19(実質元本1単位当たりの名目受取利息・融資手数料・付随サービス収益率(物価相当の元本単価を含む代理値))→ 売上 130 億ドル・営業利益 36 億ドル。国内融資シェアと預金コストが決め手。実質元本675億ドル相当、単位名目収入率19.3%(金利そのものではなく物価補正を含む)。
- エルサルバドル銀行:数量 56.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.21(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 12 億ドル・営業利益 4 億ドル。地場大手との融資シェア競争。実質収益元本56億ドル相当。
- グアテマラ銀行:数量 50.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.21(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 11 億ドル・営業利益 3 億ドル。最大手バンコ・インドゥストリアルとの規模差を反映した実質元本50億ドル相当。
- 国際銀行・リース・運用:数量 128(国際貸出とリース・運用に使う実質の収益資産換算残高(億ドル))× 価格 0.07(同収益資産換算残高当たりの利息・賃料・運用手数料の名目率)→ 売上 9 億ドル・営業利益 4 億ドル。Banistmoを除く国際銀行・リース・運用の元本と報酬率。
- Nequi・Wompiのデジタル接点:数量 3,200(Nequiの年末稼働利用者数(万人。Wompiの加盟店取扱の代理母数))× 価格 0.00(稼働利用者1万人当たりの名目年間収入(億ドル。融資利息とWompi手数料を含む代理値))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。Nequi稼働利用者3200万人とWompi手数料等の顧客単価。
- Banistmo(売却済み・非継続):数量 0.0(2025年価格に固定した実質の平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.11(同元本1単位当たりの名目受取利息と手数料の合計率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2026年6月30日に売却済み。2035年の営業収益と利益はゼロ。
倍率:市場の倍率ではなく、資本コストk8.5%、2035年自己資本ROE=19.98%(GAAP純利益35.7億ドル÷自己資本178.7億ドル)、moat普通の残存1/2からRONIC=14.24%を計算。g=3.75%は市場の実質融資需要・シェア変化・名目元本とサービス単価の伸びによる長期成長で、ROE×留保率から導かない。PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の正当化上限16.09倍に対し、信用循環・統治・新興国銀行利益の質を反映して14.96倍(約93%)にとどめた。優先配当と少数株主控除後のGAAP純利益とし、余剰現金の二重加算はしない。
確率:国内融資シェアを維持・微増し、Nequiの顧客当たり収益も改善する筋書き。2026年の事業再編の成功が見込めるため約2割とした。
中立 34% 中立:Banistmoを除いた本業が名目成長を続ける 利益 29 億ドル · PER 13.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 163.37 ドル389 億ドル
国内融資市場は2025年価格で10年約1.10倍に拡大し、バンコロンビアは融資シェアを28%台で守る。国内の実質収益元本は625億ドル相当となり、名目の単位収入は物価による元本単価上昇を主として増える。預金コストは2026年より落ち着いても、信用費用とBre-Bによる手数料競争は残る。国内銀行の税引前利益率は25.7%で、2026年4〜6月期の好条件をそのまま延ばさない。
エルサルバドルは融資シェア24〜25%を維持し、BAMは成長市場で競合との距離を大きくは詰めない。Nequiの稼働利用者は2,900万人に増えるが、顧客単価の改善は名目物価程度にとどまる。Banistmoの収益はゼロとなり、売却代金は規制資本の維持と通常の配当・買戻しに使われる。2026年の正常化した利益を約22億ドルの出発点とし、途中の不況による利益の谷を累計から差し引く。2035年の純利益は28.5億ドル、10年累計238.5億ドルから168.5億ドルを正味で株主に返す。
- コロンビア銀行本業:数量 625(2025年価格に固定した国内の実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.19(実質元本1単位当たりの名目受取利息・融資手数料・付随サービス収益率(物価相当の元本単価を含む代理値))→ 売上 116 億ドル・営業利益 30 億ドル。国内融資シェアと預金コストが決め手。実質元本625億ドル相当、単位名目収入率18.6%(金利そのものではなく物価補正を含む)。
- エルサルバドル銀行:数量 50.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.21(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 10 億ドル・営業利益 3 億ドル。地場大手との融資シェア競争。実質収益元本50億ドル相当。
- グアテマラ銀行:数量 45.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.21(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。最大手バンコ・インドゥストリアルとの規模差を反映した実質元本45億ドル相当。
- 国際銀行・リース・運用:数量 117(国際貸出とリース・運用に使う実質の収益資産換算残高(億ドル))× 価格 0.07(同収益資産換算残高当たりの利息・賃料・運用手数料の名目率)→ 売上 8 億ドル・営業利益 3 億ドル。Banistmoを除く国際銀行・リース・運用の元本と報酬率。
- Nequi・Wompiのデジタル接点:数量 2,900(Nequiの年末稼働利用者数(万人。Wompiの加盟店取扱の代理母数))× 価格 0.00(稼働利用者1万人当たりの名目年間収入(億ドル。融資利息とWompi手数料を含む代理値))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。Nequi稼働利用者2900万人とWompi手数料等の顧客単価。
- Banistmo(売却済み・非継続):数量 0.0(2025年価格に固定した実質の平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.11(同元本1単位当たりの名目受取利息と手数料の合計率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2026年6月30日に売却済み。2035年の営業収益と利益はゼロ。
倍率:市場の倍率ではなく、資本コストk8.5%、2035年自己資本ROE=16.27%(GAAP純利益28.5億ドル÷自己資本175.2億ドル)、moat普通の残存1/2からRONIC=12.38%を計算。g=3.50%は市場の実質融資需要・シェア変化・名目元本とサービス単価の伸びによる長期成長で、ROE×留保率から導かない。PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の正当化上限14.85倍に対し、信用循環・統治・新興国銀行利益の質を反映して13.66倍(約92%)にとどめた。優先配当と少数株主控除後のGAAP純利益とし、余剰現金の二重加算はしない。
確率:2025年の減損は反復せず、2026年の高い利ざやも恒久化しない。首位のシェアと金利差の平準化を両立する最も説明しやすい道筋。
やや悲観 23% やや悲観:信用費用とデジタル競争が利益を削る 利益 16 億ドル · PER 10.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 73.02 ドル174 億ドル
コロンビアの市場全体は実質で拡大しても、バンコロンビアはヌーバンクとダビビエンダに小口貸出と給与口座を奪われる。国内の実質収益元本は585億ドル相当までしか増えず、融資シェアは25%前後に下がる。預金者は金利に敏感になり、2026年より高い預金調達コストが定着する。Bre-Bの普及で送金手数料が減り、国内の税引前利益率は19.5%に落ちる。
エルサルバドルではクスカトランとBACに一部の優良顧客を失い、BAMもバンコ・インドゥストリアルとの規模差が響く。Nequiの利用者は増えても実現手数料はほぼ伸びず、グループへの利益貢献が弱い。Avista取得後の小口融資では貸倒引当が増え、銀行は買戻しより資本維持を優先する。2026年の改善を出発点としながらも途中に大きな引当の年が重なり、10年累計の純利益は153億ドルにとどまる。2035年の純利益は16.4億ドル、正味還元は105億ドルに縮む。
- コロンビア銀行本業:数量 585(2025年価格に固定した国内の実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.17(実質元本1単位当たりの名目受取利息・融資手数料・付随サービス収益率(物価相当の元本単価を含む代理値))→ 売上 97 億ドル・営業利益 19 億ドル。国内融資シェアと預金コストが決め手。実質元本585億ドル相当、単位名目収入率16.5%(金利そのものではなく物価補正を含む)。
- エルサルバドル銀行:数量 47.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.19(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル。地場大手との融資シェア競争。実質収益元本47億ドル相当。
- グアテマラ銀行:数量 42.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.18(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。最大手バンコ・インドゥストリアルとの規模差を反映した実質元本42億ドル相当。
- 国際銀行・リース・運用:数量 109(国際貸出とリース・運用に使う実質の収益資産換算残高(億ドル))× 価格 0.07(同収益資産換算残高当たりの利息・賃料・運用手数料の名目率)→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。Banistmoを除く国際銀行・リース・運用の元本と報酬率。
- Nequi・Wompiのデジタル接点:数量 2,600(Nequiの年末稼働利用者数(万人。Wompiの加盟店取扱の代理母数))× 価格 0.00(稼働利用者1万人当たりの名目年間収入(億ドル。融資利息とWompi手数料を含む代理値))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。Nequi稼働利用者2600万人とWompi手数料等の顧客単価。
- Banistmo(売却済み・非継続):数量 0.0(2025年価格に固定した実質の平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.11(同元本1単位当たりの名目受取利息と手数料の合計率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2026年6月30日に売却済み。2035年の営業収益と利益はゼロ。
倍率:銀行の利益ベース。k8.5%、自己資本ROE=10.70%(16.4÷153.2)、moat普通(残存1/2)、RONIC=9.60%、g=2.50%(実質融資市場が小幅増でもシェアと決済単価が減る)から10年目利益に対応する正当化PER上限12.64倍。信用費用と顧客流出を反映して10.61倍(上限の84%)に抑えた。普通株・優先株全体の株主帰属GAAP純利益を使用し、預金に対応する現金は加算しない。
確率:貸倒の正常化が2026年の好条件を削り、即時決済の競争で手数料が低下する場合。信用循環を経験した銀行には十分あり得るため2割強。
悲観 11% 悲観:預金流出と審査の失敗で超過収益が消える 利益 6 億ドル · PER 9.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 22.51 ドル54 億ドル
2035年には競合への預金流出が固定し、コロンビアの融資シェアは20%前後まで低下する。市場全体がゆっくり伸びてもバンコロンビアの実質収益元本は470億ドル相当に減る。調達金利が高く、延滞貸出と証券・海外投資の減損が複数年続くため、国内の税引前利益率は12%に落ちる。中立とは違い、値決め力の低下と信用損失が同時に収益を奪う。
エルサルバドルでは融資シェアを20%程度まで落とし、グアテマラのBAMは最大手との競争に敗れて利益がほぼ消える。Nequiは口座を維持しても決済手数料の低下と不正対策費用で赤字になり、海外事業も規制対応費が重い。Banistmoはすでに売却済みで救済的な利益を生まない。2026年からの10年間には不況・信用損失の大きな年が重なり、純利益累計は100億ドル、正味還元は45億ドルに縮む。2035年の純利益は5.7億ドル、自己資本の利回りは資本コストを大幅に下回り、もはや優良銀行ではない。
- コロンビア銀行本業:数量 470(2025年価格に固定した国内の実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.14(実質元本1単位当たりの名目受取利息・融資手数料・付随サービス収益率(物価相当の元本単価を含む代理値))→ 売上 66 億ドル・営業利益 8 億ドル。国内融資シェアと預金コストが決め手。実質元本470億ドル相当、単位名目収入率14.0%(金利そのものではなく物価補正を含む)。
- エルサルバドル銀行:数量 40.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.17(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。地場大手との融資シェア競争。実質収益元本40億ドル相当。
- グアテマラ銀行:数量 34.0(2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.16(同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率)→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。最大手バンコ・インドゥストリアルとの規模差を反映した実質元本34億ドル相当。
- 国際銀行・リース・運用:数量 90.0(国際貸出とリース・運用に使う実質の収益資産換算残高(億ドル))× 価格 0.06(同収益資産換算残高当たりの利息・賃料・運用手数料の名目率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。Banistmoを除く国際銀行・リース・運用の元本と報酬率。
- Nequi・Wompiのデジタル接点:数量 2,200(Nequiの年末稼働利用者数(万人。Wompiの加盟店取扱の代理母数))× 価格 0.00(稼働利用者1万人当たりの名目年間収入(億ドル。融資利息とWompi手数料を含む代理値))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。Nequi稼働利用者2200万人とWompi手数料等の顧客単価。
- Banistmo(売却済み・非継続):数量 0.0(2025年価格に固定した実質の平均融資・収益資産残高(億ドル相当))× 価格 0.11(同元本1単位当たりの名目受取利息と手数料の合計率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。2026年6月30日に売却済み。2035年の営業収益と利益はゼロ。
倍率:継続事業の利益だけを評価する。資本コストk=8.5%、2035年の自己資本ROE=3.56%(純利益5.7億ドル÷自己資本160.2億ドル)、普通の堀でRONIC=6.03%、長期g=1.0%(市場の実質縮小と手数料減収)とすると、当期利益に対する正当化PERの上限は11.23倍。ROEがk以下なので1/kの11.76倍も超えられない。構造的に価値を失った銀行としてPER9.41倍に割り引き、時価総額53.64億ドルとする。税後の残余資産の保守的な床45億ドルを上回り、稼ぐ力5.7÷8.5%の約67億ドルも超えない。過去の谷のPBRを参照していない。
確率:金融危機級の貸倒と長期的な顧客流出、税負担と支配株主による資本配分の失敗が重なる。事業停止ではないが競争優位が崩れる約1割の尾部リスク。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
コロンビア銀行本業
国内の個人・法人向け融資、預金運用、カードと決済。NequiとWompiに分離して見積もる部分を除く。
| 数量2025年価格に固定した国内の実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当) | 価格実質元本1単位当たりの名目受取利息・融資手数料・付随サービス収益率(物価相当の元本単価を含む代理値) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 550 | 0.13 | 74 | 16 |
| 10 年後 中立 | 625 | 0.19 | 116 | 30 |
取り方:2025年20-Fのコロンビア銀行は受取利息・金融商品評価益COP26.06兆、手数料収入COP6.15兆。2026年6月の国内融資約COP217兆と2025年の国内融資シェア27.6%から、2025年の実質平均収益資産を約550億ドル相当と推計した。事業別売上のドル換算は通貨・内部消去・IFRS非継続事業との範囲差があるため、Nequi/Wompiで独立計上した収益を除き、粗利息とサービスの収益単価13.4%を使う。10年先の数量は実質残高、単価に3.5%物価相当の名目元本増を含む。貸出の表面金利が単純に1.4倍になる予測ではない。
エルサルバドル銀行
Bancoagrícolaの企業・消費者融資と預金、カード決済。融資シェア首位の現地フランチャイズ。
| 数量2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当) | 価格同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 44.0 | 0.15 | 7 | 2 |
| 10 年後 中立 | 50.0 | 0.21 | 10 | 3 |
取り方:20-Fのエルサルバドル部門の2025年受取利息・金融評価益はCOP2.095兆、手数料収入COP0.630兆。2026年6月末の貸出約49億ドル、2025年末の融資市場シェア24.8%から2025年の平均実質収益元本を44億ドルと推定し、粗収益単価15%を適用。金利収益と手数料を合算するためNIMそのものではない。
グアテマラ銀行
Banco Agromercantil(BAM)の企業・消費者融資、預金、カード・送金。
| 数量2025年価格に固定した実質平均融資・収益資産残高(億ドル相当) | 価格同元本1単位当たりの名目受取利息と各種手数料の合計率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 40.0 | 0.15 | 6 | 1 |
| 10 年後 中立 | 45.0 | 0.21 | 9 | 2 |
取り方:2025年20-Fのグアテマラ部門の受取利息等COP2.013兆、手数料収入COP0.232兆と、2025年末の融資市場シェア9.3%、総資産COP24.4兆を使い、平均実質融資・運用元本40億ドル、粗収益単価15%と推計。現地最大行の28.6%というシェアとの差を10年の数量に反映する。
国際銀行・リース・運用
パナマに残る国際融資、海外金融サービス、車両・不動産リース、信託・証券・資産運用。売却したBanistmoとは別。
| 数量国際貸出とリース・運用に使う実質の収益資産換算残高(億ドル) | 価格同収益資産換算残高当たりの利息・賃料・運用手数料の名目率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 100 | 0.06 | 6 | 2 |
| 10 年後 中立 | 117 | 0.07 | 8 | 3 |
取り方:2025年20-Fでは国際銀行の受取利息等COP1.015兆、リースのその他営業収入COP1.545兆、信託・証券を含むその他部門の手数料COP0.859兆を別々に開示する。グループ内相殺とNequi/Wompiへの分離を除いた計測用収益資産を約100億ドルと試算し、合算した利息・賃料・報酬の率5.6%を代理値にした。会社は単一の取扱残高を公表していない。
Nequi・Wompiのデジタル接点
Nequiのデジタル預金・融資・送金と、Wompiの加盟店決済・プラットフォーム手数料。
| 数量Nequiの年末稼働利用者数(万人。Wompiの加盟店取扱の代理母数) | 価格稼働利用者1万人当たりの名目年間収入(億ドル。融資利息とWompi手数料を含む代理値) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,190 | 0.00 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 2,900 | 0.00 | 4 | 1 |
取り方:2025年12月のNequi稼働利用者2,190万人(会社決算)、20-Fのその他部門の手数料COP0.859兆とデジタル事業への投資費用を参照し、Wompiを含む年収入約2億ドルを仮定した。会社はデジタル単体の監査済み売上・取引単価を統一して示さず、1万人当たり約9.13万ドル(利用者一人では約9.13ドル)の代理値。コロンビア銀行の手数料をその分控除し、二重計上を避ける。2026年6月の稼働利用者は2,350万人。
Banistmo(売却済み・非継続)
2025年まで保有していたパナマの預金・融資銀行。2026年6月30日に100%売却し、その後の営業収益はない。
| 数量2025年価格に固定した実質の平均融資・収益資産残高(億ドル相当) | 価格同元本1単位当たりの名目受取利息と手数料の合計率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 78.0 | 0.11 | 8 | 2 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.11 | 0 | 0 |
取り方:2025年20-Fの非継続パナマ銀行は金融商品受取利息等COP2.547兆、手数料収入COP0.519兆、年末総資産COP39.54兆、融資市場シェア7.9%。平均収益元本78億ドルに粗収益率10.5%を適用し、減損前の正常事業利益を示した。2025年末にのれん減損を別途認識。2026年6月に14.18億ドルで売却済みなので全ての2035年筋書きでは数量・収益・利益をゼロにする。
リスクと懸念
信用循環と高金利下の貸倒
2026年4〜6月期の信用コストは年率1.56%、30日延滞率は3.59%だった。政策金利12.25%のコロンビアでは法人融資と変動金利ローンの延滞が景気悪化で跳ね上がりやすい。貸倒費用が数年続けて上がれば、高い表面利回りより引当負担が大きくなり、資本維持と還元の両方を損なう。
ペソ建て利益と海外投資家の為替リスク
主な融資、預金、配当原資はコロンビア・ペソで発生する。ドル建てADRの価値は銀行の現地利益が伸びても、ペソの長期下落で目減りする。2026年にはペソ高が海外事業の連結残高に影響した。筋書き間の為替は固定して比較したため、現実の為替リスクを十分に消し込めたわけではない。
政府の税制・金融規制と資本要求
銀行への税率上乗せ、貸出条件の変更、金融監督当局による自己資本規制の強化は、同じ融資残高から株主が受け取れる金額を減らす。2025年末には政策上の税率変更に伴う繰延税金費用も発生した。資本の留保が義務づけられれば、利益が出ても配当と買戻しは抑えられる。
Nequi・Bre-B・フィンテックの顧客接点競争
Nequiの口座数が多くても全口座を高い手数料で収益化できるとは限らない。ヌーバンク、ダビビエンダ、Bre-Bの相互運用決済網で送金の囲い込みは弱まる。AIエージェントが利用者に代わって価格比較や決済操作を行うと、顧客の画面接点が失われる。ただし預金と与信の法的責任は銀行に残り、SaaSの席数減と同一には扱わない。
買収の失敗とBanistmo売却代金の再投資
Banistmoでは2025年ののれん減損が純利益を大きく削った。2026年の売却代金を株主へ戻さず、海外の高値買収や審査の難しい給与天引き貸出へ投じれば同じことが繰り返される。2026年に取得したAvistaの延滞と資本消費を追い、売却後の資本効率が本当に上がったかを確かめる必要がある。
支配株主と議決権のないADR
ADR1口は優先株4株を表し、通常の議決権を持たない。スーラ・グループは2025年末に普通株の約46%を保有した。持株会社の資本政策や関係会社取引が外部株主の配当より優先されても、ADR投資家が取締役の選任を通じて是正する力は限られる。少数株主保護の実績を引き続き確かめるべきだ。
中米の送金・政治・地理的集中
エルサルバドルは米国からの移民送金、グアテマラは企業貸出と資本移動の影響を受ける。前者でクスカトランやBACに顧客を奪われ、後者でバンコ・インドゥストリアルとの差を埋められなければ、国内の規模の利益が海外に広がらない。コロンビアの政治・税制の逆風を海外で相殺する力も想定より小さくなる。
今後の分かれ目
- コロンビアの融資シェアが2年連続で28%を超え、預金コストが安定したら
- 国内の数量と値決め力を上方修正する。追加の融資の貸倒が増えていなければ、やや楽観・楽観の実現可能性を高める。
- 信用コスト年率が2.5%を超え、30日延滞率が4.5%を2四半期超えたら
- 一時的な損失か構造的な貸倒かを分けて見る。資本の回復が遅れるならやや悲観以下の確率を上げ、還元と純利益を引き下げる。
- Nequiの稼働利用者が3,000万人に達し、顧客1人当たり収益も増えたら
- デジタル部門の数量だけでなく単価と利益率の改善を認める。顧客数だけの伸びなら価値は大きく変えない。
- Bre-Bの新規決済が増えて既存の送金手数料が継続的に低下したら
- デジタル収益単価とコロンビア銀行の手数料を引き下げる。預金残高の維持で相殺できるかを確認する。
- エルサルバドルの融資シェアが22%を割り、BAMの融資シェアが8%を割ったら
- 中米の競争上の地位が弱くなったと判断し、両地域の実質数量とROEを下方修正する。
- 自社株買い枠の消化が進む一方で、銀行の自己資本比率が低下したら
- 一時的な還元を成長率と取り違えない。追加の資本調達が必要なら正味還元から払い込みを控除する。
- ペソ高・ペソ安が長期に定着するか、銀行追加課税が恒久化したら
- ドル建て株主帰属利益の前提と正味還元を更新する。為替を楽観筋書きだけ有利に動かさず、全筋書きで一貫した換算条件にする。
見ておくもの
- コロンビアの純融資シェア27.6%と当座預金シェア26.4%の年次変化
- 連結NIM7.94%、預金調達コスト4.40%、信用コスト年率1.56%、30日延滞率3.59%の推移
- Nequiの稼働利用者2,350万人と、Wompiを含めた顧客当たり実現収入・利益
- エルサルバドル融資シェア24.8%とグアテマラ融資シェア9.3%の推移
- 2026年に完了したBanistmo売却の代金配分と2029年までの買戻し枠の執行
- コロンビアの政策金利12.25%、物価6.29%、銀行追加税の動向
- Bancolombiaの規制資本比率とAvista買収後の貸倒・資本消費
倍率と資本コストの決め方
計算は2025年の添付財務を固定し、銀行各国の実質融資元本とNequiの稼働利用者を数量に、名目融資収入・手数料の代理率を価格に分けて積み上げた。2025年のBanistmoの減損は翌年以降の反復損失ではなく、売却済み銀行の営業収益は2035年から除いた。銀行の預金・貸出・規制用現金を株主が自由に引き出せる余剰現金とみなしていない。
資本コストは8.0%+品質0.5%=8.5%。倍率は各筋書きの純利益・自己資本からROEを計算し、堀が普通なのでRONICに超過ROEの半分だけ残し、名目長期gを1〜4%として正当化PERを求めた。2035年の当期利益への倍率には(1+g)を含み、中立は上限の約92%とした。市場の現在・過去・競合のPER・PBRから逆算していない。
ADRは優先株4株に相当するが、台帳の2.383億株は普通株と優先株を合わせて4で割ったADR換算の会社全体の株数とほぼ一致する。2026年10月28日時点の検索値9.447億株と台帳の換算株数との差は約1%である。株式の種類と現地価格の差は残るが、時価総額の比較にADRだけの浮動株を使わない。IFRSに基づくリース負債は既に開示されており、リース賃料を利益へ二度加算しない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株共通の基本8.0%に事業品質の+0.50%を足した8.50%。同じ領域のITUB8.2%、BBD8.8%の間にあり、コロンビアの信用循環と首位銀行の規模を反映する。ソブリン・為替・持株会社統治の個別危険を別の割増率にせず、悲観筋書きと確率で扱う。