結論
ローリンズ(Rollins)は、オーキン(Orkin)などのブランドで米国を中心に住宅・商業の害虫駆除とシロアリ防除を営む、この業界の最大手である。2025 年の売上は 37.6 億ドル(前年比 +11.0%、うち既存分 +6.9%、買収 +4.1%)、営業利益は 7.3 億ドル(率 19.3%)、GAAP の純利益は 5.3 億ドルで、売上の約 75% が定期契約、約 10% が付帯、約 15% が単発である。顧客は 200 万件を超え、従業員は約 2.2 万人。
2026 年は伸びが鈍っている。4〜6 月は売上 +7.9% だが既存分は +5.7% にとどまり、営業利益率は 18.7%(前年比 −1.1 ポイント)。検索・広告・電話の問い合わせに頼る住宅ブランドで引き合いが減ったためで、住宅の既存分は +3.6%、商業は +7.2%、シロアリ・付帯は +8.9% と、区分でばらつきが大きい。時価総額は 2026 年 4 月の約 260 億ドルから 160 億ドル台へ縮んだ。
この分析は売上を「市場の件数 × シェア × 1 件あたりの単価」で積み、成長を ROE から出していない。米国の構造害虫駆除の市場は 2025 年に約 134 億ドル(前年比 +6%、うち物価分が約 3.5 ポイント)で、事業者は約 1.7 万社、8 割は 1〜2 拠点の地場業者である。ローリンズはその 3 割弱を持ち、レントキル・イニシャル(Rentokil、旧ターミニクスを含む)より速く伸びてシェアを取っている。
地場業者の買収で年 2〜3% 上乗せする分は、使う現金(対価は売上の約 2.2 倍)と利益をセットで置いた。のれんは自己資本とほぼ同額だが、買収で伸びる会社なので ROE の元手から除かなかった。利益ベースの上限の内側(中立 23.3 倍)で置いても、価値は今の値段を 1 割弱上回り、総合は適正と出る。ただし 10 年の悲観(旧来の営業で負け、利益率が 14.5% へ落ちる)を 10% と厚めに置いた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、ローリンズは「10 年後も存在し、今より強いか」を問える数少ない事業である。害虫は景気に関係なく出るし、家庭は安心を買うので、定期契約は止まりにくい。2008〜09 年のリーマンの時も、株価の下げは山から谷で 26% にとどまった(配当込み)。堀は、技術者の密度による費用の優位・ブランド・地場業者を買って自社の仕組みに乗せる力で、これが広がるか狭まるかは、レントキルの立て直しと買い手の競りで決まる。
オーナー利益(株主のものになる利益)は大きい。設備投資が売上の 0.7% しかなく、フリーキャッシュフローは純利益の約 1.2 倍(2025 年 6.5 億ドル)。ここから買収に使う現金(2025 年 3.1 億ドル、純利益の約 6 割)を引いた残りが配当と自社株買い(5.5 億ドル)に回り、足りない分は借入で補った。のれんの積み上がりが主な資本の使い道である。経営は買収に慣れているが、買収が高くなると価値を壊す。フォックス・サエラなど大きめの買収が続いたので、統合の結果は 2〜3 年のうちに出る。
安全域は薄い。今の PER は 30.5 倍(GAAP)で、利益ベースの上限(約 26 倍)を大きく上回り、中立の 23 倍より高い。株価は 2026 年に約 3 割下がったが、まだ割安な水準とは言えない。ただし、利益が年 7〜8% 伸びて 10 年たつと、利益ベースの倍率でも今の値段の 1.6 倍まで届くので、中立でも差が出る。確信度は高いが、倍率が高いぶん、伸びの鈍化に弱い。そのため確率は慎重な見方に寄せた。
何で稼ぐ会社か
売上は 3 つの区分に分かれる(2025 年)。住宅の害虫駆除 16.9 億ドル(45%)は、ゴキブリ・アリ・ネズミ・蚊などを戸建て・集合住宅の定期契約(年 4〜6 回の訪問)で防ぐ。商業 12.4 億ドル(33%)は、飲食店・食品工場・ホテル・病院・倉庫など法人の事業所の定期契約で、衛生基準の監査対応が付く。シロアリ・付帯 7.8 億ドル(21%)は、シロアリの防除・床下や断熱の工事・野生動物の駆除で、新築や住宅売買のタイミングで単発の大きな売上が立ち、その後に年次の点検契約が付く。残りの 0.4 億ドルはフランチャイズ加盟店からの収入など。
収益の構造は、①契約の件数(市場の件数 × 取る割合)、②1 件あたりの単価(年 3〜4% の値上げ、訪問の頻度、付帯サービス)、③定着率(年間契約で高い)の 3 つ。費用の大半は技術者・営業・車両・化学薬品の人件費と運行費で、設備投資は売上の 0.7% しかない(資本が軽い)。そのため営業利益は売上の約 2 割で、フリーキャッシュフローは純利益を上回る(2025 年 6.5 億ドル)。
拡大の道は 3 つある。有機的な成長(値上げ・クロスセル・新規の契約)、買収、そして海外(売上の約 7%、英国・オーストラリアなど)。買収は 2024 年にフォックス(Fox Pest Control、全米 13 位)、2025 年にサエラ(Saela、同 23 位)を含む 26 件、2026 年にロメックス(Romex、同 39 位)と続き、地場業者を年 20〜30 件ずつ買っている。ブランドはオーキンのほか、買収した地域ブランドを残して使い分け、住宅ビルダー・訪問営業・不動産会社といった関係を通した営業と、検索広告・電話の問い合わせの両方で顧客を取る。
優良さと弱いところ
堀は 3 つある。第一に、規模の経済。技術者の密度が高いほど 1 回の訪問のコスト(移動・配車)が下がるので、地域ごとにシェアの高い業者が儲かる。ローリンズは全米のほぼ全域に拠点を持ち、中小の業者より 1 件あたりの費用が低い。第二に、ブランドと信頼。家庭に入って薬剤を使う仕事なので、価格より安心で選ばれ、年次契約の更新が続く(売上の約 75% が定期)。第三に、買収の仕組み。地場業者を買い、ブランドを残したまま車両・仕入・営業を統合する手順を 20 年以上繰り返している。
競合との比べでは、レントキルの北米の害虫駆除の利益率は 2026 年上半期で 19.7%、売上は +3.1%(4〜6 月の既存分 +2.4%)で、ローリンズの既存分 +5.7% を下回る。旧ターミニクスの商業顧客を整理中で、北米の 2027 年の 20% の利益率目標は取り下げた。ローリンズの調整後営業利益率は 19.5%(2026 年 4〜6 月、GAAP は 18.7%)で、レントキルの北米の害虫駆除(19.7%)とほぼ同じ。つまり利益率で圧倒しているのではなく、伸びと買収の手際で上回っている。
弱い点は 3 つ。①住宅の引き合いが検索・広告・電話に頼るブランドで落ち、住宅の既存分が +3.6% に鈍った。②営業利益率が 2026 年上半期に前年比 −1.2 ポイントと下がった。③買収の件数が多く、統合の失敗がまとまって出る危険がある。資本効率は ROE が 38%(2025 年)と高いが、自社株買いと配当で自己資本が小さいためで、それだけで伸びを意味しない。のれん(14.5 億ドル)は自己資本とほぼ同額で、有形の自己資本はほぼゼロである。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
米国の構造害虫駆除(サービス)の市場は、業界の統計で 2025 年に約 134 億ドル(前年比 +6%)。広い定義(庭の手入れや製品を含む)では 290 億ドル台になるが、ここでは狭い定義に合わせた。事業者は約 1.7 万社で、81% は 1〜2 拠点しかなく、市場の相当な部分を地場の業者が持つ。上位は、ローリンズ、レントキル(旧ターミニクスを統合した北米の最大の競合)、アンティシメックス(Anticimex、スウェーデンの未上場)、エコラボ(Ecolab、商業向け)の順に並ぶ(順位は推定)。
需要の構造は、①住宅の数と気温(夏が長く暖かいほど虫の発生期が延び、シロアリの活動域も北へ広がる)、②飲食・食品・宿泊・医療の法人の衛生基準、③都市化とネズミ・南京虫など、④殺虫剤の規制と、薬剤を減らす総合防除への移行、である。気温の上昇は需要の追い風として働くので、この分析では楽観の筋書きにだけ上乗せ(市場の件数 +0.5 ポイント)し、中立には入れなかった。
いまの位置は、住宅の引き合いの谷。2026 年の 4〜6 月に、問い合わせに頼る住宅ブランドで引き合いが減り、6 月末から回復している(会社の説明)。レントキルも北米で、住宅の引き合いが 6 月から 7 月にかけて弱く、シロアリの引き合いも落ちたと述べた。つまり会社固有ではなく、業界全体の需要の弱さが出ている。商業の定期契約は +7.2% と堅調で、景気の山谷に左右されにくい。
競争の形は、都市ごとの密度の勝負と、買収による集約。中小の業者の 8 割が 1〜2 拠点で、後継者難から売りに出る会社が多く、ローリンズ・レントキル・アンティシメックスや、投資ファンド系の寄せ集め会社(ロールアップ)が買い手として競り合う。買い手が増えると買収の値段が上がるので、ローリンズの買収の利回りは今後下がりうる。
資本政策と M&A
株主還元は配当と自社株買い。2025 年は配当 3.3 億ドル・自社株買い 2.2 億ドルで、配当は純利益の約 6 割を超える。2026 年上半期は配当 1.76 億ドル・自社株買い 0.43 億ドル。株式報酬は 2025 年に 0.4 億ドルで、純利益(GAAP)はこれを費用に入れた値である。借金は 2035 年満期の社債 5 億ドル(クーポン 5.25%)とコマーシャルペーパー約 2.2 億ドルで、純負債は調整後 EBITDA の約 1.0 倍(リース込み)。
買収は資本配分の中心。2024 年の現金は 1.6 億ドル、2025 年は 3.1 億ドル(26 件)、2026 年上半期は 1.35 億ドル。2025 年の買収は売上を約 4.1% 押し上げたので、対価は売上の約 2 倍程度(推定)。会社は 2026 年も買収で +2〜3%、中期でも年 2〜3% を目標とする。この分析は、買収の対価を売上の 2.0〜3.0 倍(筋書きで変える。競りが厳しい筋書きで高く置く)、買収した売上も同じ利益率で稼ぐとして、使う現金を payout から引いた。
のれんは 14.5 億ドルで自己資本 14.3 億ドルとほぼ同じ。有形の自己資本はほぼゼロである。買収で伸びる会社なので、のれんは「伸びに要る元手」の一部と見て、ROE の元手から除かなかった(除くと ROE が無限大に近づき、買収の費用が式に入らない)。2026 年 5 月の投資家説明会(Investor Day)では、中期で既存分 7〜8%・買収 2〜3%・フリーキャッシュフロー転換率 100% 超・増分 EBITDA 率 30〜35% を掲げた。未成立の大型買収は無い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
害虫駆除は景気が悪くても止まらない定期契約で、ローリンズは売上の約 75% を年間契約で積み上げ、定着率は高い。米国の構造害虫駆除の市場は 2025 年に 134 億ドル(+6%)で、物価分を除いても年 2.5% 前後伸びている。気温が上がって虫の発生期が延び、シロアリの活動域が広がり、商業の衛生基準も厳しくなる。市場の伸びは物価並みでは終わらない。
ローリンズの既存分の成長は 2025 年に 6.9%、2026 年 4〜6 月も 5.7% で、競合のレントキルの北米(4〜6 月 +2.4%)の倍以上である。商業(+7.2%)とシロアリ・付帯(+8.9%)は強く、住宅の弱さは問い合わせに頼るブランドに限られ、6 月末から回復している。住宅ビルダーや訪問営業など関係を通した営業は堅調だった。
買収は、後継者難の地場業者が約 1.7 万社あり、年 2〜3% の上乗せが 10 年続けられる。対価は売上の約 2 倍で、買ったあとに車両・仕入・営業を統合して利益率を引き上げるので、投資の利回りは資本コストを大きく上回る。営業利益率は 22% 台まで上がり、10 年後の純利益は 150 億ドルを超える。利益ベースの上限の内側(楽観で 32 倍台)でも、10 年後の時価総額は今の 3 倍を超える。
慎重な見方
今の PER は 30.5 倍で、成熟した事業の利益ベースの倍率(中立 23 倍)より高い。つまり市場は、既存分の成長 6〜8% と利益率の維持を前提にしている。ところが 2026 年は、既存分の見通しを 7〜8% から 6% 以上に下げ、4〜6 月は住宅の既存分が +3.6% に落ち、営業利益率は 18.7%(前年比 −1.1 ポイント)、純利益は上半期 +2.0% にとどまった。成長が鈍ったのに倍率が高いままなのは危うい。
住宅の引き合いは、検索・広告・電話に頼る部分が弱く、広告費を増やしても取れなくなっている可能性がある。レントキルも同じ弱さを述べており、一時の天候ではなく、住宅の消費者の財布の問題かもしれない。さらに、買い手が増えて買収の値段が上がり、年 2〜3% の買収の上乗せは細り、のれん(14.5 億ドル)の減損の危険が増す。技術者の賃金は物価以上に上がり、利益率は 2008 年当時の 11% 台へ向かうと見る人もいる。
地場業者の 8 割は 1〜2 拠点で、価格で競りにくいとはいえ、投資ファンド系の寄せ集め会社が資金を使って買収と値下げで攻める。商業の大口顧客を、レントキルとエコラボが値引きで取りに来る。10 年のうちには、害虫を薬剤でなく罠やセンサーで防ぐ技術が広がり、訪問の回数と単価が下がりうる。これらが重なれば、利益は伸びず、倍率だけが縮む。
どちらに重みを置いたか
強気の言い分(景気に強い定期契約・シェアを取る力・買収の利回り・利益ベースの倍率)は事業の質として強く、慎重な見方(引き合いの鈍化・利益率の低下・買収の値上がり・倍率の高さ)は短期では事実で、中立の筋書きにすでに入れた(利益率の戻りは 2035 年に 20.0% までで、2025 年の 19.3% からわずか。買収は年 2.0%)。買収は年 2.0%)。確率は、楽観 8%・やや楽観 20%・中立 40%・やや悲観 22%・悲観 10% で、倍率が高く伸びの鈍化に弱い点を踏まえ、やや悲観を同じ領域のシンタスよりわずかに厚くした。倍率を利益ベースの上限の内側に置くと、本質価値は今の値段を 1 割弱上回り、適正になる。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 50.15 ドル243 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 15.62 ドル76 億ドル)。 今の値に割り戻すと 36.62 ドル177 億ドル、今との差 +3.7%、 期待の年率 +6.4%(資本コスト 7.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 80.20 ドル388 億ドル | 19.87 ドル96 億ドル | +183.4% | +11.0% | 8.01 ドル39 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 65.39 ドル317 億ドル | 17.97 ドル87 億ドル | +136.1% | +9.0% | 16.67 ドル81 億ドル |
| 中立 | 40% | 54.05 ドル262 億ドル | 16.23 ドル79 億ドル | +99.1% | +7.1% | 28.12 ドル136 億ドル |
| やや悲観 | 22% | 33.42 ドル162 億ドル | 13.05 ドル63 億ドル | +31.6% | +2.8% | 10.22 ドル50 億ドル |
| 悲観 | 10% | 16.77 ドル81 億ドル | 10.66 ドル52 億ドル | −22.3% | −2.5% | 2.74 ドル13 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 50.15 ドル243 億ドル | 15.62 ドル76 億ドル | +86.2% | +6.4% | 65.76 ドル318 億ドル |
今の株価時価総額 35.31 ドル171 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 楽観:気温と衛生基準が市場を押し上げ、シェアを取り続けて営業利益率が 22% 台へ 利益 15 億ドル · PER 25.2 倍 · 株価時価総額 80.20 ドル388 億ドル
2035 年 12 月期。気温の上昇と法人の衛生基準で市場の件数が年 +2.0〜3.0%、住宅ビルダー・不動産会社との関係でシェアも +0.3〜1.0% 取り、価格は物価を少し上回る年 +4.0%。買収は年 2.5%(対価は売上の 2.0 倍)で、買った地場業者の車両・仕入・営業の統合が利益率を押し上げる。売上は 94.9 億ドル(年 +9.7%)、営業利益率 22.5%、営業利益 21.3 億ドル、純利益 15.4 億ドル。買収に 10 年で 29.5 億ドルを使い、配当と自社株買いの正味 96.2 億ドルを返す。レントキルは立て直しに手間取り、商業の価格競争は穏やかなまま。
- 住宅の害虫駆除(定期契約):数量 616(米国の住宅の害虫駆除の契約世帯(万世帯)の市場)× 価格 645(ローリンズのシェア × 1 世帯あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万世帯×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 40 億ドル・営業利益 9 億ドル
- 商業の害虫駆除(定期契約):数量 222(米国の商業の害虫駆除の契約事業所(万件)の市場)× 価格 1,480(ローリンズのシェア × 1 事業所あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 33 億ドル・営業利益 8 億ドル
- シロアリ・付帯(床下・断熱・野生動物):数量 653(米国のシロアリ・付帯の作業・契約の件数(万件)の市場)× 価格 331(ローリンズのシェア × 1 件あたりの売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 22 億ドル・営業利益 7 億ドル
- フランチャイズ・その他:数量 21.0(加盟・その他の契約(万件))× 価格 375(1 件あたりの収入(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 89.7%(この筋書きの純利益 15.4 ÷ 自己資本 17 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.0%(基本 8.0% + quality -1.0%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 48.3%(堀は普通:定期契約と技術者の網は強いが、地場業者の買収で伸びる分は対価に見合った利益しか生まない)。g は 3.5%(g は 3.5%(上限は k−3.5%)。内訳の目安=市場(件数)の実質 +1.0% + シェア −0.3% + 価格 +3.5%(買収による上乗せは売上と対価を別に置いた))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=26.5 倍に対し、95% の 25.2 倍に置いた(既存分の成長が戻る筋書きなので上限の近く。 ROE は自己資本が配当と自社株買いで小さく保たれるため高く出る(のれん込みの帳簿の値。ROIC から直してもほぼ同じ)。)。時価総額=純利益 15.4 億ドル × 25.2 倍=388 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:気温・衛生基準・買収が全部うまくいく筋書き。2026 年の鈍化が一時的で、利益率も 22% 台へ上がる必要があり、揃うのは 8%。
やや楽観 20% やや楽観:既存分が 6〜7% で続き、買収の利回りが保たれて利益率が 21% 台へ 利益 13 億ドル · PER 24.2 倍 · 株価時価総額 65.39 ドル317 億ドル
2035 年 12 月期。市場の件数は年 +1.8〜2.5%、商業とシロアリでシェアを年 +0.7〜0.8% 取り、住宅は現状維持。価格は年 +3.75%(物価をわずかに上回る)。買収は年 2.25%(対価は売上の 2.05 倍)。売上は 85.6 億ドル(年 +8.6%)、営業利益率 21.2%(技術者の密度と統合の効果で 2025 年の 19.3% から 1.9 ポイント上がる)、純利益 13.1 億ドル。買収に 10 年で 25.8 億ドル、配当と自社株買いの正味 87.0 億ドルを返す。住宅の引き合いは 2026 年の谷から戻る。
- 住宅の害虫駆除(定期契約):数量 601(米国の住宅の害虫駆除の契約世帯(万世帯)の市場)× 価格 598(ローリンズのシェア × 1 世帯あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万世帯×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 36 億ドル・営業利益 8 億ドル
- 商業の害虫駆除(定期契約):数量 216(米国の商業の害虫駆除の契約事業所(万件)の市場)× 価格 1,373(ローリンズのシェア × 1 事業所あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 30 億ドル・営業利益 7 億ドル
- シロアリ・付帯(床下・断熱・野生動物):数量 622(米国のシロアリ・付帯の作業・契約の件数(万件)の市場)× 価格 310(ローリンズのシェア × 1 件あたりの売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 19 億ドル・営業利益 6 億ドル
- フランチャイズ・その他:数量 21.0(加盟・その他の契約(万件))× 価格 358(1 件あたりの収入(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 79.0%(この筋書きの純利益 13.1 ÷ 自己資本 17 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.0%(基本 8.0% + quality -1.0%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 43.0%(堀は普通:定期契約と技術者の網は強いが、地場業者の買収で伸びる分は対価に見合った利益しか生まない)。g は 3.5%(g は 3.5%(上限は k−3.5%)。内訳の目安=市場(件数)の実質 +1.0% + シェア −0.3% + 価格 +3.5%(買収による上乗せは売上と対価を別に置いた))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=26.2 倍に対し、92% の 24.1 倍に置いた(成長が安定して続く筋書き。 ROE は自己資本が配当と自社株買いで小さく保たれるため高く出る(のれん込みの帳簿の値。ROIC から直してもほぼ同じ)。)。時価総額=純利益 13.1 億ドル × 24.1 倍=317 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:既存分 6〜7% が続き、買収が保たれる筋書き。会社の中期目標(既存分 7〜8%)には届かないが近い。20%。
中立 40% 中立:市場の伸びが物価に乗り、利益率は 20% へわずかに戻り、買収は年 2% 利益 11 億ドル · PER 23.3 倍 · 株価時価総額 54.05 ドル262 億ドル
2035 年 12 月期。市場の件数は住宅 +1.5%・商業 +2.0%・シロアリ +2.0%(物価を除く伸び)、シェアは住宅 −0.3%(検索・広告型のブランドの弱さが残る)・商業 +0.5%・シロアリ +0.8%、価格は物価並みの年 +3.5%(10 年で 1.41 倍)。買収は年 2.0%(対価は売上の 2.2 倍)。売上は 77.9 億ドル(年 +7.6%)、営業利益率 20.0%(今の 19.3% から、競り合いと賃金の上昇を乗り越えてわずかに戻る)、営業利益 15.6 億ドル、純利益 11.2 億ドル。買収に 10 年で 23.5 億ドルを使い、配当と自社株買いの正味 78.6 億ドルを返す。レントキルは立て直すが、ローリンズの既存分は市場より少し速い。
- 住宅の害虫駆除(定期契約):数量 586(米国の住宅の害虫駆除の契約世帯(万世帯)の市場)× 価格 554(ローリンズのシェア × 1 世帯あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万世帯×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 33 億ドル・営業利益 7 億ドル
- 商業の害虫駆除(定期契約):数量 211(米国の商業の害虫駆除の契約事業所(万件)の市場)× 価格 1,286(ローリンズのシェア × 1 事業所あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 27 億ドル・営業利益 6 億ドル
- シロアリ・付帯(床下・断熱・野生動物):数量 592(米国のシロアリ・付帯の作業・契約の件数(万件)の市場)× 価格 296(ローリンズのシェア × 1 件あたりの売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 18 億ドル・営業利益 5 億ドル
- フランチャイズ・その他:数量 21.0(加盟・その他の契約(万件))× 価格 342(1 件あたりの収入(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 66.9%(この筋書きの純利益 11.2 ÷ 自己資本 17 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.0%(基本 8.0% + quality -1.0%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 37.0%(堀は普通:定期契約と技術者の網は強いが、地場業者の買収で伸びる分は対価に見合った利益しか生まない)。g は 3.5%(g は 3.5%(上限は k−3.5%)。内訳の目安=市場(件数)の実質 +1.0% + シェア −0.3% + 価格 +3.5%(買収による上乗せは売上と対価を別に置いた))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=25.9 倍に対し、90% の 23.3 倍に置いた(景気に強い定期契約で利益の質は高いが、引き合いの鈍化と買収の値上がりがあるので 10 割にはしない。 ROE は自己資本が配当と自社株買いで小さく保たれるため高く出る(のれん込みの帳簿の値。ROIC から直してもほぼ同じ)。)。時価総額=純利益 11.2 億ドル × 23.3 倍=262 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:今の傾向(既存分 5〜6%、商業・シロアリは強く住宅は弱い)が続き、利益率が少し戻る中心の筋書き。4 割。
やや悲観 22% やや悲観:引き合いの鈍化が続き、買収が高くなり、利益率が 18% へ下がる 利益 8 億ドル · PER 20.4 倍 · 株価時価総額 33.42 ドル162 億ドル
2035 年 12 月期。住宅の引き合いの弱さが長引き、シェアは住宅 −1.0%・商業 −0.2%、市場の件数は年 +0.8〜1.2%。価格は年 +3.0%(競り合いと消費者の財布で物価に届かない)。買い手が増えて対価は売上の 2.6 倍へ上がり、買収は年 1.5% に細る。売上は 61.1 億ドル(年 +5.0%)、営業利益率 18.0%(賃金の上昇を価格で吸収できず 1.3 ポイント下がる)、営業利益 11.0 億ドル、純利益 7.9 億ドル。買収に 10 年で 18.4 億ドル、配当と自社株買いの正味 63.2 億ドルを返す。
- 住宅の害虫駆除(定期契約):数量 547(米国の住宅の害虫駆除の契約世帯(万世帯)の市場)× 価格 471(ローリンズのシェア × 1 世帯あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万世帯×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 26 億ドル・営業利益 5 億ドル
- 商業の害虫駆除(定期契約):数量 195(米国の商業の害虫駆除の契約事業所(万件)の市場)× 価格 1,094(ローリンズのシェア × 1 事業所あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 21 億ドル・営業利益 4 億ドル
- シロアリ・付帯(床下・断熱・野生動物):数量 537(米国のシロアリ・付帯の作業・契約の件数(万件)の市場)× 価格 250(ローリンズのシェア × 1 件あたりの売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 13 億ドル・営業利益 4 億ドル
- フランチャイズ・その他:数量 21.0(加盟・その他の契約(万件))× 価格 311(1 件あたりの収入(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 47.2%(この筋書きの純利益 7.9 ÷ 自己資本 17 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.0%(基本 8.0% + quality -1.0%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 27.1%(堀は普通:定期契約と技術者の網は強いが、地場業者の買収で伸びる分は対価に見合った利益しか生まない)。g は 3.5%(g は 3.5%(上限は k−3.5%)。内訳の目安=市場(件数)の実質 +1.0% + シェア −0.3% + 価格 +3.5%(買収による上乗せは売上と対価を別に置いた))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=24.9 倍に対し、82% の 20.4 倍に置いた(買収の値上がりと引き合いの鈍化で利益率が伸びない筋書き。 ROE は自己資本が配当と自社株買いで小さく保たれるため高く出る(のれん込みの帳簿の値。ROIC から直してもほぼ同じ)。)。時価総額=純利益 7.9 億ドル × 20.4 倍=162 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:2026 年の鈍化が構造的で、買収の値上がりも重なる筋書き。倍率が高く伸びの鈍化に弱いので、楽観側(やや楽観 20%)より少し厚い 22%。
悲観 10% 悲観:旧来の営業で負け、買収も細り、利益率が 14.5% へ落ちて売上の伸びが物価を下回る 利益 4 億ドル · PER 18.5 倍 · 株価時価総額 16.77 ドル81 億ドル
2035 年 12 月期。構造的な負け。投資ファンド系の寄せ集め会社とレントキルが値引きと買収で攻め、センサー・罠による総合防除で訪問の回数と単価が下がる。シェアは住宅 −2.0%・商業 −1.2%・シロアリ −1.0%、市場の件数はほぼ横ばい、価格は年 +2.0%。買収は対価が売上の 3.0 倍へ上がり年 0.5% に細り、買収したのれんの一部を減損する。売上は 42.2 億ドル(年 +1.2%)、営業利益率 14.5%(賃金の上昇と固定費で、2008 年の 11% 台には届かない)、純利益 4.4 億ドル。配当と自社株買いの正味 51.6 億ドルを返す。もう優良ではなく、成熟した普通の役務会社になる。
- 住宅の害虫駆除(定期契約):数量 505(米国の住宅の害虫駆除の契約世帯(万世帯)の市場)× 価格 351(ローリンズのシェア × 1 世帯あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万世帯×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 18 億ドル・営業利益 3 億ドル
- 商業の害虫駆除(定期契約):数量 182(米国の商業の害虫駆除の契約事業所(万件)の市場)× 価格 817(ローリンズのシェア × 1 事業所あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル
- シロアリ・付帯(床下・断熱・野生動物):数量 486(米国のシロアリ・付帯の作業・契約の件数(万件)の市場)× 価格 186(ローリンズのシェア × 1 件あたりの売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 9 億ドル・営業利益 2 億ドル
- フランチャイズ・その他:数量 21.0(加盟・その他の契約(万件))× 価格 256(1 件あたりの収入(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数)→ 売上 1 億ドル・営業利益 0 億ドル
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 43.6%(この筋書きの純利益 4.4 ÷ 自己資本 10 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 7.0%(基本 8.0% + quality -1.0%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 25.3%(堀は普通:定期契約と技術者の網は強いが、地場業者の買収で伸びる分は対価に見合った利益しか生まない)。g は 3.5%(g は 3.5%(上限は k−3.5%)。内訳の目安=市場(件数)の実質 +1.0% + シェア −0.3% + 価格 +3.5%(買収による上乗せは売上と対価を別に置いた))。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=24.6 倍に対し、75% の 18.5 倍に置いた(旧来の営業で負け、利益率が 14.5% へ落ちる構造的な負け。 ROE は自己資本が配当と自社株買いで小さく保たれるため高く出る(のれん込みの帳簿の値。ROIC から直してもほぼ同じ)。)。時価総額=純利益 4.4 億ドル × 18.5 倍=81 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:10 年の悲観は「構造的に負けて優良でなくなる」。競合の価格攻勢・防ぎ方の技術・買収の失敗が重なる場合で、2008 年も黒字を保った事業なので 10%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
住宅の害虫駆除(定期契約)
戸建て・集合住宅の定期の害虫駆除(年 4〜6 回の訪問)と単発の駆除。オーキンなどのブランドで、問い合わせ・住宅ビルダー・訪問営業から顧客を取る。
| 数量米国の住宅の害虫駆除の契約世帯(万世帯)の市場 | 価格ローリンズのシェア × 1 世帯あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万世帯×ドル」を億ドルに直す係数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 505 | 335 | 17 | 3 |
| 10 年後 中立 | 586 | 554 | 33 | 7 |
取り方:2025 年の住宅の売上 16.9 億ドル(10-K)。市場は NPMA の構造害虫駆除 134 億ドルのうち住宅の定期・単発を約 55 億ドルと置き(区分別の市場規模は開示が無く推定)、1 世帯あたり約 1,090 ドルで割って市場の契約世帯を約 505 万世帯と推定。ローリンズは約 155 万世帯、シェア 31%(推定)。価格 = シェア 31% × 1,090 ドル。営業利益率 20% は区分別の利益の開示が無いための推定(会社全体の営業利益 7.3 億ドルとの差の調整 −1.1 億ドルを別に置く)。2026 年 4〜6 月の既存分は +3.6%。
商業の害虫駆除(定期契約)
飲食店・食品工場・ホテル・病院・倉庫など法人の事業所向けの定期契約。衛生基準の監査対応と報告が付く。
| 数量米国の商業の害虫駆除の契約事業所(万件)の市場 | 価格ローリンズのシェア × 1 事業所あたりの年間売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 173 | 720 | 12 | 3 |
| 10 年後 中立 | 211 | 1,286 | 27 | 6 |
取り方:2025 年の商業の売上 12.4 億ドル(10-K)。市場の商業を約 45 億ドルと推定(区分別の市場規模は開示が無い)、1 事業所あたり約 2,600 ドルで割って約 173 万事業所。ローリンズは約 48 万事業所、シェア 28%(推定)。価格 = シェア 28% × 2,600 ドル。営業利益率 21% は推定。既存分は 2026 年 4〜6 月に +7.2%。
シロアリ・付帯(床下・断熱・野生動物)
シロアリの防除と年次点検、床下・断熱の工事、野生動物の駆除など。住宅の売買・新築を契機に単発の大きな売上が立つ。
| 数量米国のシロアリ・付帯の作業・契約の件数(万件)の市場 | 価格ローリンズのシェア × 1 件あたりの売上(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 486 | 161 | 8 | 2 |
| 10 年後 中立 | 592 | 296 | 18 | 5 |
取り方:2025 年のシロアリ・付帯の売上 7.8 億ドル(10-K)。市場は約 34 億ドルと推定(開示無し)、1 件あたり約 700 ドルで割って約 486 万件。ローリンズは約 112 万件、シェア 23%(推定)。価格 = シェア 23% × 700 ドル。営業利益率 28% は推定(付帯の工事は粗利が高い)。既存分は 2026 年 4〜6 月に +8.9%。
フランチャイズ・その他
加盟店からのロイヤルティ収入など。売上の 1% 程度。
| 数量加盟・その他の契約(万件) | 価格1 件あたりの収入(ドル)。rev_factor 0.0001 は「万件×ドル」を億ドルに直す係数 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 21.0 | 200 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 21.0 | 342 | 1 | 0 |
取り方:2025 年の売上 0.42 億ドル(10-K のフランチャイズ・その他)。件数 21 万件・1 件あたり 200 ドルは推定で、筋書きでは数量を伸ばさず価格だけ物価並みに上げる(買収の上乗せの対象外)。2026 年 4〜6 月は前年比 −7.4%。
リスクと懸念
住宅の引き合いの鈍化
2026 年 4〜6 月に、検索・広告・電話の問い合わせに頼る住宅ブランドで引き合いが減り、住宅の既存分は +3.6% に落ちた。6 月末から回復したと会社は述べるが、レントキルも住宅とシロアリの引き合いの弱さを述べており、消費者の需要の弱さが続けば、住宅の既存分が 3% 台にとどまる。住宅は売上の 45% を占める。
利益率の低下
営業利益率は 2026 年 4〜6 月に 18.7%(前年比 −1.1 ポイント)、上半期は 17.5%(−1.2 ポイント)。技術者の賃金・車両・保険の費用が物価以上に上がる一方、値上げは物価並みにとどまる。利益ベースの倍率が高いので、利益率が 1 ポイント下がるごとに価値が約 5% 動く。会社は 2026 年の増分 EBITDA 率を 10% 以上と見ており、中期目標(30〜35%)との開きが大きい。
買収の値上がりと統合の失敗
買い手(ローリンズ・レントキル・アンティシメックス・投資ファンド系の寄せ集め会社)が増えると、対価は売上の 2 倍から 3 倍へ上がる。2024 年のフォックス、2025 年のサエラなど大きめの買収が続き、統合の失敗がまとまって出ると、のれん 14.5 億ドルの減損もありうる。対価を払い過ぎれば、年 2〜3% の上乗せが価値を増やさない。
レントキルの立て直しと価格の競り合い
レントキルは旧ターミニクスの商業顧客を整理し、2027 年の北米の利益率目標を取り下げて、営業の再投資に回すと述べた。北米の害虫駆除の利益率は 19.7% で、ローリンズとほぼ同じ。立て直しが進めば、商業の大口顧客の価格競争が激しくなり、住宅のシェアも取り返される。
人件費と労働力の確保
売上の約 6 割は技術者・営業の人件費とみられ(推定)、約 2.2 万人の従業員の賃金上昇と離職が利益率に直結する。移民の制限で労働力が細ると賃金が物価以上に上がる。AI で営業・予約の事務は減らせても、現場の訪問は減らせない。
薬剤の規制と害虫の防ぎ方の技術
殺虫剤の使用規制が強まり、総合防除(薬剤を減らし、罠・センサー・建物の補修を重視)に移ると、訪問の単価と頻度が下がる。センサーによる遠隔監視が広がれば、訪問の回数がさらに減る。10 年の悲観の主因の一つで、中立の筋書きでは単価の伸びを物価並みにとどめた。
倍率の縮み
今の PER 30.5 倍は利益ベースの値(上限 26 倍・中立 23 倍)より高く、成長が鈍ると倍率が先に縮む。金利が 5% で動かない前提でも、利益の伸びが 5% を割ると利益ベースの値は大きく下がる。
今後の分かれ目
- 住宅の既存分が 2 四半期続けて +3% を下回り、問い合わせの量が戻らない
- 住宅は売上の 45% なので、やや悲観の確率を上げる。広告費の効率とビルダー・訪問営業の比率を確認する。
- 住宅の既存分が +5% 以上に戻り、商業・シロアリも +7% 以上を保つ
- 中立からやや楽観へ確率を移す。2026 年 4〜6 月の鈍化が一時的だったことになる。
- 営業利益率が 2027 年に 19% を回復せず、17% 台が続く
- 中立の利益率(2035 年 20.0%)を下げ、やや悲観・悲観の確率を上げる。費用の内訳(賃金・保険・広告)を確認する。
- 買収の対価が売上の 3 倍近くへ上がる、または大型買収で統合の失敗が出る
- 買収の上乗せを年 1.5% 以下に置き直す。のれんの減損が出れば、10 年の悲観の確率を上げる。
- レントキルの北米の既存分が +4% 以上に戻り、商業の価格競争が激しくなる
- ローリンズのシェア獲得の前提(商業 +0.5%、シロアリ +0.8%)を下げる。
- 株価が下がり、PER が 24 倍台(利益ベースの中立の値)まで縮む
- 利益ベースの値との差がさらに開く。既存分の成長が 6% を保っているかを確認し、保っていれば割安が強まる。
見ておくもの
- 住宅・商業・シロアリ付帯の既存分の成長率(四半期)と問い合わせの量
- 営業利益率と増分 EBITDA 率(会社の見通し 10% 以上、中期目標 30〜35%)
- 買収の件数・対価(売上の何倍か)・のれんの残高
- レントキルの北米の既存分と利益率(旧ターミニクスの整理の進み)
- 技術者の賃金の伸びと従業員数
- フリーキャッシュフロー転換率(100% 超の目標)と自社株買いの額
- 2026 年 10 月下旬の第 3 四半期の決算と 2027 年の見通し
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の PER 30.5 倍に寄せず、k 7.0%(基本 8.0% + quality −1.0%)、長期の成長 g 3.5%(k−3.5%。市場の件数 +1.0%・シェア −0.3%・価格 +3.5% の内訳の目安)、ROE(のれん込みの帳簿の自己資本。ROIC から直してもほぼ同じ)と moat 普通から利益ベースの正当化 PER(10 年の中立で上限 25.9 倍)を出し、その 9 割の 23.3 倍に置いた。景気に強い定期契約で利益の質は高いが、引き合いの鈍化と買収の値上がりがあるので 10 割にはしない。式の値を下げる理由は g(悲観・やや悲観で市場の件数・シェアを下げた)と利益率に入れ、成長は ROE から出していない。市場の倍率や業界ノートの倍率には寄せていない。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 5% + β 0.83 × 5%。k=基本 8.0% + quality −1.0% = 7.0%。定期契約で景気に強く、利益が長く続く事業なので下げた(堀は普通なので下げは −0.5% を超えてよい)。引き合いの鈍化・買収の値上がり・利益率の低下・レントキルとの競り合いなどの個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表した。純負債は小さく、上乗せは置かない。