結論
Bitcoin Japan は、旧社名を堀田丸正という、着物と衣料の老舗の卸だ。2025 年に米国の Bakkt 系が筆頭株主となり、社名を変えた。いまはビットコインの保有、SpaceX・xAI・Figure AI に投資するファンドへの出資、人型ロボットの国内販売、レアアース鉱山への投資と、新しい事業を次々に打ち出している。
筆者の結論は割高である。理由は 3 つある。1 つ目に、本業の卸は 8 期連続の営業赤字で、売上は 10 年で年 9% 縮んだ。2 つ目に、新しい事業はどれも会社にとって初めてで、まだ資金使途の段階にある。3 つ目に、資金は転換社債と新株予約権で集めており、全て株に替われば株は今の 2 倍近くになる。
価値の多くは帳簿の現金・出資・ビットコインにある。そこで、資産で見る PBR で値段を置いた。中立では赤字が帳簿を削り続け、増資で入る現金も新しい投資に回る。楽観では AI の出資が化けて大きな値がつくが、その果実の半分は新しい株主のものになる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「物語を売って株を刷る会社」に近い。本業の卸は 8 期連続で赤字で、新しい事業はビットコイン・AI・ロボット・レアアースと、その時の話題を追っている。
オーナーとして持ち続けたいかと問えば、答えは「いいえ」だ。事業の稼ぐ力は無く、帳簿の現金は株を増やして集めたものだ。新しい株は株価に合わせて下がる値段で出されるので、株価が下がるほど多くの株が出る。今の株主の取り分は、全て行使されれば半分になる。
安全域も見えない。帳簿の多くは現金と出資で、今は値段がそれに近い。だが赤字が帳簿を削り、集めた現金は経営陣が新しい投資に回す。株主の手に戻る道は無い。AI の出資が化けるという上振れはあるが、それは宝くじに近く、値段の土台にはできない。
筆者が見るのは、本業の赤字が止まるかと、株の数がどこまで増えるかの 2 点だ。
何で稼ぐ会社か
事業は古い卸と新しい投資に分かれる。
古い卸は 4 つの部門からなる。着物の部門は、呉服の小売店に反物や和装品を卸す。売上は 6 億円台で、営業赤字は 1 億円を超える。ファッションの部門は、衣料の企画と OEM で売上 14 億円台、ほぼ収支とんとんだ。マテリアルの部門は、生地や糸を卸し、売上 8 億円台で小さな赤字。ライフスタイルの部門は小さい。4 部門の売上は合わせて 30 億円ほどで、10 年前の 4 割にまで縮んだ。
新しい投資は 2025 年から始まった。まず、ビットコインを 17.8 BTC 持つ。次に、SpaceX・xAI と Figure AI に投資するファンドへ 31.8 億円を出資した。帳簿では取得原価のままで、値上がりは載っていない。さらに 2026 年 10 月、中国の UBTECH の人型ロボットを国内で独占して売る権利を得た。売るだけでなく、貸して使った分の料金を取る形も考えている。
資金は 2026 年 8 月に EVO FUND へ出した転換社債 15 億円と新株予約権で集める。使い道は PE への投資 37.6 億円、レアアース鉱山 35.0 億円、ロボットの貸し出し 14.5 億円、ビットコイン 6.6 億円と書かれている。
優良さと弱いところ
優良さは低い。他社がまねできない強み、つまり堀は見当たらない。
古い卸は、着物の需要の縮みと衣料の海外生産の流れに押されてきた。小売店とメーカーの間に立つ卸は、取引先が直接つながれば要らなくなる。営業赤字は 8 期続き、売上は 10 年で 6 割減った。
新しい事業も、強みの上に立つものではない。ビットコインの保有は誰でもできる。AI のファンドへの出資は、他人の運用に乗るだけだ。人型ロボットの販売は独占の権利を得たが、メーカーの製品の力しだいで、契約が切れれば終わる。レアアース鉱山は、会社にとって全くの新分野だ。
財務は、借入がほぼ無く現金が厚い点が救いだ。ただその現金は、株を増やして集めたものだ。会社は赤字を増資で埋め、新しい事業を打ち出しては次の資金を集める形を続けている。
経営の面でも、筆頭株主の交代から 1 年ほどで社名と事業の軸が変わった。長く続けられる形かどうかは、まだ見えない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
古い卸の市場は縮み続けている。矢野経済研究所によれば、呉服の小売市場は 2025 年に 2,030 億円で、2019 年の 2,605 億円から 2 割減った。物価高の買い控えで、2026 年も 4% 減の見込みだ。国内の衣料の市場は 2024 年に 8 兆 5,010 億円で、2030 年ごろまで微増とみられるが、人口の減りで長くは縮む。どちらも卸を通さない流れが強い。
新しい事業の市場は大きいが、値動きが激しい。ビットコインは 1 年で半分にも 2 倍にもなる。ビットコインを持つ上場会社は世界で増え、メタプラネットのように規模で先を行く会社もある。規模で劣る会社が持つ意味は薄い。
人型ロボットは、米中の大手が量産を競う段階にある。値段は年ごとに下がり、販売の代理店は、メーカーが直接売り出せば立場を失う。AI の未上場株は、値上がりの期待が高い一方、上場まで売れず、値の根拠も見えにくい。レアアースは中国が供給を握り、新しい鉱山は開発に長い年月と大きな資金がかかる。
どの新しい市場も、規模と経験で先を行く会社が多い。
資本政策と M&A
無配が続く。自社株買いもしていない。
資本は増やし続けている。2025 年から新株予約権の行使が続き、2026 年 4〜6 月だけで資本金と資本剰余金が 12.9 億円増えた。8 月には EVO FUND に転換社債 15 億円と第 2 回新株予約権を出した。転換の値段と行使の値段は株価に合わせて下がる形で、下限は今の株価より 1 割弱高い。9 月末までに転換社債の 6.75 億円が株に替わり、株は 4 月末の 6,445 万株から 7,824 万株に増えた。
残りの転換社債 8.25 億円と新株予約権 5,938 万株が全て株に替われば、株は約 1 億 5 千万株になる。今の株主の取り分は 0.52 ほどに薄まる。
ビットコインの購入、AI ファンドへの出資、ロボットの販売の権利の取得と、資金の使い道は次々に変わってきた。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
帳簿の中身を見てほしい。SpaceX・xAI と Figure AI に投資するファンドへの出資 31.8 億円は、取得原価のまま載っている。これらの会社は資金集めのたびに値が上がっており、上場すれば出資の価値は何倍にもなりうる。ビットコインも持っており、値上がりの恩恵を受ける。
新しい株主の力もある。筆頭株主は米国のデジタル資産の会社の系列で、海外の人脈と資金の集め方を持ち込んだ。人型ロボットの独占販売の権利は、人手不足の日本で大きな市場になりうる。
本業の卸の赤字も縮められる。不採算の部門を畳めば、本社の費用は軽くなる。集めた現金で育つ新事業が一つでも当たれば、今の値段は安い。借入はほぼ無く、倒れる心配も小さい。
株の希薄化も、株価が上がれば高い値段で行使されるので、会社に入る現金はそれだけ増える。悲観する人は帳簿の傷ばかり見ているが、出資の上振れはまるで値段に乗っていない。上場が 1 つ決まるだけで、帳簿の見え方は一変する。
慎重な見方
本業は 8 期連続の営業赤字で、売上は 10 年で 6 割減った。新しい事業は、ビットコイン・AI ファンド・ロボット・レアアースと、その時の話題を次々に追っている。どれも会社に強みがある分野ではない。
資金の集め方も問題だ。転換社債と新株予約権は株価に合わせて値段が下がる形で、株価が下がるほど多くの株が出る。全て株に替われば株は 2 倍近くになり、今の株主の取り分は半分になる。株は 4 月末からの 5 か月で 2 割増えた。
AI のファンドへの出資は、他人の運用に乗るだけで、上場まで売れない。値の根拠も見えにくい。経営陣が次の話題に資金を回すたび、株主の現金は使われていく。帳簿の値段は、赤字と新しい投資の損でこれからも削られる。
取得原価で載る出資が本当に値上がりしているかは、外からは確かめられない。ファンドの手数料と、上場までの長い年月も重い。筆頭株主の交代から 1 年で社名も軸も変わった会社に、長い目の資本の使い方を期待するのは難しい。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方が強い。帳簿の現金と出資は本物だが、本業の赤字と株の希薄化がそれを食い、株主に戻る道も無い。悲観側に 4 割強、中立に 3 割半、楽観側に 2 割強を置いた。新事業の 1 つが黒字になり、赤字が止まれば楽観に寄せる。
今の値段は中立の筋書きより高く、悲観側とは大きく離れている。希薄化の分も重い。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 21 円17 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 0 円0 億円)。 今の値に割り戻すと 9 円7 億円、今との差 −84.9%、 期待の年率 −10.0%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 95 円74 億円 | 0 円0 億円 | +55.8% | +4.5% | 7 円5 億円 |
| やや楽観 | 15% | 46 円36 億円 | 0 円0 億円 | −24.7% | −2.8% | 7 円5 億円 |
| 中立 | 36% | 15 円12 億円 | 0 円0 億円 | −74.7% | −12.8% | 6 円4 億円 |
| やや悲観 | 25% | 7 円5 億円 | 0 円0 億円 | −89.1% | −19.9% | 2 円1 億円 |
| 悲観 | 17% | 3 円3 億円 | 0 円0 億円 | −94.8% | −25.5% | 1 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 21 円17 億円 | 0 円0 億円 | −65.1% | −10.0% | 21 円17 億円 |
今の株価時価総額 61 円48 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 7% AI の出資が大きく化け、ロボットの販売が本業になる 利益 4 億円 · PER 10.4 倍 · 株価時価総額 95 円74 億円
AI の投資先が大きく育ち、出資したファンドの持ち分は 10 年で 4 倍になる。会社はその一部を売って、税を払った後に 70 億円ほどの利益を手にする。株価が上がる中で、転換社債と新株予約権は高い値で全て行使され、80 億円近い現金が入る。人型ロボットの国内販売と貸し出しは年 1,500 台規模に育ち、営業利益 4 億円台を稼ぐ。着物と衣料の卸は縮みながらも黒字を保つ。帳簿は 190 億円台に膨らむ。ただ帳簿の多くは出資と現金で、事業の稼ぎは帳簿の 2% ほどにとどまる。株は 2 倍近くに増えており、今の株主の取り分は半分ほどになる。
- 着物(呉服の卸):数量 1,700(国内の呉服の小売市場(億円・実質、2025 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。呉服の小売市場 1,700 億(実質。2025 年の 2,030 億から 16% 縮む)× 市場に対する卸の売上の比率 0.42%(物価 1.34 倍)、利益率 2%
- 衣料と生地(ファッション・マテリアル・ライフスタイル):数量 85,000(国内のアパレルの小売市場(億円・実質、2024 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 31 億円・営業利益 1 億円。国内アパレル市場 8.5 兆(実質横ばい)× 比率 0.036%(物価 1.34 倍)、利益率 2.5%
- 人型ロボットの販売と貸し出し:数量 1,500(年の販売・貸し出しの台数(台))× 価格 0.03(1 台あたりの売上(億円・名目))→ 売上 38 億円・営業利益 5 億円。人型ロボットの販売・貸し出し 年 1,500 台 × 1 台 0.025 億(値下がりと物価が相殺)、利益率 12%
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.5% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)130 億円。全体の PER 10.41 倍、時価総額 142 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:出資先のファンドが持つ SpaceX・xAI・Figure AI の株は、上場や資金集めのたびに値が上がってきた。それが 4 倍になり、ロボットの販売も育つ筋書き。両方が重なる必要があるので 7% に止めた。
やや楽観 15% 出資が 2 倍になり、ロボットが少し育つ 利益 1 億円 · PER 9.0 倍 · 株価時価総額 46 円36 億円
出資したファンドの持ち分は 10 年で 2 倍になり、会社は一部を売って税を払った後に 20 億円強の利益を得る。株価が下限を上回る時期があり、転換社債と新株予約権は全て行使されて 58 億円ほどが入る。ロボットの販売は年 600 台ほどで、ようやく黒字になる。着物の卸は赤字を止めるのが精一杯で、衣料の卸もわずかな黒字だ。本社の費用は物価で増える。純利益は現金の利息と出資の分配で 1 億円弱の黒字になる。帳簿は 110 億円台になるが、レアアース鉱山や PE への投資の成否はまだ見えない。株は 2 倍近くに増え、今の株主の取り分は半分ほどだ。
- 着物(呉服の卸):数量 1,600(国内の呉服の小売市場(億円・実質、2025 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。呉服の小売市場 1,600 億 × 比率 0.42%、利益率 0%
- 衣料と生地(ファッション・マテリアル・ライフスタイル):数量 85,000(国内のアパレルの小売市場(億円・実質、2024 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 31 億円・営業利益 0 億円。国内アパレル市場 8.5 兆 × 比率 0.036%、利益率 1.5%
- 人型ロボットの販売と貸し出し:数量 600(年の販売・貸し出しの台数(台))× 価格 0.03(1 台あたりの売上(億円・名目))→ 売上 15 億円・営業利益 1 億円。ロボット 年 600 台 × 0.025 億、利益率 8%
倍率:事業の純利益(現金の利息を除くと赤字)に PER を掛け、余った現金と出資 約 100 億に戻り方 0.5 を掛けて足す。PER の上限は 1÷k=9.8 倍で、利益の質を見て 9 割強の 9.0 倍。
確率:AI の投資先の値上がりは続いているが、未上場のままでは売れない。2 倍で一部を売れ、ロボットも数百台規模まで育つ筋書きで 1 割半。
中立 36% 本業の赤字が続き、増資で集めた現金を投資に回す 利益 −2 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 15 円12 億円
着物と衣料の卸は市場の縮みとともに細り、赤字の幅は縮むが黒字には戻らない。ロボットの販売は年 200 台ほどで、利益はわずかだ。本社の費用と新事業の立ち上げの費用が重く、営業赤字は年 3 億円ほど続く。現金の利息と出資の分配で一部を埋めるが、純損失は年 2 億円前後残る。株価は下限の近くを行き来し、転換社債と新株予約権は 10 年の間に行使されて 49 億円が入る。会社はそれを PE・レアアース鉱山・ロボットに投じる。出資先のファンドの値は横ばいで、一部の投資は損で終わる。帳簿は増資で 60 億円台を保つが、10 年の赤字の合計は 30 億円を超える。株は 2 倍近くに増える。
- 着物(呉服の卸):数量 1,500(国内の呉服の小売市場(億円・実質、2025 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。呉服の小売市場 1,500 億(実質。年 3% 縮む)× 比率 0.42%(物価 1.34 倍)、利益率 −5%(今の −18.5% から人と在庫を絞る)
- 衣料と生地(ファッション・マテリアル・ライフスタイル):数量 80,000(国内のアパレルの小売市場(億円・実質、2024 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 29 億円・営業利益 0 億円。国内アパレル市場 8.0 兆(実質で 6% 縮む)× 比率 0.036%、利益率 0%
- 人型ロボットの販売と貸し出し:数量 200(年の販売・貸し出しの台数(台))× 価格 0.03(1 台あたりの売上(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。ロボット 年 200 台 × 0.025 億、利益率 3%
倍率:赤字なので資産で見る PBR。帳簿のうち現金・出資・BTC は約 50 億で、戻り方 0.5 を掛けると 25 億ほど。年 2 億円の赤字が帳簿を削り続け、増資の現金も新しい投資に回るので、そこから少し引いて 0.35 倍。
確率:本業は 8 期連続の営業赤字で、新事業はまだ資金使途の段階にある。新株予約権の行使で現金を集め、赤字を出しながら新しい投資を続ける今の形がもっとも起こりやすい。
やや悲観 25% 新しい投資が外れ、帳簿が赤字で細る 利益 −4 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 7 円5 億円
株価は行使の値段の下限を下回り続け、新株予約権は行使されずに終わる。転換社債だけは下限の値で株に替わる。集められた現金が少なく、レアアース鉱山や PE への投資は一部しか実行できない。実行した分も、出資先のファンドの値下がりと合わせて 10 億円ほどの損になる。ロボットは売れず、在庫を抱える。着物の卸は市場の縮みに負けて赤字が続き、衣料の卸も小さな赤字になる。純損失は年 3 億円台が続き、帳簿は 10 年で 10 億円ほどまで細る。値段は、残った現金と出資を売れる値まで下がる。株は転換の分だけ 1 割強増える。
- 着物(呉服の卸):数量 1,300(国内の呉服の小売市場(億円・実質、2025 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。呉服の小売市場 1,300 億 × 比率 0.38%(価格 1.2 倍)、利益率 −10%
- 衣料と生地(ファッション・マテリアル・ライフスタイル):数量 70,000(国内のアパレルの小売市場(億円・実質、2024 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 23 億円・営業利益 −1 億円。国内アパレル市場 7.0 兆 × 比率 0.033%、利益率 −3%
- 人型ロボットの販売と貸し出し:数量 50.0(年の販売・貸し出しの台数(台))× 価格 0.03(1 台あたりの売上(億円・名目))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。ロボット 年 50 台 × 0.025 億、利益率 −20%
倍率:赤字なので PBR で置き、直近の決算の自己資本 40 億に掛けた。稼ぐ力はマイナスで、値段は床の資産(約 6.0 億、floor_assets_why)まで。0.15 倍。
確率:レアアース鉱山・PE・ロボットは、どれも会社にとって初めての事業だ。株価が下限を割り、新株予約権が行使されないまま投資が外れる筋書きを 2 割半とした。
悲観 17% 本業を畳み、投資の損で帳簿がほとんど消える 利益 −3 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 3 円3 億円
株価は低迷し、新株予約権は行使されない。転換社債も株に替わらず、満期に現金で 8.25 億円を返す。出資先のファンドの値は大きく下がり、レアアース鉱山の権益も減損する。ロボットの販売は始まらないまま終わる。着物の卸は畳み、衣料の卸は縮んで赤字のまま残る。10 年の赤字の合計は 40 億円を超え、帳簿は 5 億円ほどまで減る。値段は、借入を返した後に残るわずかな現金に近づく。株主に配当が戻ることもない。10 年の間に、株主は新しい話題が出るたびに期待し、そのたびに帳簿が減るのを見ることになる。老舗の卸の名前も、事業とともに消える。
- 着物(呉服の卸):数量 0.0(国内の呉服の小売市場(億円・実質、2025 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。着物の卸は畳む(数量 0)
- 衣料と生地(ファッション・マテリアル・ライフスタイル):数量 50,000(国内のアパレルの小売市場(億円・実質、2024 年の値段))× 価格 0.00(市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目))→ 売上 15 億円・営業利益 −1 億円。国内アパレル市場の 5.0 兆分 × 比率 0.030%(取引先が離れる)、利益率 −5%
- 人型ロボットの販売と貸し出し:数量 0.0(年の販売・貸し出しの台数(台))× 価格 0.03(1 台あたりの売上(億円・名目))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。ロボットは売れない(数量 0)
倍率:赤字なので PBR で置き、直近の決算の自己資本 40 億に掛けた。値段は床の資産(約 2.5 億、floor_assets_why)まで。0.0625 倍。
確率:8 期連続の営業赤字と、売上が 10 年で年 9% 縮んだ実績がある。新しい投資が外れれば帳簿の大半が消えうるので、悲観に 2 割弱を置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
着物(呉服の卸)
呉服の小売店への反物・和装品の卸。
| 数量国内の呉服の小売市場(億円・実質、2025 年の値段) | 価格市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,030 | 0.00 | 6 | −1 |
| 10 年後 中立 | 1,500 | 0.00 | 6 | 0 |
取り方:矢野経済研究所の呉服の小売市場 2025 年 2,030 億円を数量とし、2026/03 期の着物の部門の売上 6.42 億を割って比率とした。利益はセグメント利益 −1.19 億。
衣料と生地(ファッション・マテリアル・ライフスタイル)
衣料の企画と OEM、生地と糸の卸、生活雑貨。
| 数量国内のアパレルの小売市場(億円・実質、2024 年の値段) | 価格市場 1 億円あたりの会社の売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 85,010 | 0.00 | 23 | 0 |
| 10 年後 中立 | 80,000 | 0.00 | 29 | 0 |
取り方:矢野経済研究所の国内アパレル総小売市場 2024 年 8 兆 5,010 億円を数量とし、3 部門の売上 14.41+8.27+0.36=23.04 億を割った。利益は 0.02−0.23−0.09=−0.30 億。
人型ロボットの販売と貸し出し
UBTECH の人型ロボットの国内独占販売と、使った分の料金を取る貸し出し。2026 年 10 月に権利を得た。
| 数量年の販売・貸し出しの台数(台) | 価格1 台あたりの売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 0.0 | 0.03 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 200 | 0.03 | 5 | 0 |
取り方:2026/03 期には売上が無い。1 台の値段は人型ロボットの販売の値段と貸し出しの数年分を見て 0.025 億と推定し、量産で下がる分と物価の分が相殺するとみて 10 年後も同じに置いた。
リスクと懸念
株の希薄化
転換社債と新株予約権は株価に合わせて値段が下がる形で、全て株に替われば株は 2 倍近くになる。株価が下がるほど多くの株が出る。
新しい投資の失敗
レアアース鉱山・PE・ロボットは会社にとって初めての事業だ。経験の無い分野に数十億円を投じ、損で終わるおそれがある。
本業の縮みと赤字
着物と衣料の卸は 8 期連続の営業赤字で、市場も縮む。赤字が帳簿を削り続ける。
値の見えない資産
AI のファンドへの出資は取得原価のまま載り、上場まで売れない。ビットコインも値動きが激しい。帳簿の値がそのまま売れる値とは限らない。
大株主と経営の方針
筆頭株主が変わってから、事業の軸は短い間に何度も変わった。資金の使い道が経営陣の判断で次々に変わり、少数の株主の声は届きにくい。
今後の分かれ目
- ロボットの販売が年 500 台を超え黒字になったら
- 新事業が本物の稼ぎになる。やや楽観の確率を上げてよい。
- 出資先の AI の会社が上場し、出資を帳簿を大きく上回る値で売ったら
- 帳簿が増える。楽観の確率を上げてよい。
- 本業の営業赤字が年 1 億円を下回ったら
- 帳簿を削る速さが落ちる。中立の倍率を上げてよい。
- 新たに株を増やす資金集めを決めたら
- 希薄化がさらに進む。取り分を下げ、慎重な側に寄せる。
- レアアース鉱山や PE の投資で減損が出たら
- 新しい投資の目利きが弱いと示される。悲観側に寄せる。
見ておくもの
- 転換社債と新株予約権の月間の行使状況
- ロボットの販売・貸し出しの台数
- 出資先のファンドの評価と分配
- 本業のセグメントの赤字の幅
- ビットコインの保有量と値
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価から置いていない。帳簿の多くが現金・出資・ビットコインなので、メタプラネットと同じく資産で見る PBR で置いた。事業の ROE は全ての筋書きで k 8.75% を大きく下回り、PBR は 1 倍未満で稼ぐ力に合わせた。悲観側は今の自己資本に掛け、残る現金を売る割引と戻り方 0.5 で引いた床で置いた。希薄化は holder_share で別に掛けた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 9.3→10.41 倍)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。