結論
シー・ヴイ・エス・ベイエリアは、マンションの受付業務の受託、千葉・東京のビジネスホテルの運営、コンビニの店舗を持つ複合の会社だ。2025 年に成田でアウトドアリゾートを開き、投資が膨らんだ。筆者の結論は「割高」である。純負債は 38 億円と時価総額を上回り、稼ぐ利益は利息と償却に消える。
2026 年 2 月期は、4 四半期だけで 11 億円の最終損失を出した。2026 年 10 月にも今期の予想を引き下げた。会社は営業利益 10 億円を目標に掲げるが、過去の予想の達成実績は乏しい。
10 年後の中立でも、時価総額は今の 3 割に満たない。楽観の筋書きでも、今の値段にようやく届く程度だ。ホテルの利益が戻れば見方は変わるが、そのためには新リゾートの黒字化と借入の圧縮が要る。
筆者がいちばん気にしているのは、新リゾートの稼働ではなく、借入の重さだ。本業の利益が薄いまま、固定費の重い施設を増やしたことで、利益の余裕が消えた。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、まず事業の続く力を問う。マンション受付は、有人からデジタルへ移る転換期にあり、10 年後の姿が読みにくい。ホテルは立地が強みだが、競争が激しい。見通しを自信を持って立てられる事業ではない。
次に、株主が自由に使える利益だ。営業利益に対して利息と償却が重く、新リゾートや設備の更新に現金が出ていく。稼いだ利益の多くが再投資に回り、株主に残らない構造だ。
資本の使い方は、厳しく見る。本業の利益が薄い局面で、大型のリゾートを作り、減損を出した。借入が重いのに、配当は赤字でも維持している。
最後に安全域だ。純負債が時価総額を上回る会社に、安全域はない。10 年後の中立でも、価値は今を大きく下回る。ホテルの不動産に含み益があっても、借入を返した後に残る額は小さい。
筆者は、小さく単純な会社を好む。複合の会社は、事業ごとの強みを見分けにくく、経営の資本配分も読みにくい。今のところ、その点でも評価できない。
何で稼ぐ会社か
売上の 5 割強はマンションフロントサービスだ。分譲マンションの受付、共用施設の予約、清掃の手配、居住者向けの生活支援を、管理組合や管理会社から受託する。受託は首都圏を中心に 700 施設ほどで、安定した収益源だ。近年は、受付に人を置かない「OICOS」という DX の商材も売り込んでいる。
次に、ホテルが売上の 2 割強を占める。千葉と東京に、ビジネスホテルとユニット型のホテルを 6 施設持つ。2025 年 3 月には成田市に、コテージとグランピングテントを備えたアウトドアリゾート「THE FARM スロウマウンテン成田」を開いた。客室は 40 室で、家族連れとインバウンドを狙う。
残りは、コンビニの運営(約 2 割)とクリーニング、不動産の保有・管理だ。コンビニは 2017 年にローソンへ一部の店を分割譲渡し、店舗の数を絞ってきた。
3 つの事業の性格は違う。受付は人の窓口、ホテルは設備と需要、コンビニは立地だ。一つの経営で束ねる強みは見えにくく、本社費が重い。
本社は千葉市美浜区にあり、東証スタンダードに上場している。創業は 1981 年で、コンビニから始まり、クリーニング、マンション受付、ホテルへと事業を広げてきた。
優良さと弱いところ
堀と言えるのは、マンションの受付の受託実績くらいだ。首都圏で 700 施設、居住者との顔の見える関係は、管理会社との契約の継続を支える。ただし、有人の受付は管理組合のコスト削減の標的になりやすく、DX 商材の OICOS へ置き換える流れに自ら動いている。利益の質は高くない。
ホテルは、東京のビジネス需要とインバウンドで稼ぐが、競合ホテルは多く、値段を決める力は強くない。2025 年 2 月期のホテル部門の営業利益率は 23% と高かったが、新リゾートの開業で全体の利益が薄まった。
財務は弱い。純負債は自己資本の 1.2 倍、営業利益の約 2 倍の利払いが重い。EBITDA に対する純負債は 8 倍を超える。2026 年 2 月期の最終損失で、自己資本比率は 30% に下がった。
経営は会長と社長の 2 人体制だ。新リゾートへの大型投資を、本業の収益力が弱い局面で決めた点を、筆者は厳しく見る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
都内のホテルは、インバウンドの増加で需要が強い。ただし、新しい競合の開業が続き、客室単価の上昇は頭打ちの兆しもある。人件費と清掃などの外注費が上がり、宿泊料に転嫁できなければ、利益率は下がる。会社は 2026 年 10 月に、ホテルの人件費・消耗品費・広告費が計画を上回ったと説明して、予想を引き下げた。
マンションの管理は、居住者の高齢化と管理組合のコスト意識の高まりで、有人の受付を減らす動きが続く。管理会社は、受付の無人化とアプリで対応する方向だ。会社の DX 商材は、この流れに乗る選択だが、他社も同じ商材を出せるため、利益の源泉にはなりにくい。AI による受付や問い合わせの自動化も、有人の窓口の需要を細らせる。
コンビニは、店舗の人手不足と深夜営業の見直しで、直営店の採算が難しい。
業界全体の数量は、受付が実質で縮み、ホテルはほぼ横ばい、コンビニは減ると見る。物価は価格に転嫁されるが、有人のサービスは単価の伸びが物価に届かない。
追い風は、首都圏のマンションの戸数が増え続け、受付や清掃の外注需要が底堅いことだ。ただし、その需要を取る競争相手も、大手の管理会社と専業が混在する。
資本政策と M&A
還元は、赤字の年でも配当を維持している。2026 年 2 月期は純損失 11 億円だったが、年 1 億円ほどの配当を出した。2025 年 2 月期はそれより少し多かった。
株主優待もある。100 株の株主に、2 月末と 8 月末の年 2 回、自社ホテルで使える宿泊割引券を渡す。費用は年 1 億円に届かない見込みで、続く限り、還元に小さく上乗せされる。
資本政策の課題は、借入の重さだ。純負債は 38 億円と、時価総額を超える。2025 年 2 月期に、固定資産を売って借入を返したこともあるが、新リゾートの投資で再び増えた。
新株の発行は直近では見当たらないが、借り換えが難しくなれば、増資や資産の売却に動く可能性がある。TOB は、時価総額が小さく、純負債が重いため、可能性は低いと見る。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
受付の受託は 700 施設あり、管理会社との長い関係に支えられた安定収益だ。DX 商材の OICOS は、受注が 25 年 2 月期に 164 件と、前期より 21 件増えた。無人化の流れに先回りして、受託の件数を守っている。
ホテルは、東京の需要が堅く、2025 年 2 月期のホテル部門の利益率は 23% だった。新しい成田のリゾートは、メディアにも取り上げられ、認知が広がっている。稼働が上がれば、固定費が薄まり、利益が大きく伸びる。会社は初めての中期経営計画で、2028 年 2 月期に営業利益 10 億円を掲げた。
純負債は重いが、ホテルの土地・建物という担保がある。利息は、営業利益が戻れば賄える。時価総額が簿価を下回っており、資産の価値が評価されていない。赤字でも配当を維持する姿勢は、株主を向いている。東京のホテルは、訪日客の増加で需要が強く、簿価の下の不動産に含み益がある可能性もある。借入の返済が進めば、同じ利益でも株主に残る額が増える。
慎重な見方
2026 年 2 月期は、営業利益が前期の 3 割に落ち、4 四半期だけで 11 億円の最終損失を出した。2025 年 10 月にも上期の予想を大きく下回り、2026 年 10 月にも今期の予想を引き下げた。計画が連続して外れており、中期計画の営業利益 10 億円の信頼性は低い。
純負債は 38 億円で時価総額を上回り、利払いは営業利益の約半分を食う。EBITDA に対する純負債は 8 倍を超える。借り換えで金利が上がれば、利益は消える。新リゾートの稼働が伸びなければ、減損が追加で出る。
マンション受付は、有人から無人への移行期で、AI による自動化もあり、本業の単価が上がらない。ホテルも競合が増え、人件費の上昇を転嫁しきれない。赤字でも配当を維持する姿勢は、借入を返す原資を削っており、株主を向いているとは言えない。2 年続けて計画が外れた経営が、これから 3 年で利益を 3 倍にできるとは考えにくい。不動産に含み益があっても、借入を返した後の取り分は小さい。
どちらに重みを置いたか
弱気の見方が強い。純負債が時価総額を上回り、計画の外れが連続している。強気の筋書きは、ホテルの利益率が 22% 台に戻り、中期計画に近い利益を出すことを求めるが、直近 2 年の実績はそれに届いていない。確率は、強気の側を 25% に抑え、慎重な側の合計を 4 割強に置いた。結果として、楽観でも今の値段に届く程度で、中立は大きく下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 249 円12 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 121 円6 億円)。 今の値に割り戻すと 174 円9 億円、今との差 −63.4%、 期待の年率 −2.5%(資本コスト 9.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 956 円47 億円 | 284 円14 億円 | +160.5% | +10.0% | 87 円4 億円 |
| やや楽観 | 18% | 436 円22 億円 | 162 円8 億円 | +25.5% | +2.3% | 108 円5 億円 |
| 中立 | 33% | 209 円10 億円 | 142 円7 億円 | −26.4% | −3.0% | 116 円6 億円 |
| やや悲観 | 27% | 113 円6 億円 | 81 円4 億円 | −59.1% | −8.6% | 53 円3 億円 |
| 悲観 | 15% | 30 円2 億円 | 20 円1 億円 | −89.4% | −20.1% | 8 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 249 円12 億円 | 121 円6 億円 | −22.2% | −2.5% | 370 円18 億円 |
今の株価時価総額 476 円23 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.8% を下回るほど割高。
楽観 7% 受託と新リゾートが軌道に乗り、会社目標の利益に近づく 利益 5 億円 · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 956 円47 億円
マンションフロントは、OICOS などの DX 商材を武器に、有人に頼らない受託を広げ、施設数が 3% 増える。単価は物価並みに上がる。ホテルは、新しい成田のリゾートが家族連れとインバウンドの宿泊で満室に近づき、6 つのビジネスホテルも東京の需要に乗って稼働が安定する。営業利益率は 6% 台と、直近の最良の年に並ぶ。借入は返済が進み、利息の負担が軽くなる。配当は少しずつ増え、優待も続く。配当も増える。会社が育てた DX 商材が収益の柱になれば、本社費も薄まり、会社全体の利益率が一段上がる。リゾートは地元の農業や体験と組んだ独自の体験で価格を決める力を持ち、宿泊の単価も上がる。
- マンションフロントサービス・クリーニング:数量 720(受託施設数(施設、推定))× 価格 872(1 施設あたり売上(万円・名目))→ 売上 63 億円・営業利益 6 億円。720 施設 × 1 施設 872 万円(今の 1.40 倍)、営業利益率 10%
- ホテル・リゾート:数量 650(客室数(室、リゾート含む・推定))× 価格 500(1 室あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 33 億円・営業利益 7 億円。650 室 × 1 室 500 万円(今の 1.45 倍)、営業利益率 22%
- コンビニ・その他:数量 65.0(店舗数(店、推定))× 価格 2,940(1 店あたり売上(万円・名目))→ 売上 19 億円・営業利益 2 億円。65 店 × 1 店 2,940 万円(今の 1.40 倍)、営業利益率 9%
倍率:事業の純利益 5 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 8.8% が k 9.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.3 倍。全体の PER 10.26 倍、時価総額 47 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社が掲げる営業利益 10 億円の目標に近づく筋書き。直近は 2025 年と 2026 年に二度、予想を下回っており、確度は低い。
やや楽観 18% ホテルの利益が戻り、フロントは横ばい 利益 2 億円 · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 436 円22 億円
ホテルは、新リゾートの運営が安定し、人件費の上昇も宿泊料の値上げでほぼ吸収できる。営業利益率は 18% に戻る。マンションフロントは、有人の窓口が管理組合のコスト削減で減るが、DX 商材と清掃サービスの追加で施設数は 3% 減にとどまる。コンビニは店舗が少し減るが、ホテル併設の店が稼ぎを支える。全社の営業利益率は 4.4% で、会社が 2027/02 期に出した予想と近い。配当は年 1 億円前後で維持できる。新リゾートの黒字化が確認でき、会社の信頼も戻って、借り換えの条件が改善する。マンションフロントの施設数も、DX 商材との組み合わせで底を打ち、安定した契約が続く。
- マンションフロントサービス・クリーニング:数量 680(受託施設数(施設、推定))× 価格 835(1 施設あたり売上(万円・名目))→ 売上 57 億円・営業利益 5 億円。680 施設 × 1 施設 835 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 9%
- ホテル・リゾート:数量 620(客室数(室、リゾート含む・推定))× 価格 476(1 室あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 30 億円・営業利益 5 億円。620 室 × 1 室 476 万円(今の 1.38 倍)、営業利益率 18%
- コンビニ・その他:数量 62.0(店舗数(店、推定))× 価格 2,814(1 店あたり売上(万円・名目))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。62 店 × 1 店 2,814 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 8.5%
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 5.5% が k 9.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.3 倍。全体の PER 10.26 倍、時価総額 22 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:ホテルが 6 施設で稼いでいた水準(営業利益率 2 割超)を新リゾートの負担込みで 18% まで戻す筋書き。会社の最近の予想を大きく超えない範囲に置いた。
中立 33% 売上は物価並みで、利益は薄く、利息が重い 利益 1 億円 · PER 10.3 倍 · 株価時価総額 209 円10 億円
ホテルは新リゾートの運営がようやく落ち着き、営業利益率は 16% になる。マンションフロントは、有人の受付が管理組合のコスト削減と人手不足で減り、施設数は 7% 減る。単価は人件費が上がる分を転嫁するが、物価までは届かない。コンビニは店舗を絞る。全社の営業利益は 3% 弱、そこから借入の利息 1.4 億円を引くと、純利益は 1 億円ほどだ。償却は新リゾートの投資が重く、設備の更新費も建築費の上昇で増える。配当は減らして維持する。新規の投資は抑えられ、借入は少しずつ減るが、利息の負担は金利の上昇で大きくは軽くならない。
- マンションフロントサービス・クリーニング:数量 650(受託施設数(施設、推定))× 価格 797(1 施設あたり売上(万円・名目))→ 売上 52 億円・営業利益 5 億円。650 施設 × 1 施設 797 万円(今の 1.28 倍)、営業利益率 9%
- ホテル・リゾート:数量 600(客室数(室、リゾート含む・推定))× 価格 462(1 室あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 28 億円・営業利益 4 億円。600 室 × 1 室 462 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 16%
- コンビニ・その他:数量 60.0(店舗数(店、推定))× 価格 2,814(1 店あたり売上(万円・名目))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。60 店 × 1 店 2,814 万円(今の 1.34 倍)、営業利益率 8%
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 3.0% が k 9.75% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.3 倍。全体の PER 10.26 倍、時価総額 10 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026 年に新リゾートの減損を出し、2026 年 10 月にも予想を引き下げた。会社計画の利益率を割り引き、直近と予想の中間に置いて最も厚くした。
やや悲観 27% 宿泊の競争と人件費で、赤字に近い状態が続く 利益 −2 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 113 円6 億円
東京の宿泊は新規の競合ホテルが増えて、値段が上がらない。人件費は物価以上に上がり、ホテルの営業利益率は 9% に下がる。新リゾートも単独で黒字化できず、固定費が重く残る。マンションフロントは有人の受付が 1 割減り、DX 商材も他社との競争で伸びない。営業利益は赤字になり、利息 1.4 億円も重なって最終赤字が続く。借入の借り換え条件は悪くなり、資産の売却と少額の増資で資金をつなぐ。配当は減額され、優待も縮小する。経営は、借入の返済を最優先にせざるを得ない。ホテルの値上げも競争で通らず、稼ぎの回復には長い時間がかかる。
- マンションフロントサービス・クリーニング:数量 600(受託施設数(施設、推定))× 価格 779(1 施設あたり売上(万円・名目))→ 売上 47 億円・営業利益 4 億円。600 施設 × 1 施設 779 万円(今の 1.25 倍)、営業利益率 7.5%
- ホテル・リゾート:数量 600(客室数(室、リゾート含む・推定))× 価格 449(1 室あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。600 室 × 1 室 449 万円(今の 1.30 倍)、営業利益率 9%
- コンビニ・その他:数量 52.0(店舗数(店、推定))× 価格 2,730(1 店あたり売上(万円・名目))→ 売上 14 億円・営業利益 1 億円。52 店 × 1 店 2,730 万円(今の 1.30 倍)、営業利益率 6.5%
倍率:最終赤字で稼ぐ力から値が付かないので、今の自己資本 31 億円(または純現金+売れる資産)に 0.2 倍を掛けた床。
確率:2026 年だけで二度の予想の下方修正があり、純負債が EBITDA の 8 倍超と重い。利払いを賄えない状態が続く筋書きをやや厚くした。
悲観 15% 資金繰りが詰まり、不動産を売って縮む 利益 −6 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 30 円2 億円
宿泊の競争とコスト高で、ホテルの利益が消える。新リゾートは稼働が伸びず、追加の減損を出す。マンションフロントは、有人の受付が 3 割減り、DX 商材も大手の管理会社の内製に押されて伸びない。営業赤字が毎年 4 億円を超え、借入の返済ができなくなって、保有するホテルの不動産を安値で売る。増資で株数が増え、既存の株主の取り分は大きく薄まる。配当は止まり、優待も廃止する。会社は事業を絞り、マンション受付とホテルの一部だけが残る。コンビニと新リゾートは売却か撤退になり、会社の規模は今の半分ほどに縮む。残った事業の利益は小さく、借入を返した後の株主の取り分はほとんど残らない。
- マンションフロントサービス・クリーニング:数量 560(受託施設数(施設、推定))× 価格 748(1 施設あたり売上(万円・名目))→ 売上 42 億円・営業利益 2 億円。560 施設 × 1 施設 748 万円(今の 1.20 倍)、営業利益率 5%
- ホテル・リゾート:数量 550(客室数(室、リゾート含む・推定))× 価格 414(1 室あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 23 億円・営業利益 0 億円。550 室 × 1 室 414 万円(今の 1.20 倍)、営業利益率 2%
- コンビニ・その他:数量 45.0(店舗数(店、推定))× 価格 2,625(1 店あたり売上(万円・名目))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。45 店 × 1 店 2,625 万円(今の 1.25 倍)、営業利益率 3%
倍率:稼ぐ力は赤字で値が付かず、床は売れる資産の税後から借入を引いた残り。今の自己資本 31 億円に 0.1 倍を掛けた。
確率:借入の返済が利益で賄えず、資産売却と増資に追い込まれる構造的な負けの筋書き。連続して起きる確度は低く 1 割台にした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
マンションフロントサービス・クリーニング
分譲マンションの受付・共用施設の予約・清掃手配の受託。DX 商材 OICOS も販売。売上の約 5 割半。
| 数量受託施設数(施設、推定) | 価格1 施設あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 700 | 623 | 44 | 4 |
| 10 年後 中立 | 650 | 797 | 52 | 5 |
取り方:2025/02 期のマンションフロント売上 42.1 億円・クリーニング 1.7 億円(利益 3.8 億円・0.4 億円)を基に、2026/02 期の売上を 43.6 億円、営業利益を 4.0 億円と推定(短信の内訳は開かず)。施設数は 703(2025/02 時点)に近い 700 とし、1 施設 623 万円。有人受付は AI エージェント代替と DX で縮む部分で、筋書きでは施設数と価格の伸びに反映した。
ホテル・リゾート
千葉・東京の BAY HOTEL 6 施設と、2025 年 3 月開業の THE FARM スロウマウンテン成田。売上の約 2 割半。
| 数量客室数(室、リゾート含む・推定) | 価格1 室あたり年間売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 600 | 345 | 21 | 2 |
| 10 年後 中立 | 600 | 462 | 28 | 4 |
取り方:2025/02 期のホテル売上 19.9 億円(利益 4.6 億円)を基に、2026/02 期はリゾートの開業で売上 20.7 億円、人件費の増加と開業費で営業利益 1.9 億円と推定(短信の内訳は開かず)。客室数は 6 施設とリゾート 40 室を合わせて約 600 室と推定し、1 室 345 万円。件数は実質、料金は名目。
コンビニ・その他
コンビニの直営店運営、不動産の保有・管理、ヘアカット店の運営など。売上の約 2 割。
| 数量店舗数(店、推定) | 価格1 店あたり売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 70.0 | 2,100 | 15 | 1 |
| 10 年後 中立 | 60.0 | 2,814 | 17 | 1 |
取り方:2025/02 期のコンビニ売上 13.8 億円・その他 0.8 億円(利益 1.1 億円・0.1 億円)を基に、2026/02 期の売上 14.7 億円、営業利益 1.3 億円と推定。店舗数は約 70 店、1 店 2,100 万円と推定(開示なし)。
リスクと懸念
借入の重さと金利
純有利子負債は 38 億円で時価総額を超え、EBITDA の 8 倍超にあたる。借入は借り換えのたびに 3.5% 前後へ上がり、営業利益の増加分を利息が食う。自己資本比率は 30% まで下がった。
新リゾートの稼働
2025 年 3 月に開いた成田のリゾートは 40 室で、固定費が重い。稼働が伸びなければ追加の減損が出る。2026 年 2 月期の 4 四半期の 11 億円の最終損失は、この種の損失とみられる。
予想の外れが続く
2025 年 10 月と 2026 年 10 月に、期の業績予想を続けて引き下げた。2028 年 2 月期に営業利益 10 億円とする中期計画の信頼性は低い。
ホテルの人件費と競争
都内の宿泊は競合の開業が続く。会社は 2026 年 10 月に、人件費・消耗品費・広告費が計画を上回ったと説明した。宿泊料に転嫁できなければ、利益率は下がる。
有人受付の縮小と AI 代替
マンション受付は、管理組合のコスト削減で有人から無人・アプリへ移っている。AI による問い合わせの自動化も加わり、有人の受託は数量と単価の両方が細る。DX 商材の OICOS は他社も出せる。
配当を維持する負担
赤字の年でも年 1 億円ほどの配当を出した。借入が重い中での配当は、返済の原資を削る。業績が悪ければ減配・優待の廃止もあり得る。
今後の分かれ目
- ホテル部門の営業利益率が 2 期続けて 18% を超えたら
- 新リゾートの黒字化が確認できたと見て、強気側の筋書きの確率を上げる。
- 追加の減損または業績予想の引き下げが出たら
- やや悲観・悲観の確率を上げる。
- 借入の返済が進み、純負債が 30 億円を切ったら
- 利払いの負担が軽くなり、中立の純利益の前提を上げる。
- ホテルの不動産の売却や資産の入れ替えが発表されたら
- 借入が圧縮されるため、悲観の床を引き上げて見直す。
- 増資の発表が出たら
- 既存株主の持ち分が薄まるため、1 株あたりの価値を下方に見直す。
- OICOS の受注が年間 200 件を超えて続いたら
- 受付の数量の減少が抑えられるため、施設数の前提を上げる。
見ておくもの
- ホテルの営業利益率と新リゾートの稼働
- 営業利益と支払利息の比率
- 純有利子負債と借入の借り換え条件
- OICOS の受注件数とマンション受託の施設数
倍率と資本コストの決め方
今の株価(時価総額 24 億円)には寄せず、施設数 × 1 施設あたり売上、客室数 × 1 室あたり売上、店舗数 × 1 店あたり売上で 10 年を積んだ。k は基本 7.5% に quality +2.25%(循環・値決め・借金・寿命)を足した 9.75%。中立は ROE が k を下回るので PER の上限は 1÷k=10.3 倍で、その約 7 割に置いた。ホテルは設備の重い事業で、減価償却は今ある建物の値段のまま、新リゾートと更新の投資は建築費の上昇で重くなる。コンビニ・ホテルの賃借は固定費として残り、新リース会計(2028/02 期から)で営業利益は少し増え純負債が増えるが、価値は今の形(家賃を営業費用に入れる)でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 8.7→10.26 倍・やや楽観 PER 8.2→10.26 倍・中立 PER 7.2→10.26 倍)。
資本コスト 9.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。