結論
ハネウェル・インターナショナル(ティッカーは HON のまま)は、2026 年 6 月にエアロスペース(HONA として別上場)を切り離し、ビルの自動化(Building Automation)、プロセスの自動化と技術ライセンス(UOP・Experion を持つ Process Automation & Technology)、産業の自動化(Industrial Automation)の 3 本に絞った会社になった。分離後の 2025 年の売上は 199 億ドル、セグメント利益率は 17.6%、2026 年は売上 198〜200 億ドル・セグメント利益率 20.1〜20.5%・調整後純利益 約 26 億ドルの見通しで、年末には利益率 22% 超の水準で出る計画で、受注残は約 200 億ドルある。
**台帳との差**:kabufu の 2025 年 12 月期の数字(売上 374 億・純利益 47 億・純負債 226 億ドル・ROE 34%)はエアロスペースを含む分離前の会社のもので、時価総額 約 680 億ドルは分離(と 1 対 2 の株式併合)の後の値段である。分離後に直すと、2026 年の GAAP の純利益(Quantinuum の脱連結益と一時費用を除く)約 25 億ドルに対し PER は約 27 倍、純負債は約 95〜115 億ドルで時価総額の 14〜17% である。筋書きはすべて分離後の会社だけで書いた。
バリュー投資の観点では、ビルの制御・火災・セキュリティの据え付け基盤と、製油・石化の技術ライセンスという、一度入ると長く使われる堀を持ち、利益率が 5 年で 5 ポイント近く上がる計画の確度が価値を決める。ただし再編の実行と負債の返済、景気の山という慎重な見方の論点は残り、悲観の筋書きでは今の水準を 4〜6 割下回る。
倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)(k 8%・g 4.0%・事業の ROE 16%・moat=普通)の上限 16.7 倍の 8 割(13.4 倍)に置いた(ビル・プロセス・産業のオートメーションで質は高いが、エアロスペース分離後の再編と負債が重く、のれん込みの ROE は 13〜16%。上限の 8 割にとどめた)。総合は今の時価総額に対し -26% で「やや割高」。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「10 年後もこの事業は存在し、今より強いか」を問う。ビルは動き続け、火災・安全・空調の制御は更新し続けなければならず、プロセス産業の工場も制御と触媒を使い続けるので、事業の存在は確実である。堀は据え付け基盤とライセンスで、10 年で少なくとも保たれる。広がる可能性は、ソフトの繰り返し収益(年 15% 成長の計画)とデータセンター・エネルギーの新しい需要で、狭まる可能性は、制御のオープン化と中国・欧州の競合である。
オーナー利益(株主のものになる利益):2026 年の調整後純利益 約 26 億ドルに対し、FCF は 約 20 億ドル(会社は転換率 約 95% と説明するが、26 億ドルに対しては 約 77%。分離・再編の現金費用が重い年)。2029 年は FCF 30 億ドル超を目標にする。株式報酬は年 2 億ドル程度と小さく、GAAP の利益を押し下げない。ただし取得無形資産の償却(年 約 4 億ドル)は会社が足し戻す項目で、GAAP の純利益から足し戻して倍率を上乗せしていない。のれん 約 180 億ドルが自己資本の約 8 割を占めるので、買収が空振りすれば自己資本利益率が下がる。
資本配分は、分離と売却で事業を絞った点は評価するが、「一時費用」が毎年出る点、PSS・WWS・触媒などの売買を重ねる点は、成果が見えるまで確信度を下げる。安全域:式どおりの本質価値は今より 26% 低い。受注残と利益率の計画(2029 年にセグメント利益率 約 24%)がほぼ実現する中立でも今の水準を上回らず、計画が崩れて悲観になれば今より 4〜6 割安い。この幅を確率で表し、確信度は中程度とした。
何で稼ぐ会社か
売上は 3 つのセグメントで見る(2025 年・分離後の再計算。セグメントごとの売上は四半期の開示からの推定を含む)。
【ビルの自動化】売上 約 73 億ドル、セグメント利益率 25〜27%。ビルの火災検知・警報、入退室とセキュリティ、空調・照明・エネルギーの制御(Honeywell Forge、Tridium の Niagara)、保守・点検の契約。ビルの運用が続く限り、設備の更新・保守・ソフトの更新料が繰り返し出る。2026 年 4〜6 月期は売上 +10%・オーガニック +9%・利益率 27.1% と強く、データセンター向けは同セグメントの約 5%(3〜4 年前はほぼゼロ)で、データセンターを含む成長分野の受注は 50% 超伸びている。
【プロセスの自動化と技術】売上 約 64 億ドル、利益率 22〜24%。製油所・石化・LNG・ガス処理の分散制御システム Experion と計測、UOP の技術ライセンス・触媒・吸着剤、熱交換などのプロセス機器。UOP は精製と石化の新設・改造でライセンス料と触媒の納入が続き、2026 年 7 月にジョンソン・マッセイの触媒技術(メタノール・アンモニア・水素・持続可能な航空燃料向け)が加わり、下期の成長率が高い一桁後半へ上がる見通し。受注は 4〜6 月期に約 24% 増。
【産業の自動化】売上 約 63 億ドル(売却対象を含む)、利益率 15〜17%。センサー・安全機器・ガス検知などに、バーコードリーダーなどの PSS(ブレイディ(Brady)へ売却)と倉庫自動化の WWS を含む。両事業の売却を 2026 年 8 月初めに完了する見込みで、2026 年の売上を約 4 億ドル押し下げる。残る中核は低い一桁の伸びで、データセンター・LNG・ライフサイエンスなど成長の高い分野へ寄せる方針。
収益の形は、機器・システムの新設案件に、更新・保守・消耗品・ソフトの年間契約が乗る構造で、後者が利益の土台になる。ほかに、量子コンピューターの Quantinuum(2026 年 6 月に上場、持ち分 約 47%・帳簿 74.6 億ドル)と、ソルスティス(先端材料、2025 年 10 月に分離済み)がかつての「3 つに分ける計画」の残りである。
優良さと弱いところ
堀は 4 つある。第 1 に据え付け基盤:ビルの火災・制御と、プロセス工場の Experion は一度入ると 15〜25 年使われ、更新も同じ会社に出やすい。第 2 に技術ライセンス:UOP は精製・石化・ガス処理の基礎技術を握り、ライセンスの後に触媒が長く売れる(競合はトプソー(Topsoe)・アクセンス(Axens)・ジョンソン・マッセイだったが、後者は今回ハネウェルに入った)。第 3 に規制と安全:火災検知・ガス検知・防爆は故障の費用が大きいので実績で選ばれる。第 4 に規模:売上 200 億ドルで、ソフトとサービスの比率を上げる投資ができる(ソフトの年間繰り返し収益は年 15% で伸ばす計画)。
資本効率は高い。セグメント利益率は 2025 年の 17.6% から 2026 年 20.3% 前後、2029 年に約 24% を目指し、FCF 転換率は 90% 超。ただしここには注意が要る。第 1 に、再計算した 2025 年の GAAP 営業利益は 11.7 億ドルで、セグメント利益(35.1 億ドル)との差が大きく、分離費用・組み替え費用・取得無形資産の償却(約 4 億ドル/年)・売却予定資産の減損が毎年のように出る。調整後の利益は「繰り返さない」費用を除くが、ハネウェルは毎年のように「一時費用」を出してきた会社でもある。第 2 に、のれんが約 180 億ドルで、自己資本の約 8 割に当たる。
弱い所は 3 つ。第 1 に分離後の本社費用が重く、残余費用(stranded cost)が 2026 年末で約 0.85 億ドルの見込みから 0.6〜0.65 億ドルへ減り、2027 年にかけて消す計画。第 2 に産業の自動化は利益率 17% と全体を薄め、売上が 5% 減っている。第 3 に、ビルとプロセスで受注が強い一方、プロセスの売上はオーガニックで 1% 減(4〜6 月期)と、受注が売上になるまでの時差がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
業界は 3 つの市場を合わせて見る。ビルの自動化(制御・火災・セキュリティ・保守)は世界で 約 1,100 億ドル(推定)、プロセス産業の自動化と技術ライセンス(制御・計測・触媒・技術)は 約 900 億ドル(推定)、産業のセンサー・安全・計測は 約 1,000 億ドル(推定)。業界ノートの置き方(産業オートメーション全体で数量 年 +2.5〜3%、価格 年 +3〜3.5%)に、ビルは省エネ規制・データセンター・更新で数量が少し速く伸び、プロセスは精製・石化の更新が遅く伸びが低いという会社ごとの違いを足した。
競合は領域ごとに違う。ビルはジョンソンコントロールズ・シーメンス・シュナイダーエレクトリック・キャリア・トレイン(暖房・空調の機器が起点)と競り、ハネウェルのソフトと保守比率の高さが利益率の差になる。プロセス制御はエマソン(DeltaV)・ABB・シーメンス・横河電機・シュナイダー(AVEVA)で、制御システムの乗り換えの費用がシェアを守る一方、シーメンスとシュナイダーはソフトと AI の買収で攻めている。技術ライセンスはトプソーとアクセンスが小さく競う寡占である。産業の中核(センサー・安全)はハネウェル・エマソン・シーメンス・ロックウェル・三菱電機などが競う。
循環のどこにいるか:ISM 製造業指数は 54.5(2026 年 9 月)と強いが、価格指数も急騰して山に近い。ビルは新築が弱くても更新・保守・データセンターで底堅いが、化学・産業は欧州と中国が弱い。2026 年の追い風は、データセンターの建設(ビルの制御・火災・冷却)、LNG と中東のプロセス投資(高い一桁の受注増)、触媒の稼働増で、逆風は電子部品・メモリー・銅・人件費の物価上昇(価格 3.5〜4% で吸収する計画)と、中東の一部での代金回収の遅れである。構造の論点は、AI がビル・工場の運転の自律化を進めるとき、囲い込みが強まるか、オープン化で弱まるかで、10 年で最も大きい不確実性になる。
資本政策と M&A
今の資本政策は「借金を返す」が最優先である。分離の前に、エアロスペースが 160 億ドルの社債を出し、約 151 億ドル(現金 91 億ドル+交換社債 60 億ドル)をハネウェルへ配り、ハネウェルは約 130 億ドルで借入を返した(分離後の再計算 pro forma で 2026 年 3 月末の有利子負債 約 209 億ドル、現金 約 114 億ドル、純負債 約 95 億ドル)。2026 年の残りは債務返済を優先し、純負債は 7 月に完了したジョンソン・マッセイの買収(約 18 億ドル)で増える。
還元:2026 年 1〜6 月に自社株買い 10 億ドル、配当は分離前の会社で 1〜6 月に 約 16 億ドル。分離後の配当の額は未開示で、純利益の 4 割台と置いた。2029 年まで FCF 30 億ドル超・転換率 90% 超を目標にし、M&A は 1 件あたり企業価値 10〜50 億ドルの余力があると説明するが、2029 年の調整後純利益 約 38 億ドル(1 株利益で「下限」と説明)の目標は買収を含まない。
持ち分:Quantinuum(約 47%・帳簿 74.6 億ドル。2026 年 6 月の上場時に脱連結して税引き後 約 51 億ドルの益)は、営業の利益とは別の資産で、価値を筋書きごとに分け(楽観で 110〜140 億ドル、悲観で 0〜15 億ドル)、課税 21% を引いて純資産・時価総額に足した。CEO は「計画は 2027 年初めまでに」と述べている。過去の資本配分は、3 分割(ソルスティス・エアロスペース・本体)を約 1 年半で終え、買収と売却で事業を絞ってきた。経営者のバリュー重視は、自社株買いを割高で買っていないかで測るが、この 3 年は分離の準備のため買いが小さい。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 10.0 億ドル(10-Q・2026 年 1〜6 月)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2026 年 4〜6 月期のオーガニック受注は +16%、受注残は約 200 億ドル(+9%)で、受注・売上比は 1.1 倍(プロセスは 1.2 倍超、受注 +24%)と、売上が追いかける段階にある。ビルは売上 +10%・利益率 27.1%、データセンターを含む成長分野の受注は 50% 超の伸びで、オンサイト電源・公益向けの自動化は提案が積み上がるが受注はまだ。ジョンソン・マッセイの触媒が加わり、プロセスの下期の成長は高い一桁後半になる。
利益率は 2026 年 +250〜290 ポイント、出口は 22% 超で、年率 60 ポイント前後の拡大に、残余費用(約 0.85 億ドル→0.6〜0.65 億ドル)の解消とソフトの比率の上昇が乗る。2029 年に約 24%・売上 4〜6% 増・調整後純利益 約 38 億ドル(会社は「下限」と説明)なら、PER 20 倍台でも今の時価総額を大きく上回る。FCF は 2029 年に 30 億ドル超、債務が減って自社株買いが戻り、Quantinuum は帳簿 74.6 億ドルが上場後の価格で評価される。
価格は 4% 前後で物価を超えて通り(プロセスはライセンスと触媒、ビルはソフト)、生産性と残余費用の解消で費用を吸収する。分離でエアロスペースの高い評価と切り離された「オートメーション専業」は、エマソンやロックウェルの PER を基準にすれば再評価される余地がある。これが強気の見方で、楽観の筋書きの下敷きである。
慎重な見方
2026 年の調整後純利益 約 26 億ドルに対し GAAP の純利益(Quantinuum の脱連結益を除く)は 約 25 億ドル、2025 年は継続事業で 13.4 億ドルと小さく、「一時費用」が毎年出て調整後と GAAP が大きく離れる。売上の伸びは 2026 年 +3〜4%、産業は 5% 減、プロセスはオーガニック 1% 減で、利益率の拡大の多くは費用削減と売却の効果で、売上の勢いではない。本社の残余費用は 2027 年まで残る。
純負債は約 95〜115 億ドルで、分離後のセグメント利益(約 40 億ドル)の 3 倍近く、借り換えは 5.75% 前後。ジョンソン・マッセイの買収は 2027 年の EBITDA の約 13 倍(コストシナジー込み)で、安い価格ではない。PSS・WWS の売却額は未開示で、安く売ればのれんの減損が出る。ビルの強さの一部はデータセンター向けで、AI 投資が冷えれば伸びが鈍る。中東では代金の回収が遅れる所がある。エマソン・シーメンス・シュナイダーが同じ領域でソフトと AI の買収を競い、中国の国産 DCS も伸びる。
ISM は山に近く、価格指数が急騰して電子部品・銅・人件費が上がる。調整後の利益は取得無形資産の償却などを足し戻すので安く見えるが、GAAP で見れば PER は 27 倍で、式どおりの成熟後(ROE 20% 台・g 4.5%)の倍率を使うと割安幅は縮む。Quantinuum の価値は上場後の価格次第で、持ち分の売却には課税もかかる。これが慎重な見方である。
どちらに重みを置いたか
強気の見方は受注(+16%)と利益率の出口(22% 超)という実績の裏づけが強い。慎重な見方は、一時費用・のれん・産業の弱さ・負債という会社固有の論点を突き、特に再編の途上で数字がぶれる点は無視できない。再編の成果と AI・オープン化の影響が不確かな 10 年は、悲観側を厚くした。確率は 楽観 6%・やや楽観 20%・中立 36%・やや悲観 25%・悲観 13%。倍率は利益ベースの正当化 PER の内側(中立は上限の 8 割)に置き、総合は今の時価総額に対し -26% で「やや割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 228.90 ドル736 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 71.27 ドル229 億ドル)。 今の値に割り戻すと 154.53 ドル497 億ドル、今との差 −29.2%、 期待の年率 +3.2%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 451.43 ドル1,451 億ドル | 109.21 ドル351 億ドル | +156.8% | +9.9% | 33.64 ドル108 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 327.75 ドル1,053 億ドル | 92.10 ドル296 億ドル | +92.3% | +6.8% | 83.97 ドル270 億ドル |
| 中立 | 36% | 239.73 ドル771 億ドル | 78.72 ドル253 億ドル | +45.9% | +3.8% | 114.64 ドル368 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 165.77 ドル533 億ドル | 56.94 ドル183 億ドル | +2.0% | +0.2% | 55.68 ドル179 億ドル |
| 悲観 | 13% | 65.49 ドル211 億ドル | 28.62 ドル92 億ドル | −56.9% | −8.1% | 12.24 ドル39 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 228.90 ドル736 億ドル | 71.27 ドル229 億ドル | +37.5% | +3.2% | 300.16 ドル965 億ドル |
今の株価時価総額 218.31 ドル702 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 6% 楽観:ビルのソフト・データセンターと触媒が 10 年続き、売上が 2 倍超・利益率 25% 台になる 利益 86 億ドル · PER 17.0 倍 · 株価時価総額 451.43 ドル1,451 億ドル
ビルはソフトと AI による運転の最適化が追加の課金になり、シェアが 6.6% から 7.6%、市場は 年 +4%、価格は 1.45 倍で売上 179 億ドル、利益率 31.2%(競合のシーメンス・ジョンソンコントロールズを上回る)。プロセスは水素・持続可能な航空燃料・LNG の技術ライセンスを取り込み、シェア 9.0%・利益率 26.2%。産業は成長の高い領域へ絞って 20.5%。2035 年、売上は 432 億ドル(ビル 179・プロセス 150・産業 102)、セグメント利益率は本社費用を引いて 25.6%、営業利益 107.3 億ドル、純利益 85.5 億ドル。会社の目標を超え、ソフトの年間契約が重くなる姿。負けた場合(オープン化で価格が崩れる)は利益はこの 6 割まで下がる。
- ビルの自動化(Building Automation):数量 1,628(ビル向け制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 11.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 179 億ドル・営業利益 56 億ドル。市場・シェア・価格
- プロセスの自動化と技術(Process Automation & Technology):数量 1,152(プロセス産業の制御・計測・触媒・技術ライセンスの世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 13.1%(シェア × 物価指数)→ 売上 150 億ドル・営業利益 39 億ドル。市場・シェア・価格
- 産業の自動化(Industrial Automation):数量 1,280(産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 102 億ドル・営業利益 21 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)・g 4.0%(上限の内側。ビルの更新・プロセスの技術ライセンスの実質の伸び 2〜3% + 価格 3.5% から、4% を超えない)・事業の ROE 22%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 85.5 ÷ 自己資本 392.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.9%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 18.3 倍(上限 = 純利益 85.5 億ドル × これ = 1564 億ドル)。これの 0.9 割(17.0 倍)に置いた。楽観:利益の質が最も良く出る筋書きなので上限に最も近く置いた。
確率:ビルのソフトと AI の囲い込み、触媒の水素・持続可能な航空燃料の取り込み、データセンターの電力が 10 年続く必要がある。構造変化が全部味方するので 1 割弱とした。
やや楽観 20% やや楽観:高成長は 2030 年前後に一巡するが、更新と触媒が残り、利益率は 24% 近い 利益 69 億ドル · PER 15.2 倍 · 株価時価総額 327.75 ドル1,053 億ドル
高成長は 2030 年前後に一巡するが、更新・省エネ規制・ライセンスの触媒が残る。ビルは市場 年 +3.2%、シェア 7.1%、価格 1.43 倍で売上 153 億ドル、利益率 29.8%。プロセスはシェア 8.5%・利益率 24.7%、産業は 19.0%。2035 年、売上は 377 億ドル(ビル 153・プロセス 133・産業 91)、セグメント利益率は本社費用を引いて 23.9%、営業利益 86.8 億ドル、純利益 69.3 億ドル。ただしシーメンス・シュナイダーの AI 投資と価格競争で利益率は会社の目標(24%)にぎりぎり届かない。競合に負けるとこの 7 割。
- ビルの自動化(Building Automation):数量 1,507(ビル向け制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 10.2%(シェア × 物価指数)→ 売上 153 億ドル・営業利益 46 億ドル。市場・シェア・価格
- プロセスの自動化と技術(Process Automation & Technology):数量 1,097(プロセス産業の制御・計測・触媒・技術ライセンスの世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 12.2%(シェア × 物価指数)→ 売上 133 億ドル・営業利益 33 億ドル。市場・シェア・価格
- 産業の自動化(Industrial Automation):数量 1,219(産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 7.4%(シェア × 物価指数)→ 売上 91 億ドル・営業利益 17 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)・g 4.0%(上限の内側。ビルの更新・プロセスの技術ライセンスの実質の伸び 2〜3% + 価格 3.5% から、4% を超えない)・事業の ROE 19%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 69.3 ÷ 自己資本 372.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.3%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 17.5 倍(上限 = 純利益 69.3 億ドル × これ = 1212 億ドル)。これの 0.9 割(15.2 倍)に置いた。やや楽観:楽観より伸びと利益率が控えめなので一段下。
確率:高成長が一巡しても、更新・省エネ規制・ライセンスの触媒が残る展開。強気の見方に近いが、シーメンス・シュナイダーとの価格競争で利益率の上積みは限られる。
中立 36% 中立:計画の利益率には届かないまま、成熟した優良オートメーションになる 利益 58 億ドル · PER 13.4 倍 · 株価時価総額 239.73 ドル771 億ドル
高成長は 2030 年前後に終わり、成熟した優良オートメーション会社になる。ビルは市場 年 +2.5%(省エネ規制・データセンター・更新)、シェア 6.8%(データセンターで少し上がる)、価格は物価並みの 1.41 倍で売上 135 億ドル、利益率 28.5%。プロセスは市場 年 +1.5%(精製・石化の更新は遅い)、シェア 8.0% で一定(ジョンソン・マッセイの触媒を含む)で売上 118 億ドル、利益率 23.5%。産業は 売却後の整理で市場 年 +1.5%、シェア 5.0%、利益率 17.8%。2035 年、売上は 335 億ドル(ビル 135・プロセス 118・産業 82)、セグメント利益率は本社費用を引いて 22.5%、営業利益 72.2 億ドル、純利益 57.5 億ドル。会社の目標(24%)に 1.5 ポイント届かないのは、競合(シーメンス・シュナイダー・ジョンソンコントロールズ)との価格競争と、本社費用・償却が残るため。競合に負ければ(オープン化・値引き)この 7 割、勝てば 1.2 倍。
- ビルの自動化(Building Automation):数量 1,408(ビル向け制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 9.6%(シェア × 物価指数)→ 売上 135 億ドル・営業利益 39 億ドル。市場・シェア・価格
- プロセスの自動化と技術(Process Automation & Technology):数量 1,045(プロセス産業の制御・計測・触媒・技術ライセンスの世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 11.3%(シェア × 物価指数)→ 売上 118 億ドル・営業利益 28 億ドル。市場・シェア・価格
- 産業の自動化(Industrial Automation):数量 1,161(産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 7.0%(シェア × 物価指数)→ 売上 82 億ドル・営業利益 15 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)・g 4.0%(上限の内側。ビルの更新・プロセスの技術ライセンスの実質の伸び 2〜3% + 価格 3.5% から、4% を超えない)・事業の ROE 16%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 57.5 ÷ 自己資本 357.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.1%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 16.7 倍(上限 = 純利益 57.5 億ドル × これ = 960 億ドル)。これの 0.8 割(13.4 倍)に置いた。中立:ビル・プロセス・産業のオートメーションで質は高いが、エアロスペース分離後の再編と負債が重く、のれん込みの ROE は 13〜16%。上限の 8 割にとどめた
確率:業界ノートの中立(数量 年 +1.5〜2.5%・価格は物価並み)に、ビルの速い伸びと触媒の買収を足し、利益率は計画の 24% に届かない 22.5% とした。
やや悲観 25% やや悲観:制御のオープン化と競合の値引きで、利益率が 20% に戻る 利益 41 億ドル · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 165.77 ドル533 億ドル
制御のオープン化と AI による自動化で囲い込みが弱まり、シーメンス・シュナイダー・中国勢と値引き競争になる。ビルは市場 年 +1.2%、シェア 6.3%、価格 1.38 倍で売上 108 億ドル、利益率 26.2%。プロセスはシェア 7.4%・利益率 21.6%、産業は 15.7%。2035 年、売上は 271 億ドル(ビル 108・プロセス 97・産業 67)、セグメント利益率は本社費用を引いて 20.2%、営業利益 51.5 億ドル、純利益 41.3 億ドル。高い倍率で買った触媒・ビルの事業の統合が遅れ、のれんの一部が減損される(今回の純利益には入れていない)。
- ビルの自動化(Building Automation):数量 1,239(ビル向け制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.7%(シェア × 物価指数)→ 売上 108 億ドル・営業利益 28 億ドル。市場・シェア・価格
- プロセスの自動化と技術(Process Automation & Technology):数量 946(プロセス産業の制御・計測・触媒・技術ライセンスの世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 10.2%(シェア × 物価指数)→ 売上 97 億ドル・営業利益 21 億ドル。市場・シェア・価格
- 産業の自動化(Industrial Automation):数量 1,051(産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 6.3%(シェア × 物価指数)→ 売上 67 億ドル・営業利益 11 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)・g 4.0%(上限の内側。ビルの更新・プロセスの技術ライセンスの実質の伸び 2〜3% + 価格 3.5% から、4% を超えない)・事業の ROE 12%(帳簿の自己資本 ROE:純利益 41.3 ÷ 自己資本 346.0 億ドル)・moat=普通(残る割合 0.50)。RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.0%、正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g) = 15.0 倍(上限 = 純利益 41.3 億ドル × これ = 618 億ドル)。これの 0.9 割(12.9 倍)に置いた。やや悲観:伸びが落ち堀が削れた会社として中立より下。
確率:制御のオープン化と AI による自動化で囲い込みが弱まり、再編後も産業が伸びず、競合と値引きになる展開。電気設備より循環は浅いが、買収を重ねる会社でシナジーの出方が遅れやすい。
悲観 13% 悲観:AI とオープン化で堀が崩れ、中国・競合に負けて優良企業ではなくなる 利益 24 億ドル · PER 8.7 倍 · 株価時価総額 65.49 ドル211 億ドル
AI が運転を自律化して専用ソフトの価値が下がり、OPAF 準拠のオープンな制御が主流になり、中国の国産勢が輸出に出る。ビルのシェアは 5.6%、プロセスは 6.5%、産業は 4.0% に落ち、価格は物価に追いつかない(1.33 倍)。2035 年、売上は 205 億ドル(ビル 82・プロセス 74・産業 49)、セグメント利益率は本社費用を引いて 16.3%、営業利益 30.3 億ドル、純利益 24.2 億ドル。ジョンソン・マッセイ・ソルスティスなど過去の取引の価値も落ち、のれん約 180 億ドルの減損が出るが GAAP の純利益には入れていない。バリュー投資家の目で見れば、ここは優良企業としての評価をもう受けられない姿である。
- ビルの自動化(Building Automation):数量 1,100(ビル向け制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 7.4%(シェア × 物価指数)→ 売上 82 億ドル・営業利益 18 億ドル。市場・シェア・価格
- プロセスの自動化と技術(Process Automation & Technology):数量 855(プロセス産業の制御・計測・触媒・技術ライセンスの世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 8.6%(シェア × 物価指数)→ 売上 74 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場・シェア・価格
- 産業の自動化(Industrial Automation):数量 920(産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場(億ドル、2025 年価格))× 価格 5.3%(シェア × 物価指数)→ 売上 49 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場・シェア・価格
倍率:利益ベースの正当化 PER:k 8.00%(基本 8.0% + quality +0.00%)・事業の ROE 7.6% が k 以下なので PER は 1÷k = 12.5 倍まで(ためた利益の価値は額面を下回る)(上限 = 純利益 24.2 億ドル × これ = 302 億ドル)。これの 0.7 割(8.7 倍)に置いた。悲観:構造的に負けて優良でなくなった会社として最も下。
確率:AI が運転を自律化して専用ソフトの価値が下がり、OPAF 準拠のオープンな制御が広がり、中国の国産勢と欧州の競合に負ける。のれん約 180 億ドルの減損も重なる。技術の転換点にいる産業で、1 割強とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ビルの自動化(Building Automation)
ビルの火災検知・セキュリティ・空調照明の制御・エネルギー管理のハードとソフト、保守と点検の契約。データセンター向けが約 5%。
| 数量ビル向け制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場(億ドル、2025 年価格) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,100 | 6.6% | 73 | 19 |
| 10 年後 中立 | 1,408 | 9.6% | 135 | 39 |
取り方:ビルの制御・火災・セキュリティ・保守の世界市場を約 1,100 億ドル(推定)、シェア約 6.6% と置いた。2025 年の分離後の売上は 4〜6 月期(18.26 億ドル、利益率 26.2%)の約 4 倍から 72.5 億ドル、利益率 25.5%(セグメント利益 18.5 億ドル)と推定(年間の内訳は未開示のため推定)。
プロセスの自動化と技術(Process Automation & Technology)
分散制御 Experion と計測、UOP の技術ライセンス・触媒・吸着剤、熱交換などのプロセス機器。2026 年 7 月からジョンソン・マッセイの触媒技術が加わる。
| 数量プロセス産業の制御・計測・触媒・技術ライセンスの世界市場(億ドル、2025 年価格) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 900 | 7.1% | 64 | 14 |
| 10 年後 中立 | 1,045 | 11.3% | 118 | 28 |
取り方:プロセス産業の制御・計測・触媒・ライセンスの世界市場を約 900 億ドル(推定)、シェア約 7.1% と置いた。2025 年の売上は 4〜6 月期(16.13 億ドル、利益率 23.9%)の約 4 倍から 64.0 億ドル、年間の利益率 22.5%(セグメント利益 14.4 億ドル)と推定。ジョンソン・マッセイの触媒(売上 約 8 億ドルと推定)は 2026 年 7 月から入り、筋書きのシェアに足した。
産業の自動化(Industrial Automation)
センサー・安全機器・ガス検知などの中核と、2026 年に売却する PSS(バーコードリーダー)・WWS(倉庫自動化)。
| 数量産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場(億ドル、2025 年価格) | 価格シェア × 物価指数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,000 | 6.3% | 63 | 10 |
| 10 年後 中立 | 1,161 | 7.0% | 82 | 15 |
取り方:産業のセンサー・安全・計測・自動認識の世界市場を約 1,000 億ドル(推定)、シェア約 6.3% と置いた。2025 年の売上は 4〜6 月期(15.77 億ドル、利益率 16.3%)の約 4 倍から 62.6 億ドル、年間の利益率 15.5%(セグメント利益 9.7 億ドル)と推定。PSS・WWS(合計の売上は推定 約 25〜30 億ドル、売却額は未開示)を含み、売却後のシェアは 5.0% に下がる想定。
リスクと懸念
再編の途上で数字がぶれる
分離・売却・買収(PSS・WWS の売却、ジョンソン・マッセイの買収)が重なり、調整後と GAAP の利益が毎年大きく離れる。再計算した 2025 年の GAAP 営業利益は 11.7 億ドルでセグメント利益 35.1 億ドルの 3 分の 1 にすぎず、一時費用の繰り返しが利益の質を下げる。
純負債と借り換え
分離後の純負債は約 95〜115 億ドル(セグメント利益の約 3 倍)で、借り換えは 5.75% 前後になる。2026 年の債務再編費用が税引き後 2.6 億ドル出る。利益率の拡大が遅れれば、返済が遅れて自社株買いが戻らず、買収の余力も使えなくなる。
景気の山と設備投資
ISM 製造業指数は 54.5(2026 年 9 月)と山に近く、価格指数も急騰している。プロセス・産業の設備案件が先送りされると、受注 +16% が売上にならず、受注残が積み上がるだけになる。ビルの新築も金利 5% で弱く、更新・保守とデータセンターに頼る形である。
のれんの減損
のれんは約 180 億ドルで自己資本の約 8 割にあたる。触媒・PSS・WWS・ビルの買収と売却で、売却額が帳簿を下回れば減損が出る(2026 年の売却予定資産の減損は税引き後 2.4 億ドル)。買収した事業の伸びが想定を下回っても減損と自己資本利益率の低下が起きる。
データセンターと AI への期待
ビルのデータセンター向けは同セグメントの約 5% だが、データセンターを含む成長分野の受注は 50% 超伸びて期待が先行している。AI 投資が冷えると伸びが鈍る。オンサイト電源・公益向けの自動化は提案が積み上がっているが、受注にはまだなっていない。
競合のソフトと AI
シーメンス・シュナイダー・エマソンがソフトと AI の買収で攻め、制御のオープン化(OPAF など)と中国の国産勢が広がれば、据え付け基盤という堀が弱まる恐れがある。ハネウェルはビルとプロセスの両方でこの競争に同時にさらされる。
中東と物価
中東の一部で代金の回収が遅れており、電子部品・メモリー・銅・人件費の上昇を価格 3.5〜4% で吸収できなければ利益率の拡大が止まる。拡大の大半は価格差ではなく生産性と残余費用の解消なので、物価の上振れは利益率の計画を直接ずらす。
今後の分かれ目
- 2026 年末の利益率の出口が 22% を超え、2027 年の見通しが 2029 年の目標(約 24%)への道筋を支える
- 楽観・やや楽観の確率を上げる。倍率は式の上限(g 4%・k 8%)で決まり、これ以上は上がらない。
- 受注の伸びが 2027 年に前年を下回り、受注残の伸びが止まる
- 景気の山が近い信号で、10 年のやや悲観・悲観の確率を上げる。倍率は PER 20 倍前後へ寄る。
- PSS・WWS の売却額が帳簿を大きく下回り、減損が出る
- のれんの減損と、再編の質への疑いが強まる。やや悲観の確率を上げる。
- ジョンソン・マッセイの触媒が 2027 年に増益に効き、プロセスの利益率が 24% を超える
- プロセスの利益率 24% の筋書き(楽観・やや楽観)の確率を上げる。
- Quantinuum の株価が下がり、持ち分の価値が 4 割以上減る
- 時価総額で 30〜40 億ドルの減り(約 5%)。営業の見通しには影響しない。
- 制御のオープン化の規格に基づく競合の制御システムが大手の製油・化学で採用される
- 据え付け基盤の堀が低くなる合図。10 年の悲観・やや悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- オーガニック受注・受注残(直近 +16%・約 200 億ドル)と受注・売上比
- セグメント利益率(2026 年 20.1〜20.5%、年末の出口 22% 超、2029 年 約 24%)と残余費用(2026 年末の約 0.85 億ドルから 0.6〜0.65 億ドル、さらに 0 へ)
- ビルのデータセンター向け(同セグメントの約 5%)・成長分野の受注(50% 超の伸び)とオンサイト電源の受注化
- プロセスの売上のオーガニック成長(−1% が高い一桁後半へ上がるか)とジョンソン・マッセイの統合
- 純負債(約 95〜115 億ドル)の返済と自社株買いの再開、分離後の配当の額
- PSS・WWS の売却額と、のれん・売却予定資産の減損
- Quantinuum の株価と持ち分の扱い(CEO は 2027 年初めまでに説明)
- 競合(シーメンス・シュナイダー・エマソン)のソフトと AI、制御のオープン化の動き
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価を見る前に、数量 × 価格で積んだ利益から利益ベースの正当化 PER((1−g/RONIC)/(k−g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k))で出した。10 年の中立は正当化 PER 16.7 倍(k 8%・g 4.0%・ROE 16%・moat=普通)の 8 割 = 13.4 倍。ビル・プロセス・産業のオートメーションで質は高いが、エアロスペース分離後の再編と負債が重く、のれん込みの ROE は 13〜16%。上限の 8 割にとどめた。今の株価や過去の倍率に寄せて選んだ値ではなく、全筋書きが検査の上限(正当化 PER × 事業の純利益の 1.1 倍)の内側に収まっている。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 5% + β — × 5%。k = 基本 8.0% + quality +0% = 8%(β は使わない。決まり v2。内訳は quality_parts と quality_why)。台帳の純負債 226 億ドルは分離前の値で、分離後は約 95〜115 億ドル(時価総額の 14〜17%)。ビルの保守・プロセスのライセンスで景気に強く、産業の設備と一時費用で揺れるので、値決め力と循環・借金を相殺して quality は 0 とした。個別のリスク(再編・のれん・AI による置き換え・Quantinuum)は k に足さず、筋書きと確率で表した。長期の g は 4.0% まで、k − g ≥ 3.5% を守る。
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読んだ資料
- Honeywell 2026 年 4〜6 月期決算(8-K、分離後の再計算を含む)
- Honeywell 分離後の pro forma 財務(8-K 別紙 99.3、2026-06-25)
- Honeywell Technologies の発足(プレスリリース 2026-06-29)
- Honeywell Aerospace 四半期報告書(社債・親への配当)
- Honeywell Technologies の 3 年目標(Yahoo Finance)
- Honeywell の 2026 年 4〜6 月期決算説明会の要点(MarketBeat)
- Honeywell によるジョンソン・マッセイの触媒技術の買収完了
- Honeywell の Quantinuum 脱連結益