結論
新東方教育科技は、中国の試験対策、非学科の習い事、留学支援を柱に、東方甄選の通販も抱える民間教育大手である。筆者の結論は割高だ。学習塾の看板と豊かな現金は魅力だが、10年先に教室で売る授業時間の希少性が残るとは限らない。
台帳の直近値では売上56.8億ドル、営業利益6.5億ドルまで回復した。非学科の受講登録は約312万件、試験対策は約117万件に達し、教室は再び広がった。ところが2021年の「双減」政策は、収益事業だった義務教育段階の学科塾を一挙に止めた。この経験は、今の合法的な商品も将来ずっと同じ価格で売れる保証がないことを示す。
AIエージェントが試験対策、教材の生成、志望校の比較や出願事務を安く行えば、授業時間や相談件数は減る。他方、科学実験などの対面体験や、東方甄選の自社ブランド食品は完全には画面へ移らない。中立ではこの違いを数量と単価に織り込み、10年後の売上を約57.3億ドル、純利益を3.3億ドルと見る。
会社の純現金は約44億ドルだが、授業料の前受金と教室賃借の約束、VIEを通じた資金移動の制限がある。丸ごと株主の余剰資産とは見ない。五つの筋書きと期間中の正味還元を資本コスト8.5%で測ると、現在の時価総額約93億ドルに対する本質価値は約37億ドルとなり、差は約マイナス60%である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社を「教育が必要だから永遠に成長する会社」とは呼べない。人は10年後も学ぶが、お金を払う相手は変わる。新東方が売るのは教師と場所、受験の経験であり、そこには確かな価値がある。それでも試験問題の解説や留学申請の文章が安価に生成されるなら、教室に来る理由は今より狭くなる。
2021年の規制は事業の寿命を測る実地試験だった。経営は資金を守り、非学科の習い事と通販へ移る力を示したが、失った学科塾の経済性を元に戻したわけではない。危機を乗り切れたことは経営の強さであり、同じ危機が二度と起きないことの証拠ではない。将来の政策変更に対して、株主には議決権やVIEの構造による限界も残る。
オーナー利益は会計上の純利益を出発点に、教室を維持する費用、拡張投資、株式報酬による希薄化を考えて測る。直近のフリーキャッシュフローは約7.8億ドルと純利益より大きいが、前受授業料の増加が運転資金を押し上げる時期は恒常的な収益力とみなさない。純現金の一部には価値があり、還元方針も前進した。ただ、元手に対して高い追加利益が積み上がる確証が薄い以上、目先の回復率には高い値を払えない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は教室である。約1,459の学習センターと75校を69都市に持ち、約4万4,200人の講師を抱える。海外の語学・入試と中国国内の大学・大学院試験の対策には延べ117万件の登録があり、非学科の創造性・科学などの講座は延べ312万件だった。学習端末・個別教材の有料利用者は約60万人である。会社はこの三つを教育サービスとして一括開示しており、個別売上は公表していない。
教育売上約40.1億ドルのうち、試験対策15億ドル、非学科21億ドル、学習端末約4.1億ドルという内訳は本分析の推計である。登録件数にそれぞれ異なる平均支払額を掛け、開示された教育部門売上と突き合わせた。授業料は1講座ごとに受け取り、講師の給与、教室家賃、宣伝費が重い。対面で教え、成果の評価を引き受ける部分には、単なる動画にはない価値がある。
留学支援は学校選び、出願、ビザ、住居の相談を扱い、売上は約5.1億ドルだった。契約件数と顧客単価が未開示のため、推定約10万件の有償案件に平均約5,100ドルの支払額を当てた仮の単位で測る。東方甄選は食品・日用品の自社ブランドとライブ通販で約8.1億ドルを売り、商品取扱総額は102億元だった。販売の多くは抖音など他社の集客基盤に依存する。
その他には教材出版・文化観光などがあり、売上は約3.4億ドルだった。書籍約1,330万冊は開示された数量だが、観光の参加者数は不明であり推定単価で補った。2026年5月期の部門営業利益は教育約9.4億ドル、通販約0.9億ドル、留学支援約0.7億ドルで、その他の赤字と本社費用を引くと全社約6.5億ドルになる。
優良さと弱いところ
新東方の堀、つまり競争相手が短期間でまねできない強みは、教師の採用と育成、教材の蓄積、長年の受験ブランドにある。約2,600人の教材開発人員と独自の授業評価の仕組みを持つため、地域の小さな塾より教室品質をそろえやすい。試験や進学が人生を左右する家庭にとって、実績のある講師の紹介は購入の決め手になる。
しかし、登録の多くは数週間から数か月の講座である。給与台帳や企業の基幹システムと違い、翌年も同じ契約が続く仕組みではない。解約率が年5%未満といった数字もなく、値上げを毎年物価以上に通した証拠も確認できない。2021年には政策一つで教える科目そのものが失われた。ブランドがあることと、利益が10年維持できることを分けたい。
資本効率も吟味が要る。台帳の直近ROEは約12%で、過去10年の中央値は約10%だった。だが、非学科教室の増設には講師と賃貸施設を先に確保する必要があり、増分投資が長期間高い利回りを生む証拠はない。純現金が厚い一方、2026年5月期には前受授業料が約22.4億ドル、教室などのリース負債が約8.5億ドルある。
東方甄選の自社ブランドとリピーターは評価するものの、抖音への依存が高い。教育の講師網、留学相談、通販のどれにも規制対応の記録を独占保有する仕組みや年単位の移行費用は見いだせない。会社全体の堀は弱いとして、長期の再投資収益率を保守的に扱う。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
中国の受験競争と保護者の教育熱は根強いが、需要を支える子どもの数は減っていく。国家統計局による2025年の出生数は792万人で、同年の小学生は約1億180万人だった。現在の教室の稼働率を10年後の子どもの数にそのまま当てはめるのは危険である。規制で消えた学科塾の支出が非学科へ流れてきた過渡期の伸びも、永続的な市場成長と取り違えない。
広い定義の中国の課外教育市場は2026年に約1,034億ドルという外部推計がある。教育部門の約40億ドルは単純比較で4%弱だが、この市場には規制対象の科目や異なる価格帯が含まれ、厳密なシェアではない。競争相手の好未来(TAL)は2026年2月期に約30億ドル、高途(Gaotu)は2025年に学習サービス約8.6億ドルを売った。三社の成長が同時に高くても、将来の単価が保証されるわけではない。
海外留学について、中国教育部は2025年の出国留学者を約57万人と発表した。新東方の有償相談件数は公表されておらず、留学者数との比から確定的な市場シェアは出せない。米国の査証政策、進学先の多様化、出願手続きのAI化によって、人数と相談料は異なる方向へ動きうる。東方甄選の取扱総額102億元は、中国のライブ通販全体の2025年推計5兆元超と比べれば0.3%未満である。抖音、快手、淘宝、京東などの集客力ははるかに大きい。
最も重大な構造変化はAIエージェント代替である。試験問題の解説や出願書類の下書きは自動化が進み、講師や相談員の時間を売る部分は数量と価格を同時に失う。非学科の実験・体験、食品の品質保証は物理的な提供が残るが、それだけで過去の成長を再現できない。同業比較資料の給与・情報サービスとは顧客も規制も違うため、その数量成長を援用せず、資本コストの考え方だけそろえた。
資本政策と M&A
資本配分には改善が見える。2022年以降の自社株買いに続き、2025年に3年間の還元方針を公表し、前年度利益の少なくとも半分を配当と買い戻しに振り向けると約束した。2026年度の買い戻し枠は3億ドルで、2026年9月の年次報告書時点では約2.89億ドルを執行した。2027年度は配当総額約3億ドルと買い戻し枠2億ドルを予定する。台帳では直近2期の買い戻しは約4.5億ドルと2.3億ドルだった。長期の買い戻し額は固定の約束ではない。
過去10年を通じて見れば、現金を2021年の規制ショック後にも残し、教室の再構築に投入できた点は長所である。2024年には東方甄選からオンライン教育事業を取り戻し、人気配信者の事業を切り離した。通販の有名配信者への依存を減らし自社ブランドへ移した判断は合理的だが、その投資利益率はまだ短期の実績にすぎない。2025年には幼稚園事業でのれん減損もあった。
2027年5月期の売上見通しは約64.5~66.8億ドルで、前年比14~18%増を見込む。ただし10年の利益目標は示していない。上場会社はケイマン法人で、中国の教育事業のほぼすべてをVIE契約で連結する。親会社が中国内の現金を直接所有できず、東方甄選には少数株主もいる。ADS一単位は普通株10株を表すため、香港株を別会社として時価総額に足してはいけない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
新東方は中国で最も知られた民間教育ブランドの一つであり、教室を短期間で全国に再建した。試験対策の受講登録は117万件、非学科は312万件、学習システムの有料利用者は60万人に達した。好未来や高途も市場の回復を示しており、規制後の空白を埋める大手の寡占が進む可能性がある。講師の養成や授業運営はソフトを複製するだけではまねできない。
AIは教室を消すだけではない。授業準備、答案の採点、進度の把握を自動化すれば、教師の稼働率が改善し、人間が担う動機付けと集団活動に時間を割ける。既存のデータ基盤を生かせれば、教育サービスの営業利益率は現在より上がりうる。ただしAI単体の売上が開示されていないため、楽観でも時間課金部分の数量が今を超えるとは予想しない。
東方甄選には教室と別の成長源がある。自社ブランドの商品流通総額は拡大し、ライブ配信者頼みから食品の品質と販売網に軸足を移している。中国の通販市場は広く、規模の小ささは成長余地にもなる。さらに、利益の半分以上を株主に返す方針が続けば、規制ショック後に貯めた資金を合理的に使える。現金と通販の上振れは、教育の成熟だけを見る評価を上回りうる。
慎重な見方
最も大きい誤りは、2021年に一度失ったビジネスが、別の名前で永久に続くと考えることである。中国政府は義務教育の塾に強い制約を掛けた。非学科の授業も管理強化の対象になり、保護者の支出が政策に左右される点は変わらない。登録者が戻っても、監督が厳しくなれば教室を閉める費用と家賃が先に発生する。
試験対策はAIエージェントと特に相性が悪い。解説、弱点の判定、模擬試験、志望校選びが一括して自動化されると、家庭は通塾回数を減らし、学習端末の利用料まで値下げを求める。留学相談も出願や文書作成の作業時間を請求しにくくなる。出生数が減るため顧客の母数も細り、好未来・高途との競争で教室の固定費を回収しにくくなる。
通販の売上が伸びても、抖音や大手物流会社が集客と購入データを握る。東方甄選の独自ブランドが低価格の模倣品に押されれば、利益率は低いままだ。さらに教育の現金はVIEの中にあり、約22億ドルの前受授業料と賃貸契約の履行を優先する必要がある。PFICと米国での監査・上場規制の問題も外国人株主の実現価値を下げかねない。純現金を額面どおりすべて回収できるとの期待は危険である。
どちらに重みを置いたか
現在の営業成績の回復と配当・買い戻しは肯定できる。しかし、教育の販売単位が人の授業時間である限り、AIと人口減少に対する反証はまだ弱い。悲観側の重みは規制の再発、VIEの資金回収、通販競争から来る部分も大きい。楽観とやや楽観を合計23%、やや悲観と悲観を41%とし、中立を36%とする。現金の床を認めても、株主価値の計算は割高を示す。2027年度の会社見通しは堅調だが、十年の数量は人口と技術で決まる。短期の売上成長だけで将来の高い倍率を正当化しない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 31.49 ドル50 億ドル(+ 還元の換算額還元の合計 16.18 ドル26 億ドル)。 今の値に割り戻すと 24.69 ドル39 億ドル、今との差 −49.3%、 期待の年率 −0.3%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 73.38 ドル117 億ドル | 29.46 ドル47 億ドル | +111.3% | +9.4% | 6.17 ドル10 億ドル |
| やや楽観 | 17% | 50.07 ドル80 億ドル | 26.95 ドル43 億ドル | +58.2% | +5.8% | 13.09 ドル21 億ドル |
| 中立 | 36% | 35.92 ドル57 億ドル | 18.80 ドル30 億ドル | +12.4% | +1.4% | 19.70 ドル31 億ドル |
| やや悲観 | 27% | 15.70 ドル25 億ドル | 9.40 ドル15 億ドル | −48.4% | −7.6% | 6.78 ドル11 億ドル |
| 悲観 | 14% | 10.00 ドル16 億ドル | 3.76 ドル6 億ドル | −71.7% | −13.2% | 1.93 ドル3 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 31.49 ドル50 億ドル | 16.18 ドル26 億ドル | −2.1% | −0.3% | 47.67 ドル76 億ドル |
今の株価時価総額 48.68 ドル78 億ドル(2026-10-30)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 6% 授業の体験価値と自社ブランドがともに残る 利益 9 億ドル · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 73.38 ドル117 億ドル
規制当局が非学科の体験型授業を長期に認め、授業の質で地域の小塾からシェアを奪う。子どもの数が1割減っても教室利用率が上がり、試験対策と非学科は今の延べ登録を維持する。AIは講師の採点や準備を助けるが、独立商品として売上が確認できないので授業量の増加は見込まない。価格は上限の物価に近い伸びにとどめ、授業の利益率が維持される。
東方甄選は食品・日用品の独自ブランドを育て、抖音頼みを和らげる。実質の取扱高は今の1.65倍で、通販利益率は13%に高まる。文化観光の赤字も縮み、全社の営業利益は約12.5億ドルに達する。留学相談は人が責任を取る高付加価値案件を残す。
成長投資を差し引いた十年累計のGAAP純利益は約65億ドルとなり、株式報酬を相殺した正味の配当と買い戻しは47億ドルとする。教育規制の再転換や大型買収は起きず、堀は弱いながら収益性の改善によって事業価値が増す筋書きである。
- 試験対策講座(海外語学・国内大学試験):数量 1.2(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 17(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、12.79は約1,279ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 5 億ドル。実質数量1.00倍、名目単価1.34倍。対面試験対策の利益率24%。
- 非学科の習い事・創造性教育:数量 3.1(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 9.03(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、6.74は約674ドル))→ 売上 28 億ドル・営業利益 8 億ドル。実質数量1.00倍、名目単価1.34倍。対面体験の利益率27%。
- 学習支援システム・学習端末:数量 0.6(年間有料稼働利用者(百万人))× 価格 7.82(有料利用者当たり売上(億ドル/百万人、6.80は約680ドル))→ 売上 5 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質数量1.00倍、名目単価1.15倍。独自AI売上の未開示を考慮。
- 海外留学の出願・進学相談:数量 0.1(推定有償相談案件(百万人))× 価格 69(案件当たり売上(億ドル/百万人、51.13は約5,113ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質案件1.00倍、名目単価1.34倍。複雑な留学案件が残る。
- 東方甄選の自社商品・ライブ通販:数量 168(現行物価換算の取扱高(億元、人民元))× 価格 0.11(取扱高1億元当たり連結認識売上(億ドル、0.0791は売上換算率))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質取扱高1.65倍、名目価格換算1.42倍、利益率13%。
- 教材・書籍の出版流通(その他内訳推計):数量 13.3(年間販売冊数(百万冊))× 価格 0.11(1冊の推定売上(億ドル/百万冊、0.075は7.5ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。冊数1.00倍、名目単価1.40倍、利益率7%。
- 文化観光・その他の教育サービス(推計):数量 0.3(有償体験サービスの換算参加者(百万人))× 価格 17(換算参加1件当たり売上(億ドル/百万人))→ 売上 5 億ドル・営業利益 0 億ドル。体験需要1.45倍、名目価格1.41倍、赤字率10%。
倍率:AIエージェント代替の長期成長g=0.3%、k=8.5%。余剰現金12億ドルの税後受取利息0.168億ドルを除いた事業利益8.532億ドルと、事業用自己資本45.9億ドルからROE18.6%、弱い堀の残存割合1/3でRONIC11.9%。正当化PERは約11.92倍(10年目利益への1+g補正込み)。事業利益にこの上限を適用して余剰現金12億ドルを額面で加える。調整後利益のSBC戻しは行わない。
確率:少子化の下でも教室の受講量を維持し、東方甄選が実質取扱高を65%増やす必要がある。AI単体売上の裏付けがないため教育の数量は1倍が上限で、上振れ確率は6%に絞る。
やや楽観 17% 教室のブランドが勝ち、通販が利益を補う 利益 6 億ドル · PER 11.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 50.07 ドル80 億ドル
中国の児童・学生の対象市場が縮む中でも、教員養成とブランドへの信頼で顧客の流出が小さい。試験対策の延べ登録は今の0.82倍、非学科は0.85倍にとどまり、価格は物価にやや及ばない。AIによる自主学習が広まるため学習端末の席は0.9倍に減るが、校舎の稼働率と講師配置の最適化が進み、教育部門の利益率は大きく崩れない。
通販の実質取扱高は1.4倍に増え、独自ブランドのリピート購入で11.5%の営業利益率を確保する。好未来や高途とは一線を画す対面の体験学習を育て、留学支援ではビザや進学先選択の難しい案件を取り込む。海外出願の定型事務はAIへ渡すため相談件数の回復は限定的である。
教室の新規開設を選別し、東方甄選の買収は大規模には行わない。十年の利益累計53億ドルから株主へ43億ドルを正味で還元し、残りを必要な投資資本に積む。会社全体の時価総額は教育の単価維持と通販の利益貢献に支えられる。
- 試験対策講座(海外語学・国内大学試験):数量 1.0(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 17(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、12.79は約1,279ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 3 億ドル。実質数量0.82倍、名目単価1.34倍、利益率21%。
- 非学科の習い事・創造性教育:数量 2.6(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 8.89(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、6.74は約674ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 6 億ドル。実質数量0.85倍、名目単価1.32倍、利益率24%。
- 学習支援システム・学習端末:数量 0.5(年間有料稼働利用者(百万人))× 価格 7.69(有料利用者当たり売上(億ドル/百万人、6.80は約680ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 1 億ドル。有料利用0.90倍、名目単価1.13倍、利益率13%。
- 海外留学の出願・進学相談:数量 0.1(推定有償相談案件(百万人))× 価格 67(案件当たり売上(億ドル/百万人、51.13は約5,113ドル))→ 売上 6 億ドル・営業利益 1 億ドル。案件量0.82倍、名目単価1.32倍、利益率12.5%。
- 東方甄選の自社商品・ライブ通販:数量 143(現行物価換算の取扱高(億元、人民元))× 価格 0.11(取扱高1億元当たり連結認識売上(億ドル、0.0791は売上換算率))→ 売上 16 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質取扱高1.40倍、名目価格換算1.40倍、利益率11.5%。
- 教材・書籍の出版流通(その他内訳推計):数量 12.4(年間販売冊数(百万冊))× 価格 0.10(1冊の推定売上(億ドル/百万冊、0.075は7.5ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。冊数0.93倍、名目単価1.35倍、利益率3%。
- 文化観光・その他の教育サービス(推計):数量 0.2(有償体験サービスの換算参加者(百万人))× 価格 16(換算参加1件当たり売上(億ドル/百万人))→ 売上 4 億ドル・営業利益 −1 億ドル。体験需要1.20倍、名目価格1.35倍、赤字率22%。
倍率:k=8.5%、長期g=0.3%。事業利益は純利益5.7億ドルから余剰現金12億ドルの税後利息0.168億ドルを除く。期末自己資本49.9億ドルから余剰現金を引いた事業用37.9億ドルに対するROEは14.6%。堀weakのRONIC=10.5%、正当化PERの10年目上限は11.88倍なのでそれを採用する。GAAPベースで株式報酬は費用のまま。
確率:規制下でも非学科講座の品質が評価され、強い競合とのシェア争いをほぼ維持する筋書き。通販の実績は上向くが講師時間の代替は避けられず、17%とした。
中立 36% 非学科の現場は残るが、教材と相談は自動化される 利益 3 億ドル · PER 11.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 35.92 ドル57 億ドル
学科以外の体験教室は続くが、少子化と家庭用AIが受講回数を減らす。試験対策の対象市場が約3割縮み、シェアもわずかに失って登録は0.65倍となる。非学科は体験学習のおかげで0.75倍に踏みとどまる。料金は10年で1.28~1.30倍へ上がるが、ドル建ての想定物価1.41倍には届かない。学校や相談員が行う単純な解説・出願事務はAIへ移る。
学習端末は汎用AIとの競争で有料利用0.8倍、単価1.1倍となる。留学相談は中国からの出国留学者の母数と有料代行の採用率がともに細り、件数0.65倍である。東方甄選は全国通販市場の実質的な伸びを取り込みつつ、抖音での露出競争でシェアを伸ばしきれず、実質取扱高は1.18倍となる。
教育拠点と本社の費用を整理しても、講師給与と家賃は残る。十年の純利益累計43億ドルに対して正味還元30億ドルとし、期末自己資本は52.9億ドルとなる。財務が持ちこたえることと、事業が高い増分ROEで成長することは別である。
- 試験対策講座(海外語学・国内大学試験):数量 0.8(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 16(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、12.79は約1,279ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質数量0.65倍、名目単価1.28倍、利益率17%。
- 非学科の習い事・創造性教育:数量 2.3(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 8.76(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、6.74は約674ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 4 億ドル。実質数量0.75倍、名目単価1.30倍、利益率21%。
- 学習支援システム・学習端末:数量 0.5(年間有料稼働利用者(百万人))× 価格 7.48(有料利用者当たり売上(億ドル/百万人、6.80は約680ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。有料利用0.80倍、名目単価1.10倍、利益率7%。
- 海外留学の出願・進学相談:数量 0.1(推定有償相談案件(百万人))× 価格 64(案件当たり売上(億ドル/百万人、51.13は約5,113ドル))→ 売上 4 億ドル・営業利益 0 億ドル。案件量0.65倍、名目単価1.26倍、利益率7%。
- 東方甄選の自社商品・ライブ通販:数量 120(現行物価換算の取扱高(億元、人民元))× 価格 0.10(取扱高1億元当たり連結認識売上(億ドル、0.0791は売上換算率))→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質取扱高1.18倍、名目価格換算1.32倍、利益率9%。
- 教材・書籍の出版流通(その他内訳推計):数量 10.6(年間販売冊数(百万冊))× 価格 0.10(1冊の推定売上(億ドル/百万冊、0.075は7.5ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。冊数0.80倍、名目単価1.28倍、赤字率2%。
- 文化観光・その他の教育サービス(推計):数量 0.2(有償体験サービスの換算参加者(百万人))× 価格 15(換算参加1件当たり売上(億ドル/百万人))→ 売上 3 億ドル・営業利益 −1 億ドル。体験需要1.00倍、名目価格1.28倍、赤字率28%。
倍率:k=8.5%、g=0.3%。余剰現金12億ドルの税後利息0.168億ドルをGAAP帰属純利益3.3億ドルから引き、事業利益3.132億ドルとする。事業用自己資本は52.9−12=40.9億ドル、ROE7.66%でk以下。堀weakのRONIC8.22%による正当化PER11.79倍は、ROEが資本コスト未満の場合の上限1/k=11.76倍で制限し、10年目利益に適用する。
確率:AIエージェントが講師・相談員の作業を置き換える一方、教室での体験と自社商品は残る。短期の会社ガイダンスを直線的に延ばさない中心シナリオとして36%。
やや悲観 27% AIとの価格競争が進み、校舎を減らして利益を守る 利益 1 億ドル · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 15.70 ドル25 億ドル
AIエージェントが受験の弱点分析や出願支援を無償に近い価格で提供し、新東方の高単価授業に通う理由が減る。試験対策の登録は0.55倍、非学科は0.62倍、留学相談は0.55倍へ減る。好未来や高途の学習システムにも顧客が移り、学習端末は有料利用者を0.65倍まで失う。通販も抖音上の値下げ競争で実質取扱高が0.9倍へ減る。
売上は約44.2億ドルまで落ちる。教室を閉鎖し、文化観光の採算の悪い企画を縮小して本社管理費を圧縮する。これで営業利益約1.16億ドルは残るが、伸びる事業の姿ではない。規制による新たな全面禁止は避けられても、短期の生徒獲得には広告費がかかり、値上げ余地は乏しい。
利益の谷と施設整理費を含む十年の累計純利益は24億ドルで、正味還元は15億ドルまで減る。余剰現金は9億ドルに目減りし、残存する教室と換金可能な資産を合わせた床が残る。通販の大きな買収は行わず、営業基盤の縮小を優先する。
- 試験対策講座(海外語学・国内大学試験):数量 0.6(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 16(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、12.79は約1,279ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 1 億ドル。実質数量0.55倍、名目単価1.22倍、利益率12%。
- 非学科の習い事・創造性教育:数量 1.9(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 8.29(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、6.74は約674ドル))→ 売上 16 億ドル・営業利益 2 億ドル。実質数量0.62倍、名目単価1.23倍、利益率14%。
- 学習支援システム・学習端末:数量 0.4(年間有料稼働利用者(百万人))× 価格 7.01(有料利用者当たり売上(億ドル/百万人、6.80は約680ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。有料利用0.65倍、名目単価1.03倍、赤字率5%。
- 海外留学の出願・進学相談:数量 0.1(推定有償相談案件(百万人))× 価格 59(案件当たり売上(億ドル/百万人、51.13は約5,113ドル))→ 売上 3 億ドル・営業利益 0 億ドル。案件量0.55倍、名目単価1.15倍、利益率1.5%。
- 東方甄選の自社商品・ライブ通販:数量 91.8(現行物価換算の取扱高(億元、人民元))× 価格 0.10(取扱高1億元当たり連結認識売上(億ドル、0.0791は売上換算率))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質取扱高0.90倍、名目価格換算1.24倍、利益率5%。
- 教材・書籍の出版流通(その他内訳推計):数量 8.6(年間販売冊数(百万冊))× 価格 0.09(1冊の推定売上(億ドル/百万冊、0.075は7.5ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。冊数0.65倍、名目単価1.18倍、赤字率8%。
- 文化観光・その他の教育サービス(推計):数量 0.2(有償体験サービスの換算参加者(百万人))× 価格 14(換算参加1件当たり売上(億ドル/百万人))→ 売上 2 億ドル・営業利益 −1 億ドル。体験需要0.85倍、名目価格1.18倍、赤字率25%。
倍率:中立より低いPER9.5倍。長期g0.3%、k8.5%、事業用ROEは現金9億ドルを除いて約2.7%と資本コスト未満であり、1/k約11.76倍が上限。持続的な超過利益がなく、2021年型の顧客離れと固定費の整理を考慮して上限未満とする。GAAP純利益1.2から余剰現金利息0.126を引き、現金9億ドルを足す。
確率:2021年の強い規制の前例、AIによる相談料の下落、好未来・高途との競争を考慮する。ただし全事業の停止までは見込まないため27%とする。
悲観 14% 規制の再転換とAIが重なり、教育拠点が縮む 利益 −2 億ドル · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 10.00 ドル16 億ドル
規制当局が非学科講座の認可と料金を厳格化し、生成AIによる低価格学習も普及する。試験対策の登録は0.40倍、非学科は0.48倍に減り、教室の閉鎖と講師の削減が続く。留学支援は出願の自動化と査証の厳格化で0.40倍、学習端末は無料のAI学習機能に顧客を奪われる。東方甄選も抖音の競争で実質取扱高が0.60倍となり、通販利益はほぼ消える。
売上は約29.7億ドルと現状の半分近くに縮む。リース契約と利用者への返金義務はすぐには消えず、営業損失は約3.65億ドルとなる。最初の二年に約11億ドルの利益を生んでも、三年目の閉鎖・減損で約15億ドルの損失、その後の赤字累計約6億ドルにより、十年の純利益累計はマイナス10億ドルとなる。
先行期間に行った正味還元6億ドルだけが残り、自己資本は23.9億ドルとなる。中国内の現金が授業料返還や店舗撤退へ回るため、帳簿の全額は床にならない。手元に残る自由資金と回収可能資産の税後約13.5億ドルを最低の回収源とし、非公開化を勝手に前提とせず会社全体の小さい正の価値を認める。
- 試験対策講座(海外語学・国内大学試験):数量 0.5(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 14(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、12.79は約1,279ドル))→ 売上 7 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量0.40倍、名目単価1.12倍、利益率4%。
- 非学科の習い事・創造性教育:数量 1.5(年間延べ受講登録(百万人))× 価格 7.75(登録1件当たり売上(億ドル/百万人、6.74は約674ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質数量0.48倍、名目単価1.15倍、利益率2%。
- 学習支援システム・学習端末:数量 0.3(年間有料稼働利用者(百万人))× 価格 6.12(有料利用者当たり売上(億ドル/百万人、6.80は約680ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。有料利用0.45倍、名目単価0.90倍、赤字率20%。
- 海外留学の出願・進学相談:数量 0.0(推定有償相談案件(百万人))× 価格 54(案件当たり売上(億ドル/百万人、51.13は約5,113ドル))→ 売上 2 億ドル・営業利益 0 億ドル。案件量0.40倍、名目単価1.05倍、赤字率5%。
- 東方甄選の自社商品・ライブ通販:数量 61.2(現行物価換算の取扱高(億元、人民元))× 価格 0.09(取扱高1億元当たり連結認識売上(億ドル、0.0791は売上換算率))→ 売上 6 億ドル・営業利益 0 億ドル。実質取扱高0.60倍、名目価格換算1.15倍、利益率0%。
- 教材・書籍の出版流通(その他内訳推計):数量 6.7(年間販売冊数(百万冊))× 価格 0.08(1冊の推定売上(億ドル/百万冊、0.075は7.5ドル))→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル。冊数0.50倍、名目単価1.05倍、赤字率18%。
- 文化観光・その他の教育サービス(推計):数量 0.1(有償体験サービスの換算参加者(百万人))× 価格 13(換算参加1件当たり売上(億ドル/百万人))→ 売上 2 億ドル・営業利益 −1 億ドル。体験需要0.60倍、名目価格1.08倍、赤字率60%。
倍率:10年目はGAAP赤字でPERを使えず、帳簿額全体を床とする誤りも避ける。新規投資が資本コストに届かず、営業の売却価値を見込めないため、今の親会社帰属自己資本39.9億ドルにPBR0.40倍を適用し15.96億ドルとした。期末自己資本23.9億ドルに倍率を掛けない。税後売却可能資産13.5億ドルの床を上回る。
確率:義務教育の学科塾停止を経験した会社で、非学科にも規制が広がりうる。ただし現金と通販の実物事業が残るため倒産までは中心に置かず14%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
試験対策講座(海外語学・国内大学試験)
海外・中国国内の語学や大学院などの入試対策を短期講座で教える。
| 数量年間延べ受講登録(百万人) | 価格登録1件当たり売上(億ドル/百万人、12.79は約1,279ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1.2 | 13 | 15 | 3 |
| 10 年後 中立 | 0.8 | 16 | 12 | 2 |
取り方:2026年5月期20-Fの試験対策登録は117.3万件で、海外60.1万・国内57.2万。会社は部門内訳を開示しないため、平均受講料約1,279ドル、売上15億ドルと推計した。公式の授業料範囲は1,000~49,800元である。教育部門総額40.07億ドルへの内訳推計で、正確な製品売上ではない。AIエージェント代替は人月・研修型に当たり、中立の登録0.65倍、料金1.28倍、gは0%を採用した。
非学科の習い事・創造性教育
児童の科学・創造性・体験学習を対面教室で提供する。
| 数量年間延べ受講登録(百万人) | 価格登録1件当たり売上(億ドル/百万人、6.74は約674ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3.1 | 6.74 | 21 | 5 |
| 10 年後 中立 | 2.3 | 8.76 | 20 | 4 |
取り方:2026年5月期の非学科の延べ登録は311.7万件、展開約60都市。登録当たり平均約674ドルを仮定して21億ドルの推定売上を組んだ。授業の現場体験は残るが、オンライン教材や家庭用AIによる代替を受ける教育・研修型として、中立の数量0.75倍、価格1.30倍、g0%とした。
学習支援システム・学習端末
学習履歴から問題を提案し、端末とデジタル学習支援を有料で売る。
| 数量年間有料稼働利用者(百万人) | 価格有料利用者当たり売上(億ドル/百万人、6.80は約680ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.6 | 6.80 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.5 | 7.48 | 4 | 0 |
取り方:20-Fが開示する有料稼働利用者は59.8万人であり、端末・サービス合算の平均約680ドルから売上約4.07億ドルを推計した。学習期間や販売構成は未開示。AIエージェント代替は画面・ID課金型と判定し、中立の有料利用0.80倍、単価1.10倍、長期gは名目マイナス1%とした。法令処理や独占データという記録の正本の証拠はない。
海外留学の出願・進学相談
志望校選択、申請書類、ビザ・住居の支援を顧客に提供する。
| 数量推定有償相談案件(百万人) | 価格案件当たり売上(億ドル/百万人、51.13は約5,113ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.1 | 51 | 5 | 1 |
| 10 年後 中立 | 0.1 | 64 | 4 | 0 |
取り方:20-F開示の留学相談売上は5.113億ドルだが有償契約件数も平均単価も非開示。中国教育部の2025年出国留学者57.06万人を需要母集団の目安とし、その一部約10万件×約5,113ドルの仮の組み立てとした。市場シェア17%という開示を意味しない。AIエージェント代替は人月の出願・相談代行型で、中立数量0.65倍、価格1.26倍、g0%。
東方甄選の自社商品・ライブ通販
食品・日用品の自社ブランドと他社商品のライブECを展開する。
| 数量現行物価換算の取扱高(億元、人民元) | 価格取扱高1億元当たり連結認識売上(億ドル、0.0791は売上換算率) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 102 | 0.08 | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 120 | 0.10 | 13 | 1 |
取り方:20-Fの2026年5月期の流通取扱総額102億元、連結売上8.069億ドルから、取扱高1億元当たり0.0791億ドルを算定した。自社商品は売上を総額認識し、委託品は手数料等で認識するため、この換算率は一般的な手数料率ではない。数量は物価調整前の実質取扱高、価格は売上認識比率と価格水準の指数を兼ねる。AIエージェント代替の中心は広告制作・運用ではなく実物の自社商品販売なので、一般の人月型は直接当てはめない。
教材・書籍の出版流通(その他内訳推計)
語学・受験関連の独自教材や提携出版社の書籍を流通させる。
| 数量年間販売冊数(百万冊) | 価格1冊の推定売上(億ドル/百万冊、0.075は7.5ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 13.3 | 0.08 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 10.6 | 0.10 | 1 | 0 |
取り方:20-Fに2026年の配本・流通実績1,330万冊の開示がある。仮の純売上単価約7.5ドルを用い、その他報告部門のうち約1.0億ドルを教材として推定した。出版社との分配・卸売比率は非開示であり、単価は実績と断定できない。紙の教材は実物であるが、AI生成教材の浸透で中立冊数0.80倍とした。
文化観光・その他の教育サービス(推計)
文化体験型旅行など、書籍以外のその他の教育関連事業を含む。
| 数量有償体験サービスの換算参加者(百万人) | 価格換算参加1件当たり売上(億ドル/百万人) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 0.2 | 12 | 2 | −1 |
| 10 年後 中立 | 0.2 | 15 | 3 | −1 |
取り方:2026年のその他部門3.363億ドルから、書籍1.0億ドルと推定した残り2.365億ドルを文化観光等として扱った。利用者数・平均支払額とも会社開示がないため、参加者20万人×約1,183ドルは価格感応度を見るための代理数量である。独立した実績とは認めず、現場体験部分には人月のAI置換を機械的に当てない。
リスクと懸念
AIエージェント代替による授業と留学相談の縮小
試験問題の解説、学習計画、出願書類、志望校の比較は、汎用AIエージェントが時間を掛けずに引き受けやすい。教室の体験価値は残るが、講師や相談員の工数に比例する料金には値下げ圧力がかかる。中立の試験対策と相談の案件量はどちらも今の0.65倍、学習端末の有料利用は0.80倍とした。これを長期gにも反映し、kの寿命には上乗せしない。
中国の学習塾規制の再強化
2021年の双減政策は義務教育段階の学科塾を事実上止め、会社を巨額赤字へ追い込んだ。非学科の授業も認可、価格、勧誘、講師資格の規制に従う。政府が再び放課後教育の負担軽減を優先すれば、現在の教室網の一部は使えなくなる。開設済みの拠点にはリースや講師の整理費が残り、数量が減る以上に利益が減少する。
VIE・少数株主持分・米国上場の権利
ケイマン親会社は中国の教育事業をVIE契約で連結しており、2026年5月期の連結売上の約99.7%がVIEに由来する。現預金と会社の経済的利益を米国ADS保有者が直接引き出せるわけではない。東方甄選の非支配株主への配分、資本規制、HFCAAによる将来の米国売買制限やPFICの税負担は、帳簿純資産と株主の実現価値を離れさせうる。
前受授業料と教室リースが現金を拘束
現金等53億ドルという数字は強く見えるが、顧客から先に集めた授業料の未履行分約22.4億ドルと、教室などのリース負債約8.5億ドルがある。返金請求や休講が増えれば、受け取った現金は事業撤退費へ回る。純現金44.4億ドルすべてを株主が直ちに回収できるとみなさず、余剰現金12億ドルだけを事業価値の外に置いた。
出生数減少・留学政策・地域競争
中国の2025年出生数は792万人と小さく、将来の児童向け講座の母数は縮む。好未来や高途がAI学習機器と対面講座を広げるなか、新東方がシェアを維持できるかは別問題である。留学支援は海外の大学入学数だけでなく、査証審査、渡航費、国内大学の魅力にも左右される。受講件数と値段をともに伸ばす想定には慎重である。
東方甄選の集客基盤と利益率の脆さ
東方甄選の流通取扱高102億元は成長したが、抖音が流入顧客の大半を持つ。配信者の離脱、アルゴリズム変更、返品増加、物流費上昇で利益率は変わりやすい。自社ブランド商品が増えても、大手の京東、淘宝、拼多多、快手と価格競争を避けられない。少数株主持分があるため、その利益すべてが親会社に帰属するわけでもない。
資本配分と希薄化・事業転換の再投資
2027年度の配当と自社株買いの枠は実際の前進だが、景気や規制ショックで停止しうる。株式報酬による新株発行分を控除しない買い戻し額はオーナーへの還元を過大に見せる。赤字事業の買収や文化観光への追加投資で過去の利益を失えば、現金の床も薄くなる。純利益が減る筋書きでは還元額も減らし、自己資本との関係を崩さない。
今後の分かれ目
- 非学科の年間延べ受講登録が2年続けて減り、学習センターの閉鎖が増えたら
- 対面教室の市場数量とシェアを下げ、教育の中立数量0.75倍を再点検する。固定費負担が長引くならやや悲観の比重が増す。
- 学習端末の有料利用者が減る一方で、汎用AIへの乗り換えが増えたら
- 席型の課金力が崩れた証拠である。中立価格1.10倍と長期gマイナス1%をさらに保守化する。
- 試験対策と留学相談の売上が、受講・契約件数の減少を超えて落ちたら
- 単価も下がり始めたと判断し、AIによる人月代替が進んだ悲観側の筋書きへ寄せる。
- 教育事業が値上げ後も二年以上受講継続率を維持し、受講1件当たり売上が物価を上回ったら
- 値決め力の証拠が生まれるため、教育部門の数量と単価の減少を和らげる。ただし規制上の許容と再現性を確認する。
- 東方甄選の自社ブランドGMVと独自アプリの有料顧客が伸び、抖音由来の比率が下がったら
- 外部流入に依存しない顧客基盤が強くなる。通販の実質取扱高と利益率を楽観側に寄せ、再投資利回りを検証する。
- 政府が非学科講座の料金・時間・許可を追加制限し、地域の教室閉鎖が始まったら
- 2021年と似た規制損失を再計算し、休講返金、賃借解約費、帳簿資産の減損を含めて悲観を再評価する。
- 翌年度以降も利益の50%以上を正味で還元し、海外のADS保有者まで現金を受け取れる実績が増えたら
- VIEの現金回収に対する不確実性を緩める。ただし授業料前受金やリース負債を余剰現金へ振り替えない。
見ておくもの
- 非学科と試験対策の年間延べ受講件数、現場の教室稼働率と講師数
- 学習端末・システムの有料利用者と一人当たり認識売上、AI単体の販売額の有無
- 校舎数・閉鎖拠点の賃借費・未履行授業料の残高と返金
- 中国の非学科塾・進学指導に関する行政許認可、料金・時間規制の変更
- 中国出生数、大学入学試験受験者数、出国留学者数、好未来と高途の成長
- 東方甄選の実質GMV、自社ブランド比率、外部プラットフォーム依存、親会社帰属利益
- 普通株・ADS換算株数、株式報酬、正味の配当・買い戻し、VIEからの現金移動
倍率と資本コストの決め方
基準日は2026年10月23日。台帳の2025/12期は会社の2026年5月期、10年後の2035/12期は2036年5月期に相当する。財務の起点は台帳の売上56.8億ドル、営業利益6.5億ドル、純利益4.8億ドルを正とする。20-Fの部門合計売上56.61億ドル、営業利益6.43億ドルとの差は部門へ恣意的に配賦しない。未開示の製品別売上と相談件数は推計と明示した。今の株価を見ずに数量と単価を積み、資本コスト8.5%、人月代替を反映した長期g0.3%、弱い堀のRONICからPERを算出した。GAAP利益から余剰現金の税後利息を引いて現金を別計上する。リースは米国基準ですでに負債計上され、家賃の営業費用を残す。悲観のPBRには今の自己資本を使った。合意済みの非公開化・上場廃止や継続企業の重大注記は確認されない。2027年第1四半期は米国時間10月28日の公表前として織り込まない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。米国株の基本8.0%に循環の品質調整+0.5%を足して8.5%。βや市場倍率は使わない。中国の規制・VIE・個別の事業失敗は悲観シナリオと確率で扱う。