株譜
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シチズンズ・フィナンシャル・グループ CFG

ニューイングランド発の大手地銀で、ROTCE は 15% から 16〜18% を目指す途中。式は上限 PER 約 13 倍の 8.8 割(約 11.5 倍)で、利益の伸びで割安

やや割安
  1. 割安
  2. やや割安
  3. 適正
  4. やや割高
  5. 割高
本質価値(今の値)76.15 ドル322 億ドル10 年の 5 つの筋書きから
今の株価今の時価総額(2026-10-22)65.2 ドル276 億ドル差 +16.7%
10 年後から見ると やや割安 価値 76.15 ドル322 億ドル · 差 +16.7% · 期待の年率 +8.8%
期待の年率リターン(10 年)+8.8%資本コストと同じ
推定の資本コスト8.8%期待の年率と比べる目安

期待の年率=今の値段で買い、5 つの筋書きを確率で加重した株価と配当を受け取った時の年率(配当込み)。資本コストより上なら緑、下なら赤。

投資の助言ではありません。AI(Claude)が公開情報から書いた推定で、誤りを含むことがあります。 前提は全社共通(物価 年 3.5%・10 年国債 5%・ドル円 150 円が 10 年続く)。「本質価値」は 5 つの筋書きの株価と配当を確率で加重し、資本コスト 8.8% で今の値に割り戻したものです。

時価総額で見ると株式分割に関係なく比べられます

結論

シチズンズ・フィナンシャル・グループ(ロードアイランド州プロビデンス本社)は、総資産 2,345 億ドル・預金 1,852 億ドル・貸出 1,482 億ドル(2026 年 9 月末)の大手地銀で、ニューイングランド・中部大西洋岸・中西部の約 1,000 店の預金網に、全国で展開する法人向けの専門部門(資本市場・資金管理)とプライベートバンクを重ねている。2014 年に英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドから上場し、2022 年に HSBC の米東海岸の支店とインベスターズ・バンコープを取り込んで規模を広げた。

2026 年 7〜9 月期は純利益 6.36 億ドル(前年比 +29%)、収益 23.2 億ドルと過去最高で、有形自己資本利益率(ROTCE)は 15.1%。会社は 2027 年末までに ROTCE 16〜18%・純金利マージン(NIM)3.30〜3.50% を目標に置く。低利の貸出・債券が高利へ入れ替わる効果と、費用削減『リイマジン・ザ・バンク』(2028 年末に年 4.5 億ドル以上。目標には未算入)が追い風である。一方、帳簿の自己資本利益率(ROE)は 2014〜2025 年の 12 期で 4〜10% にとどまり、手本のフィフス・サード(調整後 ROTCE 19%)や USバンコープ(約 18.5%)の水準には届いたことがない。

資本コスト 8.75%(基本 8.0% に quality +0.75%)の式では、中立の 10 年後に帳簿の ROE 12.5%(ROTCE 16.5%)・成長 4.0% から利益ベースの上限 PER 約 13 倍(資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金では半分に薄れる)が出て、その 8.8 割の約 11.5 倍に置くと時価総額は今(約 268 億ドル)の約 1.8 倍、還元を足して割り引くと今の値段を 2 割ほど上回る。年換算の今の PER は約 11 倍で、結論の割安は利益の伸びから来る。慎重な見方として、実績の収益力の低さ・預金競争・商業用不動産とデータセンター向け融資・有形自己資本比率 6.7% の薄さを、悲観の確率(10 年で悲観 14%・やや悲観 22%)と深さで表した。結論はやや割安だが、式の分母(k − g)が 4.75% で、倍率が成長の置き方に敏感な点は割り引いて読む。

バリュー投資の観点から

バリュー投資の観点では、銀行は預金を集めて貸す事業で、見るのは預金の質(安く長く残るか)、貸出の質(不況で損をしないか)、費用の規律、資本の配分である。シチズンズは、個人の預金網(低コスト預金 42%)・法人の資本市場・成長するプライベートバンクを持ち、10 年後もこの事業は存在し、今と同程度かやや強いと考える。ただし支払いやカードで圧倒的な堀があるわけではなく、堀の広さは USバンコープより狭く、PNC・M&Tバンクと同程度とみる。

オーナー利益は、純利益から貸出の伸びに必要な資本を引いた額。中立の筋書きでは、純利益の約 7 割強が株主に返せる。良い点は、非中核の低採算貸出と商業用不動産を自ら減らし、利益率の高いプライベートバンクと手数料に資本を回す姿勢、リイマジン・ザ・バンクの費用削減が目標の ROTCE に算入されていない点(上振れの余地)、CET1 が目標の上端にある点。気になる点は、帳簿の ROE が 12 期で最高 10% 弱と低く、目標の ROTCE 16% 超を一度も達成していない(帳簿の最高 9.9% を有形に直しても約 15%。推定)点、TCE 比率の薄さ、商業用不動産・データセンター向けの信用である。

安全域は、悲観(構造的に負け、帳簿の ROE 4% 前後)では時価総額が今の約 0.5 倍まで下がるが、不況の底でも普通株の自己資本が保たれる点にある。ただし式の倍率は資本コストと成長の差が 4.75% で、振れが大きい。実績の収益力が目標に届いていないため、確信度は中程度とした。

何で稼ぐ会社か

シチズンズは、個人(支店網・預金・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード・資産運用・プライベートバンク)と、法人・商業(中堅・大企業向けの貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産)の 2 部門で稼ぐ銀行である。収益は 2026 年 7〜9 月期で年換算約 93 億ドル、うち純金利収益が約 7 割(16.75 億ドル)、手数料が約 3 割(6.47 億ドル。資本市場 1.49・資産運用 1.09・サービス料 1.20・カード 0.90・信用状と貸出手数料 0.54・為替とデリバティブ 0.49・住宅ローン 0.35)。会社の開示のセグメントは年次の注記だけなので、ここでは貸出と預金の残高と手数料の種類から 3 つに割り振った推定で扱う(2025 年の純利益は個人 15.1 億ドル・法人 8.7 億ドル)。

個人(推定の年換算収益 約 43 億ドル)は、預金 1,157 億ドル(預金の 63%)と貸出 708 億ドルを持つ。低コスト預金と無利息預金は預金の 42% で、預金コストは 1 四半期で 3bp しか上がらなかった。2026 年は 3 つの手を打つ。第 1 は低採算の『非中核』貸出(1 四半期に約 3 億ドルずつ減っている)の整理、第 2 は店舗の組み替え(スーパー内の店を減らして、中高所得層向けの独立店を出す『ネクスト』計画)、第 3 は費用削減『リイマジン・ザ・バンク』(2026 年末に年 1 億ドル、2027 年末 2.25 億ドル、2028 年末 4.5 億ドル以上)。

法人・商業(約 36.5 億ドル)は、プライベートバンクを除く法人貸出 約 650 億ドルと預金 約 495 億ドル。資本市場は買収で足した JMP セキュリティーズと、データセンターなど向けの投資銀行 DH Capital が柱で、2026 年には小さな投資銀行(Matrix)の資産も買った。商業用不動産(事務所・集合住宅)は計画的に減らしている最中である。プライベートバンク・ウェルス(約 12 億ドル)は 2023 年に人員 150 人から約 700 人へ増え、貸出 117 億ドル(7〜9 月に 20 億ドル増)・預金 185 億ドルで、貸出の利ざやは預金コストより約 4%、会社は ROE 20〜25% を見込む。会社の開示ではプライベートバンクは個人部門に入るが、伸び方がまるで違うので別に立てた。

優良さと弱いところ

堀は 3 つ。第 1 は預金:ニューイングランドを中心にした約 1,000 店の預金網は、預金の 63% が個人で、低コスト預金の比率が 42% と安定している。第 2 は成長中のプライベートバンクと資産運用で、7〜9 月期の資産運用手数料は過去最高の 1.09 億ドル(前年比 +17%)。富裕層向けは預金と貸出と運用を束ねて売るため、顧客の切り替えが重い。第 3 は 2022 年の 2 つの買収(HSBC の米東海岸支店・インベスターズ・バンコープ)で厚みを増した預金の規模である。

資本効率は、足元の ROTCE 15.1%(4〜6 月は 13.9%)で、フィフス・サード(調整後 19%)・USバンコープ(約 18.5%)より 3〜4 ポイント低い。効率比率は約 60%、NIM は 3.19%(フィフス・サード 3.36%)で、費用と利ざやの両方が上位行に及ばない。帳簿の ROE は 2014〜2025 年の 12 期で 4〜10%、期末の PBR は 0.65〜1.04 倍の範囲にあり、市場は一貫して『優良行の価格』をつけてこなかった。弱みは 4 つ。第 1 は有形自己資本比率(TCE)が 6.7%(会社は約 7% を適正と言う)と薄く、金利上昇で含み損(AOCI)が広がると 1 株あたりの有形純資産が目に見えて減る点(4〜6 月から 7〜9 月の 1 四半期で約 7%)。第 2 は商業用不動産とデータセンター向け建設融資。第 3 は 2027 年の純金利収益の伸びが、終了したスワップの効果が薄れて 10% 前後に鈍る点。第 4 は経営の継承:会長兼 CEO ブルース・ヴァン・ソーン(69 歳)の後継は、副会長のブレンダン・コフリンが本命と報じられているが、退任の時期は発表されていない。

業界はいまどこにいて、どこへ向かうか

米国の銀行は、FDIC の 2026 年 4〜6 月期の速報で純利益 901 億ドル(年換算 3,600 億ドル)、ROA 1.37%、NIM 3.32%、貸出は前年比 +6.8% と、利益の水準が高い。短期金利 3.5〜4%・10 年国債 5% 前後で止まる世界では、低利の債券・住宅ローンが満期で高利に入れ替わって NIM は少しずつ上がる一方、無利息預金は残らず、預金コストは 2010 年代のゼロに戻らない。シチズンズの預金ベータは、利上げ局面で前回並みの 40 台後半を会社は見込む。

地銀は規模を求める再編の局面にある。フィフス・サードのコメリカ買収、ハンティントンの 2 件(ヴェリテックスとケイデンス)、PNC のファーストバンク買収が 2025〜26 年に動き、規制緩和で銀行の M&A の承認が早まった。シチズンズの 2026 年の買収は小さな投資銀行 1 件で、大型の銀行合併は発表していない。地盤のニューイングランド・中部大西洋岸は、バンク・オブ・アメリカ・JPモルガン・PNC・M&Tバンク・TDバンク・キーコープが厚い支店網を持ち、預金で競り合う。法人・商業では上位行の資本市場と競り、プライベートバンクでは JPモルガン(旧ファースト・リパブリック)・シティグループ・PNC と富裕層を奪い合う。

商業用不動産(特に事務所と集合住宅)・データセンター向けの建設融資・ノンバンク向け貸出は、不況で傷みやすい。資本規制の緩和(バーゼル III の再提案で会社は約 110bp のリスク資産の軽減を見込む)は自社株買いの余地を広げる。ステーブルコインや MMF による預金の置き換え、カード競争法・金利上限案、AI による費用の圧縮も 10 年の分かれ目になる。

資本政策と M&A

還元は、CET1 比率 10.5%(会社の中期目標 10.0〜10.5% の上端)を保ちながら、配当性向 35〜40% を目安に、残りを自社株買いに回す形。2026 年 7〜9 月期の還元は 3.22 億ドル(配当 1.97・自社株買い 1.25)、年初来で 12.4 億ドル。配当を 13% 増やし、自社株買い枠を 19.5 億ドルへ 13 億ドル広げ、10〜12 月は 2 億ドル以上を買う。ただし TCE 比率が 6.7% と目標の約 7% を下回るため、含み損(AOCI)の戻りで自然に積み上がるまで買い戻しは急がない。

M&A は、2022 年の HSBC の米東海岸支店とインベスターズ・バンコープが最近の大きな買収で、投資銀行の JMP セキュリティーズ・DH Capital も足した。2026 年は小さな投資銀行 Matrix の資産を買っただけ。大型の銀行合併の発表はなく、いまは費用削減(リイマジン・ザ・バンク)とプライベートバンクの人員増が先で、成立していない買収は筋書きに入れない。株式報酬による株の増加は小さく、正味の還元は配当と自社株買いから株式報酬の分を引いて測る。台帳の株数 4.23 億株(2026 年 4〜6 月期)は 9 月末の 4.21 億株とほぼ同じで、新株の漏れはない。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 5.2 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。

強気の見方と慎重な見方

強気の見方

2026 年 7〜9 月期は ROTCE 15.1%(前期 13.9%)、収益は過去最高、効率比率は 60% に下がり、営業レバレッジ(収益の伸び − 費用の伸び)は前年比 +5.3% と出ている。2027 年末までに ROTCE 16〜18%・NIM 3.30〜3.50% を目指すが、リイマジン・ザ・バンクの費用削減(2028 年末に年 4.5 億ドル以上)は目標に入っておらず、満期で入れ替わる低利の貸出・債券(含み損の戻り)も自然に利益を足す。2027 年の純金利収益は約 10% の伸びを会社が見込み、費用の伸びは 5% 未満に抑える。

成長の源は 3 つ。第 1 はプライベートバンク:貸出 117 億ドル(1 四半期に +20 億ドル)・預金 185 億ドルで、2027 年に事務所を 6 つ足し、貸出の利ざやは預金コストより約 4%。1 四半期の利益に約 6,700 万ドル(全体の約 1 割)を足し、ROE 20〜25% を会社は見込む。第 2 は資本市場:M&A の受注残が過去最高で、手数料が 10〜12 月期に 4〜5% 伸びる。第 3 は資本:CET1 10.5% で、バーゼル III の緩和は約 110bp の余力になる。バリュー投資の観点では、年換算の利益に対して約 11 倍の値段は、ROTCE 16〜18% で資本コスト 8.75% の銀行には低すぎる。利益ベースの式でも帳簿の ROE 12.5%(ROTCE 16.5%)なら上限 PER 約 13 倍、その 8.8 割で約 11.5 倍が出て、利益の伸びで今の値段を上回る。

慎重な見方

帳簿の ROE は 2014〜2025 年に 4〜10% と、12 期ずっと低い。2020 年代の最高でも 10% に届かず、ROTCE の目標 16〜18% は一度も実現していない。7〜9 月期の ROTCE 15.1% も、スワップの解約益(NIM に約 2bp)と非中核の整理に支えられた面があり、2027 年は終了したスワップの効果が薄れて純金利収益の伸びが 10〜12% から 10% 前後へ鈍る。効率比率 60% と NIM 3.19% は手本のフィフス・サード(調整後 57%・3.36%)に及ばない。

自己資本の質も薄い。有形自己資本比率(TCE)は 6.7% で、会社が適正と言う約 7% を下回る。金利上昇で AOCI が広がり、4〜6 月期から 7〜9 月期に 1 株あたりの有形純資産が約 7% 減った。預金ベータは利上げ局面で 40 台後半と見込まれ、預金競争は強い。商業用不動産は事務所と集合住宅の早期延滞が増え(約 4 億ドルの返済が遅れる見込み)、データセンター向けの建設融資は集中が不況で傷む。10 年後は、預金の MMF・ステーブルコインへの流出と不況の連続で ROE が 4% 前後(ROTCE 5〜6%)に沈む構造的な負けが 1 割強の確率である。式の PER 約 11.5 倍は、k − g が 4.75% の差から出た数字で、成長が 1 ポイント下がると約 1 倍縮む。

どちらに重みを置いたか

利ざやの入れ替わりと費用削減(リイマジン・ザ・バンク)の進みは強気の見方が強く、帳簿の ROE の低い実績・TCE の薄さ・商業用不動産は慎重な見方が強い。そこで 10 年は中立に厚め(34%)、やや悲観 22%・悲観 14% と、手本のフィフス・サード(悲観 13%・やや悲観 22%)よりわずかに悲観を厚く置いた(ROE の実績が低く、手本の ROTCE に届いたことがないため)。倍率は利益ベースの式で、中立の 10 年は帳簿の ROE 12.5% と g 4.0% から上限 PER 約 13 倍、その 8.8 割の約 11.5 倍。今の約 11 倍とほぼ同じで、上限から離して置き、悲観の確率と深さで表した。

10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)

確率で加重した株価時価総額 102.54 ドル434 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 48.42 ドル205 億ドル)。 今の値に割り戻すと 76.15 ドル322 億ドル、今との差 +16.7%、 期待の年率 +8.8%(資本コスト 8.8%)→ やや割安

筋書き確率10 年後の株価時価総額配当の合計還元の合計配当+自社株買い トータルリターン10 年・配当込み年率確率 × (株価+配当時価総額+還元)
楽観 8% 150.87 ドル638 億ドル 61.20 ドル259 億ドル +225.1% +12.5% 16.97 ドル72 億ドル
やや楽観 22% 131.96 ドル558 億ドル 56.47 ドル239 億ドル +188.8% +11.2% 41.45 ドル175 億ドル
中立 34% 111.14 ドル470 億ドル 51.98 ドル220 億ドル +150.0% +9.6% 55.46 ドル235 億ドル
やや悲観 22% 85.84 ドル363 億ドル 46.78 ドル198 億ドル +103.3% +7.4% 29.18 ドル123 億ドル
悲観 14% 34.05 ドル144 億ドル 22.42 ドル95 億ドル −13.4% −1.4% 7.91 ドル33 億ドル
加重平均100% 102.54 ドル434 億ドル48.42 ドル205 億ドル +131.4% +8.8% 150.96 ドル638 億ドル

今の株価時価総額 65.24 ドル276 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。

楽観 8% 楽観:プライベートバンクと資本市場が伸び、ROTCE は 20% 台へ 利益 50 億ドル · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 150.87 ドル638 億ドル

2035 年末、プライベートバンクが全国 20 以上の事務所で富裕層を取り込み、貸出と預金の残高が今の 2 倍超へ育つ。資本市場の手数料が貸出より速く伸び、AI による費用の圧縮と規制緩和(バーゼル III)で効率比率は 51% 台へ下がり、自社株買いは時価総額の 5% 前後を毎年続けられる。個人は店舗の組み替えで預金を守り、わずかにシェアを取る。USバンコープ・フィフス・サードに並ぶ収益力になる姿である。

残高(貸出+預金)は 個人 2,748 億ドル、法人・商業 1,746 億ドル、プライベートバンク・ウェルス 620 億ドル。収益 154 億ドル(今の年換算の約 1.66 倍)、営業利益 65 億ドル、普通株の純利益は約 50 億ドル。ROTCE 20.6%。純利益の約 80% を還元する。倍率は式どおり PER 15.6 倍。時価総額は今の約 2.9 倍になる。

  • 個人(預金網・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード):数量 2,748(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 67 億ドル・営業利益 32 億ドル。個人
  • 法人・商業(法人貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産):数量 1,746(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 59 億ドル・営業利益 25 億ドル。法人・商業
  • プライベートバンク・ウェルス:数量 620(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.04(残高あたりの純収益の率(利ざや+運用手数料))→ 売上 25 億ドル・営業利益 11 億ドル。プライベートバンク

倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 1.5 億ドル)・優先株(約 22 億ドル)を除いた普通株の値。のれん・無形資産(約 79 億ドル)を除いた有形ベースの ROTCE は帳簿の ROE より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 15.5%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 12.1% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=14.1 倍が上限。利益の質(預金網とプライベートバンクの成長はあるが、ROE が手本に届いたことがなく、有形自己資本比率が薄い)から、上限の 9.0 割の PER 12.7 倍に置いた(検査の上限は時価総額 709 億ドル)。

確率:資本規制の緩和・AI による費用の圧縮・プライベートバンクの全国展開が重なる姿は 10 年で 1 割弱と置く(フィフス・サードの楽観は 9%)。

やや楽観 22% やや楽観:費用の規律が続き、ROTCE 18% 台 利益 45 億ドル · PER 12.3 倍 · 株価時価総額 131.96 ドル558 億ドル

2035 年末、リイマジンの削減が出きった後も費用の規律が続き、プライベートバンクと資産運用が貸出より速く伸びて収益の 15% 超になる。資本市場も M&A の循環をならして年 5% 超で伸び、商業用不動産は事務所の損を 1 度吸収した後は元に戻らない。個人は市場並みで、地元で小さくシェアを守る。ROTCE は 18% 台に定着する。

残高(貸出+預金)は 個人 2,724 億ドル、法人・商業 1,724 億ドル、プライベートバンク・ウェルス 595 億ドル。収益 149 億ドル(今の年換算の約 1.60 倍)、営業利益 59 億ドル、普通株の純利益は約 45 億ドル。ROTCE 18.5%。純利益の約 79% を還元する。倍率は式どおり PER 14.9 倍。時価総額は今の約 2.5 倍になる。

  • 個人(預金網・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード):数量 2,724(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 65 億ドル・営業利益 30 億ドル。個人
  • 法人・商業(法人貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産):数量 1,724(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 57 億ドル・営業利益 23 億ドル。法人・商業
  • プライベートバンク・ウェルス:数量 595(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.04(残高あたりの純収益の率(利ざや+運用手数料))→ 売上 24 億ドル・営業利益 10 億ドル。プライベートバンク

倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 1.5 億ドル)・優先株(約 22 億ドル)を除いた普通株の値。のれん・無形資産(約 79 億ドル)を除いた有形ベースの ROTCE は帳簿の ROE より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 14.0%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 11.4% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.6 倍が上限。利益の質(預金網とプライベートバンクの成長はあるが、ROE が手本に届いたことがなく、有形自己資本比率が薄い)から、上限の 9.0 割の PER 12.3 倍に置いた(検査の上限は時価総額 619 億ドル)。

確率:費用の規律が続き、プライベートバンクが育つ姿。楽観と合わせて約 3 割(フィフス・サードと同水準)。

中立 34% 中立:個人と法人は市場並み、プライベートバンクだけがシェアを取る 利益 41 億ドル · PER 11.6 倍 · 株価時価総額 111.14 ドル470 億ドル

2035 年末、個人の預金網は市場並みにしか伸びず、法人・商業も市場並み。プライベートバンクはシェアを年 2.5% 分ずつ取って残高が今の約 1.9 倍になる。不況を 1 度挟み、NIM は 3.3% 前後、効率比率 55% 台、純償却率は循環の平均で 0.48%。リイマジンの削減は再投資で利益に全部は届かない。競合のフィフス・サード・USバンコープ・PNC が同じ地域で預金を競り合う。

残高(貸出+預金)は 個人 2,701 億ドル、法人・商業 1,702 億ドル、プライベートバンク・ウェルス 570 億ドル。収益 144 億ドル(今の年換算の約 1.55 倍)、営業利益 53 億ドル、普通株の純利益は約 41 億ドル。ROTCE 16.5%。純利益の約 77% を還元する。倍率は式どおり PER 14.2 倍。時価総額は今の約 2.2 倍になる。

  • 個人(預金網・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード):数量 2,701(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 64 億ドル・営業利益 27 億ドル。個人
  • 法人・商業(法人貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産):数量 1,702(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 56 億ドル・営業利益 21 億ドル。法人・商業
  • プライベートバンク・ウェルス:数量 570(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.04(残高あたりの純収益の率(利ざや+運用手数料))→ 売上 23 億ドル・営業利益 9 億ドル。プライベートバンク

倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 1.5 億ドル)・優先株(約 22 億ドル)を除いた普通株の値。のれん・無形資産(約 79 億ドル)を除いた有形ベースの ROTCE は帳簿の ROE より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 12.5%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 10.6% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=13.1 倍が上限。利益の質(預金網とプライベートバンクの成長はあるが、ROE が手本に届いたことがなく、有形自己資本比率が薄い)から、上限の 8.8 割の PER 11.6 倍に置いた(検査の上限は時価総額 534 億ドル)。

確率:個人と法人は市場並みで、プライベートバンクが小さくシェアを取り、不況を 1 度挟む姿。強気と慎重の落としどころで確率 34%。

やや悲観 22% やや悲観:預金コストが高止まりし、ROTCE は 14% 止まり 利益 34 億ドル · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 85.84 ドル363 億ドル

2035 年末、預金の一部が MMF・ステーブルコインへ流れて預金コストが高止まりし、貸出価格の競争で NIM は 3.20% 台のまま。効率比率は 58% 前後、純償却率は 0.57%。商業用不動産の損失が 2 回の不況で重なり、法人・商業はシェアを失う。大手の規模の利益が広がり、地銀の預金網の堀が狭まる。ROTCE は 14% 前後にとどまり、会社の目標 16〜18% は達成されないまま 10 年が過ぎる。

残高(貸出+預金)は 個人 2,632 億ドル、法人・商業 1,658 億ドル、プライベートバンク・ウェルス 533 億ドル。収益 136 億ドル(今の年換算の約 1.47 倍)、営業利益 44 億ドル、普通株の純利益は約 33 億ドル。ROTCE 13.9%。純利益の約 77% を還元する。倍率は式どおり PER 13.0 倍。時価総額は今の約 1.6 倍になる。

  • 個人(預金網・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード):数量 2,632(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 60 億ドル・営業利益 23 億ドル。個人
  • 法人・商業(法人貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産):数量 1,658(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 53 億ドル・営業利益 18 億ドル。法人・商業
  • プライベートバンク・ウェルス:数量 533(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.04(残高あたりの純収益の率(利ざや+運用手数料))→ 売上 21 億ドル・営業利益 7 億ドル。プライベートバンク

倍率:純利益と自己資本は優先配当(年約 1.5 億ドル)・優先株(約 22 億ドル)を除いた普通株の値。のれん・無形資産(約 79 億ドル)を除いた有形ベースの ROTCE は帳簿の ROE より高いが、ここでは検査と同じ帳簿の ROE で置く。利益ベースの正当化 PER で置く(SCHEMA §1-1):k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)、事業の ROE 10.5%(純利益÷自己資本)、g 4.0%、残る割合 1/2(堀:普通)で RONIC 9.6% → (1−g÷RONIC)÷(k−g)=12.3 倍が上限。利益の質(預金網とプライベートバンクの成長はあるが、ROE が手本に届いたことがなく、有形自己資本比率が薄い)から、上限の 8.8 割の PER 10.8 倍に置いた(検査の上限は時価総額 412 億ドル)。

確率:預金が MMF・フィンテックへ流れて預金コストが高止まりし、競争で NIM が伸びない姿。慎重な見方は強く 22%(フィフス・サードと同じ)。

悲観 14% 悲観:預金流出と不況の連続で負け、ROTCE は 8% 前後 利益 13 億ドル · PER 10.9 倍 · 株価時価総額 34.05 ドル144 億ドル

2035 年末、構造的に負けた姿。預金は MMF・ステーブルコインへ流出して預金コストが 4% 台に固定され、2 回の不況で商業用不動産・データセンター向け・ノンバンク向けに損失が出る。プライベートバンクの人員増は期待ほど利益に結びつかず、シェアは全部門で失われる。カード金利の上限・手数料の規制も重なる。自社株買いを大きく減らし、配当を中心に維持する。効率比率は 64% 前後で、優良な地銀ではなくなっている。

残高(貸出+預金)は 個人 2,542 億ドル、法人・商業 1,574 億ドル、プライベートバンク・ウェルス 482 億ドル。収益 123 億ドル、営業利益 18 億ドル、普通株の純利益は約 13 億ドル(今の年換算の約 0.5 倍)、帳簿の ROE は 4.1%。期間の還元は約 94.8 億ドル。倍率は稼ぐ力の 9.5 割の PER 10.9 倍(PBR 約 0.45 倍は結果)。時価総額は今の約 0.5 倍にとどまる。

  • 個人(預金網・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード):数量 2,542(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.02(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 55 億ドル・営業利益 10 億ドル。個人
  • 法人・商業(法人貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産):数量 1,574(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.03(残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料))→ 売上 48 億ドル・営業利益 8 億ドル。法人・商業
  • プライベートバンク・ウェルス:数量 482(貸出と預金の平均残高の合計(億ドル))× 価格 0.04(残高あたりの純収益の率(利ざや+運用手数料))→ 売上 18 億ドル・営業利益 3 億ドル。プライベートバンク

倍率:稼ぐ力で測る(SCHEMA §1-3)。構造的に負けた筋書きで、ROE が k を下回るため PER は 1÷k が上限になる。ROE 4.1% が k 8.75%(基本 8.0%+quality +0.75%)以下なので、ためた利益は額面を下回る価値で、PER は 1÷k=11.4 倍が上限。上限の 9.5 割の PER 10.9 倍(時価総額 152 億ドルが上限)に置いた。PBR は結果であって根拠ではない。

確率:預金の流出・商業用不動産とデータセンター向けの損失・規制が重なり、構造的に負ける姿。実績の低さと TCE の薄さから、手本よりわずかに厚く 14%。

セグメント:数量 × 価格

いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。

個人(預金網・住宅ローン・自動車・教育ローン・カード)

個人・小規模事業の預金と貸出(住宅ローン・ホームエクイティ・自動車・教育ローン・カード)、サービス料・カード・住宅ローンの手数料、非中核の貸出の整理。

数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル)価格残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料)売上営業利益
今 2026/12 1,865 0.02 43 18
10 年後 中立 2,701 0.02 64 27

取り方:2026 年 7〜9 月期の平均貸出のうち個人 708 億ドル(個人貸出 710 億ドルの期末値から非中核の減少を勘案した推定)と、預金のうち個人 1,157 億ドル(預金の 63%)の合計 1,865 億ドル。収益は純金利収益 約 33 億ドル(推定)とサービス料 1.20・カード 0.90・住宅ローン 0.35 億ドルの年換算 約 9.8 億ドルで 42.8 億ドル。営業利益(貸倒引当後の税引前)は費用の割り振り(推定)で 17.8 億ドル。2025 年の純利益は個人 15.1 億ドル・法人 8.7 億ドル(10-K)で、個人の比が約 63% なのと合わせて割り振った。価格は利ざやと手数料の率で、物価の分は名目の残高の伸びに入れた。競合はバンク・オブ・アメリカ・PNC・M&Tバンク・TDバンク・キーコープ・フィフス・サード。

法人・商業(法人貸出・資金管理・資本市場・商業用不動産)

中堅・大企業向けの貸出と預金・資金管理、資本市場(M&A 助言・債券引受・JMP・DH Capital)、為替・デリバティブ、商業用不動産。

数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル)価格残高あたりの純収益の率(利ざや+手数料)売上営業利益
今 2026/12 1,145 0.03 37 13
10 年後 中立 1,702 0.03 56 21

取り方:プライベートバンクを除く法人・リースの貸出 約 650 億ドル(法人・リース貸出 772 億ドルから 117 億ドルを除いた期末値から平均へ換算)と、預金 約 495 億ドル(預金から個人 63%・プライベートバンク 185 億ドルを除いた推定)の合計 1,145 億ドル。収益は純金利収益 約 26.4 億ドル(推定)と資本市場 1.49・為替デリバティブ 0.49・信用状と貸出手数料 0.54 億ドルの年換算 約 10.1 億ドルで 36.5 億ドル。営業利益は割り振りで 12.8 億ドル。商業用不動産の計画的な圧縮と C&I(法人向け貸出)の枠の使用の低下で、数量は当面伸びない。競合は JPモルガン・バンク・オブ・アメリカ・PNC・M&Tバンク・ウェルズ・ファーゴ。

プライベートバンク・ウェルス

富裕層向けの預金・貸出・資産運用(プライベートバンク事務所と資産運用チーム)。会社の開示では個人部門に入る。

数量貸出と預金の平均残高の合計(億ドル)価格残高あたりの純収益の率(利ざや+運用手数料)売上営業利益
今 2026/12 300 0.04 12 4
10 年後 中立 570 0.04 23 9

取り方:2026 年 7〜9 月期の貸出 117 億ドル(期末。平均は約 115 億ドル、4〜6 月から 20 億ドル増)と預金 185 億ドルの合計約 300 億ドル。収益は貸出の利ざや(預金コスト比 約 4%)と預金の資金の価値で純金利収益 約 7.6 億ドル(推定)に、資産運用手数料 1.09 億ドルの年換算 4.4 億ドルを足して 12.0 億ドル(率 4.0%)。営業利益は割り振りで 4.2 億ドル(会社の言う 1 四半期あたりの利益への寄与から見て妥当)。顧客資産は 124 億ドルで、7〜9 月に 12 億ドル増えた。競合は JPモルガン・シティグループ・PNC・ウェルズ・ファーゴ・バンク・オブ・アメリカ。

リスクと懸念

預金競争と NIM の伸び悩み

預金ベータは利上げ局面で 40 台後半を会社は見込む。NIM が 3.23〜3.26%(10〜12 月の見通し)から 3.30〜3.50% へ上がらなければ、ROTCE の目標(2027 年末に 16〜18%)は届かない。2027 年はスワップの解約益が薄れ、純金利収益の伸びが約 10% に鈍る。無利息預金と低コスト預金(預金の 42%)は金利で流出しやすい。

商業用不動産とデータセンター向け融資

事務所・集合住宅の早期延滞が増え、約 4 億ドルの返済が金利の高止まりで遅れる見込み。会社は計画的に減らしているが、減らす間は法人貸出が伸びない。データセンター向けの建設融資は DH Capital を通じて広げており、投資適格のハイパースケーラー向けが中心とはいえ、不況と AI 投資の巻き戻しで傷みうる。

自己資本の薄さと含み損(AOCI)

有形自己資本比率 6.7% は会社が適正と言う約 7% を下回る。金利が上がると含み損が広がり(7〜9 月に AOCI で自己資本比率が約 60bp 悪化)、4〜6 月から 7〜9 月に 1 株あたりの有形純資産が約 7% 減った。自社株買いを増やすには含み損の戻りを待つ必要があり、不況の年は止まる。

収益力の実績の低さ

帳簿の ROE は 2014〜2025 年の 12 期で 4〜10% にとどまり、ROTCE が 16% を超えた年は見当たらない(帳簿の最高 9.9% を有形に直しても約 15%。推定)。目標は 2027 年末と時期が近く、実現しなければ経営計画の信用が傷む。フィフス・サードや USバンコープとの収益力の差(3〜4 ポイント)が縮まらなければ、市場は式の倍率をつけない。

経営の継承

会長兼 CEO ブルース・ヴァン・ソーン(69 歳)は退任の時期を発表していない。副会長ブレンダン・コフリンは個人部門長で、法人部門も担当に広がり、後継の本命と報じられている(American Banker)。継承の過程で戦略の方向が変われば、リイマジンやプライベートバンクの拡張が揺らぐ。

預金・決済の置き換えと規制

ステーブルコイン・MMF・フィンテックが預金や決済を置き換えれば、預金コストが 4% 台に固定される。カード競争法・金利上限案は手数料と個人貸出の採算を押し下げ、バーゼル III の見直しの時期は不透明(会社が見込む約 110bp のリスク資産の軽減の実現は規制しだい)。

今後の分かれ目

NIM が 2026 年 10〜12 月期に 3.26% を超え、2027 年に 3.30% へ向かう
スワップ後も利ざやの入れ替わりが続いている証拠で、中立から楽観寄りへ確率を動かす。ROTCE 16% 超が見えてくる。
リイマジン・ザ・バンクが 2027 年末に年 2.25 億ドルを達成し、効率比率が 58% を下回る
費用の規律が計画どおりと確かめられ、楽観寄りの確率を厚くする。目標に未算入の削減が上振れの源になる。
NIM が 3.20% を割る、または 2027 年 1 月の会社の見通しで純金利収益の伸びが 10% を大きく下回る
預金競争が収益を食っていると見て、やや悲観・悲観の確率を厚くする。ROTCE 目標の先送りの可能性が高まる。
事務所・集合住宅の純償却が増え、NPL 比率が 1.2% を超える
信用コストの正常化が早まる。純償却率 0.5% 超が 2 四半期続くなら、中立の純利益を 1 割下げて見直す。
バーゼル III の緩和が確定し、CET1 の運用目標が下がる
自社株買いが増え、還元が増える。10 年の楽観の確率が上がる(会社は約 110bp のリスク資産の軽減を見込む)。
プライベートバンクの貸出が 2027 年末に 200 億ドルへ近づき、事務所が 16 に増える
高 ROE の成長部門が計画どおり育っている。個人部門のシェア減を補い、中立の純利益を上方へ見直す根拠になる。
ヴァン・ソーン CEO が後継を発表する
コフリンが昇格する場合は戦略の連続性が保たれ、確率は動かさない。外部の登用なら戦略の見直しを織り込み、やや悲観の確率を少し厚くする。

見ておくもの

  • NIM(2026 年 10〜12 月期の見通し 3.23〜3.26%・2027 年末 3.30〜3.50%)と預金コスト・低コスト預金の比率(42%)
  • ROTCE(7〜9 月期 15.1%。2027 年末の 16〜18%)と効率比率(60%。中期目標は 50 台半ば)
  • リイマジン・ザ・バンクの実現額(2026 年末 1 億ドル・2027 年末 2.25 億ドル・2028 年末 4.5 億ドル以上)
  • プライベートバンクの貸出(117 億ドル)・預金(185 億ドル)・顧客資産(124 億ドル)と事務所の数(2027 年に 6 つ追加)
  • 純償却率(0.37%)・NPL 比率(0.99%)・商業用不動産の残高の減り方とデータセンター向けの残高
  • 有形自己資本比率(6.7%)・AOCI・CET1(10.5%)と自社株買い(10〜12 月 2 億ドル以上。枠 19.5 億ドル)
  • 2027 年 1 月の 2026 年 10〜12 月期決算での 2027 年の見通し(純金利収益・費用・還元)

倍率と資本コストの決め方

倍率は式どおりに置き、今の値段(年換算の利益の約 11 倍)には寄せていない。利益ベースの上限 PER 約 13 倍の 8.8 割(約 11.5 倍)は今の倍率とほぼ同じで、結論の割安は利益の伸び(利ざやの入れ替わりと費用削減)から来る。g と ROTCE を 10 年の市場の伸び(実質 1% 前後)・シェア(個人・法人は中立で 0%、プライベートバンクの +0.5% は 10 年目までの利益にだけ入れ、10 年目以降の g は他行と同じ 4.0%)・価格(物価)から出し、ROTCE を会社の目標(16〜18%)の中ほどより低い 16.5%(帳簿の ROE 12.5%)に置いた。帳簿の ROE は 2014〜25 年の中央値 7.5% より上なので、roe_why に目標と入れ替え効果を書き、届かない道をやや悲観・悲観(計 36%)と ROE の深さ(10.5%・4.1%)で表した。資本コストは基本 8.0% に quality +0.75%(商業用不動産・預金競争、有形自己資本比率の薄さ)を足した 8.75%。g を 1 ポイント下げると PER が約 1 倍縮む感度がある。

資本コスト 8.8% = 無リスク金利 5% + β 1.06 × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0.75% = 8.75%。ROE が手本の水準に届いたことがなく、有形自己資本比率が 6.7% と薄いので、預金網の厚い大手(7.75〜8.25%)より高く置いた。預金競争・商業用不動産・規制は k に足さず、悲観の確率と利益率で表した。

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預金コストと貸出の質で地銀の上位に立つ南東部の最大手。上限 PER 約 14 倍の 9 割(約 12.6 倍)の式で、今の約 10 倍は割安 本質価値との差 +37.6% · 10 年 割安(年 +10.4%) 割安 ハートフォード・インシュアランスHIG 米国の企業向け・個人向け損保と団体保険の大手。核の ROE は 19% 前後だが、中堅・大企業の引受は山を越えた。中立 10 年 12.6 倍で、総合は今の時価総額に対し +40% の「割安」 本質価値との差 +34.5% · 10 年 割安(年 +9.8%) 割安 ファイサーブFISV 決済処理の大手。2026 年に見通しを 2 度下げ、株価は GAAP で 7 倍台まで沈んだ。稼ぐ力は残り、式の中立の 10 年後は今の約 2.3 倍。ただし借金が時価総額を上回り、悲観の確率を厚くした 本質価値との差 +32.1% · 10 年 割安(年 +10.1%) 割安 ステート・ストリートSTT 世界 3 大の保管銀行で SPDR の ETF 運用も持つ。堀は深いが手数料の下落圧力と金利依存があり、利益ベースの式の倍率で測ると値段は割安 本質価値との差 +30.7% · 10 年 割安(年 +10.0%) 割安 キーコープKEY 法人向け・投資銀行に強い中堅の地銀。利ざやと効率は同業の下位で改善余地が大きい。式は上限 PER 約 13.5 倍の 8.5 割、利益の伸びで割安 本質価値との差 +30.0% · 10 年 割安(年 +10.1%) やや割安 PNCファイナンシャル・サービシズ・グループPNC 全米の大手銀行。FirstBank 買収と新店 300 店で全国展開へ進む。ROTCE 18.3% でも資本コスト 8.25% の利益ベースの式では 10 年後 PER 約 13 倍が妥当で、今の 12.5 倍は割安 本質価値との差 +29.2% · 10 年 やや割安(年 +9.6%) やや割安 プログレッシブPGR 自動車保険の首位を争う高 ROE の損保。利益率は山にある。中立 10 年 14.9 倍で、総合は今の時価総額に対し +34% の「割安」 本質価値との差 +27.8% · 10 年 やや割安(年 +9.5%) やや割安 ウィリス・タワーズ・ワトソンWTW 世界 3 位級の保険ブローカーと人事・福利厚生コンサルの二本足。利益率が上がる局面で、AI 不安と料率軟化を織り込んだ中立 10 年 20.0 倍で、総合は今の時価総額に対し +35% の「割安」 本質価値との差 +26.9% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 トゥルーイスト・ファイナンシャルTFC 南東部・中部大西洋岸の大手銀行で、法人と資産管理は強いが、低採算の個人ローンを売って作り直し中。式の PER は 10 年後 12 倍前後で、今の時価総額は割安 本質価値との差 +26.5% · 10 年 やや割安(年 +9.4%) やや割安 バンク・オブ・アメリカBAC 全米第 2 の銀行で、預金・富裕層・市場の堀は深い。資本コスト 8.0% の利益ベースの式では ROE 11〜12% の銀行に PBR 約 1.7 倍が付き、今の 1.2 倍はやや割安 本質価値との差 +23.9% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 ウェルズ・ファーゴWFC 資産上限が外れて貸出・預金が 1 割伸びる全米第 3 位の銀行。資本コスト 8.25% の利益ベースの式では ROE 13% の銀行に PBR 約 1.7 倍が付き、今の 1.4 倍はやや割安 本質価値との差 +22.4% · 10 年 やや割安(年 +9.2%) やや割安 プルデンシャル・ファイナンシャルPRU 日本の不祥事で下振れ中だが、PGIM・団体保険・退職の本業は堅い。資本コスト 8.5% の利益ベースの倍率で、10 年の価値は今をやや上回る 本質価値との差 +21.6% · 10 年 やや割安(年 +8.9%) やや割安 アーチ・キャピタル・グループACGL 米国の再保険・事業保険・住宅ローン保険の複合会社。ROE 18% で資本を動かす優良な損保だが再保険の料率は山を越えた。中立 10 年 11.5 倍で、総合は今の時価総額に対し +27% の「やや割安」 本質価値との差 +21.5% · 10 年 やや割安(年 +8.7%) やや割安 オールステートALL 個人向け自動車・住宅保険で米国 2 位の損保。利益は準備金の戻しと軽い災害年で山にある。中立 10 年 11.3 倍で、総合は今の時価総額に対し +24% の「やや割安」 本質価値との差 +18.8% · 10 年 やや割安(年 +9.0%) やや割安 M&TバンクMTB 北東部の地銀。無利息預金が厚く利ざや 3.65%、与信も堅い。式は上限 PER 約 14 倍の 9 割(約 12.8 倍)で、今の PER 約 10 倍はやや割安 本質価値との差 +17.6% · 10 年 やや割安(年 +8.5%) やや割安 ペイパルPYPL ブランド決済の伸びが止まり競合に標準の座を削られる最中の決済網。事業は黒字で現金も厚く倍率は低い。成長が鈍っても利益ベースの式の上ではやや割安 本質価値との差 +16.3% · 10 年 やや割安(年 +8.5%) やや割安 USバンコープUSB 全米 5 位の銀行。決済(エラボン・カード)と BTIG で手数料が厚い。ROTCE 18.5% でも資本コスト 8.25% の利益ベースの式では 10 年後 PER 約 13 倍・PBR 約 1.6 倍が妥当で今の 1.4 倍はやや割安 本質価値との差 +15.7% · 10 年 やや割安(年 +8.5%) やや割安 メットライフMET 団体保険とアジアの利益が積み上がり、自己資本の薄さと信用リスクが焦点。資本コスト 8.25% の利益ベースの倍率で、10 年の価値は今をやや上回る 本質価値との差 +15.5% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 バンク・オブ・ニューヨーク・メロンBNY 世界最大級の保管・決済の基盤で堀は深いが、手数料率の低下と預金の利ざやが重しになる優良な保管銀行。利益ベースの式の倍率で測ると値段はやや割安 本質価値との差 +15.5% · 10 年 やや割安(年 +7.9%) やや割安 シティグループC 再建途上の世界展開銀行。ROE 12% が定着すれば利益ベースの式で PER 12 倍前後が付き、今は 2 割弱やや割安。ただし 10 年の実績は資本コスト割れで、その不安は確率で厚く見る 本質価値との差 +15.3% · 10 年 やや割安(年 +8.6%) やや割安 AIGAIG 損保大手として引受を立て直し、2027 年の ROE 目標へ進行中。中立 10 年 11.6 倍で、総合は今の時価総額に対し +19% の「やや割安」だが、準備金の質に敏感 本質価値との差 +14.3% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 キャピタル・ワン・ファイナンシャルCOF 買収で膨らんだ「ROE 2%」は実力でなく、カード・自動車・自前の決済網の三本柱。利益ベースの式では中立で今を上回るが、信用循環と網の賭けで悲観を厚く置いた 本質価値との差 +14.1% · 10 年 やや割安(年 +8.4%) やや割安 ノーザン・トラストNTRS 預かり資産 20 兆ドルの老舗の信託銀行。富裕層向けの信頼と堀はあるが、手数料率の低下と金利依存があり、利益ベースの式の倍率ではやや割安 本質価値との差 +12.1% · 10 年 やや割安(年 +8.1%) やや割安 T・ロウ・プライス・グループTROW 運用資産 1.9 兆ドルの老舗アクティブ運用会社。現金が厚く事業は高収益だが、株式の流出と手数料率の低下が続く。利益ベースの倍率でもやや割安に出る 本質価値との差 +12.0% · 10 年 やや割安(年 +8.2%) やや割安 JPモルガン・チェースJPM 全米最大の銀行で堀は広がる。利益ベースの式で測ると 10 年後の PBR は約 2.6 倍で、今の 2.5 倍よりやや高く、やや割安 本質価値との差 +11.3% · 10 年 やや割安(年 +7.8%) やや割安 プリンシパル・ファイナンシャル・グループPFG 退職・給与福利の窓口として堅く稼ぐ。運用の流出と手数料の下落を織り込んでも、資本コスト 8.25% の利益ベースの倍率で、10 年の価値は今をやや上回る 本質価値との差 +10.6% · 10 年 やや割安(年 +7.7%) 適正 レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルRJF 助言付き資産を伸ばし続ける堅実なウェルス会社。資本コスト 8.25% の利益ベースの式では、10 年の価値は今の値段をやや上回る 本質価値との差 +9.9% · 10 年 適正(年 +8.1%) 適正 エーオンAON ウェルス売却後は利益率の拡大と自社株買いで返す世界 2 位級のブローカー。AI 不安と料率軟化を織り込んだ中立 10 年 17.7 倍で、総合は今の時価総額に対し +15% の「やや割安」 本質価値との差 +9.3% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 フィフス・サード・バンコープFITB 2026 年 2 月にコメリカを統合した全米 9 位の地銀。ROTCE 19% 目標は式で PER 約 12 倍・PBR 約 1.6 倍が妥当で、今の PBR 約 1.4 倍(有形で約 2.2 倍)はやや割安 本質価値との差 +6.6% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 チャールズ・シュワブSCHW 預かり資産 13 兆ドルの個人向け証券の最大手。資本コスト 8.5% の利益ベースの式では今の値段はほぼ適正で、利ざやと流入は 2026 年が山に近く、式の感度が大きい 本質価値との差 +5.1% · 10 年 適正(年 +7.7%) 適正 フランクリン・リソーシズ(フランクリン・テンプルトン)BEN 運用資産 1.8 兆ドルの総合運用会社。不祥事の流出は止まり利益率は回復に入ったが、買収でできた会社で堀は薄い。利益ベースの倍率ではほぼ適正 本質価値との差 +4.7% · 10 年 適正(年 +7.6%) 適正 アメリカン・エキスプレスAXP 閉じた決済網と富裕層の会員で ROE 30% 超の稀な金融。資本コスト 7.75% の利益ベースの式では総合で今の値段を 1 割弱上回るだけで、適正 本質価値との差 +3.7% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 アーサー・J・ギャラガーAJG 保険ブローカー世界 4 位で AP 買収の統合期。堀と買収の積み上げは健在で、AI 不安と料率軟化を織り込んだ中立 10 年 15.9 倍で、総合は今の時価総額に対し +9% の「適正」 本質価値との差 +2.6% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 マーシュ・マクレナンMRSH 保険ブローカー世界最大手。切り替え費用の高い堀と高 ROE は健在で、AI 不安と料率軟化を織り込んだ中立 10 年 19.9 倍で、総合は今の時価総額に対し +8% の「適正」 本質価値との差 +2.5% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 トラベラーズTRV 米国最大級の企業・個人向け損保。核の ROE は 20% 超だが引受益は山の後。中立 10 年 13.1 倍で、総合は今の時価総額に対し +8% の「適正」 本質価値との差 +1.6% · 10 年 適正(年 +7.0%) 適正 チャブCB 世界最大級の上場損保。引受の規律と運用益で稼ぐ。軟調な市場でも質は落ちにくい。中立 10 年 11.6 倍で、総合は今の時価総額に対し +3% の「適正」 本質価値との差 +0.4% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 ブラックロックBLK 資本コスト 8.25% の利益ベースの倍率で測ると、貯まる現金を数えて値段はほぼ適正 本質価値との差 −2.7% · 10 年 適正(年 +6.8%) 適正 インベスコIVZ 運用資産 2.5 兆ドルの ETF 主導の運用会社。QQQ と ETF の流入が利益を押し上げるが利回りは薄く、アクティブ株式の流出と市場の高値が重い 本質価値との差 −2.8% · 10 年 適正(年 +7.2%) 適正 アシュラントAIZ 携帯端末保護・自動車保証・住宅保険を束ねる特殊保険会社。資本の軽い手数料型の利益で ROE 15% 前後。中立 10 年 13.1 倍で、総合は今の時価総額に対し -3% の「適正」 本質価値との差 −3.5% · 10 年 適正(年 +6.7%) 適正 ジャック・ヘンリー・アンド・アソシエーツJKHY 中小の銀行・信用組合のコアと決済を握る安定した処理会社。顧客数は合併で減っても受注で横ばい、1 行あたり売上は年 5% 前後伸びる。10 年の価値は今の値段とほぼ同じで適正 本質価値との差 −5.1% · 10 年 適正(年 +5.8%) 適正 S&P グローバル インクSPGI 格付と指数が稼ぐ高収益の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。資本コスト 7.75% の利益ベースの式の倍率で見ると、今の値段は適正の範囲(割高寄り) 本質価値との差 −7.2% · 10 年 適正(年 +5.6%) 適正 ロウズ・コーポレーションL 約 9 割保有の損保 CNA、ガス・パイプライン、ホテルと 44 億ドルの現金を持つ持株会社。価値の 7 割は CNA、成長はパイプライン。中立 10 年 10.8 倍で、総合は今の時価総額に対し -6% の「適正」 本質価値との差 −8.9% · 10 年 適正(年 +6.1%) 適正 ブラウン・アンド・ブラウンBRO 米国中堅の保険ブローカーで、アクリシュア買収の借金と弱い基調が重い。中立 10 年 13.3 倍で、総合は今の時価総額に対し -3% の「適正」 本質価値との差 −9.7% · 10 年 適正(年 +5.3%) やや割高 ブラックストーンBX 運用資産 1.35 兆ドルのオルタナティブ運用の最大手。堀は厚いが、解約の起きる個人マネーと報酬率の低下を数え、利益ベースの倍率で測ると、値段はほぼ適正 本質価値との差 −11.9% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 W.R.バークレーWRB 約 50 の専門事業会社を束ねる米国の商業・特殊損保。ROE 18〜20% で資本を返す優良会社だが、料率の山は越えてソフト化が近い。中立 10 年 13.9 倍で、総合は今の時価総額に対し -13% の「やや割高」 本質価値との差 −13.3% · 10 年 やや割高(年 +5.2%) やや割高 ファクトセット・リサーチ・システムズFDS 金融の情報インフラとして更新率 95% 超を守る高収益会社。席数ベースの商売が生成 AI に置き換わる懸念を悲観に厚く入れても、資本コスト 7.75% の利益ベースの式では今の値段はほぼ適正 本質価値との差 −14.0% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 アフラックAFL 日本のがん・医療保険で首位級。利益の約 7 割を日本が稼ぎ、伸びは鈍いが堅い。資本コスト 7.75% の利益ベースの倍率では、10 年の価値は今の時価総額をやや下回る 本質価値との差 −15.3% · 10 年 やや割高(年 +4.4%) やや割高 アレス・マネジメントARES 信用運用が強い運用資産 6,700 億ドルのオルタナティブ運用会社。手数料の積み上がりは堅いが、株式報酬が手数料関連利益の約 4 割を食い、GAAP と利益ベースの倍率で見た値段はやや割高 本質価値との差 −15.4% · 10 年 やや割高(年 +5.6%) やや割高 マスターカードMA ビザと並ぶ世界の決済網。貸出リスクがなく、還元しながら伸びる利益に高い倍率が付く。資本コスト 7.5% の式でも今の値段は先を織り込み、10 年の価値はやや割高 本質価値との差 −15.6% · 10 年 やや割高(年 +4.7%) やや割高 コーペイCPAY 燃料カードの車両決済に越境の法人決済が加わって伸びる決済会社。利益は厚いが借金が重く、10 年の価値は今の値段をやや下回る 本質価値との差 −17.3% · 10 年 やや割高(年 +5.1%) やや割高 ムーディーズMCO 格付の二強の一角で利益率 65% 超の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。資本コスト 7.75% の利益ベースの式では今の値段は先取りが大きく、やや割高 本質価値との差 −17.4% · 10 年 やや割高(年 +4.5%) やや割高 ビザV 貸出リスクを持たない世界最強の決済網。還元しながら伸びる利益に高い倍率が付く。資本コスト 7.5% の式でも今の値段は先を織り込み、10 年の価値はやや割高 本質価値との差 −19.9% · 10 年 やや割高(年 +4.1%) やや割高 CMEグループCME 金利先物をほぼ独占する取引所。取引量の急増は一部が剥がれ、資本コスト 7.75% の利益ベースの式では今の値段はやや割高に出る 本質価値との差 −20.5% · 10 年 やや割高(年 +3.9%) やや割高 インタラクティブ・ブローカーズ・グループIBKR 世界でいちばん安く速い証券会社だが、会社全体の持ち分で測ると今の値段は 10 年先の成長を織り込んでやや割高 本質価値との差 −21.0% · 10 年 やや割高(年 +5.0%) やや割高 アポロ・グローバル・マネジメントAPO 運用資産 1.05 兆ドルのオルタナティブ運用に、生保アセネ(Athene)を連結する。調達と保険の資金源は厚いが、保険の利ざやと私募クレジットの質が振れ、利益ベースの倍率で測ると値段はやや割高 本質価値との差 −21.5% · 10 年 やや割高(年 +5.5%) やや割高 エリー・インデムニティERIE 相互保険会社の管理手数料(保険料の 25%)だけを受け取る資本いらずの事業。契約数の減少が続き、伸びは物価連動に頼る。中立 10 年 18.2 倍で、総合は今の時価総額に対し -17% の「やや割高」 本質価値との差 −21.5% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 シンシナティ・ファイナンシャルCINF 代理店経由の中堅損保。引受の利益は薄く、自己資本の約 8 割が保有株。本業と保有株を分けて見ると、総合は今の時価総額に対し -20% の「やや割高」 本質価値との差 −23.5% · 10 年 やや割高(年 +4.3%) やや割高 モルガン・スタンレーMS ウェルスの規模で堀が広がる優良な金融。資本コスト 8.5% の利益ベースの式では ROE 14.7% に PER 11.7 倍前後が付き、今の PER 17 倍はやや割高 本質価値との差 −23.5% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 MSCIMSCI 指数の堀と資産連動料で稼ぐ高収益の会社だが、株高頼みと借入で膨らんだ今の値段は、資本コスト 8.0% の利益ベースの式の倍率ではやや割高 本質価値との差 −24.0% · 10 年 やや割高(年 +3.4%) やや割高 ゴールドマン・サックス・グループGS 投資銀行・市場業務で首位級の優良な金融。利益の山谷が大きく、資本コスト 8.75% の利益ベースの式では ROE 14.5% に PER 11 倍前後が付き、今の値段はやや割高 本質価値との差 −24.7% · 10 年 やや割高(年 +4.2%) やや割高 シービーオーイー・グローバル・マーケッツCBOE S&P 500 のオプションを独占する取引所。2026 年の取引量の急増は一部が剥がれ、資本コスト 7.75% の利益ベースの式では今の値段はやや割高に出る 本質価値との差 −26.9% · 10 年 やや割高(年 +3.5%) やや割高 インターコンチネンタル・エクスチェンジICE 取引所・債券データ・住宅ローン基盤の 3 本柱。質は高いが、資本コスト 8.0% の利益ベースの式では今の値段は先取りが大きい 本質価値との差 −27.8% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 ナスダックNDAQ 上場・指数・金融ソフトの継続収入が 7 割超の取引所。質は高いが、資本コスト 8.0% の利益ベースの式では今の値段は先に進みすぎで、やや割高 本質価値との差 −28.3% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) やや割高 バークシャー・ハサウェイBRK-B 保険・鉄道・電力・製造の複合体と 6,700 億ドル超の株式・現金。営業 4 事業は利益ベースの上限の内側に置き、中立 10 年 PBR 1.11 倍で、総合は今の時価総額に対し -28% の「やや割高」 本質価値との差 −29.8% · 10 年 やや割高(年 +3.2%) 割高 ブロックXYZ 若者向け金融アプリ Cash App と加盟店決済 Square を持つ。粗利益は伸びるが、貸出と株式報酬を引いた GAAP 利益は薄い。利益ベースの倍率で測ると、確率で重ねた値は今の値段を 3 割弱下回る 本質価値との差 −31.7% · 10 年 割高(年 +3.3%) 割高 KKRKKR 運用資産 8,000 億ドルのオルタナティブ運用に、保険(グローバル・アトランティック)を抱える。堀は厚いが、成功報酬と保険の投資損で利益の質が振れ、利益ベースの倍率で測ると値段はやや割高 本質価値との差 −35.2% · 10 年 割高(年 +3.3%) 割高 コインベースCOIN 暗号資産の取引所から、ステーブルコインの利息と預かりで稼ぐ金融会社へ。事業の転換は本物だが、2026 年は赤字で、資本コスト 9.5% の利益ベースの式では今の値段が 10 年の高成長を織り込み過ぎて割高と出る 本質価値との差 −49.7% · 10 年 割高(年 +1.4%) 割高 ロビンフッド・マーケッツHOOD 個人投資家の新世代向け証券。予測市場・暗号資産・金利で稼ぐ力は本物だが、今の値段は 10 年の高成長を織り込み済みで、資本コスト 9% の利益ベースの式では大きく割高に出る 本質価値との差 −58.0% · 10 年 割高(年 −1.0%)

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分析日 2026-10-16