結論
アポロは、総運用資産 1 兆 473 億ドル(2026 年 6 月末、前年比 25% 増)、手数料を生む運用資産 8,580 億ドル(34% 増)の世界有数のオルタナティブ運用会社で、生命保険・年金のアセネ(純投資資産 3,141 億ドル)を連結する。利益は大きく 3 本。(1)運用事業の管理報酬・資本市場の手数料が作る手数料関連利益 FRE(2026 年 4〜6 月期 7.85 億ドル、25% 増、利益率 58.5%)、(2)アセネの運用収益と契約者への支払いの差が作るスプレッド関連利益 SRE(同 8.77 億ドル、純スプレッド 1.14%)、(3)成功報酬と自己投資の主要投資収益 PII(同 0.16 億ドルと薄い)。
最初に決めたのは利益の見方である。GAAP 純利益は保険の投資損益と税で大きく振れ、2025 年は約 34 億ドル、2026 年 1〜3 月期はバミューダの法人税の制度変更による 17 億ドルの一回限りの税で 19.3 億ドルの赤字、4〜6 月期は 13.4 億ドルの黒字だった。会社の調整後純利益 ANI は 2025 年に約 52 億ドルだが、株式報酬と報酬に連動する費用を足し戻した値である。そこで GAAP を基本としつつ、一回限りの税と投資損益の振れを均した「オーナー利益」(ANI から株式報酬を税引きで引いた値、2025 年 約 44 億ドル)を軸に置いた。GAAP との差は約 10 億ドルで、中身は保険の未実現の投資損益と買収の償却で、振れとして悲観の確率と谷の倍率で受けた。
株数は普通株 5.76 億、強制転換優先株の転換後 0.15 億、報酬株 0.33 億の ANI 株数 6.24 億(2026 年 6 月末)で、時価総額は約 691 億ドル(台帳の自動計算 658 億ドルの 1.05 倍)。
バリュー投資の観点では、10 年後もこの事業は存在し、保険マネーと機関投資家向けクレジットの調達力は今より強いと見る。一方で保険の利ざやと、私募クレジットの質、個人向けの解約が振れを作る。資本コスト 9.0%(基本 8.0% + quality 1.0%)で、利益ベースの上限 PER の 9 割前後を当てた確率加重の価値は、今の時価総額の約 17% 下(やや割高)。優良さは高いが、保険への依存と利益の質で深い安全域とまでは言えない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。世界の貯蓄と年金が社債から私募クレジットへ移る流れ、そして保険と運用を一体で持つ構造は 10 年後も続き、アポロは今より強いと見る。堀は「組成力と、買い手を持つこと」で、価格を決める力は強くない(報酬率は競争で下がり、保険の商品も価格競争がある)。
オーナー利益は、ANI から株式報酬を税引きで引いた値で見る:2025 年 約 44 億ドル、直近の勢いで 2026 年は約 49 億ドル。GAAP 純利益(2025 年 約 34 億ドル)より約 10 億ドル多く、差の中心は保険の投資損益の振れと買収の償却で、ここは実損か評価の振れかが分かれ目になる。伸びに要る元手は大きく(アセネの規制資本・自己投資)、事業の ROE は 14〜20%、株主に返せる割合は長期で 7 割前後。
安全域の問題は 3 つ:保険の信用資産の質(私募クレジットへの集中)、バミューダ再保険の規制と税、報酬率の低下。資本コスト 9.0%、長期成長 4.0%、ROE 14%・RONIC 11.6% の利益ベースの式で 10 年目の利益の約 13 倍が正当化され、利益の質からその 9 割の約 12 倍に置くと、オーナー利益に対する今の PER(約 15 倍)を下回る。事業の質への確信は高いが、保険の利益の質は中程度で、安全域は中程度。
何で稼ぐ会社か
アポロの収益は 3 つに分かれ、会社はそれを運用事業(アセット・マネジメント)・退職サービス(アセネ)・主要投資の 3 部門で報告する。
第 1 は運用事業。ファンドから受け取る管理報酬(2026 年 4〜6 月期 10.0 億ドル)、資本市場事業が取る組成・アレンジの手数料(同 2.77 億ドル、過去最高)、手数料に連動する成功報酬(同 0.65 億ドル)が収益で、報酬に連動する人件費(収益の約 25%)を引いたのが FRE(同 7.85 億ドル)。手数料を生む運用資産は 8,580 億ドルで、運用資産の約 60%・手数料を生む資産の約 70% が永続資本(アセネ 4,160 億ドル、欧州の保険会社アソラ(Athora)1,210 億ドル、その他 840 億ドル)。この永続資本の大半が、アポロが組成した債券・貸出を買ってくれる「買い手」になっている。
第 2 はアセネ。年金(固定・固定指数)と企業年金のリスク移転を売って資金を集め、アポロが組成した信用資産を中心に運用する。純投資資産 3,141 億ドルに対し、運用収益から契約者への支払い・費用を引いた純スプレッドが 1.14%(2025 年 4〜6 月期は 1.22%)。会社の 2026 年の見通しは 1.20〜1.25% で、4〜6 月期はやや下。SRE は 8.77 億ドルで、年換算では純投資資産の約 1.14%。
第 3 は主要投資で、成功報酬の実現分(4〜6 月期 1.30 億ドル、1〜3 月期 3.57 億ドル)から報酬費用を引いた PII と、自己資金の投資収益。出口市場で大きく振れる。
運用事業の成長の要は「組成(オリジネーション)」で、4〜6 月期 740 億ドル、直近 12 か月 3,170 億ドル。2025 年 9 月にブリッジ・インベストメント・グループ(不動産運用)を買収、2026 年 3 月末にアソラが英国の PIC を取得した。価格にあたる報酬率は、手数料を生む資産に対し管理報酬だけで約 0.47%、資本市場の手数料と成功報酬を含めて約 0.63% と低め(機関向けクレジットが多く、報酬率の高い株式型の比率が低い)。
優良さと弱いところ
優良さは 4 点で見る。第 1 は組成力:直近 12 か月に 3,170 億ドルの債券・貸出を自社で組成する。投資適格クレジットを大規模に作れる運用会社は少なく、その買い手を保険(アセネ・アソラ)が永続資本として抱える。組成する側と買う側を同じグループに持つ構造は、アポロの最も差別化された堀である。第 2 は永続資本:運用資産の約 60% が解約されない資金で、景気が悪くても管理報酬が止まりにくい。第 3 は規模と多様性:総運用資産は 1 兆ドルを超え、クレジット・エクイティ・不動産・インフラ・保険・年金リスク移転と柱が広い。第 4 は経営の一貫性で、マーク・ローワン CEO が保険と運用の統合(アセネとの 2022 年の合併)を主導し、方針が一貫している。
弱い所は 5 つ。(1)利益の半分以上が保険のスプレッドで、アセネの運用収益は私募クレジットとオルタナティブの成績に左右される(2026 年 4〜6 月期のオルタナティブの年率収益は 9.0% で、会社の長期見通し 11% を下回る)。(2)利益の質:GAAP 純利益と ANI の差が大きく(2025 年 約 34 億対 52 億ドル)、評価損益・税・株式報酬が絡む。(3)個人向けの長期型ファンド(アポロ・デット・ソリューションズなど)は 2026 年に解約請求が増え、四半期に 5% の上限で支払いを制限する事態が続いた。(4)バミューダ再保険の規制と税(ACRA の制度変更で 17 億ドルの税)。(5)成功報酬は薄く、出口市場の戻りが遅い。株式報酬は年約 8 億ドルで、調整後の数字より GAAP のほうが実態に近い。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
世界の運用資産は約 147 兆ドルで、オルタナティブはそのうち約 20 兆ドル前後。機関投資家が社債・国債から私募クレジットへ資金を移し、個人向けの長期型ファンドは 4 年で 5 倍超の 3,000 億ドル超に膨らんだ。エバーグリーン型は 2025 年の 3.2 兆ドルから 2030 年に 5.2 兆ドルの見通し(Ropes & Gray)。管理報酬率は上位の買収ファンドで過去最低圏(2026 年組成の平均 1.57%)と下がり続けるが、その分、投資適格に近い低報酬・大規模のクレジット(アポロの得意分野)が増える。
競争は上位に集中する。2026 年 4〜6 月期でブラックストーン(Blackstone)の総運用資産は 1.35 兆ドル、KKR は約 8,000 億ドルでグローバル・アトランティックを持つ保険を使う点はアポロと同じ構図、アレス(Ares)は 6,713 億ドルで調達が過去最高(360 億ドル)、ブルックフィールド(Brookfield)は保険のアメリカン・エクイティを持つ。保険の資金源ではアポロ(アセネ)が運用資産で最大。大手銀行も私募クレジットと協調し(ブロードコムへの 350 億ドルの融資枠をアポロが取った例)、組成の競争は銀行・他の運用会社と続く。
循環の位置:金利 5% の世界では、買収(バイアウト)の採算が悪く、出口が遅れて成功報酬は薄い(2026 年 4〜6 月期の実現成功報酬は 1.3 億ドル)。一方、金利が高いので年金・生保の売れ行きは良く、組成と SRE は伸びる。2026 年 6 月にはアポロ・デット・ソリューションズの解約請求が 16.8% に達し 5% に絞った(前の四半期に続き 2 度目)。保険会社の信用資産は 98% が投資適格だが、私募への集中は規制の関心の的で、バミューダ再保険の資本規制の見直しが懸案。
資本政策と M&A
還元は配当(四半期ごと)と自社株買いで、2025 年 7〜2026 年 6 月の直近 12 か月で約 16 億ドル(配当 10 億ドル超、自社株買い約 3 億ドル)。自社株買いの枠は 40 億ドルで残り 30.3 億ドル。ただし自社株買いの大半は株式報酬で増える株を打ち消す買い戻しで、正味の還元は配当と余力の買いに近い。株式報酬は費用として利益から引いている。
資本の大半は成長に再投資する:アセネの規制資本、戦略的投資(直近 12 か月で約 4.85 億ドル)、買収。買収は 2022 年にアセネと合併、2025 年 9 月にブリッジ(直近 12 か月に 340 億ドルの流入を寄与)、2026 年 3 月末にアソラの PIC 買収(650 億ドルの流入を寄与)。持ち株会社の借金は 58 億ドル、現金 34 億ドルで、格付けは A2/A/A。アセネの借金は 78 億ドルで格付けは A1/A+/A+。子会社の ACRA(バミューダ)の税制選択の撤回で、2026 年 1〜3 月期に 17 億ドルの税費用が出た。買われる側になる可能性は小さい。 点検:自社株買い(直近 12 か月で約 3 億ドル)は株式報酬の相殺が主で、正味の還元に数えていないので、今の株数との二重はない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
アポロは、世界の資金が社債から私募クレジットへ移る流れで最も大きな「組成の工場」を持つ。直近 12 か月の組成は 3,170 億ドル、手数料を生む運用資産は 34% 増の 8,580 億ドル、FRE は 25% 増で利益率は 58.5% まで上がり、会社は 2026 年の FRE 20% 超の成長を維持している。永続資本は運用資産の約 60% で、解約されない資金が積み上がる。
アセネは年 850 億ドルの流入目標に対し上期 420 億ドルのペースで、純投資資産は 3,141 億ドル。純スプレッドは 4〜6 月期に 1.14% と見通し(1.20〜1.25%)をやや下回ったが、オルタナティブの収益率が長期見通し 11% に戻れば会社の見通し内に収まる。個人向けの解約騒ぎはアセネ(保険契約は解約できない)には及ばない。
ブリッジ買収で不動産の運用が加わり、ブロードコムへの 350 億ドルの融資枠のような大型の取引が手数料を生む。ドライパウダー(待機資金)は過去最高の 820 億ドル。会社の 2029 年の目標(FRE と SRE がそれぞれ 50 億ドル規模、組成 2,750 億ドル超)に近づけば、10 年でオーナー利益は 3 倍に届き、利益ベースの倍率でも今の値段を大きく上回る。
慎重な見方
今の利益の質に疑問がある。GAAP 純利益は 2025 年に約 34 億ドル、2026 年 1〜3 月期は 19.3 億ドルの赤字で、17 億ドルの一回限りの税を除いても、保険の投資損失(1〜3 月期に 20.8 億ドル)が大きい。ANI は株式報酬(年約 8 億ドル)と評価損益を足し戻した値で、実態より良く見える。
アセネのスプレッドは 2026 年 4〜6 月期に 1.14% と、会社の見通し 1.20〜1.25% を下回った。運用資産が増えても利ざやが縮めば SRE は伸びない。私募クレジットとオルタナティブに積む資産は、金利 5% が続けば借り手の返済負担が重く、信用事故で資本を削る。アポロ・デット・ソリューションズは解約請求が 16.8% に達して 5% に絞られ、株価は 1 日で約 6% 下がった。ファースト・ブランズなど 2025 年の破綻の再来が不安視される。
報酬率は新しい商品で下がる。保険の商品(年金・リスク移転)は価格競争が激しく、ブラックストーン・KKR・ブルックフィールドが同じ保険マネーを狙う。バミューダ再保険の規制強化と税(ACRA の 17 億ドル)は資本効率を下げる。成功報酬は出口市場しだいで薄く、PII は 4〜6 月期に 0.16 億ドルしかなかった。利益ベースで正当化される倍率(10 年目の利益の約 13 倍、置いたのは約 12 倍)は今の値段の水準を下回り、安全域は無い。
どちらに重みを置いたか
事業の質と伸びは強気の見方が強く、保険のスプレッドと利益の質は慎重な見方が強い。10 年の確率は楽観 8%・やや楽観 22%・中立 30%・やや悲観 24%・悲観 16% と悲観側にやや厚く置いた(同じ領域の KKR と同程度で、利益の半分以上が保険である分を悲観の深さで厚くした)。10 年の構造的な負けは、私募クレジットの大きな信用事故、保険の資本規制の強化、報酬率の崩れが重なって優良な運用会社でなくなる筋書き。確率で加重した価値は、今の時価総額(会社全体 691 億ドル)を約 17% 下回り、結論は「優良だが、やや割高」。 点検(2026-10-19):PII の率 0.053%→0.060%(名目の運用資産に理由なく上げ)を据え置きに直し、利益・還元・式 PER を流し直した。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 161.85 ドル1,009 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 33.45 ドル209 億ドル)。 今の値に割り戻すと 90.11 ドル562 億ドル、今との差 −21.5%、 期待の年率 +5.5%(資本コスト 9.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 269.70 ドル1,682 億ドル | 40.96 ドル255 億ドル | +170.5% | +10.5% | 24.85 ドル155 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 219.71 ドル1,370 億ドル | 37.91 ドル236 億ドル | +124.4% | +8.4% | 56.68 ドル353 億ドル |
| 中立 | 30% | 191.05 ドル1,191 億ドル | 36.68 ドル229 億ドル | +98.3% | +7.1% | 68.32 ドル426 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 109.21 ドル681 億ドル | 29.51 ドル184 億ドル | +20.8% | +1.9% | 33.29 ドル208 億ドル |
| 悲観 | 16% | 52.60 ドル328 億ドル | 23.41 ドル146 億ドル | −33.8% | −4.0% | 12.16 ドル76 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 161.85 ドル1,009 億ドル | 33.45 ドル209 億ドル | +70.1% | +5.5% | 195.30 ドル1,218 億ドル |
今の株価時価総額 114.83 ドル716 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:組成の工場が広がり、保険と運用の連携が堀として厚くなる 利益 134 億ドル · PER 12.6 倍 · 株価時価総額 269.70 ドル1,682 億ドル
2035 年末、手数料を生む運用資産は約 2.7 兆ドル(年 13.5%)。永続資本が運用資産の 7 割に近づき、組成は年 5,000 億ドルを超え、年金リスク移転・個人向け・インフラが調達の中心になる。アセネは純投資資産 7,200 億ドル(年 9.5%)で、純スプレッドは 1.10% を保つ。報酬率の低下は年 0.5% にとどまる。FRE は約 93 億ドル、SRE は約 79 億ドルで、2029 年の会社目標(FRE・SRE 各 50 億ドル規模)を 2 割ほど遅れて超える形。営業利益 161 億ドル、オーナー利益は約 134 億ドル(2025 年の約 4.0 倍)。10 年の正味の還元は 255 億ドル。堀(組成力・保険の資金源)は広がる。 主要投資(PII)の率は、総運用資産が名目で伸びる分に物価を重ねず、今の 0.053% を基点に成功報酬が出やすい相場で 1.22 倍。
- 運用事業(手数料関連利益 FRE):数量 26,608(手数料を生む運用資産(億ドル))× 価格 0.01(残高あたりの手数料収益率(管理報酬+資本市場の手数料+手数料連動の成功報酬))→ 売上 149 億ドル・営業利益 93 億ドル。手数料を生む運用資産 × 報酬率
- 退職サービス(アセネのスプレッド関連利益 SRE):数量 7,187(アセネの純投資資産(億ドル))× 価格 0.01(純投資資産あたりの SRE 率(純スプレッド))→ 売上 79 億ドル・営業利益 79 億ドル。アセネの純投資資産 × 純スプレッド
- 主要投資(PII:成功報酬・自己投資):数量 30,460(総運用資産(億ドル))× 価格 0.00(総運用資産あたりの PII 率)→ 売上 20 億ドル・営業利益 20 億ドル。総運用資産 × PII 率
倍率:純利益は GAAP 基本のオーナー利益(保険の投資損益の振れを均した値)、自己資本はアセネの規制資本を含む帳簿の値。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 9.00%(基本 8.0%+quality +1.00%)、事業の ROE 16.2%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 12.6% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.6 倍が上限。利益の質(保険の利ざやが利益の柱で、信用の質と金利で振れ、成功報酬も市場で振れる)から、上限の 9.2 割の PER 12.6 倍に置いた(検査の上限は時価総額 1829 億ドル)。
確率:組成の優位と保険の連携が 10 年続き、報酬率の低下も小さい。10 年を通じて実現する確率は 1 割弱。
やや楽観 22% やや楽観:運用資産は年 12%、保険と手数料が安定 利益 112 億ドル · PER 12.2 倍 · 株価時価総額 219.71 ドル1,370 億ドル
2035 年末、手数料を生む運用資産は約 2.3 兆ドル(年 12%)。組成と調達は堅調で、保険はブラックストーン・KKR・ブルックフィールドとの競争の中でも一定のシェアを保つ。アセネの純投資資産は 6,450 億ドル(年 8.3%)、純スプレッドは 1.07%。景気後退を 1〜2 回挟み成功報酬と PII が大きく落ちる年があるが、管理報酬と SRE は止まらず、ならすと年 10%。永続資本の比率は約 6 割を保ち、年金リスク移転と企業向けの組成が調達を支える。報酬率の低下は年約 0.9% で、新しい商品の価格競争を組成の規模で相殺する。FRE 77 億ドル、SRE 69 億ドル、営業利益 135 億ドル、オーナー利益は約 112 億ドル。10 年の正味の還元は 236 億ドル。 主要投資(PII)の率は、総運用資産が名目で伸びる分に物価を重ねず、今の 0.053% を基点に1.13 倍。
- 運用事業(手数料関連利益 FRE):数量 23,294(手数料を生む運用資産(億ドル))× 価格 0.01(残高あたりの手数料収益率(管理報酬+資本市場の手数料+手数料連動の成功報酬))→ 売上 125 億ドル・営業利益 77 億ドル。手数料を生む運用資産 × 報酬率
- 退職サービス(アセネのスプレッド関連利益 SRE):数量 6,437(アセネの純投資資産(億ドル))× 価格 0.01(純投資資産あたりの SRE 率(純スプレッド))→ 売上 69 億ドル・営業利益 69 億ドル。アセネの純投資資産 × 純スプレッド
- 主要投資(PII:成功報酬・自己投資):数量 27,858(総運用資産(億ドル))× 価格 0.00(総運用資産あたりの PII 率)→ 売上 17 億ドル・営業利益 17 億ドル。総運用資産 × PII 率
倍率:純利益は GAAP 基本のオーナー利益(保険の投資損益の振れを均した値)、自己資本はアセネの規制資本を含む帳簿の値。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 9.00%(基本 8.0%+quality +1.00%)、事業の ROE 14.8%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.9% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.3 倍が上限。利益の質(保険の利ざやが利益の柱で、信用の質と金利で振れ、成功報酬も市場で振れる)から、上限の 9.2 割の PER 12.2 倍に置いた(検査の上限は時価総額 1490 億ドル)。
確率:おおむね想定どおり伸び、規制も大きくは変わらない。
中立 30% 中立:運用資産は年 11%、報酬率は年 1.2% 下がり、ROE は 14% 利益 101 億ドル · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 191.05 ドル1,191 億ドル
2035 年末、手数料を生む運用資産は約 2.2 兆ドル(年 11.4%。前半は速く、後半は 10〜9% に鈍る)。クレジットと保険と個人向けが伸びるが、報酬率は年 1.2% ずつ下がる。アセネの純投資資産は 6,130 億ドル(年 7.8%)、純スプレッドは年 0.2% ずつ薄くなり 1.03%。この間に景気後退を 2 回挟み、成功報酬と PII が半減する年が出る。FRE は約 69 億ドル、SRE は約 63 億ドル。営業利益は 122 億ドル、オーナー利益は約 101 億ドル(2025 年の約 3.0 倍)。10 年の正味の還元は 229 億ドル。優良な運用会社の地位は保つが、ブラックストーン・KKR との差は縮まらない。 主要投資(PII)の率は、総運用資産が名目で伸びる分に物価を重ねず、今の 0.053% を基点に据え置く。
- 運用事業(手数料関連利益 FRE):数量 22,076(手数料を生む運用資産(億ドル))× 価格 0.01(残高あたりの手数料収益率(管理報酬+資本市場の手数料+手数料連動の成功報酬))→ 売上 115 億ドル・営業利益 69 億ドル。手数料を生む運用資産 × 報酬率
- 退職サービス(アセネのスプレッド関連利益 SRE):数量 6,146(アセネの純投資資産(億ドル))× 価格 0.01(純投資資産あたりの SRE 率(純スプレッド))→ 売上 63 億ドル・営業利益 63 億ドル。アセネの純投資資産 × 純スプレッド
- 主要投資(PII:成功報酬・自己投資):数量 25,458(総運用資産(億ドル))× 価格 0.00(総運用資産あたりの PII 率)→ 売上 14 億ドル・営業利益 14 億ドル。総運用資産 × PII 率
倍率:純利益は GAAP 基本のオーナー利益(保険の投資損益の振れを均した値)、自己資本はアセネの規制資本を含む帳簿の値。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 9.00%(基本 8.0%+quality +1.00%)、事業の ROE 14.1%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.5% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.1 倍が上限。利益の質(保険の利ざやが利益の柱で、信用の質と金利で振れ、成功報酬も市場で振れる)から、上限の 9.0 割の PER 11.8 倍に置いた(検査の上限は時価総額 1324 億ドル)。
確率:議論の落としどころ。運用資産は伸びるが報酬率は下がり、利益の伸びは年 8% 台に鈍る。
やや悲観 24% やや悲観:報酬率とスプレッドの縮みが速く、ROE は 11% 利益 64 億ドル · PER 10.7 倍 · 株価時価総額 109.21 ドル681 億ドル
2035 年末、手数料を生む運用資産は約 1.6 兆ドル(年 8%)。機関投資家の交渉力が増し、新しい商品の報酬率は年 2% ずつ下がる。個人向けは解約と信用事故で伸びが鈍り、保険は利回り競争で純スプレッドが 0.92% まで縮む。FRE は 44 億ドル、SRE は 44 億ドル。営業利益 77 億ドル、オーナー利益は約 64 億ドル(2025 年の 1.4 倍)。ROE は 11% まで低下。成功報酬は出口市場の弱さで薄く、アセネは規制資本の積み増しで自己資本の伸びが利益を上回る。ブリッジの統合は進むが期待したほど手数料を生まず、アソラとの連携による新規流入も限られる。10 年の正味の還元は 184 億ドル。優良な運用会社から普通のオルタナティブ運用会社に近づく。
- 運用事業(手数料関連利益 FRE):数量 16,192(手数料を生む運用資産(億ドル))× 価格 0.00(残高あたりの手数料収益率(管理報酬+資本市場の手数料+手数料連動の成功報酬))→ 売上 78 億ドル・営業利益 44 億ドル。手数料を生む運用資産 × 報酬率
- 退職サービス(アセネのスプレッド関連利益 SRE):数量 4,724(アセネの純投資資産(億ドル))× 価格 0.01(純投資資産あたりの SRE 率(純スプレッド))→ 売上 44 億ドル・営業利益 44 億ドル。アセネの純投資資産 × 純スプレッド
- 主要投資(PII:成功報酬・自己投資):数量 19,332(総運用資産(億ドル))× 価格 0.00(総運用資産あたりの PII 率)→ 売上 9 億ドル・営業利益 9 億ドル。総運用資産 × PII 率
倍率:純利益は GAAP 基本のオーナー利益(保険の投資損益の振れを均した値)、自己資本はアセネの規制資本を含む帳簿の値。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 9.00%(基本 8.0%+quality +1.00%)、事業の ROE 10.8%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 9.9% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=11.9 倍が上限。利益の質(保険の利ざやが利益の柱で、信用の質と金利で振れ、成功報酬も市場で振れる)から、上限の 9.0 割の PER 10.7 倍に置いた(検査の上限は時価総額 757 億ドル)。
確率:報酬率の低下、ブラックストーン・KKR・ブルックフィールドへの取り分の移動、スプレッド縮小が重なる展開。起きても不思議はない。
悲観 16% 悲観:構造的に負ける(信用事故・規制・報酬の崩れ) 利益 31 億ドル · PER 10.6 倍 · 株価時価総額 52.60 ドル328 億ドル
2035 年末、アセネの一般勘定に積んだ私募クレジットと不動産で大きな信用損失が出る(自己資本から約 60 億ドル)。バミューダ再保険の資本規制の強化で成長が止まり、資本の追加が要る。個人向けは償還制限の連鎖で離反し、機関投資家は報酬率の引き下げを強く求める。手数料を生む運用資産は 1.16 兆ドル(年 4.5%)、報酬率は今の約 3 割減。純スプレッドは 0.70%、成功報酬は消える。FRE は 24 億ドル、SRE は 25 億ドル、営業利益は 37 億ドル、オーナー利益は約 31 億ドル(2025 年を下回る)。10 年の正味の還元は 146 億ドル。もう優良な運用会社ではなくなっている。
- 運用事業(手数料関連利益 FRE):数量 11,647(手数料を生む運用資産(億ドル))× 価格 0.00(残高あたりの手数料収益率(管理報酬+資本市場の手数料+手数料連動の成功報酬))→ 売上 48 億ドル・営業利益 24 億ドル。手数料を生む運用資産 × 報酬率
- 退職サービス(アセネのスプレッド関連利益 SRE):数量 3,535(アセネの純投資資産(億ドル))× 価格 0.01(純投資資産あたりの SRE 率(純スプレッド))→ 売上 25 億ドル・営業利益 25 億ドル。アセネの純投資資産 × 純スプレッド
- 主要投資(PII:成功報酬・自己投資):数量 13,231(総運用資産(億ドル))× 価格 0.00(総運用資産あたりの PII 率)→ 売上 3 億ドル・営業利益 3 億ドル。総運用資産 × PII 率
倍率:稼ぐ力で測る(SCHEMA §1-3)。構造的に負けた筋書きで、ROE が k を下回るため PER は 1÷k が上限になる。ROE 7.5% が k 9.00%(基本 8.0%+quality +1.00%)以下なので、ためた利益は額面を下回る価値で、PER は 1÷k=11.1 倍が上限。上限の 9.5 割の PER 10.6 倍(時価総額 346 億ドルが上限)に置いた。PBR は結果であって根拠ではない。
確率:私募クレジットの大きな信用事故、保険の一般勘定の損失とバミューダ再保険の規制強化、個人マネーの離反、報酬率の崩れが重なる確率を 16% と置く。利益の半分以上が保険である分、悲観を厚くした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
運用事業(手数料関連利益 FRE)
クレジット・エクイティ・不動産などの運用。管理報酬、資本市場の手数料、手数料に連動する成功報酬が FRE を作る。
| 数量手数料を生む運用資産(億ドル) | 価格残高あたりの手数料収益率(管理報酬+資本市場の手数料+手数料連動の成功報酬) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 7,500 | 0.01 | 44 | 25 |
| 10 年後 中立 | 22,076 | 0.01 | 115 | 69 |
取り方:手数料を生む運用資産の 2025 年末は 2026 年 6 月末 8,580 億ドル(前年比 34% 増)から 7,500 億ドルと推定(推定値)。2025 年の FRE は四半期の積み上げで約 25.4 億ドル、利益率 57.5% から収益 44.2 億ドル、収益率 0.59%。営業利益は FRE(株式報酬は全社の調整欄で引く)。価格は残高に対する率で、残高自体が名目なので物価で掛けない。
退職サービス(アセネのスプレッド関連利益 SRE)
年金・企業年金のリスク移転を売って資金を集め、アポロの組成した信用資産を中心に運用する。運用収益と契約者への支払いの差(純スプレッド)が稼ぎ。
| 数量アセネの純投資資産(億ドル) | 価格純投資資産あたりの SRE 率(純スプレッド) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,900 | 0.01 | 34 | 34 |
| 10 年後 中立 | 6,146 | 0.01 | 63 | 63 |
取り方:アセネの純投資資産は 2026 年 6 月末 3,141 億ドル(2026 年 4〜6 月期の平均 3,072 億ドル)から 2025 年末を 2,900 億ドルと推定(推定値)。2025 年の SRE は四半期の積み上げで約 33.5 億ドル、率 1.155%(2026 年 4〜6 月期の純スプレッド 1.14%、2026 年の会社見通し 1.20〜1.25%)。収益は純額で置くので営業利益と同じ。保険の借金は純利益の金利調整に入れない。
主要投資(PII:成功報酬・自己投資)
実現した成功報酬(報酬費用を引いた純額)と自己資金の投資収益。出口市場で大きく振れる。
| 数量総運用資産(億ドル) | 価格総運用資産あたりの PII 率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9,380 | 0.00 | 5 | 5 |
| 10 年後 中立 | 25,458 | 0.00 | 14 | 14 |
取り方:総運用資産の 2025 年末は 2026 年 6 月末 1 兆 473 億ドル(前年比 25% 増)から 9,380 億ドルと推定(推定値)。2025 年の PII は約 5 億ドル(2026 年 1〜3 月期 0.75 億ドル、4〜6 月期 0.16 億ドルと薄い)、率 0.053%。成功報酬は連動する報酬費用を引いた純額。 将来の率は、総運用資産が名目で増えるので物価を重ねない(2026-10-19 に直した。中立は今の 0.053% のまま)。
リスクと懸念
保険のスプレッド(アセネの利ざや)の下振れ
利益の半分以上がアセネの SRE。2026 年 4〜6 月期の純スプレッドは 1.14% で、会社の 2026 年の見通し 1.20〜1.25% を下回った。オルタナティブの年率収益が長期見通し 11% を割り(4〜6 月期 9.0%)、保険商品の価格競争でも利ざやは縮む。運用資産が増えても SRE が伸びない筋書きがありうる。
私募クレジットの信用事故と保険の資産の質
アセネは投資適格の比率が高い(債券の 98%)が、アポロの組成した私募クレジットを大きく抱える。金利 5% が続けば借り手の返済負担が重く、2025 年のファースト・ブランズ破綻のような事故が重なれば自己資本を削り、運用事業の評判にも波及する。
個人向けファンドの解約と評判
アポロ・デット・ソリューションズ(約 260 億ドル)は 2026 年に 2 四半期連続で解約請求が上限を超え、6 月は請求が 16.8% に達して 5% に絞られた。株価は当日約 6% 下がった。個人向けは調達の伸びを担うので、償還制限が続けば調達と報酬に効く。
バミューダ再保険の規制と税
アセネの再保険子会社 ACRA のバミューダ法人税の制度の選択撤回で、2026 年 1〜3 月期に 17 億ドルの一回限りの税費用が出た。米国・バミューダの資本規制(オフショア再保険への資本要件)の見直しが検討中で、資本効率を下げ、純スプレッドに効きうる。
利益の質(GAAP と調整後の差)
2025 年の GAAP 純利益 約 34 億ドルに対し ANI は約 52 億ドル、2026 年 1〜3 月期は GAAP 19.3 億ドルの赤字。ANI は株式報酬(年約 8 億ドル)と評価損益を足し戻すため、調整後の倍率や予想 PER は実態より安く見える。オーナー利益は ANI から株式報酬を税引きで引いて見る。
成功報酬・PII の薄さと出口市場
2026 年 4〜6 月期の実現成功報酬は 1.3 億ドル(前年同期 2.2 億ドル)、PII は 0.16 億ドル。金利が 5% で出口(売却・上場)が遅れると、成功報酬は薄いまま。逆に出口が戻れば上振れの要因だが、山の年の利益を続くと置くと高くつく。
買収の消化と競争
ブリッジ買収(2025 年 9 月)とアソラの PIC 取得(2026 年 3 月末)の統合の成否、ブラックストーン・KKR・ブルックフィールドとの保険マネー争奪、年金リスク移転の価格競争が、報酬率と成長の両方に効く。株式報酬による株の増加も、自社株買いの大半が相殺に使われている。
今後の分かれ目
- アセネの純スプレッドが 1.20% 以上に戻り、SRE が純投資資産の伸びに沿って増え始めたら
- 保険の評価を上げ、楽観・やや楽観の確率を上げる。
- 私募クレジットで大きな信用事故が出て、アセネの資産に損失が及んだら
- 悲観・やや悲観の確率を上げる。保険の損失は自己資本を削り、運用事業の調達にも波及する。
- 個人向けファンド(アポロ・デット・ソリューションズなど)の解約請求が 10% 超で続いたら
- 個人向けの流入が止まり、運用事業の伸びを下げて見る。やや悲観の確率を上げる。
- PE と不動産の出口が年 2 割以上増えて続いたら
- 成功報酬と PII が戻り、10 年の中立の利益を上げて見る。ただし山と見て倍率は上げない。
- バミューダ再保険の資本要件が強化されたり、米国の税制が変わったら
- アセネの資本効率と純スプレッドを下げて見て、10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。
- 組成が年 3,500 億ドルを超えて続き、手数料を生む運用資産の伸びが年 15% を保ったら
- 運用事業の評価を上げ、10 年の楽観・やや楽観の確率を上げる。
見ておくもの
- アセネの純スプレッドと純投資資産(会社見通し 1.20〜1.25%)
- オルタナティブの年率収益(長期見通し 11% に対し 4〜6 月期 9.0%)
- 手数料を生む運用資産の伸び(4〜6 月期 34% 増)と永続資本の比率(約 60%)
- 組成(4〜6 月期 740 億ドル、直近 12 か月 3,170 億ドル)とアセネの流入(年 850 億ドル目標)
- 個人向けファンドの解約請求と上限の発動
- 実現成功報酬と出口市場、PII
- GAAP 純利益と調整後純利益の差、株式報酬、ANI 株数
- バミューダ再保険の規制・税の動き
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額(会社全体 691 億ドル)やアナリストの予想 PER を見る前に、手数料を生む運用資産 × 収益率、アセネの純投資資産 × 純スプレッド、総運用資産 × PII 率から利益を積み上げ、ROE・g・k から利益ベースの正当化 PER を出した。倍率は利益ベース(k 9.0%・g 4.0% の正当化 PER 13.1 倍の 9 割、中立の 10 年後 11.8 倍)。純利益は GAAP を基本に、一回限りの税(2026 年 1〜3 月期 17 億ドル)と保険の未実現の投資損益を均したオーナー利益(ANI 約 52 億ドルから株式報酬を税引きで引いた 2025 年 約 44 億ドル、GAAP は約 34 億ドル)で置いた。差の約 10 億ドルは振れとして悲観の確率と谷の倍率で受け、ANI をそのままは使っていない(SBC を足し戻すため)。株数は台帳の普通株 5.94 億ではなく、ANI 株数 6.24 億(普通株・強制転換優先株の転換後・報酬株)で時価総額 691 億ドルを測った。利払いの変化は brief が 0 で、持ち株会社の借金 58 億ドルの借り換え(−0.3〜−0.5 億ドル)を調整欄に含めた。価格は残高に対する率で物価を掛けていない。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β 1.35 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +1.0% = 9.0%。利益の半分以上が保険のスプレッドで、私募クレジットの質と金利で振れ、成功報酬も市場で振れる。この信用の振れを k の quality に入れ、悲観の確率と谷の倍率でも重ねては数えない。
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