結論
スナップオン(Snap-on)は、整備士の職場へ自社のバンが週ごとに回り、工具・工具箱・診断機を売って代金を割賦で受ける会社である。独立の修理工場には診断機・修理情報・足回り機器を、航空・軍・電力などには産業用の工具を売る。2025 年(53 週)は売上 47.4 億ドル、金融子会社を除く営業利益 10.5 億ドル(営業利益率 22.1%)、金融子会社の営業利益 2.8 億ドル、純利益 10.2 億ドル(GAAP)。2026 年 4〜6 月は売上が 4.7% 増(既存事業で 3.0% 増)と持ち直し、産業向けが 11% 増えた。第 3 四半期の決算は 10 月 22 日で、ここでは 4〜6 月までを使った。
評価では、現金 16.2 億ドルと金融子会社を事業から切り離した。借入 12.0 億ドルは整備士への債権 24.4 億ドルを支える金融子会社の資金と見て、事業の純現金(16.2 億ドル)に混ぜない。金融子会社は自己資本(推定 12.2 億ドル)で評価する。事業の利益率は高く(自己資本利益率 26%、現金と金融子会社を除く)、再投資が少なくて済むので、株主へ還元できる割合が高い。
売上は整備士の数 × シェア × 1 人あたりの購入額で積み、マトコ・マック・コーンウェルとの競合を筋書きごとに置いた。中立では 10 年で純利益が年 4% 伸び、利益ベースの倍率は今の PER(約 19 倍)より低い。
倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)(k 7.75%・g は上限の 4%・事業の ROE 16%・moat=普通)で、10 年の中立の上限は 17.8 倍。これの 8 割(14.2 倍)に置いた(整備士向けのバン販売網とブランドで利益率 22% が安定し現金も厚いが、ROE は金融子会社と現金を含む値で、電動化による工具の入れ替わりもある)。総合は今の時価総額に対し −17% で「やや割高」。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、スナップオンは理解しやすい事業である。整備士は 10 年後も車を直し、工具箱は消耗品でも資産でもあり、バンは毎週来る。堀は販売網と品質で、10 年で今より強くなる要素(車の複雑化・診断機)と弱まる要素(電動化でエンジン関連工具が減る、整備士が買い控える)が混ざる。
オーナー利益は、現金と金融子会社を除いた事業で純利益約 8.0 億ドル、必要な再投資は成長 4% に対し約 15% なので、株主のものになる利益はその 85% 前後に当たる。経営は買収を小型にとどめ、配当と自社株買いで 8 割近くを返し、資本配分で価値を壊していない。
注意する点は、式の倍率の高さである。k が 7.75% と低く、自己資本利益率が高いと、正当化される倍率の上限は 18 倍前後まで上がる。この高さは安全域を保証しない。そこで中立は上限の 8 割(14.2 倍)に置き、悲観の筋書きには景気後退とバン店主の疲弊を置いた。金融子会社は自己資本の 2〜3 倍で評価され、貸し倒れ次第で価値が揺れる。結論は計算が決める。
何で稼ぐ会社か
売上は 4 つの塊でできている。第 1 が工具グループ(2025 年 19.6 億ドル、営業利益率 21.7%)で、約 4,700 の販売経路(米国約 3,400、会社所有は約 5%)の独立のバン店主に工具・工具箱・診断機を卸し、店主が整備士に週次で売る。1 経路あたりの年間売上は卸値で約 42 万ドルと見る。店主は整備士に割賦で売り、その債権の多くを金融子会社が持つ。
第 2 が修理システム・情報グループ(18.8 億ドル、26.7%)で、整備工場とディーラー向けの診断機、車種別の修理手順の情報(ミッチェル 1 など)、足回り機器(アライメント・タイヤ脱着・ブレーキ)を売る。購読と機器の更新が主で、車が複雑になるほど(先進運転支援の調整など)必要になる。第 3 が商業・産業グループ(14.6 億ドル、15.0%)で、航空・軍・電力・石油ガスなどの重要産業向けのトルク工具や診断、アジア・欧州の手工具。2026 年にはトルク工具のハイフォース(Hi-Force)と商用車の診断のディーゼル・ラップトップスを買った。
第 4 が金融子会社で、収益 4.1 億ドル、営業利益 2.8 億ドル。整備士向けの割賦・リース債権とバン店主向けの事業融資で、残高は 24.4 億ドル。収益率は約 17% と高く、貸し倒れは顧客と毎週会う販売網が抑える。セグメントの売上は内部取引(約 5.6 億ドル)を含むので、外部への売上は 47.4 億ドルになる。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第 1 は販売網で、整備士の仕事場に毎週同じバンが来て、その場で工具を手に取らせ、割賦で買わせる。工具は壊れた時に今すぐ要り、代わりの時間が整備士の稼ぎを削るので、価格より入手の速さと品質が買う理由になる。第 2 は品質とブランドで、整備士の間で工具箱が資産として扱われ、中古でも値が崩れにくい。第 3 は金融で、販売網が顧客の支払いを毎週見るので、貸し倒れが低く抑えられ、金融が販売を支える。
価格を決める力は強く、関税のコストも 2025 年は値上げと改善で吸収した。営業利益率は 2015 年の約 21% から 2025 年の約 26%(金融子会社を含む)まで上がった。自己資本利益率は 17%(現金が積み上がって薄まった)、現金と金融子会社を除くと約 26% になる。
弱い所は、バン店主の独立性と経済力に依存する点(店主が減れば販売網が細る)、整備士が高額な買い物を控える時に売上が鈍る点(2023〜2025 年の工具グループの売上はほぼ横ばい)、産業向けの利益率が 15% と低く一貫していない点である。マトコ(ヴォンティア傘下)とマック、コーンウェルは同じ形で戦い、価格で攻められる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
車の平均車齢は米国で 12.8 年(2025 年)まで上がり、修理需要の下支えになる。整備士は不足し(年間の求人は約 6.8 万人、平均年齢は約 40 歳)、工場は 1 人あたりの稼ぎを増やすために道具と診断機に投資する。車の電動化と運転支援で修理の中身が変わり、診断機・情報・調整機器の売上が増える一方、エンジン関連の工具の需要は長期で減る。
工具バンの競争は寡占で、スナップオンの米国の経路は約 3,400、マトコは 1,900 超の販売店(ヴォンティア傘下)、マックとコーンウェルは数百から千台規模(掲示板の推定で、確かな数字ではない)。売上でスナップオンは世界のバン市場の 65% 前後と置いたが、これは推定で、マトコ約 5 億ドル・マック約 3 億ドル・コーンウェル約 1.5 億ドルなど他社の合計を約 10 億ドルと見た結果である。
2026 年は産業向けと診断で伸び、工具グループも 4〜6 月で 3% 増えた。ただし貸出の組成は 4.1% 減(整備士が割賦を控える)で、ディーラー向けの診断は鈍い。関税、中東の紛争、金利 5% の下で整備士が大型の買い物を控える状況が続く。産業向けは航空・軍・電力の設備投資に乗る。車が電動化へ進む過渡期には、整備士が持つ道具の種類が変わり、診断機と調整機器の購入が先に増え、エンジン関連の工具は後から減る。独立の修理工場のオーナーは人手不足の中で 1 人あたりの稼ぎを増やそうとし、診断・情報の購読と設備の更新に応じる。
資本政策と M&A
資本配分は規律がある。2025 年は配当 4.6 億ドルと自社株買い 3.3 億ドルで計 7.9 億ドル(純利益の 78%)を還元し、残りの自社株買いの枠は約 2.6 億ドル。設備投資は年約 1 億ドルで、事業が軽いため再投資は少ない。現金は 16.2 億ドルと積み上がり、2026 年上半期は買収に 1.6 億ドルを使った。買収は大型を避け、トルク工具・診断のような近い分野の小型が中心。
借入 12.0 億ドルは金融子会社の債権を支える資金と見る。2027 年に返済期の来る 3.17 億ドルを含め、借り換えで金利が約 4.2% から 5.75% に上がる。TOB や大型の再編の兆しは見当たらない。CEO のニック・ピンチュクは 2026 年も会長兼 CEO を務めている。自社株買いは割高で買わない姿勢が見え、2025 年は 98.7 万株を 3.3 億ドルで買い、株式報酬で増えた株を打ち消す形で正味の株数を毎年 1% 弱減らしてきた。配当は毎年増やす方針である。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
バン店主 1 人あたりの売上が伸び、整備士の稼ぎが上がる中で、工具の買い替えと診断機の購入が進む。車の複雑化で診断機・情報・調整機器が毎年買われ、修理システム・情報グループの利益率は 27% 近くに乗る。産業向けはトルク工具・航空・電力で伸び、買収が利益を足す。マトコとマックはバン店主の確保に苦しみ、スナップオンのシェアは 2〜3 ポイント上がる。関税は値上げで吸収でき、金融子会社の貸し倒れは低位が続く。式の倍率は高く、金融子会社も自己資本の 3 倍以上で評価される。
販売網の競争では、スナップオンの 1 ポイント分のシェアは、10 年後の規模で売上約 0.4 億ドル、営業利益で約 0.1 億ドルに当たる。マトコ(ヴォンティア傘下)が 1,900 超の販売店を持ち、マックとコーンウェルが続く中で、バン店主の質と整備士の与信管理で差がつくなら、スナップオンは今のシェア 65% 前後を保ち、さらに積み上げられる。金融子会社は整備士との毎週の接点で貸し倒れを抑え、債権 24.4 億ドルから年 2.8 億ドルを稼ぐ。現金 16.2 億ドルは景気後退でも会社を守る。
慎重な見方
整備士の数が増えず、購入額が物価に追いつかない状態が 3 年続いている。工具グループの売上は 2023 年から 2025 年までほぼ横ばいで、貸出の組成も減っている。産業向けは利益率 15% と低く、買収の統合が続くだけで利益が伸びない。マトコ・マックが値引きと与信でバン店主を取り込み、ハーバー・フレイトなどの安い工具とオンライン販売も食い込む。電動化でエンジン関連の工具は減り、診断と情報は車メーカー自身の直販と競争になる。金利 5% で整備士は割賦を控え、金融子会社の組成は減り続ける。
今の PER(約 19 倍)は利益ベースの上限(17.8 倍)を上回り、利益が伸びない・シェアが落ちる筋書きの下では倍率の縮みが重く効く。バリュー投資家は、現金と金融子会社の資産を床に見ても、工具の事業が平凡になれば倍率は縮むと考える。産業向けは 15% の利益率で、買収の統合に失敗すれば全社の利益を引き下げる。景気後退では整備士の購入が落ち、金融子会社の貸し倒れが 2 倍に増え、利益は 2025 年の約 6 割まで下がる。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は、販売網と品質の堀、価格を決める力、現金の厚さで説得力がある。慎重な見方は、工具グループの売上が 3 年横ばいという事実と、金融子会社の組成減少、電動化で強い。中立の利益の伸びを年 4% にとどめ、シェアを小幅に下げ、1 人あたり購入額は物価を少し下回る置き方にした。
確率は楽観 8%・やや楽観 22%・中立 40%・やや悲観 20%・悲観 10% とした。悲観を 10% に厚くしたのは、リーマン級の景気後退で整備士の購入が落ち、金融子会社の貸し倒れが増える場合と、10 年で構造的にシェアと利益率を失う場合を同じ重みで見たため。倍率は利益ベースの正当化 PER の内側(中立は 8 割)に置き、総合は今の時価総額に対し −17% で「やや割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 395.09 ドル209 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 172.32 ドル91 億ドル)。 今の値に割り戻すと 305.94 ドル162 億ドル、今との差 −14.2%、 期待の年率 +4.8%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 577.55 ドル306 億ドル | 170.94 ドル91 億ドル | +110.0% | +7.7% | 59.88 ドル32 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 487.92 ドル259 億ドル | 173.96 ドル92 億ドル | +85.7% | +6.4% | 145.62 ドル77 億ドル |
| 中立 | 40% | 408.87 ドル217 億ドル | 176.98 ドル94 億ドル | +64.4% | +5.1% | 234.34 ドル124 億ドル |
| やや悲観 | 20% | 330.00 ドル175 億ドル | 176.98 ドル94 億ドル | +42.2% | +3.6% | 101.40 ドル54 億ドル |
| 悲観 | 10% | 120.00 ドル64 億ドル | 141.89 ドル75 億ドル | −26.5% | −3.0% | 26.19 ドル14 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 395.09 ドル209 億ドル | 172.32 ドル91 億ドル | +59.2% | +4.8% | 567.42 ドル301 億ドル |
今の株価時価総額 356.46 ドル189 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:販売網と診断で堀が広がり、利益が年 6〜7% 伸びる 利益 19 億ドル · PER 16.1 倍 · 株価時価総額 577.55 ドル306 億ドル
2035 年。整備士は 164.0 万人(年 +0.9%)に増え、1 人あたりの購入額は物価並みの価格 1.42 倍、シェアは 67.5% に上がる(マトコ・マックがバン店主の確保に苦しむ)。工具グループは売上 31.4 億ドル、営業利益率 24.5%。修理システム・情報は市場 152.0 億ドル(実質年 +1.6%)× シェア 15.5% × 価格 1.45 倍で売上 34.2 億ドル、利益率 27.0%。商業・産業は市場 232.0 億ドル × シェア 9.2%(買収を含む)× 価格 1.45 倍で売上 30.9 億ドル、利益率 18.5%。金融子会社の債権は 38.0 億ドル。全社の営業利益 25.2 億ドル、純利益 19.00 億ドル(2025 年の 1.87 倍、年 6.5%)。競合に勝てば(工具のシェア +1 ポイントで売上 0.47 億ドル・営業利益 0.11 億ドル)上振れ、3 ポイント負ければ利益は約 0.3 億ドル減る。倍率は利益ベースの正当化 PER の上限 17.9 倍(g 4.0%・RONIC 12.2%・k 7.75%)の 9.0 割で PER 16.1 倍、時価総額は 306 億ドル。
- 工具(整備士へのバン販売):数量 164(バン販売の対象整備士(万人))× 価格 19.2%(スナップオンのシェア × 1 人あたりの年間購入額(億ドル/万人。0.2 = 2,000 ドル))→ 売上 31 億ドル・営業利益 8 億ドル。整備士 164.0 万人 × シェア 67.5% × 1 人の年間購入 0.2 億ドル/万人(2025 年価格)× 価格 1.42 倍
- 修理システム・情報:数量 152(診断・情報・修理機器の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 22.5%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 34 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 152.0 億ドル × シェア 15.5% × 価格 1.45 倍
- 商業・産業:数量 232(産業・重要産業向け工具・診断の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 13.3%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 31 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 232.0 億ドル × シェア 9.2% × 価格 1.45 倍(買収分を含む)
- 金融子会社(整備士への割賦債権):数量 38.0(金融債権・契約債権の残高(億ドル))× 価格 0.17(収益率(収益 ÷ 残高))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。債権残高 38.0 億ドル × 収益率 17.0%(営業利益は利息控除前)
倍率:正当化 PER 17.9 倍(g 4.0%・RONIC 12.2%=k 7.75%+残る割合×(事業の ROE 16.6%−k)・moat=normal)に対して 16.1 倍(上限の 9.0 割)に置いた。販売網と診断で堀が広がり利益が年 6〜7% 伸びる最良の筋書き。利益の質が最も良く出るので上限の 9.0 割に置いた。
確率:販売網の堀が広がり、診断と産業の買収が積み上がる強気の筋。8%。
やや楽観 22% やや楽観:シェアを守り、診断と産業が伸びを補う 利益 17 億ドル · PER 15.2 倍 · 株価時価総額 487.92 ドル259 億ドル
2035 年。整備士は 160.0 万人(年 +0.6%)、価格 1.39 倍、シェア 66.0%(ほぼ維持)。工具グループは売上 29.4 億ドル、営業利益率 23.5%。修理システム・情報は市場 148.0 億ドル(実質年 +1.3%)× シェア 15.0% × 価格 1.42 倍で売上 31.5 億ドル、利益率 26.0%。商業・産業は市場 226.0 億ドル × シェア 8.9%(買収を含む)× 価格 1.43 倍で売上 28.9 億ドル、利益率 17.8%。金融子会社の債権は 36.0 億ドル。全社の営業利益 22.6 億ドル、純利益 17.05 億ドル(2025 年の 1.68 倍、年 5.3%)。工具のシェア 1 ポイントは売上 0.44 億ドル・営業利益 0.10 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER の上限 17.8 倍(g 4.0%・RONIC 12.1%・k 7.75%)の 8.5 割で PER 15.2 倍、時価総額は 259 億ドル。
- 工具(整備士へのバン販売):数量 160(バン販売の対象整備士(万人))× 価格 18.4%(スナップオンのシェア × 1 人あたりの年間購入額(億ドル/万人。0.2 = 2,000 ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 7 億ドル。整備士 160.0 万人 × シェア 66.0% × 1 人の年間購入 0.2 億ドル/万人(2025 年価格)× 価格 1.39 倍
- 修理システム・情報:数量 148(診断・情報・修理機器の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 21.3%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 32 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 148.0 億ドル × シェア 15.0% × 価格 1.42 倍
- 商業・産業:数量 226(産業・重要産業向け工具・診断の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 12.8%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 29 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 226.0 億ドル × シェア 8.9% × 価格 1.43 倍(買収分を含む)
- 金融子会社(整備士への割賦債権):数量 36.0(金融債権・契約債権の残高(億ドル))× 価格 0.17(収益率(収益 ÷ 残高))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。債権残高 36.0 億ドル × 収益率 16.9%(営業利益は利息控除前)
倍率:正当化 PER 17.8 倍(g 4.0%・RONIC 12.1%=k 7.75%+残る割合×(事業の ROE 16.4%−k)・moat=normal)に対して 15.2 倍(上限の 8.5 割)に置いた。シェアを守り、診断と産業が伸びを補う筋書き。楽観より控えめなので一段下の上限の 8.5 割。
確率:シェアを守り診断と産業が伸びを補う。2 割強。
中立 40% 中立:シェアを小さく譲りつつ価格で成長し、利益は年 4% 利益 15 億ドル · PER 14.2 倍 · 株価時価総額 408.87 ドル217 億ドル
2035 年。整備士は 156.0 万人(年 +0.4%)、購入額は価格 1.36 倍(物価 1.41 倍を下回る。道具の持ちがよく、小物と診断機に購入が移るため)、シェアは 64.5% に下がる(マトコ・マックの値引きと与信)。工具グループは売上 27.4 億ドル、営業利益率 22.5%。修理システム・情報は市場 143.3 億ドル(実質年 +1.0%)× シェア 14.4% × 価格 1.40 倍で売上 29.0 億ドル、利益率 25.0%。商業・産業は市場 221.0 億ドル × シェア 8.6%(買収を含む)× 価格 1.41 倍で売上 27.0 億ドル、利益率 17.0%。金融子会社の債権は 34.0 億ドル。全社の営業利益 20.2 億ドル、純利益 15.22 億ドル(2025 年の 1.50 倍、年 4.1%)。シェア 1 ポイントは売上 0.42 億ドル・営業利益 0.10 億ドル。倍率は利益ベースの正当化 PER の上限 17.8 倍(g 4.0%・RONIC 12.0%・k 7.75%)の 8.0 割で PER 14.2 倍、時価総額は 217 億ドル。
- 工具(整備士へのバン販売):数量 156(バン販売の対象整備士(万人))× 価格 17.5%(スナップオンのシェア × 1 人あたりの年間購入額(億ドル/万人。0.2 = 2,000 ドル))→ 売上 27 億ドル・営業利益 6 億ドル。整備士 156.0 万人 × シェア 64.5% × 1 人の年間購入 0.2 億ドル/万人(2025 年価格)× 価格 1.36 倍
- 修理システム・情報:数量 143(診断・情報・修理機器の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 20.2%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 29 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 143.3 億ドル × シェア 14.4% × 価格 1.40 倍
- 商業・産業:数量 221(産業・重要産業向け工具・診断の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 12.2%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 27 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 221.0 億ドル × シェア 8.6% × 価格 1.41 倍(買収分を含む)
- 金融子会社(整備士への割賦債権):数量 34.0(金融債権・契約債権の残高(億ドル))× 価格 0.17(収益率(収益 ÷ 残高))→ 売上 6 億ドル・営業利益 4 億ドル。債権残高 34.0 億ドル × 収益率 16.8%(営業利益は利息控除前)
倍率:正当化 PER 17.8 倍(g 4.0%・RONIC 12.0%=k 7.75%+残る割合×(事業の ROE 16.3%−k)・moat=normal)に対して 14.2 倍(上限の 8.0 割)に置いた。整備士向けのバン販売網とブランドで利益率 22% が安定し現金も厚いが、ROE は金融子会社と現金を含む値で、電動化による工具の入れ替わりもあるので上限の 8.0 割。
確率:シェアを小さく譲り価格で伸びる、業界ノートの中立(整備士 +0.4%/年、価格は物価をやや下回る)に近い。4 割。
やや悲観 20% やや悲観:競合に譲り、整備士の数も減って、利益は年 2% 利益 13 億ドル · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 330.00 ドル175 億ドル
2035 年。整備士は 152.0 万人(ほぼ横ばい)、価格 1.31 倍、シェアは 62.5%(競合に 3 ポイント譲る)。工具グループは売上 24.9 億ドル、営業利益率 21.0%。修理システム・情報は市場 138.0 億ドル(実質年 +0.6%)× シェア 13.8% × 価格 1.36 倍で売上 25.9 億ドル、利益率 24.0%。商業・産業は市場 210.0 億ドル × シェア 8.2%(買収を含む)× 価格 1.37 倍で売上 23.6 億ドル、利益率 15.5%。金融子会社の債権は 31.0 億ドル。全社の営業利益 16.9 億ドル、純利益 12.75 億ドル(2025 年の 1.25 倍、年 2.3%)。シェア 1 ポイントは売上 0.40 億ドル・営業利益 0.08 億ドル。3 ポイント譲ると利益は約 0.3 億ドル減る。倍率は利益ベースの正当化 PER の上限 17.6 倍(g 4.0%・RONIC 11.8%・k 7.75%)の 7.8 割で PER 13.7 倍、時価総額は 175 億ドル。
- 工具(整備士へのバン販売):数量 152(バン販売の対象整備士(万人))× 価格 16.4%(スナップオンのシェア × 1 人あたりの年間購入額(億ドル/万人。0.2 = 2,000 ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 5 億ドル。整備士 152.0 万人 × シェア 62.5% × 1 人の年間購入 0.2 億ドル/万人(2025 年価格)× 価格 1.31 倍
- 修理システム・情報:数量 138(診断・情報・修理機器の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 18.8%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 26 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 138.0 億ドル × シェア 13.8% × 価格 1.36 倍
- 商業・産業:数量 210(産業・重要産業向け工具・診断の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 11.2%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 24 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 210.0 億ドル × シェア 8.2% × 価格 1.37 倍(買収分を含む)
- 金融子会社(整備士への割賦債権):数量 31.0(金融債権・契約債権の残高(億ドル))× 価格 0.17(収益率(収益 ÷ 残高))→ 売上 5 億ドル・営業利益 3 億ドル。債権残高 31.0 億ドル × 収益率 16.5%(営業利益は利息控除前)
倍率:正当化 PER 17.6 倍(g 4.0%・RONIC 11.8%=k 7.75%+残る割合×(事業の ROE 15.8%−k)・moat=normal)に対して 13.7 倍(上限の 7.8 割)に置いた。競合に譲り整備士の数も減る筋書き。堀が削れた会社として中立より下の上限の 7.8 割。
確率:マトコ・マックに値引きで譲り、整備士の数も増えない姿。2 割。
悲観 10% 悲観:構造的に負け、工具の事業が平凡になる 利益 6 億ドル · PER 10.2 倍 · 株価時価総額 120.00 ドル64 億ドル
2035 年。構造的な負け。電動化でエンジン関連の工具が減り、整備士の数は 140.0 万人に縮み、安い工具のオンライン販売とマトコ・マックの与信競争でスナップオンのシェアは 65.5% から 55.0% に下がる。1 人あたりの購入額は価格 1.20 倍(物価の 1.41 倍に届かない)。工具グループは売上 18.5 億ドルと伸びず、営業利益率は 15.0%。診断と情報は車メーカーの直販と安い診断機に押され、市場 120.0 億ドルのシェアが 11.5% に落ちて売上 17.2 億ドル、利益率 19.0%。産業は 13.9 億ドル・9.0%。金融子会社は債権 24.0 億ドルに縮み貸し倒れも増える。全社の営業利益は 8.3 億ドル、純利益 6.22 億ドル。工具のシェア 1 ポイントは約 0.34 億ドルの売上で、ここでは 10 ポイント近くを失う。事業は平凡になったが、現金と金融の資産は残る。倍率は利益ベースの正当化 PER の上限 14.6 倍(g 4.0%・RONIC 8.9%・k 7.75%)の 7.0 割で PER 10.2 倍、時価総額は 64 億ドル。
- 工具(整備士へのバン販売):数量 140(バン販売の対象整備士(万人))× 価格 13.2%(スナップオンのシェア × 1 人あたりの年間購入額(億ドル/万人。0.2 = 2,000 ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 3 億ドル。整備士 140.0 万人 × シェア 55.0% × 1 人の年間購入 0.2 億ドル/万人(2025 年価格)× 価格 1.20 倍
- 修理システム・情報:数量 120(診断・情報・修理機器の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 14.4%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 17 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 120.0 億ドル × シェア 11.5% × 価格 1.25 倍
- 商業・産業:数量 170(産業・重要産業向け工具・診断の市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.2%(スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 14 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 170.0 億ドル × シェア 6.8% × 価格 1.20 倍(買収分を含む)
- 金融子会社(整備士への割賦債権):数量 24.0(金融債権・契約債権の残高(億ドル))× 価格 0.16(収益率(収益 ÷ 残高))→ 売上 4 億ドル・営業利益 2 億ドル。債権残高 24.0 億ドル × 収益率 16.0%(営業利益は利息控除前)
倍率:正当化 PER 14.6 倍(g 4.0%・RONIC 8.9%=k 7.75%+残る割合×(事業の ROE 10.0%−k)・moat=normal)に対して 10.2 倍(上限の 7.0 割)に置いた。構造的に負け、工具の事業が平凡になる筋書き。成長の弱さ・優良さの崩れは g と ROE に入れ、上限の 7.0 割に置いた。市場の評価倍率は根拠にしていない。
確率:電動化・直販・安い工具で構造的に負け、もう優良ではなくなる筋。景気後退の深さと同じ重みで 1 割。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
工具(整備士へのバン販売)
約 4,700 の販売経路(米国約 3,400)の独立のバン店主を通じて、整備士に工具・工具箱・診断機を売る。
| 数量バン販売の対象整備士(万人) | 価格スナップオンのシェア × 1 人あたりの年間購入額(億ドル/万人。0.2 = 2,000 ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 150 | 13.1% | 20 | 4 |
| 10 年後 中立 | 156 | 17.5% | 27 | 6 |
取り方:世界でバンの販売圏にいる整備士を約 150 万人(推定。米国と、販売経路が届く欧州・アジア・カナダ)、1 人あたりの年間購入を卸値換算で約 2,000 ドル(推定)と置くと市場は約 30 億ドル。マトコ約 5 億ドル・マック約 3 億ドル・コーンウェル約 1.5 億ドルなど他社を約 10 億ドルと見て、スナップオンのシェアを売上ベースで 65.5%(推定)とした。売上 19.65 億ドルは 2025 年の工具グループの実績(セグメント内部の売上を含む)。1 経路あたり約 42 万ドル。営業利益 4.26 億ドル(21.7%)は実績。
修理システム・情報
修理工場とディーラー向けの診断機・修理情報(ミッチェル 1 など)・足回り機器。
| 数量診断・情報・修理機器の市場(億ドル、2025 年価格) | 価格スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 130 | 14.4% | 19 | 5 |
| 10 年後 中立 | 143 | 20.2% | 29 | 7 |
取り方:整備工場・ディーラー向けの診断機・修理情報・足回り機器の世界の市場を約 130 億ドル(推定)、シェア 14.4%(推定)と置いた。売上 18.77 億ドル・営業利益 5.01 億ドル(26.7%)は 2025 年の実績。2025 年は既存事業で +3.9%、2026 年 4〜6 月は +0.7%(ディーラーが弱い)。
商業・産業
航空・軍・電力・石油ガスなどの重要産業向けトルク工具・診断と、アジア・欧州の手工具。
| 数量産業・重要産業向け工具・診断の市場(億ドル、2025 年価格) | 価格スナップオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 180 | 8.1% | 15 | 2 |
| 10 年後 中立 | 221 | 12.2% | 27 | 5 |
取り方:産業・重要産業向けの工具・診断の世界の市場を約 180 億ドル(推定)、シェア約 8.1%(推定)と置いた。売上 14.58 億ドル・営業利益 2.18 億ドル(15.0%)は 2025 年の実績。2025 年は既存事業で −2.1%、2026 年 4〜6 月は +11.0%。
金融子会社(整備士への割賦債権)
整備士への割賦・リースとバン店主への事業融資。借入は事業と分け、自己資本で評価する。
| 数量金融債権・契約債権の残高(億ドル) | 価格収益率(収益 ÷ 残高) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 24.4 | 0.17 | 4 | 3 |
| 10 年後 中立 | 34.0 | 0.17 | 6 | 4 |
取り方:金融債権 18.89 億ドル+契約債権 5.53 億ドル=残高 24.42 億ドル、収益 4.13 億ドル(17%)、営業利益 2.82 億ドル(利息控除前)。全社の借入 12.03 億ドルを金融子会社の資金とみなし、自己資本は 24.42 − 12.03 = 12.2 億ドル(推定。会社は金融子会社の資金を別掲していない)。借入の利息 0.5 億ドルは金融子会社が負担し、現金 16.2 億ドルは事業の純現金(借入と相殺しない)。
リスクと懸念
整備士の買い控えが長引く
工具グループの売上は 2023〜2025 年にほぼ横ばいで、貸出の組成も 2025 年 −5.2%、2026 年 4〜6 月 −4.1%。金利 5% の下で整備士が大型の買い物を控える状態が続けば、価格を物価並みに上げても数量が追いつかず、利益が伸びない。数量の弱さは金融子会社の組成にも出ており、売上と利益の両方に効く。
マトコ・マック・コーンウェルとの競争
同じ販売バンの形で戦う競合は、値引きと与信でバン店主を取りに来る。スナップオンの米国の経路は約 3,400 に対し、マトコは 1,900 超の販売店(ヴォンティア傘下)。シェア 1 ポイントは中立の 10 年後で売上約 0.4 億ドル。バン店主が競合へ移れば販売網が細り、整備士への接点が失われる。
金融子会社の貸し倒れと資金
割賦・リース債権は 24.4 億ドルで、整備士の景気に連動する。不況で貸し倒れが 2 倍になれば営業利益率は 68% から 55% へ下がり、営業利益で約 0.5 億ドル減る。借入 12.0 億ドルは借り換えで金利が約 4.2% から 5.75% に上がり、2027 年には 3.17 億ドルの返済期が来る。
電動化と車の変化
電動車はエンジン・排気・燃料の整備が減る一方、ブレーキ・足回り・電池の整備は残る。エンジン関連の工具の需要を長期で削る。診断・情報・調整機器の需要は増えるが、車メーカーが診断の情報を直販で出す動きと、安い診断機(ボッシュなど)の競争がある。
関税と供給網
2025 年は関税の影響を値上げと改善でほぼ吸収したが、鉄鋼・アルミの関税は残り、供給網の組み替えにも費用がかかる。需要が弱い時は値上げが通りにくく、粗利率が下がる。粗利率は 2026 年 4〜6 月に 51.4% まで上がっているので、反動の幅も大きい。
産業向けの利益率が低く、買収の統合が続く
商業・産業グループの営業利益率は 15%(2025 年)で、修理システム・情報の 26.7% や工具の 21.7% より低い。2026 年にハイフォースとディーゼル・ラップトップスを買った。統合が進まず利益率が戻らなければ、全社の営業利益率が下がり、買収に使った現金(上半期 1.6 億ドル)の収益も出ない。
今後の分かれ目
- 中古車の高齢化と整備士の不足が続き、整備士の稼ぎが上がって買い控えが解ける
- 工具グループの購入額が物価並みに戻り、金融の組成も増える。中立から楽観側へ寄り、10 年の利益は年 5% 台に上がる。
- マトコ・マックがバン店主の確保に苦しみ、スナップオンの経路が増える
- シェアが 2〜3 ポイント上がり、工具グループの利益が 10 年後に約 0.3 億ドル増える。楽観の筋に近づく。
- 景気後退で整備士の購入が落ち、金融の貸し倒れが 2 倍になる
- 純利益は 2025 年の約 6 割まで下がり、株価は稼ぐ力に見合う水準まで下がる(悲観)。現金と金融子会社の資産が床になる。
- 電動化と車メーカーの直販で、エンジン関連の工具と診断・情報の売上が減る
- 10 年のシェアと利益率が下がり、悲観の筋(構造的な負け)の確率を上げる。事業の自己資本利益率が 26% から 15% 台へ落ち、式の倍率は縮む。
- 産業向けの買収の統合が進み、商業・産業グループの営業利益率が 18% に乗る
- 全社の営業利益が 10 年で約 0.5 億ドル上振れし、事業の質の見方が上がる。
- 借り換えの金利が想定(5.75%)より高くなる
- 金融子会社の利払いが増え、金融子会社の評価額が下がるが、事業の価値は動かない。
見ておくもの
- 工具グループの既存事業の売上(4〜6 月は +3.0%)と米国の販売経路の数
- 金融子会社の貸出の組成(4〜6 月は −4.1%)と貸し倒れの率
- 修理システム・情報グループの営業利益率(4〜6 月は 24.0%、前年は 25.6%)
- 商業・産業グループの営業利益率(4〜6 月は 16.8%)と買収の貢献
- 2026 年 10 月 22 日の第 3 四半期決算と、2027 年に返済期が来る 3.17 億ドルの借り換え
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価を見る前に、数量 × 価格で積んだ利益から利益ベースの正当化 PER((1−g/RONIC)/(k−g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k))で出した。10 年の中立は正当化 PER 17.8 倍(k 7.75%・g は上限の 4%・ROE 16%・moat=普通)の 8 割 = 14.2 倍。整備士向けのバン販売網とブランドで利益率 22% が安定し、現金も厚い。ただし ROE は金融子会社と現金を含む値で、電動化で工具の入れ替わりもあるので 8 割。k は景気の振れ(cycle +0.25%)と、ブランドと販売店の与信による値段の守り(pricing −0.5%)で quality −0.25%。悲観側は谷の倍率や市場の評価倍率を根拠にせず、稼ぐ力(上限の内側)で置いた。今の株価に寄せて選んだ値ではなく、全筋書きが検査の上限(正当化 PER × 事業の純利益の 1.1 倍)の内側に収まっている。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality −0.25%。需要の安定と値段の守りやすさを quality で見た。個別のリスク(販売店網の弱体化・EV 化による整備需要の変化・景気の悪化)は k に足さず、筋書きの数量・利益率と確率で表した。存続を疑う要素はなく上乗せは 0。