結論
テイツーは、「古本市場」「ふるいち」「トレカパーク」の名で、中古と新品のトレーディングカード、ゲーム、本、ホビーを売り買いする会社だ。筆者の結論は、今の値段はやや安いというものだ。カードの熱気が冷める姿を中立に置いても、借金のない店が 10 年で生む現金を足すと、今の時価総額を 2 割余り上回る。ただし熱気が大きく崩れれば、その差は消える。
売上の 4 割はトレカ、4 割はゲームだ。ポケモンカードを中心にしたカードの人気と、新しいゲーム機の発売が重なり、2027 年 2 月期の営業利益は 20 億円と過去最高になる見込みだ。10 年前は赤字続きで、店の看板の本はもう 6% にすぎない。
強みは、中古の買取と新品の販売を同じ店でこなすことだ。客がカードやゲームを売りに来て、その場で別の品を買っていく。在庫の回転が速く、借金もほとんどない。
ただ、カードは流行の品だ。過去にも人気のカードは何度も山と谷を繰り返した。ゲームはダウンロードで買う人が増え、中古のソフトの数は細る。筆者は、今の利益の半分近くを流行の山の分と見ている。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社は「今はよく稼ぐが、その稼ぎが長く続くと言い切れない会社」だ。
借金がほとんどなく、在庫の回転が速いのは美点だ。カードの人気が続く限り、店は現金を生む。経営も、赤字続きの古本の店から、カードとゲームの店へと業態を素早く変えた。その身のこなしは評価できる。
だが、オーナーとして 10 年持つには、稼ぎの源が流行の品に寄りすぎている。カードの値段には投機の色があり、山がいつ崩れるかは誰にも読めない。崩れれば、店の在庫の値打ちも一緒に下がる。ゲームのソフトも、店から離れていく流れは止まらない。
今の値段は、カードの熱気が冷める姿よりも、さらに悪い姿を織り込んでいるように見える。中立の姿でも、稼いだ現金がたまる分を足すと価値は今の時価総額を上回る。ただ、安全域、つまり見込み違いに備えたゆとりは 2 割余りで、流行の品の会社としては厚くない。カードの値段が崩れる姿に 3 割の確率を置いても割安と出るが、大きく買い向かうほどの差ではない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は、店に来た客から品を買い取り、手を入れて売ることだ。中古の粗利は新品より厚い。売上 422 億円のうち中古が 207 億円、新品が 215 億円で、ほぼ半々だ。
品目で見ると、トレカが 168 億円と最も大きい。中古のカードの売買に加え、新品のパックも売る。人気のカードは 1 枚で数万円の値が付き、査定の速さと正確さが店の評判を決める。会社はカードの読み取りと査定をする機械「TAYS」を自社で作り、ほかの店にも売っている。
ゲームは 167 億円で、新品のゲーム機とソフトが 100 億円を占める。2025 年に任天堂の新しいゲーム機が出て、新品の売上は 5 割増えた。中古のソフトの売買も続ける。
本は 25 億円まで縮んだ。古本の店として始まった会社だが、今はカードとゲームの店と言った方が近い。ホビー、スマートフォン、衣料も扱う。
店は 175 店あり、うち 32 店は提携や加盟の店だ。郊外の路面店に加え、ショッピングモールへの出店を進め、モールの店は 45 店になった。ネット通販とアジアへの販売にも力を入れる。台湾には子会社を通じて店を持つ。
優良さと弱いところ
堀、つまり他社がまねできない強みは薄い。中古の買取と販売は、ブックオフ、ゲオのセカンドストリート、駿河屋、カードの専門店と、どこでも競合がいる。ネットではメルカリが個人どうしの売買の場を握る。
それでも、テイツーには二つの持ち味がある。一つはカードの査定の速さだ。自社の機械で査定の手間を減らし、カードを売りに来る客を待たせない。もう一つは在庫の回し方だ。売れ筋の値段を店ごとに素早く変え、在庫を寝かせない。
弱みは流行への依存だ。トレカとゲームで売上の 8 割を占め、どちらも人気の山と谷が大きい。2015 年から 4 年続けて赤字だったのは、本と中古のゲームが細った時期だ。カードの熱で持ち直したが、その熱が冷めれば同じ道をたどりかねない。
資本効率は今は高い。ROE は 12% 台で、借金もほぼない。ただ、過去 10 年で ROE がマイナスの年が 4 回ある。稼ぐ力が長く続くとは言い切れない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のリユースの市場は 15 年続けて伸び、3 兆円を超えた。物価の上昇で新品が高くなり、中古を選ぶ人が増えている。環境への意識も追い風だ。政府は 2030 年に 4 兆円台を目標に掲げる。
ただ、テイツーが扱う品目は、市場全体とは違う動きをする。トレカの市場は、ポケモンカードやワンピースのカードの人気で、ここ数年で大きく膨らんだ。大人の収集家と海外の買い手が値段を押し上げた。人気のカードの値上がりは、投機の色も帯びている。
ゲームは逆風だ。ゲーム機のソフトは、店でなくネットからダウンロードで買う人が増えた。新しいゲーム機が出た年は新品が売れるが、中古のソフトの売買は年々細る。本も同じで、電子書籍とネットの古本の売買に押されている。
競争の形も変わる。メルカリのような個人どうしの売買は、カードの取引でも存在感を増している。大手のリユースの会社もカードの専門店を増やしており、店どうしの取り合いは厳しくなる。テイツーは、カードの買取の速さと店の数で勝負する。品目の流行を読み、売り場の割り振りを素早く変えられるかが、この先の利益を左右する。
資本政策と M&A
還元は配当が中心で、年 3 億円ほどを配る。2026 年 2 月期は特別配当も上乗せした。業績に応じた配当が方針で、利益が細った年は配当も減らしてきた。株主優待として中古品の割引券を配り、会社の負担は年 0.3 億円前後と小さい。10 年の還元には、この負担の額を受け取りとして足した。
資本の使い方は、店の出店と台湾の子会社、ネット通販への投資だ。2025 年には台湾の山徳興業を完全子会社にした。カードの販売の会社 TORICO とも業務で手を組む。大きな買収はしていない。
大株主は福岡のワイ・エイ・ケイ・コーポレーションが 11%、個人の新沼吾史氏が 8% で、親会社はない。同業の駿河屋も 3% 弱を持つ。時価総額は小さく、カードの店の網を欲しい同業の買い手が現れる余地はある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
カードの人気は一時の流行ではなくなった。ポケモンカードは 30 年近く続き、大人の収集家と海外の買い手が市場を支える。新しい作品のカードも次々に出て、遊ぶ人と集める人の両方が増えている。テイツーの店は、その売り買いの場として根づいた。
査定の機械を自社で持つのは大きい。カードは 1 枚ずつ状態を見て値を付ける手間の多い商売だ。機械で査定が速くなれば、客を待たせず、店の人手も少なくて済む。その機械をほかの店に売れば、新しい稼ぎにもなる。
ゲームも新しいゲーム機が出たばかりで、この先数年はソフトの売買が続く。モールへの出店で若い客も増えた。借金がほとんどなく、稼いだ現金を店と通販に回せる。会社は通期の予想を上方修正したばかりで、勢いは続いている。今の値段は、この勢いをほとんど織り込んでいない。カードを集める人は景気が悪くても手放しにくく、需要の底は思ったより固い。台湾とネット通販という新しい売り先も、店の外で稼ぐ道を広げる。
慎重な見方
カードは流行の品で、値段には投機の色が濃い。人気のカードの値段が崩れれば、店の在庫の値打ちも一緒に下がる。過去にもカードの人気は何度も山と谷を繰り返した。今の過去最高益は、その山の上にある。
ゲームの店の商売は細っていく。ソフトはダウンロードで買う人が増え、中古の売買の数は減る。新しいゲーム機の特需は数年で終わる。本はもう売上の 6% にすぎない。
競争も厳しい。メルカリでは個人がカードを直接売り買いでき、店の取り分を経ずに済む。ブックオフやゲオもカードの売り場を広げている。テイツーの堀は薄く、熱気が冷めた時に客をつなぎ止める力は弱い。
2015 年から 4 年続けて赤字だったことを忘れてはならない。品目の流行が変われば、同じことが起きうる。今の値段は、その危うさを十分に織り込んでいるとは言えない。カードの在庫は相場で値段が決まり、崩れた時に売り抜けるのは難しい。店の数を増やした分だけ、家賃と人件費の重さも残る。
どちらに重みを置いたか
カードの熱気が長く続くという見方には一理ある。ただ、今の利益の多くが流行の山の上にあることも確かだ。中立はカードの熱気が少し冷め、ゲームが細る姿とした。楽観と悲観の言い分はほぼ拮抗しており、確率は真ん中を厚くし、悲観側をやや厚めにした。借金が無く倒れにくいことは、悲観の底を浅くする。熱気が冷める姿を中立に置いても、たまる現金を足せば今の値段はやや安い。
10 年後の 5 つの筋書き(2037/02 期)
確率で加重した株価時価総額 328 円204 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 64 円40 億円)。 今の値に割り戻すと 188 円117 億円、今との差 +45.4%、 期待の年率 +11.7%(資本コスト 8.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 652 円406 億円 | 93 円58 億円 | +477.4% | +19.2% | 74 円46 億円 |
| やや楽観 | 22% | 486 円303 億円 | 82 円51 億円 | +340.2% | +16.0% | 125 円78 億円 |
| 中立 | 36% | 360 円224 億円 | 71 円44 億円 | +233.5% | +12.8% | 155 円97 億円 |
| やや悲観 | 20% | 107 円67 億円 | 43 円27 億円 | +16.6% | +1.5% | 30 円19 億円 |
| 悲観 | 12% | 40 円25 億円 | 22 円14 億円 | −52.1% | −7.1% | 7 円5 億円 |
| 加重平均 | 100% | 328 円204 億円 | 64 円40 億円 | +203.7% | +11.7% | 392 円244 億円 |
今の株価時価総額 129 円80 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.5% を下回るほど割高。
楽観 10% 楽観:カードの人気が続き、店も通販も伸びる 利益 23 億円 · PER 15.5 倍 · 株価時価総額 652 円406 億円
カードの人気は世代を超えて続き、海外の買い手も増える。テイツーは査定の機械で買取の速さを磨き、カードを売りに来る客が集まる。1 店あたりのカードの売上は物価を上回って伸び、利益率は 8% に上がる。
ゲームは新しいゲーム機の特需の後も、中古のソフトの売買が粘る。モールへの出店で店は 175 店に増え、ネット通販とアジアへの販売も育つ。
営業利益は 37 億円台になり、借金のないまま現金がたまる。配当は利益に合わせて増え、優待も続く。カードの店の網を持つ会社として、同業からの提携や買収の声もかかる。
- トレーディングカード(中古・新品):数量 175(直営の店の数(店))× 価格 1.71(1 店あたりのトレカの売上(億円))→ 売上 300 億円・営業利益 24 億円。店 1.22 倍、1 店あたり 1.40 倍
- ゲーム(中古・新品):数量 175(直営の店の数(店))× 価格 1.31(1 店あたりのゲームの売上(億円))→ 売上 229 億円・営業利益 7 億円。ダウンロード化を中古の売買で埋める
- 本・ホビー・その他:数量 175(直営の店の数(店))× 価格 0.94(1 店あたりの売上(億円))→ 売上 165 億円・営業利益 7 億円。通販とアジア向けが伸びる
倍率:事業の純利益 23 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.1% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.5 倍。全体の PER 15.54 倍、時価総額 362 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:カードの市場が今の大きさを保って伸び、店の数も増える筋書き。過去最高益の勢いはあるが、流行の品が 10 年続く前例は少なく 1 割に置いた。
やや楽観 22% やや楽観:カードの熱気は少し落ち着き、店を増やして補う 利益 18 億円 · PER 14.9 倍 · 株価時価総額 486 円303 億円
カードの値段は落ち着くが、遊ぶ人と集める人は残る。1 店あたりのカードの売上は物価並みに近く伸び、利益率は 7.5% を保つ。
ゲームはダウンロード化で 1 店あたりの売上が実質で減るが、中古の売買が支える。店は 168 店に増え、モールの店が若い客を呼ぶ。本とホビーはネット通販で補う。
営業利益は 29 億円台になり、ROE は 11% 前後を保つ。借金はなく、現金は店と通販への投資と配当に回る。配当は利益に合わせて増え、優待も続く。カードの店としての看板は守られ、利益の水準も今より一段高い所で落ち着く。
- トレーディングカード(中古・新品):数量 168(直営の店の数(店))× 価格 1.53(1 店あたりのトレカの売上(億円))→ 売上 257 億円・営業利益 19 億円。店 1.17 倍、1 店あたり 1.25 倍
- ゲーム(中古・新品):数量 168(直営の店の数(店))× 価格 1.07(1 店あたりのゲームの売上(億円))→ 売上 180 億円・営業利益 5 億円。ダウンロード化で細る
- 本・ホビー・その他:数量 168(直営の店の数(店))× 価格 0.89(1 店あたりの売上(億円))→ 売上 150 億円・営業利益 5 億円。通販で補う
倍率:事業の純利益 18 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 15.8% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 12.1%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.9 倍。全体の PER 14.9 倍、時価総額 261 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:カードの人気が今より少し落ち着き、店の数の増加で補う筋書き。会社が予想を上方修正したばかりで勢いがあり、2 割強に置いた。
中立 36% 中立:カードの熱気が冷め、ゲームは細る 利益 14 億円 · PER 13.9 倍 · 株価時価総額 360 円224 億円
カードの人気は続くが、投機の熱は冷める。1 店あたりのカードの売上は名目で 1 割余り増えるにとどまり、利益率は 6.5% に下がる。
ゲームはダウンロードで買う人が増え、1 店あたりの売上は名目で横ばいになる。新品のゲーム機の特需は数年で終わり、利益率は 2% にとどまる。本とホビーは物価並みに少し伸びる。
店は 160 店に増える。営業利益は 22 億円台で、今の予想をやや上回る程度だ。借金はなく、純利益は 13 億円台になる。配当は利益の 3 割強で、優待も続く。カードとゲームの店として生き残るが、流行の山の利益は戻らない。
- トレーディングカード(中古・新品):数量 160(直営の店の数(店))× 価格 1.40(1 店あたりのトレカの売上(億円))→ 売上 223 億円・営業利益 15 億円。店 1.12 倍、1 店あたり 1.14 倍。物価並みの 1.34 倍に届かないのは、投機の熱が冷めて人気のカードの値段が下がるとみるため
- ゲーム(中古・新品):数量 160(直営の店の数(店))× 価格 1.19(1 店あたりのゲームの売上(億円))→ 売上 190 億円・営業利益 4 億円。1 店あたり名目で横ばい。物価並みに上げないのは、ソフトのダウンロード化で中古の売買の数が実質で 3 割近く減るとみるため
- 本・ホビー・その他:数量 160(直営の店の数(店))× 価格 0.89(1 店あたりの売上(億円))→ 売上 142 億円・営業利益 4 億円。物価並みに少し伸びる
倍率:事業の純利益 14 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.8% が k 8.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.6%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.9 倍。全体の PER 13.87 倍、時価総額 187 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:カードの人気が流行の山から少し下り、ゲームのソフトがダウンロードに流れる姿。どちらの見方にも決め手が無く、業界の向きに沿った姿として一番厚くした。
やや悲観 20% やや悲観:カードの値段が崩れ、利益が細る 利益 4 億円 · PBR 0.6 倍 · 株価時価総額 107 円67 億円
人気のカードの値段が崩れ、収集家と海外の買い手が離れる。店の在庫の値打ちが下がり、1 店あたりのカードの売上は名目で 2 割減る。利益率は 3% に落ちる。
ゲームはダウンロードに押され、中古のソフトの売買は大きく細る。店は採算の悪い所を閉め、140 店に減る。本とホビーも伸びない。
営業利益は 6 億円台に落ち、純利益は 3 億円台になる。配当は細り、優待も縮める。借金はないので会社は持ちこたえるが、ROE は資本コストに届かない。カードの熱気で上げた利益は、元の水準に戻る。株価は自己資本を下回る所まで売られる。
- トレーディングカード(中古・新品):数量 140(直営の店の数(店))× 価格 0.98(1 店あたりのトレカの売上(億円))→ 売上 137 億円・営業利益 4 億円。店 0.98 倍、1 店あたり 0.80 倍
- ゲーム(中古・新品):数量 140(直営の店の数(店))× 価格 0.83(1 店あたりのゲームの売上(億円))→ 売上 117 億円・営業利益 1 億円。中古のソフトが細る
- 本・ホビー・その他:数量 140(直営の店の数(店))× 価格 0.75(1 店あたりの売上(億円))→ 売上 106 億円・営業利益 2 億円。伸びない
倍率:PBR 0.59 倍を今の自己資本 70 億円に掛けた。ROE 3.1% で k を下回り、価値は稼ぐ力(純利益 3.5 億円 ÷ k 8.5% ≒ 41 億円)で測る。
確率:カードの投機の熱が冷めて値段が崩れる筋書き。過去にもカードの人気は山と谷を繰り返しており、2015 年から 4 年続けた赤字の実績もあるので 2 割に置いた。
悲観 12% 悲観:カードの山が崩れ、ゲームの店も赤字に 利益 −5 億円 · PBR 0.4 倍 · 株価時価総額 40 円25 億円
カードの値段が暴落し、在庫の評価損が出る。カードを売りに来る客も買いに来る客も減り、1 店あたりのカードの売上は名目で 4 割減る。カードの売り場は赤字になる。
ゲームのソフトはほとんどダウンロードで買われるようになり、店の売買は半分に細る。店は 120 店に減り、閉店の費用と減損が続く。
営業損失が続き、配当はほぼ止まる。優待もやめる。借金がないので会社は残るが、株主に残るのは在庫と現金の値打ちの一部だけだ。2015 年から 4 年続けた赤字の時代に戻る。在庫を処分して残る現金が、株主の取り分の大半になる。
- トレーディングカード(中古・新品):数量 120(直営の店の数(店))× 価格 0.73(1 店あたりのトレカの売上(億円))→ 売上 88 億円・営業利益 −2 億円。店 0.84 倍、1 店あたり 0.60 倍、赤字
- ゲーム(中古・新品):数量 120(直営の店の数(店))× 価格 0.65(1 店あたりのゲームの売上(億円))→ 売上 79 億円・営業利益 −2 億円。赤字
- 本・ホビー・その他:数量 120(直営の店の数(店))× 価格 0.63(1 店あたりの売上(億円))→ 売上 76 億円・営業利益 0 億円。損益ゼロ
倍率:PBR 0.357 倍を今の自己資本 70 億円に掛けた。純利益は赤字で、価値は売れる資産の床 25 億円で測る。積み上げた自己資本には掛けていない。
確率:カードの値段の暴落とゲームのダウンロード化が重なり、2015〜2018 年のような赤字に戻る筋書き。借金がなく倒れはしないので 1 割強に置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
トレーディングカード(中古・新品)
ポケモンカードなどの中古の買取と販売、新品のパックの販売。査定の機械 TAYS の外販も含む。
| 数量直営の店の数(店) | 価格1 店あたりのトレカの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2027/02 | 143 | 1.22 | 175 | 14 |
| 10 年後 中立 | 160 | 1.40 | 223 | 15 |
取り方:セグメント開示が無いので推定。2026/02 期のトレカの売上 168 億円(中古 81・新品 87)に伸びを足し、2027/02 予想の売上 435 億円の 4 割として 175 億円。店は 175 店から提携・FC 32 店を除く 143 店。利益は予想の営業利益 20 億円を、中古の比率が高く粗利の厚いトレカに厚く按分した推定。
ゲーム(中古・新品)
ゲーム機とソフトの新品の販売、中古の買取と販売。
| 数量直営の店の数(店) | 価格1 店あたりのゲームの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2027/02 | 143 | 1.19 | 170 | 4 |
| 10 年後 中立 | 160 | 1.19 | 190 | 4 |
取り方:2026/02 期のゲームの売上 167 億円(新品 100・中古 65)から 170 億円と推定。新品のゲーム機は粗利が薄く、利益率 2% 前後と推定。
本・ホビー・その他
古本、ホビー、スマートフォン、衣料など。ネット通販と台湾の子会社を含む。
| 数量直営の店の数(店) | 価格1 店あたりの売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2027/02 | 143 | 0.63 | 90 | 3 |
| 10 年後 中立 | 160 | 0.89 | 142 | 4 |
取り方:予想の売上 435 億円からトレカとゲームを引いた 90 億円。利益は推定。
リスクと懸念
カードの値段の崩れ
売上の 4 割がトレカで、人気のカードの値段には投機の色がある。値段が崩れれば、売上だけでなく店の在庫の値打ちも下がる。
ゲームのダウンロード化
ゲームのソフトをネットから買う人が増え、中古のソフトの売買は年々細る。新しいゲーム機の特需は数年で終わる。
個人どうしの売買
メルカリなどでは、個人がカードやゲームを直接売り買いできる。店で売り買いする理由が薄れれば、買取の量が減る。
同業との競争
ブックオフやゲオ、駿河屋、カードの専門店がカードの売り場を広げている。テイツーの堀は薄く、客を取り合う。
在庫の評価
中古の品は相場で値段が動く。在庫の回転が遅れれば、評価損で利益が消える。2015 年から 4 年続けて赤字だった。
今後の分かれ目
- トレカの売上が 2 年続けて前年を下回る
- 中立のトレカの 1 店あたりの売上を下げ、やや悲観の確率を上げる。
- 査定の機械 TAYS の外販が年 10 億円を超える
- 新しい稼ぎの柱とみて、やや楽観の確率を上げる。
- 営業利益率が 3 期続けて 5% を超える
- 中立の利益率を上げる。
- 同業から資本提携や買収の提案を受ける
- 提示の値段で考える。
- ゲームの中古の売上が年 1 割以上減る
- 中立のゲームの利益率を 1% に下げる。
見ておくもの
- トレカの売上(2026/02 期 168 億円)
- ゲームの中古の売上
- 営業利益率(2027/02 予想 4.6%)
- 店の数と既存店の売上
- 在庫の回転
倍率と資本コストの決め方
倍率は ROE・g・k の式だけで決め、今の PER や同業の倍率は見ていない。中立の PER 11.8 倍は正当化 PER の約 97% で、1÷k の下限に沿う。過去最高益の 2027/02 予想をそのまま 10 年に伸ばさず、カードの熱気が冷める姿を中立にした。店の賃借は解約不能のリースが無いと開示されており、家賃は今の形で営業費用に入れた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 12.5→15.54 倍・やや楽観 PER 12.2→14.9 倍・中立 PER 11.8→13.87 倍)。
資本コスト 8.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本 7.5% + quality 1.0% = 8.5%。同じ領域のブックオフ(7.75%)・トレジャー・ファクトリー(7.5%)・ハードオフ(7.25%)より、流行の品の比重が大きい分だけ高い。