結論
カンセキは、栃木県を地盤にホームセンター25店、アウトドア用品のWILD-1を24店、業務スーパーとオフハウスのフランチャイズの店を30余り営む小売だ。筆者の結論は割高である。稼ぎ頭の業務スーパーは伸びているが、借入が自己資本の1.6倍あり、金利の上昇がその伸びをほぼ食べてしまう。
営業利益は年5億円ほどで、売上の1.5%しか残らない。ホームセンターはカインズやコメリとの値段の競争に挟まれ、WILD-1はコロナの時のキャンプの山が過ぎて売上が減った。業務スーパーとオフハウスの店だけが、利益の半分以上を稼いでいる。
借入は110億円ほどで、2025年に5年の協調融資で借り換えた。営業赤字が2期続けば返済を求められる約束も付いている。筆者は10年後の自己資本利益率(ROE)を5%前後とみる。株主の取り分は、借入の利払いのあとに残る細い利益でしかない。
帳簿の自己資本に近い今の値段は、この薄さに対して高いと考える。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、カンセキは「良い店を1つ持つが、借入がその稼ぎを取ってしまう会社」だ。業務スーパーの営業権は、物価の高い時代に客を集める確かな資産だ。だが、会社全体で見れば、営業利益の半分近くが利払いに消える。
筆者がいちばん気にしているのは、借入の重さだ。110億円の借入は、自己資本の1.6倍ある。金利が1%上がるだけで、年に1億円の利益が消える。営業赤字が2期続けば、銀行は返済を求めることができる。株主は、その一番後ろに並んでいる。
帳簿の値打ちの1倍に近い今の値段は、ROEが資本コストに届かない会社には高い。オーナーとして持ちたいのは、土地と建物を売って借入を半分に減らすか、業務スーパーの利益がホームセンターを上回るほど育った時だ。安全域は、そのどちらかが数字で見えてからだろう。
何で稼ぐ会社か
カンセキは1975年創業の小売で、宇都宮に本社を置く。売上は約355億円で、店は栃木県と北関東に集まる。子会社を持たないので、数字は単体だ。
1つ目の柱はホームセンターで、25店で年150億円を売る。園芸、工具、日用品、ペット用品が中心で、郊外の広い売場で地元の家庭と職人に売る。2つ目はアウトドア用品のWILD-1で、24店で年85億円を売る。テント、登山用品、釣り具を扱い、全国の郊外に店を持つ。
3つ目は専門店の事業で、年120億円を売る。神戸物産から地域の営業権を得た業務スーパーを直営とフランチャイズで22店、ハードオフの仕組みを使ったリユースのオフハウスとハードオフを10店、飲食を3店営む。利益率は7%を超え、会社の利益の柱になった。
ほかに、持っている土地と建物を他社に貸す店舗開発の事業がある。店の多くは自社で土地や建物を持つか、長く借りている。有形固定資産は110億円ほどで、総資産の4割を超える。
売上の4割はホームセンター、2割強はWILD-1、3割強は専門店だ。従業員は正社員で280人ほどで、店の多くはパートとアルバイトで回す。
優良さと弱いところ
強みは、業務スーパーの地域の営業権だ。業務スーパーは神戸物産が作る安い自社製品で客を集め、物価の高い時代に客数を伸ばしている。カンセキは北関東でその店を出す権利を持ち、利益率7%台を稼ぐ。
弱さは3つある。第1に、ホームセンターの値段の力が弱い。同じ商圏にカインズ、コメリ、ジョイフル本田のような大手がいて、規模の差で仕入れの値段に負ける。第2に、借入が重い。純負債はEBITDA、つまり利払いと償却の前の利益の8倍ほどで、金利が上がるたびに利益が削られる。第3に、資本の稼ぎが薄い。2024年2月期に店の減損などで52億円の赤字を出し、自己資本は一度ほぼ半分になった。
創業家の資産管理会社が議決権の3割を持ち、経営は安定している。ただ、資本の使い方を外から問う圧力は弱い。数値の中期目標も掲げていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
ホームセンターの市場は4兆円前後で、店の数は5,000を超え、もう増えない。人口が減る地方では客数も細る。上位のカインズ、DCM、コーナン、コメリは統合と共同の仕入れで規模を広げ、地方の中小のチェーンは値段で押される。物価の高い時代は、自社の安い製品を持つ大手に有利に働く。
アウトドア用品は、コロナの時のキャンプの山が過ぎて落ち着いた。テントやキャンプ用品の買い替えの周期は長く、店の売上は2021年の山から大きく下がった。登山と釣りは底堅いが、ネット通販との値段の比較は厳しい。
業務スーパーは、物価の高い時代の勝ち組だ。神戸物産の店は全国で1,100を超え、毎年数十ずつ増える。地域の営業権を持つ会社は、その地域で店を増やせる。リユースも物価の高い時代に伸びる業態で、オフハウスは中古の衣料と家具を安く売る。
筆者は、カンセキの10年をこう見る。ホームセンターとWILD-1は店を少し減らし、業務スーパーの店を北関東で45前後まで増やす。ホームセンターの売場の一部を業務スーパーに替える道もある。
資本政策と M&A
還元は配当が中心だ。2026年2月期の配当は総額1.5億円で、純利益の半分ほどだった。自社株買いはほとんどない。株主優待は買物の15%の割引券で、費用は年に1億円に満たないとみる。
財務の中心は借入だ。借入は総資産の45%、約110億円あり、現預金は10億円しかない。2025年9月に協調融資を組み直し、2030年まで借り換えた。営業赤字が2期続かないこと、純資産を一定の水準に保つことが条件に付く。金利の上昇で、利払いは今より年に数億円増える見込みだ。
大株主は創業家の資産管理会社の服部商会で、議決権の3割を持つ。買収で伸びる会社ではなく、他社に買われるかもオーナーの意向次第だ。土地と建物を売って借入を返す道はあるが、会社はまだその方針を示していない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
業務スーパーは物価の高い時代の勝ち組で、カンセキはその北関東の営業権を持つ。専門店の売上は2026年2月期に6%増え、利益率は7%を超えた。店を毎年2〜3増やせば、10年で利益は倍になる。オフハウスとハードオフのリユースも、物価の高さで客が増える。
ホームセンターは底を打った。2024年2月期に赤字の店を減損で整理し、残った店は小さな黒字を出す。WILD-1もキャンプの山が過ぎた反動は一巡し、利益は2026年2月期に増えた。登山と釣りの客は根強い。
借入は重いが、裏には土地と建物がある。有形固定資産は110億円あり、地方の店の土地でも、売れば借入の多くを返せる。2025年に5年の協調融資で借り換えを済ませ、当面の資金の心配はない。
今の利益は、金利の上昇と店の整理の一度きりの費用で小さく見えているだけだ。業務スーパーの伸びが続けば、ROEは10%近くまで上がる。創業家が3割を持つので、短期の圧力に振り回されず店を育てられる。
慎重な見方
借入が株主の取り分を食べる。純負債は営業利益の20倍あり、金利が上がれば利払いは年に数億円増える。2026年2月期も経常利益は借り換えの費用で3割近く減った。営業利益の伸びは、利払いの増加に追いつかない。
ホームセンターは負け組の側にいる。カインズやコメリは自社の安い製品と規模の仕入れで値段を下げ、地方の中小のチェーンの客を奪う。ホームセンターの売上は2026年2月期に6%減った。人口の減る栃木では、客数も細る。
WILD-1は、キャンプの山の後の長い調整にある。テントの買い替えの周期は長く、ネット通販との値段の比較も厳しい。
業務スーパーの営業権は、神戸物産が決める契約だ。条件が変われば利益は削られ、店を増やす場所も限られる。2024年2月期の52億円の赤字が示すように、店の減損はまた起こりうる。営業赤字が2期続けば、借入の約束に触れる。
本社の費用も物価とともに上がり、店の更新の投資も建築費の上昇で膨らむ。
どちらに重みを置いたか
慎重な見方が強い。業務スーパーの伸びは本物だが、借入の利払いの増加とホームセンターの値段の競争という構造の逆風を、1つの営業権では打ち消せない。中立を最も厚くし、やや悲観と悲観を合わせて4割弱に置いた。土地と建物を売って借入を減らす方針が数字で出るか、業務スーパーの店が30を超えるかで見直す。業務スーパーの営業権が他社に譲れる値打ちを持つ点は、悲観の深さを少し和らげる。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 496 円37 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 178 円13 億円)。 今の値に割り戻すと 313 円23 億円、今との差 −63.7%、 期待の年率 −2.4%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 6% | 1,610 円120 億円 | 335 円25 億円 | +125.6% | +8.5% | 117 円9 億円 |
| やや楽観 | 18% | 947 円71 億円 | 268 円20 億円 | +41.0% | +3.5% | 219 円16 億円 |
| 中立 | 38% | 551 円41 億円 | 201 円15 億円 | −12.7% | −1.4% | 286 円21 億円 |
| やや悲観 | 26% | 59 円4 億円 | 107 円8 億円 | −80.7% | −15.2% | 43 円3 億円 |
| 悲観 | 12% | 34 円3 億円 | 40 円3 億円 | −91.4% | −21.8% | 9 円1 億円 |
| 加重平均 | 100% | 496 円37 億円 | 178 円13 億円 | −21.9% | −2.4% | 673 円50 億円 |
今の株価時価総額 862 円64 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 9.5% を下回るほど割高。
楽観 6% 業務スーパーが55店に育ち、借入を返してROEが資本コストに届く 利益 11 億円 · PER 10.8 倍 · 株価時価総額 1,610 円120 億円
業務スーパーが北関東で大きく育つ筋書きだ。神戸物産の安い自社製品が物価の高い時代に客を集め、カンセキは店を55まで増やす。オフハウスも中古の需要を取り込む。専門店の利益は18億円を超え、会社の稼ぎの中心になる。
ホームセンターは赤字の店を閉じて23店に絞り、園芸とペットの品ぞろえで利益率3.5%を保つ。WILD-1は登山と釣りの客に支えられ、3%を稼ぐ。営業利益は18億円になり、2021年2月期の特需の山に近づく。
利益で借入を返し、利払いは増えない。ROEは10%近くに上がり、資本コストをわずかに上回る。配当は増え、土地の一部を売って借入をさらに減らす。
- ホームセンター:数量 23.0(店の数(期末))× 価格 783(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 180 億円・営業利益 6 億円。23店×1店7.8億円(1.31倍)、3.5%
- WILD-1(アウトドア):数量 24.0(店の数(期末))× 価格 488(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 117 億円・営業利益 4 億円。24店×1店4.9億円(1.38倍)、3%
- 専門店(業務スーパー・リユース・飲食):数量 55.0(店の数(期末))× 価格 481(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 265 億円・営業利益 19 億円。55店×1店4.8億円(1.38倍)、7%
- 店舗開発(不動産賃貸):数量 30.0(貸している床の面積(千㎡・推定))× 価格 16(1千㎡あたりの年間の賃料(百万円))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。賃料1.34倍、償却は増えない
倍率:事業の純利益 11 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 10.2% が k 9.50% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 9.9%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 10.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.8 倍。全体の PER 10.81 倍、時価総額 118 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:業務スーパーの店を10年で20以上増やし、ホームセンターの利益率も過去の水準に戻す必要がある。2021年2月期の山の利益率7.6%は特需なので6%とした。
やや楽観 18% 業務スーパーが伸び、ホームセンターの縮みを埋める 利益 7 億円 · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 947 円71 億円
業務スーパーとリユースの伸びが、ホームセンターとWILD-1の細りを埋めて余る筋書きだ。業務スーパーの店は48に増え、専門店の利益は15億円を超える。ホームセンターは23店で利益率2.8%を保ち、WILD-1は2%に戻る。
営業利益は12億円ほどになる。利払いは金利の上昇で増えるが、利益の伸びで借入を少しずつ返す。純利益は7億円弱で、ROEは7%ほどに上がる。資本コストにはまだ届かない。
配当は利益の半分ほどを配り、自社株買いは行わない。土地と建物は持ち続け、借入の返済で財務は少しずつ軽くなる。
- ホームセンター:数量 23.0(店の数(期末))× 価格 771(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 177 億円・営業利益 5 億円。23店×1店7.7億円(1.29倍)、2.8%
- WILD-1(アウトドア):数量 23.0(店の数(期末))× 価格 470(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 108 億円・営業利益 2 億円。23店×1店4.7億円(1.33倍)、2%
- 専門店(業務スーパー・リユース・飲食):数量 48.0(店の数(期末))× 価格 474(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 228 億円・営業利益 16 億円。48店×1店4.7億円(1.36倍)、6.8%
- 店舗開発(不動産賃貸):数量 30.0(貸している床の面積(千㎡・推定))× 価格 16(1千㎡あたりの年間の賃料(百万円))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。賃料1.34倍
倍率:事業の純利益 7 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 7.0% が k 9.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.5 倍。全体の PER 10.53 倍、時価総額 71 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:専門店は2026年2月期に6%増収し利益率7%台を保った。店を年1〜2ずつ増やす筋として18%とした。
中立 38% 業務スーパーの稼ぎを、利払いと本社の費用が食う 利益 4 億円 · PER 10.5 倍 · 株価時価総額 551 円41 億円
業務スーパーは伸びるが、会社全体の稼ぎは薄いままの筋書きだ。業務スーパーとリユースの店は45に増え、専門店の利益は14億円ほどになる。ホームセンターは3店を閉じて22店になり、利益率は2%台にとどまる。WILD-1も22店に減り、利益は小さい。
本社の費用は物価とともに増え、営業利益は9億円弱にとどまる。借入の金利が上がり、利払いは今の倍近くになる。純利益は4億円ほどで、ROEは4〜5%に沈む。
配当は今の水準を保つが、増やす余地は小さい。借入は少しずつ減るが、自己資本に対する重さは変わらない。株主の取り分は、利払いのあとに残る細い利益だ。
- ホームセンター:数量 22.0(店の数(期末))× 価格 759(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 167 億円・営業利益 4 億円。22店×1店7.6億円(1.27倍、客数が少し細る)、2.3%
- WILD-1(アウトドア):数量 22.0(店の数(期末))× 価格 449(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 99 億円・営業利益 2 億円。22店×1店4.5億円(1.27倍)、1.5%
- 専門店(業務スーパー・リユース・飲食):数量 45.0(店の数(期末))× 価格 467(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 210 億円・営業利益 14 億円。45店×1店4.7億円(物価並み1.34倍)、6.5%
- 店舗開発(不動産賃貸):数量 30.0(貸している床の面積(千㎡・推定))× 価格 16(1千㎡あたりの年間の賃料(百万円))→ 売上 5 億円・営業利益 2 億円。賃料1.34倍、償却は取得時の額のまま
倍率:事業の純利益 4 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 4.5% が k 9.50% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 10.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 10.5 倍。全体の PER 10.53 倍、時価総額 41 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:業務スーパーの伸びと、ホームセンターの細りと利払いの増加が打ち消し合う落としどころとして38%とした。
やや悲観 26% ホームセンターとWILD-1が細り、利益がほぼ利払いに消える 利益 0 億円 · PER 7.8 倍 · 株価時価総額 59 円4 億円
ホームセンターとWILD-1の細りが、業務スーパーの伸びを上回る筋書きだ。ホームセンターは大手との値段の競争で20店に減り、WILD-1はネット通販に客を取られて18店になる。業務スーパーは店を増やすが、神戸物産との契約の条件が厳しくなり、利益率は6%台に下がる。
営業利益は4億円ほどで、利払いがその大半を食べる。純利益はゼロに近く、配当は半分ほどに減る。借入の約束に触れないよう、店の更新の投資を絞る。
ROEは1%を切る。株主の価値は、稼ぐ力に見合うごく低い値段に落ちる。土地と建物は借入の返済に充てる担保として残り、株主の値打ちにはならない。
- ホームセンター:数量 20.0(店の数(期末))× 価格 699(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 140 億円・営業利益 3 億円。20店×1店7.0億円(1.17倍、値段が物価に届かない)、2%
- WILD-1(アウトドア):数量 18.0(店の数(期末))× 価格 421(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 76 億円・営業利益 0 億円。18店×1店4.2億円(1.19倍)、0.5%
- 専門店(業務スーパー・リユース・飲食):数量 38.0(店の数(期末))× 価格 439(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 167 億円・営業利益 11 億円。38店×1店4.4億円(1.26倍)、6.5%
- 店舗開発(不動産賃貸):数量 28.0(貸している床の面積(千㎡・推定))× 価格 15(1千㎡あたりの年間の賃料(百万円))→ 売上 4 億円・営業利益 2 億円。空き区画が出る
倍率:ROE 0.5%は資本コスト9.5%を大きく下回る。稼ぐ力(純利益÷k ≒ 4億円)で見て、1÷kの11.1倍の7割の7.8倍。土地と建物は借入の返済に充たるので床に足さない。EV(時価総額+純負債約107億円)÷営業利益4.4億円は約25倍で、事業の値打ちのほとんどが借入の側に帰する形でも見た。
確率:ホームセンターの売上は2026年2月期に6%減り、経常利益も利払いで3割近く減った。この流れが続く筋として26%とした。
悲観 12% 営業赤字で借入の約束に触れ、株主の取り分がほぼ消える 利益 −11 億円 · PBR 0.0 倍 · 株価時価総額 34 円3 億円
ホームセンターとWILD-1が赤字に沈む筋書きだ。大手の値下げと人口の減りで、ホームセンターは16店、WILD-1は12店に縮む。業務スーパーは利益を出し続けるが、2つの赤字を埋められない。営業赤字が2期続き、協調融資の約束に触れる。
銀行は返済の前倒しか、高い金利への切り替えを求める。会社は土地と建物を売り、業務スーパーの店を他社に譲って借入を返す。店の減損で自己資本は大きく減り、配当は止まる。
株主に残るのは、借入を返したあとのわずかな残りだ。創業家か同業による救済の出資で、既存の株主の取り分はさらに薄まる。
- ホームセンター:数量 16.0(店の数(期末))× 価格 657(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 105 億円・営業利益 −2 億円。16店、赤字
- WILD-1(アウトドア):数量 12.0(店の数(期末))× 価格 389(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 47 億円・営業利益 −2 億円。12店、赤字
- 専門店(業務スーパー・リユース・飲食):数量 30.0(店の数(期末))× 価格 418(1店あたりの年間の売上(百万円))→ 売上 126 億円・営業利益 6 億円。30店(一部を他社に譲る)、4.5%
- 店舗開発(不動産賃貸):数量 26.0(貸している床の面積(千㎡・推定))× 価格 15(1千㎡あたりの年間の賃料(百万円))→ 売上 4 億円・営業利益 2 億円。一部を売却
倍率:赤字で稼ぐ力は床にならず、土地と建物と在庫を売っても借入と買掛金をほぼ返して終わる。残る値打ちを今の自己資本67億円に対し0.037倍の約2.5億円とみる。借入の約束に触れ、救済の出資で株主が薄まる倒産に近い筋なので、売れる資産の床は株主に残らない。
確率:2024年2月期に52億円の赤字を出し、借入の約束には営業赤字の2期連続の禁止が付く。構造的に負ける筋として12%とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ホームセンター
栃木県を中心に郊外型のホームセンター。園芸・工具・日用品・ペット用品。
| 数量店の数(期末) | 価格1店あたりの年間の売上(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 25.0 | 597 | 149 | 4 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 759 | 167 | 4 |
取り方:有報の25店で、営業収益149.36億円を割った1店あたり約6億円。利益はセグメント利益3.50億円。
WILD-1(アウトドア)
テント・登山・釣りなどのアウトドア用品の専門店。
| 数量店の数(期末) | 価格1店あたりの年間の売上(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 24.0 | 354 | 85 | 1 |
| 10 年後 中立 | 22.0 | 449 | 99 | 2 |
取り方:24店で営業収益84.88億円を割った1店あたり約3.5億円。セグメント利益0.65億円。
専門店(業務スーパー・リユース・飲食)
神戸物産のエリアライセンスによる業務スーパー、ハードオフのFCのオフハウス・ハードオフ、飲食店。
| 数量店の数(期末) | 価格1店あたりの年間の売上(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 35.0 | 349 | 122 | 9 |
| 10 年後 中立 | 45.0 | 467 | 210 | 14 |
取り方:食品22・リユース10・飲食3の35店で、営業収益121.98億円を割った1店あたり約3.5億円。セグメント利益8.89億円。
店舗開発(不動産賃貸)
自社の土地・建物を他社のテナントに貸す。
| 数量貸している床の面積(千㎡・推定) | 価格1千㎡あたりの年間の賃料(百万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 30.0 | 12 | 3 | 2 |
| 10 年後 中立 | 30.0 | 16 | 5 | 2 |
取り方:面積の開示が無いため推定。営業収益3.47億円を、郊外の店舗用の賃料1千㎡あたり年1,157万円で割った約3万㎡。利益は償却後で約1.5億円と推定。
リスクと懸念
借入と金利の上昇
借入は約110億円で自己資本の1.6倍ある。金利が1%上がれば利払いは年に1億円増え、年5億円の営業利益の多くが利払いに消える。
借入の約束(財務制限条項)
2025年の協調融資には、営業赤字を2期続けないこと、純資産を一定の水準に保つことが付く。触れれば返済の前倒しや金利の引き上げを求められうる。
大手ホームセンターとの値段の競争
カインズ、コメリ、ジョイフル本田は自社の安い製品と規模の仕入れで値段を下げる。ホームセンターの売上は2026年2月期に6%減った。
業務スーパーの契約
利益の柱の業務スーパーは神戸物産の地域の営業権に頼る。契約の条件や出店できる地域が変われば、稼ぎ頭の利益が削られる。
店の減損
2024年2月期に店の減損などで52億円の赤字を出し、自己資本はほぼ半分になった。赤字の店が増えれば、また減損が起こりうる。
今後の分かれ目
- 土地と建物を売って借入を大きく減らす方針を示したら
- 利払いの重さが軽くなるので、中立の純利益と資本コストを見直す。
- 業務スーパーの店が30を超え、専門店の利益率7%を保ったら
- 稼ぎ頭が育った証拠として、やや楽観の確率を上げる。
- ホームセンターのセグメント利益が赤字になったら
- 大手との競争に負け始めた証拠として、やや悲観に重みを移す。
- 営業赤字が1期でも出たら
- 借入の約束に近づくとみて、悲観の確率を上げる。
- 創業家や同業が買収や資本提携を持ちかけたら
- 業務スーパーの営業権と土地に値段が付く場面として、時価総額の見方を見直す。
見ておくもの
- 専門店(業務スーパー・リユース)の店の数と利益率
- ホームセンターの既存店の売上
- 借入の額と支払利息
- WILD-1の売上の底打ち
- 土地と建物の売却や借入の返済の方針
倍率と資本コストの決め方
倍率は今の株価やPBRを見ずに、ROEとk 9.5%から決めた。中立のROEは4〜5%で資本コストを大きく下回るので、PERは1÷kの11.1倍の7.5割に置いた。同じ領域の会社より資本コストが高いのは借入の重さのためだ。利益率は過去12年の山(特需の2021年)より低く置いた。2028年2月期からの新リース会計基準では賃借の店の分が負債に載り、純負債はさらに大きく見えるが、10年後の数字は今の形でそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 10.3→10.81 倍・やや楽観 PER 9.4→10.53 倍・中立 PER 8.3→10.53 倍)。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。