結論
Hameeは、くびれのあるスマホケース「iFace」で知られる物販の会社だ。2025年11月に、利益の大半を稼いでいたネクストエンジンの事業をNE株式会社として株主に分けた。残ったのは、ケース、化粧品のByUR、ゲーム用モニターのPixio、海外の雑貨である。
筆者の結論は、ほぼ適正だ。今の時価総額46億円は、自己資本73億円の6割強にすぎない。一見安いが、切り離した後の本業の利益率は1.3%しかない。安く見えるのは、稼ぐ力がまだ戻っていないからである。
会社は2029年4月期に売上309億円、営業利益18億円を掲げる。化粧品のByURがドラッグストアで伸び、モバイルバッテリーなど通電の小物に広げる計画だ。ただ足元の第1四半期は営業赤字で、iFaceは海外ブランドに押されている。
10年の中立では、売上は350億円前後、営業利益率は4%台に戻ると見る。その場合の価値は今の値段とほぼ同じだ。計画どおりなら割安、iFaceの地盤沈下が続けば割高になる。分かれ目は、ByURが利益を生む事業に育つかどうかにある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、帳簿の安さと稼ぐ力を分けて考える。Hameeは帳簿の上では安い。時価総額は自己資本の6割強だ。だが自己資本の多くは在庫と売掛金で、利益を生む力はまだ細い。
事業の本質は、流行を読む物販だ。iFaceは10年以上売れ続けた珍しいブランドで、その点は評価できる。ただ流行の商売は、強みが10年先も続くと言い切れない。海外のブランドが同じ客を狙い始めた今は、なおさらだ。
株主のものになる利益、つまりオーナー利益は、今は年2〜3億円にすぎない。中計どおり営業利益18億円に届けば、その数倍になる。払う値段に安全域があるかは、その計画をどこまで信じるかで決まる。
筆者は、ByURの黒字化と借入の減り方を見てから判断したい事業だと考える。今の値段は、計画の半分ほどが実現する未来を映している。大きく外れてはいないが、安全域も厚くない。
何で稼ぐ会社か
今のHameeは、Z世代向けの物を企画し、作らせ、売る会社だ。工場は持たず、企画と販売に力を入れる。売り先は自社の通販、楽天やアマゾンの店、家電量販店や雑貨店への卸である。
柱は四つある。一つ目はモバイルライフ事業で、iFaceのケースと周辺の小物だ。2026年4月期の売上は82億円、事業の利益は13億円で、今も稼ぎ頭である。二つ目はビューティー事業で、毛穴を隠す下地で知られるByURの化粧品だ。売上は45億円まで伸びたが、利益はほぼゼロである。
三つ目はゲーミングアクセサリー事業で、米国のPixioのモニターを国内で独占して売る。白やパステルの色が若い客に受けるが、値下げ競争で利益はほぼ消えた。四つ目はグローバル事業で、北米を中心に楽器のおもちゃのオタマトーンや、キャラクターのスクイーズを売る。売上37億円、利益4億円だ。
事業の利益を合計すると14億円になるが、本社の費用が11億円かかる。会社全体の営業利益は2.6億円にとどまる。ネクストエンジンを切り離した今、この本社の重さが利益を押しつぶしている。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは、iFaceのブランドにある。くびれた形と色の豊富さで、Z世代の認知は高い。会社の調べでは利用者の55%がZ世代だ。指名で買う客がいる点は、安いケースとの違いである。
ただ、その堀は狭まりつつある。CASETiFYのような海外のブランドが日本でも広がり、ネット広告で客を奪い合う。卸の売場は、複数の機種に使えるケースが増えて縮んだ。2026年4月期のモバイルライフ事業は減収減益だった。
ByURは新しい強みになりうる。ドラッグストアの棚を広げ、賞を300回以上受けた。ただ化粧品は資生堂や韓国の新興ブランドがひしめく市場で、広告と棚の費用が重い。利益が出るまでの道のりは長い。
資本の効率は、切り離しの前は高かった。過去10年のROEの中央値は21%だ。だがそれはネクストエンジンという高利益の事業があったからで、残った物販だけのROEは一桁にとどまる。営業のお金の流れは2026年4月期にマイナスになり、借入は41億円まで増えた。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
スマホケースの市場は成熟している。世界では年160億ドル規模で伸びているが、日本はスマホの台数が頭打ちで、ケースの数量は増えにくい。新しい機種が出るたびに買い替えが起きるが、機種の寿命は延びている。
伸びる場所は周辺にある。モバイルバッテリーや充電の小物は、ケースより伸びが速い。バッテリーの発火事故が相次ぎ、安全な製品に払う客が増えた。iFaceの名前で、この売場を取れるかが問われる。
化粧品の国内市場は約3.2兆円で、物価並みに安定して伸びる。若い客が多い2千〜5千円の価格帯は競争が激しく、新しいブランドが毎年生まれては消える。ByURが定番になるには、ドラッグストアの棚を守り続ける必要がある。
ゲーム用モニターは、大手の値下げで価格競争が続く。米国の関税と円安は、輸入の原価を押し上げる。業種のノートでも、輸入の比率が高い小売は仕入れの値段が物価以上に上がりやすいと置いた。小さな会社ほど、この上昇を値上げで返しにくい。
ゲーム用モニターの値段は、技術の進歩で同じ性能なら毎年下がる。物価が3%上がる世界でも、10年の単価は物価ほどは上がらないと筆者は見る。
資本政策と M&A
還元の方針は配当性向20%以上だ。ネクストエンジンを切り離した後の利益に合わせ、2027年4月期の配当は前期の7分の1ほどに下がる。会社は中計の目標を達成した後に、段階的に増やすとしている。
大きな資本の動きは、2025年11月のスピンオフだった。株主はNE株式会社の株を受け取り、Hameeの自己資本は35億円減った。物販に集中する形にしたのは、事業ごとの価値を見えやすくするためだ。
優待は自社製品の割引券で、2026年10月から年4千円相当に広げる。会社の費用は年1億円に届かないと見て、還元には大きく足していない。
借入は短期で41億円ある。在庫を44億円抱える物販の会社として、借入を減らせるかが資本の使い方の試金石になる。創業者の樋口会長は大株主で、会社が買われる筋は小さい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
切り離しで会社は身軽になった。残った物販には、まだ伸びしろが大きい。ByURはドラッグストアの棚を広げ、2026年4月期に売上を3割伸ばした。原価の改善も進み、黒字に転じた。化粧品は一度定番になれば長く売れる商品で、会社は国内の取れる市場を今の売上の31倍と見積もる。
iFaceは通電の小物という新しい売場を得る。モバイルバッテリーは安全への関心で買い替えが進み、色とデザインで選ぶ客が増える。iFaceの名前は、その売場で指名される強みになる。北米のオタマトーンやスクイーズも、キャラクターとの共同企画で国を広げられる。
帳簿の上でも安い。時価総額は自己資本の6割強で、在庫と現金だけで今の値段に近い。中計どおり営業利益18億円に届けば、今の値段は利益の数倍にすぎなくなる。
経営も動いている。本社の仕組みをAIで軽くし、物流は外部に任せて費用を抑える。切り離しで生まれた第三の創業期という言葉には、物販で稼ぐ会社に作り直す覚悟がにじむ。
慎重な見方
利益の大半を稼いでいたのはネクストエンジンで、それはもう無い。残った物販の営業利益率は1.3%で、2027年4月期の第1四半期は営業赤字だった。会社の計画は過去にも下方修正されており、18億円の目標は遠い。
iFaceの堀は狭まっている。CASETiFYなど海外のブランドがネット広告で客を奪い、卸の売場も縮んだ。モバイルバッテリーは家電の大手や中国の安い製品がひしめく市場で、色だけで勝つのは難しい。化粧品も、新しいブランドが毎年生まれては消える世界だ。
財務は見かけほど強くない。借入は41億円あり、営業のお金の流れはマイナスに転じた。在庫44億円は流行が変われば値下げの対象になる。帳簿の安さは、在庫の評価損と本社の費用の重さで簡単に消える。
ゲーム用モニターは他社の製品の代理販売で、作り手の都合で条件が変わる。北米の雑貨は関税の影響を受け、2026年4月期は利益が半分以下になった。どの柱も、利益が安定しているとは言いがたい。
どちらに重みを置いたか
両者の言い分は拮抗している。ByURの伸びは本物だが、まだ利益が小さい。iFaceの地盤沈下も事実だ。確率は中立に厚く置き、上下はほぼ対称にした。結果として、今の値段はほぼ適正と出る。強気に寄せる材料は、ByURの利益率が5%を超える決算が出た時だと筆者は見る。
反対に、iFaceの減収が2期続けば慎重な見方に寄せる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/04 期)
確率で加重した株価時価総額 820 円131 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 81 円13 億円)。 今の値に割り戻すと 435 円70 億円、今との差 +50.0%、 期待の年率 +12.0%(資本コスト 8.0%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 2,788 円446 億円 | 250 円40 億円 | +947.6% | +26.5% | 213 円34 億円 |
| やや楽観 | 20% | 1,475 円236 億円 | 144 円23 億円 | +458.2% | +18.8% | 324 円52 億円 |
| 中立 | 38% | 707 円113 億円 | 81 円13 億円 | +171.8% | +10.5% | 299 円48 億円 |
| やや悲観 | 23% | 206 円33 億円 | 19 円3 億円 | −22.6% | −2.5% | 52 円8 億円 |
| 悲観 | 12% | 114 円18 億円 | 0 円0 億円 | −60.6% | −8.9% | 14 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 820 円131 億円 | 81 円13 億円 | +210.8% | +12.0% | 901 円144 億円 |
今の株価時価総額 290 円46 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 7% ByURが第二の柱になり、iFaceも通電の小物で伸びる 利益 27 億円 · PER 16.3 倍 · 株価時価総額 2,788 円446 億円
ByURはドラッグストアの定番の下地として棚を守り、ByGLOWと新しいブランドが続く。化粧品の個数は10年で3倍になり、利益率は1割を超える。
iFaceはモバイルバッテリーなど通電の小物を取り込み、個数は3割増える。色とデザインで選ばれる強みが、ケース以外にも通じる。北米の雑貨も国を広げ、売上は2.5倍になる。
本社の費用は物価ほどは増えず、営業利益率は9%近くまで戻る。純利益は28億円前後になり、配当も厚くなる。借入は返し終え、在庫の回転も速まる。今の時価総額の数倍の価値になる筋書きだ。
物販の会社として、帳簿の安さと稼ぐ力の両方がそろう姿である。
- モバイルライフ事業(iFace):数量 356(販売個数(万個・推定))× 価格 0.39(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 139 億円・営業利益 24 億円。個数1.3倍・通電の小物
- ビューティー事業(ByUR・ByGLOW):数量 894(販売個数(万個・推定))× 価格 0.20(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 179 億円・営業利益 21 億円。個数3倍・定番化
- ゲーミングアクセサリー事業(Pixio):数量 16.4(販売台数(万台・推定))× 価格 3.60(1万台あたりの売上(億円、名目))→ 売上 59 億円・営業利益 3 億円。ライフスタイル化で利益が戻る
- グローバル事業:数量 623(販売個数(万個・推定))× 価格 0.20(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 125 億円・営業利益 15 億円。国を広げ2.5倍
倍率:事業の純利益 27 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.1% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.5%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.3 倍。全体の PER 16.33 倍、時価総額 446 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:化粧品の新ブランドが定番として10年残り、iFaceが海外ブランドに押し返す、という二つの成功が要る。中計を大きく超える筋書きで、確率は小さい。
やや楽観 20% 中計にほぼ届き、利益率6%台を保つ 利益 16 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 1,475 円236 億円
ByURは棚を広げ続け、化粧品の個数は10年で2.3倍になる。原価の改善が進み、利益率は1割に乗る。iFaceは通電の小物で個数を15%増やし、海外ブランドとの競争の中でも利益率15%台を守る。
ゲーム用モニターは値下げ競争から距離を置き、周辺の小物で小さく稼ぐ。北米の雑貨は売上が2倍になる。
本社の費用はAIの道具で抑えられ、営業利益率は6%台になる。純利益は16億円前後で、配当は性向2〜3割で増える。借入は減り、在庫の評価損も落ち着く。今の値段の3倍ほどの価値になる。
中計の数字がほぼ守られる形で、経営の言葉が信用を取り戻す。
- モバイルライフ事業(iFace):数量 315(販売個数(万個・推定))× 価格 0.40(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 127 億円・営業利益 20 億円。個数1.15倍
- ビューティー事業(ByUR・ByGLOW):数量 685(販売個数(万個・推定))× 価格 0.20(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 137 億円・営業利益 14 億円。個数2.3倍
- ゲーミングアクセサリー事業(Pixio):数量 14.6(販売台数(万台・推定))× 価格 3.46(1万台あたりの売上(億円、名目))→ 売上 51 億円・営業利益 2 億円。台数1.25倍
- グローバル事業:数量 498(販売個数(万個・推定))× 価格 0.20(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 100 億円・営業利益 10 億円。2倍
倍率:事業の純利益 16 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 11.3% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.65 倍、時価総額 236 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:ByURの伸びと黒字化は既に数字に出ている。中計の営業利益率5.8%は過去の物販の実力から見て無理な水準ではなく、届く確率はそれなりにある。
中立 38% ByURは育つが、iFaceは横ばい。利益率は4%台 利益 9 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 707 円113 億円
ByURはドラッグストアの棚を少しずつ広げ、化粧品の個数は10年で1.8倍になる。広告と棚の費用は重いが、利益率は9%まで上がる。
iFaceの個数はほぼ横ばいだ。通電の小物で増やす分を、海外ブランドに取られるケースの分が打ち消す。値段は物価並みに上げ、利益率は14%台を保つ。
ゲーム用モニターは小さく稼ぐだけで、北米の雑貨は売上が1.6倍になる。本社の費用は物価よりやや遅く増える。営業利益率は4%台で、純利益は9億円前後だ。配当は性向25%前後で、借入は少しずつ減る。今の値段とほぼ同じ価値になる。
- モバイルライフ事業(iFace):数量 288(販売個数(万個・推定))× 価格 0.40(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 115 億円・営業利益 17 億円。個数1.05倍
- ビューティー事業(ByUR・ByGLOW):数量 536(販売個数(万個・推定))× 価格 0.20(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 107 億円・営業利益 10 億円。個数1.8倍
- ゲーミングアクセサリー事業(Pixio):数量 12.9(販売台数(万台・推定))× 価格 3.45(1万台あたりの売上(億円、名目))→ 売上 45 億円・営業利益 1 億円。台数1.1倍・モニターは技術の進歩で値下がりし価格は1.15倍
- グローバル事業:数量 398(販売個数(万個・推定))× 価格 0.20(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 80 億円・営業利益 6 億円。1.6倍・関税で利益率は下がる
倍率:事業の純利益 9 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.7% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍。全体の PER 12.5 倍、時価総額 113 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:ByURの伸びとiFaceの地盤沈下が打ち消し合う形を中心に置いた。2026年4月期の本社費の重さと、足元の第1四半期の営業赤字から、中計の5.8%には届かないと見る。
やや悲観 23% iFaceが押され、ByURの黒字も細い 利益 0 億円 · PBR 0.5 倍 · 株価時価総額 206 円33 億円
CASETiFYなど海外のブランドがネットと店頭で広がり、iFaceの個数は10年で15%減る。通電の小物も大手と中国の安い製品に押され、思うほど伸びない。
ByURは棚を守るが、新しいブランドに押されて伸びは2割にとどまる。広告の費用がかさみ、利益率は3%しか残らない。ゲーム用モニターは利益が出ない。
本社の費用を削っても、会社全体はほぼ収支とんとんだ。在庫の評価損が時々出る。配当は最低限に減り、借入はそのまま残る。帳簿の自己資本は残るが、それを生かす稼ぎが無い。
PBRは1倍を大きく割ったままで、それが当たり前の会社として扱われる。
- モバイルライフ事業(iFace):数量 233(販売個数(万個・推定))× 価格 0.38(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 87 億円・営業利益 10 億円。個数0.85倍・単価1.25倍
- ビューティー事業(ByUR・ByGLOW):数量 358(販売個数(万個・推定))× 価格 0.19(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 67 億円・営業利益 2 億円。個数1.2倍
- ゲーミングアクセサリー事業(Pixio):数量 10.5(販売台数(万台・推定))× 価格 3.00(1万台あたりの売上(億円、名目))→ 売上 32 億円・営業利益 0 億円。台数0.9倍・値下げ
- グローバル事業:数量 274(販売個数(万個・推定))× 価格 0.19(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 51 億円・営業利益 2 億円。1.1倍
倍率:赤字すれすれなのでPERは使わない。今の自己資本73億円の多くは在庫と売掛金で、評価損と回収の遅れを見て0.45倍に置く。営業利益がほぼゼロなので、純負債23億円を足したEVで見ても利益の倍率は意味を持たず、資産の側で測った。
確率:iFaceは2026年4月期に減収減益で、海外ブランドの台頭は止まっていない。ByURの黒字もまだ1%台で、広告を緩めれば売上が止まる危うさがある。
悲観 12% 流行が去り、在庫と本社費が残る 利益 −8 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 114 円18 億円
iFaceの客がZ世代の次の世代に移らず、個数は10年で3割以上減る。ByURも新しいブランドに棚を奪われ、広告をかけても売上が落ちる。ゲーム用モニターからは撤退する。
本社の費用はすぐには減らず、営業赤字が続く。在庫44億円の一部は値下げで売り切るしかなく、評価損が重なる。借入を返すために配当を止める。
自己資本は赤字で細り、10年後の会社は売上150億円台の小さな物販になる。時価総額は、在庫と売掛金を売って借入を返した残りほどしか残らない。
流行の物販の悲観は、帳簿が守ってくれない形で来る。
- モバイルライフ事業(iFace):数量 178(販売個数(万個・推定))× 価格 0.36(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 64 億円・営業利益 3 億円。個数0.65倍
- ビューティー事業(ByUR・ByGLOW):数量 238(販売個数(万個・推定))× 価格 0.18(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 43 億円・営業利益 −2 億円。個数0.8倍・赤字
- ゲーミングアクセサリー事業(Pixio):数量 5.9(販売台数(万台・推定))× 価格 2.70(1万台あたりの売上(億円、名目))→ 売上 16 億円・営業利益 0 億円。撤退へ
- グローバル事業:数量 199(販売個数(万個・推定))× 価格 0.18(1万個あたりの売上(億円、名目))→ 売上 36 億円・営業利益 0 億円。0.8倍
倍率:赤字なのでPERは使わない。床は売掛金と在庫を値引いて回収し、借入を返した残りで、今の自己資本73億円の4分の1ほど。
確率:流行の物販は一度客が離れると戻りにくい。iFaceとByURの両方が失速すると、本社の費用と在庫の重さで赤字が続く。財務は借入があり、悲観を小さくはしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
モバイルライフ事業(iFace)
スマホケース「iFace」と周辺の小物(通電の小物を含む)の企画・販売。自社通販・モール・卸。
| 数量販売個数(万個・推定) | 価格1万個あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 274 | 0.30 | 82 | 13 |
| 10 年後 中立 | 288 | 0.40 | 115 | 17 |
取り方:個数は非開示。売上82.3億円を、卸と通販をならした1個あたり約3千円で割り、約274万個と推定した。利益は事業の利益13.3億円(本社費の前)。国内のケースの市場を1,000億円前後と見ると、シェアは7〜8%の位置だ。
ビューティー事業(ByUR・ByGLOW)
下地やスキンケアのByURと、2025年に始めたByGLOWの化粧品。ドラッグストアへの卸が中心。
| 数量販売個数(万個・推定) | 価格1万個あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 298 | 0.15 | 45 | 1 |
| 10 年後 中立 | 536 | 0.20 | 107 | 10 |
取り方:個数は非開示。売上44.7億円を、卸の1個あたり約1千5百円で割り、約298万個と推定した。利益は事業の利益0.57億円。
ゲーミングアクセサリー事業(Pixio)
米国のPixioのゲーム用モニターと周辺の小物の国内独占販売。
| 数量販売台数(万台・推定) | 価格1万台あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 11.7 | 3.00 | 35 | 0 |
| 10 年後 中立 | 12.9 | 3.45 | 45 | 1 |
取り方:台数は非開示。売上35.2億円を、モニターと周辺の小物をならした1台あたり約3万円で割り、約11.7万台と推定した。利益は事業の利益0.09億円。
グローバル事業
北米を中心に、オタマトーンやキャラクターのスクイーズなどの雑貨と、自社ブランドの海外販売。
| 数量販売個数(万個・推定) | 価格1万個あたりの売上(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/04 | 249 | 0.15 | 37 | 4 |
| 10 年後 中立 | 398 | 0.20 | 80 | 6 |
取り方:個数は非開示。売上37.4億円を1個あたり約1千5百円で割り、約249万個と推定した。利益は事業の利益3.73億円。
リスクと懸念
iFaceの地盤沈下
CASETiFYなど海外のブランドがネット広告と店頭で広がり、モバイルライフ事業は2026年4月期に減収減益だった。卸の売場も、複数の機種に使えるケースの増加で縮んでいる。稼ぎ頭が細れば、会社全体の利益はすぐ消える。
ByURの利益の薄さ
化粧品の売上は3割伸びたが、利益率は1%台だ。ドラッグストアの棚と広告の費用が重く、伸びを止めれば売上が落ちる。化粧品は新しいブランドが毎年生まれて消える市場で、定番として残る保証は無い。
本社の費用の重さ
事業の利益14億円に対し、本社の費用が11億円かかる。ネクストエンジンを切り離した今、この固定費が利益を押しつぶす。AIへの投資で2027年4月期はさらに増える計画だ。
在庫と借入
在庫は44億円、短期の借入は41億円ある。営業のお金の流れは2026年4月期にマイナスに転じた。流行が変われば在庫は値下げで売るしかなく、評価損と借入の返済が重なる。
関税と円安
製品の多くは海外の工場で作り、北米でも売る。米国の関税と円安は原価を押し上げる。小さな会社は値上げで返しにくく、利益率が削られる。
今後の分かれ目
- ByURの事業の利益率が5%を超える
- 化粧品が利益を生む柱になった証拠になり、やや楽観に重みを移す。
- 2027年4月期の営業利益が計画の5億円を下回る
- 中計の18億円は遠のき、やや悲観に寄せる。本社の費用の削減が次の焦点になる。
- モバイルライフ事業が2期続けて減収になる
- iFaceの堀が狭まった証拠で、中立の個数を下げる。
- 短期の借入を大きく減らす
- 在庫の回転が良くなった証拠で、財務の重さが薄れる。
- NE株式会社や他社と資本の再編が起きる
- 創業者の持株が大きく、買われる筋は小さいと見るが、提案の値段と条件で判断する。
見ておくもの
- モバイルライフ事業の売上と事業の利益率
- ByURの導入店舗数と事業の利益率
- 本社の費用(事業の利益と営業利益の差)
- 在庫と短期の借入の残高
- 四半期の営業利益と中計の進み具合
- 北米の関税と仕入れの原価
倍率と資本コストの決め方
倍率は事業のROEと資本コスト8%から式で出した。中立はROEがkに届かないので1÷k=11.1倍を上限に9.5倍とし、今の株価や過去の値付けは使っていない。過去のROEが高いのはネクストエンジンを含んでいたためで、物販だけの稼ぐ力を起点にした。悲観側は今の自己資本に床の倍率を掛け、床は売掛金と在庫の回収から置いた。帳簿の安さ(PBR 0.6倍)は割安の根拠にしていない。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.4→16.33 倍・やや楽観 PER 9.8→14.65 倍・中立 PER 9.5→12.5 倍)。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%にquality+1.5%で9.0%。本業は黒字で、上乗せ(extra)は置かない。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 9.00% → 8.00%。