結論
S&P グローバルは、世界の債券の信用格付(レーティング)、株価指数(S&P 500 など)、エネルギー・商品の価格指標(プラッツ)、金融データと分析(マーケット・インテリジェンス)の 4 事業を持つ。2026 年 7 月 1 日に自動車データのモビリティ部門を株主へ 1 対 1 で分離し、今の会社は売上約 136 億ドル、調整後の営業利益率 50% 超の「ほぼ通行料」型の事業になった。4〜6 月期(モビリティ除く)の売上は 36.8 億ドル(前年比 +11%)、調整後営業利益率 54%。レーティングが +17%、指数が +20% と伸び、データ中心の MI は +6% にとどまる。2026 年の通期ガイダンスは売上 +5.9〜7.9%、投資家説明会(2025 年 11 月)の中期目標は有機売上 +7〜9%。
2026 年 2 月に AI エージェントがデータ提供会社の価格決定力を奪うとの見方で株価は急落し、年初来で約 16% 安い。バリュー投資の観点では、レーティング(利益の約 4 割強)と指数(約 2 割弱)はほぼ寡占で AI に置き換えにくく、守りが厚い。傷むとすれば MI の契約単価と更新率で、ここを楽観・悲観の分かれ目にした。
数量×価格で積むと、中立の 10 年後は売上 約 258 億ドル(年 +6.6%、経営の目標 7〜9% の下限をやや下回る)、純利益 約 92 億ドル。資本コスト 7.75%(基本 8.0% + quality −0.25%)・g 4%・ROE 約 34% の式で、二強の寡占で資本コストを超える稼ぎは新しく投じるお金でも 2/3 残る強い堀として正当化 PER は約 22.4 倍。その 8.2 割の約 18.4 倍に置き、時価総額は約 1,693 億ドル。確率をかけて割り引いた本質価値は今の時価総額を約 4% 下回り、期待の年率は 6.0% で、総合は『適正』の範囲(割高寄り)に入る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点ではまず 10 年後を問う。債券は 10 年後も発行され、格付は必要とされ、指数は ETF の基準であり、エネルギーの価格評価も残る。レーティングと指数は今より強い位置にいる見込みが高く、堀は広がるか保たれる。MI だけは堀が狭まる可能性があり、全体の確信度はこの部分で下がる。
次にオーナー利益。事業が必要とする設備投資は売上の 1〜2% で、利益の大半は株主のものになる(還元性向は純利益に近い)。だから成長に必要な自己資本は軽く、買い戻しで自己資本が縮んでも事業の力は落ちない。ただし式の ROE には買収で積んだのれんも含め、帳簿の自己資本 ROE(20% 台〜30% 台)で倍率を出した。除くと倍率が跳ね上がり、二重に数えることになる。
経営の資本配分は、分離で事業を絞ったことは評価できる。一方で借入を足して 70 億ドルを買い戻す動きは、株価が妥当なら価値を足さない。割安のときに限って効く。
安全域:利益ベースの式の PER で出した 10 年の価値は、今の時価総額を約 4% 下回り、余裕はない。楽観で今の約 1.9 倍、悲観では約 6 割減る。今の値段は『良い会社を適正な値段で買える』水準で、AI への懸念が行き過ぎていれば上に、MI が本当に崩れれば下に振れる。確信度は中〜高。
何で稼ぐ会社か
収益は 4 つの部門から成る。
レーティング(2025 年売上 47 億ドル、調整後営業利益率 65%):企業・政府・金融機関・証券化商品の信用格付を付け、発行体から新規の格付料と毎年の監視料を取る。債券の発行額が増えれば新規料が伸び、残高に応じた監視料は景気に左右されにくい。インドのクリシル(Crisil)も含む。
指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス、売上 18.5 億ドル、利益率 70%):S&P 500 などの指数を ETF・投信・デリバティブに使わせ、連動資産残高に対する料率と取引所のデリバティブの取引量連動の料金を取る。CME グループとの合弁で、その持ち分(約 27%)は非支配持分として利益から引かれる。
エネルギー(売上 25 億ドル、利益率 46%):原油・ガス・石油製品・金属の価格評価(プラッツ、49%)と調査・分析(CERA)、石油価格の OPIS 等。契約と価格評価がエネルギー取引の決済価格の基準に使われる。
マーケット・インテリジェンス(売上 47 億ドル、利益率 33%):キャピタル IQ・コンピュスタット・SNL・ビジブル・アルファ・ウィズ・インテリジェンスなど、金融機関向けのデータとワークフロー。売上の大半が年間更新のサブスクリプション。2026 年に『Kensho Data』と『Platforms』の 2 本立てに再編され、AI で使いやすいデータ提供(LLM 向け API)へ寄せている。
全社の営業利益の約 6 割を、利益率の高いレーティングと指数が生む。残りのうち MI は利益率を 33% から 4 割弱へ上げる余地があり、ここが利益の伸びの源になる。
優良さと弱いところ
堀は 4 つとも種類が違う。レーティングは規制上の認定(NRSRO)と、投資家・発行体の双方が S&P かムーディーズ(Moody's)の格付を求める慣行で守られ、2 社で市場の約 8 割(業界ノート)。第 3 位のフィッチ(Fitch)が 10 年以上かけても大きくシェアを上げられなかった。利益率 65〜68% はムーディーズの格付部門と並ぶ最高水準。
指数は『S&P 500』という看板が先物・オプション・ETF の全市場の共通語になっており、使う側が乗り換えると過去との比較が切れる。MSCI、FTSEラッセル(FTSE Russell)が競合だが、米国の大型株ではほぼ代替がない。
エネルギーのプラッツは、取引の決済価格に契約で組み込まれる評価価格で、価格の信頼性そのものが堀。MI は堀が最も薄い。ブルームバーグ、LSEG、ファクトセット(FactSet)と競い、AI が同じ分析を安くできるなら単価と更新率が下がる。2026 年 4〜6 月期は大手顧客の更新が AI・知的財産の条件交渉で長引いたと会社が述べている。
資本効率:帳簿の自己資本利益率は約 14%(2025 年)だが、2022 年の IHS マークイット統合で自己資本にのれんが載っており、分離と 70 億ドル超の買い戻しで自己資本が縮むと 20% 台まで上がる。事業そのものが必要とする設備投資は売上の 1〜2% と軽い。弱点は、買収(ウィズ・インテリジェンス約 18 億ドルなど)を続けるのでのれんが積み上がる点と、MI の利益率が同業より低い点。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
市場は『信用・指数・価格・データ』の 4 つの別々の市場に分かれる。
債券の発行:世界の社債発行は年 8〜9 兆ドル(推定)。2026 年は AI のデータセンター向けの起債(ハイパースケーラーの発行見通しを会社は 2,500〜3,000 億ドルへ引き上げ)と企業の借り換えの壁で投資適格債の発行が前年比 +12% 前後。長期金利が 5% 前後で下がらないため、借り換えを先延ばしにする動きと、返済が重い企業の格付見直し(監視料の増加)が同時に起きる。景気の悪化で発行が 3 割減るとレーティングの新規料は落ちるが、監視料(売上の約半分と推定)は残る。
指数:株式の ETF・パッシブへの資金流入が続き、資産残高に連動する料が伸びる。一方、運用会社が自前の指数やダイレクト・インデックスで料率を下げる圧力があり、価格は物価に届かない前提とした。デリバティブの取引量は金利と株価の変動で増える。
エネルギー:価格評価の需要は、石油・ガスに加え電力・炭素・金属へ広がる。ただし契約件数の伸びは緩やか。
データ:金融機関のデータ予算は伸びるが、生成 AI が分析ソフトの使い方を変えている。2026 年 2 月、アンスロピック(Anthropic)が業務自動化のプラグインを出し、S&P・ムーディーズ・MSCI・ファクトセットの株価が急落した。AI の側が生のデータを欲しがるので、データを持つ会社が AI 企業へ『データを売る』形で儲けられるか、AI に抜かれるかが 10 年の論点。
競争の形:レーティングは S&P とムーディーズの二強にフィッチが続く寡占。指数は S&P・MSCI・FTSEラッセルの三強。エネルギーの価格評価は S&P(プラッツ)が最大で、アーガス(Argus)が追う。
資本政策と M&A
資本政策は積極的で、投資家説明会で調整後フリー・キャッシュフローの約 85% を配当と自社株買いで返す方針を示した。2026 年の自社株買いは 70 億ドル超(上半期 15 億ドル済み)と、モビリティ分離で受け取る約 19.7 億ドルの現金と新規の借入で賄う。時価総額の 5% 超に当たり、純負債は 110 億ドル前後から 130 億ドル前後(調整後 EBITDA の約 1.6 倍と推定)へ増える。
配当は年 11 億ドル前後で、配当性向は 2 割台と低い。還元の主役は自社株買いで、株価が割安なほど効く。ただし 2022 年の統合直後は自社株買いを割高な株価で行った時期もあり、買う値段を意識する経営かは見ておく。
M&A:2022 年に約 440 億ドルの株式交換で IHS マークイットを統合し、その後 OSTTRA 持ち分の売却、モビリティの分離と、事業を絞っている。小さな買収(ウィズ・インテリジェンス、ビジブル・アルファ、データセンターホーク、アグスト)は続く。大型買収より分離と買い戻しの路線で、大きな価値毀損を起こす可能性は下がった。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 15.0 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
レーティングは、AI・データセンターの巨額起債、企業の借り換えの壁、プライベート・クレジットの格付需要で、発行量が 10 年で 1.5 倍近くまで伸び、価格も物価を 1 割強上回って上がる。S&P はムーディーズと並ぶ二強のまま、新興の KBRA などにシェアを奪われない。2026 年 4〜6 月期の利益率 68% が示すとおり、売上の増加分の大半が利益になる。
指数は、パッシブ運用の拡大が続き、S&P 500 連動資産と先物・オプションの取引量が 10 年で 2 倍近くになる。年 10〜12% 成長という経営目標は ETF の市場上昇を織り込むもので、達成の確度は高い。エネルギーは電力・炭素・金属への拡張で契約が増え、価格評価の信頼性で値上げが通る。
MI は、AI が分析の入口になっても、その裏で使われる正確なデータ(Kensho Data の LLM 向け API)は S&P が持つので、AI 企業・金融機関への提供で売上が伸び、利益率が 4 割を超える。AI がデータを使い捨てにする恐れより、データを持つ会社が値上げできる側に回るという見方。
この見方なら 10 年後の純利益は約 117 億ドル、時価総額は 2,453 億ドルと今の約 1.9 倍になり、資本コスト 7.75% の割引でも本質価値は今を上回る。
慎重な見方
MI は堀が薄く、AI エージェントが同じ分析をする時代に、席数ベースの契約が減る。大手顧客の更新が長引いているのは前触れで、契約単価が物価にも届かず、10 年で MI の売上が今より減る。ブルームバーグ・LSEG・ファクトセットとの値下げ競争も重なる。
レーティングは、2026 年の起債ブームが一過性で、AI 投資の資金が尽きると発行が減る。規制当局が格付への依存を減らそうとし、EU や米国で手数料への規制が入る可能性もある。ムーディーズ・フィッチに加え、KBRA や自前の信用評価を持つ大手投資家が安い代替を提供すると、利益率 65% を前提とした価格が重くなる。
指数は、運用会社が自前のカスタム指数で払う料を減らし、MSCI・FTSEラッセルとの料率競争で連動料が物価に追いつかない。ETF の手数料の低下が指数料に及ぶ。
さらに、70 億ドル超の自社株買いを借入で賄っており、利払いが 5.75% に上がる環境で純負債が増える。景気後退で利益が落ちる局面では、買い戻した値段が高かったと見られる。この見方では、10 年後は純利益が約 40〜68 億ドルにとどまり、PER も 14〜16 倍に縮む。
どちらに重みを置いたか
寡占の堀を持つレーティング・指数・エネルギーが利益の約 8 割を占め、AI で置き換わる部分は MI に限られるため、強気の言い分の方がやや強いが、価格決定力が物価を上回り続けるという前提は置かず、中立でも価格は物価並み〜やや上までにとどめた。MI の AI 懸念と、起債の山が過ぎる 10 年後の反動を重く見て、悲観・やや悲観を合わせて 3 割強(32%)に厚くした。確率は楽観側 36%・中立 32%・悲観側 32% で、強気寄りだが慎重さを残した形。倍率は式の上限の 7.8〜9 割に置いたので、10 年の価値は今の時価総額をわずかに下回り、適正の範囲(割高寄り)になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 546.29 ドル1,614 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 221.25 ドル654 億ドル)。 今の値に割り戻すと 411.30 ドル1,215 億ドル、今との差 −7.2%、 期待の年率 +5.6%(資本コスト 7.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 830.23 ドル2,453 億ドル | 265.06 ドル783 億ドル | +147.2% | +9.5% | 131.44 ドル388 億ドル |
| やや楽観 | 24% | 685.41 ドル2,025 億ドル | 246.45 ドル728 億ドル | +110.3% | +7.7% | 223.65 ドル661 億ドル |
| 中立 | 32% | 573.05 ドル1,693 億ドル | 231.21 ドル683 億ドル | +81.5% | +6.1% | 257.36 ドル760 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 381.82 ドル1,128 億ドル | 197.02 ドル582 億ドル | +30.6% | +2.7% | 115.77 ドル342 億ドル |
| 悲観 | 12% | 186.87 ドル552 億ドル | 140.83 ドル416 億ドル | −26.1% | −3.0% | 39.32 ドル116 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 546.29 ドル1,614 億ドル | 221.25 ドル654 億ドル | +73.2% | +5.6% | 767.54 ドル2,267 億ドル |
今の株価時価総額 443.16 ドル1,309 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 12% 楽観:寡占の堀が広がり、MI も AI 向けデータで伸びる 利益 117 億ドル · PER 20.9 倍 · 株価時価総額 830.23 ドル2,453 億ドル
2035 年に売上 約 305 億ドル(年 +8.4%)、純利益 約 117 億ドル。レーティングは発行量 1.47 倍、価格 1.57 倍で売上 109 億ドル(利益率 68%)。指数は連動資産と取引量が約 1.9 倍、価格は料率の低下で 1.40 倍にとどまり売上 50 億ドル(72%)。エネルギーは契約が 1.3 倍、価格 1.57 倍で 51 億ドル。MI は Kensho の AI 向けデータ提供が成長し 95 億ドル、利益率 42% で、ウィズ・インテリジェンスなど買収も加わる。競合のムーディーズ(格付)・MSCI(指数)・ブルームバーグ(データ)に対して、すべての部門で今のシェアを保つ。自己資本が買い戻しで縮み、ROE は帳簿で 40% を超えるため ROIC から直した。
- レーティング(S&P グローバル・レーティング):数量 6.6(S&P が格付する発行量・監視残高を発行額に換算した量(兆ドル)= 世界の格付対象 約 9 兆ドル × S&P の関与率 約 50%(推定))× 価格 17(1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 109 億ドル・営業利益 74 億ドル。起債量×格付料
- 指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス):数量 27.0(S&P 指数に連動する資産と取引量を、資産残高に換算した量(兆ドル相当、物価を除いた実質。推定))× 価格 1.85(1 兆ドル相当あたりの売上(億ドル))→ 売上 50 億ドル・営業利益 36 億ドル。連動資産・取引量×料率
- エネルギー(プラッツ・CERA など):数量 15.5(有料の契約・ライセンス数(千件・推定))× 価格 3.30(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 51 億ドル・営業利益 26 億ドル。契約数×単価
- マーケット・インテリジェンス(キャピタル IQ ほか):数量 38.0(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 2.50(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 95 億ドル・営業利益 40 億ドル。契約数×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 42.4%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 277 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 30.8%、g 4.0%(社債発行量の伸びと格付・指数の手数料の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 23.2 倍で、これが検査の上限になる。帳簿の ROE は自社株買いで自己資本が縮んで高く出るため、上限の割合を低めに取る。格付と指数が稼ぐ高収益の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。 上限の 9.0 割の 20.9 倍に置いた。
確率:AI がデータを使い捨てにせず、データを持つ側に回る最良の筋書き。
やや楽観 24% やや楽観:目標の下の方で達成し、MI は一時落ちても戻る 利益 103 億ドル · PER 19.6 倍 · 株価時価総額 685.41 ドル2,025 億ドル
2035 年に売上 約 278 億ドル(年 +7.4%)、純利益 約 103 億ドル。レーティングは売上 98.6 億ドル(利益率 67%)、指数は 45 億ドル(71.5%)、エネルギー 48 億ドル(50%)、MI は 86 億ドル(利益率 40%)。経営の目標(有機 +7〜9%)の下の方で達成する。起債は 2030 年代前半に AI 投資の山が過ぎて落ち着くが、借り換えと新興国・プライベート・クレジットの格付需要が埋める。MI は更新が 1 度落ち込むが、再編と AI 向けの提供で戻る。競合に対して、レーティングはムーディーズと同じ価格を維持、指数は MSCI との料率競争で少し押される。純利益は年 +8.5% で 2035 年に 103 億ドルへ増え、買い戻しで株数が減るため 1 株の利益はさらに速く伸びる。優良さ(高い利益率と価格を決める力)はほぼ保たれる。
- レーティング(S&P グローバル・レーティング):数量 6.2(S&P が格付する発行量・監視残高を発行額に換算した量(兆ドル)= 世界の格付対象 約 9 兆ドル × S&P の関与率 約 50%(推定))× 価格 16(1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 99 億ドル・営業利益 66 億ドル。起債量×格付料
- 指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス):数量 25.4(S&P 指数に連動する資産と取引量を、資産残高に換算した量(兆ドル相当、物価を除いた実質。推定))× 価格 1.78(1 兆ドル相当あたりの売上(億ドル))→ 売上 45 億ドル・営業利益 32 億ドル。連動資産・取引量×料率
- エネルギー(プラッツ・CERA など):数量 15.0(有料の契約・ライセンス数(千件・推定))× 価格 3.20(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 48 億ドル・営業利益 24 億ドル。契約数×単価
- マーケット・インテリジェンス(キャピタル IQ ほか):数量 36.0(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 2.40(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 86 億ドル・営業利益 35 億ドル。契約数×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 37.4%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 276 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 27.5%、g 4.0%(社債発行量の伸びと格付・指数の手数料の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 22.8 倍で、これが検査の上限になる。格付と指数が稼ぐ高収益の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。 上限の 8.6 割の 19.6 倍に置いた。
確率:経営目標の下の方で達成する中程度の強気。
中立 32% 中立:格付・指数は堀を保ち、MI は AI で伸びが鈍る 利益 92 億ドル · PER 18.4 倍 · 株価時価総額 573.05 ドル1,693 億ドル
2035 年に売上 約 258 億ドル(年 +6.6%、目標の下を少し下回る)、純利益 約 92 億ドル。レーティングは発行量 1.31 倍、価格 1.47 倍(物価 1.41 倍+実質 +4%)で売上 91 億ドル(利益率 66%)。指数は連動資産と取引量 1.7 倍、価格は料率の圧縮で 1.31 倍、売上 41 億ドル(71%)。エネルギーは契約 1.22 倍、価格 1.48 倍で 45.5 億ドル(49%)。MI は契約 1.15 倍、価格 1.48 倍(AI で上げ幅が縮む)で 80 億ドル(38%)。競合に対して、格付は二強、指数は三強の今の位置を保ち、MI は現状の 3 番手争いを続ける。
- レーティング(S&P グローバル・レーティング):数量 5.9(S&P が格付する発行量・監視残高を発行額に換算した量(兆ドル)= 世界の格付対象 約 9 兆ドル × S&P の関与率 約 50%(推定))× 価格 15(1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 91 億ドル・営業利益 60 億ドル。起債量×格付料
- 指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス):数量 23.8(S&P 指数に連動する資産と取引量を、資産残高に換算した量(兆ドル相当、物価を除いた実質。推定))× 価格 1.73(1 兆ドル相当あたりの売上(億ドル))→ 売上 41 億ドル・営業利益 29 億ドル。連動資産・取引量×料率
- エネルギー(プラッツ・CERA など):数量 14.6(有料の契約・ライセンス数(千件・推定))× 価格 3.12(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 46 億ドル・営業利益 22 億ドル。契約数×単価
- マーケット・インテリジェンス(キャピタル IQ ほか):数量 34.5(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 2.32(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 80 億ドル・営業利益 30 億ドル。契約数×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 33.5%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 275 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 24.9%、g 4.0%(社債発行量の伸びと格付・指数の手数料の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 22.4 倍で、これが検査の上限になる。格付と指数が稼ぐ高収益の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。 上限の 8.2 割の 18.4 倍に置いた。
確率:強気と慎重の落としどころ。
やや悲観 20% やや悲観:MI の AI 懸念と価格競争が部分的に現実になる 利益 68 億ドル · PER 16.5 倍 · 株価時価総額 381.82 ドル1,128 億ドル
2035 年に売上 約 209 億ドル(年 +4.4%)、純利益 約 68 億ドル。レーティングは 78 億ドル(利益率 63%)。起債が頭打ちになり、ムーディーズ・KBRA に価格を押され価格は物価に届かない。指数は 34 億ドル(69%)。連動資産は増えるが、価格は 1.23 倍で物価を 1 割強下回る。エネルギー 37 億ドル。MI は契約が横ばいで価格が 1.28 倍(物価を大きく下回る)、売上 60 億ドル(利益率 33%)。AI 懸念が実際の更新率に出る。買い戻しによる利払いで純負債が増える。
- レーティング(S&P グローバル・レーティング):数量 5.4(S&P が格付する発行量・監視残高を発行額に換算した量(兆ドル)= 世界の格付対象 約 9 兆ドル × S&P の関与率 約 50%(推定))× 価格 15(1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 78 億ドル・営業利益 49 億ドル。起債量×格付料
- 指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス):数量 21.0(S&P 指数に連動する資産と取引量を、資産残高に換算した量(兆ドル相当、物価を除いた実質。推定))× 価格 1.62(1 兆ドル相当あたりの売上(億ドル))→ 売上 34 億ドル・営業利益 24 億ドル。連動資産・取引量×料率
- エネルギー(プラッツ・CERA など):数量 13.0(有料の契約・ライセンス数(千件・推定))× 価格 2.85(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 17 億ドル。契約数×単価
- マーケット・インテリジェンス(キャピタル IQ ほか):数量 30.0(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 2.00(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 60 億ドル・営業利益 20 億ドル。契約数×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 25.1%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 273 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 19.3%、g 4.0%(社債発行量の伸びと格付・指数の手数料の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 21.1 倍で、これが検査の上限になる。格付と指数が稼ぐ高収益の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。 上限の 7.8 割の 16.5 倍に置いた。
確率:MI の AI 懸念と寡占事業の価格競争が部分的に現実になる。
悲観 12% 悲観:MI が縮み、格付の堀も侵食される構造的な負け 利益 40 億ドル · PER 13.8 倍 · 株価時価総額 186.87 ドル552 億ドル
2035 年に売上 約 150 億ドル(年 +1.0%)、純利益 約 40 億ドル。MI は AI エージェントが席数ベースの契約を奪い、契約が 2 割減り売上 43 億ドル(利益率 26%)まで縮む。レーティングは起債の減少と規制(EU・米国での依存の見直し)、KBRA・フィッチへのシェア流出で 55 億ドル(利益率 58%)。指数はカスタム指数との料率競争で 23 億ドル(66%)、エネルギー 29 億ドル(40%)。もう寡占の優良企業とは呼べず、ROE も 13% 台に下がる。優良さの根拠だった『物価以上に値上げできる』力が消える筋書き。
- レーティング(S&P グローバル・レーティング):数量 4.4(S&P が格付する発行量・監視残高を発行額に換算した量(兆ドル)= 世界の格付対象 約 9 兆ドル × S&P の関与率 約 50%(推定))× 価格 13(1 兆ドルあたりの売上(億ドル))→ 売上 55 億ドル・営業利益 32 億ドル。起債量×格付料
- 指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス):数量 15.5(S&P 指数に連動する資産と取引量を、資産残高に換算した量(兆ドル相当、物価を除いた実質。推定))× 価格 1.50(1 兆ドル相当あたりの売上(億ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 15 億ドル。連動資産・取引量×料率
- エネルギー(プラッツ・CERA など):数量 11.0(有料の契約・ライセンス数(千件・推定))× 価格 2.60(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 11 億ドル。契約数×単価
- マーケット・インテリジェンス(キャピタル IQ ほか):数量 24.0(有料の契約(千件相当・推定))× 価格 1.80(1 千契約あたりの売上(億ドル))→ 売上 43 億ドル・営業利益 11 億ドル。契約数×単価
倍率:式 PER = (1 − g÷RONIC)÷(k − g)。k 7.75%(基本 8.0% + quality -0.25%)。事業の ROE 13.2%(この筋書きの純利益 ÷ 自己資本 302 億ドル)、残る割合 2/3(強い堀 2/3)で RONIC 11.4%、g 4.0%(社債発行量の伸びと格付・指数の手数料の物価並みの上昇で、長期の名目は 4% 前後。式は g 4% で計算する)。式の値は 17.3 倍で、これが検査の上限になる。格付と指数が稼ぐ高収益の堀を持つが、データ事業は AI で揺らぐ。 上限の 8.0 割の 13.8 倍に置いた。
確率:MI の崩壊と寡占の堀の侵食が同時に起きる構造的な負け。10 年で起きる確率を 1 割強とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
レーティング(S&P グローバル・レーティング)
債券・ローン・証券化商品の信用格付。新規の格付料と毎年の監視料。
| 数量S&P が格付する発行量・監視残高を発行額に換算した量(兆ドル)= 世界の格付対象 約 9 兆ドル × S&P の関与率 約 50%(推定) | 価格1 兆ドルあたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 4.5 | 11 | 47 | 31 |
| 10 年後 中立 | 5.9 | 15 | 91 | 60 |
取り方:2025 年の recast 売上 47.24 億ドル、調整後営業利益 30.76 億ドル(利益率 65%)。市場の発行量 約 9 兆ドル(業界ノート)に S&P の関与率を約 50%(推定)として 4.5 兆ドル相当の量とし、47.24 億ドル ÷ 4.5 = 10.5 を価格とした。ムーディーズと合わせて約 8 割、フィッチが次ぐ。2026 年上期は +15%。
指数(S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス)
S&P 500 などの指数の使用料。連動資産に対する料率とデリバティブの取引量連動の料金。
| 数量S&P 指数に連動する資産と取引量を、資産残高に換算した量(兆ドル相当、物価を除いた実質。推定) | 価格1 兆ドル相当あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 14.0 | 1.32 | 19 | 13 |
| 10 年後 中立 | 23.8 | 1.73 | 41 | 29 |
取り方:2025 年の recast 売上 18.50 億ドル、調整後営業利益 13.01 億ドル(利益率 70%)。連動資産の量と取引量を実質で 14 兆ドル相当(推定)とし、18.5 ÷ 14 = 約 1.32 を価格にした。価格は実質の料率の低下(運用会社の値下げ圧力)を含み、物価並みには上げない。CME グループが合弁の約 27% を持つ。2026 年上期は +18%。
エネルギー(プラッツ・CERA など)
原油・ガス・石油製品・金属の価格評価と調査・分析。
| 数量有料の契約・ライセンス数(千件・推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.0 | 2.10 | 25 | 12 |
| 10 年後 中立 | 14.6 | 3.12 | 46 | 22 |
取り方:2025 年の recast 売上 25.25 億ドル、調整後営業利益 11.59 億ドル(利益率 46%)。契約を 1.2 万件・1 件あたり約 21 万ドル(推定)と置き、1 千契約あたり 2.10 億ドルを価格にした。プラッツが約半分。2026 年上期は +5%。
マーケット・インテリジェンス(キャピタル IQ ほか)
金融機関向けのデータ・分析・ワークフロー。サブスクリプション。
| 数量有料の契約(千件相当・推定) | 価格1 千契約あたりの売上(億ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 30.0 | 1.56 | 47 | 16 |
| 10 年後 中立 | 34.5 | 2.32 | 80 | 30 |
取り方:2025 年の recast 売上 46.90 億ドル、調整後営業利益 15.49 億ドル(利益率 33%)。契約を 3 万件・1 件あたり約 15.6 万ドル(推定)と置いた。2026 年上期は +7%。ブルームバーグ・LSEG・ファクトセットと競う。
リスクと懸念
AI エージェントによる MI の置き換え
MI は売上の約 34% で、利益率が最も低く堀も薄い。AI が分析を安く代替すると、席数ベースの契約が減り、更新率と単価が下がる。2026 年 4〜6 月期に大手顧客の更新が AI・知的財産の条件交渉で長引いた。悲観では MI の売上が 10 年で今より約 1 割減る。
起債の山の反動
2026 年は AI のデータセンター向け起債と借り換えでレーティングが +17%。山が過ぎると発行が減り、新規の格付料が落ちる。ただし監視料は残る。長期金利 5% が続くと借り換えが長引き、発行が細る可能性もある。
格付への規制と競争
格付の依存を減らす規制(手数料や利益相反)が EU・米国で再び強まれば、価格決定力が削られる。ムーディーズ・フィッチ・KBRA が安い格付で狙う余地もある。利益率 65〜68% は高く、下がる余地の方が大きい。
指数の料率競争
運用会社が MSCI・FTSEラッセルや自前のカスタム指数へ切り替え、連動料の料率が下がる。ETF の手数料の低下が指数料に及ぶ。価格は物価に届かない前提(10 年で 1.31 倍、物価は 1.41 倍)にした。
借入での大型の買い戻し
2026 年に 70 億ドル超を買い戻し、モビリティの現金約 19.7 億ドルと借入で賄う。純負債は 130 億ドル前後に増え、借換えの金利は 5.75% 前後。株価が割高な時に買うと価値を壊し、景気後退期は財務の余裕が薄い。
モビリティ分離後の移行
分離で売上・利益の基準が変わり、2026 年の数字は pro forma の組み替え後で比べにくい。MI の再編(Kensho Data と Platforms の 2 本)の実行に失敗すると、MI の利益率が 33% から上がらない。
株価の下落が指数の連動資産を直撃
指数の収益は連動資産残高に比例するため、株価が 3 割下がれば指数の売上が同じくらい落ちる。デリバティブの取引量の増加で一部を補えるが、長く続く下落では補いきれない。利益の約 2 割弱を占める部門なので全体への影響は限定的。
今後の分かれ目
- MI の更新率・年間契約額が 2 四半期続けて低下し、会社が通期の MI 見通しを下げる
- AI による置き換えが実際に始まったと見て、やや悲観・悲観の確率を厚くし、MI の価格の上げ幅を物価の 3 分の 1 以下へ下げる。本質価値は 1 割ほど下がる。
- AI 企業が S&P のデータをライセンス契約で購入し、MI の AI 向けデータ売上が目に見える規模になる
- MI の価格・契約数が上がり、楽観の確率を高める。AI がデータの買い手になる見方が当たる。
- 投資適格債の発行が前年比 −20% 以上の落ち込みに転じる
- レーティングの新規料が減る。2028 年の谷の筋書きに近づくが、監視料で下支えされるため利益率の低下は限定的。
- EU または米国で、格付への依存を減らし手数料を抑える規制が成立する
- レーティングの価格を物価以下に置き直し、利益率 65% 超の前提を下げる。やや悲観の確率を上げる。
- 経営が借入を増やし、純負債が調整後 EBITDA の 2 倍を超えて買い戻しを続ける
- 景気後退時の財務が薄くなる。利払いが 5.75% で効き、純利益が減る。k は上げず、悲観の深さに反映する。
- S&P 500 連動の ETF 資産と先物・オプションの取引量が 2 年続けて前年比 +15% 以上で伸びる
- 指数の売上が経営の目標(年 10〜12%)を上回り、楽観の確率を上げる。
見ておくもの
- MI の年間契約額・更新率と、AI 関連の契約(ライセンス)の開示
- 投資適格債・ハイイールド債の発行額と、ハイパースケーラーの起債
- レーティングの調整後営業利益率(68% 前後を保てるか)
- S&P 500 連動の ETF 資産と先物・オプションの取引量
- 自社株買いの平均価格と純負債(調整後 EBITDA 倍率)
- 2026 年 7〜9 月期の決算(通期ガイダンスの修正)
倍率と資本コストの決め方
今の PER 28 倍(2025 年の純利益)・PBR 4.1 倍を見ずに、4 部門を数量×価格で積んで純利益を出し、倍率は利益ベースの正当化 PER((1 − g/RONIC)/(k − g)、RONIC = k + 2/3 ×(ROE − k))の 7.8〜9 割で置いた。k は基本 8.0% + quality −0.25%(格付の循環 +0.25%、値決め −0.5%)の 7.75%、g は決まりの 4%(k − g = 3.75%)。AI によるデータ事業の置き換えは悲観の確率に入れ、k には足していない。中立 10 年の PER は 18.4 倍。ROE は買収ののれんも含む帳簿の値(中立 33.5%)を使い、過去 10 年の中央値は自己資本が小さかった年を含む。倍率を割り引かず、下げる理由は g と ROE に入れた。純利益は GAAP(償却費は費用)。結果は今の値段を約 4% 下回り、適正の範囲。今の時価総額(約 1,269 億ドル)に寄せてはいない。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality -0.25% = 7.75%。内訳は cycle +0.25・pricing -0.50・debt +0.00・life +0.00(%)で、理由は quality_why。β は使わない。個別の懸念(生成 AI によるデータ事業の置き換え・社債発行の減少・規制)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。