結論
アレジオン(Allegion)は、学校・病院・官公庁・ホテル・オフィスなど商業施設の錠、非常口の出口装置、ドアクローザー、電子アクセス制御を売る専業メーカー。ブランドはシュレージ(Schlage)、ヴォンデュプリン(Von Duprin)、LCN。2025 年の売上は 40.7 億ドル(有機 +4.1%)、米州が約 8 割で、GAAP 純利益(株式報酬と買収無形資産の償却を費用にした値)は 6.4 億ドル、営業利益率 21.5%。
この分析は売上を「市場 × シェア × 価格」で米州の非住宅・米州の住宅・海外の 3 つに分けて積んだ。シェアは小口の買収(2025 年に 4 社、2026 年 3 月に DCI)で毎年少しずつ上がるが、そのぶん買収に使う現金を FCF から引いて還元を決めた。海外は旧来の機械式事業の立て直し途中で、利益率は低い。
中立の 10 年後は売上 75 億ドル(年 +6.4%)、GAAP 純利益 13 億ドル。資本コスト 8.5%(循環 +0.5%)が効いており、競合のアッサアブロイ(ASSA ABLOY)やドルマカバ(dormakaba)に電子錠で負ける筋書きと、建設の谷の筋書きを合わせて 2 割強の確率で置いた。
倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)(k 8.50%・g 4.0%・事業の ROE 24%・堀は普通)で 10 年の中立の上限は 16.8 倍。その 8 割の 13.5 倍に置いた(錠・出口装置は交換と仕様指定で安定するが、規模が小さく買い足しに頼る。上限の 8 割)。総合は今の時価総額に対し -13%で「やや割高」。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、アレジオンは「10 年後も存在し、今より強いか」の問いに答えやすい。建物の出入口の錠は、鍵が壊れ、更新され、電子化されるたびに買い替えが続く。堀は、仕様書への採用、開口部を 1 社で揃える品ぞろえ、更新の継続需要、価格を物価以上に上げてきた実績で、広がりはしないが狭まる兆しも小さい。
オーナー利益で見ると、純利益 6.4 億ドルに対して設備投資は売上の 2% 台で、FCF は純利益に近い。成長に要る元手は小さく、自己資本利益率は 31% と高い(自社株買いで自己資本が薄い面もある)。問題は資本配分で、買収に 2025 年は売上の 1 割を超える額を使い、のれんと無形資産が自己資本を上回る。買収は小口だが、購入倍率は売上の 2.5〜3.5 倍と推定され、割高で買えば価値を壊す。この分析は買収費を FCF から先に引いた。
値段は、今の PER 21 倍、PBR 6.5 倍に対し、利益ベースの正当化 PER の上限は 17 倍前後で、その 8 割(13 倍)に中立を置いた。強い事業でも k 8.5% では式の倍率が低く、成長が少し鈍れば倍率はさらに縮む。安全域は薄く、10 年の悲観(確率 11%)で時価総額が今の 3 割弱まで下がる一方、確率で加重した価値は今を 13% 下回る。確信度は「中〜高」。
何で稼ぐ会社か
アレジオンは、建物の出入口まわりの金物と電子アクセスを売る。2024 年の売上の中身は、機械式 68%・電子 25%・ソフトとサービス 7%(会社の 2025 年投資家説明会)で、地域では米州 80%・海外 20%。
(1) 米州の非住宅(この分析の推定で 2025 年に約 24 億ドル)。シュレージの商業用錠、ヴォンデュプリンの出口装置、LCN のクローザー、ドア・枠・金物の部材。学校・病院・官公庁・ホテルなどに向け、建築士の仕様書に載り、施工業者・流通・錠前業者を通して売る。更新と改修が多く、新築に結びつく売上は全体のおよそ半分(モーニングスターの見立て)。電子錠・アクセス制御(クラウド型を含む)が伸び、2025 年は電子が 2 桁前半の増収と決算説明の要約で伝えられた。
(2) 米州の住宅(約 8 億ドルと推定)。シュレージの住宅用錠と金物。ホームセンター・流通向けで、新築着工と住み替えに左右される。2023 年にアッサアブロイが住宅の金物大手(クイックセット等)を買い、同時にスマート錠の Yale Home・August はフォーチュン・ブランズ(Fortune Brands)に移ったため、競争は厳しい。
(3) 海外(8.5 億ドル)。欧州・中東・アジアの錠(CISA、シモンスフォス(SimonsVoss)、インターフレックス(Interflex)など)。2025 年に Lemaar と Novas を買ったが、2026 年上期は有機で -3% 台、旧来の機械式事業の ERP 導入の混乱が重かった。
稼ぎ方は、更新に要る部材の継続的な買い替えと値上げ。米州の調整後営業利益率は 29〜30% と高く、海外は 10〜12% と低い。買収した無形資産の償却が年約 0.7 億ドルあり、GAAP の利益を押し下げている(この分析は費用のまま置く)。
優良さと弱いところ
堀は 4 つ。第 1 は仕様書への採用と、錠・出口装置・クローザーを 1 つの開口部に組み合わせる品ぞろえ。ドアの金物は 1 社で揃えると保証と施工の都合がよく、建築士が名前を指定して競争入札を避けやすい。第 2 は設置後の継続需要。鍵の更新・修理・部品の交換が続き、更新が新築より安定する。第 3 は電子化で、機械式の鍵を電子錠・モバイル認証に入れ替えるたびに 1 つの開口部あたりの売上が増え、ソフトの継続収入も付く。第 4 は価格を決める力で、2026 年上期の価格は +4.0% と物価を上回り、数量は +0.8% だった。
弱い点は 5 つ。(1) 競合の厚さ。10-K は主要な競合にアッサアブロイとドルマカバを挙げ、2023 年にアッサアブロイが 43 億ドルで住宅金物(クイックセット・ボールドウィン)を買って北米の厚みが増した。電子アクセス制御は、HID などアッサアブロイの電子部門が先行する。(2) 自己資本に対し、のれん 19.3 億ドルと無形資産 8.2 億ドルが 20.7 億ドルの自己資本を上回る。買収を続ければ増える。(3) 海外の収益力。GAAP の営業利益率は上期 5% で、立て直しが済んでいない。(4) 住宅の需要は弱く、2026 年も軟調の前提。(5) 新築の建設の谷に弱く、2020 年は株価が -29%、2022 年は -32% 下げた。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
商業用のドア金物は、アッサアブロイ、アレジオン、ドルマカバが世界の上位を占める寡占的な市場で、北米ではアッサアブロイが 1 位、アレジオンが 2 位とみられる(2018 年のモーニングスターの推定。公的なシェアの統計は見つからず、この分析のシェアは推定)。住宅は、アッサアブロイ(クイックセット等)、アレジオン(シュレージ)、フォーチュン・ブランズ(Yale Home・August・Emtek)、ホームセンターの自社ブランドが争う。
数量の側は、米国の非住宅の建築投資(新築と改修)、更新の周期、電子錠の入れ替えで決まる。2026 年は、データセンター・病院・学校・官公庁の工事が支え、米州の非住宅は上期に有機で中位 1 桁(第 1 四半期は価格主導)、4〜6 月期は米州全体で +8.9% と加速した。住宅は住宅着工が年 135 万戸前後で横ばいの中、数量が減り価格で補う形が続く。
価格は、関税・人件費・原材料で上がる費用を転嫁でき、2026 年上期は +4.0%。電子化は、機械式から電子・モバイル認証へ、そしてクラウド型の管理ソフトへ進み、1 つの開口部あたりの売上が増える。ただし、スマート錠・クラウド型は新規参入(IT 系・セキュリティ専業)が多く、価格が下がる圧力がある。海外は欧州の建設が弱く、旧来の機械式事業の立て直しが進行中。
資本政策と M&A
還元は、配当が年約 1.9 億ドルと自社株買い。2026 年 4 月に 5 億ドルの新しい買い戻し枠を承認し、上期の買い戻しは 1.6 億ドル。FCF は調整後純利益の 85〜95% と会社は見込み、純負債は 2025 年末 17.9 億ドル、純負債/EBITDA は約 1.8 倍。
買収は、米国の非住宅の小口を毎年足すのが方針(2025 年の投資家説明会)。2025 年に Next Door・Trimco(米州)、Lemaar・Novas(海外)、2026 年 3 月に DCI(ドア・枠の製造、約 0.70 億ドル)。2025 年の総額は報道で 6 億ドル超と伝えられ、台帳の純負債の増え方から逆算しても約 5.7 億ドルで、売上の 1 割を超える額を使い、獲得した売上は年 3〜5% 分(2026 年上期は +5.0%)の計算。この分析は FCF から買収費を引いた残りを配当と自社株買いに回し、純負債は横ばいとして payout_oku を置いた。
借金は 2027 年 10 月に 3.55% の社債 4 億ドル、2029 年 10 月に 3.50% の 4 億ドルが満期で、借り換えで利払いが年 0.1〜0.2 億ドル増える(純利益に入れた)。TOB の対象になる規模ではなく、支配株主はいない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
強気の見方は、いま起きていることを実力と見る。2026 年 4〜6 月期は米州が有機で +8.9%、非住宅も住宅も 1 桁後半で伸び、米州の調整後営業利益率は 30.1% と高い。上期の売上増の内訳は価格 +4.0%・数量 +0.8%・買収 +5.0%で、物価を上回る値上げが通る事業だとわかる。通期の有機成長の見通しは +3.5〜4.5% に引き上げられた。
次に、電子化の追い風が長い。電子は売上の 25%(2024 年)で、機械式を電子・モバイル認証に入れ替えるたびに 1 つの開口部あたりの売上が増え、ソフトの継続収入が付く。学校・病院・官公庁・データセンターの工事が続き、更新の周期も安定している。
さらに、買収の積み上げが利益を押し上げる。米国の非住宅で小口の会社(2025 年に Next Door・Trimco、2026 年に DCI)を毎年足し、獲得した売上は年 3〜5%。FCF は純利益に近く、配当と買い戻しの後でも買収に回せる。海外は旧来の機械式事業の ERP の混乱が解けて利益率が戻る。中立でも 10 年後の GAAP 純利益は 13 億ドル(2025 年の 2 倍)、楽観なら電子でシェアを守り純利益は 17 億ドルに達する。
慎重な見方
慎重な見方は、競合と値付けと建設の循環を突く。第 1 に、主要な競合のアッサアブロイとドルマカバは規模が大きく、アッサアブロイは 2023 年に 43 億ドルで北米の住宅金物(クイックセット・ボールドウィン)まで手に入れた。電子アクセス制御は IT 系の新規参入も多く、機械式の堀(仕様書への採用)が電子では弱まる恐れがある。
第 2 に、直近の勢いは価格が主役で、数量は上期 +0.8% にすぎない。価格の上げ余地は関税や人件費の転嫁が止まれば消え、第 1 四半期は住宅の数量が減って価格で補う形だった。住宅は 2026 年も軟調の前提で、新築が半分近い非住宅は景気の谷に弱い(2020 年 -29%、2022 年 -32% の株価の下げ)。
第 3 に、資本の質。のれん 19.3 億ドルと無形資産 8.2 億ドルが自己資本 20.7 億ドルを上回り、買収を続けるほど増える。海外の GAAP 営業利益率は上期 5% と低く、買収した Lemaar・Novas も統合の途中。第 4 に、今の PER 21 倍・PBR 6.5 倍はすでに質の高さを織り込んでおり、式の分母 k − g が約 4% と小さいため、成長が少し鈍れば倍率は大きく縮む。
どちらに重みを置いたか
強気の事実(価格が通る・電子の伸び・米州の利益率 30% 前後)は確定した数字だが、慎重な見方の「建設の谷」と「電子での取られ」は 10 年で構造の勝ち負けが出るので、悲観側を 33% とわずかに厚く置いた。理由は 3 つ:競合が世界最大手のアッサアブロイであること、新築の建設の循環、買収の積み上げでのれんが重くなること。事業の質は強気の言い分が正しく、倍率の高さは慎重な見方の言い分が当たる。結論は式が決めた。 倍率は利益ベースの正当化 PER の内側(中立は 8 割)に置いた結果、総合は今の時価総額に対し -13%で「やや割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 198.39 ドル172 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 71.70 ドル62 億ドル)。 今の値に割り戻すと 135.43 ドル117 億ドル、今との差 −23.3%、 期待の年率 +4.3%(資本コスト 8.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 323.67 ドル280 億ドル | 85.68 ドル74 億ドル | +131.9% | +8.8% | 32.75 ドル28 億ドル |
| やや楽観 | 21% | 266.40 ドル231 億ドル | 81.06 ドル70 億ドル | +96.8% | +7.0% | 72.97 ドル63 億ドル |
| 中立 | 38% | 205.20 ドル178 億ドル | 74.36 ドル64 億ドル | +58.4% | +4.7% | 106.23 ドル92 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 153.46 ドル133 億ドル | 65.82 ドル57 億ドル | +24.2% | +2.2% | 48.24 ドル42 億ドル |
| 悲観 | 11% | 43.76 ドル38 億ドル | 46.19 ドル40 億ドル | −49.0% | −6.5% | 9.89 ドル9 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 198.39 ドル172 億ドル | 71.70 ドル62 億ドル | +53.0% | +4.3% | 270.09 ドル234 億ドル |
今の株価時価総額 176.52 ドル153 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:電子でも仕様書の採用を守り、利益率が 3 割を超える 利益 17 億ドル · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 323.67 ドル280 億ドル
電子化が長く効く筋書き。米州の非住宅は市場が 10 年で +28%(実質 年 +2.5%)、シェアは買収(10 年で 30 億ドル、購入倍率 3.5 倍前後)を含めて 26.0%、価格は電子のミックスで物価を少し上回る 1.43 倍、利益率 32.5%。住宅は市場 +14%、シェア 12.2%、利益率 25%。海外は立て直しが済み、シェア 3.0%・利益率 15%。2035 年の売上は 88.3 億ドル(年 +8.1%)、営業利益率 25.4%、GAAP 純利益 17.3 億ドル。アッサアブロイ・ドルマカバとの電子の競争に勝ち、仕様書への採用が電子でも続く前提で、楽観の端。10 年間の還元は約 74 億ドル。
- 米州の非住宅(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス):数量 141(米州の商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 37.2%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 52 億ドル・営業利益 17 億ドル。市場 141 億ドル(2025 年の値段)× シェア 26.0% × 価格 1.430 倍
- 米州の住宅(シュレージの住宅用錠・金物):数量 80.0(米州の住宅用の錠・スマート錠・ドア金物の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 17.4%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 14 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 80 億ドル(2025 年の値段)× シェア 12.2% × 価格 1.430 倍
- 海外(欧州・中東・アジア太平洋):数量 510(欧州・中東・アジア太平洋の錠・出口装置・電子アクセスの、アレジオンが売る範囲の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 4.3%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 22 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 510 億ドル(2025 年の値段)× シェア 3.0% × 価格 1.430 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 28.5%(純利益 ÷ 自己資本)、k 8.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 18.5%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 17.4 倍。電子でも仕様書の採用を守り利益率が 3 割を超える姿でも、規模が小さく買い足しに頼るので、上限の 9.3 割の 16.2 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:楽観の 8%。電子・クラウド型でも仕様書の採用を守り、利益率が 3 割を超える筋書きは、10 年先に確証がない。
やや楽観 21% やや楽観:電子化・価格・買い足しの積み上げでシェアが上がる 利益 15 億ドル · PER 15.0 倍 · 株価時価総額 266.40 ドル231 億ドル
電子化とシェアの積み上げがやや強く効く。米州の非住宅は市場が +25%、シェア 25.7%(買収 27 億ドル)、価格 1.42 倍、利益率 31.5%。住宅は市場 +12%、シェア 11.8%、利益率 24%。海外はシェア 2.85%、利益率 13.5%。2035 年の売上は 81.7 億ドル(年 +7.2%)、営業利益率 24.5%、GAAP 純利益 15.4 億ドル(2025 年の 2.4 倍)。競合のアッサアブロイが電子で先行する中でも、シュレージは開口部を組み合わせる品ぞろえと更新の継続需要で守り切る。10 年間の還元は約 70 億ドル。
- 米州の非住宅(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス):数量 138(米州の商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 35.8%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 49 億ドル・営業利益 16 億ドル。市場 138 億ドル(2025 年の値段)× シェア 25.2% × 価格 1.420 倍
- 米州の住宅(シュレージの住宅用錠・金物):数量 78.5(米州の住宅用の錠・スマート錠・ドア金物の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 16.8%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 13 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 78.5 億ドル(2025 年の値段)× シェア 11.8% × 価格 1.420 倍
- 海外(欧州・中東・アジア太平洋):数量 498(欧州・中東・アジア太平洋の錠・出口装置・電子アクセスの、アレジオンが売る範囲の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 3.8%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 19 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 498 億ドル(2025 年の値段)× シェア 2.7% × 価格 1.420 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 27.1%(純利益 ÷ 自己資本)、k 8.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 17.8%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 17.2 倍。電子化・価格・買い足しが毎年少しずつ効く姿でも、規模が小さく買い足しに頼るので、上限の 8.7 割の 15.0 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:やや楽観の 21%。電子化・価格・買い足しが毎年少しずつ効く、積み上げ型の良い筋書き。
中立 38% 中立:更新と電子化で安定、非住宅のシェアは買収で 24.5% 利益 13 億ドル · PER 13.5 倍 · 株価時価総額 205.20 ドル178 億ドル
市場の数量は、米州の非住宅が 10 年で +22%(実質 年 +2.0%:新築と改修の伸びが小さく、電子錠・モバイル認証への入れ替えが上乗せ)、住宅が +10%(年 +1.0%)、海外が +22%(年 +2.0%)。シェアは、非住宅が 22.0% → 24.5%(買収 25 億ドルで +3.0pt、有機で -0.5pt)、住宅が 11.4% → 11.2%、海外が 2.1% → 2.45%。価格は物価並みの 1.41 倍(電子のミックスは市場の実質成長に含める)。利益率は、非住宅 30.5%、住宅 23%、海外 11.5%(GAAP。2026 年上期の 5% から回復)。本社費 1.4 億ドル。2035 年の売上は 75.4 億ドル(年 +6.4%)、営業利益率 23.1%、GAAP 営業利益 17.4 億ドル、純利益 13.2 億ドル。買収は 10 年で 25 億ドル(購入倍率 3.5 倍前後。2035 年の売上で約 8 億ドル相当)で、FCF から先に引いた残りを配当と買い戻しに回し、10 年間の還元は約 64 億ドル。
- 米州の非住宅(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス):数量 134(米州の商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 34.5%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 46 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 134 億ドル(2025 年の値段)× シェア 24.5% × 価格 1.410 倍
- 米州の住宅(シュレージの住宅用錠・金物):数量 77.0(米州の住宅用の錠・スマート錠・ドア金物の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 15.8%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 12 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 77 億ドル(2025 年の値段)× シェア 11.2% × 価格 1.410 倍
- 海外(欧州・中東・アジア太平洋):数量 488(欧州・中東・アジア太平洋の錠・出口装置・電子アクセスの、アレジオンが売る範囲の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 3.5%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 488 億ドル(2025 年の値段)× シェア 2.5% × 価格 1.410 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 24.4%(純利益 ÷ 自己資本)、k 8.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 16.5%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 16.8 倍。錠・出口装置は交換と仕様指定で安定するが、規模が小さく買い足しに頼るので、上限の 8.0 割の 13.5 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:中立の 38%。更新と電子化に支えられた安定した事業という素直な見立て。
やや悲観 22% やや悲観:電子で少しずつ取られ、価格も物価を下回る 利益 9 億ドル · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 153.46 ドル133 億ドル
電子でアッサアブロイ・ドルマカバに少しずつ取られ、価格も弱くなる。米州の非住宅は市場が +15%、シェア 22.2%(買収 15 億ドルで +1.6pt、有機で -1.4pt)、価格は物価を下回る 1.37 倍、利益率 27.5%。住宅は市場 +1.4%、シェア 10.5%、価格 1.36 倍、利益率 20%。海外はシェア 2.15%、利益率 8%。買収は 10 年で 15 億ドルに絞る。2035 年の売上は 61.4 億ドル(年 +4.2%)、営業利益率 19.6%、GAAP 純利益 8.9 億ドル(2025 年の 1.4 倍)。アレジオンは良い会社のまま、利益率の低い「並みの金物メーカー」に近づく。10 年間の還元は約 57 億ドル。
- 米州の非住宅(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス):数量 126(米州の商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 30.1%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 38 億ドル・営業利益 10 億ドル。市場 126 億ドル(2025 年の値段)× シェア 22.0% × 価格 1.370 倍
- 米州の住宅(シュレージの住宅用錠・金物):数量 71.0(米州の住宅用の錠・スマート錠・ドア金物の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 14.3%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 10 億ドル・営業利益 2 億ドル。市場 71 億ドル(2025 年の値段)× シェア 10.5% × 価格 1.360 倍
- 海外(欧州・中東・アジア太平洋):数量 455(欧州・中東・アジア太平洋の錠・出口装置・電子アクセスの、アレジオンが売る範囲の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 2.9%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 455 億ドル(2025 年の値段)× シェア 2.1% × 価格 1.360 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 21.1%(純利益 ÷ 自己資本)、k 8.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.8%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 16.2 倍。電子で少しずつ取られ価格も弱い姿なので、上限の 9.2 割の 14.9 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:やや悲観の 22%。電子でアッサアブロイ・ドルマカバに少しずつ取られ、価格が弱くなる筋書きは 10 年の幅では 2 割強ありうる。
悲観 11% 悲観:電子・クラウド型で構造的に負け、のれんを減損 利益 4 億ドル · PER 10.2 倍 · 株価時価総額 43.76 ドル38 億ドル
構造的に負ける筋書き。米州の非住宅は、電子・クラウド型でアッサアブロイ・ドルマカバと新規参入に仕様書の採用を奪われ、シェア 18.0%、市場も新築が伸びず 2025 年並み、価格は 1.30 倍にとどまり、利益率は 23%。住宅は 9.0%・利益率 15%、海外は欧州の立て直しに失敗してシェア 1.7%・利益率 4%(のれんの減損が出る)。買収は 10 年で 8 億ドルに絞る。2035 年の売上は 41.5 億ドル(2025 年とほぼ同じ)、営業利益率 14.0%、GAAP 純利益 3.7 億ドル。のれんと無形資産の一部を減損するが配当は守り、10 年間の還元は約 40 億ドル。
- 米州の非住宅(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス):数量 110(米州の商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 23.4%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 26 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 110 億ドル(2025 年の値段)× シェア 18.0% × 価格 1.300 倍
- 米州の住宅(シュレージの住宅用錠・金物):数量 62.0(米州の住宅用の錠・スマート錠・ドア金物の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 11.5%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 7 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 62 億ドル(2025 年の値段)× シェア 9.0% × 価格 1.280 倍
- 海外(欧州・中東・アジア太平洋):数量 400(欧州・中東・アジア太平洋の錠・出口装置・電子アクセスの、アレジオンが売る範囲の市場(億ドル、2025 年の値段、推定))× 価格 2.2%(アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 9 億ドル・営業利益 0 億ドル。市場 400 億ドル(2025 年の値段)× シェア 1.7% × 価格 1.280 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 11.4%(純利益 ÷ 自己資本)、k 8.50%、堀は普通(残る割合 0.50)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.0%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 13.3 倍。電子・クラウド型で構造的に負け、のれんを減損する姿なので、上限の 7.7 割の 10.2 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:悲観の 11%。電子・クラウド型で構造的に負ける(仕様書の採用を奪われる)か、大型買収の失敗。堀が広い事業だが、競合が世界最大手のアッサアブロイであり、1 割強を置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
米州の非住宅(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス)
学校・病院・官公庁・ホテル・オフィス向けのシュレージ・ヴォンデュプリン・LCN など。電子錠・モバイル認証・クラウド型の管理を含み、買収した小口の会社(Next Door・Trimco・DCI など)もここに入る。
| 数量米州の商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材の市場(億ドル、2025 年の値段、推定) | 価格アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 110 | 22.0% | 24 | 7 |
| 10 年後 中立 | 134 | 34.5% | 46 | 14 |
取り方:市場 × シェア × 価格指数。市場は米州で、アレジオンが売る範囲(商業・機関向けの錠・出口装置・クローザー・電子アクセス・ドア部材)を 110 億ドルと推定(公的な統計は見つからず、アレジオンの売上と主要な競合アッサアブロイ・ドルマカバの規模から逆算した置き方)。シェア 22.0%。売上 24.2 億ドルは、2025 年の米州の売上 32.2 億ドル(上期 15.79 +第 3 四半期 約 8.44 +第 4 四半期 7.96)のうち非住宅を約 75% とみた推定(開示なし)。セグメントの営業利益率は約 30%(米州全体の調整後は 29〜30%。買収の償却を引いた GAAP 側)。競合はアッサアブロイ・ドルマカバ。
米州の住宅(シュレージの住宅用錠・金物)
シュレージの住宅用錠・スマート錠・金物。ホームセンター・流通経由で、新築と住み替え・改修に連動する。
| 数量米州の住宅用の錠・スマート錠・ドア金物の市場(億ドル、2025 年の値段、推定) | 価格アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 70.0 | 11.4% | 8 | 2 |
| 10 年後 中立 | 77.0 | 15.8% | 12 | 3 |
取り方:市場 × シェア × 価格指数。市場を 70 億ドルと推定(住宅用の錠と金物に絞る。アッサアブロイのクイックセット、フォーチュン・ブランズの Yale Home・August・Emtek、ホームセンターの自社ブランドが競合)、シェア 11.4%。売上 8.0 億ドルは米州の約 25% とみた推定(開示なし)。営業利益率は約 23%(非住宅より低い)。2026 年第 1 四半期は数量が減って価格が補う形で、有機は横ばい。
海外(欧州・中東・アジア太平洋)
CISA・シモンスフォス・インターフレックスなどの錠・電子アクセス・勤怠。2025 年に Lemaar・Novas を買った。旧来の機械式事業の立て直し中。
| 数量欧州・中東・アジア太平洋の錠・出口装置・電子アクセスの、アレジオンが売る範囲の市場(億ドル、2025 年の値段、推定) | 価格アレジオンのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 400 | 2.1% | 8 | 1 |
| 10 年後 中立 | 488 | 3.5% | 17 | 2 |
取り方:市場 × シェア × 価格指数。市場を 400 億ドルと推定(欧州・中東・アジア太平洋のドア金物・電子アクセス。アッサアブロイ・ドルマカバ・地場の会社と競合し、シェアは低い)、シェア 2.1%。売上 8.48 億ドルは 2025 年の海外(上期 3.85 +第 3 四半期 2.26 +第 4 四半期 2.38)。営業利益率は約 8%(GAAP。2025 年上期 7.1%、2026 年上期 5.1%。調整後は 10〜12%)。
リスクと懸念
電子化でアッサアブロイ・ドルマカバに取られる
電子アクセス制御は、アッサアブロイの電子部門や IT 系の新規参入が多い。機械式の堀(仕様書への採用)は、電子・クラウド型では弱まるかもしれない。10 年の悲観は非住宅のシェアが 22% から 18% に下がり、価格の上昇が物価を下回る(1.30 倍)置き方にした。
新築の建設の谷
新築に結びつく売上は全体のおよそ半分(モーニングスターの見立て)。2020 年に株価は -29%、2022 年に -32% 下げた。10 年の悲観は、建設の谷で非住宅の市場が 15% 減り、住宅は 20% 減、米州の利益率が非住宅 24%・住宅 14% まで落ちる年を含む置き方で、その谷の年の純利益は 3 億ドルに下がる。
住宅の弱さと競争
住宅は 2026 年も軟調の前提で、第 1 四半期は数量が減って価格で補う形だった。アッサアブロイ(クイックセット)とフォーチュン・ブランズ(Yale Home・August・Emtek)、ホームセンターの自社ブランドが競り合い、この分析は住宅のシェアが 11.4% から 10.9〜11.2% へ緩やかに下がると置いた。
買収の積み上げとのれんの重さ
買収に 2025 年は売上の 1 割を超える額を使い、のれんと無形資産は 27.4 億ドルと自己資本を上回る。購入倍率は売上の 2.5〜3.5 倍と推定され、割高に買えば償却と減損で利益が減る。海外の Lemaar・Novas の統合も途中。この分析は買収費を FCF から先に引き、利益はシェアの上昇として置いた。
海外の収益力と立て直し
海外は上期の有機が -3% 台で、旧来の機械式事業の ERP 導入の混乱があった。GAAP の営業利益率は上期 5.1%(前年 7.1%)。欧州の建設が弱く、立て直しが遅れれば中立の利益率 11.5%(10 年)に届かない。やや悲観は 8%、悲観は 4% と置いた。
価格の上げ余地と関税
上期の売上増の価格寄与は +4.0% で数量 +0.8%。関税や人件費の転嫁が止まると、価格が物価並み(10 年 1.41 倍)を下回り、数量が伸びない分の穴が出る。やや悲観の 10 年は価格 1.36〜1.37 倍にとどめた。IEEPA 関税の還付は会社の見通しに入っておらず、この分析も入れていない。
低い資本コストへの感応度
式の倍率は k 8.5% と長期の g 4.0% の差(約 4.5%)が小さいため、g が 1 ポイント下がると PER は 17 倍前後(正当化 PER)から 13 倍前後へ縮む。倍率の大きな低下は、成長が鈍る筋書き(やや悲観・悲観)で表した。
今後の分かれ目
- 2027 年に米州の非住宅の有機成長が 2% を割り、電子の伸びも 1 桁前半に落ちる
- 中立のシェアが崩れ、10 年のやや悲観〜悲観に寄る。数年後の純利益は 7.8 億ドルから 6 億ドル台へ。確率を悲観側へ 1 割動かす。
- 2027〜2028 年に電子の売上が 2 桁増を保ち、非住宅の数量が +2% 以上に乗る
- 米州の非住宅の市場(実質 +2%/年)とシェア 23% が確かめられ、10 年の中立が楽観側へ動く。本質価値は今の時価総額を大きく上回る方向へ。
- 海外の有機成長が 2027 年にプラスに戻り、GAAP 営業利益率が 8% を超える
- 旧来の機械式事業の立て直しが済んだ証拠。海外の 10 年中立(利益率 11.5%)が上に動く。
- アッサアブロイの電子アクセス制御が米国の大型案件で標準仕様になり、シュレージが仕様から外れる事例が増える
- 10 年の悲観(シェア 18%・価格 1.30 倍)の確率が 11% から 2 割へ。本質価値は今の時価総額に近づく。
- 大型の買収(売上 5 億ドル超の会社)を発表する
- 購入倍率と償却が焦点。のれんが増え、償却の GAAP 利益への影響が大きくなる。小口の積み上げを前提にした payout_oku と利益が崩れる。成功すれば電子・ソフトのシェアが上がる。
- 住宅着工が 110 万戸を割り、新築の非住宅も落ちる
- 10 年のやや悲観〜悲観に寄る。米州の営業利益率が 3pt 以上下がり、谷の年の純利益は 6 億ドル前後へ。
見ておくもの
- 米州の非住宅の有機成長(四半期)と電子の伸び、価格と数量の内訳(2026 年上期は価格 +4.0%・数量 +0.8%)
- 米州の調整後営業利益率(2026 年 4〜6 月期 30.1%)と、海外の有機成長・営業利益率(上期 5.1%)
- 買収の件数・金額・購入倍率(2025 年は約 5.7 億ドル、2026 年は DCI の 0.70 億ドル)と、のれん・無形資産・償却額
- 純負債/EBITDA(約 1.8 倍)、2027 年 10 月・2029 年 10 月に満期の 3.55%・3.50% 社債 8 億ドルの借り換え金利
- 住宅着工・非住宅の建築投資、アッサアブロイ・ドルマカバの米州の売上と電子アクセス制御の受注
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価を見る前に、数量 × 価格で積んだ利益から利益ベースの正当化 PER((1−g/RONIC)/(k−g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k))で出した。10 年の中立は正当化 PER の上限 16.8 倍(k 8.50%・g 4.0%・ROE 24%・堀は普通)の 8 割 = 13.5 倍。錠・出口装置は交換と仕様指定で安定するが、規模が小さく買い足しに頼る。 悲観側は構造的な負けの筋書きとして上限の内側に置いた。今の株価や過去の倍率に寄せて選んだ値ではなく、全筋書きが検査の上限(正当化 PER × 事業の純利益の 1.1 倍)の内側に収まっている。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β 0.90 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 0.5% = 8.5%。非住宅の新築建設の循環に利益が左右されるので循環に +0.5%、錠・出口装置は競合のアッサアブロイなどと競るので値決めは 0。純負債は時価総額の約 13% で借金は 0、寿命は 0。電子での競合・買収の実行・のれんの重さなどの個別のリスクは k に足さず、筋書きの利益率と確率(悲観を厚く)で表した。上乗せは 0。
同じ業種(資本財・サービス)の AI 分析
読んだ資料
- Allegion 2026 年 4〜6 月期の決算発表(SEC 8-K)
- Allegion 10-Q 2026 年 6 月期(セグメント・買収・借入・価格と数量の内訳)
- Allegion 2026 年 1〜3 月期の決算発表(SEC 8-K)
- Allegion 2025 年投資家説明会の資料(電子 25%・機械 68%・ソフトとサービス 7%・米州 80%)
- Allegion 2025 年通期・2026 年の見通し(決算発表)
- ASSA ABLOY によるスペクトラムの住宅金物事業の買収完了(Locksmith Ledger)
- Allegion 10-K FY2023(主要な競合:Assa Abloy・dormakaba・Fortune Brands)
- Angel One:Allegion の時価総額(2026-10-06)