結論
コンセックは、コンクリートに穴をあけ、切るための機器と消耗品を売り、その工事も請け負う会社だ。売上は 99 億円で、4 つの事業に分かれる。筆者の結論は「割高」。資産の厚さは認めるが、稼ぐ力が資本コストに届かないと見る。
中心は切削機具と建設・生活関連品で、それぞれ売上の 4 割弱。特殊工事は 16%、工場設備関連は 1 割弱だ。営業利益は 4 年続けてほぼゼロで、前期は 8 百万円の営業損失だった。
会社は 2029 年度に売上 116 億円、営業利益率 4.2% を掲げる。過去 12 年の最高は 3% 台で、計画は実績を上回る。数量が戻らないまま、値上げと工事の拡大で届くかが、見立ての分かれ目だ。
自己資本は 79 億円と時価総額の 3 倍超あり、上場株式や土地も持つ。ただ資産は利益を生まず、配当や受取利息の形で小さく入るだけだ。
配当は年 0.5 億円ほど。中立でも、10 年後の時価総額は今に届かないと筆者は見る。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、「資産が厚いこと」と「稼ぐ力があること」は別だと考える。この会社は前者で、後者が細い。
自己資本は時価総額の 3 倍あるが、利益が出なければ帳簿の価値は株主の手に戻らない。上場株式や土地は、売れば価値が出るが、売らない限り利益に寄与しない。
筆者が評価するのは、無理な借金で膨らませていない点だ。減損で資産を整理し、事業の組み替えに動いている点も悪くない。
ただ、長く持ちたい事業かと問われれば、穴をあける道具と工事は、値段を自分で決められない商売だ。10 年の稼ぎを、今の利益から大きく伸ばす根拠は見えない。
大株主の動きで価値が一気に実現する可能性はあるが、それは本質価値ではなく、運に属する話だ。
資本の使い方でいえば、利益の 3 割を配当に回す方針は妥当だが、利益が小さく、還元も小さい。厚い資産を株主に戻す動きがない限り、持ち続ける理由は薄い。
何で稼ぐ会社か
事業は 4 つある。切削機具は、コアドリルやワイヤーソー、ダイヤモンドブレードなど穿孔・切断の機器と消耗品で、売上 36 億円。特殊工事は、アンカーやダイヤ穿孔・切断の工事で 16 億円。
建設・生活関連品は、工作機械・建設資材・工具の販売で 37 億円、工場設備関連は自動制御盤・配電盤・製缶の製造で 10 億円だ。
製品は見込み生産が中心で、工事は 1 件が小さく、受注残は開示されない。数量は開示されないので、売上を平均的な単価で割って推定した。
連結従業員は 324 人、平均年収は 492 万円。中国に子会社を持ち、製品と部品の一部を現地で作る。
子会社に、島根の山陰建設サービスや丸金建設などの工事会社、北斗電気工業などがある。会社は今期、売上 104 億円、営業利益 1 億円を見込む。
売上の地域や顧客は、国内の建設会社と工事会社が中心だ。営業は対面が主で、都市圏の深掘りを会社は課題に挙げる。
前期の売上は、切削機具が 1% 増、特殊工事が 5% 減、建設・生活関連品が 2% 減、工場設備関連が 1 割減だった。
優良さと弱いところ
優良さは「並の下」と見る。穴をあける道具は建設現場に欠かせないが、顧客は建設会社で、値段を決める力は弱い。
営業利益率は過去 12 年で 3% 台が最高。直近 4 年はほぼゼロで、工事は人手不足、製品は中国の生産と、利益を削る要因が重なる。
自己資本比率は 64%、借入は 17 億円で現金 18 億円とほぼ同額。財務は堅いが、資産が多すぎて ROE が 1% 前後に沈む。
経営は、計画と実績の差が大きい。前期は経常利益を下方修正したあと、期末に上方修正で 0.9 億円に着地した。営業の稼ぎは変わらず、営業外の収益が支えた形だ。
減損で土地を 3 億円ほど減らした。資産の質に手を入れ始めたが、稼ぐ事業への組み替えは道半ばだ。
強みは、穿孔・切断の機器から工事まで一式で扱える点だ。機器を売るだけの商社にはできない、現場の知識が積み上がっている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
建設用の穿孔・切断の市場は、建設投資に連なる。国内の建設投資は 75 兆円台で、新築は人口減で細り、改修や老朽インフラの更新が支える。
数量は横ばいから微減、値段は人手不足の転嫁で物価並みに上がるかが分かれ目だ。顧客は建設会社で、元請けの値下げ圧力は強い。
競合は、海外の工具メーカーや国内の工具・建機の商社、地場の工事会社で、価格の決め手は製品の差よりも営業網になる。
もう 1 つの流れは、人手不足による工事の省力化だ。穴をあけ、切る機器を使う側の施工管理者が足りず、工事の外注が増える。会社が特殊工事の施工管理領域に広げる狙いはここにある。
ただ会社は 4 つの事業に広がり、どの領域でも上位ではなく、規模の利益を取りにくい。
地方の工事会社の数が減るなか、買収で拡大する選択肢もあるが、実績は多くない。
筆者は、この領域は勝者が決まるのでなく、地場の信頼でじわじわ細る場だと見る。建設現場の細かな需要を拾う営業網は価値があるが、規模の利益には乏しい。
輸入工具との競合は、為替が円安に止まる前提では価格面で守りやすい一方、材料費の上昇を転嫁しきれるかが課題だ。
資本政策と M&A
配当は連結の配当性向 30% 以上が目安で、前期の総額は 0.5 億円。中間配当はなく、自社株買いと優待の実績もない。
中計の 5 年累計で、営業キャッシュフロー 23 億円を見込み、成長投資に 20.5 億円(研究開発と M&A)、株主還元に 2.5 億円とする。還元は営業キャッシュフローの 1 割ほどで、厚くない。
上場株式は 11 億円ほどあり、持ち合いの性格がある。配当が利益に入るので、価値は別に足さない。
大株主は日本鉱泉、公益財団法人秀里会、ライフステージやまとなどで、いずれも 1 割前後以下。みずほ証券は短期売買の目的で 7% 近い。支配株主はなく、買い手が現れる余地がある。
過去の買収は、2023 年に丸金建設を子会社にし、デンサンとサンライフは売却して整理した。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
会社の計画どおり、2029 年度に売上 116 億円、営業利益率 4.2% に届く。切削機具は主力製品の更新で利益率 10%、特殊工事は施工管理の領域に広げて 12% を目指す。
人手不足は、穴をあけ、切る工事の外注を増やし、特殊工事の売上を押し上げる。物価の上昇分は、工事単価に転嫁できる。
減損で土地を整理し、資産の重さを減らしたあと、利益率は上向きだ。上場株式の配当も安定した下支えになる。
工場設備関連は、原価管理の高度化で利益が出る体質に変わる。
中国の生産体制を整えれば、製品の原価を抑えられる。10 年後に営業利益率 3% 台に乗れば、利益は今の数倍になる。
大株主が多く、買収の対象にもなりうる。
会社の営業利益は 4 年ほぼゼロで底を打っており、そこから戻る余地は残る。
前期の特殊工事は 5% 減ったが、受注の領域を施工管理に広げる計画が当たれば、単価と利益率の両方が上がる。
切削機具は前期に唯一増収で、主力製品の更新がさらに効けば、利益の柱になる。
慎重な見方
営業利益は 4 年続けてほぼゼロで、計画の 4.2% は実績の 12 年の最高を上回る。前期も、経常利益の黒字は営業外の収益に支えられた。
顧客は建設会社で、値段を決める力が弱い。新築が減るなか、数量は伸びにくい。人手不足は工事を増やすが、賃金の上昇も同時に来る。
事業が 4 つに広がり、どの領域でも上位ではない。固定費が薄く広く散らばる。
中国での生産には、製造の遅れや規制のリスクがある。
資産は厚いが、売らない限り稼がず、ROE は 1% 前後。時価総額が帳簿の 3 分の 1 でも、割安とは言えない。
減損は前期だけで終わらない恐れがある。10 年を通じ、利益の伸びは物価の分にも届かない見方が強い。
大株主が複数いて、買い手が現れるという期待は、価値の裏づけにならない。
前期、特殊工事は 5% 減、工場設備関連は 1 割減と、4 事業のうち 3 つが減収だった。伸びる事業が 1 つしかなく、全体の押し上げは弱い。
計画の営業利益率は、4 事業すべてが目標の利益率に届いて初めて実現する。前期の実績は、どの事業もそこから遠い。
どちらに重みを置いたか
資産と財務の堅さは評価するが、営業利益が 4 年ほぼゼロで、計画との差が大きい点を重く見た。確率は中立を厚くし、やや悲観と悲観に 36% を置いた。楽観は計画どおりの利益率に届く筋書きで 8% にとどめた。値段を自分で決められない商売で、数量も伸びないという見方が強い側にある。
資産の厚さが値の下支えになる点は、悲観の床に反映した。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 1,157 円20 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 264 円5 億円)。 今の値に割り戻すと 674 円12 億円、今との差 −46.1%、 期待の年率 +1.3%(資本コスト 8.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 2,757 円49 億円 | 510 円9 億円 | +161.3% | +10.1% | 261 円5 億円 |
| やや楽観 | 16% | 1,817 円32 億円 | 368 円7 億円 | +74.8% | +5.7% | 350 円6 億円 |
| 中立 | 40% | 1,104 円20 億円 | 283 円5 億円 | +11.0% | +1.0% | 555 円10 億円 |
| やや悲観 | 24% | 583 円10 億円 | 170 円3 億円 | −39.8% | −4.9% | 181 円3 億円 |
| 悲観 | 12% | 538 円10 億円 | 85 円2 億円 | −50.2% | −6.7% | 75 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,157 円20 億円 | 264 円5 億円 | +13.7% | +1.3% | 1,421 円25 億円 |
今の株価時価総額 1,250 円22 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.8% を下回るほど割高。
楽観 8% 計画どおり利益率 3% 台に届く 利益 3 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 2,757 円49 億円
新築は縮んでも、改修と老朽インフラの更新で数量は今を上回る。人手不足で工事の外注が増え、特殊工事は施工管理の領域まで広がる。
切削機具は主力製品を更新して値段を物価並みに上げ、利益率 10% を取る。売上は 138 億円に届き、会社の計画の 116 億円を上回る。
営業利益率は 3% 台に乗る。減損で資産を整理した効果で、固定費も重くない。
配当性向は 30% 以上の方針で、配当は今の 2 倍近くに増える。
中国の生産体制が安定し、製品の原価が下がる。会社の計画を上回る数量の伸びが、稼ぐ力を押し上げる。
- 切削機具(穿孔・切断機器と消耗品):数量 47.8(出荷点数(万点。推定))× 価格 1.07(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 51 億円・営業利益 5 億円。切削機具 数量 1.05 倍・価格 1.34 倍、利益率 10.0%
- 特殊工事(アンカー・穿孔・切断):数量 2,134(施工件数(件。推定))× 価格 0.01(1 件あたり売上(億円、名目))→ 売上 23 億円・営業利益 3 億円。特殊工事 数量 1.10 倍・価格 1.34 倍、利益率 12.0%
- 建設・生活関連品(工作機械・資材・工具の販売):数量 25.0(販売点数(万点。推定))× 価格 2.01(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 50 億円・営業利益 3 億円。建設・生活関連品 数量 1.00 倍・価格 1.34 倍、利益率 5.0%
- 工場設備関連(制御盤・配電盤・製缶):数量 1,670(出荷面数(面。推定))× 価格 0.01(1 面あたり売上(億円、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。工場設備関連 数量 1.05 倍・価格 1.34 倍、利益率 7.0%
倍率:事業の純利益 3 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.9% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)11 億円。全体の PER 11.43 倍、時価総額 49 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:計画 4.2% には届かないが、利益率 3% 台に乗る筋書き。12 年で 3% 台が最高で、4 年ほぼゼロの実績から 8% にとどめた。
やや楽観 16% 利益率は 2% 台まで戻る 利益 2 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 1,817 円32 億円
数量は今と同じ水準を保つ。改修の需要が新築の減りを補うが、工事の増加は一部にとどまる。
値上げは人件費に追いつくが、物価をわずかに下回る 1.32 倍。切削機具と特殊工事で利益率を上げ、全体は 2% 台に戻る。
会社の計画 4.2% には届かない。配当は今よりやや増える。
上場株式の配当が営業外の下支えになる。
人手不足で工事の外注は増えるが、賃金の上昇が利益を食う。数量が今を保てるかが、この筋書きの前提だ。
特殊工事は施工管理の領域に少し広がり、工事の利益率が上がる。切削機具は更新製品で底上げされる。
- 切削機具(穿孔・切断機器と消耗品):数量 45.5(出荷点数(万点。推定))× 価格 1.06(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 48 億円・営業利益 4 億円。切削機具 数量 1.00 倍・価格 1.32 倍、利益率 8.5%
- 特殊工事(アンカー・穿孔・切断):数量 1,940(施工件数(件。推定))× 価格 0.01(1 件あたり売上(億円、名目))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。特殊工事 数量 1.00 倍・価格 1.32 倍、利益率 9.0%
- 建設・生活関連品(工作機械・資材・工具の販売):数量 23.8(販売点数(万点。推定))× 価格 1.98(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 47 億円・営業利益 2 億円。建設・生活関連品 数量 0.95 倍・価格 1.32 倍、利益率 4.5%
- 工場設備関連(制御盤・配電盤・製缶):数量 1,590(出荷面数(面。推定))× 価格 0.01(1 面あたり売上(億円、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。工場設備関連 数量 1.00 倍・価格 1.32 倍、利益率 7.5%
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.3% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)11 億円。全体の PER 11.43 倍、時価総額 32 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:計画に向けて進むが、新築の縮みで数量が戻らず、利益率が 2% 台にとどまる筋書き。16% に置いた。
中立 40% 営業利益は 1% 前後にとどまる 利益 1 億円 · PER 11.4 倍 · 株価時価総額 1,104 円20 億円
数量は新築の縮みを改修が補いきれず、1 割弱減る。値段は人手不足の転嫁で上がるが、元請けの値下げ圧力で物価に届かず 1.30 倍。
営業利益率は 1% 前後にとどまる。切削機具と工場設備関連が少し稼ぎ、建設・生活関連品の薄い利益と本社の費用が打ち消す。
会社の計画の 4.2% には届かない。純利益は、上場株式の配当などの営業外収益が支える。
配当は今の水準を保つ。自己資本は 83 億円ほど。
切削機具は更新製品で小さく伸び、建設・生活関連品は営業網の整理で費用を抑える。それでも全体は、物価を超える成長にならない。
特殊工事は施工管理者の不足で受注を取りこぼし、伸びは限られる。減損の追加は小さく、資産の整理が続く。
- 切削機具(穿孔・切断機器と消耗品):数量 43.2(出荷点数(万点。推定))× 価格 1.04(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 45 億円・営業利益 3 億円。切削機具 数量 0.95 倍・価格 1.30 倍、利益率 7.0%
- 特殊工事(アンカー・穿孔・切断):数量 1,843(施工件数(件。推定))× 価格 0.01(1 件あたり売上(億円、名目))→ 売上 19 億円・営業利益 1 億円。特殊工事 数量 0.95 倍・価格 1.30 倍、利益率 6.0%
- 建設・生活関連品(工作機械・資材・工具の販売):数量 22.5(販売点数(万点。推定))× 価格 1.95(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 44 億円・営業利益 2 億円。建設・生活関連品 数量 0.90 倍・価格 1.30 倍、利益率 4.0%
- 工場設備関連(制御盤・配電盤・製缶):数量 1,431(出荷面数(面。推定))× 価格 0.01(1 面あたり売上(億円、名目))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。工場設備関連 数量 0.90 倍・価格 1.30 倍、利益率 7.5%
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 1.0% が k 8.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.4 倍 + 余った現金(戻り方込み)11 億円。全体の PER 11.43 倍、時価総額 20 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:営業利益が 1% 前後で、営業外の収益が純利益を支える今の姿が続く筋書き。数量は微減、値段は物価に届かない標準の姿として 4 割。
やや悲観 24% 値上げが物価に届かず、赤字に戻る 利益 0 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 583 円10 億円
新築の縮みと競合で数量は 2 割弱減る。値段は物価に届かず 1.22 倍で、人件費と材料費の上昇を吸収できない。
営業赤字に戻る。本社の費用を減らしても、売上が落ちる分の固定費が残る。
上場株式の配当が営業外で小さく支えるが、純利益はほぼゼロ。配当は今の 6 割ほどに減る。
株主の取り分は、稼ぐ力ではなく、持っている資産の価値で測る局面に入る。
工場設備関連は受注先の開拓が進まず、採算の悪い案件が残る。減損の追加も小さく出る。
中国の生産に遅れが出る年があり、製品の原価を押し上げる。建設・生活関連品の営業網の整理で費用がかかる。
- 切削機具(穿孔・切断機器と消耗品):数量 38.7(出荷点数(万点。推定))× 価格 0.98(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 38 億円・営業利益 2 億円。切削機具 数量 0.85 倍・価格 1.22 倍、利益率 5.5%
- 特殊工事(アンカー・穿孔・切断):数量 1,649(施工件数(件。推定))× 価格 0.01(1 件あたり売上(億円、名目))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。特殊工事 数量 0.85 倍・価格 1.22 倍、利益率 4.5%
- 建設・生活関連品(工作機械・資材・工具の販売):数量 20.0(販売点数(万点。推定))× 価格 1.83(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 37 億円・営業利益 1 億円。建設・生活関連品 数量 0.80 倍・価格 1.22 倍、利益率 3.2%
- 工場設備関連(制御盤・配電盤・製缶):数量 1,272(出荷面数(面。推定))× 価格 0.01(1 面あたり売上(億円、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 1 億円。工場設備関連 数量 0.80 倍・価格 1.22 倍、利益率 6.0%
倍率:純利益はほぼゼロで稼ぐ力に値が付かない。今の自己資本 79 億円に PBR 0.13 倍。売れる資産の税後(床は 22 億円)には届かないが、稼ぐ力のない会社の値は中立の PBR より低い側に置いた。
確率:値上げが人件費に追いつかず、営業赤字に戻る筋書き。直近 4 年の実績に近く 24% に置いた。
悲観 12% 建設の縮みと中国のリスクで赤字が続く 利益 −3 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 538 円10 億円
構造的に負ける。新築が人口減で縮み、工事は施工管理者の不足で受けきれず、数量は 3 割から 4 割減る。
値段は元請けの値下げ圧力で 1.10 倍にとどまる。中国の生産に遅れや規制の問題が出れば、製品の原価が上がる。
営業赤字が続き、純損失は年に 3 億円ほどになる。自己資本は 72 億円まで減る。
配当は今の 3 割ほどに減る。株主の取り分は、持っている資産の価値で決まる。
工場設備関連と建設・生活関連品は、事業の縮小や撤退を迫られる。整理の費用が利益を押し下げる。
減損が追加で出て、自己資本はさらに目減りする。上場株式の売却で資金を確保するが、還元には回らない。
- 切削機具(穿孔・切断機器と消耗品):数量 31.8(出荷点数(万点。推定))× 価格 0.88(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 28 億円・営業利益 1 億円。切削機具 数量 0.70 倍・価格 1.10 倍、利益率 3.0%
- 特殊工事(アンカー・穿孔・切断):数量 1,358(施工件数(件。推定))× 価格 0.01(1 件あたり売上(億円、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。特殊工事 数量 0.70 倍・価格 1.10 倍、利益率 1.0%
- 建設・生活関連品(工作機械・資材・工具の販売):数量 15.0(販売点数(万点。推定))× 価格 1.65(1 万点あたり売上(億円、名目))→ 売上 25 億円・営業利益 0 億円。建設・生活関連品 数量 0.60 倍・価格 1.10 倍、利益率 1.5%
- 工場設備関連(制御盤・配電盤・製缶):数量 954(出荷面数(面。推定))× 価格 0.01(1 面あたり売上(億円、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。工場設備関連 数量 0.60 倍・価格 1.10 倍、利益率 3.0%
倍率:構造的に負けた姿。純損失で稼ぐ力に値が付かない。今の自己資本 79 億円に PBR 0.12 倍。売れる資産の床より低く、中立の PBR を下回る側に置いた。
確率:構造的に負ける筋書き。新築が縮み、工事の人手不足と中国の生産リスクが重なる。12% に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
切削機具(穿孔・切断機器と消耗品)
コアドリル・ワイヤーソー・ダイヤモンドブレードなど。売上の 37%。
| 数量出荷点数(万点。推定) | 価格1 万点あたり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 45.5 | 0.80 | 36 | 2 |
| 10 年後 中立 | 43.2 | 1.04 | 45 | 3 |
取り方:売上 36.41 億円(有報)。小口の消耗品が中心とみて平均単価を低く推定し 45.5 万点と置いた(推定)。
特殊工事(アンカー・穿孔・切断)
アンカー工事、ダイヤ穿孔・切断工事、ジベル工事。売上の 16%。
| 数量施工件数(件。推定) | 価格1 件あたり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,940 | 0.01 | 16 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,843 | 0.01 | 19 | 1 |
取り方:売上 15.51 億円(有報)。1 件が小さい工事とみて平均を推定し 1,940 件と置いた(推定)。
建設・生活関連品(工作機械・資材・工具の販売)
工作機械、建設資材、工具類を対面営業で売る。売上の 38%。
| 数量販売点数(万点。推定) | 価格1 万点あたり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 25.0 | 1.50 | 37 | 1 |
| 10 年後 中立 | 22.5 | 1.95 | 44 | 2 |
取り方:売上 37.46 億円(有報)。工具・資材が中心とみて平均単価を推定し 25 万点と置いた(推定)。
工場設備関連(制御盤・配電盤・製缶)
自動制御盤、配電盤、製缶の製造。売上の 1 割弱。
| 数量出荷面数(面。推定) | 価格1 面あたり売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,590 | 0.01 | 10 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,431 | 0.01 | 11 | 1 |
取り方:売上 9.52 億円(有報)。平均単価を推定し 1,590 面と置いた(推定)。
リスクと懸念
新築の縮みと建設投資
新築は人口減で細り、改修と更新が支える構図だ。需要の質が変わり、数量は横ばいから微減と置いた。景気後退では顧客の発注が先に止まる。
営業外の収益への依存
営業利益は 4 年ほぼゼロで、純利益は上場株式の配当などの営業外収益に支えられている。収益が細れば、赤字が表に出る。
中国での生産
製品と部品の一部を中国で作る。製造の遅れ、政治・規制の変化、知的財産の登録の遅れが原価と供給に響く。
工事の人手不足と安全
特殊工事は施工管理者の不足と安全対策が利益を左右する。賃金は物価で上がり、事故が出れば受注に響く。
減損の恐れ
前期は土地の減損で資産を 3 億円ほど減らした。有形固定資産 40 億円は稼ぐ力に見合わず、さらに減損が出る恐れがある。
計画との差
中計の営業利益率 4.2% は、過去 12 年の最高を上回る。前期は経常利益の予想を下方修正したあと上方修正した。計画の達成実績は乏しい。
今後の分かれ目
- 営業利益が今期の見込み(1 億円)を超えたら
- 本業の改善が出ているとみて、楽観・やや楽観の確率を引き上げる。
- 特殊工事の施工管理領域の売上が伸びたら
- 人手不足を取り込めているとみて、特殊工事の利益率の置き方を上げる。
- 中国の生産に遅れや規制の問題が出たら
- 原価と供給に響くとみて、やや悲観・悲観の確率を引き上げる。
- 上場株式を売却し、還元に回す方針が出たら
- 余り資産の戻り方を引き上げる材料とみる。
- 大株主が買い増しや提案に動いたら
- 買い手が現れる可能性が出るが、価値の評価は変えず、確率だけ見直す。
見ておくもの
- 営業利益(営業外収益を除く)
- 特殊工事の売上と利益率
- 上場株式の売却と還元
- 計画の営業利益率 4.2% に対する進捗
倍率と資本コストの決め方
倍率は式から置いた。ROE が資本コスト k 8.75% を下回るので、正当化 PER の上限は 1÷k = 11.8 倍。中立は利益が営業外の収益に支えられる質の低さを見て、上限の 7 割の 8.3 倍に置いた。上場株式は余り資産として別に分け、その配当は純利益から外した。今の株価や過去の倍率は使っていない。新リース会計基準の影響は、今と同じ形にそろえて置いた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10→11.43 倍・やや楽観 PER 9.5→11.43 倍・中立 PER 8.3→11.43 倍)。
資本コスト 8.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 1.0% = 8.5%。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表す。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.50% → 8.75%。