結論
FUJIジャパンは、札幌に本社を置く外壁リフォームの専門会社だ。既存の壁の上に自社の外壁材を重ね貼りする工事を、北海道・東北・関東で請ける。売上は 10 億円ほどで、従業員は 40 人だ。
筆者の結論は、いまの値段は割高ということだ。営業利益は 4 期続けて赤字で、2025 年の最終黒字は本社の土地の売却益 2.4 億円によるものだった。本業が稼いだ利益ではない。
2026 年 12 月期の会社計画は営業利益 0.7 億円の黒字転換だ。ただ中間期は売上が 2 割減り、営業損失が 0.2 億円出た。受注が大きく落ちており、計画の達成は難しいと筆者は見る。
強みはある。自社で開発したタイルの外壁材と、重ね貼りの工法は、壁を壊さずに済む点で顧客に選ばれる。それでも会社が小さく、固定費が重い。筆者がいちばん気にしているのは、受注が戻らない場合に、自己資本 3.4 億円の薄さが持ちこたえられるかだ。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「資本の薄い小さな営業会社が、赤字の中で立て直しを図っている」状態だ。外壁リフォームの需要は 10 年後も残るが、この会社がその需要を取り込めるかは、営業人員の質と数で決まる。
オーナー利益、つまり設備の更新を引いたあとに株主に残る現金は、いまは出ていない。本業の営業キャッシュは 4 期続けて赤字に近い。2025 年の黒字は、土地という資産を売って作ったものだ。
経営は値上げに動くなど、粗利の改善には手を打っている。ただ売上の落ち込みを止める手は見えず、計画の営業利益 0.7 億円は、中間期の実績から遠い。
安全域は薄い。自己資本は 3.4 億円で、時価総額の半分ほどだ。筆者は、本業の黒字が 2 期続くのを確かめるまで、この会社に値段は付けにくいと考える。
小さな会社にとって、資本を守ることが最優先だ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの 8 割は外壁リフォーム工事だ。戸建ての外壁に、自社ブランド「ハッピーエンドシリーズ」の外壁材を重ね貼りする。タイルを 1 枚ずつ貼る乾式の工法と、フッ素樹脂の鋼板の 2 本が柱で、既存の壁を壊さないので工期も費用も抑えられる。
営業は訪問が中心だ。受けた工事は、全国 40 社の指定工事店が施工する。累計の施工実績は 7,000 件を超える。
残りは 2 つある。1 つは、屋根や水回り、エクステリアなどの外壁以外のリフォームで、売上の 1 割強を占める。もう 1 つは材料販売で、自社の外壁材や施工資材を工務店に卸す。売上の 1 割弱だ。
拠点は札幌と仙台が中心で、関東は薄い。北海道が売上の半分、東北が 3 割弱、関東が 1 割強という構成だ。
外壁材の一部は、取引先の製造会社に作らせている。仕入れの 38% が 1 社に集中しており、この会社に不測の事態が起きると供給が止まるおそれがある。自社工場も持つが、規模は小さい。
外壁以外のリフォームは、外壁を請けた顧客に自社で提案して取る。工務店やハウスメーカーからの下請けも受ける。
優良さと弱いところ
優良さは「並」より下と筆者は見る。自社ブランドの外壁材と、既存の壁を壊さない工法は、他社との差になる。ただ訪問営業の会社に共通する弱みがあり、受注は営業の人数で決まる。
堀、つまり他社がまねできない強みは、材料の独自性と、10 年以上の施工の蓄積だ。しかし外壁の塗装や張り替えで競う会社は全国に無数にあり、顧客が替える費用は低い。堀は浅い。
資本の効率は低い。営業利益率は 2019 年 12 月期の 5.2% が過去 10 年の最良で、直近は赤字が続く。ROE が 29% と出るのは、土地の売却益が入ったからだ。
財務は余裕が薄い。自己資本比率は 55% あるが、現金と借入はほぼ同じで、営業のキャッシュも流出している。経営は 2025 年秋に値上げに踏み切り、粗利の改善には動いた。ただ売上の減りを補うには至っていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
住宅の外壁リフォームは、人口が減っても需要が残る数少ない分野だ。新築の着工は縮むが、築 20 年を超える戸建ては増え、外壁は 10〜15 年おきに手を入れる必要がある。国内の住宅リフォーム市場は年 7 兆円ほどとされ、外壁はその一部だ。
業界は小さな会社の集まりだ。塗装の工事店、地場の工務店、ハウスメーカーのリフォーム部門が入り乱れ、技術と価格の差が付きにくい。訪問販売の規制も厳しい。
足元の向きは弱い。物価の上昇で消費者は大きな支出を控え、金利の上昇で住宅ローンの借り換えも進まない。人手不足で施工の担い手も減り、工事店の確保が難しくなっている。
ただ価格には追い風もある。材料と人件費の上昇が続くので、同業全体で工事の単価は上がる。数量が守れれば、売上は物価の分だけ伸びる。
10 年で見ると、中立では施工の件数は 1 割弱減り、単価は物価並みに上がると筆者は見る。AI でも置き換わりにくい現場の仕事が中心だが、営業のやり方は変わりうる。
国は住宅の省エネ改修に補助金を出しており、断熱を兼ねた外壁工事には追い風になる。
資本政策と M&A
株主は創業者に近い個人が支配する。大株主の 1 位が 72% を持ち、上位 10 人で 89% に達する。流通する株は少なく、株主総会で外から経営に圧力をかけにくい。
還元は小さい。配当は総額で年 0.06 億円ほどだ。赤字の年は無配にした年もある。自社株買いは行っていない。
2025 年に本社の土地を売り、2.4 億円の利益を出した。売却で得た現金は、借入の返済と運転資金に使われる。
M&A の実績はない。上場は札幌証券取引所の本則市場だけで、東京の市場にはない。株の流通が薄く、買収の対象になる可能性はあるが、現金も事業の利益も乏しく、買い手にとっての魅力は小さい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
外壁リフォームの需要は構造的に残る。築 20 年を超える戸建ては増え続け、10〜15 年おきの外壁の手入れは避けられない。壊さずに重ね貼りする工法は、工期も費用も抑えられ、顧客に選ばれやすい。
自社ブランドのタイルの外壁材は、他社にない差になる。累計 7,000 件を超える施工の蓄積があり、40 社の指定工事店のネットワークもある。2025 年秋に始めた値上げは、粗利を押し上げる。
固定費の重さは、売上が戻れば一気に利益に変わる。2019 年 12 月期は売上 15 億円で営業利益率が 5.2% あった。今は売上が 10 億円まで落ちているが、2018 年から 2021 年にかけての 3〜5% の利益率が、規模が戻れば再び出る。
本社の土地を売って 2.4 億円の現金を得たので、当面の資金繰りに不安は小さい。拠点を札幌と仙台の 2 つに絞り、経営資源を集中させる方針も、固定費の軽量化につながる。
慎重な見方
営業利益は 4 期続けて赤字だ。売上は 2021 年 12 月期の 17 億円から 10 億円に減り、中間期はさらに 2 割減った。会社計画の営業利益 0.7 億円は、受注の実態から離れている。
黒字に見える 2025 年の最終利益は、本社の土地を売った益だ。事業が稼いだ利益ではなく、しかも売れる資産が 1 つ減った。同じ手は使えない。
営業のキャッシュは流出が続き、現金と借入はほぼ同じ水準だ。自己資本は 3.4 億円と薄く、赤字が 5 年続けば半分を割る。
受注は営業の人数で決まり、人が辞めれば売上も落ちる。仕入れの 38% が 1 社に集中している点も危うい。物価で人件費は毎年上がり、単価の転嫁が遅れる間は、利益が構造的に出ない。業界は小さな会社の集まりで、価格の競争も続く。
営業利益の黒字転換を掲げた計画は、過去にも達成できなかった。
なお現金は借入とほぼ同額で、赤字が続けば借入の返済に詰まる。
どちらに重みを置いたか
稼ぐ力と実績では、慎重な見方が強い。外壁リフォームの需要の残り方と、自社材の差は本物だが、4 期続いた赤字と中間期の落ち込みは重い。中立に 35%、悲観側の合計に 45%、楽観側に 20% を置いた。土地の売却で当面の資金は確保できているので、悲観を 17% にとどめ、床には売れる資産を数えた。 自己資本の薄さと営業赤字の長さを重く見た。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 95 円2 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 11 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 49 円1 億円、今との差 −84.5%、 期待の年率 −10.4%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 352 円8 億円 | 33 円1 億円 | +20.7% | +1.9% | 19 円0 億円 |
| やや楽観 | 15% | 207 円4 億円 | 21 円0 億円 | −28.6% | −3.3% | 34 円1 億円 |
| 中立 | 35% | 85 円2 億円 | 14 円0 億円 | −69.1% | −11.1% | 35 円1 億円 |
| やや悲観 | 28% | 43 円1 億円 | 5 円0 億円 | −85.0% | −17.3% | 13 円0 億円 |
| 悲観 | 17% | 26 円1 億円 | 2 円0 億円 | −91.2% | −21.5% | 5 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 95 円2 億円 | 11 円0 億円 | −66.7% | −10.4% | 106 円2 億円 |
今の株価時価総額 319 円7 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 5% 営業が戻り、自社材と値上げで利益率が 4% 台に 利益 1 億円 · PER 14.5 倍 · 株価時価総額 352 円8 億円
営業人員を札幌と仙台に集め、重ね貼りの需要を取り込み直す筋書きだ。外壁の工事件数は 10 年で 15% 増え、単価も物価並みに上がる。
材料販売は、工務店向けの卸が広がり、面積が 1 割ほど伸びる。自社材の差が顧客に認められ、値上げが通る。
固定費は物価で増えるが、拠点の集約で増えを一部抑える。売上は 15 億円台に戻り、営業利益率は 4.5% まで上がる。過去 10 年の最良 5.2% は下回る。
配当は利益の 2 割ほどに戻り、自己資本は積み上がる。自己資本が赤字で削られているため、ROE は 14% 台と資本コストを上回る。ただ利益の規模が小さく、この水準が続く保証は薄い。
- 外壁リフォーム工事:数量 496(工事の件数(件・推定))× 価格 248(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 12 億円・営業利益 2 億円。件数 15% 増。価格は物価並みの 1.38 倍
- その他リフォーム工事:数量 288(工事の件数(件・推定))× 価格 66(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。件数 2 割増
- 材料販売:数量 10.1(出荷した外壁材の面積(千平方メートル・推定))× 価格 1,380(千平方メートルあたりの売上(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。面積 8% 増。価格は 1.38 倍
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.4% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.5 倍。全体の PER 14.47 倍、時価総額 8 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:営業利益率 4.5% は過去 10 年の最良 5.2% 以下だが、4 期連続の赤字と中間期の落ち込みから見ると遠い。営業人員の増強と受注の回復がそろう必要があり 5%。
やや楽観 15% 受注が戻り、利益率は 3% で安定する 利益 0 億円 · PER 13.3 倍 · 株価時価総額 207 円4 億円
外壁の工事件数が 10 年で 5% 増え、物価並みの値上げも通る筋書きだ。売上は 14 億円ほどに戻る。
拠点を札幌と仙台に絞った効果で本社費の増えは抑えられ、営業利益率は 3% で安定する。自社の外壁材の販売も緩やかに伸びる。
配当は小さいまま続き、自己資本は少しずつ増える。自己資本が痩せている分、ROE は 11% 台に見える。
業績が回復しても、ここは小さな営業会社のままだ。受注の波は残り、年によって赤字に落ちる年もある。
物価で人件費が増えても、値上げが通れば粗利は守れる。営業人員の定着が、この筋書きの条件になる。
会社の計画(2028 年までに営業利益率 5% 台)には届かないが、計画の途中までは達成する形だ。
- 外壁リフォーム工事:数量 453(工事の件数(件・推定))× 価格 245(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。件数 5% 増。価格は 1.36 倍
- その他リフォーム工事:数量 264(工事の件数(件・推定))× 価格 64(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。件数 1 割増
- 材料販売:数量 9.3(出荷した外壁材の面積(千平方メートル・推定))× 価格 1,360(千平方メートルあたりの売上(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。面積は横ばい。価格は 1.36 倍
倍率:事業の純利益 0 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.4% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.3 倍。全体の PER 13.28 倍、時価総額 4 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2018 年から 2021 年は営業利益率 3.3〜5.2% で推移した。売上が 14 億円ほどに戻れば再現しうるので 15%。
中立 35% 件数は 3% 減、本社費を絞って利益率は 1% 台 利益 0 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 85 円2 億円
外壁リフォームの件数が 10 年で 3% 減る筋書きだ。築年数が進む戸建ては増えるが、営業の人数と物価高による消費の慎重さが、需要の伸びを打ち消す。
価格は物価並みに上がり、2025 年秋の値上げの効果も残る。売上は 12.8 億円まで回復する。
本社費は物価で毎年増える。拠点を札幌と仙台に絞り、関東の営業を縮める効果で、増えは一部抑えられる。営業利益率は 1.5% にとどまる。
配当は小さく、自己資本はほとんど増えない。ROE は 7% 前後だ。自己資本が赤字で細った分が高く見せている。事業は続くが、株主に残る利益は薄い。
10 年の間に赤字の年が 1〜2 回あっても、全体としては黒字に戻る形だ。
- 外壁リフォーム工事:数量 418(工事の件数(件・推定))× 価格 241(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 10 億円・営業利益 1 億円。件数 3% 減。価格は 1.34 倍
- その他リフォーム工事:数量 235(工事の件数(件・推定))× 価格 66(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。件数 2% 減。価格は 1.32 倍
- 材料販売:数量 8.9(出荷した外壁材の面積(千平方メートル・推定))× 価格 1,290(千平方メートルあたりの売上(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。面積 5% 減。価格は 1.29 倍
倍率:事業の純利益 0 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.1% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍。全体の PER 11.76 倍、時価総額 2 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2025 年は営業利益率 −6.8%、2018〜2021 年は 3.3〜5.2%。売上が戻っても規模が小さいままで固定費が重い姿を中心に、最も起こりやすい形として 35%。
やや悲観 28% 受注が 2 割減り、赤字が続く 利益 0 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 43 円1 億円
営業人員が減り、外壁の工事件数が 10 年で 2 割減る筋書きだ。消費者の慎重さが続き、価格競争で値上げも物価を下回る。
固定費を絞るが、人件費は物価で上がる。営業損失が 0.3 億円ほど続き、現金が少しずつ減る。
配当は止まる。借入の返済を優先するため、自己資本の減りを止める手が少ない。
会社は存続する。ただ稼ぐ力は細り、値打ちは売れる資産と現金で決まる。10 年の赤字の積み重ねで、自己資本はほぼ使い果たされる。
指定工事店の高齢化も進み、施工の担い手の確保が難しくなる。
取引先の工務店の廃業も重なり、材料販売の面積も落ちる。経営は新たな借入で凌ぐ。
- 外壁リフォーム工事:数量 345(工事の件数(件・推定))× 価格 225(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 8 億円・営業利益 1 億円。件数 2 割減。価格は 1.25 倍で物価を下回る
- その他リフォーム工事:数量 192(工事の件数(件・推定))× 価格 63(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。件数 2 割減
- 材料販売:数量 6.8(出荷した外壁材の面積(千平方メートル・推定))× 価格 1,250(千平方メートルあたりの売上(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。面積 27% 減。価格は 1.25 倍
倍率:稼ぐ力は赤字で無く、床は売れる資産で見て、今の自己資本 3.7 億円に 0.25 倍を掛けた約 0.9 億円。中立の PBR より低い。
確率:2022 年から 2025 年は 4 期続けて営業赤字で、中間期はさらに売上が 2 割減った。営業人員の流出が重なれば十分ありうるので 28%。
悲観 17% 受注が 4 割減り、赤字で資産を食う 利益 −1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 26 円1 億円
営業人員が離れ、外壁の工事件数が 10 年で 4 割減る筋書きだ。価格競争が激しくなり、価格は物価を大きく下回る。
固定費が重く、営業損失は年 0.8 億円ほどに膨らむ。借入の返済が重く、自己資本は 0 近くまで削られる。
仕入れの 38% を握る製造会社との取引に不具合が出れば、自社ブランドの外壁材の供給が止まりうる。重ね貼りの強みが失われる。
配当は無くなる。値打ちは事業の稼ぎでなく、売れる資産から借金を引いた残りで決まる。少数株主は、現金の使い道を決められない。
指定工事店の離脱も重なり、受注があっても施工できない案件が出る。
最終的には、事業の縮小と債務の整理で、残る価値は小さくなる。
- 外壁リフォーム工事:数量 259(工事の件数(件・推定))× 価格 207(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。件数 4 割減。価格は 1.15 倍で物価を大きく下回る
- その他リフォーム工事:数量 144(工事の件数(件・推定))× 価格 58(1 件あたりの工事金額(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。件数 4 割減
- 材料販売:数量 5.0(出荷した外壁材の面積(千平方メートル・推定))× 価格 1,100(千平方メートルあたりの売上(万円・推定))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。面積 46% 減。価格は 1.1 倍
倍率:本業は赤字が続き稼ぐ力は無い。床は売れる資産で見て、今の自己資本 3.7 億円に 0.15 倍を掛けた約 0.55 億円。やや悲観より低い。
確率:営業利益が 4 期連続の赤字で、会社の計画は中間期の実績から離れている。営業人員の流出と 1 社依存の仕入れの問題が重なれば起こりうるので 17%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
外壁リフォーム工事
戸建ての外壁に自社ブランドの外壁材を重ね貼りする工事。指定工事店 40 社が施工する。
| 数量工事の件数(件・推定) | 価格1 件あたりの工事金額(万円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 431 | 180 | 8 | 0 |
| 10 年後 中立 | 418 | 241 | 10 | 1 |
取り方:件数は開示が無いので推定。1 件あたりの工事金額を 180 万円とみて、売上 7.76 億円から 431 件相当と割り戻した。営業利益はセグメント利益 0.26 億円(本社費を引く前)。
その他リフォーム工事
屋根・水回り・エクステリアなど、外壁以外のリフォーム。個人と法人の両方から受ける。
| 数量工事の件数(件・推定) | 価格1 件あたりの工事金額(万円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 240 | 50 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 235 | 66 | 2 | 0 |
取り方:件数は開示が無いので推定。1 件あたり 50 万円とみて、売上 1.2 億円から 240 件相当とした。営業利益はセグメント利益 0.16 億円。
材料販売
自社ブランドの外壁材や施工資材を、工務店などに卸す。
| 数量出荷した外壁材の面積(千平方メートル・推定) | 価格千平方メートルあたりの売上(万円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9.3 | 1,000 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 8.9 | 1,290 | 1 | 0 |
取り方:面積は開示が無いので推定。外壁材と資材を合わせて 1 平方メートルあたり 1 万円(千平方メートルあたり 1,000 万円)とみて、売上 0.93 億円から 9.3 千平方メートルとした。営業利益はセグメント利益 0.06 億円。
リスクと懸念
営業赤字の長期化
営業利益は 4 期続けて赤字で、中間期も売上が 2 割減り赤字が出た。会社計画の黒字転換が崩れ、赤字がさらに続けば、自己資本 3.4 億円の薄さが問題になる。
受注が営業の人数に左右される
訪問営業が受注の入り口で、営業人員の質と数で売上が決まる。人が辞めれば売上も落ち、採用と育成が思うように進まないリスクがある。
特定の製造会社への依存
仕入れの 38% が 1 社に集中する。契約の解除や相手の不調で、自社ブランドの外壁材の供給が止まりうる。
人件費・資材の上昇
人件費と資材は物価で上がる。値上げが受注を減らす局面では、転嫁が遅れる間の利益が構造的に出ない。
消費者の支出の慎重さと金利
外壁リフォームは大きな支出で、物価高と金利上昇で先送りされやすい。中間期の受注の落ち込みは、この影響が大きいと会社も認める。
売れる資産の減少
本社の土地を売り、売れる資産が 1 つ減った。同じ形の利益は使えず、資金繰りが厳しくなれば、自社工場の売却や借入の増加を迫られる。
今後の分かれ目
- 営業利益が 2 期続けて黒字になる
- 立て直しが本物とみて、やや楽観以上の確率を上げる。
- 通期の予想が下方に修正される
- 営業の実力を計画より低くみて、悲観側の確率を上げる。
- 営業人員の退職が増える
- 受注の数量を下げ、中立の件数を見直す。
- 主要な製造会社との契約に変更が出る
- 材料の供給リスクを強く見て、悲観の確率を上げる。
- 自社工場や土地の売却が発表される
- 売れる資産の減少として床を下げる。
見ておくもの
- 外壁リフォームの受注件数と単価
- 営業利益と営業キャッシュ
- 営業人員の数と退職
- 仕入れ先の依存度
- 現金と借入の差
倍率と資本コストの決め方
倍率は ROE が全筋書きで k 8.5% を下回るので、上限 1÷k の 10.8 倍を基準に、利益の質で 7.6〜9.5 倍に置いた。悲観側は稼ぐ力が無く、床を今の自己資本と売れる資産に掛けた。今と過去の PER・PBR は見ていない。2025 年の土地売却益 2.4 億円は起点から除き、本社費は物価で増やして拠点の集約の分だけ減らした。償却は小さく、物価で増やしていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11→14.47 倍・やや楽観 PER 10.8→13.28 倍・中立 PER 7.8→11.76 倍)。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 1.75% = 9.25%。事業が傾いている会社として distress を足すことは、財務が維持できているので見送った。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.25% → 8.50%。