結論
マミーマートホールディングスは、埼玉県を中心に食品スーパーを 84 店(2025 年 9 月末)運営する会社だ。業態は、従来型のマミーマート、ディスカウント型の生鮮市場TOP!、小型のマミープラスの 3 つ。営業収益は 1,937 億円(2025 年 9 月期)、営業利益は 67.4 億円。
筆者の結論は、10 年の価値が今の時価総額(472 億円)を上回る、というものだ。いちばんの理由は、店舗網を広げて売上を伸ばす力が実際にあること。2025 年 9 月期は営業収益が 20.5% 増え、既存店も 9.9% 伸びた。
一方で、利益率は下がっている。営業利益率は 4.1% から 3.5% に落ちた。安売りの業態が増えて粗利益率が下がり、賃金も 7.8% 上がった。2026 年 9 月期の第 3 四半期までは、営業収益が 20.5% 増えても営業利益は 0.7% 増にとどまる。
財務は、自己資本比率 48.8% と一見厚い。ただし家賃にあたるリース債務が 159 億円、短期借入金が 40 億円ある。出店のたびに固定の支払いが増える。
筆者がいちばん気にしているのは、出店の採算が会社の読みどおりに育つかだ。経常利益率が 4% に戻る時期を、会社自身が 2031 年 9 月期ごろと見て、当初計画より 1〜2 年遅らせた。
バリュー投資の観点から
価値投資の目で見ると、マミーマートは「伸びる力は本物だが、その伸びが利益率を削っている」会社だ。
よい点は 4 つある。既存店が 9.9% 伸び、客数も増えた。改装店の利益が 3 年で 5 倍に育った実績がある。惣菜と生鮮の商品力が高く、賞を重ねている。EBITDA が 100 億円を超え、稼ぐ力は広がっている。
気になる点は、利益率の低下と、固定の支払いの増加だ。営業利益率は 4.1% から 3.5% に下がり、第 3 四半期までの営業利益は 0.7% 増にとどまる。リース債務が 159 億円あり、新店のたびに増える。
筆者は、中立で出店は会社の計画の半分ほど、営業利益率は 3.0% と見る。営業利益は 117 億円、ROE は 9% で、資本コスト 7.5% を少し上回る。
市場は、今の PER 9 倍・PBR 1.1 倍で、この伸びがほとんど利益に結びつかないと読んでいるとみられる(kabufu の推計で 10 年以内の TOB・買収の確率は 23.5%)。中立で見ても安い側、というのが筆者の見方だ。
何で稼ぐ会社か
マミーマートホールディングスは、埼玉県を中心に、東京、千葉、群馬、栃木、茨城で食品スーパーを営む。2025 年 10 月 1 日に持株会社体制へ移り、スーパー事業は新設の分割会社に移った。連結従業員は 1,137 人、パートは年平均 3,759 人(8 時間換算)。
店舗は、2025 年 9 月末で 84 店。マミーマートが 35 店、生鮮市場TOP!が 34 店、マミープラスが 15 店。ほかに温浴施設と葬祭が 1 つずつある。2026 年 3 月に 90 店になった。マミーマートは減り、TOP! とマミープラスが増えている。
売上の 99.7% が小売。2025 年 9 月期の営業収益は 1,936.89 億円で、そのうち営業収入(テナント賃料など)が 23.0 億円。営業総利益は 445.0 億円(粗利益率 23.3%)、販売費及び一般管理費は 377.6 億円。営業利益は 67.4 億円、純利益は 52.5 億円。
強みは生鮮と惣菜。自社の惣菜工場を持ち、お弁当・惣菜大賞を 13 年続けて受けている。精肉・鮮魚の加工センターと物流センターへの投資も進む。
財務は、総資産 868 億円、純資産 424 億円。現金 25.2 億円に対して、短期借入金 40.0 億円、リース債務 159.1 億円。営業 CF は 101.8 億円、設備投資は 77.9 億円(新規出店 41、改装 18)。
優良さと弱いところ
堀は、地域の店舗網と、生鮮・惣菜の商品力。埼玉の同じ商圏に店を重ねて、物流と加工の費用を分け合う。ほかの店が真似しにくい自社の惣菜工場もある。
業態転換は成果が出ている。会社の資料では、改装した店の利益は、改装前を 100 とすると 1 年目に −4、2 年目に 415、3 年目に 512 まで育つ。ただし 1 年目は一時的に悪化するので、改装と新店が多い期は利益が伸びにくい。
弱いのは、価格を決める力。安売りの TOP! を増やすほど、粗利益率は下がる(24.7% から 23.3%)。人件費は 24.7 億円増えた。賃上げは社員 +7.8%・パート +5.9%。値上げで転嫁する力は、競合の多い関東では限られる。
財務は一見厚い。ただし家賃にあたるリース債務が 159 億円あり、新店のたびに増える。短期借入金も 2026 年 6 月に 74 億円まで増えた。固定の支払いが増えるほど、売上が落ちた時の利益の減りが大きい。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
食品スーパーは、人口が減る中で、店舗数を増やした会社が勝つ業界だ。食べる量は変わらないので、売上は物価と店の数で決まる。
利益の分かれ目は、粗利益率と人件費。生鮮の相場、安売りの強さ、惣菜の自社加工で粗利益率が決まる。人件費が最大の費用で、最低賃金の上昇がそのまま響く。家賃(リース)は固定で、売上が落ちても減らない。
関東は店舗の密度が高い。地場チェーン、広域チェーン、ドラッグストア、ディスカウント業態が出店を競う。新店は立ち上がるまで赤字になりやすく、出店が多い期ほど利益率が下がる。
金利が上がると、リース債務と借入の利息が増える。設備資金は主に固定金利で借りているが、新しい借り入れは高くなる。
全国チェーンと比べると、地域のスーパーは仕入れの規模で劣る。その差を、自社の加工センターと惣菜、地域に密着した品ぞろえで埋められるかが、この会社の勝負になる。
分かれ目は、新店と改装店が育つ速さ、粗利益率の低下をどこで止めるか、賃金の上昇を価格に移せるか、の 3 つだ。この 3 つで、利益率の高低が決まる。
資本政策と M&A
配当は、配当性向 20% を目安に出す。2025 年 9 月期は総額 10.5 億円、性向 20.0%。会社は 2029 年 9 月期まで性向 20% を保ち、成長投資を優先する。安定成長に入った段階で還元を広げる方針で、2030 年 9 月期以降が目安だ。
成長投資は、新店 10 店前後を毎年、プロセスセンター、物流センター、DX、M&A。2026 年 9 月期の投資 CF は 130 億円の計画で、営業 CF の 101.8 億円を超える。足りない分は借入とリースでまかなう。
実行済みの自社株買いはなく、自己株式は発行済みの 7.3% を持つ。大株主は筆頭のライブ・コアが 32.5%、住友商事が 21.6%、マミーマート共栄会が 8.3%(2025 年 9 月末の有価証券報告書)。
株主優待もある。100 株以上、継続保有 1 年以上で、1,000 円分の優待券を出す(権利確定は 3 月末と 9 月末)。株主数は 7,844 人で、費用は年 0.2 億円ほどと推計され、1 億円に届かない。価値への差は 1 ポイント未満のため、還元には足していない。
余った現金はない。自己資本比率は 48.8% と厚く見えるが、リース債務 159 億円と借入 40 億円を持つので、実質の負債は自己資本の 4 割ほどある。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
出店の勢いは本物だ。2025 年 9 月期は新店 6 店、業態転換 8 店、活性化改装 2 店の計 16 店。営業収益は 20.5% 増、既存店は 9.9% 増で、客数も 6.5% 増えた。
改装の効果が大きい。業態転換した店の利益は、3 年目に改装前の約 5 倍になる。今は新店と改装の費用が先に出ているだけで、店が育てば利益が積み上がる。
会社の計画は大きい。2029 年 9 月期の営業収益を 3,000 億円(3,500 億円に上げる見通しとも報じられた)とし、長期は 5,000 億円・税後利益 150 億円を掲げる。TOP! は 2027 年 12 月に 52 店の計画だ。全社の 1 店舗あたり売上は、2020 年の 17.2 億円から 25.9 億円に伸びた。
自社の加工センターと物流センターが回り始めた。3 月に移った新しい物流センターは、既存店に加えて 40 店を受け入れられる。鮮魚の加工センターも動いている。
M&A の対応体制も、持株会社化で整えた。業界の再編が進めば、同業の店を買って店舗網を一気に広げる道もある。強気側は、出店が計画どおり進み、営業利益が 200 億円を超える筋書きだ。
慎重な見方
増収でも増益になっていない点が、いちばんの弱みだ。2026 年 9 月期の第 3 四半期までは、営業収益が 20.5% 増えたのに、営業利益は 0.7% 増。2025 年 9 月期も、営業収益 20.5% 増に対して営業利益は 4.8% 増だった。
安売りの業態が増えるほど、粗利益率は下がる。会社は販管費率の低下で補うとするが、2025 年 9 月期は営業利益率が 4.1% から 3.5% に落ちた。人件費は 24.7 億円増え、賃上げは続く。
出店は競争の激しい関東で続く。新店は立ち上がるまで赤字になりやすく、会社自身も、経常利益率が 4% に戻る時期を 2031 年 9 月期ごろに遅らせた。
固定の支払いも増える。リース債務は 1 年で 43 億円増え、159 億円になった。短期借入金も 2026 年 6 月に 74 億円まで増えた。売上が落ちれば、家賃は減らず、利益が大きく減る。
過去にも谷はあった。2019 年 9 月期の営業利益は 16.4 億円で、営業利益率は 1.5%。2018 年 9 月期は営業黒字のまま、純損失を出した。
さらに、大株主の 2 社(ライブ・コアと住友商事)で 5 割を超える。持ち株の過半を 2 社が握り、少数株主の意見は通りにくい。
どちらに重みを置いたか
伸びる力と改装の実績は、強気の見方を支える。ただし増収が増益に結びつかず、固定の支払いも増えている。中立では、出店は計画の半分ほどにとどまり、営業利益率は 3.0%、ROE は 9%。この条件で価値は今の時価総額を上回る、と筆者は見る。出店が止まる悲観では、家賃の重さで価値が大きく減る。ただし利益の伸びは第 3 四半期でまだ鈍く、割安と言い切れる材料はそろっていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/09 期)
確率で加重した株価時価総額 2,152 円1,077 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 331 円166 億円)。 今の値に割り戻すと 1,275 円638 億円、今との差 +37.2%、 期待の年率 +10.3%(資本コスト 7.5%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 4,539 円2,272 億円 | 601 円301 億円 | +453.3% | +18.7% | 411 円206 億円 |
| やや楽観 | 22% | 3,285 円1,645 億円 | 438 円219 億円 | +300.7% | +14.9% | 819 円410 億円 |
| 中立 | 37% | 2,368 円1,185 億円 | 324 円162 億円 | +189.7% | +11.2% | 996 円499 億円 |
| やや悲観 | 24% | 726 円363 億円 | 218 円109 億円 | +1.5% | +0.2% | 226 円113 億円 |
| 悲観 | 9% | 179 円90 億円 | 162 円81 億円 | −63.3% | −9.5% | 31 円15 億円 |
| 加重平均 | 100% | 2,152 円1,077 億円 | 331 円166 億円 | +167.3% | +10.3% | 2,483 円1,243 億円 |
今の株価時価総額 929 円465 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.5% を下回るほど割高。
楽観 8% 出店が計画どおり進み、TOP! が 90 店に達して、営業利益が 200 億円を超える 利益 145 億円 · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 4,539 円2,272 億円
出店と業態転換が会社の計画どおりに進む。生鮮市場TOP!は 90 店に広がり、マミープラスも 30 店になる。マミーマートは 20 店に減る。
営業収益は 5,545 億円、2025 年 9 月期の 2.9 倍。物価で 1.34 倍、店舗の増加で 2.1 倍ほどが加わる。営業利益率は 3.8% で、過去の最高 4.4% を下回る。
本部の費用は 40 億円。物流センターと鮮魚・精肉のプロセスセンターが回り、人件費の増加を吸収する。営業利益は 209 億円、純利益は 145 億円。
配当は純利益の 3 割。自己資本は 1,126 億円まで増え、ROE は 13% と資本コストを上回る。M&A が加われば、さらに上振れする。
- マミーマート(従来型の総合食品スーパー):数量 20.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 30(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 602 億円・営業利益 22 億円。店舗数 0.53 倍・1 店舗あたり売上 1.40 倍・営業利益率 3.6%
- 生鮮市場TOP!(ディスカウント型の生鮮強化店):数量 90.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 41(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 3,694 億円・営業利益 177 億円。店舗数 3.10 倍・1 店舗あたり売上 1.44 倍・営業利益率 4.8%
- マミープラス(小型の生鮮・惣菜強化店):数量 30.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 42(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 1,250 億円・営業利益 50 億円。店舗数 3.00 倍・1 店舗あたり売上 1.42 倍・営業利益率 4.0%
倍率:事業の純利益 145 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 12.9% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 10.2%、10 年より先の名目の伸び g 3.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.7 倍。全体の PER 15.68 倍、時価総額 2,272 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社の長期目標は営業収益 5,000 億円・税後利益 150 億円で、2029 年 9 月期の目標は営業収益 3,000 億円(3,500 億円に上げる見通しとも報じられた)。2025 年 9 月期は 1,937 億円。目標どおりなら強気側だが、関東は競争が激しく、出店のペースが 10 年続くかは疑わしい。確率は 1 割弱にとどめた。
やや楽観 22% 新店と業態転換が順調に育ち、営業利益が 160 億円ほどになる 利益 110 億円 · PER 15.0 倍 · 株価時価総額 3,285 円1,645 億円
新店を毎年 10 店前後出し、業態転換を進める。TOP! は 72 店、マミープラスは 28 店、マミーマートは 22 店になる。
営業収益は 4,650 億円、今の 2.4 倍。既存店は物価並みに伸び、改装店は 3 年目に利益が大きく育つ。営業利益率は 3.4%。
本部の費用は 34 億円に増える。営業利益は 159 億円、純利益は 110 億円。
配当は純利益の 27%。会社は 2029 年 9 月期まで性向 20% を保ち、安定成長に入った段階で還元を広げるとしている。自己資本は 1,016 億円で、ROE は 11%。
- マミーマート(従来型の総合食品スーパー):数量 22.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 29(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 643 億円・営業利益 22 億円。店舗数 0.58 倍・1 店舗あたり売上 1.36 倍・営業利益率 3.4%
- 生鮮市場TOP!(ディスカウント型の生鮮強化店):数量 72.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 40(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 2,873 億円・営業利益 129 億円。店舗数 2.48 倍・1 店舗あたり売上 1.40 倍・営業利益率 4.5%
- マミープラス(小型の生鮮・惣菜強化店):数量 28.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 40(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 1,134 億円・営業利益 42 億円。店舗数 2.80 倍・1 店舗あたり売上 1.38 倍・営業利益率 3.7%
倍率:事業の純利益 110 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.8% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.2%、10 年より先の名目の伸び g 3.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.9 倍。全体の PER 14.95 倍、時価総額 1,644 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:新店 10 店前後を毎年続け、改装店が 3 年目に改装前の利益の約 5 倍に育つ(会社資料の実績)筋書き。2025 年 9 月期は既存店 +9.9% で、客数も増えた。営業利益率は 3.4% と、過去最高 4.4% より低めに置く。強気側の中心として 2 割強を置いた。
中立 37% 出店は計画の半分ほどにとどまり、営業利益率は 3.0%、営業利益は 117 億円 利益 81 億円 · PER 14.3 倍 · 株価時価総額 2,368 円1,185 億円
出店は会社の計画の半分ほどにとどまる。TOP! は 58 店、マミープラスは 23 店、マミーマートは 24 店。合計 105 店は、今の 77 店(年間換算)の 1.4 倍。
営業収益は 3,844 億円で、今の 2 倍。物価で 1.34 倍、店舗の増加と TOP! への転換で 1.5 倍ほどが加わる。営業利益率は 3.0%。TOP! のような安売りの業態が増えて粗利益率が下がり、販管費率の低下では補いきれない。
本部の費用は 16 億円から 30 億円に増える。営業利益は 117 億円、純利益は 81 億円。
配当は純利益の 25%。自己資本は 424 億円から 911 億円に増える。ROE は 9% で、資本コストを少し上回る。
- マミーマート(従来型の総合食品スーパー):数量 24.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 29(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 691 億円・営業利益 22 億円。店舗数 0.63 倍・1 店舗あたり売上 1.34 倍・営業利益率 3.2%
- 生鮮市場TOP!(ディスカウント型の生鮮強化店):数量 58.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 39(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 2,248 億円・営業利益 94 億円。店舗数 2.00 倍・1 店舗あたり売上 1.36 倍・営業利益率 4.2%
- マミープラス(小型の生鮮・惣菜強化店):数量 23.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 39(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 904 億円・営業利益 31 億円。店舗数 2.30 倍・1 店舗あたり売上 1.34 倍・営業利益率 3.4%
倍率:事業の純利益 81 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.3% が k 7.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.4%、10 年より先の名目の伸び g 3.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.3 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.3 倍。全体の PER 14.31 倍、時価総額 1,155 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026 年 9 月期の会社計画は営業利益 70 億円(+3.8%)で、営業収益 +16% に対して利益は伸びが鈍い。新店の立ち上がり費用が先行している。10 年の出店は会社計画の半分ほどとし、利益率は過去 12 年の最高 4.4% より低い 3.0% に置く。最もありそうな筋書きとして 37% を置いた。
やや悲観 24% 関東のオーバーストアで出店が鈍り、賃金に利益を削られて営業利益は 62 億円 利益 42 億円 · PBR 0.8 倍 · 株価時価総額 726 円363 億円
関東の出店余地が細り、競合との出店争いで採算が悪化する。出店は鈍り、TOP! は 48 店、マミープラスは 16 店、マミーマートは 28 店。
1 店舗あたりの売上は物価に追いつかない。客単価の伸びが鈍り、値下げで客を取る。営業利益率は 2.0% に下がる。
本部の費用は 22 億円。賃金は上がり続け、店舗の固定費が重い。営業利益は 62 億円、純利益は 42 億円。
配当は純利益の 25%。自己資本は 751 億円まで増えるが、ROE は 6% と資本コストに届かない。家賃は固定の支払いで、リース債務の 159 億円は残る。
- マミーマート(従来型の総合食品スーパー):数量 28.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 28(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 771 億円・営業利益 17 億円。店舗数 0.74 倍・1 店舗あたり売上 1.28 倍・営業利益率 2.2%
- 生鮮市場TOP!(ディスカウント型の生鮮強化店):数量 48.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 36(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 1,751 億円・営業利益 53 億円。店舗数 1.66 倍・1 店舗あたり売上 1.28 倍・営業利益率 3.0%
- マミープラス(小型の生鮮・惣菜強化店):数量 16.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 38(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 601 億円・営業利益 14 億円。店舗数 1.60 倍・1 店舗あたり売上 1.28 倍・営業利益率 2.4%
倍率:稼ぐ力は細るが、土地と保証金の厚みが下値を支える。売れる資産から負債と撤退費用を引いた約 174 億円を床とし、事業の利益(純利益 42 億円)に PER 8 倍を掛けた約 330 億円とした。今の自己資本 423.7 億円に PBR 0.779 倍を掛けた値。
確率:営業利益率は 2019 年 9 月期に 1.5% まで落ちた実績がある。賃金は 2025 年 9 月期に社員 +7.8%・パート +5.9% と上がり、売上が物価並みに伸びなければ利益を食う。すでに起きた水準に近いため、強気側より厚く 24% を置いた。
悲観 9% 出店が止まり、新店の赤字と賃金・家賃の上昇で、営業利益がほぼ消える 利益 12 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 179 円90 億円
出店は止まり、業態転換の途中の店が重荷になる。新店の立ち上がりが読みより遅く、減損が出る。マミーマートは 33 店、TOP! は 38 店、マミープラスは 13 店。
1 店舗あたりの売上は 10 年で 1.1 倍しか伸びず、物価に大きく届かない。賃金と家賃は物価並みに上がる。営業利益率は 0.8% まで落ちる。
本部の費用は 21.5 億円で、物価並みに増える。営業利益は 19 億円、純利益は 12 億円。
配当は純利益の 3 割。減配は避けたいが、利益が薄ければ余裕がない。自己資本は 613 億円ほどで、ROE は 2% にとどまる。
- マミーマート(従来型の総合食品スーパー):数量 33.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 24(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 781 億円・営業利益 10 億円。店舗数 0.87 倍・1 店舗あたり売上 1.10 倍・営業利益率 1.3%
- 生鮮市場TOP!(ディスカウント型の生鮮強化店):数量 38.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 31(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 1,191 億円・営業利益 24 億円。店舗数 1.31 倍・1 店舗あたり売上 1.10 倍・営業利益率 2.0%
- マミープラス(小型の生鮮・惣菜強化店):数量 13.0(年間換算の店舗数(店))× 価格 32(1 店舗あたり年間売上(億円・名目))→ 売上 420 億円・営業利益 6 億円。店舗数 1.30 倍・1 店舗あたり売上 1.10 倍・営業利益率 1.5%
倍率:営業利益がほぼ消え、稼ぐ力は値を支えない。売れる資産から負債と撤退費用を引くと約 19 億円と薄い。純利益 12 億円に PER 7〜8 倍を掛けた約 90 億円とし、今の自己資本 423.7 億円に PBR 0.212 倍を掛けた値。
確率:2018 年 9 月期は営業黒字のまま純損失 12.9 億円を出した前例がある。出店コストと家賃・賃金の上昇に、競争による値下げが重なる筋書き。確率は低いが、前の谷が実際に起きているので 1 割弱を置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
マミーマート(従来型の総合食品スーパー)
埼玉県を中心にした従来型の総合食品スーパー。2025 年 9 月末で 35 店。8 店が生鮮市場TOP!などに業態転換して減った。1 店あたりの売上は 3 業態で最も小さい推計。
| 数量年間換算の店舗数(店) | 価格1 店舗あたり年間売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 38.0 | 22 | 817 | 31 |
| 10 年後 中立 | 24.0 | 29 | 691 | 22 |
取り方:2025/09 期の営業収益 1,936.89 億円(営業収入 23.0 億円を含む)を、期末の店舗数(マミーマート 35・TOP! 34・マミープラス 15)と期中の出店時期から年間換算店舗数 77 に直し、業態別に配分した推計(業態別の売上は開示なし。全社の 1 店舗あたり平均は会社資料で約 25.9 億円)。この業態の年間換算店舗数は 38、売上は約 817 億円、営業利益は約 31.0 億円(本部費用を引く前)。10 年の中立は、店舗が 38 から 24 に減り(TOP! などへの業態転換)、1 店舗あたり売上は 1.34 倍(物価並み)。営業利益率は 3.2%(今の推計 3.8%)。悲観では 1 店舗あたり売上が物価に追いつかない(競合との値下げ競争)と置く。 【数量・率の点検】数量は店舗数で、価格は名目。二重がけなし。
生鮮市場TOP!(ディスカウント型の生鮮強化店)
生鮮(青果・鮮魚・精肉)と惣菜を安く大量に売るディスカウント型。2025 年 9 月末で 34 店(前期末比 +7)。出店と業態転換の主役で、2026 年 9 月に 43 店、2027 年 12 月に 52 店を計画する。
| 数量年間換算の店舗数(店) | 価格1 店舗あたり年間売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 29.0 | 29 | 827 | 41 |
| 10 年後 中立 | 58.0 | 39 | 2,248 | 94 |
取り方:2025/09 期の営業収益 1,936.89 億円(営業収入 23.0 億円を含む)を、期末の店舗数(マミーマート 35・TOP! 34・マミープラス 15)と期中の出店時期から年間換算店舗数 77 に直し、業態別に配分した推計(業態別の売上は開示なし。全社の 1 店舗あたり平均は会社資料で約 25.9 億円)。この業態の年間換算店舗数は 29、売上は約 826 億円、営業利益は約 41.3 億円(本部費用を引く前)。10 年の中立は、店舗が 29 から 58 に倍増し、1 店舗あたり売上は 1.36 倍(物価に、業態転換の上積みを少し足した)。営業利益率は 4.2%(今の推計 5.0%。粗利率が低いディスカウント業態が増え、人件費も重い)。悲観では 1 店舗あたり売上が物価に追いつかない。 【数量・率の点検】数量は店舗数で、価格は名目。二重がけなし。
マミープラス(小型の生鮮・惣菜強化店)
小型の生鮮・惣菜強化店。2025 年 9 月末で 15 店(前期末比 +7)。2026 年 4 月に鮮魚プロセスセンターが動き始め、7 店分の鮮魚を加工して供給する。
| 数量年間換算の店舗数(店) | 価格1 店舗あたり年間売上(億円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/09 | 10.0 | 29 | 293 | 11 |
| 10 年後 中立 | 23.0 | 39 | 904 | 31 |
取り方:2025/09 期の営業収益 1,936.89 億円(営業収入 23.0 億円を含む)を、期末の店舗数(マミーマート 35・TOP! 34・マミープラス 15)と期中の出店時期から年間換算店舗数 77 に直し、業態別に配分した推計(業態別の売上は開示なし。全社の 1 店舗あたり平均は会社資料で約 25.9 億円)。この業態の年間換算店舗数は 10、売上は約 293 億円、営業利益は約 11.1 億円(本部費用を引く前)。10 年の中立は、店舗が 10 から 23 に増え、1 店舗あたり売上は 1.34 倍。営業利益率は 3.4%(今の推計 3.8%)。悲観では 1 店舗あたり売上が物価に追いつかない。 【数量・率の点検】数量は店舗数で、価格は名目。二重がけなし。
リスクと懸念
粗利益率の低下
安売りの業態が増え、粗利益率は 24.7% から 23.3% に下がった。営業利益率は 4.1% から 3.5%。販管費率の低下で補えるかが分かれ目になる。
賃金の上昇
賃上げは社員 +7.8%・パート +5.9%(2025 年 9 月期)。人件費は 24.7 億円増えた。最低賃金の上昇は続く。
新店の立ち上がりの遅れ
会社は経常利益率が 4% に戻る時期を 2031 年 9 月期ごろに遅らせた。立ち上がりが読みより遅いと、減損が出る。
固定の支払いの増加
リース債務は 159 億円で、1 年で 43 億円増えた。短期借入金も 2026 年 6 月に 74 億円。売上が落ちれば家賃は減らず、利益が大きく減る。
生鮮相場と競争
青果・鮮魚・精肉の相場が粗利益率を揺らす。関東はオーバーストアで、値下げ競争が起きやすい。
金利と災害
設備資金は主に固定金利だが、新しい借り入れは高くなる。首都直下地震などで店舗が止まるリスクも、会社が挙げている。
今後の分かれ目
- 2026 年 9 月期の営業利益が会社計画(70 億円)を超え、第 4 四半期に利益率が戻る
- 新店の立ち上がりが読みより早い証拠。中立の営業利益率を 3.0% から 3.3% に上げ、強気側に寄る。
- 営業収益が増えても、営業利益が 2 期続けて横ばい
- 安売り業態の粗利益率の低下が止まらない兆し。中立を 2.5% 台に下げ、慎重側に寄る。
- TOP! への業態転換が、計画の 52 店(2027 年 12 月)に届かない
- 出店と転換のペースが鈍る兆し。中立の店舗数を下げ、慎重側に寄る。
- 新店で減損が出る、または閉店を発表する
- 立ち上がりの遅れが確かになる。中立の利益率を下げ、悲観の確率を上げる。
- 配当性向を 20% から引き上げる、または自社株買いを発表する
- 成長投資が一段落した合図。中立の還元を 25% から 35% に上げる。
- 同業の店舗を買う M&A を発表する
- 店舗網が一気に広がる。買収の価格と採算を確認し、強気側の確率を見直す。
見ておくもの
- 営業利益(2026 年 9 月期の会社計画は 70 億円)と、営業収益に対する利益の伸び
- 営業利益率(2025 年 9 月期は 3.5%)と、粗利益率(23.3%)
- 店舗数(2025 年 9 月末は 84 店)と、TOP! の店数(34 店)。計画は 2027 年 12 月に 52 店
- 既存店の売上(2025 年 9 月期は +9.9%)と、客数の伸び
- リース債務(159 億円)と短期借入金(40 億円)、営業 CF と設備投資の差
- 人件費の増加と賃上げ率(社員 +7.8%・パート +5.9%)
倍率と資本コストの決め方
3 つの業態を、店舗数(実物)と 1 店舗あたり売上(名目)に分けて積んだ。業態別の売上は開示がなく、店舗数の推移と平均 25.9 億円から推計した。営業収益の合計は実績どおり。価格は 10 年 1.10〜1.44 倍。営業利益率は過去最高 4.4% を超えない 3.0% に置き、本部の費用は物価の 1.34 倍より多く増やした。資本コストは基本 7.5% に quality −0.25% で k は 7.5%。倍率は ROE から式で出し、今の PER や PBR からは置かなかった。余った現金はなく、持ち合い株もないので二重に数えていない。家賃(リース)は営業費用に入った今の姿で置いた。リース会計の見直しで将来、家賃が負債と利息に移ると、営業利益は上がり、純利益はほぼ変わらない。結果、価値は時価総額 472 億円を上回った。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.7→15.68 倍・やや楽観 PER 13.6→14.95 倍・中立 PER 13.3→14.31 倍)。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。