結論
ユナイテッド・レンタルズ(United Rentals)は北米最大の機材レンタル会社で、高所作業車・フォークリフト・土工機械などの一般機材と、トレンチ保護・電力と空調・流体・マット・仮設収納などの専門機材を、建設会社・工場・電力会社に貸す。2025 年の売上は 161 億ドル、営業利益 40 億ドル、GAAP 純利益 25 億ドル(株式報酬は費用に入っている)。
足元は強い。2026 年 4〜6 月の売上は 44 億ドル(+12%)、専門機材は +25%、機材の稼働は過去最高で、会社は通年の売上見通しを 175〜178 億ドル、調整後 EBITDA を 80 億ドル前後に上げた。電力・半導体・LNG・空港・データセンターなどの大型案件が牽引する。
バリュー投資の観点では、規模と一括提供が堀になる事業で、稼いだ現金を機材に回し、残りを自社株買いと配当で返す(年約 20 億ドル)。ただし機材を借金で買う事業なので、純負債は 152 億ドル、自己資本 ROE は 28% でも ROIC は 12% 前後にとどまる。建設は循環し、2007 年 10 月からの 15 か月で株価は 88% 下がった。
数量(市場 × シェア)× 価格で 10 年を積み上げ、倍率を利益ベースの PER(上限 14.2 倍の内側)で出すと、中立の 2035 年は純利益 45 億ドル × PER 12.0 倍 = 時価総額 538 億ドル。10 年の還元を足しても資本コスト 9.5% には届かず、確率で加重した本質価値は今の値段の 6 割である。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点で見ると、この事業の本質は「機材という資産を、誰より安く買い、誰より高い稼働率で回し、4 年後に中古で売る」ことで、規模がそのまま利益率になる。10 年後も事業は存在し、専門機材の拡大でむしろ強くなっているだろう。堀は規模・拠点網・一括提供で、広がるか狭まるかは競合の機材投資次第。
ただし、よい事業と安い値段は別である。オーナー利益は、純利益 25 億ドルから機材の元手を引いた残りで、時価総額 644 億ドルに対し約 3% にとどまる。借金が自己資本の約 1.7 倍あり、景気後退の底の年は利益が 7 割以上減る(本分析の悲観の筋書き)。伸びに必要な元手が大きく、成長しても株主に残る現金は増えにくい。
資本配分は規律的で、機材の購入を景気に合わせて増減し、自社株買いも続けてきた。ただし自社株買いが PER 25 倍前後(今)で行われているなら価値を減らす側に働く。
安全域はない。中立の 10 年後の利益ベースの PER は上限 14.2 倍の 8.5 割(12.0 倍)、本質価値は今の値段の 6 割で、楽観でも年率 6% 前後と資本コスト 9.5% に届かない。建設の循環を山の年の利益に倍率を掛けて見るのではなく、悲観の確率と深さで表すと、この水準に収れんする。よい会社だが、今の値段で買う理由は式からは出てこない。
何で稼ぐ会社か
売上の約 86% が機材レンタル収入(2025 年 138 億ドル)で、残りは中古機材の売却(約 14 億ドル)、新品・消耗品・サービス(約 9 億ドル)。レンタル収入は 2 つの部門に分かれる。一般機材(2025 年 91.7 億ドル、+2.5%)は高所作業車・フォークリフト・土工機械・発電機などで、粗利率は 35.2%。専門機材(46.4 億ドル、+13.6%)はトレンチ保護・電力と空調・流体処理・マット・仮設収納・現場サービスなどで、粗利率は 43.6%。専門は利益率が高く、会社の説明では顧客の支出に占める割合が 10% から 40% に増えた。
稼ぎ方は、機材を買い(2025 年の購入は総額 42 億ドル、売却を引いた純額 28 億ドル)、時間と日数で貸し、使い込んだ機材を約 4 年で中古に売ることの繰り返し。利益を決めるのは 3 つで、レンタル料、機材が貸し出されている時間の割合(稼働率)、機材の購入価格と中古の売却価格の差である。この 3 つをまとめた「機材生産性」が 2025 年に +2.2%、2026 年 4〜6 月に +3.4% だった。
強みは、全米の拠点網で機材を現場の近くに素早く動かせること、一度に多種類の機材と現場サービスを出せること(大型案件の発注者は窓口を 1 つにしたがる)、機材の購入量が大きく仕入れ値が安いこと。弱みは、需要が建設の着工に連動し、機材の減価償却と借金の利払いという固定費が重いことである。2025 年は専門の粗利率が 4.5 ポイント下がった(減価償却・配送費・低粗利の付帯収入の増加)。
資本は借金で賄う。純負債は 152 億ドルで純レバレッジ 1.8 倍(目標 1.5〜2.5 倍)、S&P は格付けの見通しをポジティブに上げた。
優良さと弱いところ
優良さの根は規模の経済と顧客の囲い込みにある。北米のレンタル市場は細分化されていて、URI は売上の 1 割強(推定)を持つ最大手。拠点が多いほど機材を融通して稼働率を上げられ、購入量が多いほど安く買える。大型案件の発注者は 1 社で多種類の機材と現場サービスを頼みたいので、専門を含めた一括提供が一般機材の顧客を専門にも引き込む。これが「より強く、より深く」と会社の言う内容で、専門機材の成長を支えている。
資本効率は見かけほど高くない。自己資本 ROE は 28% だが、純負債が自己資本の約 1.7 倍あるためで、借金を除いた事業の ROIC(税引き後営業利益 ÷ 自己資本と純負債)は 11.8%(会社の計算。2025 年 11.7%)にとどまる。機材を絶えず買い替える事業なので、利益のうち大きな部分が機材に再投資される。オーナー利益は純利益 25 億ドルから、伸びに要る機材の元手を引いた残りで、年 15〜20 億ドルほどと見る。
価格を決める力は中程度。レンタル料は需要の強い時期は物価並みに上がるが、供給過剰になればすぐ下がる(2009 年は営業利益率が 6.2% まで落ちた)。機材は一部で逼迫していて、会社は追加で 10 億ドルの機材を急には確保できないと言う。これは競合の増強にも時間がかかることを意味する。
経営は資本配分に規律がある。景気がよいときは機材を増やし、悪いときは購入を絞って借金を返し、自社株買いを増やしてきた。2025 年の自社株買いは 19 億ドル、配当 4.6 億ドル。買収は専門機材の拡大が中心で、会社は買収がしばらく ROIC を下げることもあると認めている。弱みは、景気の山で機材を買い増し、谷で需要が落ちる循環を毎回避けきれないこと。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
北米の機材レンタル市場は、借りる流れ(購入より借りる割合)が長く進んできた市場で、大手への集中が最も進んだ市場の 1 つとされる。それでも数万の小さな会社が残り、URI は一般機材と専門機材を合わせた市場(本分析では 1,100 億ドルと推定、一般 800・専門 300)の約 1 割強を持つ。サンベルト・レンタルズ(アシュテッド(Ashtead)の北米事業)が同規模の競合で、ハーク(Herc)は H&E の買収で 3 位(約 6%)になり、エクイップメントシェア(EquipmentShare)は技術を前面に出して急拡大している。
今の局面は循環の高い位置にある。2026 年 4〜6 月のレンタル収入は +12.7%、専門機材は 7 事業すべてが 2 桁、稼働率は過去最高、機材の生産性は +3.4%。需要を引っ張るのは、電力(会社の事業の 1 割超で 10 年近く 2 桁成長)、半導体工場、データセンター、LNG 基地、空港、病院といった大型案件で、地方の小口顧客は低い 1 桁の伸びで安定したところ。石油化学はまだ戻っていない。
金利 5% の下で住宅は弱く、非住宅の民間は大型案件に偏った二極化にある。大型案件は発注から完成まで何年もかかるので、需要の山は着工統計より遅れて来て、終わるときは一斉に終わる。ここが循環の怖さである。
構造の変化は 3 つ。①専門機材の比重が上がる(専門の収入が全体の約 3 割から高まる)ことで利益率の構成が変わる。②機材の確保に時間がかかるため、需要が強い間は新規参入が価格を壊しにくい。③一方、各社が好況で機材を増やせば、需要が一服した時に供給過剰になり、レンタル料と中古価格が同時に下がる。燃料費・関税・中東情勢は費用と機材の価格の変動要因である。
価格(レンタル料)は物価並みに上がるのが基本で、会社は「主にインフレを打ち消すために」料金が上がり続けると説明する。数量(市場の実質成長)は一般機材が 0〜2%、専門が 3〜7% と置く。
資本政策と M&A
資本政策は「機材への再投資 → 残りを還元」が明確である。2026 年は総機材購入 48.5〜52.5 億ドル、フリーキャッシュフロー 21.5〜24.5 億ドル、自社株買い 15 億ドルと配当を合わせて約 20 億ドルを還元する計画(フリーキャッシュフローの約 87%)。純レバレッジは 1.8 倍で目標 1.5〜2.5 倍の中にあり、流動性は約 30 億ドル。S&P は格付けの見通しをポジティブにして、12 か月内に投資適格に上がる可能性がある。
M&A は専門機材と地域の補完が中心。2025 年に H&E との合併契約は打ち切られ(ハークが買収した)、純益に税引き後 0.29 億ドルの打ち切りの益が入った。会社は「買収の案件は活発」と述べ、買収は短期には ROIC を下げることがあると認める。本分析では未成立の買収は入れず、今の会社だけで書く。
株主還元は株式報酬を差し引いた正味で見る。自社株買いで株数は年 3% ほど減ってきたが、株式報酬による増加を除いた正味の還元は、純利益から伸びに要る元手を引いた残りで置いた。借金の利払いは借り換えで上がる(直近の 2033 年債は 5.375%)が、純利益への影響は 10 年で約 3 億ドル減。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 8.0 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月・自社株買い枠の分 4.2 億ドルと 3.8 億ドル)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
URI は景気循環株の姿をしているが、中身は変わった。専門機材は 2025 年に +13.6%、2026 年 4〜6 月に +25% で、7 つの事業すべてが 2 桁。電力は事業の 1 割超で、10 年近く 2 桁で伸びてきた。専門は一般より粗利率が高く、顧客の支出に占める割合は 10% から 40% に上がり、一括提供が一般機材の顧客を専門にも引き込む。
供給側は逼迫している。会社は追加で 10 億ドルの機材を急には確保できないと言い、機材の納期は長い。競合の増強にも時間がかかるので、需要が強い間は価格が壊れにくい。稼働率は過去最高で、レンタル料は物価を打ち消す以上に上がる。
大型案件(電力網・半導体・データセンター・LNG・空港)は工期が数年で、一度始まれば途中では止まりにくい。受注が将来の需要を先に示す。米国の電力需要の増え方を考えれば、2030 年まで大型案件が続き、その後も更新と保守で底堅い。
資本の面でも変わった。純レバレッジ 1.8 倍、S&P は格付け見通しをポジティブに上げ、投資適格に近づく。借入の金利が下がり、自社株買いを続けられる。フリーキャッシュフロー 22〜24 億ドル、還元約 20 億ドルは、1 株あたりの価値を毎年 3% 以上押し上げる。
この見方では、中立の 2035 年でも純利益は今の 1.8 倍になり、楽観では 2.6 倍。
慎重な見方
借金で機材を買う事業の利益は、需要が少し落ちただけで大きく減る。固定費(機材の減価償却 30 億ドル弱と利払い 7 億ドル)が重く、2009 年は売上が 34% 減って営業利益率は 6.2%、株価は 15 か月で 88% 下がった。今は純レバレッジが低いが、借金は純利益の 6 倍にある。
足元の強さは大型案件が作っていて、これは終わるときは一斉に終わる。ハークは H&E を飲み込んで 3 位になり、エクイップメントシェアも機材を増やし、サンベルトは同規模。各社が好況で機材を積み増すと、需要が一服した時に供給過剰になり、レンタル料と中古価格が同時に下がる。2025 年の一般機材は +2.5%、粗利率は 90bp 悪化し、すでに「物価に負け始めている」。
専門の粗利率も 2025 年に 4.5 ポイント下がった(減価償却と配送費の増加、低粗利の付帯収入)。売上の伸びほど利益が増えていない。ROIC は 11.8% で、借金の金利 5.4% の税引き後(約 4%)をそれなりに上回るだけである。
ROE 28% は借金で膨らんだ値で、PER 25.9 倍は 10 年後の利益ベースの PER(中立 13.3 倍)の約 2 倍。しかも 2026 年は景気循環の山に近く、山の年の利益に高い倍率を掛けて見るのは危うい。
この見方では、中立でも今の値段を下回り、楽観でも上振れは 2 割ほどにとどまる。悲観の確率は 1 割を超える。
どちらに重みを置いたか
専門機材の成長と供給の逼迫は強く、中立の利益は今より 1.8 倍になる。この点は強気の見方が勝つ。一方、借金で機材を買う事業の ROIC が 12% 前後で、利益ベースの PER が 10 年後の中立で 13 倍台にとどまるなら、今の 25.9 倍は中立でも大きく超える。この点は慎重な見方が勝つ。
確率は、10 年では中立 34%・やや楽観 22%・やや悲観 22% とほぼ対称に置き、悲観は 2007 年からの 88% 下落の実績を考えて 12%、楽観は 10%。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 833.56 ドル521 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 407.46 ドル255 億ドル)。 今の値に割り戻すと 595.18 ドル372 億ドル、今との差 −46.4%、 期待の年率 +1.1%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 1,381 ドル864 億ドル | 446.01 ドル279 億ドル | +64.5% | +5.1% | 182.74 ドル114 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 1,091 ドル683 億ドル | 433.23 ドル271 億ドル | +37.2% | +3.2% | 335.41 ドル210 億ドル |
| 中立 | 34% | 860.38 ドル538 億ドル | 420.44 ドル263 億ドル | +15.3% | +1.4% | 435.48 ドル272 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 603.32 ドル377 億ドル | 398.06 ドル249 億ドル | −9.9% | −1.0% | 220.30 ドル138 億ドル |
| 悲観 | 12% | 250.50 ドル157 億ドル | 308.53 ドル193 億ドル | −49.7% | −6.6% | 67.08 ドル42 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 833.56 ドル521 億ドル | 407.46 ドル255 億ドル | +11.7% | +1.1% | 1,241 ドル776 億ドル |
今の株価時価総額 1,111 ドル695 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:電力・工場・インフラの大型案件が長く続き、専門機材で首位を固める 利益 64 億ドル · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 1,381 ドル864 億ドル
2035 年の売上は 386 億ドル(2025 年の 2.4 倍、価格 1.45 倍)。電力・半導体・データセンター・LNG・空港などの大型案件が 10 年のあいだ途切れず、地方の小口顧客も金利に慣れて戻る。一般機材は市場が実質 年 2.5% で伸び、シェアは 11.5% から 12.5% へ。専門機材は電力・空調・流体・マット・仮設収納などで市場が実質 年 7%、シェアは 15.5% から 17.5% へ上がり、一括提供の強みで大型現場の需要を取り込む。サンベルトやハークは追い上げるが、機材の確保と稼働管理の差が開く。営業利益率は 28.1%(今は 24.7%)で、営業利益 108 億ドル、純利益 64 億ドル。10 年の純利益の合計 435 億ドルのうち、機材と借金の元手に回した残りの正味の還元は 279 億ドル。
- 一般機材レンタル:数量 1,024(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 18.1%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 186 億ドル・営業利益 47 億ドル。市場 800 億ドル × 実質 2.5%/年 × シェア 12.5% × 価格 1.45 倍
- 専門機材レンタル:数量 590(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 25.4%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 150 億ドル・営業利益 48 億ドル。市場 300 億ドル × 実質 7.0%/年 × シェア 17.5% × 価格 1.45 倍
- 中古機材の売却:数量 41.7(売却する機材の原価(OEC、億ドル))× 価格 0.75(回収率(売却額 ÷ 取得原価)× 価格指数)→ 売上 32 億ドル・営業利益 11 億ドル。売却する機材原価 28.2 億ドル × 実質 4.0%/年 × 回収率 52% × 価格 1.45 倍
- 新品・消耗品・サービス:数量 1,614(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.01(付随の取り込み割合 × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 19 億ドル・営業利益 3 億ドル。両市場への付随の取り込み 0.8% × 価格 1.45 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 27.0%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.2%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 14.2 倍。電力・工場・インフラの大型案件が長く続き専門機材で首位を固める姿でも、建設の循環と借金で機材を買う事業で堀は普通なので、上限の 9.5 割の 13.5 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:10%。電力・半導体・データセンター・インフラの大型案件が 10 年続くのは、米国の電力需要の増え方からありえるが、建設は循環するので厚くしない。
やや楽観 22% やや楽観:専門が高めに伸び、一般は物価並み以上 利益 54 億ドル · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 1,091 ドル683 億ドル
2035 年の売上は 340 億ドル(2025 年の 2.1 倍、価格 1.43 倍)。大型案件の追い風が 2030 年前後まで続き、その後は物価に少し上乗せした成長に落ち着く。一般機材は市場が実質 年 2.0%、シェア 12.0%。専門機材は市場が実質 年 6%、シェアは 16.5% へ。一括提供と機材の逼迫(買い足しに時間がかかる)で、小さな地域の会社から顧客を取る。営業利益率は 26.7%、営業利益 91 億ドル、純利益 54 億ドル。10 年の純利益の合計 389 億ドルのうち、正味の還元は 271 億ドル。
- 一般機材レンタル:数量 975(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 17.2%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 167 億ドル・営業利益 40 億ドル。市場 800 億ドル × 実質 2.0%/年 × シェア 12.0% × 価格 1.43 倍
- 専門機材レンタル:数量 537(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 23.6%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 127 億ドル・営業利益 39 億ドル。市場 300 億ドル × 実質 6.0%/年 × シェア 16.5% × 価格 1.43 倍
- 中古機材の売却:数量 39.4(売却する機材の原価(OEC、億ドル))× 価格 0.73(回収率(売却額 ÷ 取得原価)× 価格指数)→ 売上 29 億ドル・営業利益 10 億ドル。売却する機材原価 28.2 億ドル × 実質 3.4%/年 × 回収率 51% × 価格 1.43 倍
- 新品・消耗品・サービス:数量 1,512(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.01(付随の取り込み割合 × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。両市場への付随の取り込み 0.8% × 価格 1.43 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 26.8%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.2%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 14.2 倍。専門が高めに伸び一般は物価並み以上の姿でも、堀は普通なので、上限の 9.0 割の 12.8 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:22%。専門機材の高い成長は今の実績(2025 年 +13.6%、2026 年 4〜6 月 +25%)に支えられる。10 年でならすと実質 6% に落ちる。
中立 34% 中立:専門は実質 5% 成長、一般は 1.5%、利益率は今より少し上 利益 45 億ドル · PER 12.0 倍 · 株価時価総額 860.38 ドル538 億ドル
2035 年の売上は 300 億ドル(2025 年の 1.9 倍、価格 1.41 倍)。大型案件は 2030 年ごろまで続き、その後は平常に戻る。一般機材は市場が実質 年 1.5%(非住宅の建設投資が物価をわずかに上回る)、シェアは 11.5% のまま。専門機材は市場が実質 年 5%、シェアは 15.5% で据え置く。専門は粗利率が 2025 年に 4.5 ポイント下がった分が全部は戻らないと見て、営業利益率は一般 23%・専門 29%、全社 25.3%(今は 24.7%)。営業利益 76 億ドル、純利益 45 億ドル。10 年の純利益の合計 349 億ドルのうち、機材と借金の元手に回した残りの正味の還元は 263 億ドル(今の自社株買い・配当の水準が続く)。景気の山と谷はならした値で見て、谷は悲観の確率で表す。
- 一般機材レンタル:数量 928(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 16.2%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 151 億ドル・営業利益 35 億ドル。市場 800 億ドル × 実質 1.5%/年 × シェア 11.5% × 価格 1.41 倍
- 専門機材レンタル:数量 489(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 21.9%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 107 億ドル・営業利益 31 億ドル。市場 300 億ドル × 実質 5.0%/年 × シェア 15.5% × 価格 1.41 倍
- 中古機材の売却:数量 37.2(売却する機材の原価(OEC、億ドル))× 価格 0.71(回収率(売却額 ÷ 取得原価)× 価格指数)→ 売上 26 億ドル・営業利益 8 億ドル。売却する機材原価 28.2 億ドル × 実質 2.8%/年 × 回収率 50% × 価格 1.41 倍
- 新品・消耗品・サービス:数量 1,417(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.01(付随の取り込み割合 × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 16 億ドル・営業利益 2 億ドル。両市場への付随の取り込み 0.8% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 26.7%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.1%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 14.2 倍。専門は実質 5%・一般は 1.5% の成長で、建設の循環と借金で機材を買う事業で堀は普通なので、上限の 8.5 割の 12.0 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:34%。議論の落としどころ。専門機材の強さと一般機材の鈍さを併せ、物価並みの価格を置く。
やや悲観 22% やや悲観:大型案件が一巡し、競合の増強で価格と稼働率が重い 利益 33 億ドル · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 603.32 ドル377 億ドル
2035 年の売上は 251 億ドル(2025 年の 1.6 倍、価格 1.37 倍)。大型案件が 2028 年前後に一巡し、そのあと景気の弱い年が重なる。ハーク(H&E を統合)・サンベルト・エクイップメントシェアが機材を増やし、レンタル料は物価に追いつかない。一般機材は市場が実質 年 0.8%、シェア 11.0%。専門機材は市場が実質 年 3.5%、シェア 14.5%。営業利益率は 22.7%(谷の年をならした値)、営業利益 57 億ドル、純利益 33 億ドル。10 年の純利益の合計 294 億ドルのうち、正味の還元は 249 億ドル。
- 一般機材レンタル:数量 866(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 15.1%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 131 億ドル・営業利益 27 億ドル。市場 800 億ドル × 実質 0.8%/年 × シェア 11.0% × 価格 1.37 倍
- 専門機材レンタル:数量 423(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 19.9%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 84 億ドル・営業利益 22 億ドル。市場 300 億ドル × 実質 3.5%/年 × シェア 14.5% × 価格 1.37 倍
- 中古機材の売却:数量 33.7(売却する機材の原価(OEC、億ドル))× 価格 0.66(回収率(売却額 ÷ 取得原価)× 価格指数)→ 売上 22 億ドル・営業利益 6 億ドル。売却する機材原価 28.2 億ドル × 実質 1.8%/年 × 回収率 48% × 価格 1.37 倍
- 新品・消耗品・サービス:数量 1,290(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.01(付随の取り込み割合 × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 14 億ドル・営業利益 1 億ドル。両市場への付随の取り込み 0.8% × 価格 1.37 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 26.3%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.9%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 14.1 倍。大型案件が一巡し競合の増強で価格と稼働率が重い姿なので、上限の 8.0 割の 11.3 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:22%。大型案件は永続せず、期末 PER が 5.8 倍まで下がった過去が示すように、この業界は循環の谷で大きく崩れた。競合の増強も厚い。10 年の途中で少なくとも 1 回は需要が弱い年が来る。
悲観 12% 悲観:レンタル料が物価に負け、不況も重なる構造的な劣勢 利益 16 億ドル · PER 9.7 倍 · 株価時価総額 250.50 ドル157 億ドル
2035 年の売上は 189 億ドル(2025 年の 1.2 倍)で、実質では縮んでいる。需要が 2 割ほど落ちる景気後退が 2 度あり、その間にサンベルト・ハーク・エクイップメントシェアが設備を積み増して供給過剰になり、レンタル料は物価に負けて価格は 1.28 倍にとどまる。専門機材も大型案件向けの機材が余り、シェアは 15.5% から 12.5% へ、一般機材は 10.0%。顧客が借りるより自前の機材を持つ流れも出て、中古の回収率は 43% に下がる。営業利益率は 15.9%、営業利益 30 億ドル、純利益 16 億ドル。10 年の純利益の合計 198 億ドルのうち、正味の還元は 193 億ドル。
- 一般機材レンタル:数量 800(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 12.8%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 102 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 800 億ドル × 実質 0.0%/年 × シェア 10.0% × 価格 1.28 倍
- 専門機材レンタル:数量 366(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 16.0%(URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 59 億ドル・営業利益 12 億ドル。市場 300 億ドル × 実質 2.0%/年 × シェア 12.5% × 価格 1.28 倍
- 中古機材の売却:数量 29.6(売却する機材の原価(OEC、億ドル))× 価格 0.55(回収率(売却額 ÷ 取得原価)× 価格指数)→ 売上 16 億ドル・営業利益 3 億ドル。売却する機材原価 28.2 億ドル × 実質 0.5%/年 × 回収率 43% × 価格 1.28 倍
- 新品・消耗品・サービス:数量 1,166(市場の大きさ(億ドル、2025 年価格))× 価格 0.01(付随の取り込み割合 × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。両市場への付随の取り込み 0.8% × 価格 1.28 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 18.4%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.0%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 13.0 倍。レンタル料が物価に負け不況が重なる構造的な劣勢の姿なので、上限の 7.5 割の 9.7 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:12%。レンタル料が物価に負け続ける構造的な劣勢と不況が重なる筋書き。2007 年 10 月からの 15 か月で株価が 88% 下がった実績があり、5% 未満にはしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
一般機材レンタル
高所作業車・フォークリフト・土工機械・発電機などの汎用機材の貸し出し。建設会社と工場が顧客で、需要は非住宅の着工と稼働に連動する。
| 数量市場の大きさ(億ドル、2025 年価格) | 価格URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 800 | 11.5% | 92 | 20 |
| 10 年後 中立 | 928 | 16.2% | 151 | 35 |
取り方:市場 = 北米の一般機材レンタル(付帯収入と再レンタルを含む)の推定 800 億ドル(出典なし。URI の売上が市場の 1 割強という業界ノートの見方に合わせた)、URI のシェア 11.5%(売上 91.65 億ドル ÷ 市場)。売上 = 市場 × シェア × 価格指数。営業利益は部門の粗利 32.25 億ドルから本社費・販売費・非レンタル減価償却を売上比で割り当てて 20.45 億ドル(22.3%)。競合はサンベルト・ハーク・エクイップメントシェアと地域の小さな会社。
専門機材レンタル
トレンチ保護・電力と空調・流体処理・マット・仮設収納・現場サービスなどの専門機材と作業の提供。利益率が高く、大型案件で伸びる。
| 数量市場の大きさ(億ドル、2025 年価格) | 価格URI のシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 300 | 15.5% | 46 | 14 |
| 10 年後 中立 | 489 | 21.9% | 107 | 31 |
取り方:市場 = 北米の専門機材レンタルの推定 300 億ドル(出典なし)、URI のシェア 15.5%(売上 46.41 億ドル ÷ 市場。専門は細分化されていて、URI が相対的に強い)。2025 年は +13.6%、粗利率 43.6%(−450bp)。営業利益は部門の粗利 20.23 億ドルから費用を割り当てて 13.73 億ドル(29.6%)。競合はサンベルトの専門部門・ハーク・マットや電力の専業。
中古機材の売却
約 4 年使った機材を中古として売る。機材の更新サイクルの出口で、売却益が利益に入る。
| 数量売却する機材の原価(OEC、億ドル) | 価格回収率(売却額 ÷ 取得原価)× 価格指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 28.2 | 0.50 | 14 | 5 |
| 10 年後 中立 | 37.2 | 0.71 | 26 | 8 |
取り方:2025 年の中古売却は約 14.1 億ドル(機材売却の原価 7.78 億ドルと粗利率 約 45% から逆算)。回収率は 2025 年 10〜12 月が 50.2%、2026 年 4〜6 月が 52.9%。売却した機材の原価は 14.1 ÷ 0.5 = 28.2 億ドル。営業利益は粗利 約 6.3 億ドルから費用の割り当てを引いた 4.5 億ドル。
新品・消耗品・サービス
新品機材・消耗品(コントラクターサプライ)・サービスの販売。レンタル顧客への付随の売上。
| 数量市場の大きさ(億ドル、2025 年価格) | 価格付随の取り込み割合 × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,100 | 0.01 | 9 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,417 | 0.01 | 16 | 2 |
取り方:総売上 160.99 億ドルから機材レンタル収入 138.06 億ドルと中古売却 14.1 億ドルを引いた残り 8.83 億ドル。市場は一般・専門の合計 1,100 億ドルへの付随(取り込み 0.8%)。粗利は 売上 8.83 − 原価 6.19 = 2.64 億ドル、費用の割り当てを引いて営業利益 1.04 億ドル(11.8%)。
リスクと懸念
建設の循環と大型案件の一巡
足元の強さは電力・半導体・データセンター・LNG・空港の大型案件が作っている。これらは終わるとき一斉に終わり、地方の小口の需要は低い 1 桁の伸びにとどまる。2008〜2009 年は売上が 34% 減り、株価は 15 か月で 88% 下がった。固定費(機材の減価償却と利払い)が重く、営業利益率は 6.2% まで落ちた。本分析の 10 年の悲観は、需要が 2 割ほど落ちる景気後退が 2 度あるとして置いた。
競合の機材増強と供給過剰
ハークは H&E を飲み込んで 3 位(約 6%)になり、サンベルト(アシュテッド)は同規模、エクイップメントシェアは技術を使って急拡大している。各社が好況で機材を増やすと、需要が一服した時にレンタル料と中古価格が同時に下がる。一般機材の 2025 年の伸びは +2.5%、粗利率は 90bp 悪化しており、物価に負け始める兆しがある。
借金と金利
純負債は 152 億ドル(純レバレッジ 1.8 倍)で、純利益の 6 倍。借り換えで利払いは上がり(2033 年債は 5.375%)、10 年で約 3 億ドルの利益減。景気後退で EBITDA が落ちるとレバレッジが 3 倍近くまで上がり、自社株買いが止まる。S&P の格付け見通しはポジティブだが、悪化すれば借入費用が上がる。
専門機材の利益率の低下
専門の粗利率は 2025 年に 4.5 ポイント下がった(減価償却が 1.4 ポイント、配送費が 1.9 ポイント、低粗利の付帯収入の増加)。売上が +25% で伸びても、利益が同じ割合では増えていない。マットなど減価償却の重い事業を広げるほど、利益率の回復は遅れる。
中古価格の下落
4 年使った機材の回収率は 50% 前後(2026 年 4〜6 月は 52.9%)。供給過剰になれば 40% 台前半まで下がり、機材の減価償却の見積り(残存価値)を見直す損失が出る。会社は 2026 年に約 14.5 億ドルを売る計画で、中古市場の緩みは利益に直接効く。
人件費・燃料・関税
2026 年 4〜6 月は燃料費が利益率の 0.2〜0.3 ポイントの逆風になった。機材の購入価格も関税と物価で上がり、レンタル料の値上げで打ち消せない時期が出る。再配置・リストラの費用(2026 年に 0.55〜0.65 億ドル)も続く。
買収で ROIC が下がる
会社は買収が短期には ROIC を下げることがあると認める。高い値段で買えば、のれんが増え、帳簿の自己資本 ROE が下がる。成立していない買収は入れていないので、成立した時の得失は文章と確率で見る。
今後の分かれ目
- 2027 年も機材生産性が +3% を超え、専門機材が +15% 以上で伸びる
- 10 年の楽観・やや楽観の確率を上げる。ただし倍率は利益ベースの上限で決まり、利益の増加は倍率の縮みと打ち消し合うので、割高の判定は大きくは変わらない(楽観の筋書きでも年率 6% 前後で資本コスト 9.5% に届かない)。
- 非住宅の着工が 2 四半期続けて 10% 以上減り、大型案件の延期が出る
- 10 年の悲観の確率(12%)を上げ、やや悲観も厚くする。谷の年は売上 25% 減・営業利益率 12% が目安。
- レンタル料の伸びが 2 年続けて物価を下回り、稼働率が下がる
- 価格が物価に負ける筋書き(10 年の悲観・やや悲観)に確率を寄せる。一般機材の粗利率の悪化(2025 年 −90bp)がさらに進む兆し。
- ハークやエクイップメントシェアが機材購入を大きく増やし、中古の回収率が 45% を割る
- 供給過剰の入り口。中古売却の利益と減価償却の見積りが同時に悪化し、10 年の悲観の確率を厚くする。
- 大型の買収(専門機材・大手の競合)が成立する
- 短期は ROIC が下がる。シェアが上がって専門の比重が高まれば、10 年の中立の数量が上振れ。ただし買収の値段次第で、のれんの増加が ROE を押し下げる。
- 格付けが投資適格に上がり、純レバレッジの目標を 2.5 倍まで引き上げる
- 還元は増えるが、景気後退に対する体力は弱まる。倍率は利益ベースの上限の内側で決まるので、確率は大きくは動かさず、悲観の深さに反映する。
見ておくもの
- 機材生産性(レンタル料・稼働率・構成の合計)の伸び(2025 年 +2.2%、2026 年 4〜6 月 +3.4%)
- 専門機材の成長率(+25%)と粗利率(2025 年 43.6%、−450bp)の底打ち
- 一般機材の伸び(2025 年 +2.5%)とレンタル料が物価に追いつくか
- 非住宅の着工と大型案件の延期・中止、受注の先行指標
- 中古機材の回収率(50% 前後)とハーク・サンベルト・エクイップメントシェアの機材購入
- 純レバレッジ(1.8 倍)、金利、格付け(投資適格への引き上げ)
倍率と資本コストの決め方
今の PER 25.9 倍(GAAP の 2025 年実績)や 2026 年の調整後 EPS に寄せず、先に一般・専門の市場の実質成長 × シェア × 価格(10 年 1.41 倍)で売上を積み上げ、利益率と利払いで純利益を出し、最後に利益ベースの正当化 PER で倍率を置いた。ROE は帳簿の自己資本 ROE(27% 前後、40% 以下)、g は市場の実質(0.3〜1.7%)+ 価格 3.5% ± シェアで内訳を書いた。ROE で g を出していない。倍率は上限((1−g÷RONIC)÷(k−g)、k 9.5%、RONIC=k+1/2×(ROE−k)、中立で 14.2 倍)の 8.5 割の 12.0 倍。建設の循環と借金で機材を買う事業の質から、上限すれすれにはしていない。業界ノートの 11〜15 倍(k 12.8% の古い前提)にも寄せていない。建設の循環は山の年の利益に倍率を掛けず、10 年のやや悲観・悲観の確率と深さで表した。結果として中立でも今の値段を大きく下回る割高が出たが、数量は 2026 年の見通し(売上 +10%)に合わせて高く置いており、倍率を意図的に下げてはいない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 5% + β 1.56 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.5% = 9.5%。建設・工場・インフラの投資に連れて稼働率とレンタル料が大きく振れ循環に上限の +1%、レンタル料は競合の増強で物価に負ける恐れがあり値決めに +0.25%、純負債は時価総額の約 24% だが借金で機材を買う事業なので借金に +0.25%、寿命は 0。大型案件の循環・競合の増強などの個別のリスクは k に足さず、数量・利益率と悲観の確率で表した。上乗せは 0。