結論
No.1 は、複合機やビジネスフォン、情報セキュリティ機器を中小企業・官公庁に売る会社だ。2026 年 2 月期の売上は 175 億円で、前の期より 23% 伸びた。営業利益は 13 億円、利益率は 7.6%。営業利益は 28% 増えた。伸びの多くは、買収した会社の上乗せである。
筆者の結論は、今の値段は「割高寄り」である。売り方は強い。中小企業へ営業の人海戦術で機器を売り、保守の契約を積み上げる。ただ、複合機は市場が縮み、参入障壁も低い。しかも買収を重ねて借金が増え、自己資本比率は 51% から 31% に下がった。
会社は 2027 年 2 月期に売上 212 億円、営業利益 16 億円を見込む。10 年後の中立で営業利益は 20 億円前後。配当性向は 50% へ引き上げられ、株主への姿勢は前向きだ。
資本コストは 8.25% と置いた。買収の失敗と顧客の偏りを織り込んだ。計算の総合は割高側に出た。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、No.1 は「営業力で稼ぐ、堀の浅い販売会社」だ。中小企業に深く入り込み、利益率も高い。ROE も高く、経営は株主に向いている。魅力はある。
筆者がいちばん気にするのは、買収に頼った成長の質だ。売上の伸びの多くは、買った会社の上乗せで、既存の事業が強くなったとは限らない。借入は急に増え、自己資本比率は 31% に下がった。買収が当たれば報われるが、外れれば、のれんの減損と借金が残る。
主力の複合機は縮む市場で、リース会社の方針にも左右される。ストック収入を積み上げる策は筋が良いが、まだ 2 割に届かない。
筆者は、経営が資本を株主に戻す姿勢を強めた点を高く見る。それでも、安全域は薄い。中立の価値は今の値段をやや下回る。値段が大きく下がるか、買収の統合が結果で示されるまで、持ち続ける理由は弱い。
何で稼ぐ会社か
事業は大きく三つに分かれる。一つ目は機器の販売だ。複合機・ビジネスフォン・法人向け携帯のほか、子会社アレクソンが作る情報セキュリティ機器(UTM など)を売る。売上の 7 割強を占め、最大の取引先はクレディセゾンで、リース販売の経路として売上の 2 割強を占める。
二つ目が保守と継続契約だ。「No.1 ビジネスサポート」は保有契約が 5,188 件、平均単価は月 1.4 万円台。システムの保守・運用と合わせ、売上の 16% ほどを占める。ストック収入の比率を 30% に上げるのが会社の目標だ。
三つ目がシステム開発・SES(技術者の派遣)やホームページ制作。2024 年からの買収で入った事業で、人月で稼ぐ性格が強い。
連結の従業員は 957 人で、1 年で 277 人増えた。営業力で売る会社で、人が資産だ。営業所は全国に広がり、新しく買った会社の拠点も増えた。重要な設備投資は無く、投資の中心は買収だ。2026 年 2 月期は 4 社を買収し、約 20 億円を投じた。借入は大きく増え、のれんの償却は年 3 億円を超える。
優良さと弱いところ
堀は、営業の数と、中小企業への販売網、そして自社で企画するセキュリティ機器にある。機器を売って終わりにせず、保守の契約で顧客をつなぎ止める。契約数は 5 千件超で、単価も上がっている。2025 年の営業利益は 13 億円で、直近 3 年の利益率は 7〜9% と、販売会社では高い。
ただし堀は広くない。複合機は市場が縮み、競合も多い。会社自身が、参入障壁が低い分野と認めている。リース会社の方針変更や、メーカーの直販化にも弱い。クレディセゾンへの依存は 2 割強。
資本効率は高い。ROE は直近 16%、過去 10 年の中央値は 16% だ。ただ、買収で自己資本比率が 31% に下がった。コベナンツ(借入の財務上の約束)は、純資産を直前期の 80% 以上に保つ、などを求める。
経営は攻めている。中期経営計画で買収を軸に置き、人と IT に先行投資する。2026 年 1 月に配当性向の目安を 50% に上げた姿勢は評価できる。ただ、買収の見極めが成否を分ける。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
OA 機器の市場は、構造的に縮んでいる。複合機・プリンタの国内市場は約 2.4 兆円で、今後 5 年で 5% ほど縮む見通しだ。ペーパーレスとリモートワークが効く。メーカー系の販売会社であるキヤノンマーケティングジャパンなどが、市場を押さえる。
一方、中小企業の情報セキュリティの需要は伸びている。ランサムウェアの被害が増え、UTM などの導入が進む。官公庁・学校向けの入札案件でも、ネットワークの更新需要が続く。ただ、競合も多く、価格競争は避けられない。自治体の入札では、実績と価格の両方が問われる。
IT 人材は不足している。SES の需要は強いが、AI エージェントがコードを書く時代に、人月で売る仕事は置き換わる。この領域は、数量が減ると見るのが筋だ。
部材も逼迫する。AI 向けの需要で半導体・メモリの価格が上がり、機器の調達コストが上がる。値上がり分を価格に載せられるかが分かれ目になる。
分かれ目は 3 つ。保守のストック収入を積めるか。セキュリティ機器が伸びて複合機の縮みを補えるか。買収した会社を統合して、利益を出せるか。
資本政策と M&A
還元は手厚くなった。2026 年 1 月に、配当性向の目安を 30% から 50% に上げ、株主資本配当率(DOE)6% を下限にした。原則として減配しない累進配当だ。2026 年 2 月期の配当総額は約 5 億円で、前の期から大きく増えた。
自社株買いも使う。2025 年 7 月に約 6 億円を取得した。株主優待は 2025 年 8 月末で廃止し、その分を配当に振り向けた形だ。
買収は成長の軸だ。2024 年からアイ・ティ・エンジニアリング、OZ MODE、S.I.T、コード、アイ・ステーション、進々堂商光、LGIC を傘下に入れた。営業キャッシュを超える投資は借入で賄う方針で、1 件 10〜40 億円の借入も想定する。買収は価値を壊しやすく、のれんの減損が最大のリスクだ。
大株主の構成は、開示から確かめきれていない。TOB の話は無く、価値の数字には入れていない。純現金ではないので、余った現金は分けなかった。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
営業の仕組みは強い。中小企業に深く入り、複合機・電話・セキュリティ・保守を束ねて売る。契約の単価は上がり、ストック収入の比率は高まる。買収した会社も、販売網に乗せて伸ばせる。
会社は中期経営計画で、2027 年 2 月期に営業利益 18 億円、2030 年には 34 億円を掲げる。2026 年 2 月期は売上が計画を超え、買収の統合が進めば、利益は計画に追いつく。UTM などの自社商品は、サイバー攻撃の増加で需要が増え続ける。
財務の姿勢も変わった。配当性向を 50% に上げ、DOE 6% を下限にして、累進配当を約束した。自社株買いも実行している。ROE は 16% で、資本コストを大きく上回る。優待を廃止して配当に回したのは、実利のある還元だ。成長の速度も、買収を使えば同業を上回れる。
買収のたびに、後継者のいない地域企業を割安に取り込める。後継者難の中小企業は多く、買収の機会は尽きない。クレディセゾンのような大口の販売経路があることも、立ち上がりを速くする。
慎重な見方
伸びの中身は買収である。2026 年 2 月期の売上 23% 増の大部分は、新しく連結した会社の上乗せで、既存の事業が伸びたとは言えない。営業利益は中期計画の 18 億円に届かない見通しで、会社自身が統合の費用を認めている。
借入は急に増えた。自己資本比率は 51% から 31% に下がり、コベナンツは純資産と返済余力に条件を付ける。のれんの償却は年 3 億円を超え、買収が外れれば減損が出る。
主力の複合機は縮む市場だ。参入障壁も低く、価格で負ける。リース会社の方針が変われば、販売の経路が細る。最大の取引先への依存は 2 割強。AI の需要で部材が逼迫し、仕入れは上がる。
人月で売る SES とシステム開発は、AI エージェントに置き換わる。2024 年から買った会社の一部が、まさにこの領域だ。配当性向の引き上げは、成長投資と借入返済の資金を細らせる。買収を続けるほど、統合を担う人材と管理の目が足りなくなる。
どちらに重みを置いたか
営業力と配当の姿勢という強気の見方は、起こりうる。だが買収頼みの成長と借入の増加、縮む主力市場という慎重な見方のほうが重い。確率は中立を中心に、楽観・やや楽観を 32%、やや悲観・悲観を 32% に置いた。中立でも営業利益は 20 億円前後、ROE は 12% 台にとどまる。ROE が高くても、先で薄れると見て倍率を抑えた。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 2,258 円150 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 679 円45 億円)。 今の値に割り戻すと 1,479 円99 億円、今との差 −14.5%、 期待の年率 +5.4%(資本コスト 8.3%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 4,506 円300 億円 | 1,050 円70 億円 | +221.2% | +12.4% | 389 円26 億円 |
| やや楽観 | 25% | 3,227 円215 億円 | 825 円55 億円 | +134.2% | +8.9% | 1,013 円68 億円 |
| 中立 | 36% | 2,490 円166 億円 | 705 円47 億円 | +84.7% | +6.3% | 1,150 円77 億円 |
| やや悲観 | 22% | 1,019 円68 億円 | 525 円35 億円 | −10.8% | −1.1% | 340 円23 億円 |
| 悲観 | 10% | 147 円10 億円 | 300 円20 億円 | −74.2% | −12.7% | 45 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,258 円150 億円 | 679 円45 億円 | +69.8% | +5.4% | 2,937 円196 億円 |
今の株価時価総額 1,730 円115 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.3% を下回るほど割高。
楽観 7% セキュリティ機器と保守が伸び、買収も当たる 利益 20 億円 · PER 15.4 倍 · 株価時価総額 4,506 円300 億円
自社のセキュリティ機器が中小企業に広がり、保守の契約が積み上がる。機器の取引先は 1.5 倍、保守の契約は 1.8 倍になる。買った会社も販売網に乗り、利益率は 8% 台まで上がる。人月の仕事は AI 代替で縮み、数量は 1 割減。配当性向 50% は守られ、自社株買いも続く。
(名目の前提)単価は名目、数量は実質で置いた。人件費は物価(1.34 倍)より速く年 3.5% で上がるとし、本社費も物価で増やした。有形固定資産の償却は小さく、今ある設備は取得時の値段のまま、新規の分だけ新しい値段で積んだ。大きいのはのれんの償却(今は年 3 億円強)で、取得額で固定され、物価では増えず、10 年のうちに多くが終わる。今後の買収は、投じた額に資本コストなみの稼ぎを見込み、価値は足していない。借入は 3.5% で借り換え、純利益に入れた。人月型の事業は AI エージェント代替を織り込み、数量を下げた。優待は 2025 年 8 月末に廃止され、還元は配当と自社株買いだけである。
- 機器販売(OA・セキュリティ機器・端末):数量 18.0(取引先の数(千社、推定))× 価格 146(1 社あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 263 億円・営業利益 22 億円。数量 1.50 倍(実質)・単価 1.34 倍(名目)・営業利益率 8.5%
- 保守・サポート(ストック収入):数量 15.3(継続契約の数(千件、推定))× 価格 46(1 件あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 70 億円・営業利益 10 億円。契約数 1.80 倍(実質)・単価 1.40 倍(名目)・営業利益率 14%
- システム開発・SES・制作:数量 1.9(年間の稼働人月(千人月、推定))× 価格 96(人月単価(万円))→ 売上 18 億円・営業利益 2 億円。人月 0.90 倍(実質、AI エージェント代替)・単価 1.20 倍(名目、AI で値下げ圧力のため物価を下回る)・営業利益率 9%
倍率:事業の純利益 20 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.2% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 11.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.4 倍。全体の PER 15.4 倍、時価総額 300 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:機器・保守・買収がすべて当たる必要があり、縮む市場の中では確度が低い。
やや楽観 25% 保守のストックが育ち、利益率は 7% 台に 利益 14 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 3,227 円215 億円
機器の取引先は 1.3 倍に増え、保守の契約は 1.5 倍に積み上がる。複合機の縮みを、セキュリティと保守が補う。買収した会社の統合も進み、利益率は 7% 台。人月の仕事は AI 代替で 2 割減る。配当性向は 50% が保たれる。
(名目の前提)単価は名目、数量は実質で置いた。人件費は物価(1.34 倍)より速く年 3.5% で上がるとし、本社費も物価で増やした。有形固定資産の償却は小さく、今ある設備は取得時の値段のまま、新規の分だけ新しい値段で積んだ。大きいのはのれんの償却(今は年 3 億円強)で、取得額で固定され、物価では増えず、10 年のうちに多くが終わる。今後の買収は、投じた額に資本コストなみの稼ぎを見込み、価値は足していない。借入は 3.5% で借り換え、純利益に入れた。人月型の事業は AI エージェント代替を織り込み、数量を下げた。優待は 2025 年 8 月末に廃止され、還元は配当と自社株買いだけである。
- 機器販売(OA・セキュリティ機器・端末):数量 15.6(取引先の数(千社、推定))× 価格 144(1 社あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 224 億円・営業利益 17 億円。数量 1.30 倍(実質)・単価 1.32 倍(名目)・営業利益率 7.5%
- 保守・サポート(ストック収入):数量 12.8(継続契約の数(千件、推定))× 価格 45(1 件あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 57 億円・営業利益 7 億円。契約数 1.50 倍(実質)・単価 1.38 倍(名目)・営業利益率 13%
- システム開発・SES・制作:数量 1.7(年間の稼働人月(千人月、推定))× 価格 92(人月単価(万円))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。人月 0.80 倍(実質、AI エージェント代替)・単価 1.15 倍(名目、AI で値下げ圧力のため物価を下回る)・営業利益率 8%
倍率:事業の純利益 14 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.7% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.8 倍。全体の PER 14.75 倍、時価総額 211 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:ストック収入の積み上げと買収の統合が進む現実的な上振れ。
中立 36% 中立:買収分の取り込みと縮みが釣り合い、利益率は 7% 台 利益 11 億円 · PER 14.4 倍 · 株価時価総額 2,490 円166 億円
買った会社の通年の寄与で機器の取引先は 1.15 倍になるが、複合機の縮みで伸びは止まる。保守の契約は 1.25 倍。機器の単価は部材高と競争で物価を下回る 1.30 倍。人月の仕事は AI 代替で 25% 減る。営業利益は 20 億円前後。配当性向 50% が続き、ROE は 12% 台。
(名目の前提)単価は名目、数量は実質で置いた。人件費は物価(1.34 倍)より速く年 3.5% で上がるとし、本社費も物価で増やした。有形固定資産の償却は小さく、今ある設備は取得時の値段のまま、新規の分だけ新しい値段で積んだ。大きいのはのれんの償却(今は年 3 億円強)で、取得額で固定され、物価では増えず、10 年のうちに多くが終わる。今後の買収は、投じた額に資本コストなみの稼ぎを見込み、価値は足していない。借入は 3.5% で借り換え、純利益に入れた。人月型の事業は AI エージェント代替を織り込み、数量を下げた。優待は 2025 年 8 月末に廃止され、還元は配当と自社株買いだけである。
- 機器販売(OA・セキュリティ機器・端末):数量 13.8(取引先の数(千社、推定))× 価格 142(1 社あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 195 億円・営業利益 13 億円。数量 1.15 倍(実質)・単価 1.30 倍(名目)・営業利益率 6.8%
- 保守・サポート(ストック収入):数量 10.6(継続契約の数(千件、推定))× 価格 44(1 件あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 46 億円・営業利益 6 億円。契約数 1.25 倍(実質)・単価 1.34 倍(名目)・営業利益率 12%
- システム開発・SES・制作:数量 1.6(年間の稼働人月(千人月、推定))× 価格 92(人月単価(万円))→ 売上 15 億円・営業利益 1 億円。人月 0.75 倍(実質、AI エージェント代替)・単価 1.15 倍(名目、AI で値下げ圧力のため物価を下回る)・営業利益率 7%
倍率:事業の純利益 11 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 14.3% が k 8.25% を上回る。残る割合 0.33(moat=weak)で RONIC 10.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.4 倍。全体の PER 14.36 倍、時価総額 156 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:複合機の縮みと保守の積み上げが拮抗し、買収は価値を足さないという中心の筋書き。
やや悲観 22% 複合機の縮みと価格競争で利益率が 5% 台に 利益 6 億円 · PER 8.5 倍 · 株価時価総額 1,019 円68 億円
複合機の縮みが想定より速く、機器の取引先は 5% 減る。価格競争で単価は 1.25 倍にとどまる。保守の契約は横ばい。のれんの減損が出る。人月の仕事は AI 代替で 4 割減る。利益率は 5% 台に落ち、配当は据え置きでも性向 50% は守れない。
(名目の前提)単価は名目、数量は実質で置いた。人件費は物価(1.34 倍)より速く年 3.5% で上がるとし、本社費も物価で増やした。有形固定資産の償却は小さく、今ある設備は取得時の値段のまま、新規の分だけ新しい値段で積んだ。大きいのはのれんの償却(今は年 3 億円強)で、取得額で固定され、物価では増えず、10 年のうちに多くが終わる。今後の買収は、投じた額に資本コストなみの稼ぎを見込み、価値は足していない。借入は 3.5% で借り換え、純利益に入れた。人月型の事業は AI エージェント代替を織り込み、数量を下げた。優待は 2025 年 8 月末に廃止され、還元は配当と自社株買いだけである。
- 機器販売(OA・セキュリティ機器・端末):数量 11.4(取引先の数(千社、推定))× 価格 136(1 社あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 155 億円・営業利益 9 億円。数量 0.95 倍(実質)・単価 1.25 倍(名目)・営業利益率 5.5%
- 保守・サポート(ストック収入):数量 8.5(継続契約の数(千件、推定))× 価格 42(1 件あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 36 億円・営業利益 4 億円。契約数 1.00 倍(実質)・単価 1.30 倍(名目)・営業利益率 10%
- システム開発・SES・制作:数量 1.3(年間の稼働人月(千人月、推定))× 価格 84(人月単価(万円))→ 売上 11 億円・営業利益 1 億円。人月 0.60 倍(実質、AI エージェント代替)・単価 1.05 倍(名目、AI で値下げ圧力のため物価を下回る)・営業利益率 5%
倍率:ROE 8%。k 8.25% 以下で、ためた利益の価値は 1 を下回るため、PER の上限は 1÷k = 11.4 倍。縮む市場と減損を見て、上限の 7.4 割に置いた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 8.5 倍・時価総額 54 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:複合機の縮み、価格競争、AI 代替が重なる想定。すでに起きている流れの延長。
悲観 10% 主力市場の縮みと買収の失敗で優良ではなくなる 利益 2 億円 · PER 6.5 倍 · 株価時価総額 147 円10 億円
複合機の縮みが続き、リース会社の方針変更で販売の経路が細る。機器の取引先は 25% 減り、単価は 1.15 倍。保守の契約も 2 割減る。AI 代替で人月の仕事は半分以下になる。買収したのれんに減損が出て、自己資本が減る。コベナンツに抵触し、配当は削られる。営業利益は 5 億円ほどで、利払いを引くと利益は薄い。
(名目の前提)単価は名目、数量は実質で置いた。人件費は物価(1.34 倍)より速く年 3.5% で上がるとし、本社費も物価で増やした。有形固定資産の償却は小さく、今ある設備は取得時の値段のまま、新規の分だけ新しい値段で積んだ。大きいのはのれんの償却(今は年 3 億円強)で、取得額で固定され、物価では増えず、10 年のうちに多くが終わる。今後の買収は、投じた額に資本コストなみの稼ぎを見込み、価値は足していない。借入は 3.5% で借り換え、純利益に入れた。人月型の事業は AI エージェント代替を織り込み、数量を下げた。優待は廃止済み。
- 機器販売(OA・セキュリティ機器・端末):数量 9.0(取引先の数(千社、推定))× 価格 125(1 社あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 113 億円・営業利益 3 億円。数量 0.75 倍(実質)・単価 1.15 倍(名目)・営業利益率 3.0%
- 保守・サポート(ストック収入):数量 6.8(継続契約の数(千件、推定))× 価格 39(1 件あたりの年間売上(万円、推定))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。契約数 0.80 倍(実質)・単価 1.20 倍(名目)・営業利益率 6%
- システム開発・SES・制作:数量 0.8(年間の稼働人月(千人月、推定))× 価格 80(人月単価(万円))→ 売上 7 億円・営業利益 0 億円。人月 0.40 倍(実質、AI エージェント代替)・単価 1.00 倍(名目、AI で値下げ圧力のため物価を下回る)・営業利益率 0%
倍率:ROE 2.7%。k 8.25% 以下で、ためた利益の価値は 1 を下回る。縮む市場でのれんの減損を抱え、上限 1÷k = 11.4 倍の 5.7 割に置いた。買収は借入で賄われ、売れる資産と現金は有利子負債を下回るため、床は稼ぐ力で置いた。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 6.5 倍・時価総額 10 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:複合機の縮み、リース会社の方針変更、買収の失敗、AI 代替が重なる構造的な負け。借入が増えており、起きたら戻りにくい。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
機器販売(OA・セキュリティ機器・端末)
複合機・ビジネスフォン・法人携帯と、自社企画の情報セキュリティ機器(UTM など)の販売。
| 数量取引先の数(千社、推定) | 価格1 社あたりの年間売上(万円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 12.0 | 109 | 131 | 9 |
| 10 年後 中立 | 13.8 | 142 | 195 | 13 |
取り方:機器販売と情報通信端末の売上の合計 130.7 億円を、取引先 1.2 万社(開示なし、推定)で割った。営業利益の配分は開示がなく、全社 13.3 億円を機器 6.5%・保守 12%・開発 9% として推定した。
保守・サポート(ストック収入)
ビジネスサポート(5,188 件、月額 1.4 万円台)とシステムサポートの継続契約。
| 数量継続契約の数(千件、推定) | 価格1 件あたりの年間売上(万円、推定) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 8.5 | 33 | 28 | 3 |
| 10 年後 中立 | 10.6 | 44 | 46 | 6 |
取り方:ビジネスサポートとシステムサポートの売上の合計 27.7 億円を、契約 8,500 件(ビジネスサポートは開示で 5,188 件。残りは推定)で割った。
システム開発・SES・制作
システム開発、SES(技術者の派遣)、ホームページ制作。人月で売る性格が強い。
| 数量年間の稼働人月(千人月、推定) | 価格人月単価(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 2.1 | 80 | 17 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1.6 | 92 | 15 | 1 |
取り方:システム開発・ホームページ制作・その他の売上の合計 16.9 億円を、人月単価 80 万円(推定)で割った稼働人月。人月で売る型として、AI エージェント代替の決まりを当てる。価格は、エージェントが工数そのものを減らし値下げ圧力となるため、中立で物価を下回る 1.15 倍に置く。
リスクと懸念
買収の失敗とのれんの減損
2024 年から 7 社を買収し、のれんの償却は年 3 億円を超える。買収した会社が計画に届かなければ、減損が出て自己資本が減る。統合の費用で、営業利益は中期計画に届いていない。
借入の急増とコベナンツ
買収の資金を借入で賄い、自己資本比率は 51% から 31% に下がった。借入には、純資産を直前期の 80% 以上に保つなどの約束が付く。抵触すれば、配当と自社株買いが止まりうる。
複合機市場の縮小
国内の複合機・プリンタ市場は、今後 5 年で 5% ほど縮む見通しだ。ペーパーレスとリモートワークが効く。売上の大半を占める機器販売の数量を押し下げる。
リース会社への依存
最大の取引先はクレディセゾンで、売上の 2 割強を占める。リース会社の方針が変われば、販売の経路が細る。リース販売への依存は会社自身が主なリスクに挙げる。
AI エージェント代替
システム開発と SES は、人月で売る仕事だ。AI エージェントがコードを書き、運用を代わる流れで、数量は縮む。中立で 25% 減を置いた。買収で入った事業の一部が、まさにこの領域である。
部材の逼迫と価格競争
AI 向けの需要で半導体・メモリが逼迫し、機器の調達費が上がる。参入障壁が低く、価格競争もあるため、値上がり分を価格に載せきれない恐れがある。
人の確保と内部統制
従業員は 1 年で 277 人増えた。買収した会社が増え、グループの内部統制と人材育成が追いつかないと、品質と営業力が落ちる。
今後の分かれ目
- 保守のストック収入の比率が 30% に届いたら
- 収益の安定性を評価し、楽観・やや楽観に確率を寄せる。
- 営業利益が 18 億円を超え、買収した会社の利益が定着したら
- 買収の価値を評価し、中立の利益率を引き上げる。
- のれんの減損が出たら
- 買収の規律の前提を下げ、やや悲観に寄せる。
- リース会社の取引条件が悪化したら
- 販売の経路の前提を下げ、悲観側に確率を寄せる。
- コベナンツに抵触、または借入の追加が続いたら
- 配当の持続性の前提を見直し、悲観側に寄せる。
- 公開買付けが発表されたら
- 少数株主の取り分を、提示された条件と企業価値で見直す。
見ておくもの
- ストック収入(ビジネスサポートの契約数と単価)
- セキュリティ機器の販売台数
- 買収した会社の利益とのれんの減損
- 借入の残高と自己資本比率、コベナンツ
- クレディセゾンなどリース会社への依存度
- 配当性向と自社株買い
倍率と資本コストの決め方
今の時価総額 111 億円や PER 約 16 倍には寄せていない。部門ごとの数量・単価・利益率から利益を積み、倍率は式で置いた。中立は ROE 12% が k 8.25% を超えるので、残る割合 1/3 で薄めた正当化 PER の上限 12.7 倍の 8.3 割。やや悲観は ROE が k 以下なので上限 1÷k = 11.4 倍の 7.4 割。純有利子負債は正で余った現金は無いので、現金の足し算はしない。将来の買収は価値を足していない。新リース会計基準は、賃借が少ないため影響は小さい。のれんの償却は物価で増やしていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 14.5→15.4 倍・やや楽観 PER 12.5→14.75 倍・中立 PER 10.5→14.36 倍)。
資本コスト 8.3% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality +1.25%(循環 +0.25・値決め力 +0.25・借金 +0.25・寿命 +0.5)= 8.75%。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.75% → 8.25%。