結論
RGAは生命保険会社が抱える死亡・疾病・長寿のリスクを引き受ける世界有数の専門再保険会社だ。筆者の結論は適正圏だが安全域が小さい、である。独自の死亡率データと大口案件を実行する信用力には価値がある。ただし、契約を積み上げるほど規制資本を使い、利益がそのまま株主の自由な現金になる事業ではない。
2025年は売上237億ドル、GAAP純利益11.8億ドルだった。2026年上期にはGAAP純利益が7.92億ドルへ改善し、英国の年金・長寿リスク移転や2025年のエクイタブルとの大型取引が収益を支える。それでも一時的な運用益や死亡率の良い年だけで10年の価値を高くするのは危うい。
米国の継続型個人生保の新契約再保険では2024年に24%のシェアを獲得した。ここに積み上がった死亡率データは強い参入障壁だが、欧州の長寿リスクと金融ソリューションでは競争による利ざや圧縮もある。2025年の英国死亡率見直し損失は、予測の難しさを思い出させる。
10年後の中立はGAAP純利益23億ドル、自己資本238.6億ドルとする。悪い側を35%とやや厚くしても、期待価値は現在の時価総額の約9%下に収まる。明白な割高ではないが、帳簿の資産を売れば必ず回収できるという発想では保険株の価値を見誤る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、再保険は人口の高齢化だけでなく、生命保険会社が引き受けた約束の一部を別の強い資本へ移したいという需要によって続く。RGAはその取引で数少ない世界級の相手だ。顧客が再保険先を替えにくく、死亡率データの蓄積も生きる。10年後にも事業は必要であり、技術だけで簡単に置き換わるとは考えない。
ただし優良な顧客関係があることと、追加で投じた資本が高い利回りを生むことは違う。2025年に約25億ドルを既契約移転へ投じる一方、過去のGAAPのROE中央値は8%だった。運用資産が膨らむほど社債や住宅ローンの損失も抱える。帳簿の利益のうち将来の給付や規制資本を維持するために残す分は、株主が自由に引き出せない。
もっとも良い点は、経営が案件の採算に厳しく、顧客との独占的な協議で受ける難しい契約を選ぶところだ。悪い点は長寿予測と信用損失が一度外れると、過去に稼いだ利益を後から食うことだ。単年度の調整後ROEではなく、10年のGAAP利益と実際に戻せる現金で評価すべき会社である。
現在の価格は10年の加重価値と大きく離れていない。予測が当たれば株主は相応に報われるが、想定外の死亡率・信用事故への安全域は薄い。保有を考えるなら、成長率そのものより引き受ける危険の質と資本配分の規律を確かめたい。
何で稼ぐ会社か
RGAの顧客は個人ではなく保険会社だ。死亡保障を販売した元受会社がリスクの一部をRGAへ移し、再保険料を支払う。RGAは死亡率、疾病発生率、解約率を読み、実際の保険金が想定を下回れば引受利益が残る。2025年末の引受済み生命保障額は全世界で約4.3兆ドルに達する。
伝統的再保険は米州、カナダ、欧州・中東・アフリカ、アジア太平洋の4地域に分かれる。米州が最大で、2025年の保有保障額は約1.89兆ドルだ。カナダは個人生命に加え信用生命、欧州は生命・重病保障、アジアは生命・健康保障の拡大を扱う。収入は単なる契約件数でなく、保障金額と再保険料率、準備金の運用収益によって決まる。
もう一方の金融ソリューションは年金・既存保険契約の移転、長寿リスクの交換、資本効率を改善する取引だ。米州では2025年のエクイタブル取引により約120億ドルの負債を引き受けた。英国では年金受給者が想定より長生きしたときの支払いを保証する。ここでの稼ぎは資産の投資利回りと契約者に払う利率の差、資本取引の手数料、管理する口座の収入に分かれる。
会社開示の8事業は2025年に合計233.56億ドルのセグメント収入を計上した。これに本社部門の収入と投資評価損益などを加減すると、factsの全社237億ドルになる。営業利益も各部門の調整後税前利益をそのままGAAPとせず、本社費・投資損益でつなぐ。金融ソリューションの単価は一時払保険料を含み、純粋な運用スプレッドではない。
優良さと弱いところ
最大の堀は死亡率データと引受能力だ。RGAは各国の生命表、疾病、解約に関する大量の経験を蓄積し、保険会社の難しい案件に最初から加わる。顧客が再保険先を替えるには契約、医務査定、データ接続、監督当局との調整が必要で、単純な入札価格だけでは決まりにくい。NMGの保険会社向け能力調査でも長く高い評価を得ている。
米国の継続型個人生保再保険で首位になったのは、その堀が実際に新契約につながっている証拠だ。数十年にわたる給付を保証できる信用力、複雑な既契約移転を処理する資産運用と法務の力も参入を狭める。一方で、同じ規模のスイス再保険、ミュンヘン再保険、ハノーバー再保険には資本とデータの競争力がある。独占でも、際限なく値上げできる事業でもない。
2014年から2025年にかけて売上は拡大したが、ROEの過去10年中央値は8%程度にすぎない。2020年の感染症と2022年の債券評価変動は、利益と自己資本の揺れを示した。2025年の英国死亡率見直しは長寿の推定が外れる危険を示す。2026年の好決算は評価するが、調整後ROEの高さをGAAP利益や増分資本利回りと同一視しない。
AIは医務査定の事務費を下げる一方、元受会社も精度を高められる。保険の危険そのものと規制資本を引き受けるRGAの主力事業は、人月・席課金などのAIエージェント代替の指定型には当たらない。影響は価格競争と逆選択の強まりとして捉える。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
世界の生命再保険市場では、元受生命保険会社が死亡・医療・長寿リスクの一部を外へ出し、再保険会社が資本を使って引き受ける。MAPFREによる2024年の生命再保険料市場は約2,883億ドルで、RGAは6.4%、スイス再保険6.1%、ミュンヘン再保険5.5%だった。この世界シェアは損害保険を含む市場と混同しない。米国の継続型個人生保の新規再保険だけを見るとRGAのシェアは24%であり、地域と商品で強さが違う。
成熟した米国・カナダは人口増加が小さい。数量の増加は新しい保障を売ることに加え、保険会社が自己資本を軽くするために既契約を外へ移すことから生まれる。アジアでは健康保障の普及率が上がり、欧州では企業年金の長寿リスクを保険へ移す需要が続く。市場が大きいことと、全取引に十分な利益があることは別だ。
米国年金リスク移転の新規取引市場は2025年に約487億ドルで、入札する保険会社は22社だった。RGAが引き受ける元受生保の年金・保険ブロックはその市場全体ではなく、再保険として後段で関与することも多い。このため金融ソリューションの統一した市場シェアは示せない。英国では長寿再保険と年金移転に専門引受会社や金融資本が競い合う。
長期金利5%を前提にすると、新規債券への再投資利回りは上がる。ただし保険会社への利払いと要求利回りも上がり、スプレッドは自動的に広がらない。大きな信用事故や死亡率の前提変更は数年後に表面化する。したがって名目の保険料収入が増えても、引受利益と自己資本の両方を見る必要がある。
資本政策と M&A
経営は収益性の高い既存契約移転と新規再保険を優先し、余った資本だけを株主へ戻す姿勢だ。2025年は既契約取引などに約25億ドルの資本を投じた。エクイタブルとの取引は2025年7月に成立しており、2026年の米州金融ソリューション利益にも寄与している。未成立の買収や将来の大型取引を既存の利益として先取りしていない。
還元面では2025年に配当約2.4億ドル、自社株買い約1.7億ドルを実施した。2026年1月に5億ドルの新たな買い戻し枠を設定したが、全額を決まった期限内に買う約束ではない。2026年4〜6月期にも配当0.61億ドルと買い戻し0.50億ドルを実施し、四半期配当の5.4%増額を決めた。
中期の調整後ROE目標は13〜15%で、2025年の特別項目除き15.7%は上限を超えた。ただしGAAPの10年先利益や還元総額について数字の約束はない。将来の資本増強や既契約移転は株主の取り分を減らし得るため、正味還元は配当と買い戻しから株式報酬・増資を差し引いて考える。巨額の保険準備金がある以上、資産運用に使う現金を余剰現金とみなさない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2025年のRGAは既契約を外へ移したい生保会社の需要を捉え、エクイタブルとの約120億ドルの負債取引を成立させた。米国の継続型生命再保険では2024年に24%の新契約シェアを持ち、死亡率を読み切る規模と独自データで優位に立つ。元受保険会社は自己資本規制の下で新契約を増やしたいので、再保険の需要はむしろ構造的に増える。RGAの信用力と実績は、金利が高い環境ほど価値を持つ。
2026年4〜6月期のGAAP純利益は4.62億ドル、上期では7.92億ドルとなり、事業が堅調なことを示した。アジアの伝統的再保険は保障の普及に連れて成長し、英国の年金長寿リスクでは既契約の移転案件が続く。2025年の英国死亡率の見直しは痛かったが、引受の再価格設定が進めば将来の事故を減らせる。
競合のスイス再保険やハノーバー再保険と十分に争えるうえ、大型案件では最初に相談を受ける地位が強みだ。金融ソリューションの増分自己資本利回りが資本コストを超えれば、利益の一部を積み上げても価値を壊さない。株式報酬の希薄化を控除した正味還元により、オーナーは利益の成長と現金の戻りの両方を受け取れる。顧客が毎年買い直すソフトとは違い、一度引き受けた保障には長期の危険負担と信用力が不可欠である。
慎重な見方
再保険は顧客の損失を肩代わりする契約であり、平穏な時の利益率から真の採算を判断できない。2025年の英国死亡率見直しは、積み上げた契約負債が後年に再評価されることを示した。米国の伝統的事業でも給付の悪化で利益が減る年がある。2026年上期の好業績は高利回り投資と死亡率の良い経験が同時に起きた可能性がある。
資産集約型再保険は、利ざやを稼ぐために長い債券、私募信用、不動産関連融資を抱える。投資資産が増えるほど、一回の信用事故と解約の集中が自己資本を傷つける。エクイタブルとの大口取引のような契約は初めから採算が悪いとは限らないが、長期の保証を慎重に割り引かないと数年後の損失に変わる。利益が出ていても持株会社へ自由に送れない保険資本がある。
スイス再保険、ミュンヘン再保険、ハノーバー再保険のほか、アポロ系列の資本も大口の長寿・年金案件を狙う。元受生保自身もAIによる医務査定の高度化で、優良な危険を手元に残せる。再保険側に難しい契約だけが来るようになれば、独自データの堀は逆選択を完全には防げない。売上の拡大を確信しても、増分ROEの持続には慎重であるべきだ。死亡率が少し外れても、負債の長さゆえに修正費用は一度に表れ、買い戻し可能な資本を減らす。
どちらに重みを置いたか
事業の寿命と死亡率データの優位では強い見方が勝る。実際に米国の新契約シェアと2026年上期の利益がそれを裏付ける。ただし金融ソリューションは信用資産と資本規制のため利益の持続性が低く、2025年の英国の死亡率再評価も軽く見ない。中立37%を軸に、楽観側28%、悲観側35%とした。価値と現在の時価総額が近いのは帳尻合わせではなく、利益の成長に必要な自己資本と正味還元の制約を認めた結果だ。株主には過度な確信よりも、経営が不採算案件を見送るかを確認し続ける姿勢が必要だ。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 384.24 ドル257 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 92.19 ドル62 億ドル)。 今の値に割り戻すと 240.72 ドル161 億ドル、今との差 −9.1%、 期待の年率 +6.8%(資本コスト 8.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 785.93 ドル525 億ドル | 142.22 ドル95 億ドル | +250.6% | +15.0% | 74.25 ドル50 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 591.02 ドル395 億ドル | 134.73 ドル90 億ドル | +174.1% | +12.1% | 145.15 ドル97 億ドル |
| 中立 | 37% | 409.73 ドル274 億ドル | 104.79 ドル70 億ドル | +94.4% | +7.8% | 190.37 ドル127 億ドル |
| やや悲観 | 23% | 179.64 ドル120 億ドル | 53.89 ドル36 億ドル | −11.8% | −1.4% | 53.71 ドル36 億ドル |
| 悲観 | 12% | 85.33 ドル57 億ドル | 22.46 ドル15 億ドル | −59.3% | −9.4% | 12.93 ドル9 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 384.24 ドル257 億ドル | 92.19 ドル62 億ドル | +80.0% | +6.8% | 476.42 ドル318 億ドル |
今の株価時価総額 264.73 ドル177 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 独自データを武器に再保険の世界シェアを広げる 利益 35 億ドル · PER 15.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 785.93 ドル525 億ドル
世界中の保険会社が死亡率と長寿の不確実さをRGAに移し、再保険の集中が進む。米国の継続型個人生保では2024年の新契約シェア24%を土台に、スイス再保険やミュンヘン再保険との差を広げる。アジアでは医療・重病保障の普及が進み、英国の年金長寿案件でも専業の信用力を発揮する。
資産集約型はエクイタブルとの2025年取引を先例に、良い条件の既契約を複数獲得する。アポロ傘下のアテネやハノーバー再保険との競争に追随して値下げせず、生命表の独自データと顧客別の引受設計で選ばれる。米州の伝統的再保険収入は2025年の2倍強、アジアは2.6倍規模になる。
利益は今より増えるが、成長には規制資本が要る。10年間のGAAP利益合計234億ドルから、配当・自己株取得の正味95億ドルを返し、自己資本は273.6億ドルまで積む。追加取引に安値で資本を投じられることが条件で、非公開化や大型合併を前提としない。
正味95億ドルの株主還元は配当・買い戻し計105億ドルから株式報酬の希薄化相当8億ドルと小口増資2億ドルを控除した額だ。
- 米州・伝統的生命再保険:数量 31,241(保有再保険の死亡保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 209 億ドル・営業利益 17 億ドル。米国の継続型死亡保障でシェアを維持・拡大
- 米州・金融ソリューション:数量 792(運用資産基盤(億ドル、2025年末))× 価格 0.10(資産当たり保険料・運用収入・手数料の合算率)→ 売上 81 億ドル・営業利益 13 億ドル。エクイタブル型案件を継続受注し、資本費用に見合う利ざやを確保
- カナダ・伝統的生命再保険:数量 7,562(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 33 億ドル・営業利益 4 億ドル。カナダの引受拡大と料率管理が成功
- カナダ・金融ソリューション:数量 105(関連運用・再保険資産の推計基盤(億ドル))× 価格 0.09(関連資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。大口の年金・資本取引を継続獲得
- 欧州・中東・アフリカの伝統的再保険:数量 18,366(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 55 億ドル・営業利益 5 億ドル。英国の死亡率前提を保守的に改定し、請求率が正常化
- 欧州・中東・アフリカの金融ソリューション:数量 600(長寿・年金関連の資産・契約規模の推計(億ドル))× 価格 0.07(推計規模当たり保険料・運用収入・手数料)→ 売上 39 億ドル・営業利益 13 億ドル。長寿交換と英国年金移転で継続案件を開拓
- アジア太平洋・伝統的生命再保険:数量 10,221(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 96 億ドル・営業利益 13 億ドル。アジアで医療保障の普及と再保険浸透が進む
- アジア太平洋・金融ソリューション:数量 735(資産集約型再保険に連動する運用資産(億ドル))× 価格 0.06(運用資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 41 億ドル・営業利益 10 億ドル。日本・豪州の資産集約型契約の選別が奏功
倍率:10年後GAAP純利益35億ドルを期末自己資本273.6億ドルで割ったROEは12.79%。k8.0%、堀strongで超過ROEの残存割合2/3、RONICは11.19%。gは4.0%で、長期の生命再保険市場の実質需要・シェア・再保険料率と金融ソリューションの残高・利ざやから決めた。金融ソリューションの単価は物価連動でなくスプレッド型。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の上限は16.71倍。保険を引き受ける規律と独自データがさらに強まる一方、年金負債・信用損失の予測不能さを残して上限の約9割にとどめる。純利益はGAAP基準で株式報酬を費用として扱い、調整後利益への足し戻しはしない。最終年の成長率は4%程度まで落ちており、10年後から年10%超を続ける前提は採らない。
確率:世界の市場で首位級であり死亡率データにも強みがあるが、英国長寿と私募信用の事故を避けつつシェアを広げ続ける成功はまれと考え、8%とした。
やや楽観 20% 保有契約と資産集約型取引が順調に増える 利益 28 億ドル · PER 14.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 591.02 ドル395 億ドル
再保険の必要性が強まり、RGAは世界各地の生命保険会社との長期契約を着実に増やす。米国の継続型死亡保障ではスイス再保険との競り合いが続くが、独自の死亡率データと大口案件の実行力で主要顧客を守る。中国などの一部地域は慎重に引き受け、アジアの保険普及とカナダの安定成長が利益を支える。
英国の年金・長寿リスク移転は拡大する。ただしハノーバー再保険、スイス再保険、運用会社系列の再保険先との競争で、資産残高ほど利ざやは伸びない。2025年の英国死亡率再評価は繰り返さず、伝統的事業の採算は正常な水準に戻る。
保険契約の引き受けに自己資本を使い、資産運用の変動も避けられない。10年間のGAAP利益合計199億ドルのうち、正味90億ドルを返す。増分の資本利回りは資本コストを超えるが圧倒的ではなく、むやみに高い買収はしない。
正味90億ドルの還元は配当・買い戻し100億ドルから株式報酬の希薄化8億ドルと新株払い込み2億ドルを差し引く。
- 米州・伝統的生命再保険:数量 28,401(保有再保険の死亡保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 185 億ドル・営業利益 13 億ドル。新契約と失効の差が改善
- 米州・金融ソリューション:数量 674(運用資産基盤(億ドル、2025年末))× 価格 0.10(資産当たり保険料・運用収入・手数料の合算率)→ 売上 68 億ドル・営業利益 10 億ドル。大口資本取引の採算を維持
- カナダ・伝統的生命再保険:数量 6,936(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 29 億ドル・営業利益 3 億ドル。生命保障の移転需要が底堅い
- カナダ・金融ソリューション:数量 90.0(関連運用・再保険資産の推計基盤(億ドル))× 価格 0.09(関連資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。既存顧客との長寿リスク取引が増える
- 欧州・中東・アフリカの伝統的再保険:数量 16,029(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 46 億ドル・営業利益 4 億ドル。2025年の死亡率見直しによる損失が定着しない
- 欧州・中東・アフリカの金融ソリューション:数量 528(長寿・年金関連の資産・契約規模の推計(億ドル))× 価格 0.06(推計規模当たり保険料・運用収入・手数料)→ 売上 34 億ドル・営業利益 10 億ドル。英国年金の市場成長に比例して伸びる
- アジア太平洋・伝統的生命再保険:数量 9,116(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 82 億ドル・営業利益 11 億ドル。保険普及率の上昇で保有額が増える
- アジア太平洋・金融ソリューション:数量 617(資産集約型再保険に連動する運用資産(億ドル))× 価格 0.05(運用資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 34 億ドル・営業利益 8 億ドル。新規契約の運用利ざやが保たれる
倍率:10年後GAAP純利益28億ドルを期末自己資本243.6億ドルで割ったROEは11.49%。k8.0%、堀strongで超過ROEの残存割合2/3、RONICは10.33%。gは3.8%で、長期の生命再保険市場の実質需要・シェア・再保険料率と金融ソリューションの残高・利ざやから決めた。金融ソリューションの単価は物価連動でなくスプレッド型。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の上限は15.62倍。再保険の引受能力と顧客関係が維持される一方、良質な年金案件を競合と争うため上限の約9割とする。純利益はGAAP基準で株式報酬を費用として扱い、調整後利益への足し戻しはしない。
確率:2025年の多額の既契約移転と2026年上期の好業績を評価する。ただし良質な案件には競争相手も多く、すべてを成長に換算しないので20%とした。
中立 37% 長寿化需要は続くが高成長は落ち着く 利益 23 億ドル · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 409.73 ドル274 億ドル
10年後も生保会社は死亡率、病気、長寿、年金の運用リスクを一社では抱え切れない。RGAの再保険は必要だが、競争相手のスイス再保険、ミュンヘン再保険、ハノーバー再保険も大きく、市場を独占できない。米州の保有保障額は実質で約1.36倍に増え、料率と投資収入を合わせた単価は約1.30倍になる。
金融ソリューションでは年金・既契約移転の基盤が拡大するが、運用利回りの改善は契約者利率にも分配される。2025年のエクイタブル案件からの通年寄与を含めても、特別に良い取引が毎年続くとは考えない。英国の死亡率再評価を平年の費用に吸収し、アジアの好調だった請求率も少し戻る。
2026年上期のGAAP利益7.92億ドルという改善を出発点に、10年後は純利益23億ドルに達する。10年間で174億ドルを稼ぎ、そのうち70億ドルを配当と自社株買いで返す。規制資本を厚くしながら利益を伸ばすため、株主が受け取れる額は利益のすべてではない。
正味70億ドルの還元は配当・買い戻し81億ドルから株式報酬の希薄化8億ドルと新株払い込み3億ドルを差し引く。
- 米州・伝統的生命再保険:数量 25,750(保有再保険の死亡保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 161 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場の実質拡大と2024年の米国シェアの一部維持
- 米州・金融ソリューション:数量 556(運用資産基盤(億ドル、2025年末))× 価格 0.10(資産当たり保険料・運用収入・手数料の合算率)→ 売上 54 億ドル・営業利益 7 億ドル。取引残高は増すが新規取引の利ざやは横ばい
- カナダ・伝統的生命再保険:数量 6,258(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 25 億ドル・営業利益 3 億ドル。人口増と市場成熟で低速成長
- カナダ・金融ソリューション:数量 75.0(関連運用・再保険資産の推計基盤(億ドル))× 価格 0.09(関連資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。規模は小さく採算管理が主
- 欧州・中東・アフリカの伝統的再保険:数量 14,025(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 39 億ドル・営業利益 3 億ドル。英国の死亡率は慎重に見直して採算を正常化
- 欧州・中東・アフリカの金融ソリューション:数量 432(長寿・年金関連の資産・契約規模の推計(億ドル))× 価格 0.06(推計規模当たり保険料・運用収入・手数料)→ 売上 27 億ドル・営業利益 8 億ドル。年金移転需要は堅調だが競争で利益率を抑える
- アジア太平洋・伝統的生命再保険:数量 7,459(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 62 億ドル・営業利益 7 億ドル。医療保障の普及が続くが請求率は平年へ戻る
- アジア太平洋・金融ソリューション:数量 485(資産集約型再保険に連動する運用資産(億ドル))× 価格 0.05(運用資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 26 億ドル・営業利益 5 億ドル。積み上がる資産に対し純スプレッドは横ばい
倍率:10年後GAAP純利益23億ドルを期末自己資本238.6億ドルで割ったROEは9.64%。k8.0%、堀strongで超過ROEの残存割合2/3、RONICは9.09%。gは3.5%で、長期の生命再保険市場の実質需要・シェア・再保険料率と金融ソリューションの残高・利ざやから決めた。金融ソリューションの単価は物価連動でなくスプレッド型。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の上限は14.15倍。2025年の英国前提変更と信用資産の運用変動を考慮し、引受利益の質を割り引いて上限の約8.4割とする。純利益はGAAP基準で株式報酬を費用として扱い、調整後利益への足し戻しはしない。
確率:生命再保険の需要が続くことはかなり確かだが、料率・収益認識・金利運用の組み合わせは読みにくい。最も起こりやすい道筋として37%とした。
やや悲観 23% 競争と長寿・信用の再評価で資本効率が落ちる 利益 12 億ドル · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 179.64 ドル120 億ドル
再保険市場は大きくなるが、RGAの利益は市場ほど増えない。スイス再保険とミュンヘン再保険が死亡保障の価格を攻め、英国ではハノーバー再保険や年金専門の引受会社が好条件の案件を取り合う。保険料を上げても顧客の元受生保が自社保有を増やし、RGAの実質の保障数量は伸び悩む。
金融ソリューションの運用資産は増えるものの、エクイタブル型の大口取引は競争で稼ぎが薄くなる。英国で死亡率の想定ずれが再発し、医療給付率も上がる。信用損失の年には株式を買い戻さず、規制当局から資本の維持を求められる。
10年間のGAAP利益は119億ドルにとどまり、正味還元は36億ドルへ減る。自己資本は217.6億ドルあるが、必要な追加資本の利回りが株主の要求水準に届かない。帳簿が増えても経済価値が同じ速さで伸びない姿である。
正味36億ドルの還元は配当・買い戻し44億ドルから株式報酬の希薄化6億ドルと新株払い込み2億ドルを差し引く。
- 米州・伝統的生命再保険:数量 21,774(保有再保険の死亡保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 123 億ドル・営業利益 4 億ドル。スイス再保険などにシェアを奪われる
- 米州・金融ソリューション:数量 455(運用資産基盤(億ドル、2025年末))× 価格 0.09(資産当たり保険料・運用収入・手数料の合算率)→ 売上 42 億ドル・営業利益 4 億ドル。アポロ系・他社の価格競争で利ざやが下がる
- カナダ・伝統的生命再保険:数量 5,737(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 21 億ドル・営業利益 1 億ドル。厳しい再保険料で新契約が鈍化
- カナダ・金融ソリューション:数量 60.0(関連運用・再保険資産の推計基盤(億ドル))× 価格 0.08(関連資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。小型案件のみで固定費を吸収できない
- 欧州・中東・アフリカの伝統的再保険:数量 11,799(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 29 億ドル・営業利益 0 億ドル。英国の死亡率・長寿前提の見直しが再発
- 欧州・中東・アフリカの金融ソリューション:数量 307(長寿・年金関連の資産・契約規模の推計(億ドル))× 価格 0.06(推計規模当たり保険料・運用収入・手数料)→ 売上 18 億ドル・営業利益 4 億ドル。ロンドンの年金引受競争で利ざや縮小
- アジア太平洋・伝統的生命再保険:数量 6,741(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 53 億ドル・営業利益 4 億ドル。給付率が上がり価格転嫁に遅れる
- アジア太平洋・金融ソリューション:数量 382(資産集約型再保険に連動する運用資産(億ドル))× 価格 0.05(運用資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。資産価格の低迷が利ざやを圧縮
倍率:10年後GAAP純利益12億ドルを期末自己資本217.6億ドルで割ったROEは5.51%。k8.0%、堀strongで超過ROEの残存割合2/3、RONICは6.34%。gは2.5%で、長期の生命再保険市場の実質需要・シェア・再保険料率と金融ソリューションの残高・利ざやから決めた。金融ソリューションの単価は物価連動でなくスプレッド型。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の上限は12.50倍。事業ROEが資本コストを下回るため上限は1/kの12.5倍に限られる。利ざや縮小と資本拘束の長期化を考え10倍とする。純利益はGAAP基準で株式報酬を費用として扱い、調整後利益への足し戻しはしない。
確率:英国死亡率の前提変更と新規金融ソリューションの再評価は起こり得る。保険負債が長期で修正に時間がかかるため、やや悲観を23%とした。
悲観 12% 誤った料率と資産選択で優位性を失う 利益 6 億ドル · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 85.33 ドル57 億ドル
RGAの強みだった死亡率データが料率優位につながらなくなる。元受保険会社がAIを使って死亡・疾病の選別を改善し、標準リスクは自社保有を増やす。スイス再保険やハノーバー再保険との競争では、不確かな高リスク契約だけが残りやすくなる。これは人月や席課金のAIエージェント代替ではなく、引受リスクの質が悪くなる問題だ。
英国の長寿前提が再び悪化し、資産集約型の社債・不動産融資でも信用事故が重なる。エクイタブル型取引の不利な再評価と資本規制の厳格化で、再保険の新規案件を見送らざるを得ない。10年の途中に数年の損失と減損が入り、累計GAAP利益は70億ドル、最後の年の利益は6億ドルに低迷する。
還元は15億ドルだけに縮み、持ち株の一部を取り崩さない限り成長できない。自己資本189.6億ドルを帳簿どおりの売却価値とは見ず、保険負債を払った残余にさらに処分損・損害見積もりを引く。会社は存続するが、堀は大きく損なわれる。
正味15億ドルの還元は配当・買い戻し28億ドルから株式報酬の希薄化5億ドルと資本再建の新株払い込み8億ドルを差し引く。
- 米州・伝統的生命再保険:数量 16,094(保有再保険の死亡保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 79 億ドル・営業利益 2 億ドル。米国の死亡保障で再保険料が下落し、既契約にも損失
- 米州・金融ソリューション:数量 354(運用資産基盤(億ドル、2025年末))× 価格 0.08(資産当たり保険料・運用収入・手数料の合算率)→ 売上 28 億ドル・営業利益 3 億ドル。資産集約型の信用損と競争で新規収入単価が下がる
- カナダ・伝統的生命再保険:数量 4,694(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 15 億ドル・営業利益 1 億ドル。死亡率予測を誤り再保険の縮小が続く
- カナダ・金融ソリューション:数量 47.5(関連運用・再保険資産の推計基盤(億ドル))× 価格 0.07(関連資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。カナダの金融取引が縮小
- 欧州・中東・アフリカの伝統的再保険:数量 8,682(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.00(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 19 億ドル・営業利益 0 億ドル。英国死亡率・医療関連の負債再評価が恒常化
- 欧州・中東・アフリカの金融ソリューション:数量 226(長寿・年金関連の資産・契約規模の推計(億ドル))× 価格 0.05(推計規模当たり保険料・運用収入・手数料)→ 売上 11 億ドル・営業利益 2 億ドル。長寿負債の評価損と資本規制で案件を失う
- アジア太平洋・伝統的生命再保険:数量 5,801(保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル))× 価格 0.01(保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率))→ 売上 42 億ドル・営業利益 3 億ドル。伝統的保障だけ残るが価格の力は落ちる
- アジア太平洋・金融ソリューション:数量 279(資産集約型再保険に連動する運用資産(億ドル))× 価格 0.04(運用資産当たり総収入(保険料を含む))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。年金資産の信用損と取引減少が重なる
倍率:10年後GAAP純利益6億ドルを期末自己資本189.6億ドルで割ったROEは3.16%。k8.0%、堀strongで超過ROEの残存割合2/3、RONICは4.78%。gは1.0%で、長期の生命再保険市場の実質需要・シェア・再保険料率と金融ソリューションの残高・利ざやから決めた。金融ソリューションの単価は物価連動でなくスプレッド型。正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)×(1+g)の上限は12.50倍。資本利回りが資本コストを大幅に下回り、上限12.5倍より低い9.5倍で弱った稼ぐ力を測る。過去の谷の市場倍率は参照しない。純利益はGAAP基準で株式報酬を費用として扱い、調整後利益への足し戻しはしない。
確率:全資産と保険負債が大きく、信用事故と死亡・長寿の予想外れが重なる下振れを無視できない。ただし事業存続力と規制監督を考え12%に抑えた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米州・伝統的生命再保険
死亡・医療・介護などの死亡率・罹患率リスクを引き受ける。生命保険会社が支払う再保険料と、その準備金に対応する投資収益が主な収入。
| 数量保有再保険の死亡保障額(2025年ドル基準・億ドル) | 価格保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 18,934 | 0.00 | 91 | 5 |
| 10 年後 中立 | 25,750 | 0.01 | 161 | 10 |
取り方:2025年10-K:米州Traditional保有保障額1兆8,934億ドル、セグメント収入91.26億ドル、調整後税前利益5.02億ドル。2025年の新規引受保障額2,104億ドル。米国の継続型個人生命再保険では2024年にRGAが新契約の24%を占め、スイス再保険23%、ミュンヘン再保険14%(SOA調査)。これらは米州全商品・全地域と母集団が違う。将来数量は物価調整後の保有保障総量、価格は保険料率と保有資産利回りの合成である。
米州・金融ソリューション
年金・保険ブロックの運用資産や契約負債を引き受け、投資利回りと契約者への利率の差、資本取引の手数料で稼ぐ。
| 数量運用資産基盤(億ドル、2025年末) | 価格資産当たり保険料・運用収入・手数料の合算率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 337 | 0.10 | 32 | 4 |
| 10 年後 中立 | 556 | 0.10 | 54 | 7 |
取り方:2025年10-K:米州Financial Solutionsの収入32.05億ドル、調整後税前利益3.67億ドル、資産集約型取引を支える投資資産337億ドル(前年220億ドル)。2025年7月のエクイタブル再保険で約120億ドルの負債を受け入れた。単年度の一時払保険料や口座管理料が混ざるため、価格0.0951は純粋な運用スプレッドではない。米国PRT新規市場は2025年487億ドル(Aon調査)だが、全米州金融ソリューションのシェアと混同しない。
カナダ・伝統的生命再保険
個人死亡保障や団体保険、債務者向け信用生命・障害保険を受け、死亡率と給付の予測差から利益を得る。
| 数量保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル) | 価格保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5,215 | 0.00 | 16 | 2 |
| 10 年後 中立 | 6,258 | 0.00 | 25 | 3 |
取り方:2025年10-K:カナダTraditionalの保有保障額5,215億ドル、新規526億ドル、収入16.05億ドル、調整後税前利益1.57億ドル。市場全体の再保険保有保障額とRGAの厳密なシェアは非公表のため推定で補わず、既存契約の失効・新契約の積み上げを数量の根拠とした。
カナダ・金融ソリューション
年金の長寿リスクと資本効率改善の再保険を提供し、連動する資産の利ざやと資本取引手数料を得る。
| 数量関連運用・再保険資産の推計基盤(億ドル) | 価格関連資産当たり総収入(保険料を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 50.0 | 0.09 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 75.0 | 0.09 | 7 | 1 |
取り方:2025年10-K:カナダFinancial Solutionsの収入4.30億ドル、調整後税前利益0.37億ドル、投資純収入2.28億ドル。関連資産額そのものは未開示。推定運用利回り4.6%で投資収入2.28億ドルを割り戻した資産約50億ドルを数量の代用とした。価格は4.30/50で、実際の保険金1件の単価ではない。
欧州・中東・アフリカの伝統的再保険
英国・欧州・南アフリカなどで死亡・医療・重病のリスクを受ける。英国の死亡率改善見通しに評価が左右される。
| 数量保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル) | 価格保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 11,131 | 0.00 | 24 | −1 |
| 10 年後 中立 | 14,025 | 0.00 | 39 | 3 |
取り方:2025年10-K:EMEA Traditional保有保障額1兆1,131億ドル、新規1,718億ドル、収入23.97億ドル、調整後税前損益マイナス1.06億ドル。英国死亡率の前提更新で2.22億ドルの不利な再評価があり、2025年の赤字を恒久の採算とはしない。ただし長寿・死亡率の推定誤差は消えない。
欧州・中東・アフリカの金融ソリューション
英国の年金長寿リスク移転、年金・年金受給負債の引き受け、生命保険会社の資本強化を担う。
| 数量長寿・年金関連の資産・契約規模の推計(億ドル) | 価格推計規模当たり保険料・運用収入・手数料 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 240 | 0.06 | 14 | 5 |
| 10 年後 中立 | 432 | 0.06 | 27 | 8 |
取り方:2025年10-K:EMEA Financial Solutions収入14.47億ドル、税前調整利益4.69億ドル、投資収入4.35億ドル。長寿交換には資産移管のない契約もあり統一された対象残高が開示されない。複数の再保険と資本取引を合わせた推定基盤240億ドルで、表示単価は売上との整合を示す代理尺度。英国年金移転市場の数量は取引年で大幅に振れる。
アジア太平洋・伝統的生命再保険
日本、韓国、豪州、インド、東南アジアの生命・健康・重病保険を引き受け、死亡・医療の地域差を収益にする。
| 数量保有再保険の保障額(2025年ドル基準・億ドル) | 価格保障額1ドル当たり保険料・投資収益(比率) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5,525 | 0.01 | 36 | 5 |
| 10 年後 中立 | 7,459 | 0.01 | 62 | 7 |
取り方:2025年10-K:アジア太平洋Traditional保有保障額5,525億ドル、新規630億ドル、収入36.41億ドル、税前調整利益4.65億ドル。2025年の請求率は84%で前年87%より良好。市場の厳密な再保険シェアは地域ごとに非開示であり、人口と民間保険普及、新契約・失効を分けて数量を推定。
アジア太平洋・金融ソリューション
オーストラリアやアジア各国で貯蓄性保険、年金、資本軽減取引を引き受け、運用利ざやと手数料を得る。
| 数量資産集約型再保険に連動する運用資産(億ドル) | 価格運用資産当たり総収入(保険料を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 294 | 0.05 | 15 | 3 |
| 10 年後 中立 | 485 | 0.05 | 26 | 5 |
取り方:2025年10-K:アジア太平洋Financial Solutionsの投資資産294億ドル(前年222億ドル)、収入15.05億ドル、税前調整利益2.94億ドル。規制資本取引の2025年引受額24億ドル、前年21億ドル。価格は15.05/294であり、運用利回りから契約者への利払いを引いた純スプレッドではない。
リスクと懸念
死亡率・長寿の前提変更
生命再保険は保険金支払いを数十年後まで引き受ける。2025年の英国死亡率の前提見直しはEMEAの伝統的事業を赤字にした。長寿化のペースと医療制度の変化が予想から外れると、利益が出ていた既存契約に追加負債が生まれる。単純な売上拡大では防げず、最も大きいリスクの一つである。
私募信用と不動産融資
2026年6月末のRGAの現金・投資資産は約1,446億ドルで、公開債に加えて私募債、住宅ローン、不動産関連の投資がある。信用事故がわずかな比率でも重なると、約135億ドルの会計自己資本に対して損失が大きくなる。投資収益が増えた四半期ほど損失の発生が遅れて見える。
金融ソリューションの利ざや
米国のPRTや年金負債移転には多数の入札者がいる。新規の高利回り資産が増えても元受生保に譲る利率も上がるため、スプレッドは広がらない可能性がある。資産残高だけが膨張すれば必要資本を食い、引受の増分ROEが資本コストを下回る。
顧客への資本提供と再保険の規制
再保険は監督当局の資本規制、担保、準備金計算の仕組みに依存する。英国や米国、バミューダなどで担保・評価基準が厳しくなると、同じ契約に必要な資本が増える。現在の会計利益が続いても、持株会社へ配当可能な現金が減ることがある。
AIと元受会社による危険の選別
RGAは人月や席課金で売上を得ていないため、指定されたAIエージェント代替型の直接的な対象ではない。しかし元受生命保険会社がAIで健康状態や解約率をさらに正確に読めるようになると、優良な契約は自社保有し、悪い危険だけを再保険へ出す逆選択が強まる。再保険料の値下げに応じると構造的に利益が薄くなる。
利益と運用キャッシュフローの混同
保険料の入金や再保険準備金によって運用キャッシュフローが巨額になっても、それは株主が使える現金ではない。2025年のGAAP利益と調整後利益には差があり、投資評価と負債再測定で数値が振れる。配当や自社株買いの実行額と規制上の余剰資本でオーナー利益を検証する必要がある。
大型取引への集中と経営の資本配分
2025年のエクイタブルのような大型契約は売上や運用資産を一度に押し上げる。契約の内在価値を安く買えれば株主に有利だが、死亡率・解約率や利回りを楽観して受けると、数年後の負債再評価で過去の利益を失う。配当枠があっても危険な案件を拒む規律が何より大切だ。
今後の分かれ目
- 米国の継続型個人生命再保険の新契約シェアが24%近辺を保ち、世界の保有保障額が実質で年2%以上増える
- 元受生保との関係とデータの堀が拡大している証拠になる。楽観側の数量を増やし、追加契約の増分ROEを点検する。
- エクイタブル型の既契約取引で継続的な増分ROEが12%を上回り、信用損失が少ない
- 金融ソリューションの投下資本に価値があり、やや楽観の確率を厚くする。ただし資産残高の増加だけでは判断しない。
- EMEA伝統的再保険が死亡率前提の再評価で再び年1億ドル以上の損失を出す
- 過去の引受の採算が不安定だとみなし、やや悲観を厚くする。年金の長寿リスクと死亡保障の見積もりを分けて検証する。
- 私募債・不動産ローンの信用損が年5億ドル規模へ増える
- GAAPの利益と規制資本が同時に毀損する。買い戻しは抑制され、悲観の時価総額と床となる正味資産を再検討する。
- 2026年以降、GAAP ROEが連続して12%を超え、株主への正味還元も毎年増える
- 調整後指標と実際のオーナー利益の差が縮まったと評価する。利益の質が確認できる分だけ中立価値を見直す。
- 規制当局が海外再保険の担保や必要資本を大幅に厳格化する
- 既契約移転の採算と増分の資本利回りが下がり、金融ソリューションの数量と価格の両方を下方修正する。
- AIによる元受会社の内製化で標準的な死亡リスクの出再が減り、再保険料率が継続的に低下する
- AIエージェント代替ではなく逆選択による利益の低下として扱う。米州の伝統的再保険の数量と単価を弱気側へ寄せる。
見ておくもの
- RGAの地域別保有死亡保障額と新契約額、米国個人生命の継続型再保険シェア
- 米州・アジアの請求率と2025年英国長寿・死亡率の前提変更の再発
- 金融ソリューションの運用資産、純スプレッド、増分資本利回り
- GAAP純利益と調整後利益の差、AOCIと有形自己資本、保険会社の規制余剰資本
- 私募債・住宅ローン・不動産融資の損失、債券評価損益
- エクイタブル型の既契約移転の持続的利益と新規案件の価格
- 配当・自社株買いから株式報酬と新株発行を控除した正味還元
- 2026年11月5日公表予定の2026年7〜9月期決算と2026年通期の改定見通し
倍率と資本コストの決め方
2026年10月23日の台帳株価と株数による時価総額は約176.31億ドルで、外部の時価総額約172.36億ドルとの差は約2.2%。外部の発行済株数約6,529万株と台帳6,680万株の差によるもので、価値の計算には台帳を使用する。倍率は株価や同業のPERから求めていない。資本コスト8%、各筋書きの期末自己資本に対するGAAPのROE、堀の残存割合2/3、市場の伸びと料率に基づくgから10年目利益に適用する正当化PER上限を計算した。中立の上限約14.1倍に対して質の不確実さを考え11.9倍を採用した。金融のため巨額の運用資産を余剰現金に振り替えず、悲観の床は負債を払った税後の正味処分価値と稼ぐ力を照合した。同じ生命保険領域のメットライフやプリンシパルのk8.25%より少し低いのは、専門の死亡率データと米国の新契約シェアを評価したため。一方、RGAは中立ROEが低いので中立の利益倍率は両社より高くしていない。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に質の調整0.0%を加える。強い堀の評価をpricingとlifeで二重に大きく引き下げず、事業存続に疑義はないのでdistress上乗せはない。市場βは使わない。