結論
フリーダム・ホールディングは、カザフスタンを中心に証券、銀行、保険、決済・生活サービスを一つのアプリへ束ねる金融グループである。筆者の結論は割高である。証券部門の強い利益を、赤字の周辺事業、大型のAI基盤投資、規制と支配株主のリスクが食い潰す構図に対し、今の時価総額は高い成功率を織り込んでいる。
強みは成長の速さだ。2026年6月末の顧客は銀行544.7万人、証券87.4万口座まで増え、直近四半期の売上も前年同期比40%増えた。しかし純利益は減り、証券が1.34億ドルを稼ぐ一方、保険とその他で合計1.06億ドルを失った。証券収益は少数の機関顧客と証拠金融に偏り、2026年3月期には一顧客が部門売上の44%を占めた。7月には3億ドルを増資し、トルコの銀行を買収した。10月には現在の自己資本を上回る約20億ドルのAI拠点計画まで掲げており、成長の速度より資本の質が問われる段階へ入った。
10年後も金融口座、保管、決済、保険は必要である。価値の分かれ目は顧客数ではなく、集中を下げながら利益を残せるか、周辺事業の赤字を止められるか、外部資本に頼らず再投資できるかにある。五つの筋書きを割り引いた現在価値は約28億ドルで、台帳時価総額約105億ドルを7割強下回る。成長企業ではあるが、長く持つ株主に必要な安全域は見えない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず10年後にも必要かを問う。証券口座、銀行預金、決済、保険契約は残り、免許と顧客資産の保管は容易に複製できない。中核金融には価値がある。だが、この会社を買うことは証券会社だけを買うことではない。赤字の通信、物販、旅行、メディア、AI基盤まで同じ経営者に資本を委ねることである。
次にオーナー利益を見る。会計上の利益は出ていても、顧客増加には規制資本が要り、周辺事業の赤字と設備投資が続き、配当もない。2026年には増資まで行った。株主の手へ戻る現金がなく、利益の再投資利回りを確認できるまで、利益一ドルを額面以上に評価しにくい。証券の一顧客依存が解け、周辺事業が自力で資本コストを超えることが必要だ。
最後に安全域である。現在の値段は、中核金融の成長だけでなく、トルコ進出とAI拠点まで相当うまくいく前提を求める。SEC調査、支配株主、関連当事者取引、証拠金融の集中は、予測の幅をさらに広げる。良い未来は十分ありうるが、悪い未来に対する保護が薄い。長期保有に値するかは事業の勢いではなく、資本配分の規律と株主への現金の戻り方が見えるまで待てるかで決まる。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ頭は証券である。個人向けのTradernet、欧州のFreedom Finance Europe、カザフスタンのFreedom Globalなどを通じてサービスを提供する。収益源は売買手数料、証拠金融の利息、自己勘定・市場形成、投資銀行業務である。2026年3月末の小売口座は85.8万で、半数強に資産残高があった。直近四半期は手数料と証拠金融が伸び、全社利益のほぼ全てを支えた。ただし一顧客の取引と金利収入が大きく、口座数だけでは稼ぐ力を説明できない。
銀行はFreedom Bank Kazakhstanを中心に、預金、住宅・自動車・事業者向け融資、カード、決済、外貨、債券運用で稼ぐ。2026年6月末の銀行資産は約60億ドル、預金は約30億ドルである。SuperAppは口座開設、融資、決済、投資、保険をつなぎ、顧客獲得費を複数商品で回収する入口になる。2026年7月にはトルコの銀行を買収し、同じ型を国外へ広げ始めた。
保険は生命・年金と損害保険で、契約件数と保険料、運用収益の差が利益になる。自動車賠償責任保険や年金保険では一定の市場地位があるが、2025年の法改正後は代理店経由の収入が落ち、直近四半期は赤字となった。周辺事業は二つに分けて見る。決済、通信、クラウド、将来のAI設備は物理・規制基盤であり、顧客数と稼働率が数量になる。旅行、チケット、物販、情報サービスは操作画面が価値の中心で、AI エージェント代替の影響を受ける。会社は両者をまとめて開示するが、2026年3月期も直近四半期も部門全体で大幅赤字だった。現状は堀ではなく、金融子会社が稼いだ資本の受け皿である。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねしにくい強みは、複数国の金融免許、顧客資産の保管・決済、そして一つのアプリで金融商品を横断販売できることにある。口座を移すには本人確認、税務、証券移管、保険契約の切替が要る。銀行・証券・保険の記録は規制上の正本であり、AIが画面操作を代行しても、免許と資本、清算、保管は残る。カザフスタンで顧客を急増させた実績は、商品開発と販売の速さを示す。
ただし堀はまだ広くない。証券では一顧客が2026年3月期の部門売上の44%を占め、三顧客への証拠金融債権も巨額である。これはネットワーク効果より集中リスクを示す。銀行は高い預金金利、キャッシュバック、債券売買益への依存があり、価格を自分で決める力は弱い。SuperAppの月間利用者259万人は伸びたが、カザフスタンの日常決済ではKaspi.kzの規模がなお大きい。周辺の旅行・チケット・物販には、低い解約率や規制上の正本といった証拠がなく、AI エージェント代替に耐える堀とはみなさない。
経営の機動力は高いが、少数株主には割引が要る。最高経営責任者は2026年9月時点で約64.9%を保有し、会社は支配会社である。関連当事者との融資、預金、買収前払、スポンサー支出があり、取締役会の形式だけでは資本配分を完全に律しにくい。監査意見と内部統制は適正だったが、SECの調査とウェルズ通知が残る。優良さは証券の収益力に偏り、全社では普通の堀と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
カザフスタンの金融市場は、所得の上昇、現金からデジタル決済への移行、証券口座の普及で拡大している。中央証券預託機関の口座は2026年初に506万まで増えた。Freedom Brokerの会社全体の口座は85.8万だが国外口座を含み、国内の実稼働口座は34.2万と開示されるため、単純な市場占有率は出せない。それでもKASEの取引活動ではFreedom FinanceとFreedom Finance Globalが上位に入る。Halyk FinanceやBCC Investが主な競合である。国外ではインタラクティブ・ブローカーズや地場証券が価格と商品幅の基準になる。
銀行はより競争が激しい。2026年9月のカザフスタン銀行資産は約75.7兆テンゲで、Freedom Bankの6月末資産を同じ通貨へ直すとおよそ4%である。Halyk Bank、Kaspi Bank、Bank CenterCredit、ForteBankなどが預金と決済の規模で先行する。Freedomは融資と投資を一つのアプリで結ぶが、Kaspi.kzの月間利用者は約1,620万人で、日常利用の網は桁違いに厚い。トルコ進出でも大手銀行とフィンテックの競争が待つ。
保険ではFreedom Lifeが年金保険で約19%、Freedom Insuranceが自動車賠償責任保険料で約15%を持つ。ここはブランドとオンライン販売が効く半面、法改正で代理店手数料が変われば利益がすぐ動く。周辺事業では、旅行、チケット、物販の操作画面はAI エージェントに迂回され、仲介料に下げ圧力がかかる。中立では該当部分の利用者を10年で0.8倍、単価を1.1倍とし、物価上昇を大きく下回らせた。決済、通信回線、物流、GPUクラウドの実物基盤は残る。だがKazakhtelecom、Kcell、Beeline、国外の大手クラウドと競うため、稼働率を上げるまで投資が先行する。10年後の勝負は、金融の正本を軸にするか、周辺事業へ資本を散らすかで決まる。
資本政策と M&A
株主還元の数字の約束はない。会社は過去に現金配当をせず、当面も利益を成長へ回す方針で、自社株買い枠も示していない。株式報酬で株数が増え、2026年7月には2,374,356株を発行して3億ドルを調達した。したがって10年のpayoutは配当ではなく、株式報酬と外部資本の払い込みを差し引く負の値になる。
資本配分は拡張一色である。2026年7月にトルコの銀行99.32%を0.334億ドルで取得し、ChessBase、通信、食品配送、チケット、メディアにも広げた。基準日後の10月26日には、100MWのAI拠点を含む約20億ドルの計画を公表し、自ら主要な資金提供者と運営者になるとした。これは現在の自己資本を上回る規模で、成功すれば新しい基盤事業だが、失敗すれば金融子会社の稼ぎを長く吸う。関連当事者への買収前払もあり、少数株主は売上の伸びより、一件ごとの投下資本利益率、追加増資、減損、現金回収の実績を監視すべきである。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
成長の土台は実在する。銀行顧客は一年でほぼ倍増し、SuperAppの月間利用者も259万人まで増えた。証券は直近四半期だけで1.34億ドルの純利益を稼ぎ、欧州、中東、中央アジアに免許を持つ。金融商品を別々に売る会社と違い、預金者を投資、保険、決済へ移せるため、顧客獲得費を複数の収益で回収できる。カザフスタンの証券口座と銀行資産はまだ伸び、若い人口と高いデジタル利用率も追い風になる。
一顧客への依存は、裏返せば機関向け市場形成と証拠金融に技術上の強みがある証拠でもある。顧客を分散しつつ、同じ基盤をトルコ、UAE、欧州へ広げれば、口座数と預かり資産は大きく伸びる。トルコの銀行は買収額が小さく、既存のSuperAppを移植できれば投下資本利益率は高い。保険も年金と自動車で既に有力な地位を持つ。
周辺事業の赤字は、通信、食品配送、チケット、クラウドを立ち上げている途中の費用である。AI拠点は100MWの電力と政府との協力を持ち、初期能力を上回る需要と長期賃貸の意向が会社発表どおり契約へ変われば、資本集約型でも安定した基盤収益になる。SEC調査が大きな制限なく終わり、旅行や物販を縮小して基盤事業へ絞れば、現在は隠れている中核金融の利益が全社数字へ表れ、10年後の利益は大きく伸びる。
慎重な見方
現在の利益は分散していない。2026年3月期には一顧客が証券部門売上の44%を生み、三顧客への証拠金融債権は約33億ドルに達した。相場急変や担保の流動性低下が起きれば、口座数の多さでは損失を吸収できない。SECは決済慣行、市場形成業者との関係、内部化取引、会計と開示を調べ、会社と最高経営責任者へウェルズ通知を出した。罰金だけでなく、取引方法や顧客関係へ制限がかかる可能性がある。
銀行と保険の成長にも質の問題がある。高い預金金利、キャッシュバック、債券売買益で顧客と収益を増やしており、景気後退とテンゲの変動、信用費用の上昇に弱い。保険は法改正だけで契約と収入が落ち、直近四半期は赤字になった。SuperAppは伸びても、Kaspi.kzの利用網には遠く、値下げや還元を続ければ顧客数が利益へ変わらない。
最大の懸念は資本配分である。その他部門は直近四半期に0.86億ドルを失いながら、通信、食品、旅行、メディアへ広がった。さらに現在の自己資本を上回る約20億ドルのAI拠点を掲げ、既に増資を行った。最高経営責任者が約65%を握り、関連当事者への前払やスポンサー支出もある。旅行、チケット、物販はAI エージェント代替で顧客接点を失いやすい。周辺事業の赤字が続き、追加増資と減損が重なれば、中核証券が稼いでも少数株主の取り分は増えない。
どちらに重みを置いたか
成長の速さと証券の収益力は認めるが、慎重な見方がやや強い。楽観側29%、中立31%、やや悲観と悲観を合計40%とした。悲観を厚くした主因はAIそのものではなく、SEC調査、一顧客と証拠金融の集中、支配株主下の資本配分、現在の自己資本を上回るAI投資である。旅行・チケット・物販のAI エージェント代替は、中立の数量0.8倍、価格1.1倍、成熟後の成長0%前後へ既に入れ、確率では重ねていない。証券と銀行の顧客増が続いても、増資後の株主へ資本コストを超える利益が戻る証拠はまだない。結論は、成長余地は大きいが現在価値に安全域がない、である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 134.07 ドル82 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 −11.85 ドル−7 億ドル)。 今の値に割り戻すと 46.57 ドル28 億ドル、今との差 −75.1%、 期待の年率 −4.0%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 349.62 ドル214 億ドル | −19.63 ドル−12 億ドル | +76.5% | +5.6% | 29.70 ドル18 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 226.46 ドル138 億ドル | −16.36 ドル−10 億ドル | +12.4% | +1.1% | 42.02 ドル26 億ドル |
| 中立 | 31% | 139.52 ドル85 億ドル | −13.09 ドル−8 億ドル | −32.4% | −3.7% | 39.19 ドル24 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 44.18 ドル27 億ドル | −8.18 ドル−5 億ドル | −80.8% | −14.2% | 8.64 ドル5 億ドル |
| 悲観 | 16% | 21.60 ドル13 億ドル | −4.91 ドル−3 億ドル | −91.1% | −20.0% | 2.67 ドル2 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 134.07 ドル82 億ドル | −11.85 ドル−7 億ドル | −34.6% | −4.0% | 122.22 ドル75 億ドル |
今の株価時価総額 187.00 ドル114 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:集中を解き、金融とAI基盤がともに収益化 利益 18 億ドル · PER 12.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 349.62 ドル214 億ドル
2035年、証券口座は260万へ増え、機関顧客を分散しながら欧州、UAE、トルコで取引量を伸ばす。銀行資産は200億ドルとなり、SuperAppの顧客を融資、投資、保険へ回す。保険契約は420万件へ増え、規制変更にも耐える商品構成へ移る。トルコの銀行は黒字化し、証券免許も得る。Halyk Finance、Kaspi.kz、地場の大手銀行と競いながら、投資まで含む顧客当たり収益で差を広げる。
証券の最大顧客比率は1割台へ下がり、三顧客に偏った証拠金融も分散する。SEC調査は大きな業務制限なく終わる。クラウド・通信基盤は2万組織へ広がり、AI拠点は電力とGPU能力の多くを5年以上の契約で埋める。旅行、チケット、物販はAI エージェント代替を受けるため数量を今以上には伸ばさないが、縮小と自動化で損益を黒字へ戻す。10年累計純利益は78億ドルで、AI設備と海外規制資本のため正味12億ドルを増資する。自己資本は104.9億ドル、最終年の純利益は17.5億ドルとなる。
- 証券:数量 260(小売証券口座数(万口座))× 価格 0.14(1万口座あたりの年間収益(億ドル、機関顧客収益を含む混合単価))→ 売上 35 億ドル・営業利益 16 億ドル。海外拡大と顧客分散、混合単価は物価並み
- 銀行:数量 200(銀行部門の総資産(億ドル))× 価格 0.11(資産1億ドルあたりの年間収益率)→ 売上 21 億ドル・営業利益 5 億ドル。トルコを含め資産が3.7倍、収益率は正常化
- 保険:数量 420(有効保険契約数(万件))× 価格 0.04(1万契約あたりの年間収益(億ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 3 億ドル。年金と自動車でシェア拡大
- 決済・通信・クラウド基盤:数量 2.0(Freedom Cloudの法人・公共顧客(万組織、基盤事業の数量代理))× 価格 4.00(1万組織当たりの基盤売上(億ドル、通信・決済を含む換算値))→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。2万組織へ拡大し、長期契約で稼働率を確保
- 旅行・チケット・物販・情報サービス:数量 111(周辺サービス顧客(万人))× 価格 0.01(顧客当たりの混合売上(億ドル/万人))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。AI エージェント代替でも数量1.0倍、価格1.15倍が上限
倍率:k 9.5%、g_long 3.0%。式のROEは17.5÷104.9=16.7%、普通の堀で残る割合1/2、RONICは13.1%。正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)を10年目利益用に(1+g)倍すると12.21倍。AI エージェント代替が旅行・チケット・物販に当たるため楽観はこの上限そのものとする。
確率:SEC調査が軽微に終わり、一顧客依存を下げ、トルコ展開とAI拠点の両方が資本コストを超える必要がある。複数の難しい条件が同時にそろうため1割未満。
やや楽観 20% やや楽観:中核金融が広がり、その他も小幅黒字 利益 12 億ドル · PER 11.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 226.46 ドル138 億ドル
2035年、証券口座は210万となり、機関向け収益は残るが一顧客への依存は下がる。銀行資産は165億ドル、保険契約は350万件へ増える。トルコでは銀行の資本を積み増し、SuperAppを段階的に導入する。カザフスタンではKaspi.kzやHalyk Bankと競いながら、投資と保険を含む顧客当たり収益で差別化する。欧州証券はインタラクティブ・ブローカーズほどの規模には届かないが、中央アジア顧客への商品供給で地位を守る。
クラウド・通信基盤は1.4万組織へ増え、AI拠点は第一期だけが稼働する。旅行、チケット、物販はAI エージェント代替で利用者が0.9倍へ減るため、追加投資を止めて損益均衡へ戻す。SEC問題は和解金と監督強化で収まり、業務の根幹は守る。10年累計純利益は62億ドルで、海外規制資本と設備のため正味10億ドルを増資する。自己資本は86.9億ドル、最終年の純利益は11.8億ドルとなる。
- 証券:数量 210(小売証券口座数(万口座))× 価格 0.13(1万口座あたりの年間収益(億ドル、機関顧客収益を含む混合単価))→ 売上 26 億ドル・営業利益 11 億ドル。口座拡大と集中低下、単価は物価弱
- 銀行:数量 165(銀行部門の総資産(億ドル))× 価格 0.10(資産1億ドルあたりの年間収益率)→ 売上 17 億ドル・営業利益 3 億ドル。国内成長とトルコの段階黒字化
- 保険:数量 350(有効保険契約数(万件))× 価格 0.04(1万契約あたりの年間収益(億ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。規制適応後に利益回復
- 決済・通信・クラウド基盤:数量 1.4(Freedom Cloudの法人・公共顧客(万組織、基盤事業の数量代理))× 価格 3.60(1万組織当たりの基盤売上(億ドル、通信・決済を含む換算値))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。第一期のクラウド・通信基盤が小幅黒字
- 旅行・チケット・物販・情報サービス:数量 99.5(周辺サービス顧客(万人))× 価格 0.01(顧客当たりの混合売上(億ドル/万人))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.9倍、価格1.11倍で損益均衡
倍率:k 9.5%、g_long 3.0%。式のROEは11.8÷86.9=13.6%、普通の堀で残る割合1/2、RONICは11.5%。10年目利益用の正当化PERは11.73倍。AI エージェント代替が旅行・チケット・物販に当たるため、やや楽観も式の上限そのものとする。
確率:金融の顧客増と海外展開は続くが、AI拠点と周辺事業の収益化は緩やかという展開。実行力はある一方、集中と規制が残るため2割。
中立 31% 中立:中核金融は伸びるが、周辺投資が利益を薄める 利益 8 億ドル · PER 11.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 139.52 ドル85 億ドル
2035年、証券口座は170万、銀行資産は135億ドル、保険契約は280万件となる。カザフスタンの金融市場の拡大と物価は追い風だが、証券の混合単価は一顧客への依存縮小で低下する。トルコの銀行は小幅黒字に達するものの、大手銀行との競争で高い利益率は得られない。保険は法改正後の商品へ移り、利益は回復する。SuperAppの利用者は増えても、Kaspi.kzの日常決済の網を崩すほどのシェアは取れない。
クラウド・通信基盤は1万組織へ広がるが、設備費が重く利益率は3%にとどまる。旅行、チケット、物販はAI エージェント代替で数量が0.8倍、価格が1.1倍となり、物価に追いつかず小幅赤字が残る。SEC問題は和解と業務改善で続き、顧客集中も完全には解けない。10年累計純利益は46億ドルだが、AI設備、トルコ資本、株式報酬を賄うため正味8億ドルを増資する。自己資本は68.9億ドル、最終年の純利益は7.6億ドルとなる。
- 証券:数量 170(小売証券口座数(万口座))× 価格 0.12(1万口座あたりの年間収益(億ドル、機関顧客収益を含む混合単価))→ 売上 20 億ドル・営業利益 8 億ドル。口座は約2倍、集中解消で単価は抑制
- 銀行:数量 135(銀行部門の総資産(億ドル))× 価格 0.10(資産1億ドルあたりの年間収益率)→ 売上 13 億ドル・営業利益 2 億ドル。資産成長、預金競争で収益率低下
- 保険:数量 280(有効保険契約数(万件))× 価格 0.04(1万契約あたりの年間収益(億ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。契約増と規制後の正常化
- 決済・通信・クラウド基盤:数量 1.0(Freedom Cloudの法人・公共顧客(万組織、基盤事業の数量代理))× 価格 3.20(1万組織当たりの基盤売上(億ドル、通信・決済を含む換算値))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。基盤顧客は増えるが、投資負担で低採算
- 旅行・チケット・物販・情報サービス:数量 88.4(周辺サービス顧客(万人))× 価格 0.01(顧客当たりの混合売上(億ドル/万人))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。AI エージェント代替で数量0.8倍、価格1.10倍
倍率:k 9.5%、g_long 3.0%。式のROEは7.6÷68.9=11.0%、普通の堀で残る割合1/2、RONICは10.3%。10年目利益用の正当化PERは11.22倍。AI エージェント代替の型がその他の旅行・チケット・物販に当たるため、中立も式の上限そのものとする。
確率:顧客基盤と免許は残り中核金融は成長するが、集中解消、海外進出、周辺事業の収益化に時間がかかる。最も起こりやすい落としどころとして31%。
やや悲観 24% やや悲観:規制と競争で収益性が落ち、赤字投資が残る 利益 3 億ドル · PER 9.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 44.18 ドル27 億ドル
2035年、証券口座は125万まで増えるが、機関顧客の離脱と価格競争で混合単価が下がる。銀行資産は95億ドルにとどまり、高い預金金利と信用費用が利益を削る。保険契約は200万件へ増えるものの、規制された料率と保険金支払で利益率は低い。トルコでは追加資本が必要になり、国内大手に対するシェアは小さいままである。Halyk BankやKaspi.kzとの価格競争も緩まず、顧客増が利益へ変わらない。
SECとの和解は業務制限と監督強化を伴い、市場形成と内部化取引の採算が悪化する。クラウド・通信基盤は稼働率不足で赤字が残る。旅行、チケット、物販はAI エージェント代替で数量が0.65倍へ縮み、固定費を吸収できない。10年累計純利益は24億ドルで、損失補填と規制資本のため正味5億ドルを増資する。自己資本は43.9億ドル、最終年の純利益は3.0億ドルとなり、もう高成長の優良金融とは呼べない。
- 証券:数量 125(小売証券口座数(万口座))× 価格 0.10(1万口座あたりの年間収益(億ドル、機関顧客収益を含む混合単価))→ 売上 12 億ドル・営業利益 4 億ドル。機関顧客離脱と手数料競争
- 銀行:数量 95.0(銀行部門の総資産(億ドル))× 価格 0.09(資産1億ドルあたりの年間収益率)→ 売上 8 億ドル・営業利益 1 億ドル。預金費用と貸倒が上昇
- 保険:数量 200(有効保険契約数(万件))× 価格 0.03(1万契約あたりの年間収益(億ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。契約は増えても採算低下
- 決済・通信・クラウド基盤:数量 0.7(Freedom Cloudの法人・公共顧客(万組織、基盤事業の数量代理))× 価格 2.70(1万組織当たりの基盤売上(億ドル、通信・決済を含む換算値))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。稼働率不足で固定費を吸収できない
- 旅行・チケット・物販・情報サービス:数量 71.8(周辺サービス顧客(万人))× 価格 0.01(顧客当たりの混合売上(億ドル/万人))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.65倍、価格据え置きでも赤字
倍率:ROE 6.8%はk 9.5%を下回るため上限は1÷k=10.53倍。構造的な収益性低下を反映して9.0倍とする。稼ぐ力3.0÷9.5%=31.6億ドルと売れる資産12.5億ドルの大きい方を、時価総額27.0億ドルは超えない。
確率:SEC対応、証券単価の低下、銀行の信用費用、その他の赤字が同時に重くなる展開は十分ありうる。中立より一段悪い筋書きとして24%。
悲観 16% 悲観:証券の集中が崩れ、大型投資を減損する 利益 2 億ドル · PER 8.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 21.60 ドル13 億ドル
2035年、SECの措置と主要機関顧客の離脱で証券口座は90万にとどまり、混合単価は現在を下回る。証拠金融の損失と担保処分で資本を消耗し、銀行資産は65億ドル、保険契約は140万件まで縮む。トルコでは追加出資を止め、持分を減損する。金融免許と個人顧客は残るため事業は続くが、Halyk Financeや地場銀行に対する競争力は地域の中堅へ落ち、国外免許の一部も返上する。
AI拠点は需要が計画へ届かず、通信とクラウド設備の一部を減損する。旅行、チケット、物販はAI エージェント代替で数量が0.5倍、価格が0.9倍へ落ち、規模を縮めても赤字である。配当はなく、10年累計純利益は減損後で10億ドル、正味3億ドルの増資を要する。自己資本は27.9億ドルとなる。最終年の純利益は1.5億ドルと現在並みにとどまり、積み上げた資本の利回りは資本コストを大きく下回る。
- 証券:数量 90.0(小売証券口座数(万口座))× 価格 0.08(1万口座あたりの年間収益(億ドル、機関顧客収益を含む混合単価))→ 売上 7 億ドル・営業利益 2 億ドル。主要顧客離脱、個人基盤だけ残る
- 銀行:数量 65.0(銀行部門の総資産(億ドル))× 価格 0.08(資産1億ドルあたりの年間収益率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。信用損失と高い調達費
- 保険:数量 140(有効保険契約数(万件))× 価格 0.03(1万契約あたりの年間収益(億ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。規制と競争で損益均衡
- 決済・通信・クラウド基盤:数量 0.4(Freedom Cloudの法人・公共顧客(万組織、基盤事業の数量代理))× 価格 2.30(1万組織当たりの基盤売上(億ドル、通信・決済を含む換算値))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。設備減損後も低稼働で小幅赤字
- 旅行・チケット・物販・情報サービス:数量 55.3(周辺サービス顧客(万人))× 価格 0.01(顧客当たりの混合売上(億ドル/万人))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。数量0.5倍、価格0.9倍まで下落
倍率:ROE 5.4%はk 9.5%を下回り、上限は1÷k=10.53倍。信頼とシェアを失った金融として8.8倍とする。稼ぐ力1.5÷9.5%=15.8億ドルと売れる資産11.5億ドルの大きい方を、時価総額13.2億ドルは超えず、資産の床も下回らない。
確率:SECの強い措置、主要顧客の離脱、証拠金融損失、AI・通信投資の減損が重なる厳しい展開。ただし免許と顧客基盤は残るため倒産までは見ず16%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
証券
個人・機関向けの売買、証拠金融、市場形成、投資銀行業務。口座数だけでなく、取引量と証拠金融残高が収益を決める。
| 数量小売証券口座数(万口座) | 価格1万口座あたりの年間収益(億ドル、機関顧客収益を含む混合単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 85.8 | 0.09 | 8 | 5 |
| 10 年後 中立 | 170 | 0.12 | 20 | 8 |
取り方:2026年3月末の小売口座85.8万と、SECの証券部門売上8.315億ドルを用い、factsの全社売上20.8億ドルへ比例調整して7.89億ドルとした。単価は小売ARPUではなく、機関向け市場形成と証拠金融を含む混合値である。一顧客がSEC部門売上の44%を占めるため、筋書きでは口座数と単価の双方で集中の解消・悪化を表す。opはSEC部門税前利益で、factsの営業利益定義とは一致しない。
銀行
預金を集め、融資、カード、決済、外貨、債券運用で利ざやと手数料を得る。SuperAppが金融商品を横断販売する入口になる。
| 数量銀行部門の総資産(億ドル) | 価格資産1億ドルあたりの年間収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 53.6 | 0.12 | 7 | 1 |
| 10 年後 中立 | 135 | 0.10 | 13 | 2 |
取り方:2026年3月末の銀行部門資産53.598億ドルと、SEC部門売上6.892億ドルを使い、factsの全社売上へ比例調整して6.54億ドルとした。価格は純利ざやだけでなく、決済手数料、外貨、債券売買を含む総収益率である。2026年6月末資産は60.261億ドルで、カザフスタン銀行資産のおよそ4%と推定する。opはSEC部門税前利益。
保険
生命・年金と損害保険をオンラインで販売し、保険料と運用収益から保険金・費用を引いた差で稼ぐ。
| 数量有効保険契約数(万件) | 価格1万契約あたりの年間収益(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 162 | 0.03 | 5 | 0 |
| 10 年後 中立 | 280 | 0.04 | 10 | 1 |
取り方:2026年3月末のFreedom Life 31.95万件とFreedom Insurance 129.90万件を合算した161.86万契約を数量とした。SEC部門売上4.978億ドルをfactsの全社売上へ比例調整して4.73億ドルとし、契約当たりの混合収益を逆算した。生命と損保で単価は異なるが、開示の共通数量は有効契約である。opはSEC部門税前利益。
決済・通信・クラウド基盤
決済処理、通信回線、法人・公共向けクラウド、将来のGPU基盤。物理設備と規制対応が価値の中心で、稼働顧客と能力利用率で稼ぐ。
| 数量Freedom Cloudの法人・公共顧客(万組織、基盤事業の数量代理) | 価格1万組織当たりの基盤売上(億ドル、通信・決済を含む換算値) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.3 | 2.71 | 1 | −3 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 3.20 | 3 | 0 |
取り方:会社は決済、通信、クラウドを単独開示しない。2026年10月時点でFreedom Cloudが3,400超の法人・公共顧客を持つため0.34万組織を数量代理とした。売上は2026年3月期のその他部門にある商品・サービス売上0.974億ドルをfactsの全社売上へ比例調整した0.92億ドルで、食品配送を一部含む上限寄りの推定である。税前損失も未分離なので、通信・メディアの開発費が大きいとの開示からその他部門損失の多くをここへ配分した。AI エージェントは画面を代行できても、回線、決済台帳、GPU設備そのものは直接代替しない。
旅行・チケット・物販・情報サービス
旅行予約、チケット、電子商取引、情報画面など、利用者が画面を操作して仲介料や販売粗利を生む周辺サービス。
| 数量周辺サービス顧客(万人) | 価格顧客当たりの混合売上(億ドル/万人) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 111 | 0.01 | 1 | −1 |
| 10 年後 中立 | 88.4 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2026年3月末のその他部門顧客110.5万人を数量とした。その他部門のfacts比例調整後売上1.64億ドルから、決済・通信・クラウド基盤へ推定配分した0.92億ドルを引いた0.72億ドルを使う。会社は内訳を出していないため粗い残差推定である。旅行、チケット、物販、情報画面は「操作画面が価値の中心」の型で、AI エージェント代替を中立の数量0.8倍、価格1.1倍、g_long 0%前後に反映する。
リスクと懸念
SEC調査と免許
SECは決済慣行、市場形成業者との関係、内部化取引、会計、開示、内部統制を調べ、2026年3月に会社と最高経営責任者へウェルズ通知を出した。罰金だけなら吸収できても、取引方法、特定顧客との関係、役員資格、免許へ制限が付けば、証券部門の数量と単価が同時に落ちる。最終処分が出るまで利益の再現性を高く見積もれない。
証券顧客と証拠金融の集中
2026年3月期には一顧客が証券部門売上の44%を占め、2026年6月末には三顧客への証拠金融債権が約30億ドルあった。担保価値は債権を上回るが、急落、流動性枯渇、同時解約では処分価格が崩れる。取引先が減れば利息と手数料も同時に消えるため、個人口座の増加だけでは尾の太い損失を薄められない。
支配株主と関連当事者
最高経営責任者は約64.9%を保有し、会社は支配会社である。家族事務所の預金、関連会社からのローン購入、関連先買収の前払、スポーツ団体へのスポンサー支出がある。取引条件が公正でも、少数株主は大型投資を止めにくい。配当がなく増資が続けば、利益が関連事業や経営者の優先順位へ移り、少数株主の取り分が薄まる恐れがある。
AI拠点と海外拡張の資本負担
約20億ドルのAI拠点は現在の自己資本を上回る。GPUの陳腐化、電力・建設費の上振れ、需要の遅れ、顧客集中で稼働率が下がれば、大きな減損と追加資金が必要になる。トルコ銀行の資本増強、通信設備、クラウド開発も同時に進む。長期契約と資金調達条件が開示される前に、会社発表の需要意向を確定収益として扱えない。
カザフスタンの金利・通貨・信用
銀行はテンゲ建ての高い預金金利、債券売買、外貨・デリバティブ収益の影響を受ける。物価高と高金利が続けば顧客獲得費と信用費用が上がり、景気後退やテンゲ安では自己資本のドル換算価値も下がる。保険準備金と銀行資本には現地規制の制約があり、親会社が自由に現金を引き上げられない点もオーナー利益を小さくする。
AI エージェント代替
証券保管、銀行口座、決済記録、保険契約は規制上の正本であり、AI エージェントが直接消すものではない。一方、旅行、チケット、物販、情報提供の操作画面は外部エージェントに迂回されやすい。中立では該当部分の利用者を10年で0.8倍、価格を1.1倍とした。比較、予約、購入が外部へ移れば、広告、仲介料、顧客接点が同時に減る。
制裁・地政学・多国籍免許
事業はカザフスタン、欧州、中央アジア、中東、トルコへ広がり、ロシア周辺を含む越境取引の制裁確認と資金洗浄対策が常に必要である。米国当局からの照会や、各国の制裁・資本規制・データ規制が強まれば、顧客受入れ、送金、証券保管が止まりうる。免許が増えるほど市場は広がるが、遵守費用と一件の違反が全社の評判へ波及する範囲も広がる。
今後の分かれ目
- SEC調査が業務制限なしで終わり、証券部門の最大顧客比率が20%未満へ下がったら
- 証券の利益の再現性が上がる。楽観・やや楽観の確率を増やし、口座数と預かり資産の伸びを利益へ結び付けて見直す。
- 周辺部門の四半期赤字が売上の1割未満となり、通信・決済・クラウドが単独黒字になったら
- 中核金融の利益を食う構造が終わる。基盤事業の利益率と最終純利益を引き上げ、追加増資の必要額を減らす。
- AI拠点の第一期能力の過半が5年以上の解約しにくい契約で埋まり、投下資本利益率が資本コストを超えたら
- 大型投資は赤字の周辺事業でなく新しい基盤収益になる。増資額を減らし、楽観側の確率を上げる。
- 銀行の預金増加が融資と手数料の伸びを伴わず、信用費用が融資残高の3%を超えたら
- 顧客数を価値とみなさず、銀行の収益率と自己資本の伸びを下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 追加増資や関連当事者への前払が続く一方、配当・買戻しの方針が示されなかったら
- オーナー利益の外部流出が続く。payoutをさらに負にし、累計増資と減損を自己資本の道筋へ反映する。
- 旅行・チケット・物販の利用者が2年連続で減り、外部AI エージェント経由の取引比率が上がったら
- AI エージェント代替が中立より速い。該当セグメントの数量と価格を悲観側へ下げ、g_longも引き下げる。
- SuperAppの月間利用者が増えても、銀行・証券・保険の顧客当たり収益が2年連続で低下したら
- ネットワーク効果より値引き依存が強い合図である。価格の筋書きを下げ、堀を弱い側へ見直す。
見ておくもの
- 証券部門の最大顧客売上比率と上位三顧客の証拠金融残高・担保余力
- SEC調査・ウェルズ通知の最終処分と業務制限の有無
- 周辺部門の売上、税前損失、従業員数と、基盤事業・画面仲介事業の分離開示
- AI拠点の契約済み容量、契約年数、投資額、資金調達方法、稼働率
- 銀行の預金費用、融資残高、信用損失、規制資本の余裕
- 株式発行、株式報酬、関連当事者取引、配当・買戻し方針
- 旅行・チケット・物販の利用者とAI エージェント経由の取引比率
倍率と資本コストの決め方
現在の株価や市場のPER・PBRを見る前に、証券口座、銀行資産、保険契約、クラウド顧客、周辺サービス利用者の数量と単価から2035年の利益を積み上げた。周辺のうち旅行・チケット・物販はAI エージェント代替の型に分け、中立の数量0.8倍、価格1.1倍、成熟後の成長0%前後とした。決済、通信、クラウド、金融の正本には同じ縮みを掛けていない。倍率はk 9.5%、全社g_long 3.0%、普通の堀で薄めたRONICから出し、楽観から中立は式の上限とした。やや悲観と悲観は稼ぐ力と税後換金資産の床を超えない。増資と株式報酬はpayoutを負にして別に差し引いた。金融の顧客預り金と対応する現金は余剰現金に数えていない。最後に台帳時価総額と比べ、約7割強の割高という結果をそのまま受け入れた。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。kは基本8.0%にquality +1.5%を加えた9.5%。βと現在・過去・同業の市場倍率は使わない。SEC調査、支配株主、関連当事者、AI拠点の実行リスクは個別要因なのでkへ足さず、筋書きの利益と確率で表す。