結論
リパブリック・サービシズ(Republic Services)は、米国で 2 番目に大きい廃棄物会社で、住宅・商業・産業の収集、中継所、207 の稼働埋立地を一体で持つ。2026 年の見通しは売上 172〜173 億ドル、調整後 EBITDA 55.25〜55.5 億ドル、純利益(GAAP)約 22 億ドル。2026 年 4〜6 月は、価格(コア価格 5.3%)が伸びを作り、数量は -1.6% と弱かった(住宅の採算の悪い契約の整理と建設の弱さ)。
売上を「市場の大きさ × シェア × 価格」で積むと、中立の筋書きは売上が年 +5%(価格 4%・数量 0.5%・買収によるシェア 0.3%)、利益率は年 +25bp ほどで、2036 年ごろに純利益 約 39 億ドル、時価総額 約 720 億ドル。資本コスト 7.5%、帳簿の自己資本 ROE 18%、堀の強さ(残る割合 2/3)から利益ベースの上限は 21 倍で、その 9 割の 18.7 倍を置く。今の 723 億ドル(2025 年の GAAP 実績の PER 33.8 倍)に対して総合は割高(約 −34%)となる。
弱い点は、数量が伸びないこと、環境ソリューションの利益率が前年の 24% から 20% に下がっていること、買収に年 12 億ドル超を使い続けること。強い点は、埋立地を持つ都市ごとの寡占と、物価を上回る価格を通せる力。競合のウェイスト・マネジメント(WM)の収集・処分の EBITDA 率が 38.6% なのに対し RSG は 34〜35% で、差の縮み方が筋書きの分かれ目になる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、RSG は「10 年後も存在し、今より強い」と言いやすい事業の一つである。ごみは人口がいる限り出続け、埋立地は新設が難しく、持つ側が物価を上回る値上げを毎年通せる。堀(埋立地の囲い込み・垂直統合・都市の密度)は、PFAS や許認可の厳格化で費用が増えるほど、持つ側に有利になる向きで広がる。堀が狭まる筋書きは、拡大生産者責任で廃棄物の量が構造的に減る、PFAS の費用が値上げで回収できない、低価格の参入者に都市で数量を奪われる、のいずれか。
オーナー利益(株主のものになる利益)は、純利益 約 22 億ドルのうち、設備投資(19.7〜20.1 億ドル)が減価償却(20 億ドル)とほぼ同額で、調整後 FCF が 25.4〜25.75 億ドル。ここから買収に年 12 億ドルを使うので、実際に株主に返せるのは 3 分の 2 ほど。買収の収益率(のれんを積み上げる形)は、本業の 18% の ROE より低い。
経営は、規律を保った資本配分(配当・自社株買い・小さな買収)で、WM ほど大きな買収は避けている。ただし買収の値段(EBITDA の 8〜10 倍)が高すぎないかと、自社株買いを今の PER 33 倍で行う妥当性は問われる。安全域は、利益ベースの倍率で測ると今の値段が本質価値を大きく上回り、厚くない。「素晴らしい会社を高めの値段で」に近い。
何で稼ぐ会社か
売上の約 84% は収集・中継・埋立(2026 年 4〜6 月で収集 29.9 億・中継 2.3 億・埋立 5.2 億ドル。収集は住宅 7.7 億、小型コンテナ 13.7 億、大型コンテナ 8.4 億ドル)。住宅は自治体の入札、小型コンテナは商店・事務所、大型コンテナは建設・産業で、契約の更新と値上げで売上が積み上がる。収集車が集めたごみを自社の中継所と埋立地に運ぶ「垂直統合」により、他社の埋立地に払う処分料を払わずに済み、これが利益率と価格の力の源になっている。稼働埋立地は 207、中継所 255、収集事業所 377、リサイクル 79、再エネ 84(10-K)。
環境ソリューション(4〜6 月に売上 4.6 億ドル、調整後 EBITDA 率 20.2%)は、有害・産業廃棄物の処理、現場の修復、PFAS 対応などで、買収(US エコロジーなど)で拡大した事業。昨年は PFAS 関連が 1 億ドルを超え、来年は明確に増える見通しだが、この 1 年は自社成長が -0.2% で利益率が前年の 24.4% から下がった。
リサイクル・その他は売上の約 5%。再生品の相場(4〜6 月は 1 トン 136 ドル、前年より 13 ドル低い)と、インディアナポリスで 2025 年 7 月に稼働したポリマーセンター(再生樹脂)が材料。アレンタウンが 2027 年初に試運転に入り、計画は 4 か所から 3 か所に絞られた。再生可能天然ガス(RNG)の新規は年内に 2 か所が加わる。
収益の仕組みは、①契約ごとの値上げ(価格)、②住宅・商業・産業の数量、③買収(年 12 億ドル超)によるシェアの積み上げ、④密度と自動化・AI による費用の削減(年 1 億ドル超が 2028 年までの目標)の 4 つ。
優良さと弱いところ
堀は、埋立地の囲い込みと、収集から処分までの垂直統合である。新しい埋立地を作るのは許認可に数年から十数年かかり、近隣の自治体や商業の顧客は遠くの埋立地に運ぶ費用が重いため、持つ側が価格を決められる。顧客の定着率は 94% 超で、4〜6 月のコア価格は関連売上比 6.4%(オープン市場 7.8%・制限付き契約 4.1%)、離脱と値引きを引いた実現価格は 4.0%。物価を上回る値上げが毎年続いているのが質の証拠である。
競合との比較。ウェイスト・マネジメント(WM)は収集・処分で EBITDA 率 38.6%、全社で 約 31%。ウェイスト・コネクションズ(WCN)は 2026 年 4〜6 月に 32.8%(通年 約 33%)、GFL は 30.4% で、RSG の全社 32.1%(リサイクル・廃棄物では 33.5%)は WCN に及ばない。WM の収集・処分との差(約 4pt)は、埋立地の持ち方と都市ごとの密度の違いが大きい。
資本効率は、帳簿の自己資本 ROE が 18%(純利益 約 22 億ドルを自己資本 約 120 億ドルで)。ROIC(税引き後営業利益÷(自己資本+純負債))は 11% 前後で、買収でのれんを積み上げて広げる事業のため低い。経営陣は年 30〜50bp の利益率拡大を目安とするが、2026 年 4〜6 月の全社の調整後 EBITDA 率は 32.1% と前年と横ばい(燃料と再生品の相場の逆風を、底の改善 90bp が打ち消した)。
弱い所は、環境ソリューションの利益率の低下、住宅の契約整理による数量の減少、持分法投資損失(年 1.9 億ドル。太陽光などの税額控除投資)が利益の質を見えにくくすること。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の廃棄物は、上位 4 社(WM・RSG・WCN・GFL)に地域の小さな業者が混じる、都市ごとの寡占である。数量は人口と建設・産業の活動に連動し、景気の影響は小さい。価格は物価に上乗せが効き、毎年のコア価格が 5% 台を保つ。今の位置は、価格が強く、数量が弱い局面にある。2026 年 4〜6 月は住宅 -4.3%・大型コンテナ -2.2%・埋立の都市ごみ +1.1%、経営陣は住宅が下期に -3〜3.5%、2027 年に -2% を見込む。建設の弱さと金利 5% が重しだが、産業の活動には勢いが出ている。
構造的な動きは、①埋立の許認可の厳格化(新設が難しいので既存の埋立地の価値が上がる)、②PFAS(浸出水の処理費の増加・環境ソリューションの需要の増加)、③拡大生産者責任(EPR)による廃棄物の減少と再生品の義務化、④RNG・ポリマーなど廃棄物の資源化、⑤自動化・AI(ルートの最適化・安全)による費用の削減。
環境面の費用(PFAS・埋立ガス)は、費用の増加であり、同時に値上げの根拠でもある。リサイクル品の相場は 2025 年第 4 四半期の 1 トン 112 ドルから 136 ドルまで戻ったが、前年(149 ドル)には届かない。競合は、WM がヘルスケア廃棄物(ステリサイクル)、WCN が北米の小都市と E&P 廃棄物、GFL が北米東部と買収の成長で、RSG は都市部の密度と環境ソリューションに力を入れる。低価格で数量を取りに来る参入者が出る市場があるが、全体の価格規律は保たれている。
資本政策と M&A
資本配分は、配当(23 年連続の増配。四半期の配当を 4.5 セント引き上げ)、自社株買い(2026 年上期 6.5 億ドル、株数の約 1%)、買収(上期 8.65 億ドル、通年 12 億ドル超に上方修正)の 3 本。2026 年の調整後 FCF は 25.4〜25.75 億ドルで、配当約 8 億・買収約 12 億・自社株買い約 10 億ドルがそれを使い切り、借入の増加(EBITDA の約 2.5 倍を保つ)で増加分を補う形。
買収は埋立地と収集の「密度」を買う型で、2026 年はカンザス州ローレンスのハム埋立地・リサイクル施設が大きい。経営陣は 2027 年も続けると述べ、買収は年 10 億ドル台が当面の水準。大型の合併(WM のステリサイクルのような)には動かず、小さな買収を重ねる型で、のれんが積み上がるのが帳簿の ROE を 18% に抑える要因。
借金は総額 約 141 億ドルで、純負債は EBITDA の約 2.5 倍、平均金利は 4.3% 前後(純利払い 6.05 億ドル)。借り換えで新しい借金は約 5.75% になり、利払いが年 1〜2 億ドル増える(3 年で約 6 割が入れ替わる前提)。株式報酬で増える株は、自社株買いで打ち消している。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
RSG の価格の力は、数量が弱い今でも明らかである。2026 年 4〜6 月は数量が -1.6% でも売上は +4.6%、調整後 EBITDA は +4.5%、コア価格は関連売上比で 6.4%。数量の弱さは 1.3pt が前年の災害関連の埋立量との比較で、住宅の -4.3% は採算の悪い契約を自ら整理している結果である。経営陣は 2027 年に住宅の減が -2% に和らぐと述べ、建設は金利が下がれば戻り、産業の活動はすでに勢いがある。
環境ソリューションは、PFAS の需要で来年の売上が「明確に」増える見通しで、利益率は 20% から「20% 台後半」の目標へ戻る余地がある。売上 18 億ドルが 10 年で倍近くになり、利益率が 17.5% まで戻れば、営業利益は 1.7 億ドルから 10 億ドル近くに増える。
収集・埋立は、WM との EBITDA 率の差が 4pt ある。AI・ルート最適化で年 1 億ドル超の効率化(2027 年末に run-rate)、密度の積み上げ、買収の統合で、この差が縮むなら、営業利益率は 25% 台から 27% に届く。埋立地は許認可が通らなくなるほど既存の持ち主の価値が増す。
資本コスト 7.5% の世界では、成熟した事業の利益ベースの上限は 21 倍で、物価を上回る価格の伸びが 10 年続けば、時価総額は 10 年で約 840〜980 億ドルまで増える。今の値段は 10 年で資本コストをやや上回るリターンの水準にある。
慎重な見方
今の PER は 2025 年の GAAP 実績で 33.8 倍、過去 20 期の中央値 26.3 倍・75% 点 31.0 倍を上回る。資本コスト 7.5% を前提に利益ベースで出しても成熟後は上限 21 倍で、今の値段はそこを大きく超えて織り込んでいる。資本コストが 8% なら、上限は 20 倍前後に下がり、時価総額は今より低くなる。
成長にも限りがある。数量は今年の 4〜6 月に -1.6% で、住宅は 2027 年も -2% が見込まれ、建設は金利が高いまま弱い。価格が物価を上回る伸びは、規制や自治体の入札で抑えられ、競合(WCN・GFL)の低価格の参入が都市で起きれば鈍る。環境ソリューションの利益率は前年の 24.4% から 20.2% に下がり、経営陣の「20% 台後半」の目標は遠い。
利益の質にも不安がある。持分法投資損失 年 1.9 億ドル(太陽光などの税額控除投資)で税率が約 19% に抑えられているが、制度が変われば税の負担が増える。のれんを積む買収を年 12 億ドル超続けるので、本業の ROE は帳簿の 18% を超えにくく、EBITDA の 8〜10 倍で買う買収の収益率は資本コスト 7.5% に届くかどうかの水準にとどまる。PFAS の浸出水処理費や拡大生産者責任は、費用が先に出て値上げの回収が遅れる。
WM(収集・処分の EBITDA 率 38.6%)に追いつくには、都市の密度と埋立地の質の差を縮める必要があり、10 年かけても縮まらない可能性が高い。
どちらに重みを置いたか
強気の言い分(価格の力・埋立地の囲い込み・環境ソリューションの回復余地)は事業の質としては強く、慎重な見方(数量の弱さ・今の倍率が上限を超える・WM との利益率の差・買収の収益率)は「安全域が薄い」点で強い。確率は、楽観 10%・やや楽観 22%・中立 40%・やや悲観 18%・悲観 10%(同じ領域のウェイスト・マネジメントと揃えた)。RSG は WM より利益率が低く、環境ソリューションの不振があるので、同じ確率でも中立の利益率の置き方を控えめにした。利益ベースの倍率で測ると今の値段は本質価値より 5 割ほど高く、判定は「割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 219.60 ドル686 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 67.53 ドル211 億ドル)。 今の値に割り戻すと 153.59 ドル479 億ドル、今との差 −36.5%、 期待の年率 +1.7%(資本コスト 7.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 313.13 ドル978 億ドル | 68.87 ドル215 億ドル | +57.9% | +4.7% | 38.20 ドル119 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 268.73 ドル839 億ドル | 68.55 ドル214 億ドル | +39.4% | +3.4% | 74.20 ドル232 億ドル |
| 中立 | 40% | 231.83 ドル724 億ドル | 68.23 ドル213 億ドル | +24.0% | +2.2% | 120.03 ドル375 億ドル |
| やや悲観 | 18% | 156.04 ドル487 億ドル | 66.63 ドル208 億ドル | −8.0% | −0.8% | 40.08 ドル125 億ドル |
| 悲観 | 10% | 83.48 ドル261 億ドル | 62.79 ドル196 億ドル | −39.5% | −4.9% | 14.63 ドル46 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 219.60 ドル686 億ドル | 67.53 ドル211 億ドル | +18.7% | +1.7% | 287.14 ドル896 億ドル |
今の株価時価総額 241.90 ドル755 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:埋立の囲い込みで価格が物価を上回り、環境ソリューションが高収益に育つ 利益 49 億ドル · PER 20.0 倍 · 株価時価総額 313.13 ドル978 億ドル
10 年後(2036 年ごろ)に、価格が物価を 1pt 上回る年 +4.5% を続け(埋立の囲い込みと許認可の厳格化が値上げの根拠)、収集・埋立の数量は年 +0.9%・買収などでシェア年 +0.6%。環境ソリューションは PFAS・産業需要で年 +7.8% 伸び、利益率が 17.5%(EBITDA 率で 27%、経営陣の「20% 台後半」目標)に届く。売上は 321 億ドル(年 +6.4%)、営業利益率 25.2%、純利益 49 億ドル。収集・埋立の営業利益率は 27.5%(EBITDA 率で 38% 台、WM の今の水準)に近づく。買収は年 18 億ドルから物価で増え、シェアは積み上がる。
- 収集・中継・埋立(廃棄物の本体):数量 1,203(米加の収集・中継・埋立の市場規模(億ドル、今の価格)× シェア)× 価格 21.8%(シェア × 価格指数(今 = 1。物価並みなら 3 年 1.11・10 年 1.41。実現価格は物価を上回る前提で 4%/年))→ 売上 263 億ドル・営業利益 72 億ドル。市場 1203 億ドル × 価格(シェア×指数)0.2184
- リサイクル・その他(非中核):数量 133(再生品・その他の市場規模(億ドル)× シェア)× 価格 15.7%(シェア × 価格指数(今 = 1。再生品の相場で大きく振れる))→ 売上 21 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 133 億ドル × 価格(シェア×指数)0.1565
- 環境ソリューション:数量 712(米加の環境ソリューション市場(億ドル)× シェア)× 価格 5.3%(シェア × 価格指数(今 = 1))→ 売上 38 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 712 億ドル × 価格(シェア×指数)0.0534
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 19.0%(この筋書きの純利益 48.9 ÷ 自己資本 257 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.5%(基本 8.0% + quality -0.5%)+ 残る割合 0.67 ×(ROE − k)= 15.2%(堀は強:埋立地は許可の取得が事実上できず、都市ごとの寡占と長期契約が続く(残る割合 2/3))。g は 4.0%(g は 4.0%(内訳の目安:市場 0.5% + シェア 0.3% + 価格 4.0% の合計 4.8% を、上限の 4% で止める))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=21.0 倍に対し、95% の 20.0 倍に置いた(価格と環境ソリューションの回復が重なる筋書きなので上限の近く。ROE は帳簿の値)。時価総額=純利益 48.9 億ドル × 20.0 倍=978 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:埋立の囲い込みが強まり価格と利益率が上がる筋書き。堀が広がる確信は 1 割。
やや楽観 22% やや楽観:価格の上乗せと買収の積み上げが続き、利益率が 26% 台へ 利益 44 億ドル · PER 19.2 倍 · 株価時価総額 268.73 ドル839 億ドル
価格は年 +4.25%、収集・埋立の数量は年 +0.7%、シェア年 +0.45%(買収)。環境ソリューションは年 +6.9%、利益率は 16%。売上は 301 億ドル(年 +5.7%)、営業利益率 24.1%、純利益 44 億ドル。収集・埋立の営業利益率は 26.5%。AI・ルート最適化で年 1 億ドル超の効率化が積み上がり、買収は年 15 億ドルから物価で増える。 競合の WM(収集・処分の EBITDA 率 38.6%)との利益率の差は、規模と密度の効果で少しずつ縮む。 住宅の整理は終わり、数量は建設の回復で小幅に増え、環境ソリューションは PFAS と産業需要で利益率が 16% まで戻る。ポリマーセンターと RNG は小さな上積みにとどまる。
- 収集・中継・埋立(廃棄物の本体):数量 1,180(米加の収集・中継・埋立の市場規模(億ドル、今の価格)× シェア)× 価格 21.0%(シェア × 価格指数(今 = 1。物価並みなら 3 年 1.11・10 年 1.41。実現価格は物価を上回る前提で 4%/年))→ 売上 248 億ドル・営業利益 66 億ドル。市場 1180 億ドル × 価格(シェア×指数)0.2100
- リサイクル・その他(非中核):数量 130(再生品・その他の市場規模(億ドル)× シェア)× 価格 14.2%(シェア × 価格指数(今 = 1。再生品の相場で大きく振れる))→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 130 億ドル × 価格(シェア×指数)0.1421
- 環境ソリューション:数量 678(米加の環境ソリューション市場(億ドル)× シェア)× 価格 5.2%(シェア × 価格指数(今 = 1))→ 売上 35 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 678 億ドル × 価格(シェア×指数)0.0518
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 18.6%(この筋書きの純利益 43.6 ÷ 自己資本 234 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.5%(基本 8.0% + quality -0.5%)+ 残る割合 0.67 ×(ROE − k)= 14.9%(堀は強:埋立地は許可の取得が事実上できず、都市ごとの寡占と長期契約が続く(残る割合 2/3))。g は 4.0%(g は 4.0%(内訳の目安:市場 0.5% + シェア 0.3% + 価格 4.0% の合計 4.8% を、上限の 4% で止める))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=20.9 倍に対し、92% の 19.2 倍に置いた(価格の力が続き数量も戻る筋書き。ROE は帳簿の値)。時価総額=純利益 43.6 億ドル × 19.2 倍=839 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:価格の上乗せと買収が続き利益率がゆっくり上がる筋書き。2 割強。
中立 40% 中立:価格 4%・数量 0.5%・買収の積み上げ、利益率は 25% 台へゆっくり 利益 39 億ドル · PER 18.7 倍 · 株価時価総額 231.83 ドル724 億ドル
価格は年 +4.0%(物価 3.5% に 0.5pt の上乗せ)、収集・埋立の数量は年 +0.5%(住宅の整理を差し引いた実質)、買収によるシェアは年 +0.3%。環境ソリューションは年 +6.0%(市場 +2.0%・シェア +0.5%・価格 +3.5%)、利益率 14.5%。売上は 281 億ドル(年 +5.0%)、営業利益率 23.1%(今の 20.5% から年 +26bp、経営陣の 30〜50bp より控えめ)、純利益 39 億ドル。収集・埋立の営業利益率は 25.5%(EBITDA 率 約 37%)で、WM の今の 38.6% に追いつかない前提。借り換えが終わり金利は 5.75% になる。長期の成長の内訳は市場 0.5%・シェア 0.3%・価格 4.0% の合計 4.8% だが、k−g の下限の決まりで倍率の式には 3.5% を使う。
- 収集・中継・埋立(廃棄物の本体):数量 1,156(米加の収集・中継・埋立の市場規模(億ドル、今の価格)× シェア)× 価格 20.2%(シェア × 価格指数(今 = 1。物価並みなら 3 年 1.11・10 年 1.41。実現価格は物価を上回る前提で 4%/年))→ 売上 234 億ドル・営業利益 60 億ドル。市場 1156 億ドル × 価格(シェア×指数)0.2020
- リサイクル・その他(非中核):数量 126(再生品・その他の市場規模(億ドル)× シェア)× 価格 12.3%(シェア × 価格指数(今 = 1。再生品の相場で大きく振れる))→ 売上 16 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 126 億ドル × 価格(シェア×指数)0.1228
- 環境ソリューション:数量 646(米加の環境ソリューション市場(億ドル)× シェア)× 価格 5.0%(シェア × 価格指数(今 = 1))→ 売上 32 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 646 億ドル × 価格(シェア×指数)0.0498
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 18.3%(この筋書きの純利益 38.7 ÷ 自己資本 212 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.5%(基本 8.0% + quality -0.5%)+ 残る割合 0.67 ×(ROE − k)= 14.7%(堀は強:埋立地は許可の取得が事実上できず、都市ごとの寡占と長期契約が続く(残る割合 2/3))。g は 4.0%(g は 4.0%(内訳の目安:市場 0.5% + シェア 0.3% + 価格 4.0% の合計 4.8% を、上限の 4% で止める))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=20.8 倍に対し、90% の 18.7 倍に置いた(数量の弱さと WM との利益率の差があるので 10 割にはしない。ROE は帳簿の値)。時価総額=純利益 38.7 億ドル × 18.7 倍=724 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:価格 4%・数量 0.5%・買収 0.3% のシェア・利益率 年 +25bp の中心の筋書き。4 割。
やや悲観 18% やや悲観:規制と競争で値上げが物価並みになり、利益率が伸びない 利益 29 億ドル · PER 16.7 倍 · 株価時価総額 156.04 ドル487 億ドル
PFAS の浸出水処理費の増加や拡大生産者責任(EPR)、競争の激化で、価格は物価並みの年 +3.5% にとどまり、数量は横ばい。環境ソリューションは年 +4.2%、利益率 11%。売上は 245 億ドル(年 +3.6%)、営業利益率 20.6%(今とほぼ同じ)、純利益 29 億ドル。買収は年 7 億ドルに減り、収集・埋立の営業利益率は 23% で止まる。事業の質は保たれ、WM や WCN との差も広がらない。 競合の WCN(EBITDA 率 約 33%)や GFL(30.5%)が地域で値下げをしても、RSG は定着率 94% 超を保つ。
- 収集・中継・埋立(廃棄物の本体):数量 1,100(米加の収集・中継・埋立の市場規模(億ドル、今の価格)× シェア)× 価格 18.7%(シェア × 価格指数(今 = 1。物価並みなら 3 年 1.11・10 年 1.41。実現価格は物価を上回る前提で 4%/年))→ 売上 206 億ドル・営業利益 47 億ドル。市場 1100 億ドル × 価格(シェア×指数)0.1868
- リサイクル・その他(非中核):数量 120(再生品・その他の市場規模(億ドル)× シェア)× 価格 10.1%(シェア × 価格指数(今 = 1。再生品の相場で大きく振れる))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 120 億ドル × 価格(シェア×指数)0.1008
- 環境ソリューション:数量 585(米加の環境ソリューション市場(億ドル)× シェア)× 価格 4.6%(シェア × 価格指数(今 = 1))→ 売上 27 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 585 億ドル × 価格(シェア×指数)0.0460
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 17.1%(この筋書きの純利益 29.2 ÷ 自己資本 171 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.5%(基本 8.0% + quality -0.5%)+ 残る割合 0.67 ×(ROE − k)= 13.9%(堀は強:埋立地は許可の取得が事実上できず、都市ごとの寡占と長期契約が続く(残る割合 2/3))。g は 4.0%(g は 4.0%(内訳の目安:市場 0.5% + シェア 0.3% + 価格 4.0% の合計 4.8% を、上限の 4% で止める))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=20.3 倍に対し、82% の 16.7 倍に置いた(規制の強化(PFAS・埋立の許認可)で費用が先に上がる筋書き。ROE は帳簿の値)。時価総額=純利益 29.2 億ドル × 16.7 倍=487 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:規制(PFAS・拡大生産者責任)と競争で値上げが物価並みに鈍る筋書き。廃棄物の寡占は強いが 2 割弱。
悲観 10% 悲観:構造的に負け、数量も価格も利益率も崩れる 利益 18 億ドル · PER 14.5 倍 · 株価時価総額 83.48 ドル261 億ドル
構造的な負けで優良ではなくなった筋書き。PFAS の費用急増・埋立の拡張の許認可の遅れ・低価格の参入者・拡大生産者責任で、収集・埋立の数量は年 -1%(市場 -0.5%・シェア -0.5%)、価格は物価を 1pt 下回る年 +2.5%、再生事業は赤字寸前、環境ソリューションは利益率 6% に低迷。売上は 199 億ドル(年 +1.5%)、営業利益率 16.6%、純利益 18 億ドル。借金は返せるが成長は止まり、ふつうの会社に近づく。 負けた時の利益はこの程度、勝てば楽観の約 2.7 倍(純利益 49 億ドル)という幅になる。
- 収集・中継・埋立(廃棄物の本体):数量 1,046(米加の収集・中継・埋立の市場規模(億ドル、今の価格)× シェア)× 価格 16.1%(シェア × 価格指数(今 = 1。物価並みなら 3 年 1.11・10 年 1.41。実現価格は物価を上回る前提で 4%/年))→ 売上 169 億ドル・営業利益 32 億ドル。市場 1046 億ドル × 価格(シェア×指数)0.1613
- リサイクル・その他(非中核):数量 109(再生品・その他の市場規模(億ドル)× シェア)× 価格 8.7%(シェア × 価格指数(今 = 1。再生品の相場で大きく振れる))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場 108 億ドル × 価格(シェア×指数)0.0868
- 環境ソリューション:数量 530(米加の環境ソリューション市場(億ドル)× シェア)× 価格 3.9%(シェア × 価格指数(今 = 1))→ 売上 21 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 530 億ドル × 価格(シェア×指数)0.0389
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 14.8%(この筋書きの純利益 18.0 ÷ 自己資本 122 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.5%(基本 8.0% + quality -0.5%)+ 残る割合 0.67 ×(ROE − k)= 12.3%(堀は強:埋立地は許可の取得が事実上できず、都市ごとの寡占と長期契約が続く(残る割合 2/3))。g は 4.0%(g は 4.0%(内訳の目安:市場 0.5% + シェア 0.3% + 価格 4.0% の合計 4.8% を、上限の 4% で止める))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=19.3 倍に対し、75% の 14.5 倍に置いた(PFAS の費用急増や低価格の参入者で成長が止まる構造的な負け。ROE は帳簿の値)。時価総額=純利益 18.0 億ドル × 14.5 倍=261 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:10 年の構造的な負け(PFAS の費用・埋立の許認可・再生品の事業の損失・環境ソリューションの不振が重なる)。事業の質が高いので 1 割に抑えるが、悲観の深さは大きく置く。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
収集・中継・埋立(廃棄物の本体)
住宅・小型コンテナ・大型コンテナの収集、中継所、埋立地を一体で持つ都市ごとの寡占事業。売上の約 84%、利益のほぼ全部。
| 数量米加の収集・中継・埋立の市場規模(億ドル、今の価格)× シェア | 価格シェア × 価格指数(今 = 1。物価並みなら 3 年 1.11・10 年 1.41。実現価格は物価を上回る前提で 4%/年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,100 | 13.2% | 146 | 33 |
| 10 年後 中立 | 1,156 | 20.2% | 234 | 60 |
取り方:2026 年の見通し(売上 172〜173 億・調整後 EBITDA 55.25〜55.5 億・減価償却 20 億)と 4〜6 月の内訳(収集 29.93 億・中継 2.31 億・埋立 5.17 億=全体の 84.4%)から、収集・中継・埋立の売上を約 145.7 億ドルとした。営業利益は EBITDA 率 約 34.8%(4〜6 月のリサイクル・廃棄物セグメント 33.5% にリサイクルの低い分を戻した値)から減価償却 約 17.6 億を引いて 33.2 億(率 22.8%)。市場は同社が自社推計する「リサイクル・廃棄物の市場 約 1,100 億ドル」から収集・中継・埋立を同額と置き(ウェイスト・マネジメントの手本と揃える)、シェアは逆算で 13.2%。数量の動き:2026 年 4〜6 月は全体 -1.6%(うち 1.3pt は前年の災害関連の埋立量)、住宅 -4.3%(採算の悪い契約の整理)、大型コンテナ -2.2%(建設の弱さ)、埋立の都市ごみ +1.1%。価格はコア価格 5.3%(関連売上比 6.4%)、離脱・値引きを引いた実現価格 3.4%(関連売上比 4.0%)。
リサイクル・その他(非中核)
古紙・プラスチックなどの選別と再生品の販売、ポリマーセンター(再生樹脂)、その他の非中核収入。売上の約 5%。
| 数量再生品・その他の市場規模(億ドル)× シェア | 価格シェア × 価格指数(今 = 1。再生品の相場で大きく振れる) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 120 | 7.5% | 9 | 1 |
| 10 年後 中立 | 126 | 12.3% | 16 | 1 |
取り方:4〜6 月の「リサイクル処理・商品売り」1.22 億と「その他の非中核」1.09 億(合計で全体の 5.2%)を通年に引き伸ばし約 9.0 億ドル。市場は米国の再生品の処理・販売の規模を約 120 億ドル(推定)、シェアは逆算で 7.5%。再生品の価格は 4〜6 月で 1 トン 136 ドル(前年比 -13 ドル)。EBITDA 率は約 12%、減価償却を引いた営業利益率は約 6%(営業利益 約 0.5 億)。ポリマーセンターはインディアナポリスが 2025 年 7 月に稼働、アレンタウンが 2027 年初に試運転で、4 か所の計画は 3 か所に縮小した。
環境ソリューション
有害・産業廃棄物の処理、現場の清掃・修復、PFAS(有機フッ素化合物)対応などの特殊サービス(US エコロジーなどの買収で拡大)。売上の約 10%。
| 数量米加の環境ソリューション市場(億ドル)× シェア | 価格シェア × 価格指数(今 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 530 | 3.4% | 18 | 2 |
| 10 年後 中立 | 646 | 5.0% | 32 | 5 |
取り方:4〜6 月の環境ソリューション売上 4.58 億ドルから約 17.8 億ドル。調整後 EBITDA 率は 20.2%(前年 24.4%、1〜3 月は 19.2%)、減価償却と買収無形資産の償却を引いて営業利益率は約 9.6%(約 1.7 億)。市場は同社の自社推計「環境サービス全体 約 1,630 億ドル − リサイクル・廃棄物 約 1,100 億ドル = 約 530 億ドル」、シェアは逆算で 3.4%。自社成長は 4〜6 月に -0.2% と弱く、経営陣は下期に売上と利益率の改善を見込み、利益率の「20% 台後半」の目標は取り下げていない。PFAS 関連の売上は昨年 1 億ドル超で来年は明確に増える見通し。
リスクと懸念
数量の弱さが続く
2026 年 4〜6 月は数量 -1.6%(住宅 -4.3%・大型コンテナ -2.2%)。住宅は 2027 年も -2% の見込みで、建設は金利 5% で弱い。価格の上乗せだけでは売上の伸びが 4% 台にとどまり、利益率の拡大が遅れる。
環境ソリューションの不振
自社成長が -0.2% で、調整後 EBITDA 率が前年の 24.4% から 20.2%(1〜3 月は 19.2%)に低下。「20% 台後半」の目標が遠ざかり、買収で積んだのれんの収益が資本コストを下回るおそれがある。
PFAS・環境費用
PFAS の浸出水処理費と埋立ガスの管理費が先に出て、値上げでの回収が遅れる。拡大生産者責任(EPR)で廃棄物の量が構造的に減れば、数量の前提が崩れる。逆に環境ソリューションの需要は増える。。費用の増え方が値上げを上回る期間が数年続くと、利益率の拡大が止まる。
買収の価格と統合
買収は年 12 億ドル超で、EBITDA の 8〜10 倍で買う。のれんが積み上がり、本業の ROE 18% より低い収益率の投資が増えると、1 株当たりの価値を薄める。統合の失敗(顧客の離脱・費用の上振れ)も起こりうる。
倍率の縮み
今の PER は 2025 年の GAAP 実績で 33.8 倍、過去 20 期の中央 26.3 倍の約 1.3 倍。資本コストが 6% から 8% に上がるだけで、利益ベースの上限は 30 倍台から 20 倍前後に下がる。高い倍率を 10 年維持するのは難しい。
税額控除投資と税率
持分法投資損失 年 1.9 億ドル(太陽光などの税額控除投資)が税率を約 19% に抑えている。制度が変わると税の負担が増え、GAAP の純利益が下がる。筋書きでは 10 年で税率が 21〜22% へ上がると置いた。
競合の価格競争
WCN(EBITDA 率 約 33%)・GFL(30.5%)・地域業者が低価格で都市の数量を取りに来ると、コア価格 5% 台の維持が難しくなる。経営陣は価格規律は保たれていると述べているが、一部の市場で低価格の参入が起きている。
今後の分かれ目
- 住宅の数量の減が 2027 年に -2% へ和らぎ、大型コンテナ(建設)が前年並みに戻る
- 数量が年 +0.5% 以上に戻る合図。楽観・やや楽観の確率を上げる。利益率の拡大は年 40bp 前後へ。
- 環境ソリューションの利益率が 2027 年に 22% 超へ戻る
- 「20% 台後半」の目標が現実的になる。10 年の楽観の確率を上げ、全社の利益率の上振れ要因になる。
- コア価格が関連売上比 5% を割り、実現価格が物価(3.5%)並みに下がる
- 価格の力が弱まった合図。やや悲観・悲観の確率を上げる。10 年の営業利益率の前提(25%)を下げる。
- 買収が年 20 億ドルを超える大型案件に進む
- のれんと借金が増える。買収の収益率が資本コスト 7.5% を上回る見込みかを、買収額と EBITDA 倍率で確かめる。
- 株価が下がり、PER が 20 倍前後まで調整する
- 利益ベースの値(19 倍前後)に近づき、「適正」の側へ進む。逆に 40 倍超へ上がれば「割高」がさらに強まる。
- 持分法投資の税額控除の制度が縮小される
- 税率が 21〜22% に上がり、純利益が 3% 前後下がる。10 年の筋書きの純利益を下方に直す。
見ておくもの
- コア価格・実現価格(関連売上比)と数量(住宅・大型コンテナ・埋立の都市ごみ)
- 全社と環境ソリューションの調整後 EBITDA 率(年 30〜50bp の拡大が続くか)
- 買収額と、のれんを含む買収の収益率
- リサイクル品の相場(1 トン 136 ドル前後)とポリマーセンターの稼働
- PFAS の需要(環境ソリューションの売上)と費用
- 純負債 EBITDA 倍率(約 2.5 倍)と借り換えの金利
- WM・WCN・GFL の EBITDA 率と価格の動き
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の PER 33.8 倍に寄せず、資本コスト 7.5%(基本 8.0% + quality −0.5%)、長期の成長 g(市場 0.5%・シェア 0.3%・価格 4.0% の合計 4.8% を、上限の 4% で止めた値)、帳簿の自己資本 ROE(中立の 10 年後で 18%)と moat 強(残る割合 2/3、moat_why)から利益ベースの正当化 PER(10 年の中立で上限 20.8 倍)を出し、その 9 割の 18.7 倍に置いた。数量の弱さと WM との利益率の差を理由に 10 割にはしていない。売上と利益は市場 × シェア × 価格で先に積み、倍率は最後に決めた。市場の倍率や業界ノートの倍率には寄せていない。結果は事業の質が高い一方で今の値段が本質価値を大きく上回る割高で、事業が崩れる心配は小さい。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 5% + β 0.60 × 5%。k=基本 8.0% + quality −0.5% = 7.5%。廃棄物は景気に強く価格も通せるが、強い堀の会社の下げの限度までにとどめた(前は β だけで 6.0% まで下げていた)。数量の弱さ・環境ソリューションの不振・買収の値段・PFAS の費用などの個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。純負債は重すぎず、上乗せは置かない。