結論
テクストロン(Textron)は、ビジネスジェットのセスナ・シタシオンとビーチクラフト(テクストロン・アビエーション)、軍用ティルトローター MV-75 を量産へ進めるベル、装甲車や無人機のシステムズ、自動車の樹脂燃料タンクと E-Z-GO のゴルフカーを持つ工業、縮小中の金融子会社でできた複合企業である。2025 年の売上は 148 億ドル(+8%)、GAAP の純利益は 9.2 億ドル。会社が示す調整後 EPS 6.10 は LIFO 引当(在庫の物価上昇という実費)と償却を戻した値なので使わず、GAAP を使う。2026 年上期は売上 75 億ドル(+7%)だが、上期のジェット納入は 77 機(前年 80 機)と市場の伸び(上期 +8%)に届かず、4〜6 月期のアビエーションの利益は 3% 減った。ベルの MV-75 は 2026 年夏に資金が切れて作業停止命令が出たが、9 月に 2.0 億ドルが流用された。工業は 2026 年 4 月に分離を発表し、売却を先行させている(成立前なので含めて評価する)。
売上は、ジェット(世界の新造 854 機 × シェア 20% × 単価)、アフターマーケット(稼働機 × 1 機あたり)、軍用(防衛の調達・研究開発予算 × ベルの取り分)など 10 の単位の数量 × 価格で積み上げた。中立の 2035 年の純利益は 17 億ドル(2025 年の 1.9 倍、2026 年の見通しから年 7% 弱)、利益ベースの PER は上限 15.4 倍の 8.2 割の 12.6 倍に置いた。
バリュー投資の観点では、受注残 188 億ドルと防衛の長期契約、アフターマーケットの安定が土台になる。ただし利益の質は割り引く必要がある。2025 年の税引き前利益の約 2 割は年金の非勤務収益(2.66 億ドル)で、LIFO 引当は 2.0 億ドルの実費になる。時価総額 131 億ドルは GAAP の純利益の 14 倍で、確率で加重した本質価値は今より 2 割ほど高い(総合 +23%、やや割安)。結論の大部分は、倍率が今の 14 倍より低い 12.6 倍でも、利益が 10 年で 1.9 倍(年 7% 弱)になる分で今の値段を上回ることによる。ジェットの循環と MV-75 の失敗は悲観の確率(10 年 14%)と深さで表した。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず 10 年後もこの事業があるかを問う。ジェットの稼働機と防衛契約が生む部品・整備の収益は残り、MV-75 が量産に入れば 20 年以上の取り分になる。一方、ジェットは景気に左右され、2010 年の赤字のような年がまた来うる。堀は広くなく、ブランドと稼働機の基盤に頼る。
次にオーナー利益。2025 年の GAAP の純利益 9.2 億ドルのうち、年金の非勤務収益(税引き後 約 2.1 億ドル)は事業の稼ぎではない。これを除くと 7 億ドル強、時価総額の約 5%。製造部門の営業キャッシュフローから設備投資を引いた値は 2025 年に約 9 億ドルだが、2026 年は 7〜8 億ドルに下がる。成長に再投資が要る事業(MV-75 の量産投資)で、オーナー利益は純利益の 8 割ほどに見るのが妥当。
資本配分は株数を減らす自社株買いで評価できるが、設備投資が膨らむ 2026〜2028 年は還元が細りうる。安全域は、時価総額 131 億ドルが GAAP の純利益の 14 倍(年金収益を除くと約 18 倍)という水準にあり、利益ベースの倍率(中立 12.6 倍)は今の倍率より低いが、利益が 1.9 倍に伸びる分があり、悲観の筋書き(確率 14%)でも還元を含めて今の時価総額近くで下げ止まる。分かりにくい複合企業で、確信度は中程度。利益の伸びは年 7% 弱と派手ではなく、k の置き方が結論を左右する。
何で稼ぐ会社か
テクストロン・アビエーション(2025 年の売上 59.6 億ドル・セグメント利益 6.9 億ドル)は、セスナ・シタシオン(ビジネスジェット 171 機)とビーチクラフト・セスナのターボプロップ(146 機)、軍用練習機などを作る。売上は新造機 39.2 億ドルとアフターマーケット(部品・整備)20.3 億ドル。世界の新造ビジネスジェット 854 機のうち 20% を占め、台数では首位。
ベル(同 42.8 億ドル・利益 3.6 億ドル)は軍用が 26.2 億ドル、民間ヘリ・部品整備が 16.6 億ドル。軍用は V-22 ティルトローターの納入(2025 年 8 機、2024 年は 14 機と H-1 を 4 機)が終わりに向かい、2022 年に陸軍が選んだ MV-75(旧 FLRAA。V-280 が原型)が試験機(2027 年まで)から LRIP 納入(2028 年から)へ移る。民間はベル 505・407・429 などの 169 機。
テクストロン・システムズ(同 12.5 億ドル・利益 1.75 億ドル)は装甲車・無人機・シミュレーションで、受注残 33 億ドル。工業(同 32.1 億ドル・利益 1.45 億ドル)は、カウテックス(自動車の樹脂燃料タンク・電池ケース。18.8 億ドル)とテクストロン・スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか。13.3 億ドル)。金融子会社の売上は 0.75 億ドル・利益 0.49 億ドル、資産 6.8 億ドルに対し自己資本は約 2.9 億ドルで、自社機の購入を支える小さな存在。
売上は数量 × 価格で積む。ジェットは市場の機数 × シェア × 単価、アフターマーケットは稼働機(推定 2.5 万機)× 1 機あたりの年間売上、ベルの軍用とシステムズは防衛の調達・研究開発予算(約 3,000 億ドル)× 各社の取り分、民間ヘリは市場 × シェア × 単価、カウテックスは搭載車両数 × 1 台あたりの金額。分けた単価・稼働機数・市場規模のうち開示がないものは推定で、各セグメントの how に書いた。
優良さと弱いところ
強みは 4 つ。第 1 に、ジェットの台数シェア。2025 年は 171 機で、ガルフストリーム(158)・ボンバルディア(157)・エンブラエル(155)より多い。軽量〜中型の領域ではテクストロンとエンブラエルが中心で、ガルフストリームとボンバルディアは競わない。第 2 に、アフターマーケット。稼働機に紐づく部品・整備は新造の景気に左右されにくく、アビエーションの売上の 34%、利益の半分前後を稼ぐ(推定)。第 3 に、受注残 188 億ドル(アビエーション 80 億・ベル 75 億・システムズ 33 億)。第 4 に、MV-75 を陸軍が選んだこと(2022 年)。量産に入れば 20〜30 年の取り分になる。
弱みも 4 つ。第 1 に、工場の効率。アビエーションの社員の半数超が勤続 5 年未満で、2026 年 4〜6 月期の利益は 3% 減。利益率は 11.7%(2025 年)で、ガルフストリームの航空宇宙部門(2026 年 4〜6 月期 14.5%)より低い。第 2 に、受注残が増えていない。ガルフストリームは 205 億ドル(2023 年末)から 240 億ドルへ、ボンバルディアは 142 億ドルから 218 億ドルへ積み上がったが、アビエーションは 2024 年末 78 億ドル、2026 年 6 月末 80 億ドルとほぼ横ばい。第 3 に、利益の質。年金の非勤務収益 2.66 億ドル(2025 年)は営業の稼ぎではなく、LIFO 引当 2.0 億ドルは在庫の物価上昇という実費。工業は利益率 4.5% と薄い。第 4 に、ベルの固定価格での量産。LRIP の契約は 2026 年末〜2027 年初の見込みで、0.6〜1.1 億ドルの一括調整費用が出うる。
経営は自社株買いに積極的(2025 年 8.2 億ドル・1,070 万株、株数は年 5% 減)で、事業の純負債は 16 億ドルと軽い。2026 年に分離を決めた工業の売却は、複合企業のわかりにくさを解く方向に働く。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ビジネスジェットは、2025 年の新造が 854 機(+11.8%)、2026 年上期が 383 機(+8.2%)。2008 年の山(1,313 機)には届かないが、受注残は積み上がり、ガルフストリームは 240 億ドル(受注/売上 1.5 倍)、ボンバルディアは 218 億ドル(2023 年末 142 億ドル)。中古の大型機の価格は前年比 +13%、在庫は稼働機の 5.2%(10 年平均 7.0%)と少ない(2026 年 4〜6 月期の AMSTAT)。供給側の制約が価格を支えている。ガルフストリームの G280 は 2027 年第 2 四半期で最終納入となり、後継 G300 の就航は 2027〜28 年の見込みで、上級中型機に空白ができる。
循環は強い。2008 年から 2010 年に世界の新造は 1,313 機から 763 機へ 42% 減り、セスナのジェット納入は 467 機から 179 機へ 62% 減って、2010 年は赤字になった。いまは 2008 年の山の 65% の水準で、過熱はしていないが、金利 5%・景気後退の確率は無視できない。
防衛は、2027 会計年度の要求が 1.5 兆ドル(ただし調整予算は別の法案で未決)。ベルは V-22 の終わりと MV-75 の立ち上がりが重なる移行期で、陸軍は 2027 年の配備開始を目標とするが、2026 年夏には資金切れで作業停止命令が出た。民間ヘリは市場が小さく成熟しており、ベル 505 の納入が伸びる一方、競合はエアバス・ヘリコプターズ・レオナルド・ロビンソン。自動車は EV 化で燃料タンクが減り、電池ケース(ペンタトニック)が増える転換期にある。
資本政策と M&A
資本配分は自社株買い中心で、配当はごくわずか。2025 年は 8.2 億ドル(1,070 万株)、2026 年上期は 3.8 億ドル(4〜6 月期に約 230 万株・2.1 億ドル)。株数は 2024 年末の 1.83 億株から 1.72 億株(2026 年 7 月)へ減った。2026 年の設備投資は 6.5 億ドルと 2025 年の 3.8 億ドルから増え、そのうち約 3.5 億ドルが MV-75 の LRIP・長期調達品に関わる。製造部門の営業キャッシュフロー(年金拠出前)の見通しは 7〜8 億ドルで、純利益(9.4〜9.75 億ドル)の 8 割ほどにとどまる。事業の純負債は 2025 年末の 16 億ドルから 2026 年 7 月の 20 億ドルへ増えた。
工業は 2026 年 4 月 30 日に分離を発表。売却を先行させ(買い手の関心は強いと経営陣)、失敗した場合の分離上場を並行で準備し、決定は「数週間のうち」とされた(2026 年 10 月 18 日までに決定の発表は確認できない)。完了は発表から 12〜18 か月を目標にする。成立していないので、筋書きには含めて書く。売却されれば、E-Z-GO とカウテックスの利益(利益率 4〜5%)が現金に変わり、自社株買いか MV-75・ジェットへの投資に回る。2025 年 4 月にはパワースポーツ事業を売却済み。金融子会社は受取債権 5.7 億ドルの縮小中で、借入 3.4 億ドルは事業の純負債に含めず、自己資本で評価する。 なお、決算期末後に実行済みの自社株買い 3.8 億ドル(10-Q・2026 年 1 月 4 日〜7 月 4 日)は、今の株数(時価総額)に反映済みなので、10 年の還元(payout_oku)からは除いてある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ジェットの受注残は積み上がっている。2025 年の世界の新造は 854 機(+11.8%)で、2026 年上期も +8%。ガルフストリームは受注残 240 億ドル、ボンバルディアは 218 億ドルと過去最高で、テクストロンのアビエーションも 80 億ドルある。台数首位のセスナの 2026 年 4〜6 月期の納入が 40 機(前年 49 機。1〜3 月期は 37 機で前年 31 機)にとどまったのは工場の効率の問題(社員の半数超が勤続 5 年未満、供給網)で、需要の問題ではない。経営陣は年産 200 機の目標を需要が支えると言い、約 200 ベーシスポイント(約 1.5 億ドル)の利益改善の余地を示している。ガルフストリームの G280 の最終納入(2027 年)から G300 就航までの空白は、ロンジチュードなど上級中型機への追い風になる。
防衛では、MV-75 が陸軍の主力になる。最初の 6 機の部品はすでに製造中、2028 年に LRIP の納入、陸軍は 2027 年の配備開始を目標にする。V-22 の終わりを MV-75 が置き換え、ベルの軍用の取り分は予算の 0.87% から 1% 台へ上がる。2026 年夏の資金切れは、9 月に 2.0 億ドルの流用で収まった。アフターマーケットは稼働機の増加と整備の値上げで安定して伸び、利益の約半分を稼ぐ。時価総額は GAAP の純利益の 14 倍で、年金収益を除いても 18 倍にとどまる。利益ベースの倍率なら、10 年後の中立の純利益 17 億ドルに 12.6 倍がつく。
慎重な見方
2025 年の GAAP の純利益 9.2 億ドルの質は高くない。税引き前利益 11.4 億ドルのうち年金の非勤務収益が 2.7 億ドルで、事業の稼ぎではない。2026 年の見通しも純利益 +3% にとどまり、設備投資は 6.5 億ドルに増え、製造部門の営業キャッシュフロー(年金拠出前)は 7〜8 億ドルに下がる。4〜6 月期のアビエーションは利益が 3% 減、ベルも 6% 減。ジェット市場が +8% のときに上期のジェット納入は 77 機と前年(80 機)を下回った。ガルフストリームの受注残は 2023 年末から +17%、ボンバルディアは +54% 増えたのに、アビエーションは 2024 年末の 78 億ドルからほぼ横ばいで、シェアを守る力が弱い。
2008 年から 2010 年にセスナのジェット納入は 62% 減り、2010 年は赤字だった。景気後退が来れば、受注残 80 億ドルでは薄い。MV-75 は 2026 年夏に資金が切れて作業停止命令が出た。LRIP の契約で 0.6〜1.1 億ドルの一括調整費用が出うる。固定価格の開発・量産は、ボーイングの KC-46 や T-7 で主契約者に損失をもたらした前例がある。陸軍の配備は 2027 年を目標とするが、GAO の資料では量産の開始は 2029 年度から 2030 年度(約 18 か月の遅れの分析)にずれうる。
工業は利益率 4.5% と薄く、EV 化で燃料タンクが減る。分離の売却は完了まで 12〜18 か月かかり、売れなければ分離上場で、現金の入りが遅れる。10 年後の中立の見かけの PER(12.6 倍)は今の 14 倍より低いが、利益が 1.9 倍になる前提(ジェット 200 機・アビエーションの利益率 13%)が外れれば、価値は今を割りうる。今の倍率(14 倍)が続くと置けば、中立でも 10 年で価値は 2 倍に届かない。
どちらに重みを置いたか
ジェットの需要と受注残、アフターマーケット、MV-75 の選定は強気の見方が強く、シェアと MV-75 の資金・利益率に関する懸念は慎重な見方が強い。利益の質(年金収益・LIFO)は慎重な見方を採り、2028 年と 2035 年の純利益は 2026 年の見通し(9.4〜9.75 億ドル)から年 7% 弱の伸び(売上は年 5〜6%)に抑え、利益率の改善も約 200 ベーシスポイントの余地の大半までにとどめた。確率は 10 年で楽観 7%・やや楽観 20%・中立 34%・やや悲観 25%・悲観 14%。悲観側を厚く(計 39%)置いたのは、ジェットの循環(2008〜2010 年)と、アビエーションの受注残が増えていないこと、MV-75 の資金・固定価格の不確かさによる。結論は計算が決める。k 8.5% の利益ベースの倍率(上限 15.4 倍の 8 割前後)では中立が 12.6 倍になり、今の倍率 14 倍にやや届かないが、利益の伸びで本質価値は今より 2 割ほど高い。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した株価時価総額 121.30 ドル210 億ドル(+ 配当配当と自社株買いの合計 57.81 ドル100 億ドル)。 今の値に割り戻すと 92.10 ドル160 億ドル、今との差 +18.0%、 期待の年率 +8.7%(資本コスト 8.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 238.50 ドル414 億ドル | 81.79 ドル142 億ドル | +310.4% | +15.2% | 22.42 ドル39 億ドル |
| やや楽観 | 20% | 178.73 ドル310 億ドル | 72.10 ドル125 億ドル | +221.4% | +12.4% | 50.17 ドル87 億ドル |
| 中立 | 34% | 125.88 ドル218 億ドル | 62.07 ドル108 億ドル | +140.8% | +9.2% | 63.90 ドル111 億ドル |
| やや悲観 | 25% | 82.42 ドル143 億ドル | 49.74 ドル86 億ドル | +69.4% | +5.4% | 33.04 ドル57 億ドル |
| 悲観 | 14% | 38.96 ドル68 億ドル | 29.45 ドル51 億ドル | −12.3% | −1.3% | 9.58 ドル17 億ドル |
| 加重平均 | 100% | 121.30 ドル210 億ドル | 57.81 ドル100 億ドル | +129.5% | +8.7% | 179.11 ドル311 億ドル |
今の株価時価総額 78.04 ドル135 億ドル(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 7% 楽観:ジェット市場が 2008 年の山に迫り、MV-75 が量産に乗り、軍用の取り分が 1.55% へ 利益 26 億ドル · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 238.50 ドル414 億ドル
ビジネスジェットの市場が 2008 年の山(1,313 機)に迫る 1,250 機(年 +3.9%)まで戻る。テクストロンはシェア 20.5% を保ち、256 機を納め、上位機種(ロンジチュード・アセンド)へのミックスで単価は物価の 1.05 倍。ガルフストリームの G280 が 2027 年第 2 四半期に最終納入となって後継 G300 の就航が 2027〜28 年の見込みという空白が、上級中型機の追い風になる。アフターマーケットは稼働機 29,300 機に増え、1 機あたりの部品・整備が実質で 1.15 倍。ベルは MV-75 が 2028 年の量産決定から順調に立ち上がり、防衛調達・研究開発予算の取り分が今の 0.87% から 1.55% に上がる(V-22 の終了を MV-75 が埋めて余りある)。2022 年に陸軍が競争の末に選んだこの装備が、主力として量産される。2035 年の売上 314 億ドル、セグメント利益 38.0 億ドル(12.1%)、本社費・eAviation・LIFO・償却で 5.9 億ドルを引いて営業利益 32.1 億ドル、純利益 26.3 億ドル(2025 年の 9.2 億ドルの 2.9 倍)。工業は成立前の分離(売却)を含めたまま、自動車の樹脂燃料タンクの採算が 6.5% に戻る。
- ビジネスジェット新造(セスナ・シタシオン):数量 256(テクストロンの納入機数(世界の新造ビジネスジェット 854 機 × シェア 20%))× 価格 19,995,200(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 1,350 万ドル))→ 売上 51 億ドル・営業利益 7 億ドル。市場 1,250 機 × シェア 20.5% × 単価 20.0 百万ドル(今の 13.5 × 物価 1.41 × ミックス 1.05)
- ターボプロップ・ピストン・軍用機ほか新造:数量 330(機数換算(ターボプロップ 146 機 + ピストン・軍用・特装を換算した約 110 機))× 価格 9,227,570(1 機換算あたりの売上(ドル。推定 約 630 万ドル))→ 売上 30 億ドル・営業利益 4 億ドル。機数換算 330(ターボプロップ・ピストン・軍用ほか)× 単価 9.2 百万ドル(今の 6.29 × 物価 1.41 × 1.04)
- アフターマーケット(部品・整備):数量 29,300(稼働中の自社機の数(開示がなく約 2.5 万機と推定))× 価格 131,884(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 8.1 万ドル))→ 売上 39 億ドル・営業利益 7 億ドル。稼働機 29,300 × 1 機あたり 13 万ドル(今の 8.13 × 物価 1.41 × 実質 1.15)
- ベル軍用(V-22・H-1・MV-75):数量 3,600(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。業界ノートの推定 約 3,000 億ドル))× 価格 0.02(ベルの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 79 億ドル・営業利益 8 億ドル。防衛の調達+研究開発予算 3,600 億ドル(実質)× ベルの取り分 1.55% × 物価 1.41(MV-75 の立ち上がりで取り分が動く)
- ベル民間ヘリ新造:数量 235(ベルの民間ヘリ納入機数(世界の民間タービンヘリ 約 650 機(推定)× シェア 約 26%))× 価格 5,666,380(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 390 万ドル))→ 売上 13 億ドル・営業利益 1 億ドル。民間ヘリ納入 235 機(市場 約 900 機 × シェア 約 26%)× 単価 5.7 百万ドル
- ベル民間の部品・整備:数量 10,400(稼働する民間のベル機(約 9,000 機の推定。ベルの稼働機は軍用を含め約 13,000 機))× 価格 181,036(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 11.2 万ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 3 億ドル。稼働する民間機 10,400 × 1 機あたり 18 万ドル(物価 1.41 × 実質 1.15)
- テクストロン・システムズ:数量 3,600(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。ベルの軍用と同じ))× 価格 0.01(システムズの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 25 億ドル・営業利益 4 億ドル。防衛予算 3,600 億ドル(実質)× システムズの取り分 0.50% × 物価 1.41
- カウテックス(自動車の燃料タンク・電池ケース):数量 14.3(カウテックス部品を搭載する車両の数(百万台。世界の軽量車 約 9,000 万台 × 搭載率 約 14% の推定))× 価格 221(1 台あたりの搭載金額(ドル。推定 約 150 ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 2 億ドル。世界の軽自動車生産のうち搭載車 14.3 百万台 × 1 台あたり 221 ドル(物価 1.41 × 1.05)
- スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか):数量 145(販売台数(千台。開示がなく約 11 万台の推定))× 価格 17,566(1 台あたりの売上(ドル。推定 約 1.2 万ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 2 億ドル。販売 145 千台 × 1 台あたり 17,566 ドル(物価 1.41 × 1.03)
- 金融子会社(テクストロン・ファイナンス):数量 4.0(受取債権の残高(億ドル。2025 年末 5.74 億ドル))× 価格 0.12(残高に対する年間収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。受取債権の残高 4.0 億ドル × 収益率 11.5%(縮小する金融子会社。自己資本で評価)
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 26.2%(この筋書きの純利益 26.3 ÷ 自己資本 100 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 17.4%(堀は普通:セスナ・ベルの複合で、ブランドと稼働機の基盤に頼り、ジェットの循環と MV-75 の開発費があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=ビジネスジェット・ヘリ・軍用機の数量(実質年 1.5〜2%)+ 価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=17.1 倍に対し、92% の 15.7 倍に置いた(ジェットが 200 機を超え MV-75 が前倒しで進む筋書きだが、景気循環の振れが大きいので上限の 9.2 割)。時価総額=純利益 26.3 億ドル × 15.7 倍=414 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:7%。ジェット市場が 2008 年の山に迫り、シェア 20.5% を保ち、MV-75 が量産に乗り、アビエーションの効率問題が解消する条件が同時にそろう必要がある。2025 年は純利益が 9 億ドル台で、2026 年の見通しも +3% にとどまるため、10 年で 2.8 倍になる筋書きは薄く置いた。
やや楽観 20% やや楽観:ジェット市場 年 +3.0%、シェア維持、MV-75 は量産決定に至り利益率 9% 台 利益 22 億ドル · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 178.73 ドル310 億ドル
ジェット市場は 1,150 機(年 +3.0%)、テクストロンのシェアは 19.8% で 228 機、単価は物価の 1.03 倍。アフターマーケットは稼働機が 2.9 万機弱に増え、実質単価 1.13 倍。アビエーションの効率問題(社員の半数が勤続 5 年未満、供給網)が解消に向かい、経営陣が示す中期の約 200 ベーシスポイントの改善に加え、生産が伸びる分の増分利益率(20〜25%)が効いて、アビエーションの利益率は 14.1%。ベルは MV-75 が量産決定に至り、軍用の取り分は 1.35%。2035 年の売上 283 億ドル、セグメント利益 32.2 億ドル(11.3%)、本社費・eAviation・LIFO・償却で 5.6 億ドルを引いて営業利益 26.5 億ドル、純利益 21.8 億ドル(2025 年の 9.2 億ドルの 2.4 倍)。 工業は成立前の分離を含めたまま、利益率 6.5% 台。
- ビジネスジェット新造(セスナ・シタシオン):数量 228(テクストロンの納入機数(世界の新造ビジネスジェット 854 機 × シェア 20%))× 価格 19,614,400(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 1,350 万ドル))→ 売上 45 億ドル・営業利益 6 億ドル。市場 1,150 機 × シェア 19.8% × 単価 19.6 百万ドル(今の 13.5 × 物価 1.41 × ミックス 1.03)
- ターボプロップ・ピストン・軍用機ほか新造:数量 315(機数換算(ターボプロップ 146 機 + ピストン・軍用・特装を換算した約 110 機))× 価格 9,050,120(1 機換算あたりの売上(ドル。推定 約 630 万ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 3 億ドル。機数換算 315(ターボプロップ・ピストン・軍用ほか)× 単価 9.1 百万ドル(今の 6.29 × 物価 1.41 × 1.02)
- アフターマーケット(部品・整備):数量 28,600(稼働中の自社機の数(開示がなく約 2.5 万機と推定))× 価格 129,590(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 8.1 万ドル))→ 売上 37 億ドル・営業利益 7 億ドル。稼働機 28,600 × 1 機あたり 13 万ドル(今の 8.13 × 物価 1.41 × 実質 1.13)
- ベル軍用(V-22・H-1・MV-75):数量 3,520(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。業界ノートの推定 約 3,000 億ドル))× 価格 0.02(ベルの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 67 億ドル・営業利益 6 億ドル。防衛の調達+研究開発予算 3,520 億ドル(実質)× ベルの取り分 1.35% × 物価 1.41(MV-75 の立ち上がりで取り分が動く)
- ベル民間ヘリ新造:数量 215(ベルの民間ヘリ納入機数(世界の民間タービンヘリ 約 650 機(推定)× シェア 約 26%))× 価格 5,501,340(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 390 万ドル))→ 売上 12 億ドル・営業利益 1 億ドル。民間ヘリ納入 215 機(市場 約 830 機 × シェア 約 26%)× 単価 5.5 百万ドル
- ベル民間の部品・整備:数量 10,000(稼働する民間のベル機(約 9,000 機の推定。ベルの稼働機は軍用を含め約 13,000 機))× 価格 177,888(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 11.2 万ドル))→ 売上 18 億ドル・営業利益 2 億ドル。稼働する民間機 10,000 × 1 機あたり 18 万ドル(物価 1.41 × 実質 1.13)
- テクストロン・システムズ:数量 3,520(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。ベルの軍用と同じ))× 価格 0.01(システムズの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 23 億ドル・営業利益 4 億ドル。防衛予算 3,520 億ドル(実質)× システムズの取り分 0.47% × 物価 1.41
- カウテックス(自動車の燃料タンク・電池ケース):数量 13.8(カウテックス部品を搭載する車両の数(百万台。世界の軽量車 約 9,000 万台 × 搭載率 約 14% の推定))× 価格 215(1 台あたりの搭載金額(ドル。推定 約 150 ドル))→ 売上 30 億ドル・営業利益 2 億ドル。世界の軽自動車生産のうち搭載車 13.8 百万台 × 1 台あたり 215 ドル(物価 1.41 × 1.02)
- スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか):数量 135(販売台数(千台。開示がなく約 11 万台の推定))× 価格 17,054(1 台あたりの売上(ドル。推定 約 1.2 万ドル))→ 売上 23 億ドル・営業利益 2 億ドル。販売 135 千台 × 1 台あたり 17,054 ドル(物価 1.41 × 1.00)
- 金融子会社(テクストロン・ファイナンス):数量 4.0(受取債権の残高(億ドル。2025 年末 5.74 億ドル))× 価格 0.12(残高に対する年間収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。受取債権の残高 4.0 億ドル × 収益率 11.5%(縮小する金融子会社。自己資本で評価)
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 21.9%(この筋書きの純利益 21.8 ÷ 自己資本 99 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 15.2%(堀は普通:セスナ・ベルの複合で、ブランドと稼働機の基盤に頼り、ジェットの循環と MV-75 の開発費があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=ビジネスジェット・ヘリ・軍用機の数量(実質年 1.5〜2%)+ 価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=16.4 倍に対し、87% の 14.2 倍に置いた(アビエーションの効率が中期目標に向かう筋書き)。時価総額=純利益 21.8 億ドル × 14.2 倍=310 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:20%。受注残 188 億ドルとアフターマーケットの伸びで中立より上に行く余地は十分あるが、ジェットの利益率 13% 台と MV-75 の取り分 1.35% は、今の工場の効率(社員の半数が勤続 5 年未満)を考えると全部は届きにくい。
中立 34% 中立:ジェット 200 機・アフターマーケット年 +5%、MV-75 は計画どおり、利益率は緩やかに改善 利益 17 億ドル · PER 12.6 倍 · 株価時価総額 125.88 ドル218 億ドル
ジェット市場は 1,050 機(年 +2.1%。2008 年の山にはまだ届かない)、テクストロンのシェアは 19.0%(2025 年 20.0%。2026 年上期は市場 +8% に対してテクストロンのジェットは前年を下回る)で 200 機。経営陣が年産 200 機を目標とし、その水準に届く。単価は物価並み(1.41 倍)。アフターマーケットは稼働機 27,700 機(年 +1%)で 1 機あたり実質 +1.0%/年、アビエーションの利益率は 13.0%(2025 年 11.7%。中期に約 200 ベーシスポイント改善の余地を、増分利益率 20〜25% で取る)。ベルは V-22 の納入が 2025 年の 8 機(2024 年は 14 機)と減って終わりに向かい、MV-75 が試験機(2027 年まで)から LRIP 納入(2028 年から)、量産へと立ち上がる。取り分は 1.15%(今 0.87%)、利益率は固定価格の量産で 8.5%。民間ヘリは年 195 機で部品・整備が収益の柱。2035 年の売上 254 億ドル、セグメント利益 26.4 億ドル(10.4%)、本社費・eAviation・LIFO・償却で 5.4 億ドルを引いて営業利益 21.0 億ドル、純利益 17.3 億ドル(2025 年の 9.2 億ドルの 1.9 倍)。システムズは防衛予算並みに伸びる。工業(カウテックス・E-Z-GO)は分離の売却が成立しても利益は同程度とみて含める。
- ビジネスジェット新造(セスナ・シタシオン):数量 200(テクストロンの納入機数(世界の新造ビジネスジェット 854 機 × シェア 20%))× 価格 19,043,100(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 1,350 万ドル))→ 売上 38 億ドル・営業利益 4 億ドル。市場 1,050 機 × シェア 19.0% × 単価 19.0 百万ドル(今の 13.5 × 物価 1.41 × ミックス 1.00)
- ターボプロップ・ピストン・軍用機ほか新造:数量 295(機数換算(ターボプロップ 146 機 + ピストン・軍用・特装を換算した約 110 機))× 価格 8,872,670(1 機換算あたりの売上(ドル。推定 約 630 万ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 3 億ドル。機数換算 295(ターボプロップ・ピストン・軍用ほか)× 単価 8.9 百万ドル(今の 6.29 × 物価 1.41 × 1.00)
- アフターマーケット(部品・整備):数量 27,700(稼働中の自社機の数(開示がなく約 2.5 万機と推定))× 価格 126,150(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 8.1 万ドル))→ 売上 35 億ドル・営業利益 6 億ドル。稼働機 27,700 × 1 機あたり 13 万ドル(今の 8.13 × 物価 1.41 × 実質 1.10)
- ベル軍用(V-22・H-1・MV-75):数量 3,470(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。業界ノートの推定 約 3,000 億ドル))× 価格 0.02(ベルの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 56 億ドル・営業利益 5 億ドル。防衛の調達+研究開発予算 3,470 億ドル(実質)× ベルの取り分 1.15% × 物価 1.41(MV-75 の立ち上がりで取り分が動く)
- ベル民間ヘリ新造:数量 195(ベルの民間ヘリ納入機数(世界の民間タービンヘリ 約 650 機(推定)× シェア 約 26%))× 価格 5,501,340(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 390 万ドル))→ 売上 11 億ドル・営業利益 1 億ドル。民間ヘリ納入 195 機(市場 約 750 機 × シェア 約 26%)× 単価 5.5 百万ドル
- ベル民間の部品・整備:数量 9,700(稼働する民間のベル機(約 9,000 機の推定。ベルの稼働機は軍用を含め約 13,000 機))× 価格 173,165(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 11.2 万ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。稼働する民間機 9,700 × 1 機あたり 17 万ドル(物価 1.41 × 実質 1.10)
- テクストロン・システムズ:数量 3,470(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。ベルの軍用と同じ))× 価格 0.01(システムズの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 21 億ドル・営業利益 3 億ドル。防衛予算 3,470 億ドル(実質)× システムズの取り分 0.43% × 物価 1.41
- カウテックス(自動車の燃料タンク・電池ケース):数量 13.2(カウテックス部品を搭載する車両の数(百万台。世界の軽量車 約 9,000 万台 × 搭載率 約 14% の推定))× 価格 211(1 台あたりの搭載金額(ドル。推定 約 150 ドル))→ 売上 28 億ドル・営業利益 1 億ドル。世界の軽自動車生産のうち搭載車 13.2 百万台 × 1 台あたり 211 ドル(物価 1.41 × 1.00)
- スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか):数量 125(販売台数(千台。開示がなく約 11 万台の推定))× 価格 17,054(1 台あたりの売上(ドル。推定 約 1.2 万ドル))→ 売上 21 億ドル・営業利益 1 億ドル。販売 125 千台 × 1 台あたり 17,054 ドル(物価 1.41 × 1.00)
- 金融子会社(テクストロン・ファイナンス):数量 4.0(受取債権の残高(億ドル。2025 年末 5.74 億ドル))× 価格 0.12(残高に対する年間収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。受取債権の残高 4.0 億ドル × 収益率 11.5%(縮小する金融子会社。自己資本で評価)
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 17.6%(この筋書きの純利益 17.3 ÷ 自己資本 98 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 13.0%(堀は普通:セスナ・ベルの複合で、ブランドと稼働機の基盤に頼り、ジェットの循環と MV-75 の開発費があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=ビジネスジェット・ヘリ・軍用機の数量(実質年 1.5〜2%)+ 価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=15.4 倍に対し、82% の 12.6 倍に置いた(セスナ・ベルの複合で堀は中程度、ジェットの循環と MV-75 の開発費があり、上限すれすれには置かない)。時価総額=純利益 17.3 億ドル × 12.6 倍=218 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:34%。10 年の筋書きで最も厚く置いた。ジェット 200 機は経営陣が年産の目標とする水準、MV-75 は陸軍が配備を前倒しする計画の延長で、アビエーションの利益率は中期の改善余地(約 200 ベーシスポイント)の大半を取る。
やや悲観 25% やや悲観:ジェットのシェアが 18% に落ち、MV-75 の量産が遅れ、利益率は今より低いまま 利益 12 億ドル · PER 11.7 倍 · 株価時価総額 82.42 ドル143 億ドル
ジェット市場は 940 機(年 +1.0%)、テクストロンのシェアは 18.0% に落ちて 169 機。ガルフストリーム(2025 年 158 機・受注残 240 億ドル)・エンブラエル(155 機)・ボンバルディア(157 機・受注残 218 億ドル)は受注残が積み上がっているのに対し、テクストロンのアビエーションの受注残は 80 億ドルでほぼ横ばいで、新型の Gen3 ライトジェットが遅れると押される。単価は物価の 0.99 倍。工場の効率の回復が遅れ、アビエーションの利益率は 11.4% にとどまる。MV-75 は 2026 年夏の作業停止命令に見られる資金の細りと、LRIP の一括調整費用で量産の決定が遅れ、取り分は 0.95%、利益率 7.0%。工業はカウテックスが EV 化で単価を落とし 4.4%。2035 年の売上 222 億ドル、セグメント利益 20.2 億ドル(9.1%)、本社費・eAviation・LIFO・償却で 5.1 億ドルを引いて営業利益 15.0 億ドル、純利益 12.2 億ドル(2025 年の 9.2 億ドルの 1.3 倍)。
- ビジネスジェット新造(セスナ・シタシオン):数量 169(テクストロンの納入機数(世界の新造ビジネスジェット 854 機 × シェア 20%))× 価格 18,852,700(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 1,350 万ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 3 億ドル。市場 940 機 × シェア 18.0% × 単価 18.9 百万ドル(今の 13.5 × 物価 1.41 × ミックス 0.99)
- ターボプロップ・ピストン・軍用機ほか新造:数量 270(機数換算(ターボプロップ 146 機 + ピストン・軍用・特装を換算した約 110 機))× 価格 8,783,940(1 機換算あたりの売上(ドル。推定 約 630 万ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 2 億ドル。機数換算 270(ターボプロップ・ピストン・軍用ほか)× 単価 8.8 百万ドル(今の 6.29 × 物価 1.41 × 0.99)
- アフターマーケット(部品・整備):数量 26,500(稼働中の自社機の数(開示がなく約 2.5 万機と推定))× 価格 120,416(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 8.1 万ドル))→ 売上 32 億ドル・営業利益 5 億ドル。稼働機 26,500 × 1 機あたり 12 万ドル(今の 8.13 × 物価 1.41 × 実質 1.05)
- ベル軍用(V-22・H-1・MV-75):数量 3,380(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。業界ノートの推定 約 3,000 億ドル))× 価格 0.01(ベルの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 45 億ドル・営業利益 3 億ドル。防衛の調達+研究開発予算 3,380 億ドル(実質)× ベルの取り分 0.95% × 物価 1.41(MV-75 の立ち上がりで取り分が動く)
- ベル民間ヘリ新造:数量 175(ベルの民間ヘリ納入機数(世界の民間タービンヘリ 約 650 機(推定)× シェア 約 26%))× 価格 5,446,320(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 390 万ドル))→ 売上 10 億ドル・営業利益 0 億ドル。民間ヘリ納入 175 機(市場 約 670 機 × シェア 約 26%)× 単価 5.4 百万ドル
- ベル民間の部品・整備:数量 9,300(稼働する民間のベル機(約 9,000 機の推定。ベルの稼働機は軍用を含め約 13,000 機))× 価格 165,294(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 11.2 万ドル))→ 売上 15 億ドル・営業利益 2 億ドル。稼働する民間機 9,300 × 1 機あたり 17 万ドル(物価 1.41 × 実質 1.05)
- テクストロン・システムズ:数量 3,380(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。ベルの軍用と同じ))× 価格 0.01(システムズの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 19 億ドル・営業利益 2 億ドル。防衛予算 3,380 億ドル(実質)× システムズの取り分 0.40% × 物価 1.41
- カウテックス(自動車の燃料タンク・電池ケース):数量 12.6(カウテックス部品を搭載する車両の数(百万台。世界の軽量車 約 9,000 万台 × 搭載率 約 14% の推定))× 価格 207(1 台あたりの搭載金額(ドル。推定 約 150 ドル))→ 売上 26 億ドル・営業利益 1 億ドル。世界の軽自動車生産のうち搭載車 12.6 百万台 × 1 台あたり 207 ドル(物価 1.41 × 0.98)
- スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか):数量 115(販売台数(千台。開示がなく約 11 万台の推定))× 価格 16,713(1 台あたりの売上(ドル。推定 約 1.2 万ドル))→ 売上 19 億ドル・営業利益 1 億ドル。販売 115 千台 × 1 台あたり 16,713 ドル(物価 1.41 × 0.98)
- 金融子会社(テクストロン・ファイナンス):数量 3.5(受取債権の残高(億ドル。2025 年末 5.74 億ドル))× 価格 0.12(残高に対する年間収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。受取債権の残高 3.5 億ドル × 収益率 11.5%(縮小する金融子会社。自己資本で評価)
倍率:利益ベースの正当化 PER(SCHEMA §1-1)。事業の ROE 12.5%(この筋書きの純利益 12.2 ÷ 自己資本 97 億ドル。帳簿の値)は先で薄れ、RONIC=k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)+ 残る割合 0.50 ×(ROE − k)= 10.5%(堀は普通:セスナ・ベルの複合で、ブランドと稼働機の基盤に頼り、ジェットの循環と MV-75 の開発費があり、残る割合は 1/2)。g は 4.0%(g は 4.0%(上限)。内訳の目安=ビジネスジェット・ヘリ・軍用機の数量(実質年 1.5〜2%)+ 価格の物価 3.5%。倍率の g は上限の 4% で止める)。正当化 PER=(1 − g ÷ RONIC) ÷ (k − g)=13.8 倍に対し、85% の 11.7 倍に置いた(ジェットが 169 機にとどまり MV-75 の資金不足が出る筋書き)。時価総額=純利益 12.2 億ドル × 11.7 倍=143 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:25%。ジェットはガルフストリーム(受注残 2023 年末 205 億→240 億ドル)とボンバルディア(142 億→218 億ドル)の受注残が積み上がるのに対し、テクストロンのアビエーションは 2024 年末 78 億ドルから 2026 年 6 月末 80 億ドルとほぼ横ばいで、シェアを守れない可能性が十分ある。MV-75 は 2026 年夏に資金切れで作業停止命令が出た履歴があり、量産決定が遅れる確率も高い。
悲観 14% 悲観:シェアを失い MV-75 が縮小し、工業も採算を欠いて、もう優良ではなくなる 利益 6 億ドル · PER 10.6 倍 · 株価時価総額 38.96 ドル68 億ドル
ジェット市場は 850 機にとどまり、テクストロンはシェアを 16.0% に失って 136 機。ガルフストリームやエンブラエルが新型を揃え、セスナの設計が古く、品質と納期の問題で取り込めない。単価は物価の 0.97 倍。アフターマーケットも稼働機が増えず、利益率 15%。MV-75 は予算の細りと固定価格開発契約の損失で縮小し、軍用の取り分は 0.70%(H-1 など既存の装備と同程度)、利益率 4.5%。民間ヘリ・工業(EV 化でカウテックスの燃料タンクが消える)も採算を欠く。もう優良ではなく、利益率 7.0% のくすんだ複合企業になる。2035 年の売上 186 億ドル、セグメント利益 13.1 億ドル(7.0%)、本社費・eAviation・LIFO・償却で 4.9 億ドルを引いて営業利益 8.3 億ドル、純利益 6.4 億ドル(2025 年の 9.2 億ドルの 0.7 倍)。
- ビジネスジェット新造(セスナ・シタシオン):数量 136(テクストロンの納入機数(世界の新造ビジネスジェット 854 機 × シェア 20%))× 価格 18,471,800(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 1,350 万ドル))→ 売上 25 億ドル・営業利益 1 億ドル。市場 850 機 × シェア 16.0% × 単価 18.5 百万ドル(今の 13.5 × 物価 1.41 × ミックス 0.97)
- ターボプロップ・ピストン・軍用機ほか新造:数量 235(機数換算(ターボプロップ 146 機 + ピストン・軍用・特装を換算した約 110 機))× 価格 8,606,490(1 機換算あたりの売上(ドル。推定 約 630 万ドル))→ 売上 20 億ドル・営業利益 1 億ドル。機数換算 235(ターボプロップ・ピストン・軍用ほか)× 単価 8.6 百万ドル(今の 6.29 × 物価 1.41 × 0.97)
- アフターマーケット(部品・整備):数量 25,200(稼働中の自社機の数(開示がなく約 2.5 万機と推定))× 価格 114,682(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 8.1 万ドル))→ 売上 29 億ドル・営業利益 4 億ドル。稼働機 25,200 × 1 機あたり 11 万ドル(今の 8.13 × 物価 1.41 × 実質 1.00)
- ベル軍用(V-22・H-1・MV-75):数量 3,250(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。業界ノートの推定 約 3,000 億ドル))× 価格 0.01(ベルの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 32 億ドル・営業利益 1 億ドル。防衛の調達+研究開発予算 3,250 億ドル(実質)× ベルの取り分 0.70% × 物価 1.41(MV-75 の立ち上がりで取り分が動く)
- ベル民間ヘリ新造:数量 150(ベルの民間ヘリ納入機数(世界の民間タービンヘリ 約 650 機(推定)× シェア 約 26%))× 価格 5,336,300(1 機あたりの売上(ドル。推定 約 390 万ドル))→ 売上 8 億ドル・営業利益 0 億ドル。民間ヘリ納入 150 機(市場 約 580 機 × シェア 約 26%)× 単価 5.3 百万ドル
- ベル民間の部品・整備:数量 9,000(稼働する民間のベル機(約 9,000 機の推定。ベルの稼働機は軍用を含め約 13,000 機))× 価格 157,423(1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 11.2 万ドル))→ 売上 14 億ドル・営業利益 2 億ドル。稼働する民間機 9,000 × 1 機あたり 16 万ドル(物価 1.41 × 実質 1.00)
- テクストロン・システムズ:数量 3,250(防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。ベルの軍用と同じ))× 価格 0.01(システムズの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価)→ 売上 17 億ドル・営業利益 2 億ドル。防衛予算 3,250 億ドル(実質)× システムズの取り分 0.36% × 物価 1.41
- カウテックス(自動車の燃料タンク・電池ケース):数量 12.0(カウテックス部品を搭載する車両の数(百万台。世界の軽量車 約 9,000 万台 × 搭載率 約 14% の推定))× 価格 200(1 台あたりの搭載金額(ドル。推定 約 150 ドル))→ 売上 24 億ドル・営業利益 1 億ドル。世界の軽自動車生産のうち搭載車 12.0 百万台 × 1 台あたり 200 ドル(物価 1.41 × 0.95)
- スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか):数量 105(販売台数(千台。開示がなく約 11 万台の推定))× 価格 16,201(1 台あたりの売上(ドル。推定 約 1.2 万ドル))→ 売上 17 億ドル・営業利益 1 億ドル。販売 105 千台 × 1 台あたり 16,201 ドル(物価 1.41 × 0.95)
- 金融子会社(テクストロン・ファイナンス):数量 3.0(受取債権の残高(億ドル。2025 年末 5.74 億ドル))× 価格 0.12(残高に対する年間収益率)→ 売上 0 億ドル・営業利益 0 億ドル。受取債権の残高 3.0 億ドル × 収益率 11.5%(縮小する金融子会社。自己資本で評価)
倍率:事業の ROE 6.2% は k 8.5%(基本 8.0% + quality +0.5%)以下なので、ためた利益は額面を割る価値で、正当化 PER は 1÷k=11.8 倍まで。90% の 10.6 倍に置いた(シェアを失い MV-75 が縮小して優良でなくなる構造的な負けの筋書き。2035 年の純利益 6.4 億ドル÷ k の稼ぐ力 75 億ドル(11.8 倍)に近い 10.6 倍に置いた。金融子会社の自己資本 2.9 億ドルは小さいので別立てにせず、10 年の還元 55 億ドルと合わせても今の時価総額 132 億ドルを下回る)。時価総額=純利益 6.4 億ドル × 10.6 倍=68 億ドル。純利益は GAAP(株式報酬は費用)。
確率:14%。ジェット市場が 10 年で伸びても、シェアが 16% に落ち、MV-75 が縮小し、工業の採算も戻らない構造的な負け筋。セスナは 2008 年から 2010 年にジェット納入が 62% 減り、2010 年は赤字になった前例がある。10 年の間に景気後退が 1 回は来る前提でも、この深さまで落ちるのは 7 回に 1 回と見た。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億ドル。
ビジネスジェット新造(セスナ・シタシオン)
シタシオン CJ・ラティチュード・ロンジチュード・アセンドなどの新造機。2025 年は 171 機。
| 数量テクストロンの納入機数(世界の新造ビジネスジェット 854 機 × シェア 20%) | 価格1 機あたりの売上(ドル。推定 約 1,350 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 171 | 13,500,000 | 23 | 2 |
| 10 年後 中立 | 200 | 19,043,100 | 38 | 4 |
取り方:2025 年の納入 171 機(4Q25 リリース)。世界は 854 機(GAMA)でシェア 20.0%。アビエーションの新造機売上 39.2 億ドル(10-K)のうち、ジェットは 1 機あたり約 1,350 万ドル(ライト〜大型の平均の推定)× 171 機 = 23.1 億ドルと置き、残り 16.1 億ドルをターボプロップ・ピストン・軍用ほかに配った。営業利益はアビエーション全体(6.94 億ドル・11.7%)を、ジェット 9%・ターボプロップ等 9.4%・アフターマーケット 16.5% に分けた推定。競合はガルフストリーム(158 機)・ボンバルディア(157)・エンブラエル(155)・ダッソー(37)。
ターボプロップ・ピストン・軍用機ほか新造
ビーチクラフト・キングエア、セスナ・キャラバンなどのターボプロップ(2025 年 146 機)、ピストン機、軍用練習機・特装機。
| 数量機数換算(ターボプロップ 146 機 + ピストン・軍用・特装を換算した約 110 機) | 価格1 機換算あたりの売上(ドル。推定 約 630 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 256 | 6,290,000 | 16 | 2 |
| 10 年後 中立 | 295 | 8,872,670 | 26 | 3 |
取り方:ターボプロップ 146 機(4Q25 リリース)。ピストン・軍用練習機・特装機の機数は開示がなく約 110 機換算の推定。アビエーション新造機売上 39.2 億ドル(10-K)からジェットの 23.1 億ドルを引いた 16.1 億ドルを 256 機換算で割った(約 630 万ドル)。営業利益 1.51 億ドル(9.4%)は推定。競合はピラタス(PC-12)・ダハー(TBM)。
アフターマーケット(部品・整備)
稼働中のシタシオン・ビーチクラフト・セスナ機の部品・整備・改修。2025 年 20.3 億ドル(アビエーション売上の 34%)。
| 数量稼働中の自社機の数(開示がなく約 2.5 万機と推定) | 価格1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 8.1 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 25,000 | 81,300 | 20 | 3 |
| 10 年後 中立 | 27,700 | 126,150 | 35 | 6 |
取り方:アフターマーケット売上 20.33 億ドル(10-K)。稼働機数は開示がなく約 2.5 万機と推定し、1 機あたり約 8.1 万ドル。営業利益 3.35 億ドル(16.5%)はアビエーション全体の利益 6.94 億ドルをジェット 9%・ターボプロップ等 9.4% と分けた残りの推定。物価(10 年 1.41 倍)に、飛行時間・機体の複雑化・整備の値上げで実質 +1%/年(10 年 1.10 倍)を加えるのを中立とした。
ベル軍用(V-22・H-1・MV-75)
軍用ヘリ(H-1)・V-22 の生産と支援、MV-75(陸軍の長距離強襲機)の開発・LRIP。2025 年 26.2 億ドル(ベル売上の 61%)。
| 数量防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。業界ノートの推定 約 3,000 億ドル) | 価格ベルの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,000 | 0.01 | 26 | 2 |
| 10 年後 中立 | 3,470 | 0.02 | 56 | 5 |
取り方:ベルの軍用売上 26.18 億ドル(10-K)÷ 予算 3,000 億ドル(業界ノートの推定)= 取り分 0.873%。V-22 の納入は 2025 年 8 機(2024 年 14 機)と終わりに向かい、MV-75 の開発(最初の 6 機の部品を製造中)・LRIP 準備が入れ替わる。営業利益 2.09 億ドル(8.0%)はベル全体 3.63 億ドル(8.5%)を軍用 8.0%・民間新造 3.5%・部品整備 13% に分けた推定。名目の価格は 10 年 1.41 倍が中立で、取り分は MV-75 の量産で上がり、中止・縮小で下がる。
ベル民間ヘリ新造
ベル 505・407・429・412 の新造。2025 年の納入は 169 機(505 が 84 機・407 が 48 機・429 が 29 機・412 が 8 機)。
| 数量ベルの民間ヘリ納入機数(世界の民間タービンヘリ 約 650 機(推定)× シェア 約 26%) | 価格1 機あたりの売上(ドル。推定 約 390 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 169 | 3,900,000 | 7 | 0 |
| 10 年後 中立 | 195 | 5,501,340 | 11 | 1 |
取り方:納入 169 機(ainonline 2026-01-29)。ベルの民間売上 16.64 億ドル(10-K)を新造 6.6 億ドルと部品・整備 10.0 億ドルに分けた推定(1 機あたり約 390 万ドル)。世界市場とシェアは推定。営業利益 0.23 億ドル(3.5%)も推定。競合はエアバス・ヘリコプターズ・レオナルド・ロビンソン。
ベル民間の部品・整備
稼働中の民間ベル機の部品・整備・改修。2025 年約 10.0 億ドル(推定)。
| 数量稼働する民間のベル機(約 9,000 機の推定。ベルの稼働機は軍用を含め約 13,000 機) | 価格1 機あたりの年間売上(ドル。推定 約 11.2 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 9,000 | 111,600 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 9,700 | 173,165 | 17 | 2 |
取り方:ベルの民間売上 16.64 億ドルから新造 6.6 億ドルを引いた 10.0 億ドルの推定。稼働機はベルの稼働総数約 13,000 機(10-K)から軍用を除いた推定 9,000 機。営業利益 1.31 億ドル(13%)は推定。物価 1.41 倍に、飛行時間・整備の値上げで実質 +1%/年を加えて中立。
テクストロン・システムズ
装甲車(ウクライナ向け 65 台を生産開始)、海兵隊の偵察車(4.5 億ドルの発注・試作 16 台)、無人機、シミュレーション。2025 年 12.5 億ドル。
| 数量防衛の調達+研究開発予算(億ドル・実質。ベルの軍用と同じ) | 価格システムズの取り分(売上 ÷ 予算)× 物価 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 3,000 | 0.00 | 12 | 2 |
| 10 年後 中立 | 3,470 | 0.01 | 21 | 3 |
取り方:売上 12.47 億ドル・セグメント利益 1.75 億ドル(14.0%)(4Q25 リリース)。予算 3,000 億ドル(業界ノートの推定)に対する取り分 0.416%。受注残 33 億ドル(2025 年末は前年末比 +27%)。名目の価格は物価並み(10 年 1.41 倍)、取り分は予算並みに保つのを中立とした。
カウテックス(自動車の燃料タンク・電池ケース)
自動車の樹脂燃料タンク、電池ケース(ペンタトニック)、視界の機器。2025 年 18.8 億ドル。
| 数量カウテックス部品を搭載する車両の数(百万台。世界の軽量車 約 9,000 万台 × 搭載率 約 14% の推定) | 価格1 台あたりの搭載金額(ドル。推定 約 150 ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12.6 | 150 | 19 | 1 |
| 10 年後 中立 | 13.2 | 211 | 28 | 1 |
取り方:カウテックス売上 18.83 億ドル(10-K)。搭載車両数・搭載率は開示がなく推定。2026 年 1〜3 月期は +8%(為替を含む)。営業利益 0.80 億ドル(4.2%)は工業全体 1.45 億ドル(4.5%)をカウテックス 4.2%・スペシャライズド・ビークルズ 4.9% に分けた推定。EV 化で燃料タンクが減り、電池ケースが増える。
スペシャライズド・ビークルズ(E-Z-GO ほか)
E-Z-GO のゴルフカー、多目的車、ジェイコブセンの芝刈り機。2025 年 13.3 億ドル(パワースポーツは 2025 年 4 月に売却済み)。
| 数量販売台数(千台。開示がなく約 11 万台の推定) | 価格1 台あたりの売上(ドル。推定 約 1.2 万ドル) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 110 | 12,090 | 13 | 1 |
| 10 年後 中立 | 125 | 17,054 | 21 | 1 |
取り方:スペシャライズド・ビークルズ売上 13.30 億ドル(10-K)。台数は推定。2026 年 1〜3 月期は −12%(パワースポーツ売却の影響 0.55 億ドルを含む)。2026 年 4〜6 月期に IEEPA 関税の払い戻し約 0.18 億ドル(税引き後)。営業利益 0.65 億ドル(4.9%)は推定。
金融子会社(テクストロン・ファイナンス)
自社機の購入を支える小さな金融。2025 年の売上 0.75 億ドル・利益 0.49 億ドル(うち資産売却益 0.17 億ドル)。
| 数量受取債権の残高(億ドル。2025 年末 5.74 億ドル) | 価格残高に対する年間収益率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 5.7 | 0.13 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 4.0 | 0.12 | 0 | 0 |
取り方:受取債権 5.74 億ドル、売上 0.75 億ドル(収益率 13%。資産売却益 0.17 億ドルを含む)、利益 0.49 億ドル(10-K)。正常な利益は売却益を除いた 0.32 億ドル前後。金融グループの借入 3.4 億ドルは受取債権に見合うため事業の純負債に含めず、自己資本(約 2.9 億ドル)に ROE から決めた PBR を掛けて評価する。
リスクと懸念
ビジネスジェットの循環(2008〜2010 年型の不況)
世界の新造は 2008 年の 1,313 機から 2010 年の 763 機へ 42% 減り、セスナのジェット納入は 467 機から 179 機へ 62% 減って 2010 年は赤字になった。いまの受注残(アビエーション 80 億ドル)は売上の約 1.3 年分と薄く、2009 年当時のような受注の取り消しが出れば工場の稼働が落ち、固定費が重くなる。10 年の悲観(確率 14%)の構造的な負け筋で表した。
シェアの低下(ガルフストリーム・エンブラエル・ボンバルディア)
2026 年上期は市場が +8% なのにテクストロンのジェットは前年を下回った。ガルフストリームの受注残は 2023 年末から 17% 増の 240 億ドル、ボンバルディアは 54% 増の 218 億ドルなのに対し、テクストロンのアビエーションは 2024 年末の 78 億ドルから 80 億ドルとほぼ横ばい。Gen3 のライトジェットの認証が遅れる、品質問題が出るなどでシェアが 20% から 16〜18% に落ちると、新造の数量とアフターマーケットの稼働機の増加がともに鈍る。
MV-75 の資金・固定価格・量産の遅れ
2026 年夏に資金が切れて作業停止命令が出て、9 月に国防総省が 2.0 億ドルを流用したが、陸軍が求めた 3.5 億ドルには届かなかった。LRIP の契約(2026 年末〜2027 年初)で 0.6〜1.1 億ドルの一括調整費用が出うる。GAO の資料では量産開始は 2029 年度から 2030 年度にずれうる。固定価格での量産損失は、他社の KC-46 や T-7 の前例がある。
アビエーションの工場の効率
アビエーションの社員の半数超が勤続 5 年未満で、2026 年 4〜6 月期の利益は 3% 減(上期の利益率 10.5%、前年上期 10.7%・2025 年通期 11.7%)。経営陣は約 1.5 億ドル(約 200 ベーシスポイント)の改善余地を「中期」と言い、第 4 四半期まで利益率の改善はない。人材の定着と重要部品の供給が戻らなければ、200 機の年産目標も増分利益率 20〜25% も遠のく。
利益の質(年金の非勤務収益・LIFO)
2025 年の税引き前利益 11.4 億ドルのうち年金の非勤務収益が 2.7 億ドル(2026 年上期は 1.4 億ドル)。債券・株式の運用成績と割引率で動く会計上の収益で、営業の稼ぎではない。LIFO 引当は 2025 年に 2.0 億ドル(2026 年上期 0.8 億ドル)で、在庫の物価上昇の実費。調整後 EPS ではどちらも戻る・外れる扱いが違うので、GAAP と比べる時は注意が要る。
工業の分離の不確かさと手元の現金
工業(売上 32 億ドル・利益 1.45 億ドル)は 2026 年 4 月に分離を発表し、売却を先行させたが、成立していない。分離の費用、税、売却価格が見えず、売れなければ分離上場になって現金の入りが遅れる。設備投資の増加(2026 年 6.5 億ドル)で製造部門のキャッシュフロー(年金拠出前)が 7〜8 億ドルに下がり、純負債は 2026 年 7 月に 20 億ドルへ増えた。自社株買いの余力が細る。
防衛予算の不確かさと関税
2027 会計年度の要求は 1.5 兆ドルだが、調整予算(約 3,500 億ドル)は別の法案で未決。つなぎ予算が続けば MV-75 の量産計画や装甲車(システムズ)の発注が遅れる。IEEPA 関税は最高裁が無効とし、スペシャライズド・ビークルズは 2026 年 4〜6 月期に約 0.18 億ドルの払い戻しを受けたが、鉄鋼・アルミの関税は残り、部品費を押し上げる。
今後の分かれ目
- 2026 年 7〜9 月期以降、アビエーションの利益率が 11% 台へ戻り、ジェット納入が前年を上回る
- 工場の効率の回復が本物になり、中立(2035 年 200 機・アビエーションの利益率 13%)から楽観側へ確率を寄せる。
- LRIP の契約が 2026 年末〜2027 年初に結ばれ、一括調整費用が 0.6 億ドルに収まる
- MV-75 の量産が計画どおり進むと見て、ベルの取り分 1.15%(2035 年中立)の確率を上げ、やや悲観の確率を下げる。
- 2027 年以降の議会の予算で MV-75 の資金が再び切れる、または固定価格の追加損失が出る
- 取り分が 0.7〜0.95% にとどまる悲観・やや悲観の確率を上げる。2026 年の流用の不足(3.5 億ドルに対し 2.0 億ドル)が繰り返されたかを見る。
- ビジネスジェットの受注が前年を大きく下回り、受注残が積み上がらず、キャンセルが出る
- 悲観・やや悲観(2008〜2010 年型の落ち込み)の確率を上げる。セスナのジェット納入が 62% 減った前例を下敷きに、10 年の悲観の利益水準で測る。
- 工業が現金で売却され、時価総額の 1 割(約 13 億ドル)以上の現金が入る
- 筋書きは含めたままなので、売却額が工業の評価(利益 1.45 億ドル × 式の倍率)を上回るか下回るかを見て、自社株買いか MV-75 への投資に回るなら価値に上乗せする。
- ガルフストリームの G300 の就航が遅れる、またはテクストロンの新型(Gen3 ライトジェット)が認証を通る
- シェア 19〜20% を保つ筋書きの確率を上げる。認証が遅れ、エンブラエルの伸びが続くなら、18% 以下の筋書きを厚くする。
見ておくもの
- アビエーションの利益率(2026 年 4〜6 月期 10.7%・上期 10.5%)とジェット納入機数(4〜6 月期 40 機)、受注残(80 億ドル)の動き
- MV-75 の LRIP の契約の時期と一括調整費用(0.6〜1.1 億ドル)、陸軍の配備・量産の決定の日程(2027 年・2028 年度)、議会による追加の資金
- 工業の売却の可否と価格、分離の費用、売却後の自社株買いと MV-75 への投資の使い道
- GAMA のビジネスジェット出荷(2026 年上期 383 機・+8.2%)と、ガルフストリーム・ボンバルディアの受注残(240 億ドル・218 億ドル)、中古大型機の価格
- 製造部門の営業キャッシュフロー(年金拠出前の見通し 7〜8 億ドル)と純負債(2026 年 7 月 20 億ドル)、自社株買いのペース(2026 年上期 3.8 億ドル)
- 年金の非勤務収益(2026 年上期 1.4 億ドル)と LIFO 引当(同 0.8 億ドル)の推移
倍率と資本コストの決め方
今の PER(GAAP で 14 倍)や調整後 EPS を見る前に、10 のセグメントを数量 × 価格で 2035 年に積み、GAAP の純利益(LIFO と年金収益を含み、株式報酬は費用)を出した。倍率は利益ベースの正当化 PER((1−g÷RONIC)÷(k−g)、k 8.5%=基本 8.0% + quality 0.5%、g 4%、RONIC=k+1/2×(事業の ROE−k)、moat 普通)の 8.2〜9 割(10 年の中立は上限 15.4 倍の 8.2 割で 12.6 倍)に置いた。セスナ・ベルの複合で堀は中程度、ジェットの循環と MV-75 の開発費があるので上限すれすれにはしていない。悲観は ROE が k 以下で稼ぐ力(純利益÷k)に近い倍率に置き、還元と合わせても今の時価総額を下回る。金融子会社の借入は事業の純負債に入れていない。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 5% + β 0.94 × 5%。k=基本 8.0% + quality 0.5% = 8.5%。ジェットの循環の大きさを +0.5% で k に入れた。MV-75 の固定価格・資金切れ・アビエーションの工場の効率・複合企業のわかりにくさは k に足さず、筋書きと確率(やや悲観・悲観 39%)で表した。純負債は小さく、上乗せは置かない。
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読んだ資料
- テクストロン 2025 年 10〜12 月期・通期決算と 2026 年の見通し(2026-01-28)
- テクストロン 8-K 2025 通期決算(セグメント利益から純利益への調整・貸借)
- テクストロン 8-K 2026 年 4〜6 月期決算(2026-07-28)
- テクストロン 10-Q 2026 年 6 月期(株数・借入・年金収益・LIFO・工業の分離)
- テクストロン 10-K 2025 年(アビエーション・ベル・工業の売上の内訳、貸借)
- AIN:ベル 2025 年の軍用売上と MV-75 の進み(2026-01-29)
- Aviation Week:国防総省が MV-75 に 2.0 億ドルを流用(2026-10-12)
- TWZ:陸軍が MV-75 の配備を前倒し(2026-01-16)
- Sherpa Report:2025 年の新造ビジネスジェット(GAMA の表)
- Forecast International:ビジネスジェット各社の受注残(2026-08-07)
- AVweb:GAMA 2026 年 4〜6 月期の出荷
- テクストロン 2026 年 4〜6 月期の決算説明会(要約)
- テクストロン 10-K 2011 年(セスナの 2008〜2010 年のジェット納入と赤字)
- Flying:2009 年の GAMA 出荷(ビジネスジェット 870 機・−33.7%)