結論
ロビンフッド・マーケッツは、手数料ゼロの株取引アプリで個人投資家を集め、いまは株・オプション・暗号資産・予測市場(イベント契約)・退職口座・銀行・クレジットカード・助言までを 1 つのアプリで売る証券会社である。2025 年の売上は 44.7 億ドル(前年比 52% 増)、純利益は 18.8 億ドル、営業利益率は 47%。プラットフォーム資産は 2026 年 6 月末に 3,690 億ドル、有料会員(ゴールド)は 480 万人。2026 年 4〜6 月期も売上 13.1 億ドル(32% 増)と伸びたが、純利益 5.7 億ドルのうち 1.3 億ドルはベンチャー投資ファンドの連結を外した一時益である。
収益は取引ベース(約 6 割)、純金利収益(約 3 割)、会員料・カードなどのその他(約 1 割)。取引は暗号資産の相場とイベント契約の流行で振れが大きく、2026 年 4〜6 月期は暗号資産が 38% 減る一方、イベント契約は 10 倍以上に伸びた。顧客の現金と信用取引(マージン貸出)の利ざやである純金利収益は、短期金利 3.5〜4% が続く世界では底堅い。
バリュー投資の観点では、事業の勢いと経営の速さは認めつつ、収益の質(流行依存・規制の火種)と値段を重く見る。資本コストは 9%(基本 8.0% + quality +1.0%。個人の取引量と暗号資産・金利への連動 +0.75、予測市場など新商品と規制 +0.25)、成長は 4%、ROE 18% 前後の利益ベースの式(資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金では半分に薄れる)を当てると、中立の 10 年後の正当化 PER は約 14.2 倍、利益の振れからその 7.6 割の約 10.8 倍。今の PER 48 倍(2025 年の GAAP 利益)とは大きく離れ、10 年の売上が年 11% で伸びる中立の筋書きですら、10 年後の時価総額は約 506 億ドルで今の 908 億ドルに届かない。楽観の筋書き(売上が年 21% 超)でようやく今の値段を上回る。総合の価値は 372 億ドルで、今の時価総額を約 6 割下回る大きな割高だが、事業が優良で堀が広がる側の確率は薄くない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後を問う。ロビンフッドは、10 年後も存在し、おそらく今より大きい。若い投資家の最初の口座という入口を押さえ、同じ顧客に商品を足すほど稼ぎが増える仕組みは強い。ただし堀は広がるとも狭まるとも言い切れない。ゼロ手数料・高利回りの現金・アプリの使いやすさは、シュワブやフィデリティにも真似できる。取引の収益は相場と流行次第で、わからない部分が大きい。
次にオーナー利益。2025 年の純利益 18.8 億ドルのうち、株式報酬 3 億ドルは本当の費用として差し引いて見る必要がある。成長に要る資本(信用取引・預金・規制資本)を引くと、株主のものになる利益は純利益の 6 割前後と見る。経営は速く、買収を小さく重ね、買い戻しを割安なときに増やすなど、資本配分はおおむね妥当。ただし、2021 年に高値で上場し、その後 2 年で自己資本が膨らみ、2022 年に株価が 77% 下がった経験が、収益の質を示している。
安全域は薄い。資本コスト 9%・長期の成長 4%・ROE 18% の利益ベースの式で、中立の 10 年後の PER は約 10.8 倍(正当化 PER 約 14.2 倍の 7.6 割)。今の 48 倍は、10 年の高成長が続く前提を先に払っている。確率で重みづけた 10 年後の価値は 372 億ドルで今の約 4 割、期待の年率は −1.3%。強気の筋書きでようやく今と釣り合う。事業が理解しやすいとは言えず、確信度は低〜中。
何で稼ぐ会社か
ロビンフッドの収益は 3 つに分かれる。第 1 は取引ベース収益で、2025 年は 26.3 億ドル。オプション(約 11 億ドル)、暗号資産(約 9 億ドル。2025 年 6 月に買収した取引所ビットスタンプ(Bitstamp)を含む)、株式(約 3 億ドル)、イベント契約などその他の取引(約 3 億ドル)。株は売買手数料ゼロで、執行の対価(注文の取引先から受ける手数料)が収益になる。オプションは 1 枚あたり約 0.5 ドルの料金が積み上がる。イベント契約は 2026 年 4〜6 月期に 136 億件、収益 1.56 億ドルで、1 件あたり約 1 セントと薄いが数量が急増している。取引所は提携先のカルシ(Kalshi)が大半を扱い、自社の取引所ロセラ(Rothera。サスケハナ(Susquehanna)との合弁)は自社の取引の約 16% にとどまる。
第 2 は純金利収益(2025 年 15.1 億ドル)。信用取引の貸出残高は 2026 年 6 月に 216 億ドル(前年比 127% 増)、現金スイープ 297 億ドル、現金・預金 187 億ドル、ほかに証券貸出。2026 年 2 月に高利回りの現金の仕組みを更新し、スイープ残高から 60 億ドル超が顧客の現金・預金へ移った。第 3 はその他(3.3 億ドル)で、月 5 ドル級のゴールド会員料、クレジットカード、トランプ・アカウント(子どもの口座)の運営収入、助言(トレードピーエムアール(TradePMR)の買収で 500 億ドルの助言資産)、ロビンフッドチェーン(自社のレイヤー 2)など。
顧客は資金を持つ個人 2,840 万人、ゴールド採用率 17%、年間の 1 人あたり収益 187 ドル。海外(英国・欧州・シンガポール・カナダ)は 100 万人超。経営は創業者のウラジミール・テネフ(Vladimir Tenev)。費用は 2026 年の調整後で 26.75〜27.75 億ドルの見通しで、売上が伸びても費用の伸びは約 18% に抑える設計。
優良さと弱いところ
優良さを 4 つで見る。第 1 は製品の速度と顧客の若さ。新機能を数週間で出し、2,840 万人の資金口座・480 万人のゴールド会員へ売れる。第 2 は費用構造で、営業利益率 47%(調整後 EBITDA は 57%)と、規模の割に人員が小さい。第 3 は口座が一本化するほど切り替えが重くなる点で、ゴールド・退職口座(345 億ドル・82% 増)・銀行・カードを持つ顧客は離れにくい。第 4 は資産の伸びで、純入金は年 28%(2026 年 4〜6 月期の年率)。
弱い所は 4 つ。第 1 に収益が相場連動で、暗号資産は 2026 年 4〜6 月期に 38% 減、2022 年の下げ局面では株価が高値から 77% 下がった。第 2 にイベント契約が流行と規制に依存し、収益の中身(1 件 1 セント)が薄く、カルシに数量を頼る。第 3 に顧客 1 人あたりの預かり資産が小さく(約 1.3 万ドル)、シュワブ(Schwab)の 13 兆ドルのような厚い資産基盤とは違い、顧客は他社へも口座を持つ。第 4 に株式報酬が年 4 億ドル規模(純利益の約 2 割)で、株数が年 1% 前後増える。費用の速さと質の維持を両立できるかは、これから証明される。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の個人向け証券は、シュワブ・フィデリティ(Fidelity)・バンガード(Vanguard)の大手が預かり資産で寡占し、その外側にロビンフッド・インタラクティブ・ブローカーズ(Interactive Brokers)・モルガン・スタンレー(E*トレード)・コインベース(Coinbase)などが並ぶ。業界の数量は、個人の投資可能資産(株・投信・退職口座。大手 3 社の合計で約 40 兆ドルと推定)と、取引の回数・口座あたりの利用額に比例する。売買手数料は 2019 年にゼロとなり、稼ぐ源泉は、現金と貸出の利ざや、会員・助言・カードなどの定額収入、そして活発な取引(オプション・暗号・予測市場)へ移った。
今の局面は、短期金利 3.5〜4%・長期 5% で現金が高い利回りを生み、顧客資産が株高で膨らんだ時期。ロビンフッドは若年層と新しい商品(予測市場・暗号・トークン化)で顧客を取り、シュワブとフィデリティは退職資金と助言で取り返しに来る。インタラクティブ・ブローカーズは海外・上級者、コインベースは暗号の専業。
予測市場は、スポーツを中心に急拡大した新しい市場で、カルシやポリマーケット(Polymarket)と、スポーツ賭博のドラフトキングス(DraftKings)やファンデュエル(FanDuel)が競う。州の賭博規制と連邦の先物規制の線引きが争われており、料金が下がるか、事業が制約を受ける可能性がある。AI は問い合わせ・口座開設・助言の費用を下げ、ロビンフッドが自社のエージェント取引(約 10 万人が口座開設)を始めたように、新しい取引の形も生む。景気は敏感で、株価が 3〜4 割下がれば取引・預かり資産・手数料が同時に減る。
資本政策と M&A
還元は自社株買いが中心で配当はない。2025 年は 6.5 億ドルを買い戻し(平均価格は当時の水準)、2026 年 4〜6 月期は 4.1 億ドル(うち 2.9 億ドルは 6 月の転換社債の発行に連動)。2026 年 6 月にゼロクーポンの転換社債 22 億ドルを発行し、同時にキャップド・コール(上昇益の上限付き買い)を 1.2 億ドルで購入した。現金は 53.6 億ドル、長期借入は 21.7 億ドル、株主資本は 95 億ドル。株式報酬を打ち消すための買い戻しが要るので、正味の還元は買い戻し額よりかなり小さい。
M&A は 2025 年のビットスタンプ(暗号取引所)とトレードピーエムアール(助言のカストディ)、2026 年 6 月のウォンダーファイ(WonderFi。カナダの暗号会社・約 1.8 億ドル)。ロビンフッド・ベンチャーズ・ファンド I(RVI)は連結を外して 1.3 億ドルの益を計上した。買う側として小さな買収を重ねる会社で、売られる側になる可能性は創業者の議決権(Class B)の下でほぼない。未成立の大型買収は見当たらない。経営は資本を保守的に使い、速く投資する。ただし相場が荒れる商品が増えるほど、自己資本を厚く持つ必要がある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ロビンフッドは、米国の個人投資家の次の標準になりつつある。純入金は 2026 年 4〜6 月期に 217 億ドル(年率 28%)と記録的で、資金のある顧客は 2,840 万人。ゴールド会員は 480 万人(前年比 39% 増、採用率 17%)で、会員料は景気に左右されない定額収入になる。退職口座は 345 億ドル(82% 増)、信用取引の残高は 216 億ドル(127% 増)、銀行預金は 30 億ドル超、ゴールドカードは 100 万枚超と、1 人の顧客に売る商品が増え、年間の 1 人あたり収益は 187 ドルまで上がった。年換算収益が 1 億ドルを超える事業は 13 に達している。
新しい収益の柱も立ち上がっている。予測市場は 2026 年 4〜6 月期に 1.56 億ドル(前の四半期は約 1.0 億ドル)と暗号資産を上回り、自社取引所ロセラへ移すほど料金を自社で取れる。ロビンフッドチェーンは 2026 年 7 月に開始し、トークン化された株の取引や貸出の場になる。トランプ・アカウント(子ども向け口座)は登録 700 万件超、助言(トレードピーエムアール)は資産 500 億ドルを持つ。これらが重なれば、売上は 10 年で 6〜7 倍、営業利益率は 50% 前後を保てる。
株式市場が年 5〜6% で伸び、純入金が顧客資産の 1 割以上の伸びを 10 年続ければ、預かり資産は 12 倍近く(約 4 兆ドル)になる。シュワブの今の 13 兆ドルに比べれば 3 割にすぎず、取れる余地は大きい。AI で費用が下がり、営業レバレッジが続くので、利益は売上より速く増える。
慎重な見方
今の値段は、完璧な 10 年を前提にしている。2025 年の GAAP の PER は 48 倍で、株式報酬を戻した「調整後」の数字では安く見えても、株式報酬は純利益の約 2 割にあたる本物の費用である。収益の質も気になる。暗号資産は 2026 年 4〜6 月期に 38% 減り、2022 年は株価が高値から 77% 下がった。イベント契約の 1.56 億ドルは流行と規制次第で、1 件 1 セントの薄い料金、数量の大半をカルシに頼る構造、州の賭博規制との争いが火種になる。
純金利収益は短期金利 3.5〜4% が前提で、スイープ残高は 9% 減り、2026 年 2 月の仕組みの更新で 60 億ドル超が移った。顧客の現金は高利回りの金融商品へ出やすく、競合のフィデリティ・バンガードに対して価格を上げられる立場にない。顧客 1 人あたりの預かり資産が小さく、顧客は他社にも口座を持つ。シュワブ・インタラクティブ・ブローカーズ・コインベース・ドラフトキングスが同じ顧客を取りに来る。
売上が 10 年で 2.8 倍(年 11%)になっても、ROE は 18% 前後、g は 4% で、利益ベースの式の PER は約 10.8 倍。今の値段に届くには、売上が 7 倍になり、かつ ROE と倍率が落ちない必要がある。資本コスト 9% は暗号資産と取引量の循環を織り込んだ値だが、予測市場の規制が悪化すれば足りない。2021 年の高値で買った人は、2 年後に自己資本の 1 倍近くでしか売れなかった。
どちらに重みを置いたか
事業の勢いは強気の見方が勝つが、値段は慎重な見方が勝った。確率は 10 年で、楽観 12%・やや楽観 24% の上振れ側が計 36%、やや悲観 21%・悲観 13% の下振れ側が計 34%、中立 30% と、ほぼ釣り合わせた。相場連動の振れは quality の cycle で資本コストに織り込んだので、確率で重ねて悲観に寄せていない。中立でも売上は年 11% で伸びるとしたが、暗号と予測市場の水準は今の山より低く置いた。結論は「優良な成長事業だが、式の値では今の値段が大きく先取りされている」。楽観の筋書きだけが今の値段を上回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 70.75 ドル650 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 16.36 ドル150 億ドル)。 今の値に割り戻すと 40.52 ドル372 億ドル、今との差 −58.0%、 期待の年率 −1.0%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 175.23 ドル1,610 億ドル | 35.92 ドル330 億ドル | +118.6% | +8.1% | 25.34 ドル233 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 109.14 ドル1,003 億ドル | 25.03 ドル230 億ドル | +38.9% | +3.3% | 32.20 ドル296 億ドル |
| 中立 | 30% | 55.09 ドル506 億ドル | 14.15 ドル130 億ドル | −28.3% | −3.3% | 20.77 ドル191 億ドル |
| やや悲観 | 21% | 26.34 ドル242 億ドル | 6.53 ドル60 億ドル | −66.0% | −10.2% | 6.90 ドル63 億ドル |
| 悲観 | 13% | 11.30 ドル104 億ドル | 3.27 ドル30 億ドル | −84.9% | −17.2% | 1.89 ドル17 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 70.75 ドル650 億ドル | 16.36 ドル150 億ドル | −9.8% | −1.0% | 87.11 ドル800 億ドル |
今の株価時価総額 96.58 ドル887 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:預かり資産が約 4 兆ドルの総合金融アプリになる 利益 125 億ドル · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 175.23 ドル1,610 億ドル
2035 年末のプラットフォーム資産は約 4 兆ドル(年 28% から 10 年目は 9% に落ち、平均 約 28%)。米国の個人の投資可能資産(約 68 兆ドルと推定)の約 6%。ゴールド会員は 2,500 万人、年間の 1 人あたり収益は物価と新商品で約 150 ドル。イベント契約は 4,000 億件、自社取引所ロセラが主役になり、暗号取引も 1.2 兆ドル。オプションは 100 億枚。純金利収益は残高 5,500 億ドルの運用で 110 億ドル。ロビンフッドチェーンとトークン化が新しい手数料源になり、売上は 305 億ドル、営業利益率 52%、純利益は約 125 億ドル。堀は広がり、シュワブ・フィデリティと並ぶ寡占の 1 社になる。10 年の正味の還元は 330 億ドル。
- オプション取引:数量 100(年間の取引枚数(億枚))× 価格 0.55(1 枚あたり収益(ドル))→ 売上 55 億ドル・営業利益 33 億ドル
- 株式取引:数量 200,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 26 億ドル・営業利益 13 億ドル
- 暗号資産取引:数量 12,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 36 億ドル・営業利益 16 億ドル
- 予測市場(イベント契約)・その他の取引:数量 4,000(年間の取引件数(億件))× 価格 0.01(1 件あたり収益(ドル))→ 売上 40 億ドル・営業利益 22 億ドル
- 純金利収益:数量 5,500(利息を生む残高の平均(億ドル))× 価格 0.02(残高に対する純金利収益の率)→ 売上 110 億ドル・営業利益 61 億ドル
- 会員料・カード・その他:数量 2,500(ゴールド会員数(万人))× 価格 0.02(会員 1 人あたりの収益(億ドル/万人))→ 売上 38 億ドル・営業利益 13 億ドル
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.00%)。事業の ROE 24.0%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 520 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 16.5%、g 4.0%(口座数と預かり資産の伸びで長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 15.2 倍で、これが検査の上限になる。個人投資家向けの新世代証券で、取引・暗号資産・金利で稼ぐ力は本物だが、振れが大きい。 上限の 8.5 割の 12.9 倍に置いた。
確率:すべての新商品が実を結び、預かり資産が約 12 倍になる。10 年を通じての実現は 1 割。
やや楽観 24% やや楽観:預かり資産は約 2.6 兆ドル、料金の低下を数量が埋める 利益 86 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 109.14 ドル1,003 億ドル
2035 年末のプラットフォーム資産は約 2.6 兆ドル(年 23%)。ゴールド会員 1,800 万人、1 人あたり収益 140 ドル。イベント契約は 2,500 億件で 1 件 1 セント。暗号取引は 9,000 億ドル。オプションは 80 億枚。料金は競争で年 0.5% ほど下がるが、数量の増加で埋まる。純金利収益は 83 億ドル。売上は 218 億ドル、営業利益率 50%、純利益は約 86 億ドル。シュワブ・インタラクティブ・ブローカーズに若年層・海外で並ぶが、フィデリティの退職口座への追い上げは続く。10 年の正味の還元は 230 億ドル。
- オプション取引:数量 80.0(年間の取引枚数(億枚))× 価格 0.53(1 枚あたり収益(ドル))→ 売上 42 億ドル・営業利益 25 億ドル
- 株式取引:数量 140,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 18 億ドル・営業利益 9 億ドル
- 暗号資産取引:数量 9,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 24 億ドル・営業利益 10 億ドル
- 予測市場(イベント契約)・その他の取引:数量 2,500(年間の取引件数(億件))× 価格 0.01(1 件あたり収益(ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 13 億ドル
- 純金利収益:数量 4,200(利息を生む残高の平均(億ドル))× 価格 0.02(残高に対する純金利収益の率)→ 売上 83 億ドル・営業利益 44 億ドル
- 会員料・カード・その他:数量 1,800(ゴールド会員数(万人))× 価格 0.01(会員 1 人あたりの収益(億ドル/万人))→ 売上 25 億ドル・営業利益 8 億ドル
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.00%)。事業の ROE 20.5%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 420 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 14.7%、g 4.0%(口座数と預かり資産の伸びで長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 14.6 倍で、これが検査の上限になる。個人投資家向けの新世代証券で、取引・暗号資産・金利で稼ぐ力は本物だが、振れが大きい。 上限の 8.0 割の 11.7 倍に置いた。
確率:成長が 10 年へ薄まりながら続く。中立より少し強い側。
中立 30% 中立:売上は年 11% で 2.7 倍、利益率は保たれる 利益 47 億ドル · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 55.09 ドル506 億ドル
2035 年末のプラットフォーム資産は約 1.2 兆ドル(年 14%:市場 5.5% + 純入金 平均 約 9%)。ゴールド会員は 1,100 万人、1 人あたり収益は物価並みの 125 ドル。暗号の取引金額は 5,000 億ドルで収益率は 0.22% へ下がり、イベント契約は 1,200 億件で 1 件 1 セント。オプションは 63 億枚、1 枚 0.50 ドル。純金利収益は残高 2,400 億ドル、率 1.9%。売上は 123 億ドル(年 11%)、営業利益率 48%、純利益は約 47 億ドル。景気後退を 2 回挟み、そのたびに利益は 3 割落ちるが、ならすと増える。堀は広がりも狭まりもしない。10 年の正味の還元は 130 億ドル。
- オプション取引:数量 63.0(年間の取引枚数(億枚))× 価格 0.50(1 枚あたり収益(ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 17 億ドル
- 株式取引:数量 75,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 9 億ドル・営業利益 4 億ドル
- 暗号資産取引:数量 5,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 11 億ドル・営業利益 4 億ドル
- 予測市場(イベント契約)・その他の取引:数量 1,200(年間の取引件数(億件))× 価格 0.01(1 件あたり収益(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 6 億ドル
- 純金利収益:数量 2,400(利息を生む残高の平均(億ドル))× 価格 0.02(残高に対する純金利収益の率)→ 売上 46 億ドル・営業利益 24 億ドル
- 会員料・カード・その他:数量 1,100(ゴールド会員数(万人))× 価格 0.01(会員 1 人あたりの収益(億ドル/万人))→ 売上 14 億ドル・営業利益 4 億ドル
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.00%)。事業の ROE 18.4%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 255 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 13.7%、g 4.0%(口座数と預かり資産の伸びで長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 14.2 倍で、これが検査の上限になる。個人投資家向けの新世代証券で、取引・暗号資産・金利で稼ぐ力は本物だが、振れが大きい。 上限の 7.6 割の 10.8 倍に置いた。
確率:議論の落としどころ。成長は鈍りながら続き、競争で料金は下がる。
やや悲観 21% やや悲観:価格競争とシェア低下で売上は 1.7 倍にとどまる 利益 24 億ドル · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 26.34 ドル242 億ドル
2035 年末のプラットフォーム資産は約 7,000 億ドル(年 8%)。ゴールド会員 800 万人。シュワブ・フィデリティ・インタラクティブ・ブローカーズが同じ商品を同じ価格で出し、ロビンフッドの強みだった速さが薄まる。オプション 1 枚 0.46 ドル、イベント契約は 1 件 0.9 セントに下がり、暗号の取引金額は 3,000 億ドル。純金利収益の率は顧客への利息の増加で 1.7%。売上は 74.5 億ドル、営業利益率は 40%、純利益は約 24 億ドル。暗号とイベント契約が相場と規制で細り、収益の質が低下する。10 年の正味の還元は 60 億ドル。
- オプション取引:数量 45.0(年間の取引枚数(億枚))× 価格 0.46(1 枚あたり収益(ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 9 億ドル
- 株式取引:数量 45,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル
- 暗号資産取引:数量 3,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル
- 予測市場(イベント契約)・その他の取引:数量 600(年間の取引件数(億件))× 価格 0.01(1 件あたり収益(ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 2 億ドル
- 純金利収益:数量 1,700(利息を生む残高の平均(億ドル))× 価格 0.02(残高に対する純金利収益の率)→ 売上 29 億ドル・営業利益 13 億ドル
- 会員料・カード・その他:数量 800(ゴールド会員数(万人))× 価格 0.01(会員 1 人あたりの収益(億ドル/万人))→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.00%)。事業の ROE 13.7%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 175 億ドル)、残る割合 1/2(普通 1/2)で RONIC 11.4%、g 4.0%(口座数と預かり資産の伸びで長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 13.0 倍で、これが検査の上限になる。個人投資家向けの新世代証券で、取引・暗号資産・金利で稼ぐ力は本物だが、振れが大きい。 上限の 7.8 割の 10.1 倍に置いた。
確率:シュワブ・フィデリティ・インタラクティブ・ブローカーズに顧客と価格で押され、規制もかかる。楽観より薄い 2 割強。
悲観 13% 悲観:構造的に負ける(相場の山の剥落・規制・競争) 利益 11 億ドル · PER 9.4 倍 · 株価時価総額 11.30 ドル104 億ドル
2035 年末のプラットフォーム資産は約 4,500 億ドル(年 3%)。暗号資産の価格が長期に低迷し、イベント契約は州の賭博規制と競合の値下げで事業が縮み、1 件 0.6 セントまで下がる。顧客はシュワブ・フィデリティ・コインベースへ流れ、オプションの料金は 0.40 ドルに落ちる。信用取引の貸出で信用事故が起き、純金利収益の率は 1.4%。売上は 43 億ドル(2035 年も 2025 年と同水準)、営業利益率は 33%、純利益は約 11 億ドル。もう優良ではなく、相場と規制に振られる普通の証券会社として式で測る。10 年の正味の還元は 30 億ドル。
- オプション取引:数量 30.0(年間の取引枚数(億枚))× 価格 0.40(1 枚あたり収益(ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 5 億ドル
- 株式取引:数量 30,000(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 3 億ドル・営業利益 1 億ドル
- 暗号資産取引:数量 1,500(年間の取引金額(億ドル))× 価格 0.00(取引金額に対する収益率)→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル
- 予測市場(イベント契約)・その他の取引:数量 200(年間の取引件数(億件))× 価格 0.01(1 件あたり収益(ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル
- 純金利収益:数量 1,400(利息を生む残高の平均(億ドル))× 価格 0.01(残高に対する純金利収益の率)→ 売上 20 億ドル・営業利益 7 億ドル
- 会員料・カード・その他:数量 550(ゴールド会員数(万人))× 価格 0.01(会員 1 人あたりの収益(億ドル/万人))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル
倍率:事業の ROE 5.2%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 210 億ドル)が k 9.00%(基本 8.0% + quality +1.00%)以下なので、PER は 1÷k = 11.1 倍まで(ためた利益は額面未満の価値。SCHEMA §1-1)。個人投資家向けの新世代証券で、取引・暗号資産・金利で稼ぐ力は本物だが、振れが大きい。 上限の 8.5 割の 9.4 倍に置いた。
確率:収益の質の弱さ(流行依存・規制の火種)が出て、もう優良ではなくなる確率を 1 割強に置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
オプション取引
個人向けのオプション売買の執行から得る収益(1 枚あたりの料金)。
| 数量年間の取引枚数(億枚) | 価格1 枚あたり収益(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 21.0 | 0.54 | 11 | 6 |
| 10 年後 中立 | 63.0 | 0.50 | 32 | 17 |
取り方:2026 年 4〜6 月期は 7.74 億枚(前年比 50% 増。前年 4〜6 月は約 5.2 億枚)、収益 3.42 億ドル。2025 年の収益は四半期ごとの値から約 11.3 億ドルと推定し、枚数は約 21 億枚と置く(1 枚あたり約 0.54 ドル)。米国の個人のオプション市場は増加が続く。営業利益は費用の按分で約 57%。
株式取引
株式(ETF を含む)の売買の執行から得る収益。
| 数量年間の取引金額(億ドル) | 価格取引金額に対する収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 22,000 | 0.00 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 75,000 | 0.00 | 9 | 4 |
取り方:2026 年 4〜6 月期の取引金額は 9,560 億ドル(前年比 85% 増)、収益 1.29 億ドル(収益率 0.0135%)。2025 年は約 2.2 兆ドル、収益約 2.9 億ドル(推定)と置く。売買手数料ゼロの下で、率は競争で下がりやすい。
暗号資産取引
アプリとビットスタンプ(取引所)での暗号資産の売買収益。
| 数量年間の取引金額(億ドル) | 価格取引金額に対する収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,000 | 0.00 | 9 | 4 |
| 10 年後 中立 | 5,000 | 0.00 | 11 | 4 |
取り方:2026 年 4〜6 月期は取引金額 400 億ドル(アプリ 180・ビットスタンプ 220)、収益 1.0 億ドル(前年比 38% 減。収益率 0.25%)。2025 年は収益約 9.0 億ドル(四半期ごとの値から推定)、取引金額は約 2,000 億ドル(ビットスタンプは 6 月から)と置く。収益率の低いビットスタンプの比重が高まり、収益率は下がる。
予測市場(イベント契約)・その他の取引
スポーツや選挙などのイベント契約の取引料と、その他の取引収益。
| 数量年間の取引件数(億件) | 価格1 件あたり収益(ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 120 | 0.03 | 3 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1,200 | 0.01 | 12 | 6 |
取り方:2025 年のイベント契約は 120 億件超。2026 年 4〜6 月期は 136 億件、収益 1.56 億ドル(前年比 10 倍超、1 件約 1.15 セント)。2025 年の取引ベース収益 26.28 億ドルから、オプション・株式・暗号を引いた残り約 3.1 億ドル(イベント契約とその他の取引。推定)を、件数 120 億件で割って 1 件あたり 2.6 セントと置く。今は 1 セント台なので、将来の価格は下がる前提で置く。
純金利収益
信用取引の貸出・顧客の現金・証券貸出などの利ざや。
| 数量利息を生む残高の平均(億ドル) | 価格残高に対する純金利収益の率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 700 | 0.02 | 15 | 7 |
| 10 年後 中立 | 2,400 | 0.02 | 46 | 24 |
取り方:2025 年の純金利収益は 15.14 億ドル。2026 年 6 月末は信用取引 216 億・現金スイープ 297 億・現金と預金 187 億。顧客資産に紐づいて利息を生む平均残高を約 700 億ドル(貸出・預けた現金・証券貸出の担保・自己資金の合計。推定)、率 2.2% と置く。短期金利 3.5〜4% が続けば率は保たれるが、顧客に払う利息が増えれば下がる。
会員料・カード・その他
ゴールドの会員料、クレジットカード、トランプ・アカウントの運営、助言、銀行手数料など。
| 数量ゴールド会員数(万人) | 価格会員 1 人あたりの収益(億ドル/万人) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 380 | 0.01 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,100 | 0.01 | 14 | 4 |
取り方:2025 年のその他収益は 3.31 億ドル、ゴールド会員は年末 420 万人(年平均約 380 万人)で、1 人あたり約 87 ドル(会員料・カード・銀行の合計)。2026 年 4〜6 月期は 1.43 億ドル(54% 増)。トランプ・アカウントの運営収入が加わる。
リスクと懸念
暗号資産・取引の熱の剥落
暗号資産の収益は 2026 年 4〜6 月期に 38% 減り、2025 年に約 9 億ドルあった収益(取引収益の約 3 分の 1)が、相場が崩れればほぼ消える。2022 年は株価が高値から 77% 下がり、2021〜2023 年に赤字が続いた。オプションと株式の取引も相場の熱と同時に落ちる。
予測市場の規制と数量の依存
イベント契約は 2026 年 4〜6 月期に 1.56 億ドルへ急増したが、1 件約 1 セントと薄く、数量の大半を提携先のカルシに頼る。州の賭博規制と連邦の先物規制の争い、スポーツ賭博の競合の参入、料金の低下で、収益が縮むか事業が制約される可能性がある。自社取引所ロセラの比率は約 16% にとどまる。
純金利収益の金利感応度と現金の移動
純金利収益(2025 年 15.1 億ドル)は短期金利 3.5〜4% が前提。2026 年 2 月に現金スイープの仕組みを更新し、残高は前年比 9% 減。顧客の現金が高利回りの金融商品へ出れば、率が下がる。信用取引の貸出(216 億ドル・127% 増)は株価の急落で担保が割れ、信用費用が出る。
競争:シュワブ・フィデリティ・インタラクティブ・ブローカーズ・コインベース
同じ顧客を、シュワブとフィデリティは退職資金と助言で、インタラクティブ・ブローカーズは海外と上級者で、コインベースは暗号で取りに来る。ゼロ手数料と高利回りの現金は真似が効き、ロビンフッドだけが価格を決める力を持つわけではない。顧客の預かり資産が小さく、他社にも口座を持つ。
株式報酬と希薄化
株式報酬は 2025 年に 3.05 億ドル、2026 年は年 4 億ドル規模(純利益の約 2 割)。買い戻しで打ち消しても、2025 年の株数は 0.8% 増えた。2026 年 6 月の転換社債 22 億ドルは、株価が転換価格を超えれば株数が増える(上限付きの買いで一部を相殺)。
ガバナンスと創業者の支配
創業者の議決権(Class B)で経営は固定され、株主による牽制は弱い。2021 年に高値で上場した経緯、2021 年 1 月の取引制限とそれに続く訴訟・規制対応の歴史がある。新しい商品(暗号・予測市場・トークン化・エージェント取引)を速く出す経営は、規制の摩擦と事故の確率も高める。
今後の分かれ目
- 暗号資産の価格が長期に下がり、暗号の収益が年 3 億ドルを下回る
- 取引ベース収益の約 3 分の 1 が消え、純利益は 2 割以上減る。やや悲観・悲観の確率を上げる。
- 州の規制や裁判で、イベント契約の事業の一部が止まる、または料金が 1 件 0.5 セント以下へ下がる
- 予測市場の収益(2026 年は年 6 億ドル級)の見通しを大きく下げる。成長の柱が 1 つ減る。
- 自社取引所ロセラがイベント契約の取引の過半を扱う
- 料金の取り分が増え、予測市場の収益率が上がる。楽観側の確率を上げる。
- 短期金利が 2% 台まで下がり、スイープの残高も減る
- 純金利収益の率が下がり、純利益の約 3 割が影響を受ける。ゴールド会員料と信用取引の拡大で相殺できるかを見る。
- 純入金が年率 15% を下回る状態が続く
- 10 年の預かり資産の成長を年 14% から 9% へ直し、中立がやや悲観に近づく。
- ゴールド会員が 1,000 万人を超え、採用率が 25% へ上がる
- 定額収入の比重が上がり、相場連動が弱まり、倍率が上がる(楽観側)。
見ておくもの
- 純入金の年率とプラットフォーム資産(顧客 1 人あたり)
- ゴールド会員数と採用率、年間の 1 人あたり収益
- イベント契約の件数・1 件あたり料金・ロセラの比率、州の規制の動き
- 暗号資産の取引金額とビットスタンプの収益率
- 信用取引の残高・スイープ残高と純金利収益の率
- 株式報酬と正味の還元、転換社債の転換価格
- 調整後費用の見通し(26.75〜27.75 億ドル)の達成
倍率と資本コストの決め方
今の PER 48 倍・PBR 9.9 倍を見る前に、6 つの収益(オプションは枚数 × 1 枚の料金、株式と暗号は取引金額 × 収益率、イベント契約は件数 × 1 件の料金、純金利収益は残高 × 率、その他は会員数 × 1 人の収益)を積み、営業利益率と税から純利益を出した。k は基本 8.0% + quality +1.0% の 9%、g は 4%(k − g = 5%)。帳簿の ROE(2025 年 20.6%)と筋書きの ROE から利益ベースの正当化 PER を出し、利益の振れの大きさから式の上限の 7.6 割に中立の倍率を置いた。結果が今の値段を大きく下回るのは式の結果で、今の値段に寄せる・離すための調整はしていない。純現金の加算は、規制資本と運用に回っているため行っていない。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +1.00% = 9.00%。内訳は cycle +0.75・pricing +0.00・debt +0.00・life +0.25(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(予測市場・暗号資産の規制・個人投資家の熱の反動)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。