結論
ゼネラルパッカーは、愛知県北名古屋市の自動包装機の会社だ。あらかじめ作った袋を機械が1枚ずつつかみ、口を開けて中身を詰め、封をする。この「給袋式」の包装機が主力で、粉や粒、ペットフードの袋詰めでは国内の上位にいる。筆者の結論は「割安」である。
2026年7月期は売上112億円、営業利益13億円と、どちらも過去最高を更新した。営業利益率は10%を超える水準が6年続いている。人手不足で食品や日用品の工場が袋詰めを機械に替える流れは、10年続くと見る。
それでいて、手元には前受金を差し引いても十数億円の現金が余り、借金はほぼ無い。時価総額はおよそ70億円で、今の利益の8倍台にすぎない。中立の筋書きでも、10年後の利益は今の1.5倍になり、10年分の配当とためた現金を足すと、10年後の株主の手元の価値は今の値段の3倍近くになる。
弱みもある。顧客の設備投資に左右され、年によって受注が揺れる。海外の売上の比率を4割に上げる目標は遠く、まだ2割に届かない。中国の安い包装機が海外で手強い。それでも、確率で重みを付けた本質価値は今の時価総額を大きく上回る。市場がこの小さな会社をほとんど見ていないことが、安さの理由だと筆者は見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、こういう会社をこそ探したい。事業は地味でわかりやすい。袋に物を詰める機械は、10年後も世界中の工場で要る。人手が減るほど要る。
稼ぐ力は安定している。営業利益率は6年続けて10%前後にあり、設備をほとんど使わずに稼ぐ。稼いだ現金の多くは手元に残り、借金は無い。ROEは資本コストを少し上回る程度だが、それは使い道の無い現金を抱えているからで、事業そのものの稼ぐ力はもっと高い。
気になるのは経営の資本の使い方だ。現金をため込み、還元は利益の3割ほどにとどまる。株主の目で見れば、自社株買いをもっと厚くしてほしい。ただ、ため込んだ現金が消えるわけではなく、悲観の筋書きでも床を支える。
払う値段は、今の利益の8倍台で、余った現金を除けば7倍ほどだ。この値段は、事業がゆっくり縮むことまで織り込んでいるように見える。筆者は、利益が今の水準を保つだけで十分な安全域があると見る。オーナーとして持ち続けたい会社の1つだ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの9割は包装機械が生む。主力の給袋式の自動包装機は、回転する台の上で袋を順に送り、口を開け、計った中身を詰め、熱で封をする。調味料の顆粒、粉ミルク、米、ペットフード、洗剤の詰め替え、冷凍食品など、袋で売るものなら何でも対象になる。袋を作りながら詰める製袋式や、ガスを入れて中身を守る機械、箱詰めのケーサーも作る。
売り方は、1台の機械を売るだけでなく、計量器や検査装置、箱詰めまでをつないだライン全体の提案に広がっている。納めた後の部品と保守も、毎年の安定した稼ぎになる。2026年7月期の包装機械の売上は100億円、営業利益は12億円だった。
残りの1割は生産機械で、子会社のオサ機械がチョコレートや菓子を作る機械を手がける。売上は12億円、利益は小さく、年によって赤字にもなる。
顧客は食品・飲料・日用品・医薬品のメーカーで、1社に頼る形ではない。海外には中国と米国に子会社を持ち、東南アジアにも売り込む。海外の比率は年によって1〜2割台で動く。
機械は受注してから作るので、前受金を受け取ってから納める。2026年7月末の前受金は14億円で、手元の現金30億円の半分近くはこの預かりにあたる。それを除いても、事業に要らない現金が十数億円ある。
優良さと弱いところ
優良さで見ると、この会社は「目立たないが堅い」部類に入る。営業利益率は2019年以降ずっと9〜13%にあり、赤字の年は1999年以来無い。設備投資は小さく、稼いだ現金はそのまま手元に残る。ROEは10%台前半で、資本コストを少し上回る。
堀、つまり他社がまねできない強みは、粉や粒をこぼさず速く詰める技術と、顧客ごとに機械を合わせ込む経験にある。ペットフードや粉体の袋詰めでは国内の上位で、一度ラインに入れば保守と部品の仕事が何年も続く。顧客は止まると困る機械の取り替えに慎重で、実績のある会社を選ぶ。
弱さもある。値段は顧客の設備投資の予算に縛られ、大手の食品会社は見積もりを競わせる。国内では東洋自動機など同じ給袋式の競合がいる。海外では欧州の大手と中国の安い機械に挟まれ、海外比率4割の目標は遠い。
経営は保守的だ。第7次の中期経営計画の目標は売上・利益ともに達成した。ただ、現金を厚く持ち続け、配当性向は3割弱にとどまる。資本の使い方はまじめだが、株主に戻す速さは物足りない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
包装機械の市場は大きくない。国内の包装・荷造機械の生産高は4,500億円前後で、その中でも食品向けの袋詰めは一部にすぎない。数量は人口とともに伸びる市場ではない。
それでも10年の追い風はある。いちばん大きいのは人手不足だ。食品や日用品の工場では、袋詰めや箱詰めを人の手で行う工程がまだ多い。働き手が減り賃金が上がるほど、機械に替える損得は良くなる。省人化の投資は景気が悪くても止めにくい。
2つ目は環境だ。プラスチックを減らすため、ボトルを詰め替えの袋に替え、袋も単一素材の再生しやすいものに替える動きがある。新しい素材は熱で封をする条件が難しく、機械の作り直しと更新の需要を生む。
3つ目は海外だ。アジアでは袋で売る食品が増え、日本の機械の精度と保守に価値がある。ただし中国の包装機メーカーは安さで追い上げており、欧州のボッシュ系やイタリアの大手は高級機で強い。
循環はある。顧客の設備投資は、景気の山と谷、原料高の年には先送りされる。2008年の金融危機の後は、営業利益率が数%まで落ちた。筆者は、国内の数量は10年で横ばいから1割増、海外で少し上乗せがあると見る。
資本政策と M&A
還元は少しずつ厚くなっている。配当は2024年7月期の総額1.6億円から、2026年7月期は2.2億円に増えた。方針は連結配当性向30%か、純資産に対する配当の割合3%を目安に増配を目指すというものだ。2026年7月期には役員向けの株式交付信託を含め、2.4億円の自己株を取得した。
それでも現金は積み上がってきた。手元の現金は10年前の20億円から30億円に増え、借金はほぼ無い。前受金を差し引いても、十数億円は事業に要らない現金だ。筆者はこの現金を、戻り方を少し割り引いて価値に足した。
買収は小さい。チョコレート製造機のオサ機械を子会社にした例がある。第8次の中期経営計画(2027〜2029年7月期)は、グローバル展開と事業領域の拡大を掲げ、提携や買収の余地を残す。
時価総額は70億円ほどと小さく、親会社もいない。現金の厚さと安定した利益は、同業や投資ファンドから見て買いやすい。そうした発表は無いが、10年のうちに再編の対象になる可能性はある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
人手不足は、この会社にとって10年続く追い風だ。食品や日用品の工場では、まだ多くの袋詰めと箱詰めを人がやっている。賃金が上がるほど機械に替える損得は良くなり、景気が悪くても省人化の投資は止めにくい。ゼネラルパッカーは袋詰めから箱詰めまでラインごと提案でき、一度入れば保守と更新で何十年も付き合える。
環境の流れも味方する。ボトルから詰め替えの袋へ、複合素材から単一素材の袋へと替わるたびに、封の条件が変わり、機械の更新が要る。新しい素材を扱える機械を持つ会社が選ばれる。
海外の余地も大きい。アジアでは袋入りの食品が増え、日本の機械の精度と保守が評価される。中国と米国の子会社に加えて東南アジアで売り込めば、海外比率は今の2割から3割台に上がりうる。
財務は鉄壁で、現金を厚く持ち借金は無い。営業利益率は6年続けて10%前後で、過去最高の売上を更新し続けている。利益が今の2倍になり、厚い現金が自社株買いに回れば、今の時価総額は大きく割安だったことになる。
慎重な見方
包装機械は、顧客の設備投資の波に乗る商売だ。今の好調は、食品各社が値上げで潤い、投資を前に出した結果にすぎないかもしれない。原料高や消費の冷え込みが来れば、投資は先送りされる。2008年の後は、営業利益率が数%まで落ちた。会社自身も、次の期は人への投資で減益を見込む。
海外は思うように伸びない。海外比率4割の目標を掲げても、実際は2割前後で行ったり来たりしている。中国の包装機メーカーは安さと速い納期で追い上げ、アジアの市場では日本の機械が高すぎると言われる。欧州の大手は高級機で強く、挟み撃ちに遭う。
国内の数量も先が見えている。食品メーカーは再編で工場を減らし、残った大手は見積もりを競わせて値段を叩く。東洋自動機など同じ給袋式の競合も強い。生産機械のオサ機械は利益が小さく、赤字の年もある。
経営も株主に冷たい。現金を厚く持ち続け、配当は利益の3割ほどだ。株主の目から見れば、現金が眠り続ける限り、その価値は割り引いて見るしかない。小さく目立たない会社は、安いまま放置されることも多い。
どちらに重みを置いたか
強気の見方がやや強い。設備投資の波で利益が揺れるという指摘は正しいが、この会社は2019年以降の6年、営業利益率10%前後を守り、赤字は四半世紀無い。人手不足による省人化は景気に左右されにくい需要で、10年の数量の下支えになる。海外の伸びが鈍いという指摘も認め、中立では海外の上乗せを小さくした。確率は中立を中心に、やや悲観をやや楽観と同じ厚さで置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/07 期)
確率で加重した株価時価総額 12,775 円215 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 2,084 円35 億円)。 今の値に割り戻すと 8,151 円137 億円、今との差 +94.1%、 期待の年率 +13.5%(資本コスト 6.8%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 22,767 円383 億円 | 3,215 円54 億円 | +518.6% | +20.0% | 2,598 円44 億円 |
| やや楽観 | 22% | 17,387 円293 億円 | 2,543 円43 億円 | +374.5% | +16.8% | 4,385 円74 億円 |
| 中立 | 38% | 14,567 円245 億円 | 2,109 円36 億円 | +297.1% | +14.8% | 6,337 円107 億円 |
| やや悲観 | 20% | 5,182 円87 億円 | 1,515 円26 億円 | +59.5% | +4.8% | 1,339 円23 億円 |
| 悲観 | 10% | 1,016 円17 億円 | 980 円17 億円 | −52.5% | −7.2% | 200 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 12,775 円215 億円 | 2,084 円35 億円 | +253.8% | +13.5% | 14,859 円250 億円 |
今の株価時価総額 4,200 円71 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 6.8% を下回るほど割高。
楽観 10% 省人化と海外でラインごと売れる 利益 19 億円 · PER 19.5 倍 · 株価時価総額 22,767 円383 億円
人手不足が深まり、食品・日用品・医薬品の工場が袋詰めから箱詰めまでを丸ごと機械に替える。ゼネラルパッカーはライン全体を提案し、国内の台数は10年で3割増える。東南アジアと米国でも、日本の機械の精度と保守が評価され、海外の比率は3割台に上がる。
単価は、検査装置やロボットを組み込んだ高い機械の比率が上がり、物価をやや上回って上がる。営業利益率は13%台半ばと、過去の山を少し超える。オサ機械もアジアの菓子工場向けで利益が増える。
純利益は今の2倍を超える。現金はさらに積み上がるが、経営は自社株買いを増やし、還元は利益の4割になる。同業との統合や提携で、海外の販売網を広げることもありうる。
- 包装機械:数量 560(包装機械の販売台数(台・年、推定))× 価格 0.35(1 台あたりの売上(億円、周辺装置・保守を含む))→ 売上 197 億円・営業利益 27 億円。台数 1.4 倍・単価 1.40 倍・利益率 13.5%
- 生産機械(オサ機械):数量 26.0(生産機械の案件数(件・年、推定))× 価格 0.80(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 21 億円・営業利益 1 億円。件数 1.3 倍・利益率 7%
倍率:事業の純利益 19 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 13.7% が k 6.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.2%、10 年より先の名目の伸び g 3.2% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 19.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 19.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)10 億円。全体の PER 19.5 倍、時価総額 378 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:人手不足の省人化と海外の伸びが重なり、利益率も過去の山を少し超える筋書き。全部がそろう確度は低い。
やや楽観 22% 国内の省人化で台数が2割増える 利益 15 億円 · PER 18.9 倍 · 株価時価総額 17,387 円293 億円
国内では省人化の投資が続き、給袋式の包装機の台数は10年で2割増える。詰め替えの袋や再生しやすい単一素材の袋への切り替えも、機械の更新を後押しする。海外は伸びるが、比率は2割台にとどまる。
単価は物価をわずかに上回って上がる。展示会や開発、人への投資は続くが、売上の伸びで吸収し、包装機械の営業利益率は12%台半ばを保つ。オサ機械は黒字を続ける。
純利益は今の1.7倍ほどになる。配当は利益の3割台後半まで増え、現金も積み上がる。ROEは事業の分で見て資本コストを上回り続ける。
詰め替えの需要が伸びる洗剤や日用品のメーカーが、新しい顧客として加わる。保守と部品の売上も、納めた台数の増加に合わせて積み上がり、利益の振れを小さくする。
- 包装機械:数量 480(包装機械の販売台数(台・年、推定))× 価格 0.34(1 台あたりの売上(億円、周辺装置・保守を含む))→ 売上 164 億円・営業利益 20 億円。台数 1.2 倍・単価 1.36 倍・利益率 12.5%
- 生産機械(オサ機械):数量 23.0(生産機械の案件数(件・年、推定))× 価格 0.79(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 1 億円。件数 1.15 倍・利益率 5%
倍率:事業の純利益 14 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.5% が k 6.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.6%、10 年より先の名目の伸び g 3.2% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.9 倍 + 余った現金(戻り方込み)10 億円。全体の PER 18.9 倍、時価総額 281 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の省人化で台数が2割増え、利益率も直近の山に近い水準を保つ筋書き。直近6年の実績の延長に近い。
中立 38% 台数は1割強増え、利益率は中央値並み 利益 12 億円 · PER 18.3 倍 · 株価時価総額 14,567 円245 億円
国内の袋詰めの機械化は進むが、顧客の数は食品メーカーの再編で少しずつ減る。台数は10年で1割強増える。海外は中国と米国、東南アジアで少しずつ伸びるが、比率は2割前後のままだ。
単価は物価並みに上がる。人件費と部材の値上がりは売値に載せられるが、それ以上の値上げは大手の顧客が許さない。包装機械の営業利益率は11%台半ばと、過去6年の中央値並みに落ち着く。オサ機械は小さな黒字を保つ。
純利益は今の1.5倍ほどになる。配当は性向3割台で増えるが、現金はさらに積み上がる。経営は保守的なまま、地味で堅い中堅の包装機メーカーであり続ける。
保守と部品は納めた台数とともに増え、谷の年の支えになる。
- 包装機械:数量 450(包装機械の販売台数(台・年、推定))× 価格 0.34(1 台あたりの売上(億円、周辺装置・保守を含む))→ 売上 151 億円・営業利益 17 億円。台数 1.125 倍・単価 1.34 倍・利益率 11.5%
- 生産機械(オサ機械):数量 22.0(生産機械の案件数(件・年、推定))× 価格 0.78(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。件数 1.1 倍・利益率 4%
倍率:事業の純利益 12 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.3% が k 6.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.0%、10 年より先の名目の伸び g 3.2% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.3 倍 + 余った現金(戻り方込み)10 億円。全体の PER 18.28 倍、時価総額 231 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:台数は1割強増え、利益率は過去6年の中央値並み。会社の計画と過去の実績にいちばん合う。
やや悲観 20% 国内の再編と中国勢で台数が減る 利益 7 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 5,182 円87 億円
国内の食品メーカーが再編で工場を減らし、残った大手は見積もりを競わせて値段を叩く。設備投資の谷が数年おきに来て、台数は10年で5%ほど減る。海外では中国の包装機メーカーに安さで負け、アジアの案件を取りにくくなる。
単価は物価に追いつかず、人への投資の費用だけが残る。包装機械の営業利益率は8%まで下がり、オサ機械はほぼ損益ゼロになる。
純利益は今より少し少ない水準にとどまる。配当は守るが、現金は眠ったままだ。時価総額は稼ぐ力に見合う水準まで下がるが、厚い現金が床を支える。
顧客の工場の数が減るので、保守と部品の売上も伸びない。オサ機械の売却や撤退を考える場面も出てくる。経営は現金を守りに使い、自社株買いは細る。
- 包装機械:数量 380(包装機械の販売台数(台・年、推定))× 価格 0.31(1 台あたりの売上(億円、周辺装置・保守を含む))→ 売上 119 億円・営業利益 10 億円。台数 0.95 倍・単価 1.25 倍・利益率 8%
- 生産機械(オサ機械):数量 18.0(生産機械の案件数(件・年、推定))× 価格 0.73(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 13 億円・営業利益 0 億円。件数 0.9 倍・利益率 1%
倍率:事業の ROE 5.6% は k を下回る。価値はこの筋書きの稼ぐ力(純利益 6.6 億÷k≒82 億)まで。上限 1÷k=12.5 倍の 8 割の 10.0 倍に置き、余った現金は谷で食う分を見て 0.75 倍。
確率:国内の食品メーカーの再編と中国勢の追い上げで、台数が減り利益率も下がる筋書き。設備投資の谷は数年おきに来る。
悲観 10% 海外でも国内でも挟まれて負ける 利益 1 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 1,016 円17 億円
中国の包装機メーカーが国内にも安い機械を持ち込み、中堅の食品会社が乗り換える。大手の顧客は欧州の高級機を選び、ゼネラルパッカーは真ん中で挟まれる。台数は10年で4分の3に減り、単価も物価に届かない。
包装機械の営業利益率は3%まで落ち、オサ機械は赤字になる。展示会や開発の費用を削っても、利益はほとんど残らない。
会社は無借金のまま続くが、現金は谷の年の運転資金と配当に食われる。少数株主は、その現金を自分に戻すよう求められない。価値は、事業のわずかな稼ぎと、割り引いた現金にとどまる。
経営は工場の一部を閉じ、人員を絞って生き残りを図る。同業との統合を探るが、縮む会社に高い値段は付かない。床になるのは、前受金を除いた現金と、在庫や売掛金の回収だけだ。
- 包装機械:数量 300(包装機械の販売台数(台・年、推定))× 価格 0.29(1 台あたりの売上(億円、周辺装置・保守を含む))→ 売上 87 億円・営業利益 3 億円。台数 0.75 倍・単価 1.15 倍・利益率 3%
- 生産機械(オサ機械):数量 14.0(生産機械の案件数(件・年、推定))× 価格 0.67(1 件あたりの売上(億円))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。件数 0.7 倍・赤字
倍率:稼ぐ力は純利益 1.5 億÷k≒18 億。上限 1÷k の 7.2 割の 9.0 倍に置き、余った現金は半分(6.5 億)を戻り方 0.75 で足した。前受金を除いた純現金と工場の土地が床になる。
確率:海外で負け、国内でも値下げの競争に巻き込まれる構造的な負け。財務が堅く、四半世紀赤字が無いので1割とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
包装機械
給袋式・製袋式の自動包装機、ガス充填の包装機、箱詰めのケーサーと、計量・検査をつないだライン。食品・日用品・医薬品のメーカーに売り、保守と部品でも稼ぐ。
| 数量包装機械の販売台数(台・年、推定) | 価格1 台あたりの売上(億円、周辺装置・保守を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 400 | 0.25 | 100 | 12 |
| 10 年後 中立 | 450 | 0.34 | 151 | 17 |
取り方:台数の開示は無いので推定。包装機械の売上 100.4 億を、1 台あたり平均 2,510 万円(ラインの周辺装置・保守・部品を含む)で割り、年 400 台とした。国内の包装・荷造機械の生産高(4,500 億円前後)の約 2% にあたる。物価 3% は単価に入れた。
生産機械(オサ機械)
子会社のオサ機械が作る、チョコレートや菓子の製造機械とプラント。
| 数量生産機械の案件数(件・年、推定) | 価格1 件あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 20.0 | 0.58 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 0.78 | 17 | 1 |
取り方:案件数の開示は無いので推定。生産機械の売上 11.6 億を、1 件あたり平均 5,810 万円で割り、年 20 件とした。物価 3% は単価に入れた。
リスクと懸念
顧客の設備投資の波
食品・日用品のメーカーは、原料高や消費の冷え込みの年に設備投資を先送りする。2008年の金融危機の後は、営業利益率が数%まで落ちた。受注残があるので落ち込みは半年ほど遅れて来る。
海外での負け
海外比率4割の目標に対し、実績は2割前後にとどまる。中国の包装機メーカーは安さと短い納期で追い上げ、欧州の大手は高級機で強い。海外で伸びなければ、国内の成熟した市場に閉じ込められる。
国内の顧客の再編と値下げの圧力
食品メーカーの再編で工場の数が減り、残った大手は見積もりを競わせる。東洋自動機など同じ給袋式の競合もいる。値段を物価並みに上げられなければ、利益率は下がる。
人と開発への投資の重さ
会社は次の期に、人と開発への投資で減益を見込む。技術者の採用と賃金は物価以上に上がる。投資が売上の伸びにつながらなければ、利益率は過去の中央値を下回る。
現金が眠り続ける
前受金を除いても十数億円の現金が余り、配当性向は3割弱だ。経営が現金を株主に戻さず、割高な買収に使えば、株主にとっての価値は目減りする。
今後の分かれ目
- 第8次の中期経営計画で、還元の方針を総還元性向5割以上などに引き上げる
- 眠っていた現金が株主に戻ると見て、余った現金の戻り方を 0.75 から 1.0 に上げる。
- 海外の売上比率が3割を超えて定着する
- 海外の伸びが本物と見て、やや楽観の確率を上げる。
- 受注残が2期続けて減る
- 設備投資の谷に入ったと見て、数年の利益の落ち込みを織り込む。10年の価値は大きく動かさない。
- 中国の包装機メーカーが国内の中堅の食品会社に入り込む
- 悲観の確率を上げ、単価の見通しを下げる。
- 同業や投資ファンドから買収の提案が出る
- 厚い現金と安定した利益に値段が付く。本質価値とは別の上振れとして扱う。
見ておくもの
- 受注高と受注残(決算短信の参考情報)
- 包装機械セグメントの営業利益率
- 海外売上の比率
- 前受金を除いた純現金と還元の額
- 第8次中期経営計画の数値目標
倍率と資本コストの決め方
包装機械は年 400 台(推定)× 1 台の単価、生産機械は年 20 件(推定)× 1 件の単価で積み、物価 3% は単価に入れた。k は基本 7.5% に quality +0.5% で 8.0%。倍率は余った現金(前受金を除いた純現金のうち 13 億)とその利息を除いた事業の ROE から正当化 PER を出し、中立は下限 1÷k(12.5 倍)との間の 12.7 倍に置いた。慎重側は稼ぐ力から置き、現金は谷で食う分を割り引いた。今の PER 8 倍台・PBR 0.9 倍は使っていない。2026/07 期の短信が facts にまだ無いので、自己資本の起点は短信の 79.2 億にした。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.1→19.5 倍・やや楽観 PER 12.9→18.9 倍・中立 PER 12.7→18.28 倍)。
資本コスト 6.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に品質の調整+0.5%を足した。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.00% → 6.75%。