結論
ぷらっとホームは、Linuxで動く小型サーバー「OpenBlocks」を作る会社だ。工場や設備のデータを集めてクラウドへ送る、IoTの中継機が今の主力である。
筆者の結論ははっきり割高だ。2026年3月期の売上は13億円、営業利益は1,200万円にとどまる。今の時価総額47億円は、その利益の200倍を超える。
赤字は2007年3月期から18期続いた。黒字に戻ったのは2025年3月期からで、まだ稼ぐ力が証明されたとは言えない。会社は2027年3月期に営業利益6,000万円を見込むが、それでも時価総額の説明には遠い。
株価を動かしてきたのは、本業ではなくWeb3という新しい看板だ。ブロックチェーンで機器の信頼を担保する試みで、特許も取った。だが売上はまだ年数千万円で、赤字である。
10年の中立では、純利益は6,000万円台、時価総額は5億円ほどと筆者は見る。楽観の筋書きでも今の値段に届かない。
値段の差を埋めるには、本業の台数が2倍になり、Web3も黒字になる必要がある。どちらも今は計画と実証の段階で、払う値段の根拠にはならない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず「この事業は10年後に今より強いか」を問う。答えは、強くなる材料は少ない、だ。
小型サーバーの技術はまねできる。顧客を囲い込む仕組みも、遠隔管理の利用料があるとはいえ薄い。18期の赤字は、この事業が資本を生むより食う側にいた証拠である。
株主のものになる利益、つまりオーナー利益は、今は年数千万円にすぎない。そこから成長の投資を引けば、ほとんど残らない。
今の値段は、Web3が大きく当たる夢を先に払っている。夢が当たる確率がゼロとは言わない。だが確率をかけて足し合わせても、今の時価総額の1割に届かないと筆者は見る。安全域はどこにも無い。
小さな会社の中には、目立たないが強い製品で長く稼ぐ優良な会社もある。ぷらっとホームの製品は壊れにくく、現場の信頼もある。だが信頼が値段を決める力に変わっておらず、18期の赤字がそれを示している。オーナーとして持ち続けたい事業の条件には、まだ届いていない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱はネットワーク事業だ。OpenBlocksは手のひら大でファンが無く、壊れにくい。工場、ビルの設備、店舗の機器につなぎ、センサーのデータを集めて送る。TOTOの設備保守のサービスに採用された例がある。
売上は機器の販売と、遠隔で機器を管理するAirManageなどの利用料から成る。2026年3月期の第3四半期までで、この事業は売上9.4億円、利益1.9億円を出した。事業そのものの利益率は2割近い。
二つ目はWeb3事業だ。機器が出すデータをブロックチェーンに記録し、改ざんされていないことを示す仕組みを売る。2025年にINTMAXと提携し、実証実験で自社の仕組みが使われた。ただ同じ期間の売上は3,000万円、損失は3,700万円である。
本社の費用は年2億円近くかかる。事業の利益の大半をここで食い、会社全体ではほぼ利益が残らない。会社の規模が小さすぎて、固定費を吸収できないのが一番の弱点だ。2026年3月期から子会社を含む連結決算になった。
顧客は企業の設備部門と、機器を組み込んで売るシステム会社だ。1件の注文は小さく、大口の顧客が離れると売上が目に見えて揺れる。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは薄い。Linuxの小型サーバーを国内で長く作ってきた経験と、壊れにくさの評判はある。だが中身は汎用の部品とオープンなソフトで、大手の通信機器メーカーや台湾の機器メーカーでも同じ物は作れる。
値段を決める力も弱い。顧客は企業の設備部門やシステム会社で、入札や相見積もりで選ばれる。単価を物価以上に上げられた形跡は無い。
資本の効率は、長く資本を壊してきた歴史が物語る。過去10年のROEの中央値はマイナス23%だ。2023年3月期には株を新たに出して資金を補った。
財務は借金が無く、現金が2億円ほどある。ただ自己資本は4億円台と薄い。赤字が2〜3年続けば、また株を出す必要が出る規模である。
経営の資本の使い方も、評価は割れる。本業の利益が細い中で、Web3という遠い賭けに人と資金を回している。当たれば大きいが、外れれば本業の数年分の利益が消える。筆者は、まず本業で固定費を確実に賄う方が先だと考える。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
IoTの中継機の市場そのものは伸びている。工場やビルの設備をネットにつなぎ、遠隔で見守る需要は、人手不足を背景に広がる。電気機器の業種のノートでも、IT サービスや通信機器はクラウド移行で伸び続けると置いた。
ただ伸びる市場ほど、競争相手も多い。国内ではNECプラットフォームズやアットマークテクノ、海外ではAdvantechやMoxaのような産業用コンピューターの大手が同じ顧客を狙う。大手は品ぞろえと保守網で勝る。小さな会社が勝てるのは、特注に近い少量の案件だ。
技術の変化も向かい風になりうる。通信モジュールやルーターに中継の機能が入り、専用の箱が要らなくなる流れがある。クラウドの大手が自前の機器と管理サービスを組み合わせて出すと、単体の箱の価値は下がる。
Web3は話題性があるが、企業の設備でブロックチェーンが当たり前に使われる時期は読めない。筆者は10年の中立に大きな利益を置かない。
人件費と部品の値上がりは、物価並みに続く。小さな機器会社は仕入れの量が少なく、半導体の値上がりを大手ほど吸収できない。値上げが通るのは、保守と遠隔管理のように顧客が乗り換えにくい部分だけだ。
資本政策と M&A
配当は長く出していない。累積の赤字が重く、利益を出しても配る余裕はまだ乏しい。
資金は2023年3月期に新株を出して補った。今後も、Web3などに投資する時は株の希薄化を伴う可能性がある。小さな会社が成長資金を株で集めると、既存の株主の取り分は薄まる。
買収の観点では、時価総額が小さく、技術を欲しい通信機器の会社に買われる筋はありうる。ただ今の値段は利益に比べて高すぎ、買い手がこの値段を払う理由は乏しい。自社株買いの余力も無い。
筆者が見たいのは、本業の利益で配当を始められるかどうかだ。そこまで行けば、資本の使い方に規律が生まれる。今はまだ、その入口にも立っていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
IoTの中継機は、人手不足の時代に欠かせない部品になる。工場もビルも、人が回って点検する代わりに機器がデータを送る。ぷらっとホームの機器はファンが無く壊れにくく、現場の評判は悪くない。
黒字には既に戻った。会社は2027年3月期の売上を16億円近くまで伸ばす計画だ。本社の費用はほぼ固定なので、売上が2倍になれば利益は何倍にもなる。小さい会社ほど、売上の伸びが利益を大きく押し上げる。
Web3は世界でも珍しい取り組みだ。機器のデータに改ざんが無いことを示す仕組みは、電力の取引や炭素の排出量の証明で要る。基本特許を国内外で取ったことは、他社が同じことをする時の壁になる。一つ大きな採用が決まれば、売上の桁が変わる。
時価総額が小さいことも追い風になりうる。技術を欲しがる通信機器の会社や商社にとって、買いやすい規模だ。本業の黒字が続き、Web3の採用が一つでも決まれば、事業の見え方は一変する。小さな会社ほど、一つの成功で値段が大きく変わる。
慎重な見方
18期の赤字は偶然ではない。小型サーバーは誰でも作れる箱で、大手と台湾勢がいる市場で小さな会社が値段を取る余地は無い。事業の利益は本社の費用でほぼ消え、会社全体ではやっと赤字を抜けた程度だ。
Web3の売上は年数千万円で、赤字である。特許があっても、企業が設備の記録にブロックチェーンを使う理由はまだ弱い。株価は2025年に提携の発表で跳ね、その後半値になった。値段を動かしているのは利益でなく話題だ。
自己資本は4億円台しかない。赤字が数年続けば、また株を出すことになる。そのたびに既存の株主の取り分は薄まる。今の時価総額は、楽観の筋書きがすべて当たってやっと届くかどうかの水準で、外れた時の下は深い。
競合も手強い。国内ではNECプラットフォームズ、海外ではAdvantechのような大手が、品ぞろえと保守の網で顧客を押さえる。中継の機能が通信モジュールに吸収されれば、専用の箱の市場そのものが縮む。小さな会社に逃げ場は少ない。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方が強い。18期の赤字と自己資本の薄さは事実で、楽観の材料はまだ計画と実証実験の段階にある。確率は悲観側に厚く置き、楽観は小さくした。中立でも純利益は1億円に届かず、今の値段との差は大きい。
強気の側の材料は、どれも当たれば大きいが、当たる根拠が開示の数字にまだ無い。筆者は、黒字が数年続き、Web3で継続の利用料が立つまで、楽観の重みを上げない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 242 円12 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 14 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 119 円6 億円、今との差 −87.9%、 期待の年率 −12.6%(資本コスト 8.3%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 1,265 円60 億円 | 84 円4 億円 | +37.5% | +3.2% | 81 円4 億円 |
| やや楽観 | 16% | 526 円25 億円 | 32 円2 億円 | −43.1% | −5.5% | 89 円4 億円 |
| 中立 | 36% | 185 円9 億円 | 11 円1 億円 | −80.1% | −14.9% | 70 円3 億円 |
| やや悲観 | 26% | 46 円2 億円 | 0 円0 億円 | −95.3% | −26.3% | 12 円1 億円 |
| 悲観 | 16% | 23 円1 億円 | 0 円0 億円 | −97.6% | −31.2% | 4 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 242 円12 億円 | 14 円1 億円 | −73.9% | −12.6% | 256 円12 億円 |
今の株価時価総額 981 円47 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。
楽観 6% IoTの中継機が大きな採用を重ね、Web3も事業になる 利益 3 億円 · PER 18.0 倍 · 株価時価総額 1,265 円60 億円
工場とビルの遠隔監視が当たり前になり、OpenBlocksの台数は10年で2倍に増える。大手の箱ではなく、現場に合わせた少量の特注品で採用が続く。
Web3は、電力の取引や排出量の証明で機器データの記録が要る場面に使われ、年数億円の売上になる。基本特許が他社の参入を遅らせる。
売上は今の3倍弱になり、本社の費用は物価並みにしか増えないので、営業利益率は1割を超える。ここまで来ても純利益は4億円弱で、利益の質は小さな機器会社の域を出ない。株の希薄化は無いと置く。
少額の配当も始まり、資本の使い方にも規律が生まれる。それでも今の時価総額には届かない。
- ネットワーク事業(OpenBlocks・遠隔管理):数量 50.0(出荷台数(千台・推定))× 価格 0.67(千台あたりの売上(億円。利用料込み))→ 売上 34 億円・営業利益 7 億円。台数2倍・単価は物価並み
- Web3事業:数量 15.0(案件数(件・推定))× 価格 0.08(1件あたりの売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。年1億円強・黒字化
倍率:事業の純利益 3 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 26.0% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 17.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 18.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 18.0 倍。全体の PER 18.03 倍、時価総額 57 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:18期の赤字のあとで、本業の台数が2倍とWeb3の黒字化が同時に要る。どちらも大きな採用の実績がまだ無く、確率は小さい。
やや楽観 16% 本業がゆっくり伸び、本社の費用を吸収する 利益 1 億円 · PER 16.1 倍 · 株価時価総額 526 円25 億円
IoTの中継機の需要が広がり、台数は10年で3〜4割増える。保守と遠隔管理の利用料が積み上がり、売上の底が固くなる。
Web3は実証から抜け出せないが、赤字は止まる。本社の費用は物価並みに増えるだけなので、売上の伸びがそのまま利益に乗る。
営業利益は2億円ほどになり、黒字が定着する。少額の配当も始まる。それでも利益の規模は小さく、今の時価総額を説明するには足りない。
本社の費用を賄ったうえで利益が残る形になるのは、会社として大きな前進だ。ただ機器の値段は競争で決まり、利益率を2割台に上げる力は無い。
- ネットワーク事業(OpenBlocks・遠隔管理):数量 34.0(出荷台数(千台・推定))× 価格 0.67(千台あたりの売上(億円。利用料込み))→ 売上 23 億円・営業利益 5 億円。台数1.36倍
- Web3事業:数量 15.0(案件数(件・推定))× 価格 0.07(1件あたりの売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。収支とんとん
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 17.2% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 12.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.1 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.1 倍。全体の PER 16.14 倍、時価総額 23 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社の計画どおり売上が伸びれば、固定費の重さが解ける。ただ過去に計画を外し続けた会社で、確率は中立の半分以下にした。
中立 36% 黒字は保つが、規模は小さいまま 利益 1 億円 · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 185 円9 億円
OpenBlocksの台数は10年で1割ほど増える。新しい顧客は取れるが、通信モジュールに中継の機能が入る流れで、古い用途の一部は失う。単価は物価並みに上がる。
Web3は小さな実証が続き、年数千万円の売上と小さな赤字のまま残る。本社の費用は物価で増える。
営業利益は1億円に届かず、純利益は6,000万円ほどにとどまる。配当は少額で、利益の大半は会社に残る。黒字の会社にはなったが、稼ぐ力は資本コストをやや下回る。
会社は存続し、現場の信頼も保つ。ただ成長のために再投資するほど、資本コストに届かない稼ぎが積もっていく。オーナーの目で見れば、利益を貯めるより配る方がよい事業である。
- ネットワーク事業(OpenBlocks・遠隔管理):数量 27.5(出荷台数(千台・推定))× 価格 0.67(千台あたりの売上(億円。利用料込み))→ 売上 18 億円・営業利益 3 億円。台数1.1倍
- Web3事業:数量 8.0(案件数(件・推定))× 価格 0.07(1件あたりの売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。小さな赤字が残る
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.1% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.7 倍。全体の PER 12.69 倍、時価総額 8 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:黒字に戻った2年と、会社の来期の計画(営業利益6,000万円)を出発点にした。競合の多さから、台数の伸びは物価込みでやっと売上が4割増える程度と見る。
やや悲観 26% 大手と台湾勢に押され、また赤字に戻る 利益 −1 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 46 円2 億円
IoTの中継機は、大手の通信機器会社と台湾の産業用コンピューターの会社が安値で取りに来る。台数は2割減り、単価も物価ほどは上がらない。
Web3は採用が広がらず、事業をたたむ。本社の費用は削っても年2億円を超えて残る。
会社全体では小さな赤字が続き、自己資本は2億円を切る水準まで細る。配当は出ない。資金が足りなくなれば、株を出すか事業を売る判断を迫られる。
過去にもこの道を通ってきた会社で、起こりやすさは決して低くない。売上が落ちても本社の費用はすぐには減らない点が、赤字を長引かせる。人を減らせば、次の成長の芽も摘むことになる。
- ネットワーク事業(OpenBlocks・遠隔管理):数量 22.0(出荷台数(千台・推定))× 価格 0.60(千台あたりの売上(億円。利用料込み))→ 売上 13 億円・営業利益 2 億円。台数2割減・単価1.2倍
- Web3事業:数量 2.0(案件数(件・推定))× 価格 0.05(1件あたりの売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。撤退
倍率:赤字なのでPERは使わない。売れる資産は現金と在庫くらいで、今の自己資本4.4億円に0.5倍を掛けた。赤字が続く間に現金は減っていく。
確率:18期の赤字の歴史は、この事業が固定費を賄えない規模にあることを示す。黒字の定着より赤字への逆戻りの方が、過去の頻度では起こりやすい。
悲観 16% 箱の価値が消え、増資を重ねて縮む 利益 −2 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 23 円1 億円
専用の中継機は、ルーターや通信モジュールの機能に置き換わる。OpenBlocksの台数は4割以上減り、残るのは保守の需要だけになる。
Web3も成果が出ず、赤字が年1億円を超えて続く。自己資本は底をつき、会社は株を新たに出して資金を補う。既存の株主の取り分はそのたびに薄まる。
10年後の会社は、売上8億円台の小さな機器会社として残るか、事業を他社に売って幕を引く。時価総額は今の数%まで縮む。
Web3の看板は残っても、それを支える資金は尽きる。話題で付いた値段が、最後は持っている資産の価値に戻る筋書きだ。
- ネットワーク事業(OpenBlocks・遠隔管理):数量 15.0(出荷台数(千台・推定))× 価格 0.55(千台あたりの売上(億円。利用料込み))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。台数4割減
- Web3事業:数量 1.0(案件数(件・推定))× 価格 0.05(1件あたりの売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。赤字のまま縮む
倍率:赤字なのでPERは使わない。今の自己資本4.4億円に0.25倍。増資を重ねた後の自己資本は約1億円で、床は在庫と特許くらいしかない。
確率:単一の製品群で、機能が通信モジュールやクラウドの機器に吸収される危険は現実にある。自己資本が薄く、2〜3年の赤字で希薄化に追い込まれる。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ネットワーク事業(OpenBlocks・遠隔管理)
Linuxの小型サーバー・IoT中継機の販売と、遠隔管理などの利用料。
| 数量出荷台数(千台・推定) | 価格千台あたりの売上(億円。利用料込み) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 25.0 | 0.50 | 13 | 2 |
| 10 年後 中立 | 27.5 | 0.67 | 18 | 3 |
取り方:台数は開示が無い。第3四半期累計の売上9.43億円から通期を約12.5億円とみて、利用料込みの平均単価を1台5万円と推定して約2.5万台とした。利益は累計1.89億円から年2.4億円と推定。
Web3事業
機器のデータをブロックチェーンに記録し改ざんの無さを示す仕組み(ThingsDAO)の実証・販売。
| 数量案件数(件・推定) | 価格1件あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 8.0 | 0.05 | 0 | −1 |
| 10 年後 中立 | 8.0 | 0.07 | 1 | 0 |
取り方:第3四半期累計の売上0.30億円・損失0.37億円から、通期を売上0.4億円・損失0.5億円と推定。件数は実証実験の数(2025年7月以降で主要3件)から8件と置いた。
リスクと懸念
赤字への逆戻り
黒字は2025年3月期からの2年しかない。本社の費用が年2億円近くあり、事業の利益が1割落ちるだけで会社全体は赤字になる。18期の赤字の歴史は、この規模の会社が固定費を賄う難しさを示す。
増資による希薄化
自己資本は4億円台と薄い。2023年3月期には株を新たに出した。Web3などに投資する時や赤字が続いた時に、また株を出せば、既存の株主の取り分は薄まる。
中継機の機能の吸収
通信モジュールやルーターにデータを集める機能が入り、専用の箱が要らなくなる流れがある。クラウドの大手が機器と管理を一体で出すと、単体の機器の値段は下がる。
Web3の空振り
Web3事業の売上は年数千万円で赤字が続く。企業の設備の記録にブロックチェーンが広く使われる時期は読めない。特許の価値も採用が広がって初めて生きる。
話題で動く株価
株価は2025年に提携の発表で跳ね、その後に半値になった。利益と関係なく動く値段は、本質の価値から大きく離れやすい。今の時価総額は利益の200倍を超えている。
今後の分かれ目
- 2027年3月期に営業利益6,000万円の計画を達成する
- 黒字の定着に一歩近づき、やや楽観の筋書きに重みが移る。それでも今の時価総額の説明には遠い。
- Web3で電力や排出量の取引に大口の採用が決まる
- 楽観の筋書きが現実味を帯びる。売上の桁が変わるかは、採用の金額と継続の利用料の開示で判断する。
- 新株や新株予約権の発行を決める
- 既存の株主の取り分が薄まる。資金の使い道が赤字の穴埋めなら、悲観の筋書きに寄せる。
- 通信機器の大手が同じ用途の安い機器を出す
- 台数と単価の両方が下がり、やや悲観の筋書きに寄せる。
- 技術を欲しい会社から買収の提案が来る
- 利益に比べて今の値段が高く、買収の値段が今を上回る可能性は低いと筆者は見る。
見ておくもの
- ネットワーク事業の売上と利益率
- Web3事業の売上と赤字の幅
- 本社の費用(調整額)
- 自己資本と現金の残高
- 新株・新株予約権の発行
- 大口顧客の採用の発表
倍率と資本コストの決め方
倍率は事業のROEと資本コスト8.25%から式で出した。中立はROEがkに届かないので1÷k=10.5倍を上限に8.5倍とし、今の株価や過去の値付けは使っていない。悲観側は赤字なので今の自己資本にPBRを掛け、床は現金と在庫から置いた。今の時価総額は楽観の値をも上回り、話題の値段だと判断した。リースの影響は小さい。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11→18.03 倍・やや楽観 PER 9.3→16.14 倍・中立 PER 8.5→12.69 倍)。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality+2.0%で9.5%。今は黒字で存続の疑いは開示されていないので、上乗せ(extra)は置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.50% → 8.75%。