結論
ティーライフは、健康茶や健康食品、化粧品、寝具などを通販で売る会社だ。テレビ通販、カタログ、ネットで、主に中高年の客に売る。静岡の袋井や掛川などに倉庫を持ち、その賃貸と出荷の請負でも稼ぐ。
筆者の結論は「やや割高」だ。理由は、通販の利益率が3年続けて下がり、回復の道筋が見えにくいことにある。売上は2023年7月期の135億円から111億円に縮み、営業利益率は3%を割った。広告費をかけないと客が増えず、かければ利益が消える。この通販の宿命から抜け出せていない。
10年の見立ては、テレビとカタログで買う客は年を重ねて細り、ネットの客で補いきれない、というものだ。倉庫の賃貸は堅く、利益の下支えになる。利益率が過去の中央値の6%前後に戻れば今の値段は妥当だが、筆者は5%台までと見る。純現金と倉庫が下値を支えるので、大きく崩れる会社でもない。
筆者が見ておきたいのは、ネットの客の比率と、広告費に対する売上の効き目の2つだ。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、これは「堅い倉庫の上に、稼ぐ力の落ちた通販が乗った会社」だ。倉庫は長い契約で家賃を生み、名簿もまだ価値がある。財務は堅く、倒れる心配は小さい。
ただし、通販の部分は先が読みにくい。客は年を重ね、テレビとカタログの売り場は細る。広告費をかけて客を集める商売は、広告の効き目が落ちると利益がすぐ消える。この10年でネットの客にどこまで乗り換えられるかは、まだ数字が出ていない。
筆者は、今の値段は通販の利益率が中期計画どおりに戻る筋をかなり織り込んでいると見る。オーナーとして持つなら、利益率が2年続けて5%を超えてからでよい。急ぐ理由はない。
逆に、倉庫と現金だけで見ても、価値は時価総額の半分ほどはある。通販がゼロにならない限り、大きな損の防波堤にはなる。ただ、防波堤があることと、値段に安全域があることは別の話だ。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は二つある。一つはウェルネス事業で、売上の9割を占める。健康茶、健康食品、化粧品、寝具、日用の雑貨を、テレビ通販、カタログ、ネットで売る。自社で企画した商品が多く、中国などで作らせたものもある。卸売で他社の通販や店に商品を出す部分もここに入る。
通販の商売は、新しい客を広告で集め、繰り返し買ってもらって元を取る形だ。客の名簿が財産で、会社も通販を個人情報の「ストックビジネス」と呼ぶ。客は中高年が中心で、テレビとカタログで買う層が厚い。
もう一つはロジスティクス事業だ。袋井、掛川、名古屋に倉庫を持ち、他社に貸すほか、出荷の作業も請け負う。売上は1割に満たないが、利益は全社の半分を超える年もある。家賃は長い契約で入り、通販の振れを和らげる。
2025年には卸売の子会社を、その前には別の子会社を吸収合併し、事業をウェルネスに一本化した。新しい稼ぎとして、海外向けのネット通販や北米での食品の卸も試している。
利益の形は、通販の広告費の出し入れで大きく振れ、倉庫の家賃がそれを下から支える、という二段の構えになっている。
優良さと弱いところ
優良さは、客の名簿と倉庫に偏っている。長年の通販で積み上げた中高年の客の名簿は、新しく来る会社には簡単に作れない。倉庫は自前で、家賃は長い契約で入る。この二つが下値を支える。
ただし、通販の稼ぐ力は落ちている。営業利益率は2021年7月期の8%近くから、2026年7月期には3%弱まで下がった。広告費の効き目が落ち、客1人を集める費用が上がっている。健康茶や健康食品は、ドラッグストアやネットの大手と同じ土俵で戦う商品で、値決めの力は強くない。
会社の中期計画は2028年7月期に営業利益率6.6%、ROE10%を目指すが、初年度の数字はその道筋から離れた。ROEは今3%台で、資本コストに届いていない。自己資本比率は75%と高く、借金は小さい。財務は堅いが、その厚さが稼ぎに結びついていない。
経営は買収で事業を広げてきたが、その多くは本業の通販を太らせるには至っていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の通販市場は全体では伸びているが、伸びているのはネットの大手と、ネットで生まれたブランドだ。テレビ通販とカタログ通販は、見る人と読む人の高齢化で細っている。ティーライフの客の中心はこの細る側にいる。
健康茶や健康食品の需要そのものは、高齢化で底堅い。ただし買う場所が変わった。ドラッグストアとネットの大手が値段と品ぞろえで強く、定期便の仕組みもどこでも作れる。通販の小さな会社が勝てるのは、独自の商品とテレビの売り場の組み合わせぐらいだ。
広告費の重さは業界の共通の悩みだ。ネット広告の単価は上がり、個人情報の規制も強まっている。客1人を集める費用が上がれば、利益率は下がる。逆に、広告を絞れば客が細る。
倉庫の賃貸は別の世界だ。ネット通販の荷物は増え続け、物流の倉庫は足りない地域が多い。静岡の東海道沿いは立地が良く、家賃は物価並みに上がりうる。ただし建て替えの費用も上がる。
10年の勝ち負けは、名簿の客をネットに移せるかどうかと、広告費をかけずに繰り返し買ってもらう仕組みを作れるかにかかる。どちらも、まだ数字で証明されていない。
資本政策と M&A
還元は配当が中心だ。方針は連結の配当性向30%を目途とするが、実際は安定配当を優先し、2026年7月期の配当性向は7割近くになった。自社株買いの実績は乏しい。借金は少しずつ返している。
株主優待がある。7月末に100株以上を持つ株主に、自社の通販で使える買い物券を贈る。会社の費用で年0.05億円ほどとみて、10年の還元に足した。
筆頭株主のN&Kが3割強を持つ。会社は通販の会社や子会社の買収を重ねてきたが、大きな成功は見えない。時価総額が50億円ほどと小さく、倉庫と名簿を欲しがる買い手の対象になる余地はある。ただし筆頭株主の意向次第で、価値には織り込まない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
まず下値が堅い。倉庫は自前で、長い契約で家賃が入る。ネット通販の荷物は増え続け、東海道沿いの倉庫は足りない。家賃は物価並みに上がり、ロジスティクス事業の利益は10年で今の1.5倍近くになりうる。純現金もあり、倒れる心配は小さい。
次に利益率の戻りしろだ。過去12年の営業利益率の中央値は6%前後で、今の3%弱は谷だ。広告費の見直しと商品の絞り込みで、会社は2027年7月期に営業利益を4割増やす計画を出している。中期計画の6.6%に届かなくても、5%台に戻れば利益は今の倍になる。
最後に客の名簿だ。中高年の客は健康への出費を惜しまない。高齢化は健康茶と健康食品の需要を底上げする。名簿の客にネットでも買ってもらえれば、広告費をかけずに売上を保てる。
財務も堅い。自己資本比率は75%で、借金は少しずつ返している。谷の年を耐える力は十分にある。会社自身も、来期の利益の回復を計画に掲げている。広告を絞っても名簿の客は買い続けるという手応えがあるからだ。
慎重な見方
通販の利益率は戻らないかもしれない。売上は3年で2割近く縮み、利益率は3年続けて下がった。広告の効き目が落ち、客1人を集める費用が上がっている。これは一時の不調ではなく、テレビとカタログの売り場が細っていく構造の表れだ。
客の高齢化も重い。今の客は年を重ねて買わなくなり、若い客はドラッグストアとネットの大手で買う。健康茶や健康食品は、どこでも買える商品だ。独自の商品で勝てる範囲は狭い。
中期計画も当てにならない。初年度から目標の道筋を外れた。買収を重ねても大きな成功は見えない。倉庫が下値を支えるとはいえ、それは会社全体の利益の半分ほどだ。今の値段は、通販の回復をかなり当然のように見込んでいる。
倉庫も万能ではない。建物は古くなり、建て替えには建築費の上昇で大きな現金が要る。家賃が上がっても、更新の投資で現金は細る。下値の支えは、思うほど厚くない。
来期の増益の計画も、広告を絞った反動で客が細れば続かない。
どちらに重みを置いたか
倉庫と純現金が下値を支えるという見方は正しい。だが通販の稼ぐ力が構造的に落ちているという慎重な見方のほうが、3年続く数字に裏づけられている。確率は中立を軸に、やや慎重側に寄せた。上振れの証拠は、利益率が2年続けて5%を超えることだ。それまでは、計画の数字を価値の土台にしない。倉庫の堅さは確率の下の方を支える。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/07 期)
確率で加重した株価時価総額 1,561 円67 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 373 円16 億円)。 今の値に割り戻すと 977 円42 億円、今との差 −14.1%、 期待の年率 +5.5%(資本コスト 8.0%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 2,942 円126 億円 | 529 円23 億円 | +205.3% | +11.8% | 347 円15 億円 |
| やや楽観 | 20% | 2,141 円91 億円 | 449 円19 億円 | +127.8% | +8.6% | 518 円22 億円 |
| 中立 | 35% | 1,649 円70 億円 | 395 円17 億円 | +79.8% | +6.0% | 715 円31 億円 |
| やや悲観 | 22% | 900 円38 億円 | 365 円16 億円 | +11.3% | +1.1% | 278 円12 億円 |
| 悲観 | 13% | 487 円21 億円 | 94 円4 億円 | −48.9% | −6.5% | 76 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,561 円67 億円 | 373 円16 億円 | +70.1% | +5.5% | 1,934 円83 億円 |
今の株価時価総額 1,137 円49 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 8.0% を下回るほど割高。
楽観 10% ネットの客に乗り換え、利益率が昔の山を超える 利益 9 億円 · PER 13.7 倍 · 株価時価総額 2,942 円126 億円
名簿の中高年の客がネットでも買うようになり、広告費をかけずに注文が入る。独自の健康茶と化粧品が定期便で定着し、件数は今より少し増える。単価は商品の入れ替えで物価より速く上がる。
ウェルネスの利益率は6%に戻り、倉庫は増設で床面積が1割強増える。家賃は物価並みに上がり、償却は今の値段のままなので倉庫の利益率も上がる。全社の営業利益率は8%近くになる。
ROEは9%前後と資本コストをわずかに上回る。配当は増え、優待も続く。
倉庫と名簿の両輪がそろい、通販の小さな会社としては珍しい安定した稼ぎ方に落ち着く。
- ウェルネス(通販・卸):数量 175(受注件数(万件・年。推定))× 価格 8,650(1件あたり売上(円・名目))→ 売上 151 億円・営業利益 9 億円。175万件×8,650(物価より速い)、利益率6%
- ロジスティクス(倉庫の賃貸・出荷請負):数量 28.0(貸している床面積(千坪。推定))× 価格 5.10(1坪あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 14 億円・営業利益 4 億円。2.8万坪×5.1万、利益率26%(償却は今の値段のまま)
倍率:事業の純利益 9 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 9.7% が k 8.00% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 8.8%、10 年より先の名目の伸び g 4.0% から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 13.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 13.7 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 13.7 倍、時価総額 124 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:名簿の客をネットに移し、広告費の効き目も戻って利益率が8%近くに上がる筋書き。過去12年でこの水準は1年だけなので1割。
やや楽観 20% 中期計画の利益率にほぼ届く 利益 7 億円 · PER 12.7 倍 · 株価時価総額 2,141 円91 億円
広告費の見直しと商品の絞り込みが効き、ウェルネスの利益率は5%近くに戻る。件数は客の高齢化で少し減るが、ネットの客がそれをほぼ補う。単価は物価よりやや速く上がる。
倉庫は稼働を保ち、家賃は物価並みに上がる。償却は今の値段のままなので、倉庫の利益率は少し上がる。全社の営業利益率は中期計画の6.6%にほぼ届く。
ROEは7%台で資本コストにわずかに届かない。配当は安定して続き、優待も続く。
買収に頼らず、本業の立て直しで計画に届く筋書きだ。株主にとっては、配当を受け取りながら価値が積み上がる10年になる。
- ウェルネス(通販・卸):数量 160(受注件数(万件・年。推定))× 価格 8,250(1件あたり売上(円・名目))→ 売上 132 億円・営業利益 6 億円。160万件×8,250、利益率4.8%
- ロジスティクス(倉庫の賃貸・出荷請負):数量 26.0(貸している床面積(千坪。推定))× 価格 5.00(1坪あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 13 億円・営業利益 3 億円。2.6万坪×5.0万、利益率25%
倍率:事業のROE 7%台がk 8%をわずかに下回るので、PERは1÷k(12.69倍)。余った現金5億は利息を外して0.75で足した。
確率:広告費の見直しで利益率が中期計画の6%台半ばに戻る筋書き。2022〜23年に実績があるので2割。
中立 35% 通販は細り、利益率は5%台 利益 5 億円 · PER 12.5 倍 · 株価時価総額 1,649 円70 億円
テレビとカタログの客は年を重ねて細り、件数は10年で1割強減る。ネットの客で一部を補うが、全部は埋まらない。単価は物価並みに上がり、売上は名目で少し増える。
ウェルネスの利益率は広告費の見直しで3%台半ばまで戻るが、昔の水準には届かない。倉庫は稼働を保ち、家賃は物価並みに上がる。償却は今の値段のままで、倉庫の利益は今の1.6倍近くになる。全社の営業利益率は5%台だ。
純利益は5億円前後で、ROEは6%前後にとどまる。配当は安定して続く。
株主にとっては、配当と優待を受け取りながら、帳簿の自己資本が少しずつ積み上がる10年だ。値段の割に、手に入るものは多くない。
- ウェルネス(通販・卸):数量 150(受注件数(万件・年。推定))× 価格 8,048(1件あたり売上(円・名目))→ 売上 121 億円・営業利益 4 億円。150万件×8,048(物価並み)、利益率3.5%
- ロジスティクス(倉庫の賃貸・出荷請負):数量 25.0(貸している床面積(千坪。推定))× 価格 4.98(1坪あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 12 億円・営業利益 3 億円。2.5万坪×4.98万(物価並み)、利益率24%
倍率:事業の純利益 5 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 6.7% が k 8.00% 以下。ためた利益は投じた額より値が低いので伸びは数えず、稼ぐ力の値 PER = 1÷(k−g)(g=0) = 12.5 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 12.5 倍 + 余った現金(戻り方込み)4 億円。全体の PER 12.5 倍、時価総額 66 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:客の高齢化で件数が1割強減り、利益率は過去の中央値を少し下回る5%台に落ち着く筋書き。最も起こりやすい。
やや悲観 22% 通販の利益は細り、倉庫が支える 利益 3 億円 · PER 11.3 倍 · 株価時価総額 900 円38 億円
客の高齢化が速く進み、件数は2割強減る。ネットの客は大手に取られ、名簿の乗り換えも進まない。値上げは物価に届かない。
ウェルネスの利益率は広告費の重さで1%台にとどまる。利益の大半は倉庫の家賃が生む。全社の営業利益率は3%台だ。
純利益は3億円弱で、ROEは4%前後だ。配当は安定配当として続くが、増配は無い。余った現金は谷の年の穴埋めに少しずつ使われる。
会社は、通販の会社というより、倉庫を持つ会社に近い姿になる。通販を続けるかどうかが、経営の大きな問いになる。株主の手に残る価値は、帳簿の半分ほどだ。
- ウェルネス(通販・卸):数量 130(受注件数(万件・年。推定))× 価格 7,700(1件あたり売上(円・名目))→ 売上 100 億円・営業利益 2 億円。130万件×7,700(物価に届かない)、利益率1.5%
- ロジスティクス(倉庫の賃貸・出荷請負):数量 24.0(貸している床面積(千坪。推定))× 価格 4.80(1坪あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 12 億円・営業利益 3 億円。2.4万坪×4.8万、利益率22%
倍率:稼ぐ力(純利益÷k)で置く。ROEはkの半分ほどなのでPERは1÷k(12.5倍)の9割。余った現金は谷で食う分を見て今の0.75倍(3.75億)を0.75で足した。帳簿の自己資本は床にしない。(2026-10-22 の式の直しで機械で置き直し、今は PER 11.25 倍・時価総額 34 億円。上の倍率は置き直す前の値)
確率:件数が2割強減り、広告費の重さでウェルネスの利益率が1%台にとどまる筋書き。ここ3年の流れがこれに近いので2割強。
悲観 13% 通販が赤字になり、倉庫だけが残る 利益 0 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 487 円21 億円
テレビ通販の枠とカタログの客が急に細り、件数は4割近く減る。広告を打っても客が集まらず、ウェルネス事業は赤字に転じる。値上げも通らない。
倉庫は残るが、稼働が落ち、家賃も物価に届かない。全社の営業利益はほぼゼロになる。配当は減り、優待も縮む。
最後は通販の縮小か売却と、倉庫を中心にした会社への作り替えが話題になる。帳簿の自己資本は残るが、稼がない在庫と名簿の値打ちは低い。価値は倉庫の家賃の稼ぎと手元の現金の一部ほどにとどまる。
買い手が出ても、値段は倉庫の値打ちほどになる。
名簿の客はゆっくりと離れていく。
- ウェルネス(通販・卸):数量 105(受注件数(万件・年。推定))× 価格 7,300(1件あたり売上(円・名目))→ 売上 77 億円・営業利益 −2 億円。105万件×7,300、赤字
- ロジスティクス(倉庫の賃貸・出荷請負):数量 22.0(貸している床面積(千坪。推定))× 価格 4.60(1坪あたり年間売上(万円・名目))→ 売上 10 億円・営業利益 2 億円。2.2万坪×4.6万、利益率18%
倍率:利益がほぼゼロなので今の自己資本65.09億に掛けるPBR。通販は稼がず、倉庫の稼ぎの価値と純現金の一部を床とし約21億、0.32倍。
確率:テレビとカタログの売り場が急に細り、通販が赤字に転じる筋書き。赤字の年は無いが、3年続く縮みと広告費の重さを見て1割強。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ウェルネス(通販・卸)
健康茶・健康食品・化粧品・寝具・雑貨をテレビ通販・カタログ・ネットで売る。卸も含む。
| 数量受注件数(万件・年。推定) | 価格1件あたり売上(円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 170 | 6,006 | 102 | 1 |
| 10 年後 中立 | 150 | 8,048 | 121 | 4 |
取り方:件数の開示は無いので推定。2026/07期の売上111.4億から倉庫の約9.3億を除いた102.1億を、1件あたり約6,000とみて年170万件とした。利益は全社の営業利益3.11億から倉庫の推定1.86億を引いた。
ロジスティクス(倉庫の賃貸・出荷請負)
静岡の袋井・掛川と名古屋の倉庫を他社に貸し、出荷の作業も請け負う。
| 数量貸している床面積(千坪。推定) | 価格1坪あたり年間売上(万円・名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/07 | 25.0 | 3.72 | 9 | 2 |
| 10 年後 中立 | 25.0 | 4.98 | 12 | 3 |
取り方:床面積の開示は無いので推定。2025/07期の売上9.27億・利益1.89億(有報)がほぼ続くとみて、1坪あたり年約3.7万で約2.5万坪とした。
リスクと懸念
通販の客の高齢化
テレビ通販とカタログで買う中高年の客は、年を重ねて買う量が減る。若い客はドラッグストアとネットの大手で買う。名簿の客をネットに乗り換えさせられなければ、数量は10年で1割以上細る。
広告費の効き目
通販は広告で客を集める商売だ。ネット広告の単価が上がり、テレビの視聴も減る。客1人を集める費用が上がれば、売上を保つほど利益が消える。ここ3年の利益率の低下はこれが大きい。
中期計画の未達
2028年7月期に営業利益率6.6%を目指すが、初年度の2026年7月期は3%弱だった。広告費の見直しと新しい事業が成果を出さなければ、計画は再び作り直しになる。
中国生産と為替
商品の一部は中国などで作る。生産国の事情や円安は原価を押し上げ、値上げが追いつくまで利益率を削る。
倉庫の建て替え
倉庫の家賃は物価並みに上がりうるが、建物は古くなり、建て替えや大きな修繕の費用は建築費の上昇で膨らむ。償却は今の値段のままでも、更新の投資で現金は細る。
今後の分かれ目
- 営業利益率が2年続けて5%を超える
- 広告費の見直しが効いた証拠になる。やや楽観の筋に寄せ、今の値段は妥当と見てよい。
- ネットの売上の比率が大きく上がる
- 客の高齢化の重さが和らぐ。数量の減りが止まり、中立より上の筋に寄る。
- 売上がさらに1割縮む
- テレビとカタログの売り場の細りが速い。やや悲観の筋に寄せる。
- 倉庫の増設や売却が出る
- 増設なら家賃の稼ぎが太り、売却なら現金が戻る。どちらも倉庫の値打ちを見直す材料になる。
- 筆頭株主の動きや買収の提案が出る
- 倉庫と名簿を評価する買い手なら今の値段で決まりうるが、起きるかは読めないので価値に織り込まない。
見ておくもの
- ウェルネス事業の利益率と広告費の比率
- ネット通販の売上の比率
- ロジスティクス事業の稼働と家賃
- 配当と自社株買いの方針
- 中期計画の進み具合
倍率と資本コストの決め方
倍率は式で決めた。中立は事業のROE 6%前後がk 8%を下回るので1÷k(12.5倍)を上限に9割の11.25倍とし、余った現金5億は利息を外して0.75で足した。facts の実績が2025年7月期で古いので、2026年7月期の短信の自己資本と純利益を起点にした。倉庫の償却は今の値段のまま、家賃と他の費用は物価で上げた。今のPER・PBRも過去の倍率も使っていない。新リース会計基準の影響は小さい(倉庫は自前)。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.9→13.7 倍・やや楽観 PER 12.5→12.69 倍・中立 PER 11.25→12.5 倍)。
資本コスト 8.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%+quality 0.5%。黒字が続き財務も堅いので上乗せなし。