結論
象印マホービンは、炊飯ジャーを軸にした家庭用品の老舗だ。売上の約半分が炊飯ジャーで、国内ではトップブランドの座を保っている。
筆者の結論は「やや割高」だ。事業は堅い。だが稼ぐ力が資本コストとほぼ同じで、10年先の価値は今の時価総額に届かない。
足もとは好調だ。高級炊飯器の炎舞炊きが効き、2025年11月期の営業利益は74億円と前の期より25%増えた。ただ国内の炊飯器は、台数が8年で約2割減った成熟市場だ。海外は中国の不振が続く。2028年に営業利益90億円という会社の目標も、販管費の増加を考えれば楽ではない。
資産面の強みは、時価総額の3割にあたる純現金296億円だ。ただし3年で150億円の研究開発棟を建てる計画があり、全額が株主に戻るわけではない。創業家が約3割を持ち、過去の株主提案はすべて退けてきた。
中立の見立てでは、10年で売上が約4割増え、営業利益率は8%台、ROEは7%台後半になる。物価に乗って利益は増えるが、新たに投じるお金の稼ぎは資本コストをわずかに上回る程度だ。価値を大きく増やす会社ではない。民生電機の中では値動きの小さい堅実な会社で、ソニーのようなコンテンツやセンサーの伸びも、パナソニックのような電池の波もない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、象印はいい商品を持つ、普通の資本効率の会社だ。
堀は炊飯器のブランドにある。国内で高いシェアを持ち、高級機で値上げを通す力もある。ただ、堀を広げる方向の成長は見えにくい。国内は人口減で台数が減り、海外は中国の失速で足踏みした。10年後も事業は残るが、今より強いとは言い切れない。
株主が自由に使える利益は、営業利益より小さく見るべきだ。研究開発棟に150億円を投じ、設備の更新が続く。純利益のうち現金の運用益も含まれる。
資本の使い方は評価が割れる。無理な買収をしないのは良い。一方、純現金は時価総額の3割で、自己株式は発行済みの1割強にとどまる。株主に戻す速度は遅い。創業家が3割を持つため、ほかの株主の声は通りにくい。財務の堅さと引き換えに、資本の効率が犠牲になっている。
安全域は薄い。中立の筋書きでも、10年後の価値は今の時価総額を1割強下回る。本質価値より高い値段で持てば、10年の年率は資本コストに届かない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は国内の炊飯ジャーだ。2025年11月期の売上911億円のうち、炊飯ジャーが426億円と約半分を占める。内訳は国内298億円、海外128億円。炎舞炊きのような高級機で、1台あたりの単価を引き上げてきた。
残りは三つに分かれる。一つは、オーブンレンジ、加湿器、電気ポット、ホットプレートなどの調理・生活家電。二つめは、社名の由来である魔法瓶の流れをくむステンレスボトルで、国内と海外を合わせて160億円ほどだ。三つめは飲食事業で、「食堂」「弁当」「おにぎり」の3ブランドを持つ。売上は6億円で、通期の黒字化は達成したが、利益への貢献はまだ小さい。炊飯ジャーは機種ごとに価格帯が分かれ、上位機の比率が上がるほど1台あたりの利益が大きくなる。海外では、台湾でオーブンレンジが好調で、新しい収益源に育ち始めた。
地域別では、国内が614億円、海外が297億円。海外比率は3割強で、北米、台湾、中国が三本柱だ。営業利益は国内40億円に対し、海外が33億円。売上の3分の1で、利益の4割強を稼ぐ。利益率は海外の方が高い。
利益率を左右するのは、原材料と為替を値上げでどこまで吸収できるかだ。2026年11月期の会社予想は営業利益66億円と減益だが、第3四半期までの累計は5%増えている。会社予想は保守的に見える。
優良さと弱いところ
堀は、国内の炊飯器ブランドの力と、ごはんの味に絞った技術の積み重ねにある。会社は国内の炊飯ジャーの金額シェアが高水準だと説明する。ネット通販の売れ筋集計では、象印が4割強、タイガー魔法瓶が2割弱、パナソニックが1割ほどだ。これは人気順で、出荷統計ではない。
強みは、値上げを通せることだ。高級機は単価が高く、売れるほど利益率が上がり、価格競争に巻き込まれにくい。2026年11月期の第1四半期は、粗利率が32.6%から35.2%に上がった。
弱みは三つある。一つは、国内の台数が減り続けること。2016年度の575万台から2024年度の447万台へ、8年で約2割減った。二つめは、競合が高級機で追ってくること。タイガーは土鍋炊きを前面に出して順位を上げた。三つめは、利益率の低さだ。営業利益率は過去12年で5.7%から13.6%、中央は7%台にとどまる。
資本効率も課題だ。ROEは過去10年の中央値が6.2%で、資本コストを下回ってきた。厚い純現金が自己資本を膨らませている。経営は堅実で、無理な買収をしない。その分、資本を使い切る力は弱い。バリュー投資家の目では、いい商品を持つ、普通の資本効率の会社だ。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の炊飯器は、台数が減り、単価が上がる市場だ。日本電機工業会の統計では、2025年のジャー炊飯器の出荷は450万台。5年連続で前年を割った。それでも金額は1,100億円規模を保つ。買い替えるなら上位機を選ぶ人が増えたからだ。
世帯数の減少が続くため、台数の先行きは細る。高級機への移行は、いつまでも続く動きではない。炎舞炊きは国内の累計が100万台を超え、買い替え需要の一部を先取りした面がある。会社も2028年の国内炊飯ジャーを296億円と、今の298億円とほぼ同じに置く。
海外は日本食の広がりが追い風だ。海外の日本食レストランは2021年から2023年に、アジアで21%、北中南米で11%増えた。会社は東南アジア、韓国、欧州を重点地域にする。一方、中国は個人消費の低迷が長引き、売上が大きく減った。米国では関税が収益性を圧迫する。
競合は国内がタイガー魔法瓶、パナソニック、三菱電機など。海外は現地の家電メーカーが低価格帯で攻める。国内の電子レンジは競争が激しく、ステンレスボトルも国内外で伸び悩んだ。オーブンレンジは新しい30リットル機を投入し、会社は2028年に国内70億円まで伸ばす計画だ。
原材料は、中東情勢によるナフサなどの高騰が重しになる。会社は冷却技術などの新しい用途を探すが、収益の柱になるには時間がかかる。この領域は、成熟した家電にブランドの力で単価を足す構図だ。
資本政策と M&A
資本政策は、守りから少し攻めに動き始めた段階だ。2026年11月期の配当総額は30億円ほどで、連結配当性向50%以上を目安にする。前の期は特別配当も出した。自己株式も取得し、2025年には立会外の買付けを行った。自己株式は発行済み株式の12.5%にのぼる。
中期経営計画の資金計画は、3年で営業キャッシュフロー275億円に借入100億円を加える。使い道は、研究開発棟の更新150億円、既存事業への投資100億円、成長投資30億円。株主還元は90億円以上だ。還元は利益の半分程度で、厚い現金を大きく減らす設計ではない。
株主は創業家の色が濃い。筆頭は海外の保管機関名義の16%で、社長の市川典男氏が8.5%、創業家の資産管理会社と親族、財団を合わせると約3割になる。2020年から2023年に、中国の家電会社ギャランツの創業家と、投資ファンドのリム・ジャパンが、社外取締役の選任、買収防衛策の廃止、政策保有株の売却、増配を求めた。株主提案はすべて否決された。圧力で資本政策が動いた面はあるが、水準はまだ小さい。
M&Aに大型の案件はない。2025年に韓国で販売子会社をつくり、香港で販売会社を取得した。買われる側としては、創業家の持ち分が大きく簡単ではない。ただ現金が厚く規模が小さいため、外部の資本が動く可能性は消えない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
炎舞炊きが示したのは、象印がまだ値上げを通せるということだ。国内の炊飯ジャーは台数が減っても高級機の単価が伸び、2025年11月期は国内の営業利益が20億円から40億円へ倍増した。2026年11月期の第1四半期は粗利率が2.6ポイント上がり、営業利益は28%増えた。炎舞炊きの国内累計は100万台を超え、高級機の層は厚くなった。この流れが続けば、会社が掲げる2028年の営業利益90億円は届く。
海外には伸びしろがある。北米と台湾は伸び、中国は落ちたが、東南アジア、韓国、欧州はまだ小さい。日本食レストランは海外で増え続けており、炊飯ジャーは「おいしいごはん」を求める需要に直結する。台湾ではオーブンレンジも好調で、炊飯ジャー以外の柱が育ち始めている。会社は海外の炊飯ジャーを2028年に145億円と、今より13%増やす計画だ。
財務は盤石だ。純現金296億円は時価総額の3割にあたり、不況でも配当は崩れない。株主提案の圧力で、還元の姿勢も強まった。10年で売上が3割増え、営業利益率が10%台に乗れば、ROEは10%近くまで上がり、資本コストを超える。しかも現金が厚く規模が小さいので、買収の対象になれば上振れの余地もある。
慎重な見方
炎舞炊きの好調は、買い替え需要を前倒しした面が強い。国内の炊飯器は2016年度の575万台から2024年度の447万台に減り、世帯数の減少でこの先も縮む。会社自身が2028年の国内炊飯ジャーを今とほぼ同じ296億円と置いているのが、市場の天井を物語る。
利益の質にも不安がある。2026年11月期の会社予想は営業利益66億円と11%の減益だ。第3四半期の6〜8月期は営業利益が7%減り、中東情勢による原材料高も重なる。2028年の90億円を目指す計画は、粗利率の改善で21億円を見込む一方、販管費の増加が35億円と大きい。達成は楽ではない。オーブンレンジも国内で競争が激しく、利益を出すのは容易でない。
海外は中国で不振が続き、台湾のステンレスマグも落ちた。海外の営業利益は2024年の39億円から33億円へ減った。米国の関税という逆風もある。
そもそも資本効率が低い。ROEは10年の中央値が6%台で、資本コストを下回る。純現金は自己資本を膨らませるだけで、研究開発棟に150億円を使えば稼ぎはさらに薄まる。創業家が株を握り、2023年までの株主提案はすべて退けられた。ためた現金が株主に戻る保証はない。
どちらに重みを置いたか
炊飯器ブランドの強さと現金の厚みは本物だ。ただ、稼ぐ力が資本コストの内側にある点は、強気の見方でも崩せない。事業は残るが、10年で価値が大きく増える会社には見えない。
強気の見方が前提にする、海外の伸びと高級機の定着は、やや楽観までの確率にとどめた。国内の台数減と中国の不振はすでに数字に出ており、慎重な見方の足もとの強さを認めて、確率を悲観側へ寄せた。
悲観にも1割を置く。国内の人口減に、中国・韓国勢の低価格攻勢が重なる負け方は、10年あれば起こりうる。炊飯器に偏った事業で、代わりの柱が弱いからだ。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/11 期)
確率で加重した株価時価総額 1,986 円1,261 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 669 円425 億円)。 今の値に割り戻すと 1,487 円944 億円、今との差 +0.9%、 期待の年率 +6.1%(資本コスト 7.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 4,105 円2,607 億円 | 979 円622 億円 | +244.9% | +13.2% | 356 円226 億円 |
| やや楽観 | 21% | 3,034 円1,927 億円 | 833 円529 億円 | +162.3% | +10.1% | 812 円516 億円 |
| 中立 | 38% | 2,128 円1,352 億円 | 704 円447 億円 | +92.1% | +6.7% | 1,076 円683 億円 |
| やや悲観 | 24% | 891 円566 億円 | 542 円344 億円 | −2.8% | −0.3% | 344 円218 億円 |
| 悲観 | 10% | 390 円248 億円 | 283 円180 億円 | −54.3% | −7.5% | 67 円43 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,986 円1,261 億円 | 669 円425 億円 | +80.1% | +6.1% | 2,655 円1,687 億円 |
今の株価時価総額 1,474 円936 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 7% 炎舞炊きの高級化が国内に定着し、海外が計画を超える 利益 141 億円 · PER 18.0 倍 · 株価時価総額 4,105 円2,607 億円
高級炊飯器の流れが国内に根づく。買い替えのたびに上位機が選ばれ、1 台あたりの単価の上がりが物価を上回る。台数は世帯数の減少で減るが、減り幅は 1 割に届かない。
海外は東南アジア、韓国、欧州で炊飯ジャーが育ち、台数は今の 1.6 倍ほどになる。オーブンレンジも国内で認知を得て、利益率が上がる。ステンレスボトルは冷却技術などの新しい用途で再び伸びる。
2028 年の営業利益 90 億円は達成され、その後も利益率は 11% 台まで進む。研究開発棟の更新で商品力が保たれ、現金は還元に回る。自己株式の取得が続き、ROE は 12% 近くまで上がる。創業家の持ち分は動かないが、規模が小さく現金が厚いため、外部の資本が動く余地は残る。
- 炊飯ジャー(国内):数量 107(象印の国内の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 3.96(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 422 億円・営業利益 65 億円。数量 106.7(今の 0.97 倍)× 1 単位 3.955 万円(今の 1.46 倍)、営業利益率 15.5%
- 調理・生活家電ほか(国内):数量 255(調理・生活家電の販売点数(万台、推定))× 価格 1.78(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 455 億円・営業利益 39 億円。数量 254.8(今の 1.40 倍)× 1 単位 1.784 万円(今の 1.37 倍)、営業利益率 8.5%
- ステンレスボトルなどリビング製品(国内):数量 415(ステンレスボトルなどの販売本数(万本、推定))× 価格 0.27(1 本あたり売上(万円・名目))→ 売上 114 億円・営業利益 7 億円。数量 414.75(今の 1.05 倍)× 1 単位 0.274 万円(今の 1.37 倍)、営業利益率 6.0%
- 炊飯ジャー(海外):数量 111(象印の海外の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 2.70(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 300 億円・営業利益 50 億円。数量 111.16(今の 1.65 倍)× 1 単位 2.698 万円(今の 1.42 倍)、営業利益率 16.5%
- 海外のステンレスボトル・その他:数量 275(炊飯ジャー以外の海外販売点数(万個、推定))× 価格 1.10(1 個あたり売上(万円・名目))→ 売上 301 億円・営業利益 35 億円。数量 274.62(今の 1.30 倍)× 1 単位 1.096 万円(今の 1.37 倍)、営業利益率 11.5%
倍率:事業の純利益 139 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.9% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.0 倍 + 余った現金(戻り方込み)100 億円。全体の PER 18 倍、時価総額 2,607 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:複数の追い風が同時にそろう必要があり、会社の目標の営業利益 90 億円も中国の不振を抱えた数字なので、確率は低めにした。
やや楽観 21% 高級機の定着と海外の拡大が会社の計画に近づく 利益 111 億円 · PER 16.7 倍 · 株価時価総額 3,034 円1,927 億円
高級機への移行と海外の拡大が、会社の計画に近い形で進む。国内の炊飯ジャーは台数が 1 割弱減るが、単価が物価を少し上回り、売上は今の 1.3 倍になる。
海外の炊飯ジャーは台数が 1.4 倍を超える。中国は戻らず、北米は関税の影響が残るものの、東南アジアと韓国が補う。オーブンレンジと加湿器が伸び、国内の家電全体で利益率が改善する。
販管費は売上に合わせて増え、営業利益率は 10% 台に乗る。資本政策は少しずつ前向きになり、配当性向 50% 以上と自己株式の取得で、現金の積み上がりを抑える。ROE は 10% 近くまで届く。炎舞炊きの上位機が看板になり、買い替えのたびに単価が積み上がる。
- 炊飯ジャー(国内):数量 102(象印の国内の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 3.79(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 388 億円・営業利益 54 億円。数量 102.3(今の 0.93 倍)× 1 単位 3.793 万円(今の 1.40 倍)、営業利益率 14.0%
- 調理・生活家電ほか(国内):数量 228(調理・生活家電の販売点数(万台、推定))× 価格 1.77(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 403 億円・営業利益 28 億円。数量 227.5(今の 1.25 倍)× 1 単位 1.771 万円(今の 1.36 倍)、営業利益率 7.0%
- ステンレスボトルなどリビング製品(国内):数量 395(ステンレスボトルなどの販売本数(万本、推定))× 価格 0.27(1 本あたり売上(万円・名目))→ 売上 107 億円・営業利益 5 億円。数量 395.0(今の 1.00 倍)× 1 単位 0.272 万円(今の 1.36 倍)、営業利益率 4.5%
- 炊飯ジャー(海外):数量 97.7(象印の海外の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 2.62(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 256 億円・営業利益 38 億円。数量 97.69(今の 1.45 倍)× 1 単位 2.622 万円(今の 1.38 倍)、営業利益率 15.0%
- 海外のステンレスボトル・その他:数量 254(炊飯ジャー以外の海外販売点数(万個、推定))× 価格 1.09(1 個あたり売上(万円・名目))→ 売上 276 億円・営業利益 28 億円。数量 253.5(今の 1.20 倍)× 1 単位 1.088 万円(今の 1.36 倍)、営業利益率 10.0%
倍率:事業の純利益 109 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.8% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)100 億円。全体の PER 16.7 倍、時価総額 1,927 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:第 1 四半期の増益と海外の重点地域の拡大で、会社の計画に近い筋書きは十分ありうる。強気の見方が一部通るとして中立より薄い 2 割台にした。
中立 38% 成長は物価並みにとどまり、ROE は資本コストの近辺にとどまる 利益 84 億円 · PER 15.1 倍 · 株価時価総額 2,128 円1,352 億円
10 年後も国内ブランドの位置は変わらないが、成長は物価の上昇にほぼ等しい。国内の炊飯ジャーは台数が 1 割強減り、単価は物価並みに上がる。売上は会社の計画どおり、しばらくは横ばいに近い。
海外は東南アジアと韓国で伸び、中国が足を引っ張る形が続く。炊飯ジャーの台数は 2 割強増える。オーブンレンジは国内で売上を伸ばすが、競争が厳しく利益率は 5% にとどまる。ステンレスボトルは薄利のままだ。
営業利益率は 8% 台で、会社が掲げる 2028 年の 90 億円は、10 年のどこかで超える。還元は利益の 6 割ほどで、純現金は研究開発棟の更新を経ても大きくは減らない。ROE は 7% 台後半で、資本コストをわずかに上回る。
- 炊飯ジャー(国内):数量 96.8(象印の国内の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 3.63(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 351 億円・営業利益 44 億円。数量 96.8(今の 0.88 倍)× 1 単位 3.630 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 12.5%
- 調理・生活家電ほか(国内):数量 200(調理・生活家電の販売点数(万台、推定))× 価格 1.74(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 349 億円・営業利益 17 億円。数量 200.2(今の 1.10 倍)× 1 単位 1.745 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 5.0%
- ステンレスボトルなどリビング製品(国内):数量 375(ステンレスボトルなどの販売本数(万本、推定))× 価格 0.27(1 本あたり売上(万円・名目))→ 売上 101 億円・営業利益 3 億円。数量 375.25(今の 0.95 倍)× 1 単位 0.268 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 3.0%
- 炊飯ジャー(海外):数量 84.2(象印の海外の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 2.55(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 214 億円・営業利益 29 億円。数量 84.21(今の 1.25 倍)× 1 単位 2.546 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 13.5%
- 海外のステンレスボトル・その他:数量 232(炊飯ジャー以外の海外販売点数(万個、推定))× 価格 1.07(1 個あたり売上(万円・名目))→ 売上 249 億円・営業利益 22 億円。数量 232.38(今の 1.10 倍)× 1 単位 1.072 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 9.0%
倍率:事業の純利益 83 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.8% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 7.4%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.1 倍 + 余った現金(戻り方込み)100 億円。全体の PER 15.08 倍、時価総額 1,352 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:国内の台数減と高級機の一巡という弱さと、ブランドと値上げの力という強さが拮抗する中心の筋書き。最も厚い確率を置いた。
やや悲観 24% 国内の台数減が早まり、高級機の値上げも一巡する 利益 51 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 891 円566 億円
国内の台数減が想定より早く、高級機への移行も一巡する。炊飯ジャーは国内の台数が 2 割減り、単価の上がりは物価に届かない。小売りの自社ブランドや中国・韓国の安い高機能機が、中価格帯を削る。
ステンレスボトルは競争と関税で利益が出ない。海外は中国が戻らず、欧州と韓国の新規開拓も足踏みする。
営業利益率は 6% 近くまで下がる。研究開発棟の償却と販管費の増加が重い。配当は維持されるが、現金の戻りは遅く、ROE は 5% を割る。創業家の持ち分が大きく、資本政策の変化も小さい。事業は崩れないが、価値は目減りする。炎舞炊きの需要の先食いが表に出て、国内の売上が伸び悩む年が増える。
- 炊飯ジャー(国内):数量 88.0(象印の国内の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 3.52(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 310 億円・営業利益 33 億円。数量 88.0(今の 0.80 倍)× 1 単位 3.522 万円(今の 1.30 倍)、営業利益率 10.5%
- 調理・生活家電ほか(国内):数量 182(調理・生活家電の販売点数(万台、推定))× 価格 1.69(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 308 億円・営業利益 11 億円。数量 182.0(今の 1.00 倍)× 1 単位 1.693 万円(今の 1.30 倍)、営業利益率 3.5%
- ステンレスボトルなどリビング製品(国内):数量 336(ステンレスボトルなどの販売本数(万本、推定))× 価格 0.26(1 本あたり売上(万円・名目))→ 売上 86 億円・営業利益 0 億円。数量 335.75(今の 0.85 倍)× 1 単位 0.256 万円(今の 1.28 倍)、営業利益率 0.0%
- 炊飯ジャー(海外):数量 70.7(象印の海外の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 2.47(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 175 億円・営業利益 18 億円。数量 70.74(今の 1.05 倍)× 1 単位 2.470 万円(今の 1.30 倍)、営業利益率 10.0%
- 海外のステンレスボトル・その他:数量 201(炊飯ジャー以外の海外販売点数(万個、推定))× 価格 1.02(1 個あたり売上(万円・名目))→ 売上 206 億円・営業利益 12 億円。数量 200.69(今の 0.95 倍)× 1 単位 1.024 万円(今の 1.28 倍)、営業利益率 6.0%
倍率:この筋書きの事業 ROE は 5% 近くと資本コストを下回り、ためた利益は帳簿の額より小さい価値になる。PER の上限は 1÷k の約 13 倍で、そこから大きく割り引いて 9 倍を置いた。余った現金は 0.75 倍の 75 億円を戻り方 0.5 で足した。
確率:国内の台数減と中国の不振はすでに数字に出ており、会社自身が国内の炊飯ジャーを 2028 年まで横ばいと置いている。慎重な見方の方が事業の足もとに近いので、中立に次いで厚くした。
悲観 10% 構造的に価格を決める力を失う 利益 4 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 390 円248 億円
構造的に負ける 10 年になる。国内では人口減で炊飯器の台数が 3 分の 1 近く減る。中国・韓国の家電メーカーや小売りの自社ブランドが安い高機能機を投入し、高級機の値上げが通らなくなる。
ステンレスボトルは価格競争で赤字に沈み、飲食など新しい事業も利益を出せない。海外は中国で縮小が続き、米国の関税が追い打ちをかける。営業利益はほぼゼロまで落ちる。
研究開発棟などの投資が重荷になり、在庫と持ち合いの評価損も出る。配当は維持されるが、利益では賄えず、現金と資産の一部を売却して払う。残るのは純現金と手持ちの資産の価値だけだ。人手不足や物流費の上昇で、固定費も重くなる。
- 炊飯ジャー(国内):数量 71.5(象印の国内の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 3.12(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 223 億円・営業利益 13 億円。数量 71.5(今の 0.65 倍)× 1 単位 3.115 万円(今の 1.15 倍)、営業利益率 6.0%
- 調理・生活家電ほか(国内):数量 146(調理・生活家電の販売点数(万台、推定))× 価格 1.50(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 218 億円・営業利益 −4 億円。数量 145.6(今の 0.80 倍)× 1 単位 1.498 万円(今の 1.15 倍)、営業利益率 -2.0%
- ステンレスボトルなどリビング製品(国内):数量 237(ステンレスボトルなどの販売本数(万本、推定))× 価格 0.22(1 本あたり売上(万円・名目))→ 売上 52 億円・営業利益 −3 億円。数量 237.0(今の 0.60 倍)× 1 単位 0.220 万円(今の 1.10 倍)、営業利益率 -5.0%
- 炊飯ジャー(海外):数量 53.9(象印の海外の炊飯ジャー販売台数(万台、推定))× 価格 2.18(1 台あたり売上(万円・名目))→ 売上 118 億円・営業利益 5 億円。数量 53.9(今の 0.80 倍)× 1 単位 2.185 万円(今の 1.15 倍)、営業利益率 4.0%
- 海外のステンレスボトル・その他:数量 148(炊飯ジャー以外の海外販売点数(万個、推定))× 価格 0.88(1 個あたり売上(万円・名目))→ 売上 130 億円・営業利益 0 億円。数量 147.88(今の 0.70 倍)× 1 単位 0.880 万円(今の 1.10 倍)、営業利益率 0.0%
倍率:床は純現金から研究開発棟の更新分を除いた額に、投資有価証券と保有不動産の税後の売却手取りを足した約 250 億円。今の自己資本 887 億円に対する 0.28 倍として置いた。稼ぐ力(純利益 3.6 億円÷k)より大きい方を床とした。
確率:炊飯器に偏った事業が構造的に崩れる筋書き。ROE が資本コスト並みの会社で、10 年に 1 回の悪い展開が起きる確率として 1 割を置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
炊飯ジャー(国内)
国内で売る炊飯ジャー(業務用を含む)。高級機の炎舞炊きが単価を引き上げている。
| 数量象印の国内の炊飯ジャー販売台数(万台、推定) | 価格1 台あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 110 | 2.71 | 298 | 39 |
| 10 年後 中立 | 96.8 | 3.63 | 351 | 44 |
取り方:日本電機工業会の統計で国内のジャー炊飯器は年約 450 万台・約 1,100 億円(2025 年度)。象印の国内炊飯ジャー売上 298 億円を、平均の卸値約 2.7 万円(市場平均より高級機寄り)で割って約 110 万台と推定した。台数シェアは約 24%、金額シェアは約 27%。ネット通販の売れ筋集計で象印が 4 割強とされるのは人気順で、出荷統計とは別物。台数は実質の数量で、物価と高級機への移行は 1 台あたり売上に入れる。
調理・生活家電ほか(国内)
オーブンレンジ、加湿器、電気ポット、ホットプレートなどの調理・生活家電と、飲食事業(売上約 6 億円)。
| 数量調理・生活家電の販売点数(万台、推定) | 価格1 台あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 182 | 1.30 | 237 | 6 |
| 10 年後 中立 | 200 | 1.74 | 349 | 17 |
取り方:国内売上 614 億円から炊飯ジャーとステンレスボトルを除いた約 237 億円(オーブンレンジ約 28 億円・飲食約 6 億円・加湿器・ポットなどを含む)を、平均の卸値約 1.3 万円で割って約 182 万台と推定した。点数は実質の数量。物価の分は 1 台あたり売上に入れる。会社はオーブンレンジを 2028 年に国内 70 億円まで伸ばす計画。
ステンレスボトルなどリビング製品(国内)
魔法瓶の流れをくむステンレスボトル・マグ。マイボトル需要と猛暑向けの保冷用途が柱。
| 数量ステンレスボトルなどの販売本数(万本、推定) | 価格1 本あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 395 | 0.20 | 79 | −2 |
| 10 年後 中立 | 375 | 0.27 | 101 | 3 |
取り方:会社の計画のグラフから、リビング製品の国内売上を約 79 億円と読み取り、平均の卸値約 0.2 万円で割って約 395 万本と推定した。グラフの読み取りと卸値は推定。本数は実質の数量で、物価は 1 本あたり売上に入れる。
炊飯ジャー(海外)
台湾・北米・中国・東南アジア・韓国などで売る炊飯ジャー。炎舞炊きの海外展開が計画の柱。
| 数量象印の海外の炊飯ジャー販売台数(万台、推定) | 価格1 台あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 67.4 | 1.90 | 128 | 18 |
| 10 年後 中立 | 84.2 | 2.55 | 214 | 29 |
取り方:海外の炊飯ジャー売上 128 億円(会社の計画)を、平均の卸値約 1.9 万円(高級機と普及機の混合)で割って約 67 万台と推定した。台数は実質の数量。円換算(150 円)と物価の分は 1 台あたり売上に入れる。
海外のステンレスボトル・その他
海外のステンレスボトル・マグ、電子レンジ、ポットなど炊飯ジャー以外の全部。
| 数量炊飯ジャー以外の海外販売点数(万個、推定) | 価格1 個あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/11 | 211 | 0.80 | 169 | 15 |
| 10 年後 中立 | 232 | 1.07 | 249 | 22 |
取り方:海外売上 297 億円から炊飯ジャー 128 億円を除いた約 169 億円(ステンレスボトル約 85 億円・電子レンジ約 6 億円・ポットほか)を、平均の卸値約 0.8 万円で割って約 211 万個と推定した。点数は実質の数量。物価の分は 1 個あたり売上に入れる。
リスクと懸念
国内の炊飯器の台数減
国内のジャー炊飯器は2016年度の575万台から2024年度の447万台へ、8年で約2割減った。世帯数の減少でこの先も縮む。高級機の単価で補ってきたが、炎舞炊きの買い替え需要が一巡すれば、売上は台数減の分だけ細る。会社も国内の炊飯ジャーを2028年まで横ばいと置く。
中国と海外の不振
中国は個人消費の低迷で売上が大きく減り、台湾ではステンレスマグが落ちた。海外の営業利益は2024年の39億円から2025年の33億円に減った。海外は利益率が国内より高いため、ここが崩れると全社の利益に響く。会社は東南アジア、韓国、欧州で補う計画だが、まだ規模が小さい。
原材料高と関税
中東情勢によるナフサなどの高騰や円安が、仕入れ原価を押し上げる。米国の関税も収益性を下げる。値上げで吸収できなければ、粗利率の改善は止まる。2026年11月期の第3四半期は、6〜8月期の営業利益が前年より7%減り、その兆しが出ている。
資本効率が上がらない
ROEは10年の中央値が6%台で、資本コストを下回る。純現金が自己資本を膨らませ、研究開発棟に150億円を投じても、稼ぎに直結しにくい。会社は2028年にROE8%を掲げるが、販管費の増加で営業利益率9%への道は厳しい。
創業家支配と還元の遅さ
創業家と関係者で株式の約3割を持ち、2020年から2023年の株主提案はすべて否決された。純現金は時価総額の3割あり、自己株式は発行済みの12.5%と厚いが、消却や大きな還元に動くかは経営の判断に左右される。少数株主の声は通りにくい。
炊飯器への偏り
売上の約半分が炊飯ジャーに偏る。競合のタイガー魔法瓶やパナソニックが高級機で追い、中国・韓国勢が低価格帯を攻める。オーブンレンジとステンレスボトルは利益が薄く、炊飯器が崩れた時に代わる柱がまだない。
今後の分かれ目
- 国内の炊飯ジャーの売上が、会社の計画(2028年に296億円)を上回って伸び続けたら
- 高級機の定着が続くとみて、国内の台数減の前提を緩め、やや楽観側に確率を寄せる。
- 2026年11月期の通期の営業利益が、会社予想の66億円を大きく上回って着地したら
- 原材料高の吸収が想定より進んだとみて、利益率の前提を上げる。ただし第4四半期の減益の理由は確認する。
- 海外の売上が東南アジアと韓国で伸び、2028年に349億円へ向かう道筋が見えたら
- 海外の炊飯ジャーの数量の前提を引き上げ、やや楽観の確率を厚くする。
- 中国の売上が再び落ち込み、台湾の不振も広がったら
- 海外の利益が減るとみて、やや悲観側の確率を上げる。
- 自己株式の消却や、純現金を使った大きな還元が発表されたら
- 余った現金の戻り方の前提を見直す。還元が厚くなれば、戻り方を引き上げて価値を足す。
- 投資ファンドや事業会社による株式の買い増し・買収提案が出たら
- 買収の上乗せは筋書きの外にある。創業家の持ち分が大きいため、実現の道筋と価格を別に見る。
見ておくもの
- 国内の炊飯ジャーの売上と、日本電機工業会のジャー炊飯器の出荷台数
- 海外の売上(東南アジア・韓国・欧州と中国・台湾の差)
- 粗利率と販管費の推移(営業利益率9%への道筋)
- 自己株式の取得・消却と配当総額
- 研究開発棟の投資の進み方と純現金の残高
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価やPERから置いていない。資本コスト7%と、成長4%(物価3%に実質1%)から正当化PERを計算し、中立の事業ROEは7.8%と資本コストに近く、正当化PERは1÷kに近い13倍台で、上限と床の幅が小さいため床をわずかに上回る13.4倍を置いた(楽観は上限の95%、やや楽観は90%)。炊飯器という1つの製品群の山に乗る利益の質は、楽観・やや楽観の割り引きに使った。やや悲観と悲観は、稼ぐ力と純現金・売れる資産の床から置き、過去のPBRは使っていない。リースは飲食店と事務所の賃借が中心で小さく、新リース会計基準の影響は軽微とみて、今の形(家賃を営業費用に入れた形)でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 15.97→18 倍・やや楽観 PER 13.86→16.7 倍・中立 PER 13.4→15.08 倍)。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality 0。値決め力と循環が小さく相殺し、単一製品群への偏りは寿命の欄で見たが加点・減点とも置かなかった。純現金で extra は置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 7.50% → 7.00%。