結論
UBSは、世界の富裕層の資産を預かり、スイスの家計と企業に融資し、機関投資家の売買を支える金融グループである。2025年までの添付台帳に基づく10年価値は現在の評価を約18%下回り、やや割高と見る。強みは世界にまたがる顧客基盤と、救済買収したクレディ・スイスの重複費用を落とす力だが、稼いだ利益を自由に株主へ返せるとは限らない。
2026年7〜9月期には純利益27億ドル、年初来9か月で85億ドルを稼ぎ、富裕層部門には551億ドルの純流入があった。統合による累積の総費用削減は132億ドルに達し、2026年末には137億ドルが見込まれる。ただし2028年の高い資本利益率目標は現行規制が前提であり、スイス議会が検討する海外子会社の増資要求は、配当と自社株買いの将来を左右する。
最大の計数上の注意は、台帳の株数38.15億株が会社開示の実質流通約30.6億株と合わないことである。指定された台帳を使うと時価総額は約1,769億ドルだが、10月28日の外部資料では約1,432億ドルとなる。同じ期待価値約1,443億ドルでも、前者ではやや割高、後者ではおおむね適正に変わる。株数の違いを修正するまでは割高判定だけで判断せず、会社全体の利益と正味の還元を吟味したい。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、10年後にも富裕層が資産を預け、企業が資金を調達し、スイスの家計が住宅ローンを必要とすることは疑いにくい。UBSが持つ規制上の許認可、信頼、国際ネットワークは、新興の証券アプリだけでは置き換えられない。資産管理と融資には本物の堀がある。だが、金融危機時に預金者と市場の信認が揺らげば、この堀は瞬く間に狭まる。
株主の手に残るのは、会計上の純利益の全部ではない。新しい預金や貸出が増えれば自己資本を積まなければならず、スイスの追加規制が通れば既存の海外資産を支える資本も必要になる。2025年のfactsの純利益81億ドルと自己資本902億ドルを出発点とし、2026年の統合後の回復を織り込んでも、中立で10年目のROEが12%程度にとどまる可能性はある。高すぎる利益率や買収による一時利益を将来へ延ばすつもりはない。
資本配分は救済買収の成否と還元の規律で採点したい。重複したシステムが実際に消えたことは株主にとって前進だが、将来の増資や過剰な規制資本の保有まで含めると成果は確定していない。会社の実際の流通株数で測れば期待価値と時価総額は近い。安全域が十分ではない以上、事業を好きになることと現在の値段を正当化することは別に考える。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心はグローバル・ウェルス・マネジメントである。富裕層から資産を預かり、運用助言や売買、担保融資、預金の金利差で収益を得る。2025年末の預かり資産は約4.75兆ドルで、定期的な助言料と純金利収益が利益の土台となる。顧客の相続、税務、法人売却をめぐる関係が続けば、取引のたびに新しい資金が集まる。
スイスのパーソナル・アンド・コーポレート・バンキングは住宅ローン、企業融資、預金、決済を担う。融資残高は約3,131億ドルで、利益は残高と金利差、手数料、貸倒費用で動く。アセット・マネジメントは約2.10兆ドルの運用資産に対して信託報酬を受け取る。投資銀行はM&Aの助言、債券・株式の引受、株式・為替・債券の執行と市場取引で稼ぎ、市況のよい年に利益が跳ねる。
この4本柱の裏には、旧クレディ・スイスの残余資産処理と本社機能がある。2025年の会社開示では4事業の税引前利益合計が約112億ドルだが、非中核事業・本社を含む連結税引前利益は約89億ドルとなった。添付factsの売上827億ドルと営業利益80億ドルは、会社の純収益496億ドルと税引前利益89億ドルとは表示基準が違う。事業別の数量と単価には会社の純収益と運用・貸出残高を使い、連結の歴史的基準値は指定どおり添付factsを優先する。
優良さと弱いところ
堀、つまり競合が容易に奪えない収益の源泉は、顧客の信頼と世界的な取引網にある。UBSはスイスの世帯の3分の1超と大企業の9割超に接点があり、富裕層には資産保管、税務を踏まえた助言、海外の資金移動を一体で提供する。顧客が金融資産を移すには、税務と本人確認の手間に加え、長年の担当者との関係を切る負担が生じる。規模は収益の安定に効くが、値上げを毎年通せる独占ではない。
クレディ・スイスの救済統合は、買った顧客だけでなく重複するシステムと店舗を整理できる点で価値がある。2026年9月末には停止対象の旧システムの約9割を廃止済みで、費用対収益比率は改善している。反面、会社が掲げる2028年の規制自己資本利益率約18%は、株主資本全体に対するROEとは異なり、現行規制も条件である。財務を軽く見て同じ率を将来の純資産に掛けるべきではない。
弱みは助言料率の漸減と投資銀行の変動、そして国の大きさを超える金融機関ゆえの規制である。UBSの調査部門は3,800銘柄超、HOLTは2万社超を扱うが、独自データだけで毎年の値上げや解約の少なさが証明されたわけではない。AIが調査を安くすれば、顧客接点の堀と情報を売る部分の堀には差が出る。増分の資本利益率が資本コストを超えた部分だけを価値として認める。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
富裕層向け金融の市場は長期に伸びるが、UBSがその伸びを独占するわけではない。2025年の世界の富裕層資産は約98兆ドルで、UBSのウェルス資産4.75兆ドルは単純比で約5%に相当する。ただし市場統計は富裕層の保有資産、UBSは預かり資産で定義が異なり、厳密なシェアではない。モルガン・スタンレーのウェルス顧客資産は約7.38兆ドルで、JPモルガンやバンク・オブ・アメリカも同じ資産家を追う。
スイスでは預金・住宅ローンと国際的な富裕層管理の地位が大きい。国内貸出市場は2025年に約1.43兆スイスフランで、大手銀行群の国内住宅ローンのシェアは22.7%にとどまる。州立銀行群は40.4%を持ち、ライファイゼンやポストファイナンスも競争相手である。UBSは家計への深い接点を持つが、信用市場で一方的に利ざやを広げるのは難しい。
運用業界全体の資産は2025年に約147兆ドルで、UBSの約2.10兆ドルは概算で1.4%ほどとなる。ブラックロックやバンガードの低コスト商品が報酬率を押し下げる一方、非公開資産と複合運用への需要は残る。投資銀行については世界の引受・助言・市場業務を合算した年約3,000億ドルの収益プールを概算すると、UBSは約4%を受け取る計算である。ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーの資本力と顧客網に対抗できるかで、将来の取引件数と実効手数料が決まる。
今後10年は富裕層の実質資産増加を基本に、デジタル化による単価低下を差し引く。スイスの追加資本規制が強まれば、高い収益を生む海外事業まで資本効率が落ちる。銀行全体の金利は変えない前提なので、利益の増減は利下げ願望ではなく資金量、利ざや、貸倒、費用に求める。
資本政策と M&A
資本配分の最大の決断は2023年のクレディ・スイス救済買収だった。買収で得た会計上の負ののれんは反復しないが、顧客基盤と重複費用の削減は残る。2026年末には統合をほぼ終える方針で、2022年の両社合算費用を基準とする総費用削減の累計見通しを137億ドルへ引き上げた。新しい大型買収より、既存顧客への運用商品販売と米国での銀行サービス拡張を優先するのが自然である。
会社は2028年に報告ベースのCET1資本利益率約18%、費用対収益比率約67%、ウェルスの預かり資産5.5兆ドル超を目指す。ただしこれらは現行の資本規制とCET1比率約14%が条件だ。2026年は総額30億ドルの自社株買いを予定し、7〜9月だけで18億ドルを実施した。配当は2026年に10%台半ばの増加を見込むが、2027年以降の買戻し額はまだ約束されていない。
スイス議会は海外子会社への普通株等資本の手当てを厳しくする案を議論している。追加の資本が必要なら利益の内部留保が先になり、成長できても株主への還元は減る。ここでいう正味の還元は、配当と買戻しから従業員株式報酬の希薄化と増資払い込みを差し引いた金額であり、買戻し予算をそのまま株主利益とは数えない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
クレディ・スイス統合によって、UBSは顧客の重複を減らさずに費用の重複だけを削れる。2026年7〜9月期までに累積132億ドルの費用削減が進み、旧システムの約9割が廃止された。これほど大きな統合作業をやり切ったことは、単なる将来計画より強い証拠である。2026年の年初来利益は2025年通年を既に上回り、今後は統合費用の減少も効く。
富裕層の資産は世界的に増え、遺産相続と起業家による会社売却が新しい口座を生む。資産4.75兆ドルの基盤に、アジアの富裕層と米国の銀行サービスを加えれば、新規の純流入が積み上がる。ウェルス部門は純流入551億ドルを2026年7〜9月期に獲得し、代替投資への顧客の約束額も増えた。スイスの国内銀行は多数の家計と大企業に定着し、流出しにくい預金と担保付き融資を持つ。
米国の資金調達が回復し、JPモルガンやゴールドマン・サックスとの競争で投資銀行の位置を守れれば、10年先の純利益は300億ドルを超えうる。スイス議会が実務的な規制に落ち着けば、大幅な留保を強いられず、自社株買いを再び増やせる。ROEが高くなるのは分母を買戻しで削るためだけでなく、顧客資産の伸びと統合後の単位費用の低下があるからだ。
慎重な見方
クレディ・スイスの救済買収は、一時的な負ののれんを大きな利益として見せた反面、金融の巨大さが社会にとって許容されるかという問題を残した。スイス議会が海外子会社への資本手当てを厳格化すれば、成長を止めなくても追加資本が必要になる。資本コストより低い利回りの資産を抱えたまま、利益が株主に渡らない状態になりかねない。海外移転や合併の噂はあるが、未成立の話を買収益として価値に足すべきではない。
ウェルスの運用助言料は競争で下がり、株価の上昇が止まれば預かり資産も伸びなくなる。モルガン・スタンレー、JPモルガン、シュワブは米国の富裕層に強く、欧州ではピクテやジュリアス・ベアが顧客を奪う。UBSのリサーチは広い銘柄を覆い、独自データを持つが、AIエージェントは分析を短時間で安く作る。調査結果そのものを料金の根拠にする部分では、値上げの証拠が足りない。
投資銀行は市場の変動で稼げても、顧客の損失や訴訟が一度重なれば長年の利益を失う。2008年に株価が8割超下がった事実は、金融の自己資本が安全な床ではないことを示す。普通の景気後退ではなく、富裕層の信頼低下と規制負担が10年続けば、利益は名目でほとんど増えず、実質価値は大きく減る。
どちらに重みを置いたか
中核の資産管理とスイスの顧客基盤には継続性がある一方、資本規制の結論が未定で、還元の自由度は読み切れない。上側32%、中立31%、下側37%とし、やや悲観をやや厚くする。AIによる調査の値崩れと規制を同じ理由で二重に資本コストへ加算せず、収益率と還元の差で表した。指定台帳の時価総額に対して価値は約18%不足するが、実際の株数を使うと差はほぼ消えるため、結論には計数上の留保が欠かせない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 57.01 ドル2,175 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 18.98 ドル724 億ドル)。 今の値に割り戻すと 37.84 ドル1,443 億ドル、今との差 −20.7%、 期待の年率 +5.6%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 124.81 ドル4,761 億ドル | 31.46 ドル1,200 億ドル | +227.7% | +14.6% | 17.19 ドル656 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 80.82 ドル3,083 億ドル | 26.21 ドル1,000 億ドル | +124.4% | +9.9% | 22.48 ドル857 億ドル |
| 中立 | 31% | 53.44 ドル2,039 億ドル | 19.66 ドル750 億ドル | +53.3% | +5.1% | 22.66 ドル865 億ドル |
| やや悲観 | 24% | 29.31 ドル1,118 億ドル | 12.06 ドル460 億ドル | −13.2% | −1.6% | 9.93 ドル379 億ドル |
| 悲観 | 13% | 20.85 ドル796 億ドル | 7.86 ドル300 億ドル | −39.8% | −5.6% | 3.73 ドル142 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 57.01 ドル2,175 億ドル | 18.98 ドル724 億ドル | +59.3% | +5.6% | 75.99 ドル2,899 億ドル |
今の株価時価総額 47.69 ドル1,819 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 楽観:統合完遂と富裕層の獲得が同時に進む 利益 325 億ドル · PER 14.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 124.81 ドル4,761 億ドル
2035年末には富裕層の実質預かり資産が2025年の約1.9倍となる。世界の富裕層市場の拡大に加え、アジアの起業家と米国の相続資金を獲得し、モルガン・スタンレーやJPモルガンに対する地位を高める。運用助言の実効料金は物価分を維持し、2026年までの統合で作った規模が利益率を押し上げる。クレディ・スイスの顧客をさらに逃さず、重複した仕組みの費用を実際に消したことが原動力となる。
スイス議会は資本要件を実務的な水準に収める。国内融資の担保管理と海外富裕層へのサービスを両立し、投資銀行は世界の収益プール拡大に乗って主要競合のシェアを少し奪う。運用部門は代替投資で低い指数報酬を補い、10年目の純利益は325億ドルに届く。期間の純利益累計約2,032億ドルから正味1,200億ドルを還元しても自己資本は積み上がり、高いROEは実際の稼ぎで支えられる。
- グローバル・ウェルス・マネジメント:数量 90,000(2025年購買力の顧客預かり資産(億ドル、実質市場規模×UBSの顧客取り込み))× 価格 0.01(実質預かり資産1ドル当たりの名目年間純収益(助言料・取引料・金利差合算))→ 売上 702 億ドル・営業利益 232 億ドル。世界富裕層の実質資産とシェア拡大、実効料率は物価を確保
- スイス個人・法人銀行:数量 4,300(2025年購買力の融資残高(億ドル、実質スイス貸出市場×同行のシェア))× 価格 0.04(融資残高1ドル当たりの名目年間純収益(純金利ざや+決済・手数料の換算値))→ 売上 174 億ドル・営業利益 84 億ドル。スイス融資量と利ざやの正常化、統合費用の低下
- アセット・マネジメント:数量 37,000(2025年購買力の運用資産(億ドル、実質世界AUM×会社シェア))× 価格 0.00(運用資産1ドル当たりの名目純収益の年間率)→ 売上 74 億ドル・営業利益 25 億ドル。運用規模と代替投資の伸び
- 投資銀行・市場業務:数量 220(2025年価格の世界の投資銀行・市場業務プール×UBS取り分(億ドルの実質売上相当数量))× 価格 1.42(2025年を1とする実効手数料・スプレッドの名目価格指数)→ 売上 312 億ドル・営業利益 103 億ドル。世界の収益プール増加と取引シェアの小幅拡大
倍率:g=4.0%(富裕層資産の実質増加約2%、シェア伸長約0.5%、料金上昇から競争減額を引いた名目分約1.5%)。k=8.5%、10年目ROE=325/1733.5=18.75%、通常の堀の残存率1/2なのでRONIC=13.62%。正当化PERの来年利益基準15.70倍に(1+g)を掛けた上限16.33倍の約90%として14.65倍。景気循環と新規の規制資本必要額を考え、上限そのものは採らない。GAAP純利益を使い、買収償却や株式報酬を倍率で再加算しない。
確率:統合システムの廃止実績と2026年の顧客流入は強いが、10年にわたり手数料率を守り、規制も緩やかに収まる条件が複数必要なため11%とする。
やや楽観 21% やや楽観:ウェルスの粘りと効率改善が続く 利益 239 億ドル · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 80.82 ドル3,083 億ドル
2035年、ウェルスの実質預かり資産は約7.9兆ドルになり、投資家の保有資産の増加と新規流入が収益を押し上げる。実効手数料はインフレほどは上がらないが、富裕層の複雑な相談を一括で受ける力が残る。モルガン・スタンレーやシュワブとの値段競争は避けられず、シェアの伸びは控えめだ。国内銀行は州立銀行群との競争を受けながらも、顧客網と低い事務費用を維持する。
統合後の旧クレディ・スイスの残務が減り、本社の重複費用は通常水準に収まる。新たな大型買収はせず、代替投資と国際顧客向けの小さな投資へ利益を使う。投資銀行はゴールドマン・サックスに主役を譲っても、既存顧客の取引を保てる。年間純利益は239億ドルへ増え、期間の累積利益約1,602億ドルのうち正味1,000億ドルを株主に戻す。
- グローバル・ウェルス・マネジメント:数量 79,000(2025年購買力の顧客預かり資産(億ドル、実質市場規模×UBSの顧客取り込み))× 価格 0.01(実質預かり資産1ドル当たりの名目年間純収益(助言料・取引料・金利差合算))→ 売上 593 億ドル・営業利益 178 億ドル。顧客資産は実質1.66倍、料率はCPI以下
- スイス個人・法人銀行:数量 3,850(2025年購買力の融資残高(億ドル、実質スイス貸出市場×同行のシェア))× 価格 0.04(融資残高1ドル当たりの名目年間純収益(純金利ざや+決済・手数料の換算値))→ 売上 148 億ドル・営業利益 65 億ドル。国内貸出の安定と統合後コスト削減
- アセット・マネジメント:数量 32,000(2025年購買力の運用資産(億ドル、実質世界AUM×会社シェア))× 価格 0.00(運用資産1ドル当たりの名目純収益の年間率)→ 売上 60 億ドル・営業利益 19 億ドル。AUM増と代替投資手数料
- 投資銀行・市場業務:数量 195(2025年価格の世界の投資銀行・市場業務プール×UBS取り分(億ドルの実質売上相当数量))× 価格 1.36(2025年を1とする実効手数料・スプレッドの名目価格指数)→ 売上 265 億ドル・営業利益 80 億ドル。市場シェアをほぼ維持
倍率:g=3.8%(実質富裕層・運用資産市場約2%、シェア差0%、実効価格約1.8%)。k=8.5%、ROE=239/1503.5=15.90%、通常の堀1/2でRONIC=12.20%。翌年利益基準の式と(1+g)による正当化PERの上限は約15.21倍で、その約85%の12.9倍を採る。クレディ・スイス統合後にも価格競争と規制資本の重さが残る。
確率:2026年の純流入とシステム統合の進み方は追い風である。規制が緩やかにまとまり、長期に利益率が維持される確率を21%とした。
中立 31% 中立:統合利益は残るが規制と手数料競争が相殺 利益 175 億ドル · PER 11.7 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 53.44 ドル2,039 億ドル
2035年に富裕層の実質預かり資産は7.1兆ドルとなり、世界市場の自然増と緩やかな顧客獲得が続く。助言の料金は名目では上がるが物価ほどではなく、モルガン・スタンレー、JPモルガン、シュワブとの競争が利益を削る。スイスでは州立銀行やライファイゼンとの住宅ローン競争が続き、融資の数量は大きく伸びない。運用部門は低い指数報酬と代替投資の需要を合わせて、緩やかな増収を保つ。
投資銀行は世界の資金調達・市場業務が実質で拡大してもシェアを広げず、2026年の取引熱を恒常的なものとは考えない。救済統合の重複費用はなくなる一方、スイスの追加資本要件を満たすため利益の相当部分を留保する。純利益は175億ドル、10年の累計は約1,282億ドルとなる。正味750億ドルの還元後の自己資本は約1,434億ドルで、ROEは12%台に落ち着く。
- グローバル・ウェルス・マネジメント:数量 71,000(2025年購買力の顧客預かり資産(億ドル、実質市場規模×UBSの顧客取り込み))× 価格 0.01(実質預かり資産1ドル当たりの名目年間純収益(助言料・取引料・金利差合算))→ 売上 490 億ドル・営業利益 137 億ドル。実質資産1.49倍、実効料率は物価より低い伸び
- スイス個人・法人銀行:数量 3,500(2025年購買力の融資残高(億ドル、実質スイス貸出市場×同行のシェア))× 価格 0.04(融資残高1ドル当たりの名目年間純収益(純金利ざや+決済・手数料の換算値))→ 売上 126 億ドル・営業利益 50 億ドル。融資の実質伸びは低く利ざやを維持
- アセット・マネジメント:数量 28,500(2025年購買力の運用資産(億ドル、実質世界AUM×会社シェア))× 価格 0.00(運用資産1ドル当たりの名目純収益の年間率)→ 売上 51 億ドル・営業利益 15 億ドル。実質AUM約1.36倍、低価格化で料率伸びを抑制
- 投資銀行・市場業務:数量 166(2025年価格の世界の投資銀行・市場業務プール×UBS取り分(億ドルの実質売上相当数量))× 価格 1.30(2025年を1とする実効手数料・スプレッドの名目価格指数)→ 売上 216 億ドル・営業利益 58 億ドル。実質プールは伸びるがシェアは約4%からやや低下
倍率:g=3.5%は世界の実質富裕層資産増約1.8%、シェアの増減ほぼ0%、手数料の物価上昇分から競争減額を引いた約1.7%の合計。k=8.5%、ROE=175/1433.5=12.21%、普通の堀の残存1/2でRONIC=10.35%。翌年利益PERの式に(1+g)を掛けた上限13.70倍に対し約85%の11.65倍とする。投資銀行の循環と未確定の規制資本により上限より割り引くが、市場のPERや台帳株価には依拠しない。
確率:2026年の利益と費用削減を認めつつ、スイス追加資本規制の先行きと手数料低下を相殺する最も自然な経路であり31%とする。
やや悲観 24% やや悲観:追加資本と料金競争が還元を削る 利益 106 億ドル · PER 10.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 29.31 ドル1,118 億ドル
クレディ・スイス統合後の規制負担が高まり、ウェルスの実質資産は5.9兆ドルまでしか伸びない。海外の顧客は残るが、米国ではモルガン・スタンレーとJPモルガンの低価格助言に押され、実効料率がインフレに追いつかない。スイスでも州立銀行群が住宅ローンのシェアを取り、資本を使うほど高い利益が出る構造ではなくなる。運用部門では低価格指数の比率が高まる。
投資銀行の市場での地位は少しずつ低下する。経営は大きな買収より規制資本の積み増しを優先し、株主還元を抑える。税引前利益は約142億ドル、純利益は106億ドルとなり、10年で正味460億ドルしか返せない。帳簿の自己資本は積み上がっても、低いROEではためた1ドルが1ドルを超える価値を生まない。
- グローバル・ウェルス・マネジメント:数量 59,000(2025年購買力の顧客預かり資産(億ドル、実質市場規模×UBSの顧客取り込み))× 価格 0.01(実質預かり資産1ドル当たりの名目年間純収益(助言料・取引料・金利差合算))→ 売上 372 億ドル・営業利益 91 億ドル。顧客資産の伸び鈍化と料率の実質値下げ
- スイス個人・法人銀行:数量 3,250(2025年購買力の融資残高(億ドル、実質スイス貸出市場×同行のシェア))× 価格 0.03(融資残高1ドル当たりの名目年間純収益(純金利ざや+決済・手数料の換算値))→ 売上 109 億ドル・営業利益 35 億ドル。国内シェアが低下し費用削減の一部が戻る
- アセット・マネジメント:数量 24,500(2025年購買力の運用資産(億ドル、実質世界AUM×会社シェア))× 価格 0.00(運用資産1ドル当たりの名目純収益の年間率)→ 売上 39 億ドル・営業利益 9 億ドル。パッシブ化で運用報酬が低下
- 投資銀行・市場業務:数量 142(2025年価格の世界の投資銀行・市場業務プール×UBS取り分(億ドルの実質売上相当数量))× 価格 1.20(2025年を1とする実効手数料・スプレッドの名目価格指数)→ 売上 170 億ドル・営業利益 39 億ドル。売買・引受のシェアと価格が弱い
倍率:g=2.5%(実質富裕層資産約1.5%、競争によるシェア減約-0.5%、名目料金約1.5%)。ROE=106/1378.5=7.69%でk8.5%に届かないため、ためた資本の超過価値を認めずPER上限は1/k=11.76倍。構造的な料金競争と規制資本の負担から10.55倍へ下げ、中立の11.65倍より低くする。
確率:スイスの資本規制が厳しくなり、富裕層の料率も下がることは十分に起こりうる。下側に24%を割り当てるが、AIの影響と規制を資本コストに重ねない。
悲観 13% 悲観:国際的な信頼と収益率を失い、資本だけが残る 利益 78 億ドル · PER 10.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 20.85 ドル796 億ドル
2035年、世界の富裕層市場は広がってもUBSの実質預かり資産は5兆ドルほどにとどまる。規制負担と顧客流出で、モルガン・スタンレーや新興の低価格サービスへ顧客を奪われる。独自の投資調査もAIエージェントによる安価な要約と分析に押され、情報を売る部分は縮む。かつてのクレディ・スイスの名前を消しても、統合後の訴訟と信用損失が尾を引く。
スイスの国内銀行は残るが、州立銀行群との融資競争で利ざやが縮む。投資銀行は規制資本の制約で市場業務を縮小し、主要競合の収益プールを奪えない。2030年前後の損失と事業縮小で10年累計の純利益は約650億ドル、配当・買戻しから希薄化を引いた還元は300億ドルにとどまる。最終年の純利益は78億ドル、自己資本は約1,252億ドルとなり、額面が増えても株主価値を高めない。
- グローバル・ウェルス・マネジメント:数量 50,000(2025年購買力の顧客預かり資産(億ドル、実質市場規模×UBSの顧客取り込み))× 価格 0.01(実質預かり資産1ドル当たりの名目年間純収益(助言料・取引料・金利差合算))→ 売上 300 億ドル・営業利益 66 億ドル。国際ウェルス市場からシェアを失い実質料率低下
- スイス個人・法人銀行:数量 3,000(2025年購買力の融資残高(億ドル、実質スイス貸出市場×同行のシェア))× 価格 0.03(融資残高1ドル当たりの名目年間純収益(純金利ざや+決済・手数料の換算値))→ 売上 98 億ドル・営業利益 28 億ドル。国内住宅ローンの弱い数量と利ざや
- アセット・マネジメント:数量 22,000(2025年購買力の運用資産(億ドル、実質世界AUM×会社シェア))× 価格 0.00(運用資産1ドル当たりの名目純収益の年間率)→ 売上 33 億ドル・営業利益 7 億ドル。世界AUMに取り残され収益の実質停滞
- 投資銀行・市場業務:数量 120(2025年価格の世界の投資銀行・市場業務プール×UBS取り分(億ドルの実質売上相当数量))× 価格 1.20(2025年を1とする実効手数料・スプレッドの名目価格指数)→ 売上 144 億ドル・営業利益 33 億ドル。国際投資銀行のポジションを縮小
倍率:g=1.0%(世界富裕層資産の実質成長約1.5%からUBSシェア喪失-1.5%を引き、名目料金約1%)。ROE=78/1251.5=6.23%はk8.5%未満なのでPER上限は1/k=11.76倍。事業の独立価値は利益78億ドル×10.2倍=795.6億ドルで、売却可能な純資産の推計740億ドルを上回る。増えた帳簿自己資本に高いPBRを掛けず、利益の稼ぐ力と換金可能な床を比較する。
確率:海外事業の資本負担、信頼の毀損、手数料競争が重なる深刻な構造的敗北。スイスの国内顧客基盤は残るため倒産を既定とはせず、13%を与える。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
グローバル・ウェルス・マネジメント
富裕層の保管・運用助言・預金・証券担保融資。手数料型資産に加え取引と純金利収益を含む。
| 数量2025年購買力の顧客預かり資産(億ドル、実質市場規模×UBSの顧客取り込み) | 価格実質預かり資産1ドル当たりの名目年間純収益(助言料・取引料・金利差合算) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 47,530 | 0.01 | 260 | 52 |
| 10 年後 中立 | 71,000 | 0.01 | 490 | 137 |
取り方:UBS Group 2025年20-FのGWM純収益259.60億ドル、税引前利益52.07億ドルを採る。数量は同社の預かり資産4.753兆ドル(UBS AG開示)を2025年価格の実質基準として採り、単価259.6÷47530=0.005462を算出。取引手数料・純金利収益込みの実効料率であり、純粋な助言報酬率ではない。世界富裕層資産約98.3兆ドルに対する単純比約4.8%は定義違いの概算。将来は実質預かり資産と名目料率の双方にインフレを二重計上しない。
スイス個人・法人銀行
住宅ローン・企業向け融資・預金・決済手数料。顧客の信用残高と金利差が稼ぎを左右する。
| 数量2025年購買力の融資残高(億ドル、実質スイス貸出市場×同行のシェア) | 価格融資残高1ドル当たりの名目年間純収益(純金利ざや+決済・手数料の換算値) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,131 | 0.03 | 92 | 25 |
| 10 年後 中立 | 3,500 | 0.04 | 126 | 50 |
取り方:UBS Group 20-FのP&CB純収益91.54億ドル、税引前利益24.97億ドル。数量はUBS AGの同部門の総貸出3131億ドルで近似し、手数料を含む実効収益率を91.54÷3131=2.9237%とする(貸出の利ざやだけではない)。国内貸出全体はスイス銀行協会2026年銀行バロメーターの2025年1.429兆スイスフラン。市場と会社の通貨・対象範囲が異なるため厳密なシェアではない。
アセット・マネジメント
投信・機関投資家資産・指数運用・代替投資の運用報酬。
| 数量2025年購買力の運用資産(億ドル、実質世界AUM×会社シェア) | 価格運用資産1ドル当たりの名目純収益の年間率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 20,980 | 0.00 | 32 | 7 |
| 10 年後 中立 | 28,500 | 0.00 | 51 | 15 |
取り方:UBS Group 2025年の資産運用純収益31.56億ドル、税引前利益7.19億ドル、UBS AG開示のAUM2.098兆ドルから実効料率0.1504%を算出。世界の運用資産147兆ドル(BCG 2026年4月公表)に対する単純シェア約1.4%。パッシブ運用の拡大で実質の単価低下を見込む。
投資銀行・市場業務
株式・債券・為替の執行やリスク仲介、M&A助言と発行引受。機関向け調査は取引関係に付随する。
| 数量2025年価格の世界の投資銀行・市場業務プール×UBS取り分(億ドルの実質売上相当数量) | 価格2025年を1とする実効手数料・スプレッドの名目価格指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 123 | 1.00 | 123 | 28 |
| 10 年後 中立 | 166 | 1.30 | 216 | 58 |
取り方:UBS Group 20-Fの投資銀行純収益123.40億ドル、税引前利益28.19億ドル。業界ノートにある世界のM&A・引受手数料約1300億ドルと売買業務約1700億ドルを合算した3000億ドル(推定)×UBSの約4.1%から数量123.4を作る。2025年に1の価格指数は、インフレと手数料競争を切り分けるための換算値。UBS Global Researchは3800超の銘柄、HOLTは2万社超の情報を扱うが独立収益は非開示。調査作業へのAIエージェント代替は手数料指数の下方要因とし、法令上の助言・引受・執行を機械的に代替しない。機関向け調査業務を人月・調査サービス型、保管・引受・売買執行を規制仲介型に分類する。調査の独立売上は非開示なので、IB純収益の2%を仮の影響額とした感応度を確認し、その部分の中立10年の実質数量0.65倍・名目価格1.25倍・10年後以降の成長0%を手数料指数に吸収する。厳密な売上按分ではなく保守的な仮定である。
リスクと懸念
スイスの追加資本規制
2026年9月のスイス上院は、海外子会社への普通株等資本の手当てを90%にする案を支持した。約160億ドル規模の追加資本が必要になるとの試算もあるが、法案は未確定である。規制が厳しければ増資より先に利益の留保が優先され、営業利益が伸びても自社株買いの総額は下がる。海外移転の噂も経営の選択肢を増やすが、実行には巨額の費用が伴う。
クレディ・スイス統合の反動
旧クレディ・スイスの整理で大きな費用削減が進んだが、累積の総費用削減額は2022年の合算費用基準からの数字であり、2025年以降にその全額がもう一度上乗せされるわけではない。残る訴訟、システム切替、顧客流出が想定より大きいと統合の果実は小さくなる。2023年の負ののれんを通常利益に含めて10年へ延ばすこともしない。
富裕層の報酬率と顧客流出
ウェルスの顧客資産は市場価格と純流入で増えるが、手数料は競争で下がりやすい。モルガン・スタンレー、JPモルガン、シュワブ、ピクテは顧客の必要に応じて低価格の助言や代替投資を提供する。市場が横ばいで手数料だけ低下すれば、顧客資産の見かけの伸びほど利益は増えず、固定的な助言担当者とシステムの費用が残る。
AIエージェント代替と調査の値崩れ
UBSの市場調査と投資助言のうち、レポート作成・情報収集という部分はAIエージェント代替の対象になる。カバーする銘柄数と独自データの多さは強みだが、低解約率や継続値上げの証拠が二つ揃わないため、調査情報そのものを永続的な高価格の資産とは扱わない。保管・決済・融資は席課金や人月課金ではなく規制上の責任を持つため、同じ縮小率を全社に掛けることもしない。
投資銀行の信用・市場損失
株式・金利・為替の変動で売買収益は増えることもあるが、顧客破綻や担保不足は短期間に自己資本を失わせる。M&Aと引受が減る景気後退では報酬収入と市場ポジションの価値が同時に落ちかねない。2008年の株価下落は約85%で、預金・デリバティブ負債を持つ銀行の帳簿自己資本を無条件の清算価値と見てはいけない。
純資産と株主還元の計数誤差
台帳の株数は約38.15億株だが、2026年の会社開示と市場データは流通約30.6億株である。実勢の時価総額を約1430億ドルとすると、台帳で計算した1769億ドルとの乖離は大きい。さらに2025年のfactsの売上827億ドルは会社公表の純収益496億ドルとは定義が違う。修正がないままPERや安全域だけを読むと判断を誤る。
銀行調達金利と信用コスト
2025年のfactsは現金等2101億ドルと有利子負債3803億ドルを示すが、これは預金を集めて貸し出す銀行の事業資金である。産業企業の純負債1702億ドルと同じ扱いで別途5.75%の利息を純利益から引けば二重計算になる。貸出利ざや、預金の奪い合い、信用損失の増減としてセグメント利益の中で評価する。
今後の分かれ目
- スイスの海外子会社資本規制が90%のまま成立し、追加留保額が160億ドル前後になったら
- 近年の収益回復が続いても10年間の正味還元を中立の750億ドルから大きく減らし、やや悲観の重みを高める。
- 2027年の自社株買い方針が具体化し、CET1比率約14%を保ったまま還元が続いたら
- 留保と還元が両立する証拠としてやや楽観の可能性を上げる。株式報酬を控除した正味額で確認する。
- ウェルスの純新規資産が年2000億ドルに達し、実効手数料率の下落が止まったら
- 世界の富裕層からシェアを取る事実となり、GWM数量をやや楽観へ上げる。運用益による残高増加だけとは区別する。
- 世界の市場取引が活発でもUBS投資銀行の手数料シェアが4%を割って下がり続けたら
- 競合のJPモルガン、ゴールドマン・サックスに負けていると判断し、投資銀行の利益率と長期成長を下げる。
- 統合後も費用対収益比率が70%を上回り、2028年の67%目標から離れたら
- 削減の効果が販管費や投資に吸収されたと見なし、中立の全社利益を引き下げる。
- 旧クレディ・スイスの訴訟や信用損失で大規模な減損が発生したら
- 自己資本の減少を正面から織り込み、純利益累計と悲観の売却可能資産の床を再計算する。
- 実勢の発行済流通株数が台帳の38.15億株ではなく約30.6億株と確認・修正されたら
- 事業価値の筋書きは変えず、比較する現在の時価総額のみ約1430億ドルへ修正し、割安割高の判定を更新する。
見ておくもの
- スイス議会の海外子会社資本ルールの最終採決と資本積増し額
- GWMの純新規資産と料率、特に資産価格変動を除く実質の流入
- 投資銀行の世界手数料プールとUBSの相対的なシェア
- 2027年以降の自社株買い発表額と株式報酬控除後の純還元
- CET1比率、CET1レバレッジ比率と費用対収益比率
- 旧クレディ・スイス訴訟費用と非中核部門の損失
- 台帳のsharesと会社の実際の流通株数の一致
倍率と資本コストの決め方
事業ごとの数量には運用資産・貸出残高・実質の手数料プールを、価格には実効料率と名目手数料指数を使う。10年先の成長率は富裕層資産の実質増加、競争で動くシェア、物価3.5%からの手数料の乖離で決めた。資本コスト8.5%、通常の堀の残存割合1/2からRONICを導き、翌年利益基準の正当化PERに成長分を掛けた上限の約85%を中立に使う。現在の株価・市場のPER・PBRは倍率決定には使っていない。金融調達費用は各部門の利ざやに含め、余剰現金として現金等を別に足さない。2025年のfactsと会社純収益には会計表示の差があり、台帳株数と会社開示株数にも大差があるため、後者は公表実勢との比較で明記する。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の共通基準8.0%+品質調整0.5%=8.5%。規制・クレディ・スイス統合・AI代替という個別の不確実性は割引率には加えず、シナリオ利益と還元および確率に分ける。βと市場PERは使わない。