結論
東邦化学工業は、洗剤や化粧品、工事用の薬剤に使う界面活性剤の会社だ。水と油を混ぜる成分で、売上の約 47% を占める。もう一つの柱が、半導体の回路をつくる材料の樹脂で、これを含むスペシャリティーケミカルが約 31% ある。売上は約 536 億円だ。
筆者の結論は、事業の芽は良いが、今の値段は事業の稼ぐ力に比べて高い、というものだ。確率で重みを付けた価値は、今の時価総額を 3 割ほど下回る。理由は、利益率の薄さと、借金の重さにある。
強みは、半導体向けの成長だ。KrF と呼ぶ光源のフォトレジスト(回路を焼き付ける感光材)に使うポリマーで、新しいプラントの二期の増設が 2026 年 11 月に完成する。会社は 2028 年 3 月期に営業利益 30 億円を目指し、柱をこの事業に移そうとしている。
弱みは三つある。営業利益率が 4% 弱と薄いこと、純有利子負債が自己資本とほぼ同じ 219 億円あること、中東情勢で原料が急騰し、会社が今期の予想を出せていないことだ。金利が上がれば、利払いだけで年 5 億円ほど利益が減る。
10 年先の中立の営業利益は 37 億円ほどと、今の 1.8 倍に見る。ただ、増える利益の多くは物価の分で、金利の負担も重くなる。純利益の伸びは、営業利益の伸びより小さい。
買い手の目で見ると、悩ましいのは時間軸だ。電子情報材料の増設は 2026 年 11 月に完成し、利益に効くのは来期以降になる。それまでは、金利と原料の逆風を借金で耐える期間が続く。筆者は、この移行期の薄さを重く見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、東邦化学工業は「方向は正しいが、足元は重い」会社だと見る。界面活性剤という地味な事業で、顧客に合わせて作り込む力を持つ。電子情報材料という伸びる事業も育っている。
問題は、稼ぐ力の弱さだ。営業利益率は 4% 弱で、10 年の ROE の中央値は 7%。資本コストの 8.5% に届かない。事業にお金を投じても、ためた利益が額面を下回る価値になる構造だ。
財務の重さも気になる。純有利子負債は自己資本とほぼ同額で、金利が上がると利益が減る。設備投資が続き、借金は簡単に減らない。景気が悪くなったとき、利益の落ち込みが借金の負担で拡大する。
安全域は薄い。純資産は時価総額の 1.4 倍あるが、そのうち設備の多くは事業に縛られ、売って現金にできる分は限られる。筆者は、事業の質は評価するが、今の値段に安全域はなく、やや高いと見る。
オーナーとして長く持ちたいかと問われれば、迷う。事業の方向は良いが、持ち続ける根拠は、電子情報材料の成長がどれだけ続くかに懸かっている。成長が続けば借金は減り、複利が効く。続かなければ、薄い利益と重い金利が残る。
筆者がいちばん気にするのは、経営の資本配分の力だ。この会社は、借入に頼った設備投資を続けている。投資の収益が資本コストを超える保証は、まだ見えない。2028 年 3 月期の ROE が 8% に届くかどうかを、確かめたい。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は、化学の「手間」にある。原料のエチレンオキサイドなどを反応させ、顧客の用途に合わせて作り分ける。売り先は、洗剤、化粧品、繊維、塗料、建設、半導体と幅広い。
事業は四つに分かれる。界面活性剤は売上が 255 億円で、香粧原料(化粧品や洗剤の成分)、土木建築用の薬剤、繊維・工業用の洗浄剤などを作る。スペシャリティーケミカルは 166 億円で、半導体用の微細加工用樹脂、香粧品の素材、機能性の中間体を含む。化成品は 66 億円で、ロジン系の乳化重合剤(合成ゴムを作る際の乳化剤)や石油添加剤がある。樹脂は 48 億円で、石油樹脂や樹脂エマルションを作る。
2026 年 3 月期は、半導体の市況が回復して電子情報産業向けの樹脂が伸び、スペシャリティーケミカルが 5% 増えた。一方、界面活性剤は大口の香粧原料と土木建築用薬剤が減って 3% 減った。売上は前期並みだったが、営業利益は 15% 増えて 21 億円と、6 期ぶりに 20 億円台を回復した。
生産は千葉の工場が中心で、鹿島の工場と、中国の上海子会社がある。上海では、加圧反応の設備を増やして、アジア向けの生産を強めている。中国は日本より原料が安く、中東情勢による供給不安も小さい。
設備投資は重い。2026 年 3 月期の投資の資金は約 46 億円で、新プラントの増設が中心だった。借入に頼った投資で、純有利子負債は 219 億円にふくらんでいる。
事業の特徴として、製品の数が非常に多いことが挙げられる。東邦化学は、顧客の用途に合わせて数百の品種を作り分ける。多品種少量の運営は、顧客に近いが、生産の効率を上げにくく、固定費も重い。千葉工場では、電子情報材料に人を集めるため、他の製品の生産を鹿島工場や上海に移す作業が進んでいる。
従業員は連結で 700 人前後とみられ、研究開発に力を入れる。電子情報材料のポリマー設計は、同社の技術の核になっている。
優良さと弱いところ
この会社の優良さは、顧客に合わせて作り込む力にある。界面活性剤は、洗剤や化粧品の配合に合わせて分子の形を設計する。一度採用されると、配合を変えるには手間と時間がかかる。半導体向けの樹脂は、メーカーの認定を受ける必要があり、切り替えにくい。
ただ、利益率が薄い。営業利益率は 2018 年 3 月期の 5.6% が近年の山で、直近は 3.9%、10 年の最高は 2010 年 3 月期の 6.6% だ。原料の高騰を売値に転嫁するまでに遅れが出て、2024 年 3 月期には 1.5% まで落ちた。規模も小さく、価格を決める側ではない。
財務は弱い。自己資本比率は 34% に回復したが、純有利子負債は自己資本とほぼ同じ 219 億円だ。営業利益は支払利息の約 4 倍で、金利が上がると利益が目に見えて減る。会社は売掛債権の流動化や政策保有株の売却で、資産を軽くしようとしている。
成長の核は電子情報材料だ。この事業の利益は、2025 年 3 月期に界面活性剤を初めて上回った。ただ、2026 年 3 月期の利益は減った。原料の値上がりの転嫁が遅れ、固定費も増えたからだ。会社は遅れを解消したと説明している。
ROE は 10 年の中央値で 7.0%。資本コストの 8.5% を下回る。筆者は、「伸びる事業は持つが、借金と薄い利益率が足を引く」という構図を、この会社の本質と見る。
経営は 2025 年に IR 担当役員と担当部署を新設した。株主優待の拡充や、資産のスリム化など、資本市場との対話を増やしている。PBR が 1 倍を割る状態が長かったことへの対応で、方向は良い。ただ、利益率の水準そのものを引き上げる手は、電子情報材料の増設に頼る面が大きい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
界面活性剤の世界市場は、2024 年に約 500 億ドルで、2030 年にかけて名目で年 4〜6% の成長が見込まれる。特殊な品は年 6% ほどだ。ただ、これは世界の数字で、日本の汎用の界面活性剤は、中国との競争で名目 2〜3% 程度、数量はほぼ横ばいにとどまる。
電子情報材料は、半導体市況の回復で需要が戻っている。KrF 用のポリマーは、最先端ではなく成熟した世代の半導体を作る材料だ。世界で台数が多く、安定して売れる一方、新規の参入も起きやすい。業種ノートの置き方では、特殊品は名目年 5〜7% の成長で、物価を引いた数量は 10 年で 3 割ほど伸びる。
2026 年の最大の不確実さは、中東情勢だ。ホルムズ海峡の事実上の封鎖で、ナフサをはじめとする原料の調達難と価格の急騰が起きている。国内のエチレン設備は減産を迫られ、界面活性剤の原料の確保にも影響が出る。需要不足ではなく供給制約が主導する値上がりで、2026 年末から 2027 年前半に正常化に向かうとの見方が多い。ただ、会社は 2027 年 3 月期の予想を出せていない。
競合は、三洋化成工業、日油、第一工業製薬、ADEKA、花王や ライオンの化学品部門などだ。いずれも規模が大きく、東邦化学は中堅の位置にいる。海外では、BASF、クラリアント、クローダなどの大手がある。
業種の前提との違いにも触れておく。業種ノートの機能性化学品の節は、四つのセグメントの平均として使う。市場の見通しの数字自体は取り直さず、各セグメントの市場の大きさとシェアは筆者の推定で置いた。
需要の面では、国内の人口減少が界面活性剤の数量を押し下げる。洗剤の濃縮化や、詰め替えの普及も、原料の使用量を減らす。一方、化粧品は高付加価値化が進み、香粧原料のうち特殊な品は伸びる。会社は、この流れに合わせて、汎用品から特殊品へ品種を入れ替えている。
筆者は、界面活性剤の数量を 10 年でほぼ横ばい、スペシャリティーケミカルを 3 割増と置く。物価の分は価格で上がるが、原料の転嫁の遅れが常に利益を削る。
資本政策と M&A
配当は増配を続けている。2023 年 3 月期から 2026 年 3 月期まで、毎年上げてきた。会社の中計は 2028 年 3 月期に、配当を今より 3 割ほど増やす目標だ。配当性向は 3 割ほどで、利益の 7 割は会社に残る。自社株買いの実績はない。
株主優待は、QUO カードだ。2026 年 3 月の権利分から、300 株・500 株の区分と、2 年以上の継続保有の優待を加えた。500 株を 2 年以上持つと、額面で数千円の優待になる。会社は、これで株価の評価が上がったと説明する。費用は年 1 億円を下回るとみられ、価値の評価には入れない。
資産圧縮も進めている。売掛債権の流動化枠を増やし、政策保有株式を一部売った。借金を減らすのが狙いだが、設備投資が重く、純有利子負債は 219 億円と高止まりしている。新しいプラントの二期増設で、投資はさらに続く。
株主は、取引会社の持株会が約 16%、社長の中崎龍雄氏が約 12%、三井化学の退職給付信託と三井物産が 6% ほどだ。安定株主が厚く、10 年以内の TOB の確率は統計の目安で 3 割ほどとされる。ただ、純有利子負債が重い会社は、買い手の目には買いにくい。
設備と財務のバランスが、この会社の資本政策の核心だ。成長のために借入で投資し、利益で返す。この循環が回れば、ROE は上がる。回らなければ、利払いが利益を削る。筆者は、中計の最終年度である 2028 年 3 月期の数字が、その分かれ目になると見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
電子情報材料は、会社の稼ぎを変える。半導体市況の回復で需要が戻り、2026 年 11 月には新プラントの二期増設が完成する。KrF 用のポリマーは、成熟世代の半導体で大量に使われ、世界の台数に比例して伸びる。中計の営業利益 30 億円のうち、半分がこの事業で稼ぐ計画だ。
原料の転嫁の遅れは解消済みだ。会社は、固定費の増加も、自社リサイクルや生産移管で吸収すると説明している。上海の加圧反応設備も 2025 年 12 月に完成し、中国で原料が安い利点を生かして、アジアの需要を取りにいける。
財務は回復の途上にある。自己資本比率は 34% に戻り、債権の流動化や政策保有株の売却で資産を軽くしている。配当は 4 期続けて増え、会社が掲げる配当の目標に向かう。投資が実を結べば、利益と財務の両方が改善し、中計の ROE 8% を超えていく。
半導体向けの需要は、AI の普及で長く続く。成熟世代のチップは、車載や産業機器、家電で使われ続け、KrF の露光装置は世界に多く残る。同社の増設は、その需要を取り込む最適な時期に完成する。
化粧品の分野でも、天然由来や低刺激の原料への需要が強い。特殊な界面活性剤の比率が上がれば、利益率は汎用品より高く、全社の底上げになる。
慎重な見方
利益率が薄すぎる。営業利益率は 3.9% で、10 年の最高でも 6.6% だ。原料が上がるたびに転嫁が遅れ、2024 年 3 月期には 1.5% まで落ちた。規模が小さく、価格を決める力は弱い。
借金の重さが、利益の伸びを打ち消す。純有利子負債は 219 億円で、金利が借り換えで上がると、利払いだけで 10 年後に年 5 億円の利益が消える。営業利益が 1.8 倍に増えても、純利益は 1.4 倍にとどまる。設備投資が続く間は、借金も減らない。
中東情勢も不確実だ。原料の調達難と価格の急騰で、会社は 2027 年 3 月期の予想を出せない。国内のエチレン設備は縮み、界面活性剤の原料を海外に頼る度合いが高まる。中国勢は汎用品で追い上げ、電子情報材料でも、成熟世代のポリマーは参入が容易だ。
増設は、需要が崩れたときの負担にもなる。減価償却の増加と固定費の重さが、稼働率の低下で利益を直撃する。2028 年 3 月期の目標は、会社がこれまで何度も未達にしてきた水準でもある。
利益の見通しの甘さも気になる。会社の中計は営業利益 30 億円を掲げるが、過去 10 年の最高は 24 億円にすぎない。目標の達成を前提にした期待は、外れたときの落差が大きい。
どちらに重みを置いたか
電子情報材料の成長と財務の改善には、強気の見方に説得力がある。ただ、利益率の薄さと借金の重さ、金利の上昇は、慎重な見方が正しい。筆者は、中立で営業利益率を 4% 台後半に置いた。会社が目標とする 5% には届かない水準だ。確率は中立に最も重みを置き、やや悲観を楽観側より厚くした。中東の原料難と金利の負担は、実現しやすいと見るからだ。悲観の確率は、借金の重さを踏まえて 1 割強とした。借金の重さが、悲観側の確率を支える。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 1,079 円227 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 302 円64 億円)。 今の値に割り戻すと 720 円151 億円、今との差 −11.4%、 期待の年率 +5.5%(資本コスト 7.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 2,365 円497 億円 | 476 円100 億円 | +249.9% | +13.3% | 170 円36 億円 |
| やや楽観 | 19% | 1,638 円344 億円 | 380 円80 億円 | +148.6% | +9.5% | 383 円81 億円 |
| 中立 | 37% | 1,350 円284 億円 | 342 円72 億円 | +108.4% | +7.6% | 626 円132 億円 |
| やや悲観 | 27% | 353 円74 億円 | 238 円50 億円 | −27.3% | −3.1% | 159 円34 億円 |
| 悲観 | 11% | 285 円60 億円 | 95 円20 億円 | −53.1% | −7.3% | 42 円9 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,079 円227 億円 | 302 円64 億円 | +70.1% | +5.5% | 1,381 円290 億円 |
今の株価時価総額 812 円171 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 電子情報材料が大きく伸び、中計を超えて利益率が 6% に近づく 利益 36 億円 · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 2,365 円497 億円
半導体市況の回復が続き、KrF 用ポリマーの需要は実質で 5 割以上伸びる。新プラントの二期増設が満稼働し、同社はシェアを少し上げて、電子情報材料の利益率は 9% を超える。上海の設備も稼働し、アジアで界面活性剤の販売が伸びる。
界面活性剤は、香粧原料の大口が戻り、土木建築の薬剤も持ち直す。原料の転嫁が円滑に進み、全社の営業利益率は 6% に近づく。過去の山をわずかに下回る水準だ。
借金は、利益の伸びで減っていく。配当性向は 3 割台後半に上がり、増配も続く。ROE は資本コストを上回り、会社は「借金の重い中堅」から「稼ぐ会社」へ評価を改める。ただし、規模の小ささと原料の変動は、この筋書きでも変わらない。
借金の返済が進み、自己資本比率は 40% 台に回復する。配当の目標も前倒しで達成される。ただし、規模の小ささと原料の変動は、この筋書きでも消えない。
- 界面活性剤:数量 4,200(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.7%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 365 億円・営業利益 18 億円。市場(実質)× シェア。シェアは 6.4% を基準に増減
- スペシャリティーケミカル(電子情報材料ほか):数量 3,100(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 11.6%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 361 億円・営業利益 34 億円。市場(実質)× シェア。電子情報材料と香粧原料が中心
- 化成品:数量 1,050(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.8%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 92 億円・営業利益 4 億円。市場(実質)× シェア。ロジン系乳化重合剤など
- 樹脂:数量 1,080(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 5.4%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 58 億円・営業利益 2 億円。市場(実質)× シェア。石油樹脂・エマルション
倍率:事業の純利益 36 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.1% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.0 倍。全体の PER 14.01 倍、時価総額 497 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:半導体の需要が長く続き、新プラントが満稼働し、原料の転嫁も円滑に進む筋書き。利益率が過去の山に近づくには、すべてがうまく行く必要があり、1 割を切る確率にとどめた。
やや楽観 19% 電子情報材料が着実に伸び、界面活性剤は横ばいで、利益率が 5% 台に乗る 利益 27 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 1,638 円344 億円
電子情報材料は、半導体の需要に沿って、実質で 4 割ほど伸びる。新プラントは順調に稼働し、利益率は 8% 台に乗る。界面活性剤は数量が横ばいで、特殊品の比率が上がって利益率が少し改善する。
化成品は中国の需要が戻って増益。樹脂は赤字を脱する。全社の営業利益率は 5% を少し超え、中計が掲げる水準に届く。
配当は増え続け、借金は少しずつ減る。ただ、金利の上昇で利払いは増え、純利益の伸びは営業利益より小さい。ROE は 7% 台で、資本コストにわずかに届かない。
樹脂事業の整理が進み、赤字から脱する。生産の移管によるコスト削減も効き、固定費の負担が軽くなる。借金は少しずつ減るが、設備投資が続くため、大幅な改善にはならない。配当は性向 3 割台前半で増える。
- 界面活性剤:数量 4,000(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.5%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 341 億円・営業利益 15 億円。市場(実質)× シェア。シェアは 6.4% を基準に増減
- スペシャリティーケミカル(電子情報材料ほか):数量 2,800(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 11.3%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 317 億円・営業利益 26 億円。市場(実質)× シェア。電子情報材料と香粧原料が中心
- 化成品:数量 1,000(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.8%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 88 億円・営業利益 4 億円。市場(実質)× シェア。ロジン系乳化重合剤など
- 樹脂:数量 1,080(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 5.4%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 58 億円・営業利益 1 億円。市場(実質)× シェア。石油樹脂・エマルション
倍率:事業の純利益 27 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.2% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 344 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新プラントの増設と半導体市況の回復は、すでに見えている。中計の目標(営業利益率 5%)に近づく形を、中立の次に起こりやすい筋書きとして置いた。
中立 37% 電子情報材料は伸びるが、界面活性剤は横ばい。利益率は 4% 台後半で、金利が利益を削る 利益 22 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 1,350 円284 億円
電子情報材料は、半導体の需要に沿って、実質で 3 割ほど伸びる。新プラントは稼働するが、原料の転嫁の遅れや固定費で、利益率は 7.5% にとどまる。界面活性剤は数量が横ばいで、大口の香粧原料の増減で売上は動く。
化成品は小さな黒字、樹脂は赤字すれすれが続く。全社の営業利益は 37 億円ほどで、今の 1.8 倍。うち大半は物価の分だ。営業利益率は 4% 台後半で、会社の目標である 5% には届かない。
金利は借り換えで上がり、利払いは 10 年で年 6 億円ほどに増える。純利益は 22 億円ほどで、営業利益の増え方より小さい。配当は性向 3 割程度で増え、借金は少しずつ減る。事業の ROE は 6% で、資本コストを下回る。特別な事件はなく、「方向は正しいが、足元は重い会社」として 10 年が過ぎる。
- 界面活性剤:数量 4,000(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.5%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 341 億円・営業利益 15 億円。市場(実質)× シェア。シェアは 6.4% を基準に増減
- スペシャリティーケミカル(電子情報材料ほか):数量 2,600(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 11.1%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 288 億円・営業利益 22 億円。市場(実質)× シェア。電子情報材料と香粧原料が中心
- 化成品:数量 1,000(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.8%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 88 億円・営業利益 4 億円。市場(実質)× シェア。ロジン系乳化重合剤など
- 樹脂:数量 1,080(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 5.4%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 58 億円・営業利益 1 億円。市場(実質)× シェア。石油樹脂・エマルション
倍率:事業の純利益 22 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.1% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 284 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:電子情報材料は伸びるが、原料の転嫁の遅れが毎期のようにある。10 年の実績でも営業利益率は 1.5〜6% の帯にあり、帯の上のほうに乗る形を、最も起こりやすいとして最大の確率を置いた。
やや悲観 27% 原料難と中国勢の追い上げで、転嫁が遅れ続け、利益率が 3% 台に下がる 利益 11 億円 · PER 7.0 倍 · 株価時価総額 353 円74 億円
中東情勢が長引き、原料の調達と価格が不安定な状態が続く。会社は転嫁を進めるが遅れが出て、界面活性剤の利益率は 3% 台に下がる。国内の需要は細り、数量は 1 割弱縮む。
電子情報材料は伸びるが、中国勢の参入と価格の下落で、利益率は 5% 台にとどまる。樹脂は赤字が続き、生産の移管や整理が必要になる。
金利の上昇で利払いは 6 億円ほどに増え、営業利益のほぼ 3 割を食う。純利益は 10 億円台前半まで落ち、配当は据え置きに近い。借金は減らず、新しい投資を絞らざるをえない。
電子情報材料の増設で、減価償却の負担も増え、利益の伸びを抑える。会社は投資の凍結を迫られ、成長の物語が途切れる。借金の返済を優先するため、配当の増額も止まる。
- 界面活性剤:数量 3,680(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.3%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 304 億円・営業利益 9 億円。市場(実質)× シェア。シェアは 6.4% を基準に増減
- スペシャリティーケミカル(電子情報材料ほか):数量 2,300(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 10.8%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 248 億円・営業利益 14 億円。市場(実質)× シェア。電子情報材料と香粧原料が中心
- 化成品:数量 950(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 8.5%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 81 億円・営業利益 2 億円。市場(実質)× シェア。ロジン系乳化重合剤など
- 樹脂:数量 960(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 5.2%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 50 億円・営業利益 −1 億円。市場(実質)× シェア。石油樹脂・エマルション
倍率:事業の ROE 3.3% が k 7.75% を大きく下回り、PER の上限は 1÷k = 11.8 倍。原料の転嫁の遅れ、金利の負担、中国勢の追い上げが重なる構造的に負けた筋書きで、上限の 6 割弱に当たる 7.0 倍に置いた(中立の PER より低い)。
確率:中東情勢による原料難は足元で起きている。転嫁の遅れは過去にも繰り返されており、金利の上昇も重なる。強気の筋書きより起こりやすいとみて、厚めに置いた。
悲観 11% 原料難が長引き、半導体が崩れ、借金が重荷になって財務が揺らぐ 利益 −5 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 285 円60 億円
原料の調達難が長引き、国内の生産が止まる日も出る。半導体市況が崩れ、新プラントの稼働率が上がらず、電子情報材料は赤字すれすれになる。中国勢の価格攻勢で、化成品も採算が合わなくなる。
営業利益はほぼゼロまで落ち、利払いで赤字になる。減損も出て、自己資本は減る。配当は大きく減らす。
それでも会社は続く。政策保有株や土地を売って借金を返し、事業を絞る。三井物産や取引会社の持株会が、再編や支援を考える可能性もある。少数株主に有利な形になる保証はない。
取引先の持株会や金融機関が、会社の存続を支える。ただ、再建の過程で増資や資産の売却が進めば、少数株主の取り分はさらに削られる。事業の売却や再編の可能性も高まる。
- 界面活性剤:数量 3,200(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 7.7%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 246 億円・営業利益 1 億円。市場(実質)× シェア。シェアは 6.4% を基準に増減
- スペシャリティーケミカル(電子情報材料ほか):数量 1,800(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 9.8%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 176 億円・営業利益 4 億円。市場(実質)× シェア。電子情報材料と香粧原料が中心
- 化成品:数量 800(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 7.9%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 63 億円・営業利益 0 億円。市場(実質)× シェア。ロジン系乳化重合剤など
- 樹脂:数量 720(該当市場(億円、今の値段で測った実質))× 価格 4.7%(実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍))→ 売上 34 億円・営業利益 −1 億円。市場(実質)× シェア。石油樹脂・エマルション
倍率:悲観は床を稼ぐ力ではなく、売れる資産から借金を引いた残りで測る。事業は赤字で、PER は使えない。今の自己資本 240 億円に掛ける形で、政策保有株・土地・債権を売った後の評価に当たる 0.25 倍に置いた(中立の PBR より低い)。
確率:中東情勢の長期化、半導体市況の悪化、中国勢の価格攻勢が重なる構造的な負けにあたる。借金の重さを考え、1 割を超える確率を置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
界面活性剤
洗剤・化粧品・繊維・土木建築用の薬剤に使う界面活性剤。大口の香粧原料が柱。
| 数量該当市場(億円、今の値段で測った実質) | 価格実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 4,000 | 6.4% | 255 | 10 |
| 10 年後 中立 | 4,000 | 8.5% | 341 | 15 |
取り方:日本とアジアの界面活性剤の市場を約 4,000 億円と推定し、売上 254.6 億円からシェア約 6.4%。公的な統計がなく推定。事業部の利益は未確認で、利益率 3.9% は筆者の推定(全社の営業利益 20.9 億円から逆算)。
スペシャリティーケミカル(電子情報材料ほか)
半導体用の微細加工用樹脂(KrF 用ポリマー)、香粧品の素材、機能性の中間体。成長の核。
| 数量該当市場(億円、今の値段で測った実質) | 価格実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,000 | 8.3% | 166 | 11 |
| 10 年後 中立 | 2,600 | 11.1% | 288 | 22 |
取り方:電子情報材料・香粧品素材などの市場を約 2,000 億円と推定し、売上 165.6 億円からシェア約 8.3%。推定。利益は 2025 年 3 月期に界面活性剤を上回ったとの開示から、利益率 6.6% を推定。
化成品
ロジン系の乳化重合剤(合成ゴム用)、石油添加剤。中国の需要が戻りつつある。
| 数量該当市場(億円、今の値段で測った実質) | 価格実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 6.6% | 66 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1,000 | 8.8% | 88 | 4 |
取り方:ロジン系乳化重合剤などの市場を約 1,000 億円と推定し、売上 65.7 億円からシェア約 6.6%。推定。利益率 3.4% は推定。
樹脂
石油樹脂、樹脂エマルション。赤字すれすれで、縮小か再編の対象。
| 数量該当市場(億円、今の値段で測った実質) | 価格実質の市場に対する当社売上の比率(シェア × 物価の倍率。10 年 1.34 倍) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,200 | 4.0% | 48 | 0 |
| 10 年後 中立 | 1,080 | 5.4% | 58 | 1 |
取り方:石油樹脂・エマルションの市場を約 1,200 億円と推定し、売上 48.3 億円からシェア約 4%。推定。上期は赤字で、通期の利益率 0.6% は推定。
リスクと懸念
中東情勢と原料の調達
ホルムズ海峡の封鎖で、ナフサなど原料の調達難と価格の急騰が起きている。会社は 2027 年 3 月期の予想を出せていない。転嫁が遅れると、薄い利益はすぐ消える。長引けば、生産量の確保にも響く。国内の他の石化メーカーの減産も重なり、代替の調達先を確保しにくい。
借金と金利の上昇
純有利子負債は 219 億円で、自己資本とほぼ同じだ。借り換えで金利が上がると、利払いは 10 年で年 5 億円ほど増える。営業利益の約 4 倍の支払利息の余裕は、景気の悪化で簡単に薄れる。変動金利の借入が多ければ、景気後退と利上げが同時に利益を圧迫する。
設備投資の回収
新プラントの二期増設と上海の設備増強に、2026 年 3 月期だけで約 46 億円を投じた。半導体市況が崩れたり、認定が遅れたりすれば、稼働率が上がらず、固定費が重くのしかかる。新製品の認定が遅れれば、その間の固定費は利益に響く。
中国勢の追い上げ
汎用の界面活性剤や石油樹脂は、中国の大規模な新設で価格が下がる。電子情報材料の成熟世代のポリマーも、参入が起きやすい。日本の工場の生産移管で補う計画だが、競争力の維持は容易ではない。中国の会社は価格だけでなく、納期の短さでも優位に立つ。
界面活性剤の需要の弱さ
土木建築用の薬剤や香粧原料の大口が減り、界面活性剤は 2026 年 3 月期に 3% 減った。国内の需要は人口の減少で細り、数量の伸びは期待しにくい。利益率の改善で補う戦略に限界はある。国内の少子化は、洗剤や化粧品の使用量にも波及する。
財務の脆さと資本の制約
自己資本比率は 34% で、純有利子負債が重い。大きな減損や赤字が出れば、財務の余裕は急速に失われる。借入に頼らない成長の道は、今は見えにくい。金融機関との関係は良好だが、条件の変更は事業計画に響く。
今後の分かれ目
- 2026 年 11 月の新プラントが予定どおり稼働し、電子情報材料の利益が大きく伸びたら
- スペシャリティーケミカルの利益率の前提を上げ、やや楽観の確率を厚くする。
- 中東情勢が長引き、原料の調達と価格がさらに悪化したら
- 利益率の前提を下げ、やや悲観側の確率を上げる。
- 純有利子負債が 170 億円を下回るペースで減り始めたら
- 財務の脆さが和らぐとみて、借金の quality と倍率の前提を見直す。
- 半導体市況が崩れ、電子情報材料の売上が 2 期続けて減ったら
- 成長の物語が崩れるとみて、悲観側の確率を上げる。
- 中計の営業利益 30 億円・ROE 8% を達成する見通しが明確になったら
- 稼ぐ力が資本コストに届くとみて、倍率の前提を引き上げる。
- 買い手による TOB や事業の売却が発表されたら
- 事業と資産の評価が価格を決める。借金の重さが交渉の材料になる。
見ておくもの
- スペシャリティーケミカルの売上と利益(四半期)
- 原料価格と転嫁の状況(中東情勢)
- 純有利子負債と支払利息
- 新プラントの稼働と上海の生産
- 配当と中期経営計画の進み具合
倍率と資本コストの決め方
界面活性剤・スペシャリティーケミカル・化成品・樹脂の 4 つに分け、市場(実質)× 当社のシェア × 物価並みの価格で売上を積んだ。中立の営業利益率は 4% 台後半で、過去 12 年の山(6.6%)を超えず、会社目標の 5% にも届かない水準に置いた。金利の上昇による純利益の減りは筋書きの純利益に入れた。倍率は式(ROE が k を下回るので上限は 1÷k)の 7 割台前半で置き、今の株価や過去の倍率には寄せていない。減価償却は今ある設備を物価で増やさず、新プラントの分だけ足した。新リース会計基準の影響は小さい。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10.91→14.01 倍・やや楽観 PER 10→12.9 倍・中立 PER 8.82→12.9 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 1.0% = 8.5%。中東情勢や原料の高騰は k に足さず、筋書きと確率で表した。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.50% → 7.75%。