結論
フジタコーポレーションは、北海道を地盤に外食店を運営する会社だ。ミスタードーナツ、モスバーガー、牛角などの加盟店が中心で、売上は 50 億円ほどになる。道内の定番ブランドを、地域に根を張って運営する会社だ。筆者は、今の値段を割高と見る。10 年後に積み上がる価値は、今の時価総額の 3 割に届かない。
理由は、利益の薄さと借金の重さだ。2026 年 3 月期は営業利益が 1.6 億円と過去 12 年で最高だったが、営業利益率は 3% 台にすぎない。純有利子負債は 17 億円で、自己資本の約 5 倍にのぼる。金利が上がる世界では、この借金が利益を削る。
救いは、近年の利益の改善と、地元の定番ブランドを持つ点だ。だが北海道の人口は減り、人件費と家賃は物価で上がり続ける。会社の来期予想も経常利益は 8% 減る。
もっとも、店は地域に根づいており、すぐに崩れる事業ではない。問題は、その強みが株主に残る利益に変わる余地が小さいことにある。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、フジタコーポレーションは、持ち続けたい会社ではない。ブランドの店を長く運営する実務の力はあるが、利益が株主に残りにくい構造だ。
ドーナツやバーガーは、価格と設備の基準を本部が決める。家賃と人件費は固定に近く、売上が落ちると利益が一気に消える。過去 12 年の営業利益率は 3% 台が最高で、堀と呼べるほどの強みは見当たらない。
借金が 17 億円あり、自己資本は 3.5 億円ほどしかない。金利が上がるほど、利益のうち株主に残る部分は細る。時価総額は自己資本の約 4.5 倍で、稼ぐ力から見ても高い。
10 年先に残る純利益は 1 億円弱とみる。それに見合う値段は、今の 3 割に届かない。
経営が新規事業よりも本業の採算と返済を優先するかが、これからの見どころだ。買収で価値が顕在化する以外に、安全域を見いだしにくい。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの源は、ドーナツやバーガーを売る店だ。会社は北海道苫小牧市で 1978 年に生まれ、ミスタードーナツ、モスバーガー、牛角、はなまるうどんなどの加盟店を運営してきた。店は北海道を中心に、青森・岩手・宮城にもある。
売上の大半は、こうした加盟店の来店客からの売上だ。客単価は千円足らずとみられ、駅前や郊外の店で、朝から夜まで客を回す形をとる。薄利多売で、来店客数が利益を決める。自社で育てた丼ものの業態「かつてん」では、加盟店を募る本部の役割も果たす。
外食のほかに、宝くじの販売、物販、食品製造の事業を持つ。2021 年には黒松内町の指定管理を受けて食品製造に入り、2026 年 9 月には北海道の酪農家、市川牧場を連結子会社にすると決めた。道産の食材を自前で確保し、アグリ事業を広げる狙いだ。取得額は 1.1 億円と小さい。
店は賃借が多いと推定され、家賃は売上に関係なく払う固定の約束になる。本部のブランドを借りる事業なので、メニューや価格、改装の基準は本部が決める。加盟店は本部に商品代とロイヤルティを払い、自社で決められるのは人の配置と店の運営の質だ。
優良さと弱いところ
優良さは低い。地元に根づいた定番ブランドの加盟店を長く運営してきたことは強みだが、利益率は薄く、借金が重い。
過去 12 年の営業利益率は、最も良い年でも 3% 台にとどまる。2026 年 3 月期の 3.2% が近年の最高だ。2008 年以降の赤字の期は 10 回ある。外食は人件費と原材料、家賃の比率が高く、値上げがその速さに追いつかなければ、利益はすぐ消える。
財務は弱い。自己資本は 3.5 億円ほどで、自己資本比率は 12%、純有利子負債は 17 億円ある。営業利益は支払利息の 3 倍ほどしかなく、金利が上がる世界では余裕がない。
資本の使い方は、本業が赤字だった時期に新規事業を広げ、のちに絞り込んだ跡が残る。酪農への出資は金額が小さいが、本業と離れた事業を増やす癖が続くかどうかは見ておきたい。
資本コストには、借金と業種の上乗せを付けた。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
北海道の外食は、人口減と観光の二つの力のせめぎ合いで決まる。道内の人口は毎年減り、客数は長期で細る。観光客の増加が札幌や函館などの店には追い風だが、苫小牧や地方の郊外店には恩恵が小さい。
競合は、全国チェーンの直営店と、地元の飲食店、コンビニの中食だ。ドーナツやバーガーは、低価格のコンビニ商品と競う。ブランド本部は、価格や設備更新の基準を決めるため、加盟店の自由度は限られる。
人手不足で、時給の上昇が続く。物価が 3% で続く世界では、客単価は上がりやすいが、人件費と家賃、食材も同じ速さで上がる。値上げが客数の減少を招けば、固定費が重い外食は利益を落とす。
一方で、業界全体では外食の売上は回復している。会社は、デリバリーの拡大や、新しい丼ものの業態の加盟開発で、客数の減少を補おうとしている。食品製造や酪農を持つことで、原材料のコストを抑える試みも始まったが、まだ規模は小さい。外食全体の競争は、店の数よりも、人を確保できるかどうかに移っている。時給が上がり続ける中、店を回す人手を持つ会社だけが営業時間を保てる。
資本政策と M&A
配当は小さい。今後も利益の 2 割ほどを払う前提で置いた。自己資本比率が 12% と低く、借入の返済が先になる。自社株買いの実績はない。
株主優待は、ミスタードーナツかモスバーガーのカード、またはカタログから選ぶ形で、100 株で千円台の相当額だ。費用は年 1 億円を下回るとみられ、価値への影響は小さい。2025 年 2 月に制度を変更している。
M&A は、2026 年 9 月に市川牧場(北海道美深町)を取得する。取得額は 1.1 億円で、議決権 40% と無議決権株を合わせて経済的な持分 99.4% を持つ。酪農の後継者不足への対応が表向きの目的だが、本業との相乗効果は未知数だ。
時価総額が 16 億円と小さく、買収される可能性は残る。ただ、公開買付けや非公開化の発表はなく、価値には入れていない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
2026 年 3 月期は、営業利益が前期比 41% 増の 1.6 億円と、過去 12 年で最高になった。売上、営業利益、純利益が近年そろって伸びている。値上げを受け入れる客層が定着し、客単価は物価以上に上がった。会社が見込む営業利益率 3.6% が実現すれば、売上 60 億円台でも営業利益は 2 億円を超える。
ミスタードーナツとモスバーガーは、地域に根づいた定番で、朝食から昼食、デリバリーまで使い道が広い。かつてんの加盟店開発は、新しい収益源になる。食品製造と酪農を取り込めば、原材料のコスト上昇も抑えられる。
金利が上がっても、純利益が増えれば借入の返済は進む。時価総額が小さく、買収の対象になる可能性もある。ROE は 36% と高く、少ない自己資本で稼ぐ力がある。来期予想でも ROE は 40% を超え、資本効率は改善が続く見込みだ。
自己資本の積み上がりで、財務の不安も薄れていく。小さな会社だが、地域一番の加盟店という立場は簡単には崩れない。
慎重な見方
利益が戻ったのは、物価が上がる中で値上げが通っているからにすぎない。人件費と家賃、食材も同じ速さで上がり、利益率が 3% 台に乗り続ける保証はない。会社の来期予想は、経常利益が 8% 減る見込みだ。
借金が重い。純有利子負債は 17 億円で、自己資本の約 5 倍。営業利益は支払利息の 3 倍ほどしかなく、金利が 3.5% に上がれば利払いが増える。自己資本比率は 12% で、赤字に戻ると一気に財務が傷む。ROE が 36% と高いのは、自己資本が過去の赤字で細っているためで、強さの証拠ではない。
北海道の人口は減り、客数は長期で細る。観光客の恩恵は一部の店に限られる。ブランドの本部は設備投資や価格の基準を決め、加盟店の利益を縛る。
時価総額は自己資本の約 4.5 倍で、稼ぐ力に比べて高すぎる。新規事業の酪農は金額が小さいが、本業との結びつきが見えない。過去に赤字の期が 10 回あることも、足元の改善だけで消えるものではない。
どちらに重みを置いたか
稼ぐ力と財務の議論では、慎重な見方が強い。足元の改善は本物だが、3% 台の利益率を 10 年続けるには人件費と家賃を上回る値上げが要り、それが通る保証はない。確率はやや悲観に 30%、悲観に 15% を置き、中立の 35% を最も厚くした。結果として、価値は今の時価総額の 3 割に届かない。買収の期待は価値に入れていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 410 円14 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 41 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 191 円7 億円、今との差 −58.7%、 期待の年率 −0.3%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 970 円33 億円 | 102 円4 億円 | +131.4% | +8.8% | 54 円2 億円 |
| やや楽観 | 15% | 760 円26 億円 | 73 円3 億円 | +79.9% | +6.0% | 125 円4 億円 |
| 中立 | 35% | 543 円19 億円 | 58 円2 億円 | +29.8% | +2.6% | 210 円7 億円 |
| やや悲観 | 30% | 183 円6 億円 | 15 円1 億円 | −57.4% | −8.2% | 59 円2 億円 |
| 悲観 | 15% | 20 円1 億円 | 0 円0 億円 | −95.6% | −26.8% | 3 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 410 円14 億円 | 41 円1 億円 | −2.6% | −0.3% | 451 円15 億円 |
今の株価時価総額 463 円16 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 5% 北海道の客数を保ち、新ブランドと食品事業が利益率を 3.6% に押し上げる 利益 2 億円 · PER 14.7 倍 · 株価時価総額 970 円33 億円
値上げを受け入れる客層が定着し、客単価は物価以上に上がる。ミスタードーナツとモスバーガーの既存店が堅調で、客数の減少は 2% にとどまる。かつてんなどの新しい業態の加盟も増える。食品製造と酪農を使う道産食材の事業が、外食の原価を下げる。人件費は上がるが、機械化と店舗の整理で吸収する。営業利益率は 3.6% に乗り、借入の返済も進む。配当は利益の 2 割ほどを払い、増配が続く。店舗の改装は建築費の上昇で重くなるが、利益の伸びが上回る。新しい業態の店も黒字で立ち上がり、本部との関係も安定する。デリバリーの比率が上がり、少ない席数でも売上が伸びる。
- 外食・FC加盟事業ほか:数量 552(来店客数(万人))× 価格 0.12(客単価(万円))→ 売上 69 億円・営業利益 2 億円
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 31.9% が k 9.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 20.7%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.7 倍。全体の PER 14.67 倍、時価総額 25 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社が見込む営業利益率 3.6% を 10 年保つ筋は、人件費と家賃の上昇を価格で吸収する前提で条件が重い。5%。
やや楽観 15% やや楽観:客数の減少を値上げで補い、利益率は 3% を保つ 利益 1 億円 · PER 14.0 倍 · 株価時価総額 760 円26 億円
北海道の人口減で客数は 5% 減るが、客単価は物価並みに上がる。ミスタードーナツとモスバーガーの加盟店は、デリバリーと商品の値上げで採算を保つ。かつてんの加盟開発が少しずつ進む。人件費は上がるが、最低賃金の上昇を価格に乗せられる。営業利益率は 3% 近くを保ち、借入は返済が進む。配当は小さく続く。店舗の改装投資は建築費の上昇で重くなり、減価償却は取得時の値段のままで、利益は見かけ上厚くなる。ただ更新の投資で現金は細り、借入の返済は遅れる。物価の上昇分は売上にも出るが、同じ速さで経費にも出る。酪農や食品製造の事業は小さな黒字にとどまる。
- 外食・FC加盟事業ほか:数量 535(来店客数(万人))× 価格 0.12(客単価(万円))→ 売上 65 億円・営業利益 2 億円
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 25.1% が k 9.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 17.3%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.0 倍。全体の PER 13.98 倍、時価総額 19 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2026/03 期は営業利益率 3.2% と過去 12 年で最高。その水準の近くを保つ筋は十分ありうる。15%。
中立 35% 中立:客数は 1 割弱減り、値上げで売上を保つが、利益率は 2% 台前半に戻る 利益 1 億円 · PER 12.9 倍 · 株価時価総額 543 円19 億円
北海道と東北の人口減で、客数は 10 年で 1 割弱減る。客単価は物価に沿って上がり、売上は 60 億円台を保つ。ただ人件費と原材料、家賃も同じ速さで上がり、利益率は 2% 台前半に戻る。今の 3.2% は過去 12 年の最高で、そこに乗り続ける根拠が弱い。借入は 17 億円前後で、借り換えの金利が 3.5% 前後に上がる。利払いが利益を削り、純利益は営業利益の 6 割台になる。配当は 2 割ほど払い、自己資本は少しずつ積み上がる。店舗の改装は建築費の上昇で重く、更新の投資で現金は細る。酪農や食品製造は小さな黒字にとどまり、全体の利益を動かさない。
- 外食・FC加盟事業ほか:数量 523(来店客数(万人))× 価格 0.12(客単価(万円))→ 売上 63 億円・営業利益 1 億円
倍率:事業の純利益 1 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 18.2% が k 9.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 12.9 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.9 倍。全体の PER 12.93 倍、時価総額 12 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社の来期予想は経常利益 1.4 億円で 8% 減。3% 台の利益率が続いたことはなく、2% 台前半に戻る筋を最も厚い 35% とした。
やや悲観 30% やや悲観:客数の減少と人件費の上昇で、営業利益率が 1% 近辺に沈む 利益 0 億円 · PER 6.0 倍 · 株価時価総額 183 円6 億円
客数が 10 年で 1 割以上減り、値上げに客が付いてこない。家賃と人件費は店の数に比例して残り、売上が落ちても減らない。利益率は 1% 近辺に沈み、利払いを引くと純利益はわずかだ。不採算店を閉めるが、閉店費用と原状回復費がかかる。借入の借り換えで条件が厳しくなり、配当は出せない。ブランドの加盟契約の更新で、本部から設備投資を求められる場合もある。人手の確保に時給を上げざるをえず、営業時間を短縮して売上も落ちる。新しい業態の加盟開発も思うように進まず、本部への依存だけが強まる。配当は出せず、自己資本の積み上がりも止まる。借入の返済は、新しい借り入れで古い借り入れを返す形が続く。
- 外食・FC加盟事業ほか:数量 495(来店客数(万人))× 価格 0.12(客単価(万円))→ 売上 58 億円・営業利益 1 億円
倍率:営業利益が薄く、利払いを引くと純利益は 0.3 億円。ROE は 3% 前後で資本コストを大きく下回る。稼ぐ力が細る筋なので、上限の約 5.5 割(6 倍)で置いた。EV でも見た:今の純有利子負債を足した EV を営業利益で割ると 20 倍台で、借金込みで安いとは言えない。EV(時価総額+純有利子負債)を営業利益で割ると 20 倍を超え、借金を含めて見れば高い水準とはいえない。
確率:赤字の期が 10 年のうち 8 回あり、利益率は薄い。客数の減少が人件費に勝てない筋は起こりやすい。30%。
悲観 15% 悲観:店舗網が縮み、赤字が続いて自己資本が削られる 利益 −1 億円 · PBR 0.2 倍 · 株価時価総額 20 円1 億円
客数が 2 割以上減り、人件費の上昇を価格に乗せられない。家賃は店ごとに固定で残り、赤字の店が増える。会社は店を閉め、食品製造や酪農などの新規事業にも広げた資金を回収できない。営業赤字が続き、自己資本は削られる。銀行は担保と返済を求め、店舗の売却で返済に回す。配当は出せない。ブランド契約の失効や更新費用が追い打ちになる。株主に残る価値は、敷金・保証金と設備を売った手取りから借入を返した残りにとどまる。店の売却も買い手が少なく、値段は帳簿を割り込む。本社の人員も減らすが、固定費の削減は売上の落ち込みに遅れる。
- 外食・FC加盟事業ほか:数量 439(来店客数(万人))× 価格 0.11(客単価(万円))→ 売上 48 億円・営業利益 0 億円
倍率:赤字で PER は使えない。敷金・保証金と設備の手取りから借入を返した残りを、今の自己資本 3.5 億円の約 2 割とみて、PBR 0.2 倍とした。
確率:自己資本比率 12% で純負債が自己資本の約 5 倍。家賃が固定で残る業態が不況を迎えると、縮小に追い込まれる。15%。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
外食・FC加盟事業ほか
北海道・東北でミスタードーナツ、モスバーガー、牛角などのフランチャイズ加盟店と自社ブランド店を運営。食品製造・宝くじ販売・物販も持つ。
| 数量来店客数(万人) | 価格客単価(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 563 | 0.09 | 51 | 2 |
| 10 年後 中立 | 523 | 0.12 | 63 | 1 |
取り方:2026/03 期の売上 50.68 億円・営業利益 1.60 億円(決算短信の要約)。客数の開示はなく、客単価を約 0.09 万円(千円足らず)と見て 563 万人 × 0.09 万円と置いた推定。単位は 万人 × 万円 = 1 億円。事業の区分は開示が少なく、全体を 1 本で置いた。
リスクと懸念
借入と金利上昇
純有利子負債は 17 億円で自己資本の約 5 倍。借り換えで金利が 3.5% 前後に上がれば、営業利益の薄い会社には重い。
人件費・家賃・原材料の上昇
外食は固定費の比率が高く、値上げが客数の減少を招けば利益がすぐ消える。家賃は店ごとに固定で残る約束になる。
北海道の人口減
客数は長期で細る。観光客の恩恵は札幌など一部の店に偏り、苫小牧や地方の郊外店には届きにくい。
ブランド本部への依存
ミスタードーナツやモスバーガーは、価格や設備更新の基準を本部が決める。契約の更新や設備投資の要求が負担になる。
新規事業の広がり
酪農(市川牧場)や食品製造など、本業と離れた事業を広げる。取得額は小さいが、採算が取れなければ追加の負担が出る。
自己資本の薄さ
自己資本比率は 12%。赤字に戻ると一気に財務が傷み、配当や設備投資が止まる。
今後の分かれ目
- 営業利益率が 3 期続けて 3.5% を超える
- やや楽観の確率を上げ、価値を見直す。
- 自己資本比率が 10% を割る、または借り換えの条件が悪化する
- やや悲観と悲観の確率を上げる。
- 客数が年 3% を超えて減る
- 数量の見立てを下げ、中立の利益率を下げる。
- 酪農・食品製造の事業が赤字になる
- 新規事業の広がりを悲観の要因として重く見る。
- 公開買付けや非公開化の発表がある
- 筋書きの前提が変わるので、分析を作り直す。
見ておくもの
- 営業利益率と客数・客単価
- 純有利子負債と借り換えの条件
- 自己資本比率
- 店舗の増減
- 酪農・食品製造の損益
倍率と資本コストの決め方
倍率は ROE が k を下回る事業の上限 1÷k(約 10.8 倍)から、借金の重さと利益の薄さを考えて置いた。今の株価や同業の倍率は使っていない。数量は客数、単価は客単価の推定で、売上から割り戻した。店舗の家賃は固定費として残るため、純現金・自己資本比率を強いと書いていない。新リース会計基準で賃借が BS に載ると純負債の形が変わるが、10 年後の数字は今と同じ形(家賃を営業費用に入れた形)でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 9.5→14.67 倍・やや楽観 PER 9→13.98 倍・中立 PER 8→12.93 倍)。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。