結論
コンドーテックは、建設現場や港、物流の現場で使う金物を、作って売る会社だ。足場を吊るチェーン、鉄骨を締めるブレース、アンカーボルト、災害用のブルーシートまで、約5万品目を扱う。自社で作る製品が2割で、残りは仕入れて売る。メーカーと商社の二つの顔を持つ。
筆者の結論は「適正」だ。わずかに割高寄りとみる。事業は堅く、設立以来、経常赤字がない。ただ利益率は5%台と薄く、ROEは8%台で、資本コストをわずかに上回るにとどまる。
2026年3月期は売上839億円、営業利益46億円で、増収増益だった。ただし増収の多くは値上げの結果で、売る量の伸びは小さい。今期は鈴東と琉球ブリッジを買収し、売上910億円を計画する。
10年先の中立は、売上1,170億円、営業利益67億円とみる。建設の量は横ばいで、値段は物価並みに上がり、自社製品とM&Aが少し上乗せする。利益率は5%台後半にとどまる。会社は中期計画でROE10%以上を掲げるが、中立では8%前後だ。
懸念は、買収した会社が利益を生むまでの時間と、人件費・賃借料の上昇だ。会社自身が、投資の回収が想定より遅れていると認めている。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、コンドーテックは「地味で、潰れにくい会社」だ。足場や鉄骨の金物は、建設が続く限り要る。10年先の姿を描きやすい。
堀は小さい。ただ、足場吊りチェーンのような高シェアの品と、全国106拠点の即納体制は、じわじわ効く。設立以来、経常赤字がないことが、その証拠だ。
気になるのは、オーナー利益、つまり株主が自由に使える利益の薄さだ。営業利益率は5%台で、ROEは8%台にとどまる。資本コストをわずかに上回るだけなので、利益を内部に留めても、価値は大きく増えない。
資本の使い方は評価が割れる。配当を15期以上増やし、財務を堅く保つ姿勢は良い。一方で、買収を重ねて回収が遅れており、これ以上の買収が価値を増やすかは、まだ証明されていない。
安全域は、今の値段にある程度ある。ただ、厚くはない。筆者は、確信度を中くらいに置く。
何で稼ぐ会社か
稼ぎ方は、現場で要る金物を、自社の工場と仕入れ先から集め、全国の販売店と建設会社に届けることだ。
柱は四つある。最大は産業資材で、売上の約47%を占める。吊り具、ターンバックル、ロープ、コンテナバッグ、災害用シートなどを、金物店、問屋、ホームセンターに卸す。取引先は約17,000社ある。次が鉄構資材で、約26%。鉄骨造の建物に使うアンカーボルトやブレースを、鉄骨加工業者に直接売る。
三つ目が電設資材で、約16%。LED照明や配線器具を、全額仕入れて売る。四つ目が足場工事で、約12%。工務店や中堅ゼネコンの足場を組み、機材も貸す。祖業は船の艤装品で、ワイヤロープやシャックルから広がった。
自社製品は売上の2割で、工場は札幌、関東、滋賀、九州の4か所にある。仕入商品の粗利益率が約2割なのに対し、自社製品は約3割ある。自社製品を伸ばすことが、利益率を上げる王道だ。
国内に106の営業拠点があり、新規開拓と休眠顧客の掘り起こしを営業担当の仕事にしている。海外はタイ法人を軸に東南アジアへ広げ始めたが、まだ小さい。足場工事の4社を束ねる持株会社や、プラント工事の会社など、周辺のM&Aも続けてきた。
優良さと弱いところ
優良さの核は、小さな市場で高いシェアを取っていることと、現場の「今すぐ要る」に応えられることだ。足場吊りチェーンのシェアは約74%、ターンバックルブレースは約4割で、後者は右ねじと左ねじまで一貫生産できる唯一の会社とされる。
取扱品は約5万点あり、全国106拠点に在庫を持つ。災害の復旧では、ブルーシートや土のうをすぐに出せる。価格だけでなく、「何が要るか分からない」という相談にも応じる点が、取引先に評価されている。
財務は堅い。設立以来、経常赤字がない。純現金は84億円、自己資本比率は56%で、上場以来、減配もない。
弱みは資本効率だ。ROEは8%台で、会社が目標にする10%に届かない。増収の多くが値上げによるもので、量の伸びは限られる。鉄構資材は物件ごとに仕様が違い、価格を管理しにくい。足場工事の営業利益は1億円ほどしかない。
買収した会社の回収も遅れている。会社は2025年5月に業績目標を下げた。筆者は、堀は小さな市場に限られ、全体の価格決定力は強くないと見る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の建設投資は、2025年度で75兆円ほどだ。新築住宅は人口減で細る。一方で、老朽インフラの修繕、既存建物の大規模修繕、データセンター、半導体工場、大型の物流倉庫が需要を支える。これらは低層で横に広い鉄骨の建物が多く、アンカーボルトやブレースの出番が増える。
人手不足は深刻で、現場は省力化、省人化、軽量化に敏感だ。コンドーテックの新商材は、この流れに合わせている。ハイテン・コンブレースは、従来40〜50本のボルトが要る箇所を4本で済ませる。LSダブルフックは、吊り作業を省力化する。
災害の増加も追い風だ。ブルーシート、コンテナバッグ、土のうの売上は伸びている。
電設資材は、2027年の蛍光灯の製造中止に向けたLED照明への切り替え需要が、今期にピークを迎える。その後は反動が来る。
競争は、地域ごとに分かれた分散型だ。価格決定力は弱く、粗利は1割前後の業種が多い。メーカーの直販やネット通販が脅威になりうる。再編も進み、大手が地場の会社を束ねている。コンドーテックもその一社だ。
物流費と人件費は上がり続けている。値上げを通せる会社と通せない会社で、利益率の差が開く局面だ。
資本政策と M&A
還元は着実だ。経営目標にDOE(純資産に対する配当の割合)4.0%以上とROE10%以上を掲げる。DOEの目標は2024年3月期に2.5%から4.0%へ引き上げた。今期で16期連続の増配を見込み、上場以来、減配がない。自社株買いの方針は、現行の計画では確認できない。
株主優待も出す。保有株数に応じてポイントが付き、商品などに換えられる。費用の開示はなく、年0.5億円と仮置きした。
M&Aは多い。2010年の三和電材から、2014年の中央技研、2020年の東海ステップ、2021年の栗山アルミとフコク、2024年の上田建設と続いた。2025年には、安全鋼板の鈴東と、沖縄の琉球ブリッジを子会社にした。専門部署はなく、経営陣が仲介会社の案件を議論して決める。
問題は回収だ。会社は2025年5月、投資が想定を超え、回収が遅れていることを理由に目標を下げた。筆者が気にするのは、買収が続くほど、のれんと管理の負担が積み上がることだ。
筆頭株主は有限会社藤和興産で、約11%を持つ。当サイトの参考値では、10年以内のTOBの確率は1割台半ばある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
自社製品の比率が上がるほど、利益率は改善する。自社製品の粗利益率は約3割で、仕入商品より10ポイント近く高い。ハイテン・コンブレースやCATENAのように、省力化と軽量化に効く新商材は、設計事務所とゼネコンから問い合わせが多い。取引先は新規の開拓だけで年に1,500社ずつ増える仕組みがある。
需要の質も変わっている。老朽インフラの修繕、大規模修繕、データセンター、物流倉庫は、新築住宅に代わる柱だ。災害用資材の需要も伸びている。足場吊りチェーンのように、シェアが7割を超える商品を持つ強みは大きい。
M&Aは、これまでも成果を上げてきた。三和電材のように成功した買収があり、足場工事は4社を束ねて施工体制を作った。鈴東や琉球ブリッジは、コンドーテックの商品との組み合わせで売上が伸びる。
財務は堅く、DOE4%以上という明確な方針で増配が続く。会社の計画どおり、2029年3月期に売上1,000億円、ROE10%以上に近づいても不思議ではない。
慎重な見方
増収は値上げの結果で、売る量が伸びていない。会社の社長自身が、数量の増加は圧倒的ではないと認めている。利益率は5%台で、人件費や賃借料の上昇に耐える余力が小さい。2026年3月期の3Q累計では、営業利益の伸びが1%にとどまった。
鉄構資材は、自社商材が物件ごとに仕様が決まり、価格を管理しにくい。3Q累計の利益は13%減った。足場工事は外注費が重く、営業利益が1億円にも届かない。電設資材のLED特需は、今期をピークに反動が来る。
M&Aの負担も重い。会社は2025年5月に目標を下げ、投資の回収が遅れていると認めた。買収が続くほど、のれんと管理の負担が積み上がる。鈴東や琉球ブリッジは取扱品や販売力に限りがあり、コンドーテックの商品と組み合わせて売る必要がある。
ROEは8%台で、会社が目標にする10%に届かない。新築住宅は人口減で細り、メーカーの直販やネット通販が卸の取り分を削る。106の営業拠点を支える賃借料と人件費は、売上が落ちても減らない。
どちらに重みを置いたか
事業の堅さと、設立以来の安定には、強気の言い分に分がある。足場吊りチェーンのような高シェアの商品と、DOEに基づく増配の方針も確かだ。一方で、利益率が薄く、投資の回収が遅れている点は、慎重な言い分のとおりだ。
そこで、中立に最も厚く置き、楽観は8%と低く抑えた。悲観は11%とした。設立以来の黒字の実績があるので、赤字には落とさない。結果として、本質価値は今の時価総額をわずかに下回った。割安でも割高でもない、適正の範囲だ。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 2,610 円670 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 774 円199 億円)。 今の値に割り戻すと 1,879 円482 億円、今との差 +7.7%、 期待の年率 +6.8%(資本コスト 7.0%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 4,204 円1,080 億円 | 970 円249 億円 | +196.5% | +11.5% | 414 円106 億円 |
| やや楽観 | 20% | 3,476 円893 億円 | 846 円217 億円 | +147.7% | +9.5% | 864 円222 億円 |
| 中立 | 38% | 3,001 円771 億円 | 815 円209 億円 | +118.7% | +8.1% | 1,450 円372 億円 |
| やや悲観 | 23% | 1,574 円404 億円 | 686 円176 億円 | +29.5% | +2.6% | 520 円133 億円 |
| 悲観 | 11% | 692 円178 億円 | 543 円140 億円 | −29.2% | −3.4% | 136 円35 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,610 円670 億円 | 774 円199 億円 | +93.9% | +6.8% | 3,384 円869 億円 |
今の株価時価総額 1,745 円448 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.0% を下回るほど割高。
楽観 8% 自社製品の拡販が進み、利益率が6%台半ばへ 利益 64 億円 · PER 17.0 倍 · 株価時価総額 4,204 円1,080 億円
自社製品の拡販が進み、産業資材の粗利益率が上がる。新商材のハイテン・コンブレースやCATENAなど、省力化と軽量化に効く商品が設計事務所とゼネコンに採用される。取引先は19,000社に増え、災害用資材の需要も取り込む。
鉄構資材は、データセンターや物流倉庫など横に広い鉄骨の建物の増加を追い風に、シェアを10%に引き上げる。電設資材はLED切替の特需が終わっても、新規の取引先で売上を保つ。足場工事は子会社の連携で案件を選べるようになり、利益率が3%台に乗る。
営業利益は89億円、利益率は6.5%だ。M&Aで取り込んだ会社は、コンドーテックの商品との組み合わせで売上を伸ばす。DOE4%以上の方針のもと増配が続き、自社株買いも加わる。会社の中期計画のROE10%以上も実現する。
- 産業資材:数量 19,000(取引先数(社))× 価格 0.03(1 社あたり売上(億円・名目)。1 社あたりの実質の購入量の変化と物価を含む)→ 売上 620 億円・営業利益 50 億円。取引先19,000社×1社あたり実質+5%、自社製品の比率上昇
- 鉄構資材:数量 2,600(鉄骨造建築向け接合・補強資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 13.4%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 348 億円・営業利益 24 億円。データセンター・物流倉庫で伸びる(市場2,600億円×10.0%)
- 電設資材:数量 6,000(金物・ホームセンター経由の電設資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 3.5%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 209 億円・営業利益 9 億円。新規取引先で特需の反動を補う(市場6,000億円×2.6%)
- 足場工事:数量 6,200(国内の足場工事・機材の市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 3.2%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 199 億円・営業利益 7 億円。案件を選別し利益率が上がる(市場6,200億円×2.4%)
倍率:事業の純利益 64 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.2% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.6%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.9 倍。全体の PER 16.95 倍、時価総額 1,080 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:自社製品の拡販、M&Aの成功、足場工事の黒字化が同時にそろう必要がある。条件が多く、中期計画を一度下げた実績もあるので、8%と低めに置いた。
やや楽観 20% 自社製品とM&Aが効き、利益率が緩やかに上がる 利益 54 億円 · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 3,476 円893 億円
自社製品の比率が上がり、産業資材の利益率が緩やかに改善する。取引先は18,300社まで増え、新規開拓と休眠顧客の掘り起こしが実を結ぶ。鈴東と琉球ブリッジは、コンドーテックの商品との組み合わせで売上を伸ばす。
鉄構資材は老朽建物の改修と物流倉庫の需要に支えられ、シェアが9%台に乗る。電設資材はLED切替の特需の反動を、新規の取引先で半分ほど補う。足場工事は選別受注で利益が出るようになる。
営業利益は76億円、利益率は6.1%だ。過去の山の7.0%には届かない。DOE4%以上の方針で増配が続く。M&Aは小粒な買収を年に1〜2件のペースで続け、のれんの負担は小さい。海外は東南アジアで少しずつ売上が増える。
- 産業資材:数量 18,300(取引先数(社))× 価格 0.03(1 社あたり売上(億円・名目)。1 社あたりの実質の購入量の変化と物価を含む)→ 売上 585 億円・営業利益 45 億円。取引先18,300社×1社あたり実質+3%
- 鉄構資材:数量 2,500(鉄骨造建築向け接合・補強資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 12.4%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 310 億円・営業利益 20 億円。改修と物流倉庫で伸びる(市場2,500億円×9.25%)
- 電設資材:数量 5,900(金物・ホームセンター経由の電設資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 3.2%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 190 億円・営業利益 7 億円。特需の反動を半分補う(市場5,900億円×2.4%)
- 足場工事:数量 6,000(国内の足場工事・機材の市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 2.8%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 169 億円・営業利益 4 億円。選別受注で改善(市場6,000億円×2.1%)
倍率:事業の純利益 54 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.2% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.1%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.2 倍。全体の PER 16.21 倍、時価総額 882 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:自社製品の拡販と買収した会社の貢献が進むが、人件費と賃借料の上昇を吸収しきれず、利益率は過去の山の手前で止まる。蓋然性のある強気の姿として20%を置いた。
中立 38% 物価並みに伸びる堅実な金物商社兼メーカー 利益 48 億円 · PER 15.8 倍 · 株価時価総額 3,001 円771 億円
建設の量は、新築の減少を老朽インフラの修繕、大規模修繕、データセンター、物流倉庫が支え、ほぼ横ばいで推移する。値段は物価並みに上がる。コンドーテックは自社製品の拡販と小粒なM&Aで、売上を物価より少し速く伸ばす。
産業資材は取引先が17,500社に増え、自社製品の比率が少し上がる。鉄構資材は物件ごとの価格管理の難しさが残り、利益率は6%どまりだ。電設資材はLED切替の特需が終わり、利益率が下がる。足場工事は黒字になるが、薄利だ。
営業利益は67億円、利益率は5.7%だ。直近の5.5%よりわずかに高く、過去の山の7.0%には届かない。DOE4%以上の方針は守られ、増配が続く。会社の中期計画のROE10%以上には届かず、8%前後で推移する。
- 産業資材:数量 17,500(取引先数(社))× 価格 0.03(1 社あたり売上(億円・名目)。1 社あたりの実質の購入量の変化と物価を含む)→ 売上 554 億円・営業利益 41 億円。取引先17,500社×1社あたり実質+2%
- 鉄構資材:数量 2,425(鉄骨造建築向け接合・補強資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 11.8%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 286 億円・営業利益 17 億円。横ばい(市場2,425億円×8.8%)
- 電設資材:数量 5,820(金物・ホームセンター経由の電設資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 3.1%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 179 億円・営業利益 6 億円。特需の反動で利益率が下がる(市場5,820億円×2.3%)
- 足場工事:数量 5,880(国内の足場工事・機材の市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 2.5%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 150 億円・営業利益 3 億円。薄利ながら黒字(市場5,880億円×1.9%)
倍率:事業の純利益 48 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.6% が k 7.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 7.8%、10 年より先の名目の伸び g 3.5% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.8 倍。全体の PER 15.76 倍、時価総額 752 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:建設の量は横ばいから微減、値段は物価並み。自社製品の拡販とM&Aで売上は物価を少し上回るが、人件費と賃借料の上昇で利益率は直近並みに落ち着く。いちばん確からしい筋書きとして38%を置いた。
やや悲観 23% 建設の量が細り、人件費と賃借料に利益を削られる 利益 35 億円 · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 1,574 円404 億円
新築住宅と鉄骨造の着工が細り、建設の量が実質で1割ほど減る。値上げは物価並みにとどまり、人件費と賃借料の上昇を吸収しきれない。取引先は16,800社に減り、1社あたりの購入量も落ちる。
鉄構資材は物件ごとの価格競争が強まり、利益率が5%に下がる。電設資材は特需が終わって薄利になる。足場工事は外注費の上昇で、ほぼ利益が出ない。買収した会社の収益改善も遅れる。
営業利益は49億円、利益率は4.8%に下がる。DOE4%以上の方針は守るが、自己資本が積み上がって配当の額が重くなる。ROEは6%台にとどまり、会社の目標の10%には遠い。
- 産業資材:数量 16,800(取引先数(社))× 価格 0.03(1 社あたり売上(億円・名目)。1 社あたりの実質の購入量の変化と物価を含む)→ 売上 511 億円・営業利益 32 億円。取引先16,800社×1社あたり実質-2%
- 鉄構資材:数量 2,300(鉄骨造建築向け接合・補強資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 10.5%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 240 億円・営業利益 12 億円。着工の減少で縮む(市場2,300億円×7.8%)
- 電設資材:数量 5,500(金物・ホームセンター経由の電設資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 2.7%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 147 億円・営業利益 4 億円。特需の反動(市場5,500億円×2.0%)
- 足場工事:数量 5,600(国内の足場工事・機材の市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 2.0%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 113 億円・営業利益 1 億円。外注費で薄利(市場5,600億円×1.5%)
倍率:事業のROEは6%台で、資本コスト7%に届かない。この場合のPERの上限は1÷k=12.9倍で、その約8割を置いた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 10.5 倍・時価総額 368 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:新築と鉄骨造の着工が細り、人件費と賃借料の上昇を価格に転嫁しきれない姿。投資の回収が遅れている実績もあり、中立に近い厚みで置いた。
悲観 11% 構造的に負ける:新築の縮小と中抜きで、価格を守れなくなる 利益 19 億円 · PER 9.5 倍 · 株価時価総額 692 円178 億円
新築が人口減で大きく減り、建設の量が実質で2割ほど減る。メーカーの直販やネット通販が金物の卸の取り分を削る。大手ゼネコンの集中購買が進み、値引き圧力が強まる。コンドーテックは価格を維持できず、取引先は15,500社に減る。
鉄構資材は仕様が物件ごとに異なるため、価格競争に巻き込まれて利益率が3%に落ちる。電設資材と足場工事は薄利の状態が続く。足場工事は赤字になる。M&Aで取り込んだ会社の収益も思うように伸びず、のれんの減損が出る。
営業利益は27億円、利益率は3%台だ。それでも自社製品の足場吊りチェーンなどの堅い需要と、災害用資材があり、赤字にはならない。配当は維持を優先し、DOE4%を割るが、減配は小幅にとどまる。
- 産業資材:数量 15,500(取引先数(社))× 価格 0.03(1 社あたり売上(億円・名目)。1 社あたりの実質の購入量の変化と物価を含む)→ 売上 448 億円・営業利益 22 億円。取引先15,500社×1社あたり実質-7%
- 鉄構資材:数量 2,000(鉄骨造建築向け接合・補強資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 8.7%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 174 億円・営業利益 5 億円。仕様競争で縮む(市場2,000億円×6.5%)
- 電設資材:数量 4,800(金物・ホームセンター経由の電設資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 2.3%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 109 億円・営業利益 2 億円。薄利(市場4,800億円×1.7%)
- 足場工事:数量 5,000(国内の足場工事・機材の市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア)× 価格 1.6%(実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率)→ 売上 80 億円・営業利益 −2 億円。赤字(市場5,000億円×1.2%)
倍率:事業のROEは3%台で、資本コスト7%を大きく下回る。上限は1÷k=12.9倍で、その約75%を稼ぐ力として置いた。市場の値付けは根拠にしない。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 9.5 倍・時価総額 178 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:新築が人口減で3〜4割減り、メーカー直販やネット通販が金物の卸を削る構造的な負けの姿。人件費の上昇も重なる。設立以来、経常赤字がない会社なので11%にとどめた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
産業資材
吊り具、ターンバックル、ロープ、コンテナバッグ、災害用シートなどの自社製品と仕入商品を、金物店・問屋・ホームセンターに卸す。
| 数量取引先数(社) | 価格1 社あたり売上(億円・名目)。1 社あたりの実質の購入量の変化と物価を含む | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 17,000 | 0.02 | 394 | 28 |
| 10 年後 中立 | 17,500 | 0.03 | 554 | 41 |
取り方:産業資材の売上約394億円を、取引先約17,000社で割って1社あたり約232万円とした。2026年3月期の売上構成比(約47%)と、社長インタビューの売上395億円による。営業利益27.7億円はセグメント利益(約27億円)による。数量は取引先の数(実物)、物価3%と1社あたりの購入量の変化は価格の側に入れた。
鉄構資材
アンカーボルト、ブレースなど、鉄骨造の建築に使う接合・補強資材。鉄骨加工業者へ直販する。
| 数量鉄骨造建築向け接合・補強資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア | 価格実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,500 | 8.6% | 215 | 13 |
| 10 年後 中立 | 2,425 | 11.8% | 286 | 17 |
取り方:鉄構資材の売上約215億円(社長インタビューでは216億円)を、鉄骨造建築向けの接合・補強資材の国内市場約2,500億円(開示なし、推定)に対するシェア約8.6%と逆算した。営業利益12.5億円はセグメント利益(約12億円)による。数量は実質の市場、物価3%は価格に入れた。
電設資材
LED照明、電線、配線器具などの電設資材の仕入販売。金物店・問屋・ホームセンターが主な販売先。
| 数量金物・ホームセンター経由の電設資材の国内市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア | 価格実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,000 | 2.2% | 133 | 5 |
| 10 年後 中立 | 5,820 | 3.1% | 179 | 6 |
取り方:電設資材の売上約133億円(構成比約16%)を、金物店・問屋・ホームセンター経由の電設資材の国内市場約6,000億円(推定)に対するシェア約2.2%と逆算した。営業利益5.2億円は、3Q累計の利益(3.84億円)から年換算した推定。数量は実質の市場、物価3%は価格に入れた。
足場工事
工務店・中堅ゼネコン向けの足場の架払工事と、仮設足場機材の販売・レンタル。
| 数量国内の足場工事・機材の市場(今の値段で測った実質・億円、推定)× シェア | 価格実質の市場 1 億円あたりの売上(億円)=シェア × 物価の倍率 | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 6,000 | 1.6% | 97 | 1 |
| 10 年後 中立 | 5,880 | 2.5% | 150 | 3 |
取り方:足場工事の売上約97億円(社長インタビューでは98億円)を、国内の足場工事・機材の市場約6,000億円(推定)に対するシェア約1.6%と逆算した。営業利益0.8億円は、3Q累計の利益(0.08億円)と通期の約1億円による。数量は実質の市場、物価3%は価格に入れた。
リスクと懸念
数量の伸びが小さく、値上げ頼みの増収
2026年3月期の増収は価格転嫁の面が大きく、社長自身が数量の増加は圧倒的ではないと述べている。値上げが通りにくくなる局面や、建設の量が減る年には、売上と利益の両方が落ちる。利益率が5%台と薄いため、少しの減収でも利益が目減りする。
M&Aの回収の遅れと、のれんの負担
会社は2025年5月、投資が想定を上回り、回収が遅れているとして目標を下げた。2025年には鈴東と琉球ブリッジを買収し、プラント工事や足場工事の会社も抱える。買収が続くほど、のれんと管理の負担が積み上がる。
人件費・賃借料・物流費の上昇
営業拠点が106あり、賃借料と人件費は売上が落ちても減らない。新リース会計基準は2028年3月期から適用され、純現金と自己資本比率の見え方が変わる。物流費の上昇も続き、転嫁できない年は利益が削られる。
鉄構資材の価格管理の難しさ
自社商材は物件ごとに仕様が決まり、価格を管理しにくい。2026年3月期の3Q累計では利益が13%減った。ゼネコンの集中購買が進めば、さらに値引きの圧力が強まる。
電設資材のLED特需の反動
2027年の蛍光灯製造中止に向けた切り替え需要は、今期にピークを迎える。その後は売上が落ち、電設資材の利益が減る。足場工事の利益が小さい中で、全社の利益の下支えが弱くなる。
新築の縮小と中抜き
新築住宅は人口減で細り、新築の鉄骨造も減りうる。メーカーの直販やネット通販が増えれば、卸の取り分は削られる。老朽インフラの修繕やデータセンターで補えるかは、まだ見通せない。
今後の分かれ目
- 自社製品の比率が上がり、産業資材の営業利益率が8%を超える
- 粗利益率の高い自社製品の効果が出ている証拠になる。楽観・やや楽観の確率を上げてよい。
- 買収した会社の営業利益が計画を超え、のれんの減損が出ない
- M&Aの回収が進み始めた証拠になる。やや楽観の確率を上げ、M&Aの懸念を下げる。
- 新リース会計の適用や賃借料の上昇で、営業利益率が5%を割る
- 固定費が重く、薄利の構造が深まった証拠になる。やや悲観に重みを移す。
- 電設資材の売上がLED特需の終了後に大きく落ちる
- 特需が一時的なものだった証拠になる。電設資材の利益率を引き下げ、中立を見直す。
- 新築の着工が大きく減り、取引先の数が減り始める
- 構造的な縮小の始まりを意味する。悲観側の確率を上げる。
- DOE目標が引き上げられる、または自社株買いの方針が出る
- 還元が増える。ROEが資本コストを上回る中立の筋書きでは、価値がわずかに上向く。
見ておくもの
- 産業資材の営業利益率と、自社製品の比率
- 取引先数の推移と、1社あたりの売上
- 鉄構資材の利益率と、ゼネコンの集中購買の動き
- 買収した会社の営業利益と、のれんの額
- 営業拠点の賃借料と、人件費の伸び
- 電設資材の売上の推移(LED特需の後)
- DOE・ROEの実績と、還元方針の変更
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価やPERを見ず、各筋書きのROEと資本コスト7%(基本7.5%に循環+0.25%)から正当化PERを計算して置いた。中立はROEが資本コストを上回るので、下限の1÷k=12.9倍を割らない13倍。ROEが資本コストに届かないやや悲観・悲観は、上限1÷kの範囲で置いた。純現金84億円は運転資金とM&Aの原資に回ると見て別枠にしていない。賃借の営業所は家賃として営業費用に入っており、新リース会計基準で数字の形が変わっても価値は動かない。10年後の数字は今と同じ形で置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 15→16.95 倍・やや楽観 PER 13.8→16.21 倍・中立 PER 13→15.76 倍)。
資本コスト 7.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% に quality +0.25%(循環)を足して k 7%。純現金で借金の上乗せは置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 7.75% → 7.00%。