結論
ジュンテンドーは、島根県益田市に本部を置くホームセンターのチェーンだ。中国地方を中心に116店を持つ。筆者の結論は割高である。売上は430億円あるが、本業の利益は売上の1%に届かない年が多い。そこへ借入が170億円ほどあり、金利が上がるほど薄い利益が利払いに消える。
2026年2月期は暖冬で季節の商品が売れず、営業利益は2億円台に落ち、特別損失で最終は赤字になった。2027年2月期は上期に営業利益10億円近くを稼いだが、通期の会社の見込みは4億円にとどまる。季節と天気で大きく振れる商売だ。
地盤の山陰と山陽の郡部は、人口の減りが全国でも早い。近くにはコメリやDCM、コーナンが店を構え、仕入れの規模で負ける。筆者は10年で利益率は過去の平均に戻るのがやっとで、上がる利払いを差し引くと株主に残る利益はごく小さいとみる。
土地の帳簿の額は75億円あり、自己資本も厚く見える。だが資本の稼ぎ(ROE)が資本コストに遠い会社では、帳簿の額は株主の値打ちにならない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、ジュンテンドーは「細る商圏で、借金を背負って薄く稼ぐ会社」だ。郡部の農家に向いた品ぞろえという小さな強みはあるが、それは大手のコメリも持つ。
筆者がいちばん気にしているのは、利益と借金の釣り合いだ。営業利益は年に数億円で、借入は170億円ほどある。これまでの低い金利の間は利払いが軽く済んだ。借り換えのたびに金利が上がれば、利払いは年に4億円を超え、本業の利益の大半を食う。
帳簿の自己資本は126億円あり、会社の値段の3倍に近い。だが資本の稼ぎが資本コストに遠い会社では、ためた利益と土地の帳簿の額は株主の値打ちにならない。店を売って借金を返す決断が無い限り、資産は事業の中に寝たままだ。
オーナーとして持ちたいのは、大手との共同の仕入れか、借入を大きく減らす道筋が数字で出た時だ。今の値段に安全域は無いと考える。
何で稼ぐ会社か
ジュンテンドーは1949年に島根県益田市で金物の店として始まった。いまはホームセンターの専業で、中国地方の5県に兵庫、京都、和歌山、奈良を加えた地域に116店を営む。売場の合計は7万5千坪を超える。
売上の柱は園芸と農業の用品、木材や工具などのDIYの用品、日用品だ。郡部の店が多く、農家と家庭菜園の客が多い。会社自身も、園芸と農業の部門が柱になりつつあると説明している。
かつてはカー用品のイエローハット、ドラッグストア、書店も営んだ。2017年にカー用品、2019年にドラッグストアを譲り、2025年4月に書店も閉じた。事業を絞り、ホームセンターに集中する形になった。2025年には物流の拠点を新しく開き、店への配送を自前で組み直している。
店の土地の一部は自社で持ち、帳簿の額は75億円ある。残りは借りた土地と建物で、家賃の固定の約束も抱える。借入は170億円ほどで、店の投資と運転の資金に充てている。
株主は、創業家の資産管理会社とみられるサンデーズが13%を持ち、山陰合同銀行やアイリスオーヤマが続く。
優良さと弱いところ
強みは、郡部の農家と家庭菜園の客をつかむ品ぞろえだ。肥料や農業の資材、苗は、ネット通販で買いにくく、近くの店の値打ちが残る。店の多くは競合の大きな店の無い町にあり、生活の店として通われる。
弱さは、値段を決める力の無さだ。コメリは同じ郡部の農業の客を、より大きな規模と自社の安い商品で狙う。DCMやコーナンも山陽の都市に大きな店を持つ。116店のジュンテンドーは、仕入れの値段で勝てない。
利益は薄く、天気に振れる。過去12年で営業利益率が3%を超えたのは、コロナの特需の1年だけだ。暖冬や冷夏で季節の商品が外れると、利益は半分になる。
財務も重い。純負債は自己資本を上回り、営業利益で利払いを2倍も賄えない年がある。資本の稼ぎは過去10年の中央値で2%に届かない。事業を絞った決断は正しいが、絞った後の本業の稼ぐ力はまだ見えない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ホームセンターの市場は4兆円前後で、店の数は5,000を超えてもう増えない。上位のカインズ、DCM、コーナン、コメリが統合と共同の仕入れで規模を広げ、「1兆円」を目安に再編が続く。物価の高い時代は、自社の安い商品を持つ大手に有利に働く。
中国地方の郡部は、人口の減りが最も早い地域の一つだ。島根や鳥取の町では、10年で客数が1割以上減る所も多い。一方で、郡部の農家と家庭菜園は、肥料や資材を近くの店で買い続ける。ネット通販に奪われにくい分野が売上の柱であることは、細る商圏での支えになる。
競争は厳しい。コメリは郡部の農業の客を主な相手にし、山陰にも多くの店を持つ。山陽の都市では、DCMやコーナンが大きな店で客を集める。中堅の地方のチェーンは、大手の傘下に入るか、共同の仕入れに加わる道を探すことになる。
費用の面では、人件費と光熱費、物流費が物価以上に上がる。売場の広い商売ほど、この重さが利益率を削る。金利の上昇は、借入の多い会社に二重の重荷になる。
ホームセンター同士の再編は、地方の中堅にとって出口にもなる。
資本政策と M&A
還元は配当が中心だ。2026年2月期の配当の総額は0.8億円で、2023年2月期より減った。自社株買いはしていない。株主優待は、1年以上持つ100株以上の株主に少額のギフトを贈るもので、費用は年に0.1億円に届かないとみる。
資本の使い道は、借入の返済と店の改装、物流の拠点だ。カー用品とドラッグストアの事業を売った代金は、借入の返済と店の投資に回った。それでも純負債は今も140億円前後あり、2021年からはむしろ増えている。
大株主には創業家の資産管理会社に加えて、地元の山陰合同銀行と取引先のアイリスオーヤマ、ドラッグストアモリが並ぶ。同業の大手が買いに来る余地はあるが、借入の重さと薄い利益は買う側にも重い。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
事業を絞った効果がこれから出る。カー用品とドラッグストア、書店を手放し、ホームセンターに集中した。2025年に開いた物流の拠点で配送を自前に組み直し、店の作業も軽くなる。2027年2月期の上期には営業利益10億円近くを稼ぎ、天気に恵まれれば実力はもっと高い。
郡部の農家と家庭菜園の客は固い。肥料や資材、苗はネットで買いにくく、近くの店で買い続ける。園芸と農業の部門は柱になりつつある。物価の高い時代でも、生活と農業に欠かせない品は買われ続ける。
資産も厚い。土地の帳簿の額は75億円あり、自己資本は会社の値段の3倍近い。同業の大手が中国地方の地盤を広げたい時、116店の網は手ごろな買い物になる。アイリスオーヤマなど取引先も株主に並ぶ。
利益率が過去の山に近い3%に戻れば、売上の大きさから営業利益は10億円を超え、借金の重さも和らぐ。
金利の上昇も、借入を返していけば重さは和らぐ。物流の拠点への投資が一巡すれば、借入の返済に回せるお金は増える。
慎重な見方
利益が薄すぎる。売上は430億円あっても、営業利益は2億円台の年がある。過去12年で営業利益率が3%を超えたのはコロナの特需の1年だけだ。暖冬や冷夏が来るたびに利益は半分になる。
借金は重い。借入は170億円ほどで、営業利益で利払いを2倍も賄えない年がある。借り換えの金利が3%台に上がれば、利払いは年に4億円を超え、本業の利益の大半が消える。純負債は2021年からむしろ増えている。
商圏は細る。島根や鳥取の町は10年で客数が1割以上減る。コメリは同じ郡部の農業の客を、より大きな規模と自社の安い商品で狙う。人件費と光熱費、物流費は物価以上に上がる。
資産の厚さも頼りにならない。郡部の店の土地は買い手が少なく、帳簿の額では売れない。ROEが資本コストに遠い会社の帳簿の自己資本は、株主の値打ちの床にならない。
事業を売った代金も、借入を減らし切るには足りなかった。物流の拠点への投資で、借入はむしろ増えている。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方が強い。事業の集中と上期の回復は本物だが、薄い利益と上がる利払いの釣り合いは10年で変わりにくい。中立を最も厚くし、やや悲観と悲観を合わせて38%に置いた。同じ領域のカンセキやセキチューより悲観を少し厚くしたのは、借入が重く金利の上昇に最も弱いからだ。借入を大きく減らす方針が出れば見直す。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 259 円21 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 84 円7 億円)。 今の値に割り戻すと 152 円12 億円、今との差 −70.5%、 期待の年率 −4.0%(資本コスト 10.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 863 円70 億円 | 123 円10 億円 | +91.5% | +6.7% | 59 円5 億円 |
| やや楽観 | 18% | 518 円42 億円 | 99 円8 億円 | +19.7% | +1.8% | 111 円9 億円 |
| 中立 | 38% | 210 円17 億円 | 99 円8 億円 | −40.1% | −5.0% | 117 円10 億円 |
| やや悲観 | 24% | 109 円9 億円 | 74 円6 億円 | −64.6% | −9.9% | 44 円4 億円 |
| 悲観 | 14% | 62 円5 億円 | 25 円2 億円 | −83.2% | −16.4% | 12 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 259 円21 億円 | 84 円7 億円 | −33.4% | −4.0% | 343 円28 億円 |
今の株価時価総額 515 円42 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 10.0% を下回るほど割高。
楽観 6% 大手との共同の仕入れで利益率が上がり、借入も減る 利益 7 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 863 円70 億円
ジュンテンドーが大手のホームセンターと共同の仕入れを組むか、再編の一角に入る筋書きだ。大手の仕入れと自社の安い商品を使えるようになり、粗利が上がる。
店は不採算の店を閉じて110店に絞る。郡部の農家と家庭菜園の客は残り、1店の売上は物価並みに伸びる。物流の拠点の効果もあり、利益率は2.7%に上がる。営業利益は14億円を超える。
借入は利益で返し、利払いは年に4億円弱に抑える。純利益は7億円に届き、配当も少しずつ増える。それでも資本の稼ぎは5%前後で、資本コストには届かない。
大手の傘下に入る形になれば、創業家の株も含めて買い取りの値段が付く。借入の重さを引いた値段でも、今の株主にとっては悪くない出口になりうる。
- ホームセンター:数量 110(店の数(期末))× 価格 490(1店あたりの年間の営業収益(百万円))→ 売上 539 億円・営業利益 15 億円。110店×1店1.32倍、2.7%
倍率:事業の純利益 7 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.4% が k 10.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.0 倍。全体の PER 10 倍、時価総額 70 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:利益率を過去の平均の倍以上に上げるには、仕入れの規模を変える提携が要る。創業家と地元の銀行が株主の会社で、その決断は読めないので6%とした。
やや楽観 18% 集中の効果で利益率が2%に戻り、利払いを吸収する 利益 4 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 518 円42 億円
事業をホームセンターに絞った効果が出る筋書きだ。園芸と農業の部門が伸び、物流の拠点が店の作業を軽くする。店は112店とほぼ保つ。
1店の売上は物価にわずかに届かない程度に伸び、利益率は2.0%に上がる。営業利益は10億円台になる。借り換えの金利は上がるが、借入を少しずつ減らし、利払いは年に4億円ほどにとどまる。
純利益は4億円前後で、配当は今の水準を保つ。資本の稼ぎは3%ほどで、資本コストの半分にも届かない。帳簿の自己資本は増えるが、株主の値打ちはそれほど増えない。
天気の当たり外れで利益は年ごとに振れるが、10年をならせば2%前後に落ち着く。大手との提携は無く、独立したまま細く稼ぐ。
- ホームセンター:数量 112(店の数(期末))× 価格 475(1店あたりの年間の営業収益(百万円))→ 売上 532 億円・営業利益 11 億円。112店×1店1.28倍、2.0%
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 2.9% が k 10.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.0 倍。全体の PER 10 倍、時価総額 42 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:2027年2月期の上期に営業利益10億円近くを稼いだ実績があり、天気に恵まれれば2%の利益率は届く範囲にある。その水準が続く筋として18%とした。
中立 38% 利益率は過去並みに戻るが、上がる利払いが利益を食う 利益 2 億円 · PER 10.0 倍 · 株価時価総額 210 円17 億円
ジュンテンドーが今の形のまま、細る商圏で薄く稼ぎ続ける筋書きだ。郡部の客数は10年で1割ほど減り、店は108店になる。1店の売上は値上げで1.24倍になるが、物価には届かない。
人件費と光熱費、物流費が物価以上に上がり、利益率は1.4%と過去の平均並みにとどまる。営業利益は7億円ほどだ。
借入の多くが新しい金利に借り換わり、利払いは年に4億円を超える。純利益は2億円に届かず、資本の稼ぎは1%台だ。配当は今の水準を保つのがやっとで、ためた利益は低い稼ぎの店に寝る。
店の改装と物流への投資は続き、借入は大きくは減らない。帳簿の自己資本は少しずつ増えるが、株主の値打ちは細い利益に見合う値段にとどまる。
- ホームセンター:数量 108(店の数(期末))× 価格 460(1店あたりの年間の営業収益(百万円))→ 売上 497 億円・営業利益 7 億円。108店×1店1.24倍、1.4%。1店の売上は客数の1割の減りの分だけ物価の1.34倍に届かない
倍率:事業の純利益 2 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 1.3% が k 10.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.0 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.0 倍。全体の PER 10 倍、時価総額 17 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:過去12年の利益率は多くの年で1%台にとどまった。商圏の細りと物価の分の値上げが打ち消し合い、そこへ金利の上昇が乗る落としどころとして38%とした。
やや悲観 24% 大手に押されて利益がほぼ消え、利払いで赤字が続く 利益 −2 億円 · PBR 0.1 倍 · 株価時価総額 109 円9 億円
コメリやDCMの値下げに押され、ジュンテンドーの本業がほとんど稼がなくなる筋書きだ。客数は2割近く減り、店は100店に減る。1店の売上は物価に届かず、10年で1.15倍にとどまる。
利益率は0.6%に落ち、営業利益は3億円に届かない。借入の利払いは年に5億円近くに膨らみ、最終の赤字が続く。配当は減り、赤字の店の減損も出る。
土地の帳簿の額は残るが、郡部の店の土地は買い手が少ない。株主の取り分は、帳簿の自己資本の1割にも届かない値段になる。
借入の返済は進まず、金利の上昇がそのまま赤字を広げる。創業家も地元の銀行も動かず、会社は細るままの形を続ける。
- ホームセンター:数量 100(店の数(期末))× 価格 427(1店あたりの年間の営業収益(百万円))→ 売上 427 億円・営業利益 3 億円。100店×1店1.15倍、0.6%
倍率:赤字で稼ぐ力は床にならない。今の自己資本126億円に0.07倍を掛けた約9億円とみる。借入170億円を先に返すので、郡部の店の土地を売っても少数株主に届く分は小さい。EV÷営業利益は57倍で、営業利益が借入をほとんど支えない姿。
確率:2026年2月期は営業利益が2億円台に落ちた。この水準が続けば、上がる利払いで最終の赤字が常態になる。その筋として24%とした。
悲観 14% 店を大きく減らし、借入の返済に追われる 利益 −12 億円 · PBR 0.0 倍 · 株価時価総額 62 円5 億円
地方のホームセンターが構造的に負ける筋書きだ。客数の細りと大手の値下げで、店は85店まで減る。本業は赤字に沈み、閉じた店の減損で自己資本は大きく減る。
銀行は返済を求め、会社は店の土地を売って借入を返す。土地は帳簿の額より安くしか売れない。配当は止まる。
大手が買いに来る可能性は残るが、借入の重さで値段は安くなる。株主に残るのは、借金を返した後のわずかな資産だけだ。清算はされず、少数株主は資産の使い道を決められない。
郡部の店の土地は、閉じた店の跡として買い手がつきにくく、帳簿の額の半分ほどでしか売れない。
- ホームセンター:数量 85.0(店の数(期末))× 価格 400(1店あたりの年間の営業収益(百万円))→ 売上 340 億円・営業利益 −5 億円。85店×1店1.08倍、−1.5%
倍率:赤字で稼ぐ力は床にならない。今の自己資本126億円に0.04倍を掛けた約5億円とみる。減損で自己資本が大きく減り、土地の売却の代金は借入の返済に消える筋書き。倒産には至らないが、減損で自己資本が大きく減る。
確率:利払いを営業利益で賄えない年が続けば、店を閉じて土地を売り、借入を返す局面になる。地方のホームセンターが構造的に負ける筋として14%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ホームセンター
中国地方の5県と近畿の一部の郡部・地方都市のホームセンター116店。園芸・農業・DIY・日用品。
| 数量店の数(期末) | 価格1店あたりの年間の営業収益(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 116 | 371 | 430 | 2 |
| 10 年後 中立 | 108 | 460 | 497 | 7 |
取り方:店の数は2026年2月期の116店(決算説明の書き起こし)。営業収益430.41億円を店の数で割った1店あたり約3.71億円。利益は全社の営業利益2.38億円(暖冬で季節の商品が不振の年)。
リスクと懸念
金利の上昇
借入は170億円ほどある。借り換えのたびに金利が上がれば、利払いは年に4億円を超え、営業利益の大半を食う。営業利益で利払いを2倍も賄えない年がある。
大手との値段の競争
郡部ではコメリが、山陽の都市ではDCMやコーナンが大きな店と自社の安い商品で客を集める。116店の規模では仕入れの値段で勝てない。
天気
園芸と季節の商品が売上の柱で、暖冬や冷夏で利益が半分になる。2026年2月期は暖冬で下期に業績が崩れた。
商圏の細り
地盤の山陰の郡部は人口の減りが早い。客数が細れば、店を閉じるたびに減損が出る。
人件費と物流費
パートの時給と電気代、配送の費用は物価以上に上がる。値上げが大手と比べられて通らなければ、1%前後の利益率はすぐに消える。
今後の分かれ目
- 大手のホームセンターと共同の仕入れや資本の提携を結んだら
- 仕入れの値段が下がるとみて、やや楽観と楽観の確率を上げる。
- 営業利益率が2期続けて2%を超えたら
- 集中の効果が本物とみて、中立の利益率を見直す。
- 借入を土地の売却などで大きく減らしたら
- 金利の重さが和らぐとみて、上側の確率を見直す。
- 最終の赤字が2期続いたら
- やや悲観に重みを移す。
- 店の大量の閉鎖か大きな減損を発表したら
- 悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- 既存店の売上と客数
- 営業利益率
- 有利子負債と支払利息
- 園芸・農業の部門の売上
- 大手との提携・再編の動き
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価やPBRを見ずに、ROEとk 10%から決めた。中立のROEは1%台で資本コストに遠いので、PERは1÷kの10.5倍の7.5割に置いた。同じ領域のカンセキより借金の分だけkが高い。利益率は過去12年の山(4.7%)より低く、過去の平均並みに置いた。借りた店の家賃は固定の約束で、2028年2月期からの新リース会計基準で純負債が増えて見えるが、10年後の数字は今の形でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 9.5→10 倍・やや楽観 PER 8.4→10 倍・中立 PER 7.9→10 倍)。
資本コスト 10.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。