結論
エムコア(EMCOR)は、電気・機械・空調・配管の工事と、建物の保守サービスを北米で手がける設備工事の最大手の 1 つ。2025 年 12 月期の売上は 170 億ドル、営業利益率 9.3%、GAAP の純利益 12.7 億ドル、自己資本利益率(ROE)35%。借金はほとんど無く、現金が 9 億ドル超ある。2025 年 12 月に英国事業を売り、米国に集中した。
2026 年は強い。4〜6 月期の売上は 51.5 億ドル(+19.8%)、営業利益率 10.6%、受注残(RPO)は過去最高の 171.4 億ドル(12 月末比 +29%)。上期の売上のうちネットワーク・通信(データセンター中心)は約 32%(前年は 23%)まで増えたが、医療・公共・製造・水処理・サービスも伸び、同じ領域の FIX のようにデータセンターに寄りきってはいない。通期の見通しは売上 200〜205 億ドル、営業利益率は約 9.6%(見通しの 1 株利益から逆算した推定)。
バリュー投資の観点では、事業の質は高いが利益率は薄い。分散した工事市場で、労働者の確保・保証(サーティ債)・安全・大型案件の管理が堀になる。一方で、2006〜2022 年の営業利益率は 2〜5.6% で、今の 9〜10% は需給の逼迫が作った山。
倍率は利益ベースの正当化 PER = (1 − g/RONIC)/(k − g)(k 9.00%・g 4.0%・事業の ROE 19%・堀は弱い)で 10 年の中立の上限は 13.6 倍。その 8 割の 10.9 倍に置いた(設備工事の受注残 171 億ドルは山の利益で、工事の請負は競争入札で堀が弱い(moat=weak)。ただし人手の確保と現場の実行力で利益率が崩れにくく、上限の 7.5 割)。総合は今の時価総額に対し -43%で「割高」。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、エムコアは「10 年後も存在し、今より強いか」と問えば存在する。建物の電気・空調・配管の工事と保守は、データセンターが続いても止まっても、病院・学校・工場・オフィスが使われる限り発注される。堀は規模・保証・安全実績・電気と機械の一体提供・労働力の確保で、10 年で広がるというより、大型案件では大手に集まる力として保たれる。ただし利益率の堀は弱く、薄利の請負業であることは変わらない。
稼ぐ力はオーナー利益で見ても高い。純利益のほぼ全部が現金になり、設備投資は小さく、運転資本は顧客の前受金と下請けへの支払いで回る。借金はほとんど無く、現金が厚い。経営は買収を小さく積み、自社株買いを実績の PER の範囲で進め、資本を雑に使わない。景気が落ちても配当と自社株買いは続けられる。
値段は別。今の GAAP の PER は約 26 倍、PBR は約 9 倍で、利益ベースの正当化 PER(中立 10 年で 13.6 倍。g 4.0%・k 9.0%・ROE 19%・堀は弱い)を大きく上回る。FIX(約 49 倍)や PWR(約 90 倍)と比べれば高くないが、本質価値は今の値段の約 0.57 倍(総合 -43%)で、安全域はない。事業の質は確かだが、確信度は景気循環(設備投資の山)の読みで「やや高い」にとどまり、安く買える事業ではない。
何で稼ぐ会社か
エムコアは 1994 年に再建された設備工事会社で、本社はコネチカット州ノーウォーク。従業員は 4 万人弱(推定)。売上は 2025 年に 170 億ドルで、2026 年は 200 億ドル超の見通し。事業は 4 つ(2025 年 12 月に英国事業を売却)。米国電気工事(上期の売上 31 億ドル)、米国機械工事(43 億ドル。空調・配管・冷却)、米国建物サービス(16 億ドル。保守・修繕・エネルギー管理)、米国産業サービス(7 億ドル。製油所・発電所の定期修繕)。
電気と機械の 2 つの工事部門が売上の約 8 割を占め、利益率は合わせて 12.5%(2025 年)。顧客の種類(上期の電気・機械の売上)は、ネットワーク・通信(データセンター・通信)31.4 億ドル、機械の商業 5.1 億・電気の商業 2.2 億、製造・産業 7.3 億、医療 5.5 億、公共(学校・政府)5.6 億、水・下水 1.9 億など。データセンター向けは前年の 1.9 倍に増えたが、全体の約 3 分の 1 にとどまる。
収益の中身は固定価格または原価精算の契約で、受注残を数か月から 2 年かけて消化する。粗利益率は 19.8%(2026 年 4〜6 月期)、販管費率 9.2%、営業利益率 10.6%。設備投資は小さく(売上の 1〜2%)、前受金と下請けへの支払い条件で運転資本が顧客から回るので、純利益のほぼ全部が現金になる(2025 年の営業キャッシュフロー 13.0 億ドル、純利益 12.7 億ドル)。買収は小型の電気・機械・サービス会社を毎年数社買い足す。2025 年はミラー電気(Miller Electric、フロリダ中心の電気工事。8.65 億ドル)が最大の買収。
優良さと弱いところ
堀は 4 つ。第 1 は規模と信用で、大型案件は保証(サーティ債)が要り、エムコアの保証枠は受注残の約 25%(43 億ドル)まで使われている。保証を出せる財務・実績が無い会社は大型案件に入れない。第 2 は電気と機械の一体提供で、データセンターや半導体工場・病院のように電源と冷却を一体で設計・施工したい顧客に、窓口 1 つで応える。第 3 は労働力で、技能者の確保・訓練が最大の制約になる中、大手ほど有利。第 4 は安全実績と顧客との長い関係で、病院・大学・製薬・半導体の発注者は実績の無い会社に任せない。
資本効率は高い。ROE は 2023 年 26%、2024 年 34%、2025 年 35%。ただし利益率は薄く、2025 年の営業利益率 9.3% は同社の過去最高。2006〜2022 年は 2.3〜5.6%、2023 年が 7.0%。競合のコンフォート・システムズ(FIX)の 14〜17%・クアンタ(PWR)の約 7% と比べ、エムコアは FIX より低くクアンタより高い。
弱い点は 3 つ。(1) 利益率が景気の山と需給の逼迫で押し上がった可能性が高く、固定価格契約では労務費・資材費の上昇を転嫁しきれない案件の損失が出うる。(2) 受注残の消化率が過去の 85% から 75% に下がっており、大型化で工期が延びている。(3) データセンターの建設に州のモラトリアム(凍結)が広がると、受注が止まる。ただし上期でも電気・機械の合計の売上のうち、データセンター以外が約 6 割を占め、FIX よりは分散している。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の非住宅の電気・機械の設備工事は、分散した大きな市場。民間・公共の非住宅の建設支出は年 8,000 億ドル級(推定)で、そのうち機械と電気にあたる工事は 3 割強。電気工事会社は全米で数万社、大手でもシェアは数%にとどまる。需要は建設の着工と、データセンター・半導体・製薬・医療・公共インフラの投資に連動する。同じ領域の FIX の担当と同じ置き方で、市場を「技術(データセンター)」「その他の非住宅」「サービス」に分け、数量(市場の実質成長)とシェアと価格(物価 3.5%)を別に置く。
今の位置は山に近い。ネットワーク・通信の売上は上期に前年比 +64%、受注残の約 3 分の 1 強がデータセンター。ただし消化率は下がり、州のモラトリアムと電力の接続待ちが建設の速度を決めている。非住宅の他分野は、半導体の工場(米国の補助金)・医療・公共(学校・上下水道)が強い一方、民間のオフィス・商業は弱く、金利 5% で投資は選別される。
構造の変化は 3 つ。第 1 はデータセンターの設計の変化で、工場でモジュラー(部品)として作って現場で組み立てる方式が広がる。FIX はこれで利益率 17% に達した。エムコアも同様の取り組みを進めるが、売上の比率で FIX に劣る。第 2 は労働力の不足で、技能者の賃金が上がり、供給の制約が価格の上昇を支える反面、固定価格契約の損失の源にもなる。第 3 は競合の拡大で、クアンタが 2024 年にキューパティーノ電気を買い電気工事を広げ、FIX が機械から電気へ、さらに既存店で 30% 台の成長を続け、非上場の大手(ローゼンディンなど)と並び、取り合いになる。
資本政策と M&A
資本政策は還元と小型買収。2025 年の配当は 0.5 億ドル、自社株買いは 5.9 億ドル、株式報酬は 0.2 億ドルで、株数は年 3.5% 減った。2026 年上期の自社株買いは 2.69 億ドル(4〜6 月期に 1.78 億ドルと加速)。純利益の約半分を還元に回し、残りは買収と運転資本に使う方針で、現金は 9.24 億ドル(有利子負債はほぼゼロ)。
買収は小型を毎年買う形で、2026 年上期は 4 社を頭金 1.0 億ドルで取得し、4 社が成立待ち。のれんは取得額の約 45% で、無形資産の償却は小さい。2025 年のミラー電気(8.65 億ドル)が最大で、電気工事の南東部への足がかりになった。2025 年 12 月に英国事業を売り、売上が約 5 億ドル減った(利益率が低く、米国に集中する判断)。大型買収で価値を壊した過去は無く、資本配分は慎重。TOB・再編の可能性は、時価総額 320 億ドル超で低い。
今回の分析は、純現金を 1 ドルで数え、時価総額 =(純利益 − 純現金の受取利息)× 倍率 + 純現金で測る(SCHEMA_US)。還元は配当+自社株買い−株式報酬の正味で、純利益の 55%(楽観 45%、悲観 80%)と置き、買収は年 2.5 億ドル(中立)を使う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
強気の見方は、いま起きていることが山でなく新しい水準だという点にある。受注残は 171 億ドルで前年より 44% 増え、データセンターだけで約 62 億ドル。上期の売上は +20% で、医療・公共・製造も伸びており、データセンターだけに頼った成長ではない。電気の利益率は 13.9%(+2.1pt)まで来て、機械にも広がる余地がある。
同業の FIX は利益率 17%、クアンタは約 7%。エムコアの電気と機械を合わせた利益率 12.5% は、FIX に向かって上がる途中にあり、1 pt 上がれば全社の純利益は約 2 億ドル増える。保証と大型案件の管理ができる会社は少なく、ハイパースケーラーは電源と冷却を一括で発注できる大手に仕事を集める。サービス(建物・産業)は約 3 割で景気に左右されにくく、利益を下支えする。
市場の実質成長が年 +8〜10% で数年続き、シェアも 6.7% を保てば、2028 年の純利益は 25 億ドルに届き、10 年後も 45 億ドル規模になる。純現金と自社株買いで 1 株の価値も増える。
慎重な見方
慎重な見方は、利益率と受注残の質を突く。第 1 に、営業利益率 10% は 2006〜2022 年の 2〜5.6% の約 2 倍で、需給の逼迫が作った山。建設・設備工事の通常の利益率は 4〜6% で、競争が戻れば 6〜7% へ下がる。第 2 に、受注残の消化率が 85% から 75% に下がり、大型化で工期が延びている。受注残の約 3 分の 1 強がデータセンターで、州のモラトリアムや電力の接続待ちで止まると、売上の山が崩れる。
第 3 に、競合が増えている。FIX は既存店で 30% 台の成長、クアンタは電力網から電気工事を広げ、ローゼンディンなどの非上場の大手も人員を増やす。工事会社の供給(人員・工場)が増えれば、価格と利益率に効く。第 4 に、固定価格契約での労務費の上昇と資材高は、受注から消化までの期間が長いほど利益を削る。
今の値段(GAAP の PER 26 倍・PBR 9 倍)は、弱い堀の設備工事会社の倍率(正当化 PER 約 13.6 倍、置いた中立は 10.9 倍)を上回る。事業が計画どおりでも倍率が縮めば、10 年のリターンは物価並みにとどまる。リーマンの時はエムコアの株価は山から 58% 下がった。
どちらに重みを置いたか
強気の見方(受注残の厚さ・サービスの安定・分散した需要)は強いが、慎重な見方の「利益率の山」と「競争・データセンターの崩れ」は、10 年で構造的な負け(13%)とやや悲観(21%)の合計 34% に割り当てた。
10 年は、データセンター以外の分散と純現金が下を支えるが、利益率の堀は薄いので、中立(34%)の営業利益率は今の 9.6% より低い 8.4% に置いた。事業の質は強気の見方が勝ち、値段の見方は慎重な見方が勝つ。確率は拮抗し、倍率は式が決める。倍率は利益ベースの正当化 PER の内側(中立は 8 割)に置いた結果、総合は今の時価総額に対し -43%で「割高」。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 620.49 ドル280 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 227.39 ドル103 億ドル)。 今の値に割り戻すと 409.89 ドル185 億ドル、今との差 −41.4%、 期待の年率 +1.9%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 1,409 ドル636 億ドル | 277.10 ドル125 億ドル | +141.2% | +9.2% | 168.61 ドル76 億ドル |
| やや楽観 | 22% | 938.52 ドル424 億ドル | 275.55 ドル124 億ドル | +73.6% | +5.7% | 267.09 ドル121 億ドル |
| 中立 | 34% | 563.51 ドル254 億ドル | 227.04 ドル103 億ドル | +13.1% | +1.2% | 268.79 ドル121 億ドル |
| やや悲観 | 21% | 305.23 ドル138 億ドル | 185.84 ドル84 億ドル | −29.8% | −3.5% | 103.13 ドル47 億ドル |
| 悲観 | 13% | 134.01 ドル61 億ドル | 175.65 ドル79 億ドル | −55.7% | −7.8% | 40.26 ドル18 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 620.49 ドル280 億ドル | 227.39 ドル103 億ドル | +21.3% | +1.9% | 847.87 ドル383 億ドル |
今の株価時価総額 699.17 ドル316 億ドル(2026-10-21)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.0% を下回るほど割高。
楽観 10% データセンター・電力・半導体の建設が長く続き、電気と機械の一体提供が堀になる 利益 47 億ドル · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 1,409 ドル636 億ドル
AI・電力・半導体の建設が 2030 年代も続く。ネットワーク・通信の市場は 3,000 億ドル(実質、2025 年の 3.75 倍)、EME のシェアは 7.4%、価格は物価を少し上回る 1.45 倍。電気と機械を一体で請け負えるので、冷却と電源をまとめて発注したい顧客(ハイパースケーラー)に選ばれ続ける。その他の非住宅も半導体の工場・医療・公共で市場が 3,300 億ドルに増え、シェア 3.4%。営業利益率は 10.9%(技術 13.5%・その他 10.5%・サービス 8.0%)で、FIX の楽観 10 年(約 14%)より低い(EME は電気・機械に加えサービスと本社費が利益率を薄める)。2035 年の売上は 569 億ドル(技術 322・その他 160・サービス 87。2025 年の 3.3 倍)、営業利益 61.8 億ドル(10.9%)、純利益 46.6 億ドル。10 年間の還元の合計は約 125 億ドル。
- ネットワーク・通信(データセンター中心)の電気・機械工事:数量 3,000(データセンター・通信の機械・電気工事の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 10.7%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 322 億ドル・営業利益 44 億ドル。市場 3,000 億ドル × シェア 7.4% × 価格 1.45 倍
- その他の非住宅の電気・機械工事(製造・医療・公共・商業・水処理):数量 3,300(データセンターを除く非住宅の電気・機械の工事市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 4.9%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 160 億ドル・営業利益 17 億ドル。市場 3,300 億ドル × シェア 3.4% × 価格 1.43 倍
- 建物サービス・産業サービス(英国は 2025 年 12 月に売却):数量 2,527(商業・産業ビルの設備の保守・修繕と産業の定期修繕の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 3.4%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 87 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 2,527 億ドル × シェア 2.40% × 価格 1.43 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 24.6%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 14.2%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 14.4 倍。データセンター・電力の建設が長く続く姿でも、請負は競争入札で堀が弱いので、上限の 9.5 割の 13.7 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:楽観は 10%(FIX の担当と同じ)。データセンター・電力・半導体の建設が 2030 年代も続き、受注の質(長期契約・前受金)も保たれる筋書き。EME は電気と機械の両方を持つので、大型案件の取りこぼしが少ない。
やや楽観 22% 高い需要が続き、利益率は 9% 台後半に落ち着く 利益 33 億ドル · PER 12.8 倍 · 株価時価総額 938.52 ドル424 億ドル
高水準の需要が続くが、2027〜2028 年の山のような伸びは終わる。ネットワーク・通信の市場は 2,400 億ドル(実質)、EME のシェアは 6.8%、価格は 1.42 倍。非住宅の他分野は市場 3,150 億ドルでシェア 3.2%。競争(FIX のモジュラー、クアンタの電力網、専業の電気工事)で利益率は 9.6% に落ち着く(技術 12.3%・その他 9.7%・サービス 7.8%)。2035 年の売上は 455 億ドル(技術 232・その他 143・サービス 81。2025 年の 2.7 倍)、営業利益 43.7 億ドル(9.6%)、純利益 33.0 億ドル。10 年間の還元の合計は約 124 億ドル。
- ネットワーク・通信(データセンター中心)の電気・機械工事:数量 2,400(データセンター・通信の機械・電気工事の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 9.7%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 232 億ドル・営業利益 29 億ドル。市場 2,400 億ドル × シェア 6.8% × 価格 1.42 倍
- その他の非住宅の電気・機械工事(製造・医療・公共・商業・水処理):数量 3,150(データセンターを除く非住宅の電気・機械の工事市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 4.5%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 143 億ドル・営業利益 14 億ドル。市場 3,150 億ドル × シェア 3.2% × 価格 1.42 倍
- 建物サービス・産業サービス(英国は 2025 年 12 月に売却):数量 2,467(商業・産業ビルの設備の保守・修繕と産業の定期修繕の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 3.3%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 81 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 2,467 億ドル × シェア 2.30% × 価格 1.42 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 23.8%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 13.9%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 14.3 倍。高い需要が続き利益率が 9% 台後半に落ち着く姿でも、堀が弱いので、上限の 9.0 割の 12.8 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:やや楽観は 22%(FIX の担当と同じ)。高水準の需要が続き、利益率は 9% 台後半に落ち着く。
中立 34% 需要は残るが、競争で利益率は 8% 台に正常化する 利益 23 億ドル · PER 10.9 倍 · 株価時価総額 563.51 ドル254 億ドル
データセンターの建設は 2030 年代も続くが、2027〜2028 年の山のような伸びは終わる。ネットワーク・通信の市場は 2035 年に実質 1,800 億ドル(2025 年の 2.25 倍。FIX の担当と同じ)、EME のシェアは 6.2%(今の 6.7% から下がる。FIX のモジュラーと顧客の発注の分散で)。その他の非住宅は市場 3,000 億ドル(実質)でシェア 3.0%、サービスは市場 2,400 億ドルでシェア 2.25%。価格は物価並みの 1.41 倍。営業利益率は 8.4%(技術 11.5%・その他 9.0%・サービス 7.5%、本社費 −4.8 億ドル)。2023 年の 7.0% を上回り、2006〜2022 年の 2.3〜5.6% には戻らない。FIX の中立 10 年(11.5%)より低いのは、利益率の高い技術の比率が低く、利益率の低い分野が混ざるため。2035 年の売上は 360 億ドル(技術 157・その他 127・サービス 76。2025 年の 2.1 倍)、営業利益 30.4 億ドル(8.4%)、純利益 23.4 億ドル。10 年間の還元の合計は約 103 億ドル。
- ネットワーク・通信(データセンター中心)の電気・機械工事:数量 1,800(データセンター・通信の機械・電気工事の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 8.7%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 157 億ドル・営業利益 18 億ドル。市場 1,800 億ドル × シェア 6.2% × 価格 1.41 倍
- その他の非住宅の電気・機械工事(製造・医療・公共・商業・水処理):数量 3,000(データセンターを除く非住宅の電気・機械の工事市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 4.2%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 127 億ドル・営業利益 11 億ドル。市場 3,000 億ドル × シェア 3.0% × 価格 1.41 倍
- 建物サービス・産業サービス(英国は 2025 年 12 月に売却):数量 2,400(商業・産業ビルの設備の保守・修繕と産業の定期修繕の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 3.2%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 76 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 2,400 億ドル × シェア 2.25% × 価格 1.41 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 19.4%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 12.5%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 13.6 倍。需要は残るが競争で利益率が 8% 台に正常化し、堀が弱いので、上限の 8.0 割の 10.9 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:中立は 34%(FIX の担当は 33%)。需要は残るが、2027〜2028 年の山のような伸びは終わり、利益率は競争で 8% 台に戻る。
やや悲観 21% 山が低く終わり、需給の緩みで利益率が 6% 台へ 利益 14 億ドル · PER 10.1 倍 · 株価時価総額 305.23 ドル138 億ドル
山が低く終わり、工事会社の供給(人員・工場)が需要を上回る。ネットワーク・通信の市場は 2035 年に実質 1,250 億ドル(2025 年の 1.6 倍)、EME のシェアは 5.9%、価格は 1.38 倍。非住宅の他分野も市場が 2,800 億ドルで伸び悩む。営業利益率は 6.1%(技術 8.5%・その他 7.0%・サービス 7.0%)。2023 年の 7.0% を下回るが、2006〜2022 年の 5% 前後よりは上。2035 年の売上は 281 億ドル(技術 102・その他 108・サービス 71。2025 年の 1.7 倍)、営業利益 17.1 億ドル(6.1%)、純利益 13.6 億ドル。10 年間の還元の合計は約 84 億ドル。
- ネットワーク・通信(データセンター中心)の電気・機械工事:数量 1,250(データセンター・通信の機械・電気工事の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 8.1%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 102 億ドル・営業利益 9 億ドル。市場 1,250 億ドル × シェア 5.9% × 価格 1.38 倍
- その他の非住宅の電気・機械工事(製造・医療・公共・商業・水処理):数量 2,800(データセンターを除く非住宅の電気・機械の工事市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 3.9%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 108 億ドル・営業利益 8 億ドル。市場 2,800 億ドル × シェア 2.80% × 価格 1.38 倍
- 建物サービス・産業サービス(英国は 2025 年 12 月に売却):数量 2,333(商業・産業ビルの設備の保守・修繕と産業の定期修繕の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 3.0%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 71 億ドル・営業利益 5 億ドル。市場 2,333 億ドル × シェア 2.20% × 価格 1.38 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 14.7%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 10.9%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 12.7 倍。山が低く終わり需給の緩みで利益率が 6% 台へ下がる姿なので、上限の 8.0 割の 10.1 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:やや悲観は 21%(FIX の担当と同じ)。山が低く終わり、需給の緩み(工事会社の供給増)で価格が鈍る。
悲観 13% AI 投資が不発に終わり、薄利の普通の設備工事会社に戻る 利益 6 億ドル · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 134.01 ドル61 億ドル
AI 投資が収益に結びつかず、2027〜2028 年の山のあとデータセンターの建設が大きく縮み、ネットワーク・通信の市場は 2035 年も実質 900 億ドル(2025 年の 1.1 倍)。工事会社の供給は需要より大きく、EME のシェアは 5.2%、価格は物価より 6% 低い 1.33 倍。営業利益率は 3.8%(技術 6.0%・その他 4.5%・サービス 6.0%)で、2006〜2010 年の 2〜5% と同じ。売上は 2025 年の 1.27 倍(物価の上昇分とほぼ同じで、数量は増えない)。買収を続けた分ののれんの重さと、大型案件の失敗(固定価格契約)が利益を削る。10 年後は「優良な設備工事会社」ではなく、普通の薄利の工事会社に戻る。2035 年の売上は 216 億ドル(技術 62・その他 88・サービス 66。2025 年の 1.3 倍)、営業利益 8.2 億ドル(3.8%)、純利益 6.4 億ドル。10 年間の還元の合計は約 79 億ドル。
- ネットワーク・通信(データセンター中心)の電気・機械工事:数量 900(データセンター・通信の機械・電気工事の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 6.9%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 62 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 900 億ドル × シェア 5.2% × 価格 1.33 倍
- その他の非住宅の電気・機械工事(製造・医療・公共・商業・水処理):数量 2,600(データセンターを除く非住宅の電気・機械の工事市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 3.4%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 88 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 2,600 億ドル × シェア 2.50% × 価格 1.35 倍
- 建物サービス・産業サービス(英国は 2025 年 12 月に売却):数量 2,267(商業・産業ビルの設備の保守・修繕と産業の定期修繕の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア)× 価格 2.9%(エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1))→ 売上 66 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 2,267 億ドル × シェア 2.10% × 価格 1.38 倍
倍率:利益ベースの正当化 PER:事業の ROE 11.3%(純利益 ÷ 自己資本)、k 9.00%、堀は弱い(残る割合 0.33)で RONIC = k + 残る割合 ×(ROE − k)= 9.8%。長期の g 4.0% で (1 − g÷RONIC)÷(k − g) = 上限 11.8 倍。AI 投資が不発で薄利の普通の工事会社に戻る姿なので、上限の 8.0 割の 9.4 倍に置いた。純利益は GAAP。
確率:構造的に負ける悲観は 13%(FIX の担当は 14%)。FIX はデータセンターが売上の約 6 割で一本足に近く 14% としたが、EME は約 3 割で、医療・公共・サービスが下を支えるため 1 pt 薄くした。ただし利益率が元から低く(9%)、悲観では 3〜4% まで落ちて余裕が無いので、これ以上は薄くしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ネットワーク・通信(データセンター中心)の電気・機械工事
データセンター・通信施設の電気工事・空調・冷却・配管。2026 年上期の売上は 31.4 億ドル(前年比 +64%)で、受注残の約 36% がデータセンター。
| 数量データセンター・通信の機械・電気工事の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア | 価格エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 800 | 5.4% | 43 | 6 |
| 10 年後 中立 | 1,800 | 8.7% | 157 | 18 |
取り方:市場 × シェア × 価格指数。市場は同じ領域の FIX の担当と同じ推定(ハイパースケーラーの設備投資のうち建物・電気・冷却の分と、colocation・新興・半導体の工場の設備工事。約 800 億ドル、幅 500〜1,000)。売上 43 億ドルは 10-Q のネットワーク・通信(2025 年上期 19.1 億ドル、2026 年上期 31.4 億ドル)から 2025 年の下期を約 24 億ドルと置いた推定。シェア 5.4%(2026 年の推定は 6.7% まで上がる)。営業利益率は非開示で、電気と機械の合計 12.5% から技術 13.5%・その他 11% と推定(電気の 2026 年 4〜6 月期は 13.9%)。競合は FIX(技術が売上の 58%)、クアンタ、ローゼンディンなどの非上場の電気工事会社。
その他の非住宅の電気・機械工事(製造・医療・公共・商業・水処理)
半導体・製薬などの製造・産業、病院、学校・政府、オフィス・商業、水・下水の電気・機械工事。2026 年は公共と製造が強い。
| 数量データセンターを除く非住宅の電気・機械の工事市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア | 価格エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,800 | 2.8% | 77 | 9 |
| 10 年後 中立 | 3,000 | 4.2% | 127 | 11 |
取り方:市場 × シェア × 価格指数。市場は FIX の担当と同じ推定(米国の非住宅の建設支出 約 8,000 億ドルからデータセンターを除き、機械・電気の割合 約 35% で約 2,800 億ドル)。売上 77 億ドルは、電気と機械の工事の合計(2025 年 約 120 億ドル)からネットワーク・通信 43 億ドルを引いた推定。シェア 2.75%(FIX は 1.55%。エムコアは医療・公共・製造に厚い)。営業利益率は 11% と推定(電気と機械の合計 12.5%・技術 13.5%・本社費を除く)。競合は FIX、ジェイコブズ、地域の工事会社。
建物サービス・産業サービス(英国は 2025 年 12 月に売却)
商業ビルの保守・修繕・エネルギー管理、製油所・発電所の定期修繕。景気に左右されにくい。2025 年の売上には売却した英国事業(約 5 億ドル)を含む。
| 数量商業・産業ビルの設備の保守・修繕と産業の定期修繕の市場(億ドル、2025 年の値段)× シェア | 価格エムコアのシェア × 価格指数(2025 年 = 1) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 2,000 | 2.5% | 50 | 4 |
| 10 年後 中立 | 2,400 | 3.2% | 76 | 6 |
取り方:市場 × シェア × 価格指数。市場は FIX の担当の保守市場 1,500 億ドル(推定)に産業サービス分 500 億ドル(推定)を足して約 2,000 億ドル。売上 49.5 億ドルは、米国建物サービス約 31 億ドル+米国産業サービス約 13.5 億ドル+英国約 5 億ドル(上期の実績の倍を基にした推定)。シェア 2.5%(売却した英国を除くと 2.2%。筋書きのシェアは売却後の値で置く)。営業利益率は 7% と推定(建物サービス・産業サービスは工事より薄い)。競合はジョンソンコントロールズ(JCI)、トレイン(TT)、キャリア(CARR)のサービス部門、地域の保守会社。
リスクと懸念
建設・設備投資の景気循環(リーマン級の不況)
2008 年末から 2010 年に売上が 29% 減り(2009 年は −18%)、営業利益率は 4〜5%、株価は 2007-06 から 2009-02 に −58%。今は受注残が厚いが、民間投資が止まれば受注が減り、固定費(人員)が先行して利益率が落ちる。10 年の悲観・やや悲観には、この規模の谷の年(営業利益率 5% 前後)を含む。
データセンターの建設の凍結・電力の接続待ち
受注残の約 36% がデータセンター向け(上期の売上の約 32%)。州のモラトリアム(凍結)や電力網の接続待ち、ハイパースケーラーの投資の見直しで、受注が止まり消化が遅れる。消化率は過去の 85% から 75% に下がった。10 年のやや悲観・悲観(34%)はこの山の崩れを含む。
固定価格契約での労務費・資材費の上昇
受注から消化まで 1〜2 年かかる固定価格案件で、技能者の賃金や資材(銅・鋼材・変圧器)が上がると、転嫁できずに利益が削られる。営業利益率は 2006〜2022 年の 2〜5.6% が普通で、今の 9〜10% は需給の逼迫が作った高さ。
競合の拡大と工事会社の供給増
FIX は既存店で年 30% 台の成長と利益率 17%、クアンタは受注残 336 億ドルで電気工事を拡大、非上場の大手も増員している。供給が需要を上回ると、価格と利益率が下がる。エムコアのシェア 6.7%(技術)が下がる筋書きは、10 年の中立 6.2%・悲観 5.2%。
買収の統合と大型案件の失敗
毎年数社の買収を積み、2026 年は 4 社が成立待ち(上期は 4 社・頭金 1.0 億ドル)。のれんと無形資産が増え、統合に失敗すれば減損する。保証(サーティ債)は受注残の約 25%(43 億ドル)に使われ、大型案件の失敗は保証の負担と評判に響く。
今の値段が成熟後の倍率を上回る
GAAP の PER は約 26 倍、PBR は約 9 倍。利益ベースの正当化 PER は 10 年の中立で 13.6 倍(k 9.0%・g 4.0%・ROE 19%・堀は弱い)、置いた中立は 10.9 倍。事業が計画どおりでも倍率が縮めば 10 年のリターンは物価並みにとどまる。
今後の分かれ目
- 2027 年に受注残の消化率がさらに下がり、受注が 12 か月分を割る
- 10 年のやや悲観に寄る。営業利益率は 8% 台に下がり、数年後の純利益は 12〜13 億ドル。式の倍率も下がり(成長の鈍化)、時価総額は中立をさらに下回る。
- データセンターの受注が 4 半期連続で前年割れ、または州のモラトリアムが主要州に広がる
- ネットワーク・通信の市場が 1,100 億ドル(実質)以下に縮む筋書き(やや悲観〜悲観)の確率が上がる。非住宅の他分野が支えるが、全社の営業利益率は 8% 前後へ。
- 電気・機械の利益率が 14% を超え、機械も電気の 13.9% に近づく
- 技術の営業利益率 15% の筋書き(楽観)が見え、2028 年の純利益は 25 億ドルに届く。楽観・やや楽観の確率を上げる。
- 固定価格の大型案件で損失を出し、累積の見積もり修正(キャッチアップ)が悪化に転じる
- 営業利益率が 1〜2 pt 下がる。2026 年上期は 0.42 億ドルの上振れで、これが反転すると利益の質に疑いが出る。
- FIX・クアンタが大型のデータセンター案件で値引き競争を始める
- 価格が物価を下回り(1.30〜1.38 倍)、利益率が 2〜3 pt 下がる。10 年のやや悲観・悲観の合計が 4 割へ。
- 電力・半導体・医療の建設が長引き、非住宅の他分野の市場が実質 +2% 以上で伸びる
- その他の非住宅のシェア 3.2〜3.4% が保たれ、10 年の純利益は 33〜45 億ドル。楽観側の確率を上げる。
見ておくもの
- 受注残(RPO)の増減と消化率(12 か月で売上になる割合)、ネットワーク・通信の受注と売上の伸び
- 電気・機械それぞれの営業利益率(電気の第 2 四半期 13.9%)と全社の営業利益率(9.6% 前後が通期の見通し)
- データセンターの州のモラトリアム、電力の接続待ち、ハイパースケーラーの設備投資の見通し
- 労務費・資材費(銅・変圧器)の上昇と、固定価格案件の累積の見積もり修正(キャッチアップ)
- FIX・クアンタの受注残と利益率、非上場の大手(ローゼンディンなど)の増員
- 買収(成立待ち 4 社)と自社株買いの額、純現金の推移
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価を見る前に、数量 × 価格で積んだ利益から利益ベースの正当化 PER((1−g/RONIC)/(k−g)、RONIC=k+残る割合×(事業の ROE−k))で出した。10 年の中立は正当化 PER の上限 13.6 倍(k 9.00%・g 4.0%・ROE 19%・堀は弱い)の 8 割 = 10.9 倍。設備工事の受注残 171 億ドルは山の利益で、工事の請負は競争入札で堀が弱い(moat=weak)。ただし人手の確保と現場の実行力で利益率が崩れにくく、 悲観側は構造的な負けの筋書きとして上限の内側に置いた。今の株価や過去の倍率に寄せて選んだ値ではなく、全筋書きが検査の上限(正当化 PER × 事業の純利益の 1.1 倍)の内側に収まっている。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 5% + β 1.10 × 5%。k = 基本 8.0% + quality 1.0% = 9.0%。設備工事で建設の山谷に利益が振れ(ただし売上の約 3 割は保守・サービスで安定)循環に +0.75%、請負は競争入札で固定価格契約の失敗もあり値決めに +0.25%、純現金で借金は 0、寿命は 0。データセンターへの集中・買収の統合などの個別のリスクは k に足さず、数量・利益率と確率(悲観を厚く)で表した。上乗せは 0。