結論
丸山製作所は、農薬を撒く防除機と動力噴霧機で国内上位の農機メーカーだ。北米の洗車機に載る高圧ポンプでは約8割のシェアを持つ。売上は410億円ほど、営業利益率は2〜4%と薄い。
筆者の結論は「適正」だ。強みは本物だが、稼ぐ力が値段に見合う水準で、安全域は厚くない。時価総額は純資産の半分で、一見割安に見える。ただ、純資産の中身は在庫と売掛金が多く、自己資本利益率は4%前後と資本コストに届かない。
今は追い風が吹いている。米の卸売価格が高止まりし、農家の設備投資が増えた。北米では洗車機向けとシェールオイル向けのポンプが戻り、2026年9月期の中間は営業利益が黒字に転じた。通期の営業利益は前期比4割増の15億円を見込む。
ただ、この利益は米価という外部要因に乗った部分が大きい。筆者は、10年先の中立の営業利益率を4%に置き、会社の目標(2027年9月期に5.8%)には届かないと見る。本社費用が売上の4〜5%を占める重さが、利益率の天井になっている。
還元は厚い。2025年9月期の総還元性向は96%で、自社株の保有比率は約2割に達する。そのうえ、QUOカードの優待もある。ただし在庫の積み増しで借金が増えており、還元を続けるには利益の回復が前提だ。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、丸山製作所は「2つの強い事業に、重い本社費用が乗った会社」だ。北米の洗車機ポンプの約8割のシェアは、10年先も続く本物の堀だ。国内の防除機も、農家が止まれない時期の整備網が支えになっている。
しかし、稼ぎは薄い。農機の売上は大きいが、利益は4%前後。工業用機械の高い利益が、本社費用と農機の薄い利益の補てんに使われている。オーナー利益、つまり設備と在庫に必要な資金を引いた株主の手元に残る利益は、純利益の7億円よりさらに小さい。在庫を増やす局面では、現金は減る。
時価総額は純資産の半分だが、純資産の多くは在庫、売掛金、設備、持ち合い株で、すぐに現金にならない。自己資本利益率が資本コストを下回る会社では、帳簿の価値は割り引いて見る必要がある。
経営の資本配分は、株主に向いている。総還元性向の高さと自社株買いを評価する。ただ、借入を増やして還元を続ける形は長く続かない。
筆者は、10年持つ価値は今の値段と同水準と見る。大きな安全域は無い。
何で稼ぐ会社か
丸山製作所は、ポンプとエンジンの2つの技術を軸に、農林業用機械、工業用機械、消防機械を作る。1895年に新潟で創業し、日本で初めて消火器を作った会社だ。消火器のポンプ技術から、農薬を撒く動力噴霧機、2サイクルエンジンの刈払機へと広がった。
2025年9月期の売上412億円のうち、農林業用機械が77%を占める。動力噴霧機、大型防除機、刈払機、チェンソー、農薬散布ドローンなどだ。国内の防除機で上位、ホームセンター向けの刈払機で国内トップのシェアを持つ。販売先は、クボタが売上の11.5%、全農が11.2%だ。
工業用機械は売上の16%だが、営業利益の約4割を稼ぐ。高圧ポンプと高圧洗浄機が中心で、北米の洗車機に載るポンプで約8割のシェアがある。売上の地域は、日本が36%、北米が33%、欧州が29%と分散している。シェールオイルの掘削や都市インフラ向けの大型ポンプも伸びている。
ほかに消防機械(消火器など)が6%、賃貸ビルと太陽光の売電が1%だ。国内の営業拠点は25か所、生産は千葉県東金市の2工場、長野県須坂市、岡山県と、タイ、インドにある。
農林業用機械は数を売って利益を積む事業で、利益率は4%前後。工業用機械は少ない手間で売れ、利益率は19〜24%と高い。この違いが、全体の利益率を2〜4%に抑えている。
中期経営計画(第8次)は2023年9月期に始まり、最終年度の2027年9月期に売上480億円、営業利益28億円を目指す。重点は、海外の拡大、スマート農業、工業用機械の高収益化だ。
優良さと弱いところ
強みは三つある。一つ目は、国内の営業拠点25か所を使い、農機の需要期(3〜7月)に整備まで自前で担う「生販一体」の体制だ。農家は止まれない時期に修理を頼めるので、買い替えも「次も丸山」になる。
二つ目は、北米の洗車機ポンプだ。50年超の取引で約8割のシェアを持ち、信頼性が参入障壁になっている。三つ目は、ポンプとエンジンを合わせた開発力で、2023年には2ストロークの水素エンジンを世界で初めて安定運転させた。
弱みは、利益率の低さだ。営業利益率は過去10年で1〜5%台にとどまり、自己資本利益率は4%前後。農機のほとんどは数を売る事業で、本社費用が営業利益の稼ぎを食う。2025年9月期は、セグメント利益の合計が約30億円あったのに、本社費用などで営業利益は11億円に減った。
財務は健全だが、守りは薄れている。自己資本比率は50%台だが、2026年9月期の中間期は在庫が前期末から34億円増え、有利子負債が約55億円増えて126億円になった。中東情勢の備えで部材を積み増した面もあるが、在庫を回す力が試される。
経営は還元に積極的だ。総還元性向は96%で、自社株の保有比率は約2割。ただし、買い戻した株を使ったM&Aの考えも示しており、資本配分の考え方は揺れている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の農業機械は、農家の高齢化と後継者不足で、機械化と省力化の需要が構造的に増える。農家の数は減るが、残った大規模農家が大型の防除機やドローンに投資する。ただ、農家の設備投資は農産物の価格に左右される。今の追い風は、米の卸売価格の高止まりだ。
農林業用機械は、国内がクボタ、ヤンマー、やまびこなど。ドローンは新規参入が多く、価格競争が激しい。丸山は防除機の専門性と整備網で守る。自動操縦トラクターはコストの壁で普及が遅れており、補助金が頼りだ。
海外の農業機械は、インドと東南アジアで伸びる。インドの工場は建設に着手した。欧州は環境規制が強く、2サイクルエンジン製品の販売が制限されつつあり、電池式に切り替わる。電動化に遅れると、欧州の売上は守れない。
工業用機械は、北米の洗車機とシェールオイルの掘削が中心だ。北米は2025年に流通在庫の調整が終わり、受注が戻った。2026年9月期の中間期は、北米向けが前年同期比78%増だった。ただし、シェールは原油価格に左右される。
欧州は産業用洗浄機と、純水装置向けのポンプが堅調だ。
10年先は、国内の農機の数量は微減、価格は物価並みの上昇。ポンプの数量は増えるが、景気の波を受ける。
資本政策と M&A
還元は積極的だ。配当性向は30%程度を目安に、DOE(株主資本配当率)も指標に加えた。2025年9月期は記念配当を含めて性向43%、総還元性向は96%だった。2026年9月期の配当は性向33%の見込み。
自社株買いは2021年から続け、自社株の保有比率は約2割。これを25%程度に高めることを検討している。取得した自社株は、周辺領域の技術獲得のM&Aに使う考えも示している。
QUOカードの株主優待もある。保有期間に応じて千円分から8千円分で、2026年8月に増額と区分の追加が決まった。優待の費用は開示がなく、筆者は年0.6億円ほどと推定した。10年で6億円を還元に足した(費用は利益に入り済み)。
個人株主の比率は約65%で、個人株主の数は5年で倍近くに増えた。PBR(純資産倍率)が0.5倍を下回ることを、会社は最重要の課題に挙げている。
一方、在庫の積み増しで借入が増えた。取適法(旧下請法)の改正で、仕入先への支払いを早める対応も出ている。還元を続けながら借金を抑えるのは、簡単ではない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
米の卸売価格が高止まりし、農家の設備投資の意欲は強い。大型防除機や動力噴霧機の需要は増え、2026年9月期の中間期は農林業用の営業利益が約4倍になった。北米の工業用ポンプも戻り、増産体制を整えた。工業用機械の営業利益率は2割を超える。
第8次の中期計画は「種まき」から「刈り取り」に移った。インドの工場、タイへの2サイクルエンジンの集約、購買チームによる原価の削減が、利益率を構造的に引き上げる。2027年9月期には営業利益28億円、5.8%を目指している。
総還元性向は96%で、自社株は2割から25%に高まる。時価総額は純資産の半分で、買い戻しの効果が大きい。株主優待を増額し、個人株主も増えた。
北米のシェア8割の洗車機ポンプは、競合が入れない。電動化にも水素エンジンで対応し、ウルトラファインバブルなど新しい事業も立ち上がる。
国内の農家の高齢化は、省力化の需要を押し上げる。大型防除機とドローンの組み合わせで、客単価も上がる。
慎重な見方
農機は農産物の価格に左右される。米価が下がれば、設備投資は一気に冷える。2026年9月期の中間期の増益は、米価が高いという外部要因が大きい。農家の数は減り続け、10年で台数は縮むのが自然だ。
営業利益率は過去10年で1〜5%台。会社の目標5.8%は、過去の最高水準を超える。本社費用は売上の4〜5%に当たり、人件費の上昇で膨らむ。セグメントの利益は29億円あっても、営業利益は11億円にとどまる構造は変わらない。
在庫は中間期だけで34億円増え、有利子負債は126億円と前期末から倍近くになった。取適法で仕入先への支払いも早まる。借入で還元を続ければ、金利が3.5%に上がる世界では利益を削る。
欧州は2サイクルエンジンの販売制限が強まっている。電動化で遅れれば、欧州と工業用機械の一部が失われる。北米のポンプはシェールと洗車機の景気に左右され、一度戻った受注も、また調整局面に入る。
自己資本利益率は4%前後。資本コストに届かないまま、帳簿を買い戻しても価値は増えない。
どちらに重みを置いたか
強気は、短期の追い風と北米のシェアという本物の強みを突き、慎重は、薄い利益率と在庫・借入の増加を突いている。10年の見方では、慎重の指摘が当たる面が多いと見て、確率はやや悲観に寄せた。
一方、工業用機械の堀と還元の厚さは強気が正しいので、楽観側にも2割強の確率を残した。中立の営業利益率は4%と、過去の最高5.4%の手前に置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した株価時価総額 4,262 円164 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 1,703 円65 億円)。 今の値に割り戻すと 3,193 円123 億円、今との差 +19.1%、 期待の年率 +8.3%(資本コスト 7.8%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 9,759 円375 億円 | 2,863 円110 億円 | +370.6% | +16.8% | 757 円29 億円 |
| やや楽観 | 20% | 6,482 円249 億円 | 2,317 円89 億円 | +228.0% | +12.6% | 1,760 円68 億円 |
| 中立 | 40% | 4,467 円172 億円 | 1,900 円73 億円 | +137.4% | +9.0% | 2,547 円98 億円 |
| やや悲観 | 24% | 1,804 円69 億円 | 1,197 円46 億円 | +11.9% | +1.1% | 720 円28 億円 |
| 悲観 | 10% | 1,609 円62 億円 | 208 円8 億円 | −32.3% | −3.8% | 182 円7 億円 |
| 加重平均 | 100% | 4,262 円164 億円 | 1,703 円65 億円 | +122.4% | +8.3% | 5,966 円229 億円 |
今の株価時価総額 2,682 円103 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.8% を下回るほど割高。
楽観 6% 楽観:北米ポンプが倍増し、会社の計画に近い利益率に届く 利益 26 億円 · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 9,759 円375 億円
北米の洗車機ポンプに加え、シェールオイル向けの大型ポンプ、欧州の純水装置向けが広がり、工業用機械の台数は10年で6割増える。利益率は22%を保つ。
農林業用は、米価の高止まりと農家の大規模化で、大型防除機とドローンの組み合わせが広がる。台数は5%増え、価格は物価を上回る1.38倍。インドの工場が立ち上がり、海外の売上比率は35%を超える。
本社費用は購買チームとタイへの生産集約で売上比の重さが和らぐ。営業利益率は5.8%と、計画の水準に届く。
還元は総還元性向で6割台を保ち、自社株の保有は25%に近づく。優待は費用を年0.6億円と推定し、10年の還元に6億円を足した。
- 農林業用機械:数量 223,650(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。大型機と小型機の平均。0.0015億円=15万円))→ 売上 463 億円・営業利益 23 億円。農林業 223,650台(1.05倍)× 1台0.00207億円(1.38倍)、利益率4.9%
- 工業用機械:数量 42,080(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0025億円=25万円))→ 売上 143 億円・営業利益 32 億円。工業用 42,080台(1.6倍)× 1台0.0034億円(1.36倍)、利益率22%
- その他の機械(消防機械):数量 20,600(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0012億円=12万円))→ 売上 33 億円・営業利益 2 億円。消防 20,600台(1.0倍)× 1台0.001608億円(1.34倍)、利益率5%
- 不動産賃貸他:数量 8,000(賃貸・売電の規模(面積換算、㎡。推定))× 価格 0.00(1㎡あたりの年間売上(億円。0.0005億円=50万円))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。賃貸 8,000㎡ × 年0.00067億円(1.34倍)、利益率60%
倍率:事業の純利益 26 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.7% が k 7.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.4 倍。全体の PER 14.42 倍、時価総額 375 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:工業用機械が計画どおり伸び、農機も国内外で利益率を上げる筋書き。営業利益率5.8%を10年保つ条件は厳しく、1割に届かない。
やや楽観 20% やや楽観:工業用が伸び、農機は物価分を取り、利益率は4.7% 利益 19 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 6,482 円249 億円
農機は台数を保ち、物価分の値上げが通る。農家の大規模化で大型機の比率が上がり、1台あたりの売上は1.36倍になる。利益率は4.6%に上がる。
工業用機械は台数が4割増える。北米のポンプが戻り、欧州の洗浄機と純水装置向けも堅調で、利益率は21%を保つ。
本社費用は人件費の上昇で増えるが、タイへの生産集約と購買の見直しで一部を吸収する。営業利益率は4.7%で、2026年9月期の予想(3.6%)より1ポイント高い。
還元は総還元性向で6割台。借入は在庫の圧縮で減らす。優待の費用6億円分も還元に足した。
- 農林業用機械:数量 213,000(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。大型機と小型機の平均。0.0015億円=15万円))→ 売上 435 億円・営業利益 20 億円。農林業 213,000台(1.0倍)× 1台0.00204億円(1.36倍)、利益率4.6%
- 工業用機械:数量 36,820(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0025億円=25万円))→ 売上 124 億円・営業利益 26 億円。工業用 36,820台(1.4倍)× 1台0.003375億円(1.35倍)、利益率21%
- その他の機械(消防機械):数量 20,600(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0012億円=12万円))→ 売上 33 億円・営業利益 2 億円。消防 20,600台(1.0倍)× 1台0.001608億円(1.34倍)、利益率5%
- 不動産賃貸他:数量 8,000(賃貸・売電の規模(面積換算、㎡。推定))× 価格 0.00(1㎡あたりの年間売上(億円。0.0005億円=50万円))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。賃貸 8,000㎡ × 年0.00067億円(1.34倍)、利益率60%
倍率:事業の純利益 19 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.5% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 249 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026年9月期の改善が一部定着する筋書き。計画(5.8%)には届かないが、足元の勢いが続く形で2割。
中立 40% 中立:農機は微減、工業用は増え、営業利益率は3.5% 利益 13 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 4,467 円172 億円
国内の農機は台数が5%減る。農家の数は減るが、残る大規模農家が大型機とドローンに切り替える。価格は物価並みの1.34倍。
工業用機械は台数が25%増え、北米のポンプが伸びる。利益率は20%を保つ。
本社費用などは売上と無関係の固定費が多く、人件費の上昇に合わせて10年で1.34倍に増える。これが全体の利益率を3.5%に抑える。減価償却は設備の取得時の値段のままで、物価で増えない。ただし更新の投資は建築費・機械の値上がりで膨らみ、償却を上回る分の現金が出ていく。
純利益は年13億円ほど。配当と自社株買いで利益の65%を戻し、優待の費用6億円分も還元に足した。借入は在庫の圧縮で緩やかに減る。
- 農林業用機械:数量 202,350(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。大型機と小型機の平均。0.0015億円=15万円))→ 売上 407 億円・営業利益 17 億円。農林業 202,350台(0.95倍)× 1台0.00201億円(1.34倍)、利益率4.2%
- 工業用機械:数量 32,875(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0025億円=25万円))→ 売上 110 億円・営業利益 22 億円。工業用 32,875台(1.25倍)× 1台0.00335億円(1.34倍)、利益率20%
- その他の機械(消防機械):数量 19,570(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0012億円=12万円))→ 売上 32 億円・営業利益 1 億円。消防 19,570台(0.95倍)× 1台0.001608億円(1.34倍)、利益率4.5%
- 不動産賃貸他:数量 8,000(賃貸・売電の規模(面積換算、㎡。推定))× 価格 0.00(1㎡あたりの年間売上(億円。0.0005億円=50万円))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。賃貸 8,000㎡ × 年0.00067億円(1.34倍)、利益率60%
倍率:事業の純利益 13 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.5% が k 7.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.9 倍、時価総額 172 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:過去10年の営業利益率は1〜5.4%(平均3%台)。直近の米価高騰の追い風を中立には織り込まず、3.5%に置いた。
やや悲観 24% やや悲観:農機の台数が15%減り、利益率は2.4%に戻る 利益 8 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 1,804 円69 億円
米価が下がり、農家の設備投資が冷える。農家の高齢化で台数は10年で15%減り、価格は転嫁が遅れて物価を下回る1.30倍にとどまる。
欧州では2サイクルエンジンの販売制限が強まり、電動化の遅れが売上を削る。北米のポンプも景気の波で横ばいにとどまる。
営業利益率は2.4%で、直近2年の2.6〜2.9%に近い。本社費用は圧縮を試みても、人件費の上昇で重い。
還元は総還元性向で5割台に下げる。優待の費用は縮小の見込みで、4.5億円分を足した。
会社は在庫を圧縮して借入を減らし、体質は守る。ただし成長投資は絞られ、海外の拡大もペースが落ちる。
- 農林業用機械:数量 181,050(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。大型機と小型機の平均。0.0015億円=15万円))→ 売上 353 億円・営業利益 13 億円。農林業 181,050台(0.85倍)× 1台0.00195億円(1.30倍)、利益率3.8%
- 工業用機械:数量 26,300(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0025億円=25万円))→ 売上 86 億円・営業利益 15 億円。工業用 26,300台(1.0倍)× 1台0.00325億円(1.30倍)、利益率18%
- その他の機械(消防機械):数量 18,540(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0012億円=12万円))→ 売上 29 億円・営業利益 1 億円。消防 18,540台(0.9倍)× 1台0.00156億円(1.30倍)、利益率4%
- 不動産賃貸他:数量 8,000(賃貸・売電の規模(面積換算、㎡。推定))× 価格 0.00(1㎡あたりの年間売上(億円。0.0005億円=50万円))→ 売上 5 億円・営業利益 3 億円。賃貸 8,000㎡ × 年0.00065億円(1.30倍)、利益率50%
倍率:事業の自己資本利益率が3%台で資本コストを大きく下回り、式の上限は1÷k(約11.8倍)。台数が縮む筋書きなので、これより低い9倍に置いた。
確率:米価が下がって農機の設備投資が冷え、欧州の2サイクル規制も効く筋書き。足元の薄い利益率に戻る形で、約4分の1。
悲観 10% 悲観:農機が構造的に縮み、本社費用が重く赤字に 利益 −8 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 1,609 円62 億円
農家の離農が進み、国内の農機は台数が35%減る。中国・韓国製の安い防除機やドローンが入り、価格は物価を下回る1.15倍にとどまる。
欧州は2サイクルエンジンの販売を禁じ、電動化で後れた丸山は売上を失う。北米のポンプも、シェールの停滞と洗車機の景気で縮む。
本社費用は売上の縮みに合わせて圧縮しきれず、営業損失は10億円に近づく。在庫は評価損を出し、借入の利息も重い。
配当は維持するが、自社株買いは止まる。優待は縮小し、3億円分を足した。資産の売却で借入を返す局面になる。
持ち合い株や遊休地を売り、借入の返済と事業の縮小に充てる。時価総額は、稼ぐ力ではなく、手元の資産の売れる値段が決める。
- 農林業用機械:数量 138,450(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。大型機と小型機の平均。0.0015億円=15万円))→ 売上 239 億円・営業利益 4 億円。農林業 138,450台(0.65倍)× 1台0.001725億円(1.15倍)、利益率1.5%
- 工業用機械:数量 18,410(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0025億円=25万円))→ 売上 51 億円・営業利益 4 億円。工業用 18,410台(0.7倍)× 1台0.00275億円(1.10倍)、利益率8%
- その他の機械(消防機械):数量 16,480(年間出荷台数(推定))× 価格 0.00(1台あたりの売上(億円。0.0012億円=12万円))→ 売上 24 億円・営業利益 1 億円。消防 16,480台(0.8倍)× 1台0.00144億円(1.20倍)、利益率3%
- 不動産賃貸他:数量 8,000(賃貸・売電の規模(面積換算、㎡。推定))× 価格 0.00(1㎡あたりの年間売上(億円。0.0005億円=50万円))→ 売上 4 億円・営業利益 2 億円。賃貸 8,000㎡ × 年0.0005億円(1.0倍)、利益率50%
倍率:稼ぐ力は赤字で値が付かず、床の資産(現金・持ち合い株・売掛金・在庫・土地の回収分から負債を引いた分)が値を決める。今の自己資本206億円に0.30を掛けた。
確率:農機の台数が3分の2に縮み、欧州と北米の工業用も押される構造的な負け。足元の薄利の会社として1割は持たせる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
農林業用機械
動力噴霧機、大型防除機、動力散布機、刈払機、チェンソー、農薬散布ドローン。クボタ・全農・特約店経由で売る。国内が8割強。
| 数量年間出荷台数(推定) | 価格1台あたりの売上(億円。大型機と小型機の平均。0.0015億円=15万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 213,000 | 0.00 | 320 | 13 |
| 10 年後 中立 | 202,350 | 0.00 | 407 | 17 |
取り方:台数は開示がなく推定。売上320.2億円を、刈払機(数万円)から大型防除機(数百万円)まで含めた平均15万円で割り、約21.3万台と置いた。セグメント利益13.1億円(率4.1%)は本社費用を引く前の値。
工業用機械
工業用高圧ポンプ、高圧洗浄機、ウルトラファインバブル製品。北米の洗車機向けポンプで約8割のシェア。日本・北米・欧州に分散。
| 数量年間出荷台数(推定) | 価格1台あたりの売上(億円。0.0025億円=25万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 26,300 | 0.00 | 66 | 13 |
| 10 年後 中立 | 32,875 | 0.00 | 110 | 22 |
取り方:台数は推定。売上65.8億円をポンプと洗浄機の平均25万円で割り、約2.6万台と置いた。セグメント利益12.7億円(率19.3%)。
その他の機械(消防機械)
消火器など消防機械・防災機器。連結子会社マルヤマエクセルが製造し、特約店経由で売る。
| 数量年間出荷台数(推定) | 価格1台あたりの売上(億円。0.0012億円=12万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 20,600 | 0.00 | 25 | 1 |
| 10 年後 中立 | 19,570 | 0.00 | 32 | 1 |
取り方:台数は推定。売上24.7億円を、消火器から消防ポンプまでの平均12万円で割り、約2.1万台と置いた。セグメント利益1.3億円(率5.1%)。
不動産賃貸他
稲毛丸山ビルなどの賃貸と太陽光発電の売電。
| 数量賃貸・売電の規模(面積換算、㎡。推定) | 価格1㎡あたりの年間売上(億円。0.0005億円=50万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 8,000 | 0.00 | 4 | 3 |
| 10 年後 中立 | 8,000 | 0.00 | 5 | 3 |
取り方:規模は推定。売上4.0億円を、賃貸と売電を合わせた1㎡あたり年50万円相当で割り、約8,000㎡と置いた。セグメント利益2.5億円(率62%)。
リスクと懸念
米価と農家の設備投資
今の追い風は米の卸売価格の高止まりだ。米価が下がれば農機の需要は冷え、2026年9月期の増益は消える。農家の数の減少も、台数を押し下げる。
在庫と借入の増加
2026年9月期の中間期は在庫が34億円増え、有利子負債は126億円と倍近くになった。需要期の売れ行きが悪ければ、在庫の評価損と金利負担が利益を削る。
欧州の環境規制
欧州は2サイクルエンジンの販売制限を強めている。電池式への切り替えが遅れれば、欧州の農林業用と一部の工業用の売上を失う。
北米のポンプの景気依存
洗車機ポンプのシェアは約8割だが、北米の景気と流通在庫に左右される。シェールオイル向けは原油価格の影響も大きい。
本社費用の重さ
セグメント利益の合計は約30億円でも、本社費用で営業利益は11億円に減る。人件費と研究開発の増加で、この重さが利益率の天井になる。
還元と借入の両立
総還元性向が9割を超える年が続けば、借入に頼る形になる。金利が3.5%に上がる世界では、金利負担が利益を削る。取適法の改正で仕入先への支払いも早まる。
今後の分かれ目
- 2026年9月期の通期で営業利益が15億円を超え、下期も北米が伸びる
- やや楽観の確率を上げてよい。米価の影響を差し引いて確かめる。
- 米価が下がり、秋以降の農機の受注が前年を割る
- 農林業用の追い風が剥げる合図。やや悲観の確率を上げる。
- 在庫が売れず、期末の有利子負債が減らない
- 還元の継続が難しくなる。悲観側の確率を上げる。
- インドの工場が稼働し、海外売上比率が30%を超える
- 中計の海外戦略が実を結ぶ兆し。楽観側の確率を上げる材料。
- 自社株の保有を25%に高め、保有株を使ったM&Aを発表する
- 資本配分の方針が変わる。買収の中身と価格で判断する。
見ておくもの
- 米の卸売価格と農機の受注
- 工業用ポンプの北米向け売上
- 在庫と有利子負債の水準
- 営業利益率(2027年9月期の目標5.8%)
倍率と資本コストの決め方
倍率は事業の自己資本利益率(3〜9%)と資本コスト7.75%から、式の上限の85〜90%に置いた。今の株価や同業の倍率は使っていない。営業利益率は過去10年の平均(3%台)に近い3.5%に置き、直近の米価高騰の追い風と会社の目標5.8%を中立に取り入れていない。
本社費用は10年で1.34倍に増やし、償却は物価で増やしていない。優待の費用は開示がなく推定で、10年で6億円を還元に足した。リースは小さく、新リース会計基準の影響はほぼない。数字は今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11→14.42 倍・やや楽観 PER 10.5→12.9 倍・中立 PER 10→12.9 倍)。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。