結論
レダックスは、中古車の買取と販売を行う「カーチス」を持つ会社だ。2023年に親会社のレダグループの傘下に入り、今は議決権の6割近くを握られている。筆者の結論は割高寄りである。中古車の商売は薄利の乱戦で、この会社はその中で小さく、長く赤字を繰り返してきたからだ。
2026/03期の売上は約200億円で、営業損益は1億円強の赤字だった。純利益は黒字だが、仙台の土地を親会社に売った益が支えたもので、本業の力ではない。ただ、2026年1〜3月期は営業黒字に戻り、会社は今期2.5億円の営業黒字を見込む。立て直しが進んでいるのは確かだ。
手元には借金を引いても15億円ほどの現金がある。時価総額の半分近い額で、帳簿の上では安く見える。しかし使い道を決めるのは親会社だ。土地を親会社に売って借り戻す取引もあり、少数株主に現金が戻る道は細い。
筆者は、立て直しが成功しても営業利益率は1%台にとどまると見る。今の値段は、その回復をほぼ織り込んでいる。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、レダックスは「現金はあるが、事業に堀のない会社」だ。オーナーとして持ち続けたいかと問えば、答えは否である。
中古車の商売に、他社がまねできない強みはほとんどない。仕入れは同じ相場、売る先も同じ客だ。勝つのは店と広告の規模がある大手で、カーチスはその中で小さい。10年後に今より強い姿は、思い描きにくい。
帳簿の上では安く見える。時価総額の半分近い純現金があり、自己資本は時価総額を上回る。しかし、その現金を何に使うかは親会社が決める。親会社と土地を売り買いする会社で、少数株主が現金の額どおりの価値を受け取れるとは限らない。
立て直しには進みがある。直近は営業黒字に戻った。それでも利益率は1%台が精一杯だろう。今の値段には安全域が見当たらない。筆者は、親会社が残りの株を買い取る時の値段を待つ以外に、この株で報われる道は細いと見る。
何で稼ぐ会社か
稼ぎのほぼすべては、中古車の流通から来る。主力の子会社カーチスが、個人から車を買い取り、自社の店で売るか、業者向けに卸す。買い取った車を自分で売る「買取直販」に力を入れ、販売センターを枚方、仙台、千葉などに構える。部品の販売と、海外への輸出も少し行う。
利益の源は、買った値段と売った値段の差だ。1台あたりの差はわずかで、在庫を早く回すほど利益が残る。相場が下がる時に在庫を抱えると、すぐに損が出る。2026/03期は在庫の中身を見直し、回転を速める構造改革を進めた。
もう1つの事業はリースバックで、家を買い取って元の持ち主に貸す。売上1億円ほどで、規模は小さい。
2023年に親会社が公開買付で過半を取り、グループの車の流通と組み合わせる形になった。新興自動車を買い、2026年9月にはハリカの事業を引き継ぐ会社を買う契約も結んだ。買収で店と台数を増やすのが今の方針だ。社員は200人ほどで、本体は20人弱の持株会社である。
買収を重ねる形は、台数を手早く増やせる半面、買った店の立て直しにも手間がかかる。本業の利益がまだ薄い中で、その両方をこなせるかが問われている。
優良さと弱いところ
優良さは低い。値段を決める力も、客を囲い込む仕組みもない。過去10年のROEの中央値はマイナスで、営業赤字の年が何度もあった。最良の営業利益率は1999/03期の6%台で、ここ12年は最高でも1.5%だ。
中古車の買取と販売は、誰でも参入できる商売だ。ガリバーのIDOM、ネクステージ、オートバックスのような大手が、広告と店の数で客を集める。業者のオークションでは誰もが同じ相場で車を売り買いするので、仕入れの値段で差をつけにくい。カーチスの名前は知られているが、規模で大手に大きく劣る。
財務は堅い。自己資本比率は66%で、借金より現金のほうが多い。ただ、それは稼いだ結果ではなく、事業を縮めてきた結果でもある。
経営は親会社が握る。2026年3月に仙台の土地を親会社に売り、借り戻した。値段は簿価を上回ったが、少数株主の利益と親会社の利益がぶつかる取引だ。ガバナンスの面では、筆者はここを最も気にしている。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の中古車市場は、年に約260万台が小売で流通し、金額は約4兆円に近い。新車の販売が人口の減少で細る中、中古車の数量は横ばいから少し減る方向にある。値段は新車の値上がりにつられて、物価並みに上がりやすい。
業界はここ数年で大きく揺れた。2023年にビッグモーターの不正が明るみに出て、業界の信用が傷ついた。その後、上位の会社が店と客を取り込み、再編が進んでいる。ネクステージやIDOMは店を増やし、規模の差は広がった。
利益率はどこも薄い。大手でも営業利益率は3%前後で、1台あたりの取り分はわずかだ。相場が急に下がれば、在庫の評価で損が出る。広告と人件費は物価以上に上がる。
輸出は別の顔を持つ。日本の中古車は、アジアやアフリカ、中東で人気がある。ただ、相手国の規制と為替で振れやすく、安定した利益の柱にはなりにくい。
筆者は、10年で国内の中古車の数量はほぼ横ばいと見る。小さな会社が伸びるには、買収で店と台数を足すしかない。小さな会社が生き残るには、地域で客を固めるか、大手の傘下で仕入れと販売を組み合わせるかの道しかない。
資本政策と M&A
配当は期末に1株あたりわずかで、総額は年0.2億円ほどだ。安定した還元を掲げるが、赤字の年は配当を止めてきた。自社株買いは近年していない。
株主優待は、カーチスで車を買う時の値引き券だ。車を買う人にしか値打ちがなく、会社の費用も小さいので、還元には数えていない。
手元の現金は21億円あまりで、借金を引いても15億円ほど残る。そのうち、買取の仕入れに回す運転資金を除く7億円ほどは、事業に要らない現金と見る。ただし親会社が6割近くを握り、使い道を決める。仙台の土地を親会社に売って借り戻した取引もあり、筆者はこの現金が少数株主に戻る割合を半分と見る。
買収は続く。新興自動車を買い、ハリカの事業も引き継ぐ。親会社が残りの株を買い取って上場をやめる道も、10年の中ではありうる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
立て直しは数字に出始めた。2026年1〜3月期は営業黒字に戻り、会社は今期2.5億円の営業黒字を見込む。在庫の中身を見直し、回転を速めた効果が出ている。買い取った車を自分で売る形に寄せれば、1台あたりの取り分は増える。
親会社の傘下に入ったことも追い風だ。グループの車の流通と組み合わせ、新興自動車やハリカの事業を買って台数を足す。ビッグモーターの不正の後、業界の再編は続き、店と客を取り込む機会は多い。
財務は堅い。借金を引いても15億円の現金があり、自己資本比率は66%だ。今の値段は自己資本を下回り、現金だけで時価総額の半分近くになる。
輸出も伸ばせる。日本の中古車は海外で人気が高く、円安の時代には値段の面でも有利だ。営業利益率が2%台に乗れば、純利益は5億円を超え、今の値段は安く見える。親会社が残りの株を買い取る時は、その値段で少数株主も報われる。
業界の信用が揺らいだ今こそ、名前の知られたカーチスには客を取り戻す好機がある。
慎重な見方
この会社は長く稼げていない。過去10年のROEの中央値はマイナスで、営業赤字の年が何度もあった。2026/03期の純利益の黒字も、仙台の土地を売った益が支えたものだ。
中古車の商売は薄利の乱戦だ。大手のネクステージやIDOMは、店と広告の規模でカーチスを大きく上回る。相場が下がれば在庫で損が出て、広告と人件費は物価以上に上がる。小さな会社が利益率を上げる余地は小さい。
買収で台数を足しても、稼ぐ力が上がるとは限らない。新興自動車の買収で販管費が増え、2026/03期の赤字の一因にもなった。
そして、現金は少数株主のものではない。親会社が6割近くを握り、土地を親会社に売って借り戻す取引までしている。この現金は、親会社のグループのために使われる公算が大きい。帳簿の安さは、価値の安さを意味しない。
しかも、親会社が残りの株を買い取る時の値段は、親会社が主導して決める。少数株主に有利な値段になる保証はない。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方がやや強い。立て直しの進みは本物だが、薄利の乱戦の中で小さな会社が利益率を大きく上げる根拠は弱い。現金は厚いが、親会社の支配で戻り方は半分と見る。確率は中立に最も厚く置き、やや悲観をやや楽観より厚くした。財務が堅いので、悲観は12%にとどめた。立て直しが2年続けて数字に出れば、楽観側に寄せる余地がある。親会社による買い取りの提案が出れば、前提そのものを見直す。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 145 円30 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 16 円3 億円)。 今の値に割り戻すと 75 円16 億円、今との差 −52.8%、 期待の年率 +0.2%(資本コスト 8.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 384 円80 億円 | 34 円7 億円 | +163.1% | +10.2% | 33 円7 億円 |
| やや楽観 | 18% | 236 円49 億円 | 24 円5 億円 | +63.5% | +5.0% | 47 円10 億円 |
| 中立 | 38% | 152 円32 億円 | 19 円4 億円 | +8.0% | +0.8% | 65 円14 億円 |
| やや悲観 | 24% | 48 円10 億円 | 7 円2 億円 | −65.1% | −10.0% | 13 円3 億円 |
| 悲観 | 12% | 19 円4 億円 | 2 円1 億円 | −86.3% | −18.1% | 3 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 145 円30 億円 | 16 円3 億円 | +1.5% | +0.2% | 161 円33 億円 |
今の株価時価総額 159 円33 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 買収で台数を伸ばし、利益率 2.5% 利益 6 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 384 円80 億円
親会社のグループの中で、カーチスは買収を重ねて店と台数を3割増やす。ハリカや新興自動車の店を取り込み、買い取った車を自分の店で売る比率を上げる。1台あたりの取り分が増え、営業利益率は2.5%に乗る。輸出も円安を追い風に伸びる。業界の再編で中堅が淘汰され、残った会社の値付けも少し楽になる。純利益は6億円になり、ROEは資本コストをわずかに上回る。配当は増え、少数株主にも稼ぎが届き始める。親会社が残りの株を買い取る場合も、この稼ぐ力が値段に乗る。カーチスの名前は、業界の信用が揺らいだ後の客の受け皿としても効いてくる。
- 自動車流通:数量 3.0(販売台数(万台・年))× 価格 118(1 万台あたりの売上(億円))→ 売上 355 億円・営業利益 9 億円。3.0 万台(1.3 倍)× 118.3 億(1.38 倍)、利益率 2.5%
倍率:事業の純利益 6 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.5% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 12.85 倍、時価総額 80 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:買収と買取直販で台数を 3 割増やし、営業利益率 2.5% に乗る筋書き。ここ 12 年の最高が 1.5% で実績が無いので 1 割に届かない 8% にした。
やや楽観 18% 立て直しが定着、利益率 1.9% 利益 4 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 236 円49 億円
在庫の中身を見直した効果が定着し、相場の振れで損を出す年が減る。ハリカの事業を引き継ぎ、台数は10年で2割増える。買取直販の比率が上がり、営業利益率は1.9%になる。広告と人件費は物価以上に上がるが、店の効率化で吸収する。純利益は4億円近くになり、配当も少しずつ増える。ROEは7%台で、資本コストにはまだ届かない。現金は親会社のグループの中で買収の資金に回り、少数株主に戻るのは配当の分にとどまる。業界の再編が進む中で、カーチスは大手の陰で地域の客を固める位置に落ち着く。値段は物価並みに上がり、売上は名目で5割ほど増える。
- 自動車流通:数量 2.7(販売台数(万台・年))× 価格 115(1 万台あたりの売上(億円))→ 売上 310 億円・営業利益 6 億円。2.7 万台(1.17 倍)× 114.9 億(1.34 倍)、利益率 1.9%
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.0% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 49 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:在庫の回転の改善と買収の効果が続き、営業利益率が 2% 近くに乗る筋書き。2021/03 期に 1.5% を出した実績があり、その少し上なので 2 割弱にした。
中立 38% 小さな黒字が定着、利益率 1.3% 利益 2 億円 · PER 11.8 倍 · 株価時価総額 152 円32 億円
立て直しは進み、本業は小さな黒字を保つ。国内の中古車の数量は横ばいだが、ハリカの事業などの買収で台数は1割弱増える。値段は物価並みに上がる。広告と人件費の上昇を店の効率化で吸収し、営業利益率は1.3%ほどになる。相場の下げで赤字に転じる年もあるが、10年をならせば黒字だ。配当は利益に合わせて少しずつ増える。ROEは5%前後で、資本コストに届かない。手元の現金は親会社のグループの買収に使われ、少数株主に戻る分は限られる。会社は残るが、資本に見合う稼ぎにはならない。親会社のグループの中で、地味な流通の一部として続いていく。
- 自動車流通:数量 2.5(販売台数(万台・年))× 価格 115(1 万台あたりの売上(億円))→ 売上 287 億円・営業利益 4 億円。2.5 万台(1.09 倍)× 114.9 億(1.34 倍)、利益率 1.3%
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.7% が k 8.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 11.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 11.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 11.76 倍、時価総額 32 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社の今期の計画(営業利益 2.5 億・1.2%)並みの利益が続き、台数は買収で 1 割弱増える筋書き。直近の四半期の黒字化と、長く続いた赤字の両方を見て、いちばん起きやすいとみた。
やや悲観 24% 黒字が根付かず、収支とんとん 利益 0 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 48 円10 億円
立て直しの効果は数年で薄れる。大手が店と広告を増やし、カーチスは客の取り合いで値段を下げる。相場の下げの年には在庫で損を出し、黒字と赤字を行き来する。台数は1割弱減り、営業利益率は0.3%に沈む。買収した事業も期待ほど稼がない。配当は出せる年だけ出す。手元の現金は赤字の穴埋めと買収で目減りし、その使い道は親会社が決める。価値は、細い稼ぎと戻りにくい現金の半分ほどに落ち着く。業界の再編の波の中で、小さな会社の立ち位置はさらに細る。株主に戻る分は、わずかな配当にとどまる。会社は残るが、価値は大きく削られる。
- 自動車流通:数量 2.2(販売台数(万台・年))× 価格 108(1 万台あたりの売上(億円))→ 売上 238 億円・営業利益 1 億円。2.2 万台(0.96 倍)× 108.0 億(1.26 倍)、利益率 0.3%
倍率:稼ぐ力(純利益 0.4 億÷k≒5 億+余った現金の戻り分 約 3 億)より売れる資産の床が高いので床で置く(floor_assets_why)。今の自己資本 47.2 億に 0.212 倍で 10 億。中立の PBR 0.49 倍より低い。
確率:立て直しが続かず、黒字と赤字を行き来する筋書き。過去 10 年で営業赤字が 5 回あり、それが続く形なので 2 割強にした。
悲観 12% 大手に押され赤字が続く 利益 −3 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 19 円4 億円
業界の再編で大手が店と客を取り込み、カーチスは買取でも販売でも競り負ける。台数は2割減り、相場の下げと広告費の上昇で毎年赤字を出す。買収した事業は重荷になり、減損も出る。配当は止まる。手元の現金は赤字の穴埋めで細る。親会社は資産の使い道を握ったまま、少数株主には何も戻らない。最後に残るのは、現金と在庫の残りのうち、少数株主の取り分の一部だけだ。会社は親会社のグループの中で生き残るが、株の値打ちは大きく削られる。業界の信用の揺らぎも、小さな会社にはさらに重くのしかかる。株主が報われる道は、ほぼ閉じる。
- 自動車流通:数量 1.8(販売台数(万台・年))× 価格 103(1 万台あたりの売上(億円))→ 売上 185 億円・営業利益 −3 億円。1.8 万台(0.78 倍)× 103.0 億(1.2 倍)、利益率 −1.5%
倍率:赤字なので PBR で置く。値は売れる資産の残り(floor_assets_why)で、今の自己資本 47.2 億に 0.085 倍。
確率:大手の寡占が進み、カーチスが赤字のまま縮む構造的な負けの筋書き。財務が堅く会社が傾く心配は小さいので 12% にした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
自動車流通
カーチスの中古車の買取・販売・業者向けの卸・輸出と部品の販売。
| 数量販売台数(万台・年) | 価格1 万台あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2.3 | 86 | 197 | −1 |
| 10 年後 中立 | 2.5 | 115 | 287 | 4 |
取り方:販売台数の開示は無い。業者向けの卸を含めた 1 台の売上を 85 万円ほどと見て、売上 197.15 億から 2.3 万台と推定。利益は有報のセグメント損失 1.16 億。リースバック(売上 1.31 億・損失 0.05 億)は調整に入れた。
リスクと懸念
親会社との利益のぶつかり
親会社が議決権の6割近くを握り、仙台の土地を親会社に売って借り戻した。取引の条件や現金の使い道が、少数株主より親会社のグループの都合で決まるおそれがある。
中古車の相場
相場が急に下がれば、在庫で損が出る。1台あたりの取り分が薄いので、相場の小さな振れでも利益は簡単に赤字へ転じる。
大手との規模の差
ネクステージやIDOMは店と広告の規模で大きく上回る。業界の再編が進むほど、小さな会社は客と車の取り合いで不利になる。
買収の失敗
新興自動車やハリカの事業を買って台数を足す方針だ。買った事業が稼がなければ、販管費と減損が重荷になる。2026/03期の赤字には買収の費用も効いた。
親会社による完全子会社化
親会社が残りの株を買い取って上場をやめる道もある。その時の値段は親会社が主導して決まり、少数株主に有利とは限らない。
今後の分かれ目
- 2027/03期に計画どおり営業利益2.5億円を出す
- 立て直しが数字で確かめられる。中立が固まり、やや楽観の確率を少し上げる。
- 再び営業赤字に戻る
- 黒字が根付かない形。やや悲観の確率を上げる。
- 親会社が残りの株の買い取りを提案する
- 提案の値段が価値の上限と下限を決める。前提を見直す。
- 余った現金で自社株買いや増配をする
- 現金が少数株主に戻る道が開く。戻り方を見直す。
- 親会社との資産の売買がまた起きる
- ガバナンスの懸念が強まる。戻り方と悲観の確率を見直す。
見ておくもの
- 四半期の営業損益
- 在庫の回転と評価損
- 買収した事業の損益
- 親会社との取引
- 純現金の残高と配当
倍率と資本コストの決め方
今の株価は使っていない。10 年後の ROE は中立で約 5% と k 8.5% を下回り、PER の上限は 1÷k=11.4 倍。薄利の乱戦なので中立は上限の 7.5 割の 8.6 倍とした。余った現金 7 億は利息を除き、親子上場の戻り方 0.5 で足した。今の PBR 0.7 倍は割安の根拠にしていない。悲観は売れる資産の残りで置いた。2028/03 期の新リース会計で、親会社から借りる仙台の土地などが負債に載るが、10 年の数字は今の形でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10→12.85 倍・やや楽観 PER 9.1→11.76 倍・中立 PER 8.6→11.76 倍)。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。