結論
タビオは「靴下屋」を全国に展開する靴下の専門店だ。企画から店頭までを自社で握り、日本の工場で作った品質の高い靴下を売る。筆者の結論は割高寄りだ。ブランドは強いが、専門店という売り方が細り、利益の伸びが見込みにくいからだ。
利益率は戻りつつある。2026 年 2 月期は営業利益率 5.2% と、ここ 12 年で最も高かった。値上げと都市部の訪日客の需要、通販のモールでの販売が効いた。
ただ、2008 年ごろの 12% には遠い。地方の店は客が減り、店の数は少しずつ減っている。店を借りて営む商売なので、売上が落ちても家賃は残る。
10 年の中立では、数量はわずかに減り、価格は物価並み、利益率は 5% 前後とみる。資本の稼ぎは資本コストに届くかどうかで、今の値段はその先の伸びまで織り込んでいる。
筆者がいちばん気にしているのは、直近の利益率の改善がどこまで続くかだ。値上げと訪日客という追い風が止まれば、利益は 4% 台の実力に戻る。その時、今の値段を支える根拠は薄い。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、タビオは「良いブランドを持つが、売り場が細る会社」だ。日本製の靴下という品質の堀は本物で、10 年後も「靴下屋」の名は残るだろう。
ただ堀の広さは限られる。靴下は単価の小さい品で、安い代わりはいくらでもある。値段の高い品を選ぶ客は、訪日客や都市部の働く女性など限られた層だ。地方の店が細れば、ブランドの力だけでは売上を支えきれない。
オーナー利益、つまり店の改装と設備の更新を引いて株主に残る現金は、会計の利益に近い。店は借りており、更新の投資は小さい。ただ家賃は毎年必ず払う約束で、自己資本比率の高さほど財務は軽くない。
今の値段は、利益率が直近の山で保たれ、さらに伸びることを前提にしている。筆者は安全域が薄いと見る。ブランドの価値を認めても、払う値段に見合う伸びは見えない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は国内の専門店で、売上の 7 割強を占める。「靴下屋」「タビオ」「タビオメン」などの店を、直営とフランチャイズで 260 店ほど持つ。駅ビルや商業施設の小さな区画に出し、女性の客が多い。
商品は自社で企画し、奈良を中心とする協力工場に作らせる。売れた分だけをすぐ作り足す仕組みで、在庫の無駄を抑えてきた。売り切れを防ぎつつ、値引きで売る品を減らせる。ここが同社の強みの源だ。
国内の通販は売上の 1 割強だ。自社のサイトに加え、楽天やアマゾンでの販売を伸ばしている。蒸れにくい「FULL MESH」や靴擦れを防ぐ品など、悩みを解く機能の靴下がよく売れる。
海外では中国とフランスに店や子会社を持ち、米国では通販を行う。スポーツ用の靴下の卸もあり、ランニングやサッカー、野球の選手向けに伸びている。2026 年には作業用の靴下の新ブランドも始めた。
店の数はここ数年、少しずつ減っている。フランチャイズの店が閉じ、直営の店に置き換わる流れもあり、直営の売上の比率は上がってきた。
株主優待として、自社で使えるポイントを配っている。
優良さと弱いところ
優良さは「並」と筆者は見る。強みは、日本製の品質で値段の高い靴下を売れるブランドだ。安い靴下は衣料の量販店や雑貨店にあふれるが、タビオの品は量販店の数倍の値段でも選ばれる。
売れた分を早く作る仕組みは、在庫の値引きを減らし、粗利を厚く保つ。協力工場との長い関係は、新しい会社がすぐにはまねできない。
弱みは売り場の形だ。店舗の専門店に頼る割合が高く、地方の商業施設の客が減れば、そのまま売上が細る。家賃は固定の約束で、客が減っても下がらない。
資本の稼ぎは振れが大きい。ROE は直近で 10% を超えたが、過去 10 年の中央値は 5% ほどで、2021 年 2 月期には大きな赤字を出した。直近の ROE の高さは、その赤字で自己資本が減ったことの裏返しでもある。
経営は創業家の色が濃い。品質へのこだわりは強みだが、資本の効率への関心は強くない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の靴下の市場は大きくは伸びない。人口が減り、在宅や軽装の広がりで 1 人が持つ足数も増えにくい。安い品は衣料の量販店と雑貨店が押さえ、専門店は値段の高い品で勝負する。
追い風は 2 つある。1 つは訪日客で、都市部の店では日本製の靴下が土産として売れる。もう 1 つは通販のモールで、機能を売りにした品が全国の客に届く。
逆風は地方の店だ。物価の上昇で暮らしを守る意識が強まり、地方の商業施設の客は減っている。会社は 3 足で千円ほどの値ごろな品を増やして客を呼び戻そうとしているが、利益率を下げる面もある。
10 年で見ると、国内の店の数量は 1 割ほど減り、通販と海外、スポーツの卸がその大半を埋めると筆者は見る。価格は日本製の糸と工賃の上昇に沿って物価並みに上がる。
米国の通販は関税の免除の見直しで利益が細った。海外は伸びるが、規模はまだ小さい。
競争の相手は靴下の専門店ではなく、衣料の量販店と雑貨店、そして通販の安い品だ。専門店というくくりで同じ規模の相手はほぼいないが、それは強みであると同時に、売り場の形が時代に合いにくくなっている印でもある。
資本政策と M&A
還元は安定配当が中心だ。1 株の配当は前期と同じ水準を保ち、年の総額は 2 億円ほどで、利益の 3 割台にあたる。2025 年秋から 2026 年初めにかけて自社株買いも行った。
株主優待は 100 株以上の株主に自社のポイントを配る。額面は 1 人あたり少額で、費用は年 1 億円に届かないとみて、還元の額には数えていない。
筆頭株主は創業家の資産管理会社である越智産業で、議決権の 27% を持つ。社長も創業家だ。借入は少なく、財務は堅い。M&A は大きなものは無く、買われる側としての具体的な話も見当たらない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ブランドの力は数字に出ている。2026 年 2 月期は値上げを通しながら、営業利益率は 12 年で最も高い 5.2% になった。機能を売りにした新しい品が当たり、通販のモールでの売上も伸びている。
訪日客は日本製の靴下を土産に選び、都市部の店を押し上げる。海外では中国の通販と米国の通販が育ち、スポーツの卸も選手との契約で伸びる。作業用の靴下という新しい販路も始まった。働く人の足元は、まだ専門の品が少ない市場だ。
在庫を抑える仕組みは、値引きを減らして粗利を守る。利益率がかつての 1 割に近づけば、利益は今の 2 倍になる。資本は軽く、配当と自社株買いを増やせば ROE は 10% 台を保てる。
奈良の協力工場との長い関係は、量販店にはまねできない。品質で選ばれる客は値上げにも離れにくく、物価の上昇はむしろ追い風になる。創業家の会社として、目先の利益より長くブランドを守る姿勢も、10 年の投資には向いている。
慎重な見方
地方の店の客は戻らない。物価の上昇で暮らしを守る客は、衣料の量販店や雑貨店の安い靴下に流れる。会社が値ごろな品を増やすのは、その流れを認めた証拠だ。
店を借りて営む商売で、家賃は売上が落ちても下がらない。2021 年 2 月期には客足が止まり、大きな赤字を出した。利益率 5% は、家賃と人件費の上昇で簡単に削られる。店の販売員の賃金は毎年上がり、値上げで追いかけるしかない。
訪日客の需要は為替と政策で振れる。米国の通販は関税の見直しで利益が細った。直近の利益率は山の年のもので、10 年をならせば 4% 前後が実力だ。ROE が 10% を超えたのも、2021 年の赤字で自己資本が減ったためにすぎない。
協力工場は中小が多く、職人の高齢化で数が減る。日本製という強みは、作る人がいなくなれば保てない。新しいリースの会計基準が始まれば、家賃の重さは負債としても表に出る。自己資本比率の高さは、見かけほどの安全を意味しない。
どちらに重みを置いたか
ブランドの強さは認めつつも、売り場の構造では慎重な見方に分がある。地方の店の減少と家賃の固定費は、利益率の上振れを抑える。中立に 40% を置き、悲観側の合計を 32%、楽観側を 28% とした。直近の利益率の改善は本物だが、その一部は訪日客と値上げという追い風によるもので、10 年の実力とみるには早い。家賃が固定費として残る分だけ、悲観の深さはやや深めに置いた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 1,401 円95 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 380 円26 億円)。 今の値に割り戻すと 945 円64 億円、今との差 −26.8%、 期待の年率 +3.3%(資本コスト 7.5%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 2,872 円195 億円 | 609 円41 億円 | +169.6% | +10.4% | 244 円17 億円 |
| やや楽観 | 21% | 2,092 円142 億円 | 481 円33 億円 | +99.3% | +7.1% | 540 円37 億円 |
| 中立 | 40% | 1,551 円105 億円 | 374 円25 億円 | +49.1% | +4.1% | 770 円52 億円 |
| やや悲観 | 22% | 528 円36 億円 | 294 円20 億円 | −36.3% | −4.4% | 181 円12 億円 |
| 悲観 | 10% | 238 円16 億円 | 225 円15 億円 | −64.1% | −9.7% | 46 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,401 円95 億円 | 380 円26 億円 | +38.0% | +3.3% | 1,781 円121 億円 |
今の株価時価総額 1,291 円88 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 7% 機能の靴下と海外が伸び、利益率が 7% に戻る 利益 11 億円 · PER 17.4 倍 · 株価時価総額 2,872 円195 億円
機能を売りにした靴下が国内外で当たり、通販のモールと中国、米国での売上が大きく伸びる筋書きだ。地方の店は減るが、販売足数は 10 年で 1 割増える。
日本製の品質への評価が高まり、値段は物価をわずかに上回って上がる。在庫を抑える仕組みで値引きも少ない。
営業利益率は 7% まで上がり、2000 年代の高い利益率に一歩近づく。配当と自社株買いが増え、ROE は 1 割を保つ。
ブランドが海外でも通じることが示され、作業用やスポーツ用の新しい販路も利益を生む。創業家の会社のまま、資本の効率も一段上がる。
- 靴下・レッグウェア(専門店・通販・海外・スポーツ卸):数量 26.4(販売足数(百万足・推定))× 価格 980(1 足あたりの平均売価(円・推定))→ 売上 259 億円・営業利益 18 億円。足数 1 割増。価格は物価をわずかに上回る
倍率:事業の純利益 11 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.9% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.2%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 17.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 17.4 倍。全体の PER 17.37 倍、時価総額 189 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:営業利益率 7% は過去 12 年の山 5.2% を超え、2009 年以前の水準に近い。通販と海外が大きく育つ必要があり 7%。
やや楽観 21% 店の減少を通販と海外が埋め、利益率は 6% 利益 8 億円 · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 2,092 円142 億円
地方の店は減るが、都市部の店と通販、海外、スポーツの卸がそれを埋め、販売足数は 10 年で横ばいを保つ筋書きだ。
値段は物価をわずかに上回り、売上は名目で 1.36 倍になる。値ごろな品の比率は上がるが、機能品の伸びで粗利は保たれる。
営業利益率は 6% と、2026 年 2 月期の 5.2% を少し上回る水準で落ち着く。ROE は 9% 前後で、資本コストを少し上回る。
訪日客の需要は続き、都市部の店が地方の店の減りを補う。作業用の靴下は大手の物流会社などの職域での販売が根づき、小さいながら利益を出す。
- 靴下・レッグウェア(専門店・通販・海外・スポーツ卸):数量 24.0(販売足数(百万足・推定))× 価格 952(1 足あたりの平均売価(円・推定))→ 売上 229 億円・営業利益 14 億円。足数横ばい。価格は物価をわずかに上回る
倍率:事業の純利益 8 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.9% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.2%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.2 倍。全体の PER 16.15 倍、時価総額 133 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:直近は値上げを通しながら利益率が上がっており、通販と海外の伸びも続く。起こりうる上振れとして 21%。
中立 40% 足数は 5% 減、値段は物価並み、利益率は 5% 利益 6 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 1,551 円105 億円
地方の店が 10 年で 1〜2 割減り、通販と海外、スポーツの卸がその多くを埋める筋書きだ。販売足数は 5% 減る。値段は日本製の糸と工賃の上昇に沿って物価並みに上がる。
家賃と人件費も物価で上がるが、値上げで相殺でき、営業利益率は 5% 前後にとどまる。店の改装の投資は償却の範囲に収まる。
配当は安定配当を続け、利益の 4 割ほどを株主に戻す。自己資本は積み上がり、ROE は 7% 台と資本コストをわずかに下回る。
値ごろな品の比率は上がるが、機能を売りにした品がそれを補う。会社は堅実に続くが、利益が大きく伸びる姿でもない。
- 靴下・レッグウェア(専門店・通販・海外・スポーツ卸):数量 22.8(販売足数(百万足・推定))× 価格 938(1 足あたりの平均売価(円・推定))→ 売上 214 億円・営業利益 11 億円。足数 5% 減。価格は物価並み
倍率:事業の純利益 6 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.0% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.2%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.68 倍、時価総額 94 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:過去 12 年の営業利益率は −9〜5.2% で、赤字の年を除いた中央は 3〜4%。直近の改善を半ば認めて 5% に置き、最も起こりやすい形として 40%。
やや悲観 22% 地方の店が細り、家賃の重さで利益率が 3% に 利益 3 億円 · PER 8.0 倍 · 株価時価総額 528 円36 億円
地方の商業施設の客が減り続け、店の数が 10 年で 3 割減る筋書きだ。通販と海外の伸びでは埋めきれず、販売足数は 15% 減る。値ごろな品の比率が上がり、平均の値段は物価を下回る。
家賃は固定の約束で、売上が落ちても下がらない。閉店の費用と減損も重なり、営業利益率は 3% に落ちる。2017 年から 2020 年ごろの水準に戻る形だ。
配当は利益に沿って減る。ROE は 4% 台に下がる。
協力工場の減少で供給も細り、機能品の新作も出にくくなる。訪日客の需要も為替の振れで細り、都市部の店も伸びが止まる。
- 靴下・レッグウェア(専門店・通販・海外・スポーツ卸):数量 20.4(販売足数(百万足・推定))× 価格 875(1 足あたりの平均売価(円・推定))→ 売上 179 億円・営業利益 5 億円。足数 15% 減。価格は物価を下回る
倍率:ROE 4% 台で稼ぐ力は資本コストの半分ほど。店の売り場が構造的に細る筋書きなので上限 12.9 倍の 6 割強の 8 倍。中立より PBR は低い。
確率:2017〜2020 年は営業利益率 2〜4% だった。訪日客の需要が細れば戻りうる水準で、22% を置いた。
悲観 10% 専門店が量販に負け、家賃だけが残る 利益 0 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 238 円16 億円
衣料の量販店と雑貨店の安い靴下に客が流れ、専門店の店の数が半分近くに減る筋書きだ。販売足数は 3 割近く減り、値下げで値段は物価を大きく下回る。
家賃は契約の期間が残る限り払い続け、閉店の費用もかさむ。営業利益はほぼゼロになる。人件費を削っても、家賃の約束が利益を食い尽くす。
配当は大きく減らされる。手元の現金と差入保証金は残るが、閉店と家賃の支払いで目減りし、創業家の会社なので使い道を少数株主は決められない。
ブランドの名は残っても、それを生かす売り場が無い。値打ちは手元の資産の残りでしか測れなくなる。
- 靴下・レッグウェア(専門店・通販・海外・スポーツ卸):数量 17.3(販売足数(百万足・推定))× 価格 805(1 足あたりの平均売価(円・推定))→ 売上 139 億円・営業利益 1 億円。足数 28% 減。価格は物価を大きく下回る
倍率:稼ぐ力はほぼ消える。純現金 16 億円と差入保証金 11 億円は閉店と残りの家賃で目減りするので、今の自己資本 54 億円に 0.3 倍を掛けた。中立とやや悲観の PBR より低い。
確率:2021/02 期に営業利益率 −9% の赤字を出した。客足が戻らない形が続けば起こりうるが、ブランドは残るので 10%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
靴下・レッグウェア(専門店・通販・海外・スポーツ卸)
「靴下屋」などの専門店、国内の通販、海外、スポーツ用の卸で靴下とレッグウェアを売る。
| 数量販売足数(百万足・推定) | 価格1 足あたりの平均売価(円・推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 24.0 | 700 | 168 | 9 |
| 10 年後 中立 | 22.8 | 938 | 214 | 11 |
取り方:足数は開示が無いので推定。3 足 1,100(円)の値ごろな品から 1 足 2,000(円)を超える機能品までの構成と、フランチャイズへの卸値を踏まえて平均 700(円)とみて、売上 168.1 億円から 2,402 万足と割り戻した。営業利益は 2026/02 期の 8.84 億円。
リスクと懸念
地方の店の客の減少
物価の上昇で地方の商業施設の客は減っている。店の数が想定より速く減れば、通販と海外の伸びでは埋めきれず、売上と利益が細る。
家賃という固定の約束
直営店は借りた区画で営む。家賃は売上が落ちても下がらず、2021 年 2 月期の赤字はこの重さを示した。新しいリースの会計基準で、2028 年以降は負債としても表に出る。
安い靴下との競争
衣料の量販店と雑貨店は、安くて十分な品質の靴下を大量に売る。値ごろな品を増やすほど、粗利が薄くなる。
訪日客と海外の振れ
都市部の店は訪日客の土産の需要に支えられている。為替や政策で客足が減れば、利益率の改善は止まる。米国の通販は関税の見直しで利益が細った。
国内の工場の担い手
協力工場の多くは中小で、職人の高齢化が進む。工場が減れば、日本製という強みと、早く作り足す仕組みの両方が揺らぐ。
今後の分かれ目
- 営業利益率が 6% を超えて 2 期続く
- ブランドの値決め力が強まったとみて、やや楽観の確率を上げる。
- 国内の店の数が年 5% 以上減る
- 売り場の細りが速いとみて、やや悲観の確率を上げる。
- 通販と海外の売上が全体の 3 割を超える
- 店に頼らない売り方が育ったとみて、数量の見通しを上げる。
- 配当性向や自社株買いを大きく引き上げる
- 資本の効率が上がるとみて、ROE と倍率の見方を上げる。
- 協力工場の廃業で供給が滞る
- 品質の堀が揺らぐとみて、悲観側に寄せる。
見ておくもの
- 国内の店の数と既存店の売上
- 営業利益率と売上総利益率
- 通販(モール)と海外の売上
- 訪日客の数と都市部の店の売上
- 配当と自社株買い
倍率と資本コストの決め方
倍率は ROE と k 7.5% から置いた。中立は ROE がわずかに k を下回るので上限 1÷k の 12.9 倍の 8 割強、楽観側は正当化 PER の 9 割強とした。今と過去の PER・PBR は見ていない。家賃は営業費用に入った今の形のまま 10 年後も置き、2028 年から新しいリースの会計基準で営業利益と負債の形が変わることは数字に入れていない。株主優待は年 1 億円未満とみて還元に数えていない。純現金は季節の山なので余った現金として分けていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13→17.37 倍・やや楽観 PER 12→16.15 倍・中立 PER 11→14.68 倍)。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 0.25% = 7.75%。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 7.75% → 7.50%。