結論
グリーンライト・キャピタルは、再保険の引受と独自の株式運用を組み合わせた小型の保険会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。帳簿上の純資産に比べて株が安く見えても、利益を安定して稼ぐ力はまだ十分に確かめられていない。なお同社は運用会社そのものではなく、ケイマン諸島に本拠を置く保険・再保険会社である。
前進もはっきりある。2025年の正味既経過保険料は約6.6億ドルで、コンバインドレシオは94.6%となった。これは引受の採算が改善した証拠であり、保険子会社の格付けがAに引き上げられたことも新規取引を広げる。しかし2026年4〜6月期には、自然災害と中東に関わる損害、運用の損失が重なり、約0.30億ドルの四半期赤字となった。2026年上半期の利益は約0.06億ドルにとどまる。
長く保有する株主にとって最大の難題は、保険引受と運用が同時に悪くなる年があり得ることだ。2025年末の現金等約6.4億ドルの大半は担保として拘束されている。これを余剰現金と見なし、将来利益に加えてさらに時価総額へ足すことはしない。投資ファンドの優れた直近成績も、今後ずっと続くと決めつけない。
10年後の中立像は、格付け改善と保険技術企業向けの取引拡大によって純利益約0.89億ドルを稼ぐ姿である。ただし運用手腕への依存、再保険価格の軟化、準備金不足の可能性から、慎重な二つの筋書きに合計39%を配した。資本コスト9.5%で還元も含めて割り戻した確率加重価値は約4.36億ドルとなり、基準時価総額約5.00億ドルに対して約13%低い。これは会社がすぐ弱るという見方ではなく、安全域がまだ薄いという評価である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「保険を正しく引き受ける能力」と「運用で他人よりよく稼げる能力」を別々に問いたい。前者の核心は、事故が起きなかった年の利益ではない。事故と準備金積み増しを含む一巡の損害率が100%を下回るかどうかだ。2021〜25年の平均コンバインドレシオ98.7%は、利益を生む土台ではあるが、十分な余裕とは言い難い。
後者は、さらに厳しく見る必要がある。ソラスグラスは株の買いと売り、マクロの取引で利益を狙う。2025年は買い持ちや売り持ちの成績が芳しくなく、マクロ取引で取り返した。これは運用力の一面ではあるが、将来の再現性を保証しない。保険料の一部と自己資本を運用する構造であり、保険準備金を差し引かずに現金と運用持分を上乗せする評価は危険である。
事業の堀は「薄いが改善中」と考える。格付けA、欧州市場、ロイズの販路には価値があるが、各社が同じリスクを引き受けられる限り、超過収益は競争で薄れる。だから新しい資本から生まれる利益率は資本コストへ近づくと見る。契約量の成長は保険市場と市場シェアから導き、資本効率の高さだけで成長を作らない。
安全域を測る時に頼りになるのは帳簿純資産7.1億ドルそのものではない。保険金債務と担保規制を引いた後、危機でも売れる投資と、残った引受事業の利益である。10年後の中立利益は今より多いものの、景気や大災害に左右される。この危うさに見合う資本コストで割り戻すと、株主の期待価値は今の時価総額を少し下回る。
何で稼ぐ会社か
商売の柱は二つの再保険引受と資産運用である。オープンマーケット部門は、ブローカーとロイズ市場を通じて損害保険会社のリスクを引き受ける。2025年の正味既経過保険料は5.76億ドルで、損害保険のうち複数種目、財物、特殊リスク、金融関連、賠償責任などにまたがる。収入は引き受ける危険量と料率で決まり、支払保険金と仲介手数料を差し引いた残りが引受利益となる。
イノベーションズ部門は、新興保険会社や総代理店に保険引受能力を貸し、時には少額を出資して取引関係を育てる。2025年の正味既経過保険料は約0.86億ドル、引受利益はほぼゼロだった。2024年に始めた全体を対象とする再々保険契約によって、引受利益の一部と引き換えに損失リスクを外部へ渡す。2026年の出再割合は33%へ上がり、規制資本を守りながら新しい契約を増やす形になった。ロイズの第3456シンジケートが2027年に本格的なシンジケートへ移る計画も、この部門の販路を広げ得る。
運用は普通の保険会社とは異なる。関係会社が運用するソラスグラスに、2025年末で約5.05億ドルを投じ、買い持ちと売り持ち、金利・為替・商品を組み合わせた運用の損益を取り込む。2025年の取り分は約0.36億ドルで、同ファンドの費用控除後利回りは7.5%だった。別に担保預金や債券などが利息を生む。2025年の運用利益全体は約0.60億ドルだったが、そこには時価評価による増減が含まれる。
ここで見落とせないのは会計と現金の性質だ。2026年6月末の貸借対照表では現金約6.03億ドルのうち約5.27億ドルが信託や信用状のため拘束されていた。再保険料を先に受け取っても、保険金支払いへの備えが必要である。自己資本と運用資産は同じ元手に由来するため、資産を丸ごと利益の価値へ重ねて足すことはできない。
優良さと弱いところ
参入の壁は再保険に必要な信用と許認可である。ケイマンとアイルランドの保険会社は2025年に財務格付けAを得て、ロイズを使った引受にも道が開けた。大手元受会社が低格付けの相手に大口を預けにくいことを考えれば、これは実際の営業上の前進だ。イノベーションズが出資と引受能力を同時に差し出せる点も、単なる安売りにはない魅力である。
ただし、長く続く強固な堀とはまだ呼べない。ミュンヘン再保険やスイス再保険、エベレスト、アーチ・キャピタルは、資本量と販売網、過去の大事故に耐えた実績で勝る。同社が保険料率を単独で上げ、顧客をつなぎ留めた数字は確認できない。競争が激しくなると契約量を取るために料率や条件を緩めやすく、引受利益率は簡単に痩せる。
資本の使い方にも特有の難しさがある。ソラスグラスの直近5年強の年平均成績は11%台だが、創設以来では5%台半ばにとどまる。運用会社には管理報酬と成功報酬を払い、株主は投資の巧拙だけでなく利益相反も引き受ける。2015年と2018年の大損失を経ても、過去10年のROE中央値は4.4%だった。2025年だけの高い収益性で恒久的な堀を認定するのは早い。
保険引受は規制資本と保険金支払能力そのものを売る仕事で、人月や席数に課金するAIエージェント代替型の事業には当たらない。ただし自動化で審査や契約事務の費用が減れば、大手との価格競争は強まる。独自技術が強い顧客を選別できるかどうかで、10年後の競争力は大きく変わる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
世界の再保険需要は、災害、巨大賠償、企業の新しい危険がある限り消えない。ただし需要の増加がそのまま再保険会社の利益の増加にはならない。資本が流れ込むほど契約料率が下がり、事故が起きると値上げする循環産業だからだ。2026年1月の更新では、世界の財物災害再保険のリスク調整後料率が約15%低下した。2025年の採算改善をそのまま10年間延長できない理由である。
市場全体のものさしは、2024年の世界再保険料約3,947億ドルという外部集計を基に、2025年をおよそ4,100億ドルとした概算である。2025年の同社の受再保険料約7.73億ドルは、約0.19%にすぎない。オープンマーケットの総保険料6.52億ドルは約0.16%、イノベーションズの1.22億ドルは約0.03%に相当するが、両部門は同じ広い市場の異なる販路なので別市場のシェアではない。国際会計基準による保険収益との定義差もあり、いずれも概算である。
規模ではミュンヘン再保険、スイス再保険、ハノーバー再保険がそれぞれ数百億ドルの受再保険料を持ち、広義市場の各1割前後に相当する。同社にはその交渉力も価格を決める力もない。その代わり、競争の激しい大量契約から離れ、複数種目や新興保険代理店の隙間を選べる。保険技術企業への世界的な出資額は2025年に約50.8億ドルまで戻ったが、それは保険料市場とは別の指標であり、投資先が直ちに利益を生むわけではない。
10年後も市場の危険量は実質で緩やかに増えると考えるが、競争で同社のシェアが横ばいか小幅低下する中立像とした。保険料単価の上昇は物価3.5%を基準にする一方、損害率は大事故と訴訟費用で上下する。保険技術企業の新しい販路やロイズの拡張がうまくいけば数量面で上振れる。反対に、再保険資本の供給過剰とAIによる査定価格の透明化が続けば、10年後も値上げが追いつかない。
資本政策と M&A
経営は配当より自己資本の成長と自社株買いを重んじる。2025年の買い戻しは約0.10億ドル、2026年上半期は約0.19億ドルだった。2026年に最大0.40億ドルの新しい買い戻し枠を決め、期限を2027年5月末とした。継続的な10年間の還元額を約束したわけではないので、株主への還元は業績と規制資本の余裕に連動すると考える。普通株以外に発行済みの優先株はない。
2026年には運用関係会社への基本報酬が年1.50%から1.25%に引き下げられた。株主にとって前向きだが、成功報酬の仕組みと運用関係会社との取引は残る。また会社は、会長の関係する信託から市場買い戻しと同じ加重平均価格で株式を買う契約を結んでいる。保有割合を一定にする税務上の理由が説明されているものの、少数株主は取引価格と手続きを継続して監視すべきである。
成長投資の中心は、巨額買収ではなくロイズ第3456シンジケートの機能拡張と、新興保険会社への少額投資だ。2026年10月の発表では、同シンジケートを2027年1月から通常のロイズ・シンジケートへ移す準備が示された。新興企業への出資持分が値上がりしても、換金可能性と引受利益が伴わなければ、株主に渡る現金にはならない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
この会社には、規模の小ささを強みに変える道がある。大手が引き受けない特殊な危険や新興保険会社の小口プログラムを拾い、利益が出ない契約から素早く降りる。2025年のコンバインドレシオ94.6%は、そんな規律が実際に効き始めた証拠だ。保険子会社の格付けAへの引き上げは、大手ブローカーが紹介できる案件を増やす。2027年にロイズ第3456シンジケートが本格稼働すれば、取引量を増やしながら保険料の一部を外部資本に再々保険で渡せる。
保険技術企業への出資と引受能力の提供が組み合わさることも大きい。資金だけを出す投資家は多いが、顧客の新商品を運用できる保険資本を持つ投資家は限られる。好成績を収めた投資先を長く育てれば、同社には引受利益と持分価値の二つが残る。売上成長を急いで損害率を悪くする危険はあるが、契約の収益率を先に見る経営なら抑えられる。
ソラスグラスは買い持ちに頼らず、売り持ちとマクロ取引で市場の誤りを利益に変えられる。2021年以降の運用成績が強かったことは偶然だけではないかもしれない。自己資本が厚くなれば保険の信用力も上がり、さらに良い契約を選べる。配当を急がず、割安と判断できる時に買い戻しを進めるなら、保険と運用の二つが相互に強くなる余地は十分にある。
慎重な見方
この会社が失ってきたものは、時間とともに増えた自己資本ではなく、その資本を安心して任せられるという確信だ。2015年と2018年には運用と引受の悪化で大きな赤字を出し、近年の好成績を含めても長い期間のROEは低い。2025年の引受採算は良かったが、2026年4〜6月期には中東の危険と災害で再び引受益を失い、同時に運用損まで出した。利益が二重に振れる構造は変わっていない。
再保険料率は買い手に有利な局面へ移っている。大手には高度な災害模型と幅広い販売網があり、投資家からの代替資本も加わる。同社が新しい契約を取るために引受基準を緩めれば、保険料が増えても純利益は減る。新興保険会社の引受では、プログラムの規模が育つ前に相手が撤退することもある。私募の出資持分には売りたい時に売れない危険もある。
運用面では、過去の好成績を未来へ移す理屈が弱い。運用ファンドの創設以来の成績は年5%台半ばにとどまり、管理・成功報酬もかかる。しかもファンドと会長側の持分関係が密接で、会社が優先すべき保険資本と運用の独立性に緊張がある。現金の大半は拘束された担保であり、簿価全額を自由に還元することもできない。自己資本割れの株価だけを根拠に買うには、取り分が不確かすぎる。
どちらに重みを置いたか
信用格付けの改善とイノベーションズの販路拡張には実体があり、10年後も再保険会社として残る可能性は高い。しかし純資産を増やす力は運用成績と引受循環の双方に依存する。2026年の損失は、その弱さを改めて示した。
したがって楽観とやや楽観は計28%、中立33%、やや悲観と悲観は計39%とし、やや慎重に寄せた。AI代替そのものではなく、資本の薄さと同時損失、料率の軟化を重く見ている。利益を株主に戻す制度が弱い点も差し引いた。10年の加重価値は基準時価総額を約13%下回り、結論は「やや割高」である。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 23.22 ドル8 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 6.00 ドル2 億ドル)。 今の値に割り戻すと 13.18 ドル4 億ドル、今との差 −10.1%、 期待の年率 +8.2%(資本コスト 9.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 49.16 ドル16 億ドル | 13.59 ドル5 億ドル | +328.0% | +18.7% | 5.65 ドル2 億ドル |
| やや楽観 | 19% | 37.45 ドル12 億ドル | 10.57 ドル4 億ドル | +227.6% | +14.9% | 9.12 ドル3 億ドル |
| 中立 | 33% | 25.27 ドル8 億ドル | 7.25 ドル2 億ドル | +121.8% | +9.6% | 10.73 ドル4 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 9.06 ドル3 億ドル | 1.51 ドル1 億ドル | −27.9% | −3.4% | 2.64 ドル1 億ドル |
| 悲観 | 14% | 7.72 ドル3 億ドル | 0.00 ドル0 億ドル | −47.3% | −6.2% | 1.08 ドル0 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 23.22 ドル8 億ドル | 6.00 ドル2 億ドル | +99.4% | +8.2% | 29.23 ドル10 億ドル |
今の株価時価総額 14.66 ドル5 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 楽観:信用力を足場に選別成長と運用収益を両立 利益 2 億ドル · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 49.16 ドル16 億ドル
信用力の向上が実際の契約獲得へ結び付く。オープンマーケットの実質危険量は2025年から19%増え、保険料率も10年で50%上がる。大型損害を十分に織り込んだ引受が定着し、コンバインドレシオは91.5%まで改善する。大手のような市場支配力はないが、引受を断れる規律とニッチの専門性で単価を守る。
イノベーションズではロイズ第3456シンジケートの本格稼働が取引を増やす。実質の契約量は2倍強となり、他社への再々保険を使って保険資本の消費を抑える。保険技術企業の一部は成功し、出資持分からも利益が生まれる。ただし架空の大型買収益は足さない。
ソラスグラスへの投資元本は8.6億ドルへ増え、年9.2%の投資利益を残す。これは強い運用成績が続く場合である。成熟後の純利益は約1.55億ドルとなり、十分な利益を残しながら10年間で正味4.5億ドルを買い戻しなどに返す。規制資本が厚くなる分、将来の引受機会も増える。
- オープンマーケット再保険:数量 6.9(2025年不変料率の世界再保険エクスポージャー×同社の正味既経過シェア(億ドル相当))× 価格 1.50(同じ危険1単位に対する再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。危険量と料率を分離し、事故・取得費は損害率へ反映
- イノベーションズ再保険:数量 1.8(2025年不変料率の新興保険プログラム受再エクスポージャー(億ドル相当))× 価格 1.48(同じ危険1単位に対する正味再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。プログラム引受と再々保険後の採算
- ソラスグラス株式・マクロ運用:数量 8.6(同社に帰属するソラスグラス投資元本の時価(億ドル))× 価格 0.09(投資持分に対する1年の費用控除後リターン(実現・評価損益を含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。期中投資元本と手数料控除後運用利回り
- 担保預金・債券の利息:数量 10.3(担保現金・非拘束現金・保有債券の合計運用残高(億ドル、名目))× 価格 0.04(担保運用資産の実効年利回り)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。担保と債券の名目残高×一定の短期利回り
倍率:k9.5%、2035年ROE約11.5%、moat弱の超過収益残存1/3からRONIC約10.17%。2035年以降のg4.0%は世界再保険需要の実質+0.5%、専門分野シェア+0.2%、保険料の名目+3.3%を合成。正当化PER(1−g/RONIC)÷(k−g)×(1+g)は約11.47倍。好調な運用が恒常化する確信がないため上限の約92%の10.5倍。保険会社の運用資産と拘束現金を別枠では加算しない。
確率:格付けAと2027年ロイズの拡張が数量を押し上げ、損害率改善と運用年9.2%が同時に続く条件は厳しい。運用会社の創設以来の実績を大きく上回るため9%とした。
やや楽観 19% やや楽観:良い契約の獲得が続き、利益が厚くなる 利益 1 億ドル · PER 10.0 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 37.45 ドル12 億ドル
新興保険会社向けの引受が順調に広がる。オープンマーケットの実質リスク量は約11%増え、料金は物価をやや上回る46%上昇を確保する。引受利益率は7%に落ち着き、2025年の良い年より少し厚い利益を生む。大手との争奪戦でシェアを大幅には取れないが、格付けの信用が契約の質を改善させる。
イノベーションズの実質量は約75%増える。ロイズの販路と再々保険契約に支えられ、損害率を悪化させず保険料を増やせる。未上場の出資持分は一部が換金できる一方、大きな一時売却益は当てにしない。成長を買収に頼らず、既存の保険プログラムを広げる。
ソラスグラスは費用控除後で年8%を稼ぎ、投資持分は7.8億ドルへ増える。拘束預金からの利息も続き、純利益は約1.24億ドルへ上がる。10年間の正味還元は3.5億ドルで、自己資本の積み増しと両立する。利益率が改善しても価格を自由に決められる企業にはならず、競争の影響を織り込む。
- オープンマーケット再保険:数量 6.4(2025年不変料率の世界再保険エクスポージャー×同社の正味既経過シェア(億ドル相当))× 価格 1.46(同じ危険1単位に対する再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 9 億ドル・営業利益 1 億ドル。危険量と料率を分離し、事故・取得費は損害率へ反映
- イノベーションズ再保険:数量 1.5(2025年不変料率の新興保険プログラム受再エクスポージャー(億ドル相当))× 価格 1.45(同じ危険1単位に対する正味再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。プログラム引受と再々保険後の採算
- ソラスグラス株式・マクロ運用:数量 7.8(同社に帰属するソラスグラス投資元本の時価(億ドル))× 価格 0.08(投資持分に対する1年の費用控除後リターン(実現・評価損益を含む))→ 売上 1 億ドル・営業利益 1 億ドル。期中投資元本と手数料控除後運用利回り
- 担保預金・債券の利息:数量 9.7(担保現金・非拘束現金・保有債券の合計運用残高(億ドル、名目))× 価格 0.04(担保運用資産の実効年利回り)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。担保と債券の名目残高×一定の短期利回り
倍率:k9.5%、期末ROE約9.78%、弱い堀の残存1/3よりRONIC約9.59%。長期g3.5%は再保険の実質市場+0.5%、専門領域のシェア横ばい、名目料率+3.0%を合成。正当化PERの上限は10年目利益基準で約10.96倍。連続した運用成果への慎重さから上限の約91%とする。
確率:A格付けとロイズの販路が実際に増益へつながる余地はあるが、料率競争と運用の不確実性を考え、楽観に比べ現実味が高い19%。
中立 33% 中立:引受は安定するが運用に高い期待はしない 利益 1 億ドル · PER 9.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 25.27 ドル8 億ドル
再保険市場そのものは緩やかに伸びるが、契約料率の競争で同社の取り分は大きく増えない。オープンマーケットの実質危険量は10年で約5%増にとどまる。価格は物価並みの41%上昇で、コンバインドレシオは94.8%となる。2025年の採算を常に再現するのではなく、2026年の大事故を含めた平年の稼ぎに近づく。
イノベーションズは第3456シンジケートと再々保険を利用して、新しい顧客の危険量を約44%増やす。料金は物価並みだが、競争で超過利益は薄い。未上場の持分価値を過大評価せず、保険料と引受利益が育つ範囲で設備や小規模出資を続ける。無理な大型買収や資本注入には進まない。
ソラスグラスの長期利回りは年6.4%とし、最近の高成績をそのまま続けない。担保資産の利回りは3%台後半が続く。2026年の低収益を経て10年目の純利益は0.89億ドルへ回復し、期間の累計利益は7.45億ドルと見る。正味2.4億ドルを買い戻しで返しながら、自己資本は約12億ドルへ増える。
- オープンマーケット再保険:数量 6.0(2025年不変料率の世界再保険エクスポージャー×同社の正味既経過シェア(億ドル相当))× 価格 1.41(同じ危険1単位に対する再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。危険量と料率を分離し、事故・取得費は損害率へ反映
- イノベーションズ再保険:数量 1.2(2025年不変料率の新興保険プログラム受再エクスポージャー(億ドル相当))× 価格 1.41(同じ危険1単位に対する正味再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。プログラム引受と再々保険後の採算
- ソラスグラス株式・マクロ運用:数量 7.4(同社に帰属するソラスグラス投資元本の時価(億ドル))× 価格 0.06(投資持分に対する1年の費用控除後リターン(実現・評価損益を含む))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。期中投資元本と手数料控除後運用利回り
- 担保預金・債券の利息:数量 9.1(担保現金・非拘束現金・保有債券の合計運用残高(億ドル、名目))× 価格 0.04(担保運用資産の実効年利回り)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。担保と債券の名目残高×一定の短期利回り
倍率:k9.5%、期末ROE0.89÷12.03=約7.40%で資本コスト未満。弱い堀のRONICは約8.80%。長期g3.0%は世界市場の実質量+0.5%、同社シェアの低下−0.5%、名目料率上昇+3.0%とし、ROE×留保率からは作っていない。ROEがk未満なので上限を1÷k=10.53倍へ抑え、その約89%の9.4倍とする。投資持分や担保現金を別に加算しない。
確率:需要の実質成長は小さく、大手との競争で取り分は伸びにくい。一方でA格付けの価値とロイズ販路には実績があり、成長と費用の中間の道として33%。
やや悲観 25% やや悲観:再保険競争で引受利益がほぼ消える 利益 0 億ドル · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 9.06 ドル3 億ドル
大手再保険会社と投資家資本が同じ契約を取り合い、料率の戻りが鈍くなる。オープンマーケットの実質危険量は11%減り、価格の上昇も物価以下の25%にとどまる。コンバインドレシオは98.8%まで上がり、契約を増やしても株主に残る利益が薄い。過年度の賠償責任準備金を積み直す年があり、単年度赤字を挟む。
イノベーションズは事業として残るが、新興保険会社の撤退と競争で採算が悪化する。ロイズでの保険引受は続けられても、外部へ渡す再々保険が高くつき、部門の引受は小幅赤字となる。ソラスグラスは運用不振と払い戻しで投資持分が4.3億ドルへ縮み、利回りも年3.5%しか得られない。
10年目の純利益は約0.23億ドルで、資本コストを大きく下回る。経営は大きな自社株買いを控え、累計の正味還元は0.5億ドルにとどめる。成長性の弱い純資産を額面どおりには買えないが、解約や保険金を処理した後に売れる資産はなお残る。構造的に弱くなった保険会社として価値を測る。
- オープンマーケット再保険:数量 5.1(2025年不変料率の世界再保険エクスポージャー×同社の正味既経過シェア(億ドル相当))× 価格 1.25(同じ危険1単位に対する再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。危険量と料率を分離し、事故・取得費は損害率へ反映
- イノベーションズ再保険:数量 0.9(2025年不変料率の新興保険プログラム受再エクスポージャー(億ドル相当))× 価格 1.22(同じ危険1単位に対する正味再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。プログラム引受と再々保険後の採算
- ソラスグラス株式・マクロ運用:数量 4.3(同社に帰属するソラスグラス投資元本の時価(億ドル))× 価格 0.04(投資持分に対する1年の費用控除後リターン(実現・評価損益を含む))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。期中投資元本と手数料控除後運用利回り
- 担保預金・債券の利息:数量 7.4(担保現金・非拘束現金・保有債券の合計運用残高(億ドル、名目))× 価格 0.04(担保運用資産の実効年利回り)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。担保と債券の名目残高×一定の短期利回り
倍率:ROE約2.3%でk9.5%を大きく下回るため、積み上がった2035年の自己資本9.88億ドルに資本倍率を掛けない。稼ぐ力は0.23÷0.095=約2.42億ドル、処分可能資産の税後純額の床は3.00億ドル。大きい方の3.00億ドルを採用し、2025年末の自己資本7.1億ドルに対する表示倍率は約0.423倍。過去の谷のPBRを根拠にはしない。
確率:2026年の軟化した更新料率と、長期に起こる大事故を考えると、引受マージンの構造的縮小は十分起こり得る。全部の資本を失うほどではないため25%。
悲観 14% 悲観:保険準備金不足と運用損で資本を毀損 利益 0 億ドル · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 7.72 ドル3 億ドル
再保険資本が余り、料率は物価に大幅に遅れる。オープンマーケットの実質危険量は2025年より27%減り、価格は10年で9%しか上がらない。引受のコンバインドレシオは106%に悪化し、古い契約の支払保険金も想定を上回る。保険子会社の格付けが下がり、大手ブローカーからの紹介が減るため、新しい契約で穴を埋められない。
新興保険会社向けの事業でも撤退が増え、引受量は大幅に細る。小規模な持分先の価値は減損し、利益を生む顧客基盤へ育たない。ソラスグラスでは買いと売りの両方が外れ、投資残高は2.8億ドルへ縮小する。費用控除後の運用利回りは年1.2%にとどまり、保険資本の毀損を補えない。
2035年にも会社は存続するものの、純損失は年0.34億ドルとなる。2027〜30年の準備金積み増しや運用損約3億ドルと、その後の一部回復を合わせて10年間の累計純損失は1.8億ドルに及ぶ。買い戻しは止まり、株主還元はゼロにする。残る価値は契約者債務を処理した後の換金可能資産だけであり、以前の収益力には戻れない。
- オープンマーケット再保険:数量 4.2(2025年不変料率の世界再保険エクスポージャー×同社の正味既経過シェア(億ドル相当))× 価格 1.09(同じ危険1単位に対する再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。危険量と料率を分離し、事故・取得費は損害率へ反映
- イノベーションズ再保険:数量 0.5(2025年不変料率の新興保険プログラム受再エクスポージャー(億ドル相当))× 価格 1.12(同じ危険1単位に対する正味再保険料率指数(2025年=1))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。プログラム引受と再々保険後の採算
- ソラスグラス株式・マクロ運用:数量 2.8(同社に帰属するソラスグラス投資元本の時価(億ドル))× 価格 0.01(投資持分に対する1年の費用控除後リターン(実現・評価損益を含む))→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。期中投資元本と手数料控除後運用利回り
- 担保預金・債券の利息:数量 5.8(担保現金・非拘束現金・保有債券の合計運用残高(億ドル、名目))× 価格 0.04(担保運用資産の実効年利回り)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。担保と債券の名目残高×一定の短期利回り
倍率:継続利益が赤字なのでPERは使わない。2035年自己資本5.18億ドルに市場由来のPBRを掛けず、今の自己資本7.1億ドルを基準に0.36倍として時価総額2.556億ドル。根拠は2035年に保険金支払後でも回収できる税後資産の残額約2.56億ドルで、過去の谷のPBRではない。期間の利益と還元を合算しても今の時価総額を下回る。
確率:2015年と2018年の大損失が再発し、運用・引受の不調が10年にわたり重なる重い筋書き。直近の格付け改善が全く無意味になるとまでは見ないため14%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
オープンマーケット再保険
世界の元受保険会社から、財物、特殊危険、金融、賠償責任などを再保険として引き受ける。ブローカーとロイズを介した契約が中心。
| 数量2025年不変料率の世界再保険エクスポージャー×同社の正味既経過シェア(億ドル相当) | 価格同じ危険1単位に対する再保険料率指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.8 | 1.00 | 6 | 0 |
| 10 年後 中立 | 6.0 | 1.41 | 9 | 0 |
取り方:2025年10-Kでオープンマーケットの正味既経過保険料5.76032億ドル、総引受保険料6.52229億ドル、引受益0.37636億ドル。契約件数と保険金額の統一単位は非開示のため、世界市場2024年約3,947億ドルから2025年約4,100億ドルと推定し、正味既経過換算シェア約0.1405%を掛けた実質リスク量5.76032を数量代理にする。総引受保険料でのシェアは約0.159%。価格は物価と料率改定のみで動かし、保険金・取得費は利益率で動かす。
イノベーションズ再保険
新興保険会社・総代理店に再保険引受能力を供給する。ロイズ第3456シンジケートの引受と少額の戦略出資を含む。
| 数量2025年不変料率の新興保険プログラム受再エクスポージャー(億ドル相当) | 価格同じ危険1単位に対する正味再保険料率指数(2025年=1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.9 | 1.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1.2 | 1.41 | 2 | 0 |
取り方:2025年10-Kで総引受保険料1.21598億ドル、正味既経過保険料0.85626億ドル、引受損失0.00177億ドル。プログラム契約数・共通の保険金額は開示なし。世界再保険市場4,100億ドルを共通分母として正味既経過換算シェア約0.0209%を計算するが、独立したイノベーション市場のシェアではない。2026年出再割合33%、2027年ロイズ本格移行を数量に反映。価格指数に出再を二重計上しない。
ソラスグラス株式・マクロ運用
関係会社運用の長短両建て・マクロ戦略への投資持分。価値変動をその年のGAAP投資損益として受け取る。
| 数量同社に帰属するソラスグラス投資元本の時価(億ドル) | 価格投資持分に対する1年の費用控除後リターン(実現・評価損益を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.0 | 0.07 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 7.4 | 0.06 | 0 | 0 |
取り方:2025年10-Kで同社持分5.04555億ドル、持分利益0.35711億ドル。年末元本を単純分母とする収益率約7.08%を価格とした。ファンド公表の時間加重利回り7.5%とは拠出と払戻しの期中変動で差が出る。利回りは物価1.41倍を重ねず、強気には年9%台、通常は年6%台として創設以来の約5.5%と直近高成績の中間に置く。
担保預金・債券の利息
再保険取引の信託や信用状の裏付けに置く現預金・債券からの利息。契約者に備える資産で自由な余剰現金ではない。
| 数量担保現金・非拘束現金・保有債券の合計運用残高(億ドル、名目) | 価格担保運用資産の実効年利回り | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 7.1 | 0.03 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 9.1 | 0.04 | 0 | 0 |
取り方:2025年10-Kで総現金・制限現金6.43732億ドルと債券0.65609億ドルの合計7.09341億ドル。ソラスグラス以外の純運用収入0.24457億ドルを割り、実効利回り約3.45%。2026年上半期は制限現金約5.27億ドルで、信託・信用状の担保に充てられる。残高の伸びは保険契約量と留保利益を反映した名目の資産増であり、利回りを物価で1.41倍にしない。
リスクと懸念
引受の薄い利益と再保険の軟調な料率
再保険料が2026年から競争で下がり始めた。世界の財物災害再保険の1月更改料率は約15%下落した。大手と代替資本が契約を取り合う中、同社の2021〜25年の平均損害率は利益余裕がわずかな98.7%だった。保険金・手数料を1〜2ポイント見誤るだけで黒字が消えるため、保険料増加をそのまま利益増とみなせない。
運用ファンドの損益変動と関係者手数料
ソラスグラスへの投資持分は2026年6月に約4.93億ドルで、純資産の大きな割合を占める。2025年は7.5%の利回りだったが2026年上半期は1.1%に鈍り、4〜6月期は損失となった。運用会社との関連当事者契約には基本・成功報酬があり、保険事業の危険と市場運用の危険が同じ株主資本に重なる。
担保現金を余剰資本と誤認する危険
台帳の現金等約6.4億ドルは一見すると時価総額より大きい。しかし2026年6月末の現金等約6.03億ドルのうち約5.27億ドルは信用状や信託を支える制限資金だった。保険金支払に備える債券やソラスグラス持分も同じ貸借対照表にあるため、現金を株主への即時還元可能額として利益に二重加算してはいけない。
災害・訴訟費用と過年度の準備金不足
2026年4〜6月期は中東に関連する事案と自然災害で損害率が悪化し、全社コンバインドレシオが100.1%となった。財物だけでなく金融や賠償責任の契約では、数年後に過去の保険事故の負債が膨らむ可能性がある。再々保険で外部へ危険を渡しても、相手先の支払能力と回収の時期に左右される。
新興保険会社投資の評価と出口の不透明さ
イノベーションズは保険技術企業の引受先と出資先をつなぐ魅力的な仕組みだが、立ち上げ企業の失敗確率は高い。2026年6月末のその他投資には約0.65億ドルの未上場持分があり、同年上半期にも評価減が生じた。売れる市場がない資産は帳簿価値を回収できず、ロイズ第3456シンジケートの拡張も予想外の追加資本を求め得る。
関連者との資本配分と少数株主の取り分
会社は2026年に市場の買い戻しに連動して会長の関係信託から株を買う契約を結んだ。買値は市場の加重平均に連動するが、税務上の事情で大株主の持分比率を保つ仕組みである。投資顧問料、未上場投資の評価、将来の自己株買いの水準が少数株主の利益と一致しているかを確かめる必要がある。
格付け低下・監督規制とAIによる価格競争
2025年のA格付けは保険契約を取る大切な条件だが、大型損失で信用格付けが下がれば、元受保険会社はより信用力の高い再保険会社へ契約を移す。ケイマン、アイルランド、ロイズの規制と担保要求も変わり得る。AIは保険契約の引受責任そのものを代替しないが、見積もりと危険選別を低価格化させ、弱い値決め力をさらに削りかねない。
今後の分かれ目
- オープンマーケットの2年通算コンバインドレシオが95%以下で、保険料率軟化期にも正味保険料が増える
- 格付けと引受選別に実効性があると判断する。中立の引受利益率を引き上げ、やや楽観の確率を増やす根拠になる。
- ロイズ第3456シンジケートが2027年に本格移行し、出再33%を維持したまま既経過保険料が年率5%以上増える
- イノベーションズが小さい資本で数量を増やせる証拠となる。新規プログラムの損害率を確認したうえで数量の上振れを認める。
- ソラスグラスの5年移動平均の費用控除後利回りが4%以下となり、同時に保険の損害率が100%を超える
- 同時損失の構造が固定化したと判断し、中立の運用収益と利益を下げ、やや悲観・悲観の確率を増やす。
- 事故のない更新期でも財物・特殊危険の再保険料率が2年続けて大幅に低下する
- 単価上昇が物価に追いつかない筋書きへ寄せる。保険料の名目増収だけでは数量・料率の競争に勝ったと判定しない。
- 2026年以降も規制担保比率を維持し、運用持分に過度に集中せず、純資産に対して過大な自社株買いをしない
- 将来の買い戻しが保険事業の資本不足を招く危険が薄れ、正味還元の持続性をより高く見積もれる。
- 大口事故で再保険回収が遅れ、信用状の必要担保が増え、格付け見通しが引き下げられる
- 拘束現金の解放を期待できなくなる。資産処分時の回収額と数量シェアを同時に減らし、悲観側の床も再計算する。
見ておくもの
- オープンマーケットとイノベーションズそれぞれの正味既経過保険料、出再割合、コンバインドレシオ
- 大規模災害と中東・賠償責任関連損害、過年度準備金積み増しの額
- ソラスグラスの月次・年次の費用控除後運用成績と投資持分の残高
- 現金・制限現金・担保債券・保険金準備金のバランス
- ロイズ第3456シンジケートの2027年移行と引受・費用率
- A.M. Bestの格付けAと見通し、主要ブローカーからの引受案件
- 自社株買い枠の実行額、会長関係信託への買い戻し、希薄化後の正味還元
- 2026年11月2日発表予定の7〜9月期決算における投資収益と損害率
倍率と資本コストの決め方
時価総額や過去・同業のPER/PBRを出発点にせず、2025年の部門別正味既経過保険料と運用元本を2025年不変料率の実質数量・名目価格に分け、2035年の引受損害率と投資利回りから純利益を求めた。資本コストは基本8.0%と企業の質+1.5%から9.5%。将来の市場量・シェア・単価による長期gは最大4.0%とし、弱い堀のRONICでPER上限を確認した。中立はROEがk未満なのでPERを10.53倍以下に抑える。現金約6.4億ドルは保険担保と支払準備に必要で余剰扱いしない。悲観側は増えた将来自己資本でPBR床を水増しせず、2025年自己資本7.1億ドルと税後処分可能資産を照合した。結果の約13%の割高判定に合わせて文章も検算した。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。基本8.0%+quality1.5%=9.5%。同じ再保険領域の大手エベレストの9.0%より高いのは、引受利益の薄さと運用の二重の循環による。信用格付けの改善は数量と損害率に入れ、個別の人事・運用契約リスクをkへ追加しない。