結論
Lib Workは熊本県山鹿市を発祥とする注文住宅・建売住宅会社である。結論は割高だ。住宅の販売実績に比べ、3Dプリンター建設と住宅向けソフトの将来収益がまだ小さく、今の時価総額には実現していない事業変革への期待が厚く乗っている。2026年6月期の売上は約157億円だが、営業利益は約5億円、純利益は約1億円に落ちた。建築確認審査の遅れが引渡しをずらしたことに加え、借入増と暗号資産の評価損が株主の稼ぎを傷めた。
ただし、住宅事業が弱いだけの会社ではない。住宅版SPAという木材調達から施工までの一体運営、15万人を超える動画チャンネルでの集客、地域で積み上げた施工網には価値がある。niko and ... EDIT HOUSEなどのブランドライセンスも育ち始めた。土を印刷した壁と木造軸組を組み合わせた新住宅は特許取得やデザイン賞受賞まで進んだが、2026年6月時点の商用販売棟数が利益を説明する段階にはない。
中立では2036年の注文住宅と建売の販売数量が今よりわずかに伸び、3Dプリンター住宅が小規模に収益化するとみる。それでも金利3%の国債を土台にした資本コストと在庫への再投資負担を差し引くと、確率加重した現在の本質価値は約85億円で、基準時点の時価総額約144億円を約41%下回る。将来の技術的成功は否定しないが、現段階でその利益を確実な株主利益として買うことはできない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず住宅を建てて得る利益と、実験段階の新技術の夢を別々に見る。持家需要はこれからも必要だが、注文住宅の顧客が他社へ移る費用は高くない。家が完成した後は、施工会社のブランドより価格、間取り、保証、融資条件が先に比較される。九州で築いた施工網と独自集客の価値はあるとしても、それを全国展開の独占的な堀と呼ぶのは早い。価格を上げても受注が減らない証拠と、在庫を増やさず現金が残る事実を見たい。
3Dプリンター住宅は魅力的な選択肢である。土系材料の特許、木造軸組との組合せ、デザイン賞という先行例に加え、施工と材料供給まで押さえれば、競合工務店にも商品を売れる。自社施工を増やす以上の経済性を持ち、技術が標準化された後は少ない資本でロイヤリティを得られるかもしれない。ただし2026年の段階では反響数より竣工棟数、工事総原価、瑕疵保険、継続して支払われる加盟料が大切だ。住宅OSも顧客が契約を解約できない理由はまだ薄く、AIエージェントの普及で席数が減る可能性を無視できない。
経営者の資本配分には複数の顔がある。木材加工会社の買収や不採算モデルハウスの整理は資本効率に資するが、土地在庫に大きな借入を重ね、暗号資産にも資金を投じた。将来価値を今すぐ配当する余力は乏しい。筆者は稼いだ利益が新しい土地取得に吸い込まれず、再投資後にも株主へ残る現金を確認したい。十分な安全域を得るには、新事業が高いROICで稼ぐ事実か、今の値段が失敗を織り込むことのどちらかが必要だ。現状はその条件を満たしていない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの大半は一般消費者への家づくりだ。2026年6月期には建築請負が約103億円、不動産販売が約42億円、その他が約12億円の売上を生んだ。請負では土地を除いた建物の設計・施工で対価を得る。建売では土地を先に仕入れて建物と一緒に売るので、販売価格は大きくなるが在庫と金利の負担を引き受ける。九州の熊本・福岡・大分・佐賀・鹿児島に加え、千葉と神奈川にも拠点を持つ。関東の建売会社タクエーホームは2026年6月に親会社へ吸収合併した。
利益改善の手段は、ウェブからの見込み客獲得と住宅版SPAである。e土地netなどの専門サイトと動画から来場客を集め、幸の国木材工業を通じて木材加工を取り込み、基礎・給排水・建方の施工を内製化している。高価な展示場を常設し続けず、販売できる建売型モデルハウスに切り替えることで固定費を減らそうとしている。これらは現場を持つ事業であり、AIが営業事務を効率化しても施工自体を代替するわけではない。
新しい柱はMy Home Robo、ブランドIP、3Dプリンター住宅である。My Home Roboは2026年6月に149社が導入し、営業利益は0.235億円。住宅ブランドのIPライセンスは20店で0.45億円の営業利益を得ており、両者は小さくとも継続課金に近い。一方、土系材料で壁を出力するLib Earth House model Bは、躯体全体をロボットだけで建てる住宅ではなく、木造軸組と組み合わせる仕組みである。建築品質、保険、職人の組合せ、量産原価を解かなければ本格収益にはならない。加盟店向けに材料・設計データ・機械を売る計画も、現在は構想の寄与が大きい。
優良さと弱いところ
最大の強みは地元で施工を完結できることと、集客を自分で作れることだ。住宅動画チャンネルの登録者は2025年12月に15万人を超え、会社資料ではリード獲得単価の低さを強調している。無名の工務店より先に顧客と接する機会が増えることは、広告費を抑え、受注率を高める武器になる。木材加工子会社と一部工種の内製化も資材高騰への抵抗力を持つ。ただし広告の安さは、価格を上げても客が離れない証明ではない。
堀、つまり競合が容易に奪えない超過収益はまだ狭い。注文住宅の顧客は複数の見積りを比較でき、全国ブランドの一条工務店、積水ハウス、タマホームや地元工務店が並ぶ。過去の営業利益率は2019年の8%台から2023年の2%台まで振れ、2026年は3.4%にとどまった。住宅を造る技術は必要だが、それだけでは強い値決め力にならない。直営住宅の粗利が高くても、集客費と展示場の維持費を引いた最終的な資本効率が問われる。
3D材料の特許と3Dプリンター住宅のデザイン受賞には先行者としての意味がある。ただし競合のセレンディクスや海外の建設3Dプリンター企業も技術を開発しており、独占に近い施工基準や長期のロイヤリティ実績はない。My Home Roboには1万超の登録プランという蓄積があるが、解約率の低さ、規制上不可欠な記録、数年単位の乗換障壁という証拠はそろっていない。AIエージェント代替で営業・間取り提案の画面価値は薄まり得る。2026年の営業CFが約14億円の流出、純有利子負債が約25億円という状態では、新規投資の増分収益率が資本コストを継続して超えるとの確信は持てない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
住宅市場は人口と世帯形成に結びつく成熟市場だ。国土交通省によれば2025年度の新設住宅着工は約71.1万戸で、うち持家は約19.5万戸、戸建分譲は約11.5万戸である。注文・戸建分譲の合計は約31万戸。Lib Workの約500棟という過去の受注紹介値を当てはめれば全国では0.2%に満たず、全国首位群と比べて極めて小さい。地元では存在感があっても、全国需要が増えることを成長の根拠にはできない。10年先の全住宅着工は中立で60万戸台、構造的な負けでは50万戸台を視野に入れる。
競合は、一条工務店やタマホームの規模と価格、大和ハウス・積水ハウスの品質保証、九州のシアーズホームやアネシスなどの地域密着力を持つ。全国の戸建市場で大手ほど施工数と仕入交渉力を蓄積しており、Lib Workが取り得る成長は全国市場の伸びではなく地域シェアの上昇だ。熊本・福岡での認知の高さを関東へ移すには土地仕入と施工パートナーの再構築が要る。2025年の建築基準法改正で確認審査が長引いた経験は、小規模な業者ほど設計・行政対応力が重要になることを示した。
3Dプリンター建設は職人不足を緩和する新市場だが、建物のすべてを印刷するわけではない。構造、耐久性、住宅瑕疵担保責任保険、防火性能、現場ごとの品質を満たして初めて本格量産できる。現在の実需市場は住宅全体に比べごく小さく、世界市場の巨大な成長予測を売上へ直結させるのは危険だ。住宅OSも全国の住宅会社を獲得する余地がある一方、汎用AIによって設計・見積・集客のソフトが容易に競争化する。中立では物価上昇を単価に、人口とシェアを戸数に分け、新技術は売上確認のある小規模な成功から評価する。
資本政策と M&A
資本配分を評価する際には、新規技術への資金投下と住宅在庫の膨張を切り分けたい。2023年に幸の国木材工業を取得したことは木材加工を内製化する合理性があり、2026年のタクエーホーム吸収合併も関東の経営を簡素化する。ただし、2026年は販売用不動産と仕掛販売用不動産の合計が約63億円へ増え、営業キャッシュフローは約14億円の赤字になった。短期借入も約44億円まで増え、現金と借入の差は純負債約25億円に悪化した。
2026年にはビットコイン約5億円を取得し、期末に約2.25億円の評価損を計上した。これは住宅と3D施工の技術優位を作る再投資ではなく、少数株主にとっては経営の資本規律を疑わせる。V3D Asiaに議決権約10%を出資する提携は東南アジアの施工実績を取り込む試みだが、収益化までは投資案件として慎重に見る。支配株主の議決権比率は公表で約56%あり、MBOの公表予定は確認できないものの、少数株主の利益を保全する姿勢は継続点検が要る。
会社の新中期計画「LIB EARTH SHOT 2029」は2029年6月期にROE20%、ROA15%、営業利益率10%以上、営業CFマージン15%、ストック利益比率25%を目標とする。My Home Robo600社、IP100店、3Dプリンター建設FC50社も掲げる。ただし売上総額や自社株買いの金額について確約はない。配当政策は利益に対する配当性向35~40%程度を目安としつつ年間の配当を維持してきたため、2026年の配当性向は約144%へ跳ねた。優待については2026年に引当金繰入約1.25億円があり、年の償還額約0.94億円と混同せず、将来還元には保守的な年間約1億円規模の費用を考慮した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
Lib Workには単なる小型ハウスメーカーを超える可能性がある。住宅会社の付加価値は営業・設計・仕入・施工・保証の縦割りに分散しているが、同社は既に自社サイト・動画による集客を持ち、木材加工会社を買収して工事の内製化を進めた。広告費を減らし、土地在庫を縮小すれば、売上の伸び以上に株主利益が増える余地が大きい。地元九州だけでも大手・地域工務店から小幅に顧客を奪えれば、縮小する住宅市場の中で成長できる。
技術の側では、土系材料の特許があり、2026年10月にはmodel Bがデザイン賞を受けた。3Dプリンター住宅を販売するだけでなく、FC各社に設備、材料、施工データを供給すれば、全国・海外へ人員を比例増さずに広げられる。2026年のV3D Asiaとの提携は東南アジアの足場になる。ライセンスと材料収入が増えれば、住宅部門の季節性をならす継続収益ができる。中期計画の粗利率35%、販管費率20%以下を実現できれば、経営が目指す利益率10%にも届き得る。現時点で少ない収益だからこそ、技術が成功したときの上振れは大きい。
慎重な見方
住宅は良い商品を造るだけでは高い資本収益率にならない。顧客は注文から引渡しまで長い検討期間を持ち、複数のメーカーを比較する。Lib Workは全国シェアが極めて小さく、九州での広告の強さを関東にそのまま移せる保証もない。実際に2026年の営業利益率は3.4%、純利益は約1億円に後退し、土地在庫拡大で営業キャッシュフローが大きく赤字になった。住宅ローン金利と建築コストがともに上がる環境は、価格転嫁だけでは乗り切れない。
3Dプリンターの技術は画期的でも、壁だけを印刷して木造躯体と組み合わせる住宅であり、全国的な認定、保証、耐火性、量産コストがまだ実績で証明されていない。My Home Roboは149社導入にとどまり、汎用AIエージェントが提案や見積を作れば席課金を維持できない。IPライセンスもniko and ...ブランドに依存する部分がある。大幅な利益率改善を数年で達成するという計画の裏で、2026年には事業と関係の薄い暗号資産に資金を投じた。支配株主が議決権の過半を持つ中、少数株主が資本規律を強制できる余地も狭い。
どちらに重みを置いたか
現時点では慎重な見方が優勢だ。住宅の既存収益は確認できるが、2029年の3D加盟50社やMy Home Robo600社は現時点で継続的な収益と転換率が十分証明されていない。AIエージェント代替と在庫・金利リスクを重く見て、確率は上側26%に対し下側39%と下へ寄せた。下に寄せる理由:借入増とビットコイン投資が重なる一方、新規技術はまだ商用引渡実績に乏しいためである。中立にも会社の実力改善を認めており、株価に合わせて将来利益を逆算したわけではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/06 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 620 円144 億円(+ 還元の換算額還元の合計 156 円36 億円)。 今の値に割り戻すと 363 円85 億円、今との差 −40.5%、 期待の年率 +2.7%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 2,216 円515 億円 | 421 円98 億円 | +331.5% | +17.9% | 237 円55 億円 |
| やや楽観 | 17% | 1,160 円270 億円 | 292 円68 億円 | +137.7% | +10.4% | 247 円57 億円 |
| 中立 | 35% | 525 円122 億円 | 129 円30 億円 | +7.0% | +0.8% | 229 円53 億円 |
| やや悲観 | 25% | 121 円28 億円 | 73 円17 億円 | −68.3% | −12.7% | 48 円11 億円 |
| 悲観 | 14% | 69 円16 億円 | 34 円8 億円 | −83.1% | −18.3% | 14 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 620 円144 億円 | 156 円36 億円 | +27.0% | +2.7% | 776 円181 億円 |
今の株価時価総額 611 円142 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 全国ブランド化と3D建設の量産が実現 利益 41 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,216 円515 億円
住宅市場の絶対戸数は縮むが、熊本・福岡で磨いた商品企画と自社の製材調達が関東でも通用する。注文住宅は640戸、建売相当は240戸に増え、ブランド指名で資材・人件費の上昇を上回る単価改善を実現する。オンライン集客だけに頼らず、施工品質と引渡後の保証で紹介が増え、タマホームや地場有力工務店から顧客を奪う。
土を主原料とする3Dプリンター住宅は防火・瑕疵保険・施工標準化を越え、国内外の直営145棟と加盟170社へ広がる。V3D Asiaとの連携がインドネシア・マレーシアの施工網に育ち、材料供給と装置販売が現金を生む。niko and ... EDIT HOUSE等のライセンスは120店舗となり高採算化するが、My Home RoboはAIエージェント代替を踏まえ導入149社を超えない。投資はなお必要でも、収益の中心が工事請負だけでなくなり、利益率が過去の水準を大きく超える。
- 注文住宅・建築請負:数量 640(引渡し請負住宅(推定、戸/年))× 価格 0.40(請負1戸当たり売上(億円、土地代を原則含まない))→ 売上 253 億円・営業利益 23 億円。全国戸建市場は縮小しても九州・関東でシェアを獲得。物価を上回る値上げと施工効率改善を実現する。
- 建売住宅・不動産販売:数量 240(建売住宅等の販売(戸・土地付住宅換算))× 価格 0.52(販売1件当たり売上(億円、土地代込み))→ 売上 124 億円・営業利益 9 億円。完成在庫の回転が改善し、関東での建売販売件数が大幅に増える。
- 製材・付帯サービスその他:数量 740(住宅関連の提供案件(年・500件換算の推定))× 価格 0.03(付帯案件1件当たり売上(億円))→ 売上 21 億円・営業利益 2 億円。内製施工・製材の供給能力が拡大し、住宅関連の付帯案件も増える。
- My Home Robo:数量 149(導入住宅会社数(社))× 価格 0.01(1社当たり年額課金(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替を踏まえ導入社数は現状を上限とする。10年間の単価上昇は15%まで。
- 住宅ブランドIPライセンス:数量 120(契約加盟店舗数(店舗))× 価格 0.09(1店舗当たり年間ライセンス・商品収入(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 4 億円。全国でブランド加盟が定着し、ライセンスの高い限界利益率を確保する。
- 3Dプリンター住宅の直営施工:数量 145(直営施工・売上計上棟数(国内外合計、戸))× 価格 0.53(直営1棟当たり売上(億円))→ 売上 77 億円・営業利益 13 億円。住宅規制、保証と量産施工コストの課題を解消して年間145棟を引き渡す。
- 3Dプリンター建設FC・機械・材料:数量 170(年内に稼働・売上が発生するFC加盟社数(社))× 価格 0.20(加盟社1社当たりプリンター等含む年売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 13 億円。国内と東南アジアで加盟店が稼働し、機械・材料・設計データの供給で利益を得る。
倍率:k9.0%、g_long2.0%、堀はweak(増分超過収益残存3分の1)。2036年のROE29.5%からRONIC15.83%となり、正当化PER=(1−0.02÷0.1583)÷(0.09−0.02)=12.48倍。楽観は上限そのもの。大規模再投資・新機械の償却、金利負担を利益に反映した。
確率:3Dプリンター住宅が国内外で年間145棟、加盟170社に拡大し、従来住宅でも関東を含めシェアを広げる複数の成功が必要。2026年時点ではまだ商用引渡実績が確認できず、9%に限る。
やや楽観 17% 九州優位を維持し住宅関連サービスを一部収益化 利益 22 億円 · PER 12.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,160 円270 億円
九州ではSNSと動画からの来場を継続し、地場工務店が高齢化で撤退する地域から顧客を取り込む。注文住宅520戸、建売190件へ増やす一方、資材購買の集中とモデルハウスの建売転用で販管費率を下げる。価格転嫁は住宅ローンの返済負担に制約されるため、全国大手ほどの強い値決め力には至らない。
3Dプリンター住宅は瑕疵保険と量産基準を通過し、直営90棟と加盟95社が利益に寄与する。IPライセンスは80店まで拡大するが、商品企画の他社追随を受けて利益率は抑えられる。My Home Roboは導入134社へ微減し、単価も物価ほど上げられない。海外提携の効果は認めるものの、データの独占的基盤にはならず、住宅事業の堀は地域内にとどまる。
- 注文住宅・建築請負:数量 520(引渡し請負住宅(推定、戸/年))× 価格 0.38(請負1戸当たり売上(億円、土地代を原則含まない))→ 売上 195 億円・営業利益 15 億円。九州と関東で引渡戸数を増やし、購買の集中と展示場整理で採算改善。
- 建売住宅・不動産販売:数量 190(建売住宅等の販売(戸・土地付住宅換算))× 価格 0.48(販売1件当たり売上(億円、土地代込み))→ 売上 91 億円・営業利益 6 億円。関東の建売販売を増やすが、土地仕入れは資本を使うため利益率の改善幅を抑える。
- 製材・付帯サービスその他:数量 650(住宅関連の提供案件(年・500件換算の推定))× 価格 0.03(付帯案件1件当たり売上(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。製材と付帯工事の効率が改善する。
- My Home Robo:数量 134(導入住宅会社数(社))× 価格 0.01(1社当たり年額課金(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替を踏まえ、導入社数は現状の約0.90倍、単価は約1.12倍。
- 住宅ブランドIPライセンス:数量 80.0(契約加盟店舗数(店舗))× 価格 0.08(1店舗当たり年間ライセンス・商品収入(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 3 億円。ブランド住宅の加盟80店舗を達成し、設計IPの使用許諾で高い採算を維持。
- 3Dプリンター住宅の直営施工:数量 90.0(直営施工・売上計上棟数(国内外合計、戸))× 価格 0.49(直営1棟当たり売上(億円))→ 売上 44 億円・営業利益 6 億円。直営90棟まで商用化するが、大幅な独占価格は取れない。
- 3Dプリンター建設FC・機械・材料:数量 95.0(年内に稼働・売上が発生するFC加盟社数(社))× 価格 0.17(加盟社1社当たりプリンター等含む年売上(億円))→ 売上 16 億円・営業利益 5 億円。加盟95社にプリンターと材料を供給する。
倍率:ROE20.36%、k9.0%、weakのRONIC12.79%、長期g2.0%。正当化PER=(1−0.02÷0.1279)÷0.07=12.05倍。営業利益約33億円から税・金融収支を控除し純利益22.4億円、現金上乗せはない。
確率:関東の内製施工改善、ブランドライセンス80店、3Dプリンター施工90棟・加盟95社なら可能だが、現時点の売上実績に比べればなお高い目標であり17%とした。
中立 35% 住宅シェア微増、3Dは緩やかに商用化 利益 11 億円 · PER 11.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 525 円122 億円
新設住宅着工が長期的に減るなか、九州の認知度、住宅版SPA、動画による指名集客が一定の役割を果たす。注文住宅は440戸、建売は145件となり、市場縮小を小幅なシェア上昇で補う。契約単価は資材と人件費のインフレ相当だけ上昇するが、実質的な値上げ力は大きくない。常設展示場の縮小で販管費を減らし、住宅部門の採算は過去の山に届かない範囲で回復する。
3Dプリンター住宅は品質・法規制を満たすまで時間がかかり、2036年に直営45棟、FC45社にとどまる。IPライセンスは50店舗に広がるが、My Home Roboの導入社数はAIエージェント代替で149社から119社へ減少し、単価も10年間で10%しか上がらない。2029年の高い利益率目標には届かず、土地在庫の回転と借入の金利負担が成長の制約となる。
- 注文住宅・建築請負:数量 440(引渡し請負住宅(推定、戸/年))× 価格 0.35(請負1戸当たり売上(億円、土地代を原則含まない))→ 売上 153 億円・営業利益 9 億円。請負戸数は396戸から440戸へ小幅増。単価は0.26億円の約1.34倍で、実質の値上げを含めない。
- 建売住宅・不動産販売:数量 145(建売住宅等の販売(戸・土地付住宅換算))× 価格 0.46(販売1件当たり売上(億円、土地代込み))→ 売上 66 億円・営業利益 3 億円。建売換算123件から145件へ拡大し、土地代込み単価には物価3%の10年分を反映。
- 製材・付帯サービスその他:数量 535(住宅関連の提供案件(年・500件換算の推定))× 価格 0.03(付帯案件1件当たり売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。住宅関連案件は535件、材料と人件費の転嫁は概ね物価並み。
- My Home Robo:数量 119(導入住宅会社数(社))× 価格 0.01(1社当たり年額課金(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で導入社数は現状の約0.80倍、単価は1.10倍にとどまる。
- 住宅ブランドIPライセンス:数量 50.0(契約加盟店舗数(店舗))× 価格 0.08(1店舗当たり年間ライセンス・商品収入(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。加盟50店に拡大し、実物住宅のブランドライセンスとして収益を得る。
- 3Dプリンター住宅の直営施工:数量 45.0(直営施工・売上計上棟数(国内外合計、戸))× 価格 0.45(直営1棟当たり売上(億円))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。直営45棟の限定的な商用成功。建築費競争により単価は試算基準より低い。
- 3Dプリンター建設FC・機械・材料:数量 45.0(年内に稼働・売上が発生するFC加盟社数(社))× 価格 0.17(加盟社1社当たりプリンター等含む年売上(億円))→ 売上 8 億円・営業利益 2 億円。実働FC45社。導入設備と継続材料収入を含むため、加盟数と売上の両方を検証する必要がある。
倍率:2036年純利益10.7億円、自己資本90億円でROE11.89%。weakの残る割合3分の1でRONIC9.96%、k9%、g_long2%。正当化PER11.42倍を上限のまま採用し、株価を起点とした調整を行わない。
確率:国内の戸建市場縮小、九州・関東での限定的シェア上昇、プラットフォームへの投資回収遅れを両立させる中心見通し。実在する住宅販売と小規模な継続課金を主に評価し35%とする。
やや悲観 25% 顧客獲得費と資金負担が重い 利益 3 億円 · PER 10.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 121 円28 億円
九州の人口減と金利上昇により、注文住宅の引渡しは360戸、建売は99件に減る。全国大手や地場の低価格メーカーとの比較が厳しく、建築コストの全額転嫁ができない。土地の売却期間が延びたため、完成在庫の値引きと短期借入の借り換えが続き、営業利益率は低位で推移する。常設展示場の撤退だけでは人件費と工事固定費を十分に減らせない。
3Dプリンターの認定・保険制度への適合は遅れ、直営14棟とFC12社の試験的規模にとどまる。My Home Roboは導入119社でも顧客の利用頻度が落ち、ライセンス収益は薄まる。大きな買収や増資を避ける一方、配当と優待は段階的に圧縮する。土地・完成住宅には売却価値が残るが、利益は資本コストに届かず、住宅会社としての事業競争力は弱くなる。
- 注文住宅・建築請負:数量 360(引渡し請負住宅(推定、戸/年))× 価格 0.33(請負1戸当たり売上(億円、土地代を原則含まない))→ 売上 117 億円・営業利益 5 億円。引渡戸数が減少し、価格は物価上昇に十分追い付かない。
- 建売住宅・不動産販売:数量 99.0(建売住宅等の販売(戸・土地付住宅換算))× 価格 0.43(販売1件当たり売上(億円、土地代込み))→ 売上 43 億円・営業利益 1 億円。完成在庫を値引きして処分し、借入と土地保有費用が利益を削る。
- 製材・付帯サービスその他:数量 420(住宅関連の提供案件(年・500件換算の推定))× 価格 0.02(付帯案件1件当たり売上(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。工事件数の減少で自社製材や施工内製化の稼働率が落ちる。
- My Home Robo:数量 119(導入住宅会社数(社))× 価格 0.01(1社当たり年額課金(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により導入119社、単価は現状の約1.05倍にとどまる。
- 住宅ブランドIPライセンス:数量 28.0(契約加盟店舗数(店舗))× 価格 0.07(1店舗当たり年間ライセンス・商品収入(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 1 億円。加盟店数が伸び悩み、競争によって採算も低下する。
- 3Dプリンター住宅の直営施工:数量 14.0(直営施工・売上計上棟数(国内外合計、戸))× 価格 0.44(直営1棟当たり売上(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 −1 億円。製造・品質保証・現場手配の費用が売上を上回り赤字が残る。
- 3Dプリンター建設FC・機械・材料:数量 12.0(年内に稼働・売上が発生するFC加盟社数(社))× 価格 0.12(加盟社1社当たりプリンター等含む年売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。加盟が試験的規模にとどまり、装置・材料販売の拡大は実現しない。
倍率:ROE5.0%はk9.0%以下なので正当化PER上限1/k=11.11倍。借入と設備更新に資金を取られる稼ぐ力を10.8倍で測ると2.6億円×10.8=28.08億円。別途売却資産の保守的床24億円より大きく、帳簿価値を積み上げて床としてはいない。
確率:2026年営業キャッシュフローが赤字、純負債約25億円、建築確認長期化と低利益率が重なった実績を重視。新規事業の一部が計画未達でも本業は残るため25%。
悲観 14% 在庫処分と技術開発断念による構造的敗北 利益 −1 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 69 円16 億円
注文住宅が280戸、建売が70件まで落ち、住宅市場全体の縮小以上にシェアを失う。熊本・福岡の地元工務店との優位は薄れ、土地在庫を値下げしても資金回収が遅い。借入の更新金利は上昇し、営業損失と棚卸評価損によって自己資本が減少する。3Dプリンター住宅は耐久性評価、保険、施工コストの課題を越えられず、FCと直営の商用展開を断念する。
住宅営業の提案画面は汎用AIエージェントに吸収され、My Home Roboの導入会社は90社に縮み、ライセンス事業も競合ブランドに見劣りする。取引先との連携や小規模買収では採算を回復できず、資金流出を止めるため配当と優待を事実上停止する。住宅在庫や現金は換価できるが、清算される約束はないため、少数株主が帳簿上の自己資本をそのまま回収できるとは考えない。
- 注文住宅・建築請負:数量 280(引渡し請負住宅(推定、戸/年))× 価格 0.30(請負1戸当たり売上(億円、土地代を原則含まない))→ 売上 84 億円・営業利益 2 億円。九州でもシェアを失い、販売数量と値上げ力がともに低下。
- 建売住宅・不動産販売:数量 70.0(建売住宅等の販売(戸・土地付住宅換算))× 価格 0.38(販売1件当たり売上(億円、土地代込み))→ 売上 26 億円・営業利益 0 億円。棚卸資産を値引き売却し、土地・建物の採算が赤字になる。
- 製材・付帯サービスその他:数量 340(住宅関連の提供案件(年・500件換算の推定))× 価格 0.02(付帯案件1件当たり売上(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。工事の大幅減少で製材・付帯工事の利益はほぼ消える。
- My Home Robo:数量 90.0(導入住宅会社数(社))× 価格 0.01(1社当たり年額課金(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替により導入会社は90社へ減り、値上げもできない。
- 住宅ブランドIPライセンス:数量 10.0(契約加盟店舗数(店舗))× 価格 0.06(1店舗当たり年間ライセンス・商品収入(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。ブランド商品が競合に埋もれ、加盟は10店まで縮小する。
- 3Dプリンター住宅の直営施工:数量 0.0(直営施工・売上計上棟数(国内外合計、戸))× 価格 0.44(直営1棟当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。3Dプリンター住宅の商用建設から撤退し、売上を生まない。
- 3Dプリンター建設FC・機械・材料:数量 0.0(年内に稼働・売上が発生するFC加盟社数(社))× 価格 0.12(加盟社1社当たりプリンター等含む年売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。FC加盟・機械・材料の事業化に失敗し、売上を生まない。
倍率:継続赤字となりPERは有意でない。過去の谷PBRは不使用。2026/6期の自己資本46.8億円に、売却可能な資産の税後処分見込16億円を対応させた床倍率16÷46.8=0.342倍。2036年の積み上げ自己資本34億円にはこの倍率を掛けない。
確率:人口減・金利高・地場シェア喪失に加え、3Dプリンター事業失敗とAIによるソフトの汎用品化が重なる。債務負担があり、局所災害も無視できず、14%を割く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
注文住宅・建築請負
注文住宅など土地販売を主目的としない請負工事。設計・施工・管理を提供する。
| 数量引渡し請負住宅(推定、戸/年) | 価格請負1戸当たり売上(億円、土地代を原則含まない) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 396 | 0.26 | 103 | 4 |
| 10 年後 中立 | 440 | 0.35 | 153 | 9 |
取り方:2026/6期の建築請負部門の開示売上102.898億円。業界団体が2025年頃の受注を全社約500棟と紹介した資料と請負価格帯から、396戸×0.26億円と逆算した推計。引渡戸数・平均単価の会社開示は見つからず、受注戸数と引渡戸数は異なる。利益は単一セグメントのため推計配賦。
建売住宅・不動産販売
建築済み住宅と宅地を仕入れ・造成・販売し、土地在庫と借入を負担する。
| 数量建売住宅等の販売(戸・土地付住宅換算) | 価格販売1件当たり売上(億円、土地代込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 123 | 0.34 | 42 | 1 |
| 10 年後 中立 | 145 | 0.46 | 66 | 3 |
取り方:2026/6期の不動産販売部門の開示売上41.773億円から、土地代込み平均0.34億円を仮定して約123件を推計。土地単独販売を住宅換算に含むため厳密な引渡戸数ではない。利益は単一セグメントのため推計配賦。
製材・付帯サービスその他
幸の国木材工業の加工・付帯工事や住宅関連のその他の売上から、別計上したプラットフォーム収益を除く。
| 数量住宅関連の提供案件(年・500件換算の推定) | 価格付帯案件1件当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 500 | 0.02 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 535 | 0.03 | 14 | 1 |
取り方:有報のその他売上12.129億円からMy Home RoboとIPライセンスの推定売上約2.23億円を控除した残額を、全社年間約500受注相当の案件数で割った。その他の実際の件数・単価は未開示であり、独立した件数の統計ではない。利益は推定。
My Home Robo
工務店向けに間取り・住宅プランを提案する席・操作画面中心の業務SaaS。住宅営業の作業を支援する。
| 数量導入住宅会社数(社) | 価格1社当たり年額課金(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 149 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 119 | 0.01 | 1 | 0 |
取り方:2026/6期の導入149社、営業利益0.235億円は2026年8月中期計画の実績値。料金と売上は個別未開示のため年1社65万円、売上0.9685億円と推定した。AIエージェント代替:席・画面型で、現時点で年解約率5%未満や法的に必須の記録基盤という証拠は2つなく、記録の正本には分類しない。
住宅ブランドIPライセンス
niko and ... EDIT HOUSEなどのブランド住宅の商品企画・設計商品を工務店に使用許諾する。
| 数量契約加盟店舗数(店舗) | 価格1店舗当たり年間ライセンス・商品収入(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 20.0 | 0.06 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 50.0 | 0.08 | 4 | 1 |
取り方:中期計画は2026/6期加盟20店舗、営業利益0.45億円を開示。売上は未開示のため店舗当たり年630万円、計1.26億円を仮置き。実物のブランド住宅の設計IP・販売網が価値であり、席数依存のSaaSとは区別した。
3Dプリンター住宅の直営施工
土・石灰を主原料とする印刷壁と木造軸組を組み合わせた住宅を施工・引渡しする新規事業。
| 数量直営施工・売上計上棟数(国内外合計、戸) | 価格直営1棟当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 0.48 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 45.0 | 0.45 | 20 | 2 |
取り方:2026/6期中計の直営建設売上実績は「—」で、商用売上・引渡棟数の開示はないためゼロ。0.48億円は将来の試算用暫定単価で実績単価ではない。2029/6期の国内20億円+海外7.2億円の会社目標は既成の実績として計上しない。
3Dプリンター建設FC・機械・材料
施工加盟会社にプリンター、資材、データ作成、加盟料、ロイヤリティを提供する。
| 数量年内に稼働・売上が発生するFC加盟社数(社) | 価格加盟社1社当たりプリンター等含む年売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/06 | 0.0 | 0.17 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 45.0 | 0.17 | 8 | 2 |
取り方:2026/6期はFC加盟・機械販売・材料料・ロイヤリティいずれも実績未開示のためゼロ。2029/6期会社計画はFC50社、機械販売5億・材料等2.5億・加盟金0.5億・ロイヤリティ0.5億で、合計8.5億÷50社=年0.17億円が暫定の単価である。
リスクと懸念
住宅需要と住宅ローン金利
国内の持家・戸建分譲は人口と世帯形成の鈍化で減りやすい。3%国債を想定した住宅ローン金利の上昇は購入可能額を削る。単価が物価に合わせて上がっても販売戸数が減り、建売の用地回転が遅くなれば、営業利益と現金は同時に悪化する。
在庫膨張・借り換え・固定費
2026年6月の販売用・仕掛販売用不動産約63億円と純有利子負債約25億円は、販売長期化時の脆さを示す。借入金利が3.5%前後へ移ると税前で年約1億円の追加負担が生じる。展示場の賃料と人件費も直ちには変動費化できない。
3Dプリンター建設の法規・品質・収益化
特許や2026年10月のデザイン賞は技術の価値を示すが、瑕疵保険、防火性、長期耐久性、木造躯体との組合せ、設置時の輸送と現場人員が必要だ。商用量産と実際の平方メートル当たり総コストが未検証のうちは、2029年のFC50社目標に利益を前払いできない。
AIエージェント代替
My Home Roboは導入149社だが、住宅営業が画面でプランを選ぶ前提のサービスである。汎用AIエージェントが間取り、営業資料、見積、問い合わせ対応まで直接行えばIDや操作回数が減る。10年中立で数量0.80倍、価格1.10倍、同部分の長期名目成長0%以下とし、独自データの堀を未証明とみる。
資本配分と暗号資産の値動き
2026年のビットコイン購入は約5億円、期末評価損は約2.25億円だった。新しい住宅技術に使える余力と株主が必要とする安定配当を圧迫し、業績と無関係な変動リスクを増やす。支配株主の議決権約56%という構造で少数株主の意向が資本配分に反映されるかを注視する。
地域災害・建築基準法改正
熊本を中心とする営業地域では地震や豪雨から施工・建材供給が止まり得る。2025年の建築基準法改正による確認審査長期化は、売上の計上時期と在庫金利を同時に悪化させた。地震復旧の支援は顧客との信頼を育むが、短期の新規引渡しや労務費には逆風になり得る。
今後の分かれ目
- 3Dプリンター住宅の完工・引渡数、保険加入、平方メートル当たり総コストが継続して開示され、2029年計画に近づいたら
- 単発モデルの評判ではなく商用の収益率が立証されたとして、直営施工・FC加盟の中立数量と上側の確率を引き上げる。
- My Home Roboの導入社数が増えても継続利用率・解約率・年額単価が下がったら
- AIエージェント代替と競争的な値下げの証拠として、同事業の数量と単価を悲観側に寄せ、住宅向けソフトの堀は弱いままとする。
- 販売用不動産・仕掛販売用不動産と純負債が減り、営業CFが数年連続で黒字になったら
- 住宅利益が実際に株主の使える現金に変わり始めた証拠として、借金の品質評価と将来の還元余地を見直す。
- 住宅本体の値上げ後も注文・建売の受注戸数と粗利率が同時に伸び続けたら
- 地元ブランドと施工網の価格決定力が強まったとして、中立の戸数・営業利益率と将来の増分資本収益を上方修正する。
- ビットコイン追加購入や大きな希薄化を伴うM&Aが行われたら
- 利益ではなく資金配分が既存株主の取り分を減らすリスクとして、下側確率やholder_shareを再評価する。
- 建築確認遅延が解消し、建売の完成在庫・平均販売期間が短縮したら
- 2026年の減益が一時的だった可能性を高め、資金負担と売却資産の換価率を再検証する。
見ておくもの
- 四半期の注文住宅・建売の受注高・引渡棟数・受注残と平均単価。未開示なら業界データで推計する。
- 販売用不動産+仕掛販売用不動産、棚卸資産回転期間、純負債、営業キャッシュフロー。
- My Home Roboの導入社数・解約率・契約当たり課金単価・AI自動化の実際の収益。
- IPライセンス店舗数・1店当たりロイヤリティ・契約更新率。
- 3Dプリンター住宅の直営完工棟数、FC加盟社の稼働率、平方メートル当たり総建築コスト、住宅瑕疵保険・防火性能認定。
- 2029年営業利益率10%・ROE20%・営業CFマージン15%への進捗。
- 株主優待の年間実費、現金配当、暗号資産残高、株主希薄化。
- 2026年以降の熊本地域の震災対応と住宅市場着工数。
倍率と資本コストの決め方
評価の順番は、請負・建売の推定引渡戸数と単価、木材関連の付帯案件、My Home Robo149社、IP20店舗、ゼロから始まる3D施工とFCを先に積み上げることだ。全国の持家・戸建分譲約31万戸と2036年の縮小を数量側に、物価年3%と実際の値上げ能力を単価側に入れた。倍率は市場のPER・過去のPBRを使わず、k9%、長期g2%、弱い堀のRONICから式で決定した。楽観から中立のPERは正当化上限のままで、悲観は稼ぐ力または換価可能資産の床で測った。基準時価総額144億円は最後の比較のみに使う。2027年以後のリース会計変更で展示場賃借の使用権と負債が両建てになる場合も、2036年の営業利益は家賃を営業費用に含む従来の比較可能な形とした。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク金利3%+株式リスクプレミアム4.5%=7.5%を基本に、品質調整1.5%を足す。暗号資産や3Dプリンター建設の実行に伴う個別不確実性は筋書きと確率へ反映し、追加上乗せはしない。