結論
ポプラは、ローソンの看板を掲げた「ローソン・ポプラ」と、自前の小型店「スマートストア」を中国地方などで営む小さなコンビニ会社だ。営業総収入は 117 億円、営業利益は 3 億円。2022 年に債務超過に陥ったが、3 期連続で黒字を保った。筆者の結論は「やや割安」。ただし、前提がかなり多い。
稼ぎの源泉はローソン・ポプラ事業で、営業利益は 9 億円強。弁当「ポプ弁」を自社工場で作り、フランチャイズの店に卸す仕組みが強みだ。一方、スマートストアは 3 億円の赤字で、利益を食っている。
筆者がいちばん気にするのは優先株である。投資ファンドが 2023 年と 2025 年に計 10 億円を入れた。この分は普通株より先に配当と償還を受けるため、普通株の取り分は見かけの自己資本より薄い。
10 年後の中立は、営業利益が 5 億円ほどだ。会社の計画(2029 年 2 月期に 7 億円)には届かないと見る。それでも、今の時価総額は黒字が定着する前提をほとんど織り込んでいない。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、この会社の価値は「普通株に残る利益」で測る。
オーナーになる価値があるのは LP の部分だ。ローソンの看板と自社工場の弁当で、営業利益率 15% を出す。店を借りず本部機能だけで稼ぐので、資本が軽い。ここは、10 年先も続くと見る。
スマートストアは、まだ事業としての証明がない。赤字を続けながら店を増やすのは、資本を食う動きだ。黒字化の実績が出るまで、利益の源とは数えない。
優先株は借金に近い。約 10 億円の元本と年 0.35 億円の配当は、普通株の利益より先に払われる。見かけの自己資本 9 億円のうち、普通株の取り分はほとんど残らない。ここを見落とすと、割安に見えすぎる。
安全域は、純現金 6 億円と LP の稼ぐ力にある。ただし優先株を差し引けば現金は薄い。筆者は、確かな黒字の積み上げを確かめながら、慎重に値を付ける。
何で稼ぐ会社か
稼ぎは二つの事業から成る。ローソン・ポプラ(LP)とスマートストア(SS)だ。
LP は売上の半分で、営業利益率は 15.8%。ローソンとの 15 年のメガフランチャイズ契約(2020 年)に基づき、ポプラが加盟店オーナーを集めて店を開く。店の粗利にチャージ率を掛けた額をローソンへ払い、残りが本部の収入になる。中国地方でまとめて出店する戦略で、九州と首都圏も増やしている。
SS は売上の 4 割強。ポプラ独自の小型店と、事業所などに置く無人売店を持つ。2029 年 2 月期には有人 195 店、無人 329 店へ増やす計画だ。売上は大きいが、営業利益率は −6.3% で赤字である。会社は「早期の黒字化」を掲げる。
二つをつなぐのが自社工場だ。弁当「ポプ弁」と冷凍食品を作り、店に卸す。外部向けの販売も始めており、2026 年 9 月には、工場の外販と冷凍事業が好調で中間期の利益予想を引き上げた。
店舗は 131 店で、フランチャイズ比率は 86%。従業員は 181 人と少ない。全社の営業利益 3 億円は、事業の利益 6 億円から本社費と調整の約 3 億円を引いた値になる。
優良さと弱いところ
優良さは「並」と見る。堀は薄いが、弁当の工場と加盟店網という手持ちがあり、立て直しは進んだ。
強みは自社工場と、ローソンの看板だ。看板は集客を支え、本部には仕入れと物流の力を借りる。ポプ弁は大手にない個性で、日販を押し上げる。営業利益は 3 期連続で 3〜4 億円の黒字だった。
弱みは三つある。一つ目は規模で、131 店はコンビニ上位とは桁が違う。二つ目はスマートストアの赤字。三つ目は財務で、自己資本比率は 22% と薄く、自己資本の多くを優先株が占める。
経営は、赤字の続いた間にファンドの資金を入れ、債務超過から抜けた。ローソンが持っていた自社株 215 万株を、2025 年 10 月に買い取った点も重要だ。資本の関係を切り、看板だけを借りる形へ移った。これは自由度を増す反面、後ろ盾を失うことでもある。
売上は 10 年で 488 億円から 117 億円へ縮んだ。不採算店を閉じた結果だが、規模の縮小で本部費の重さが残る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
コンビニは、店が飽和した成熟市場だ。全国で 5.5 万店前後、国内の純増はほぼゼロ。人口が減る中で、既存店の客数はほぼ横ばいで、客単価の上昇が売上を支える。
上位はセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンの 3 社。日販(1 店の 1 日の売上)で差が付き、小さい会社は不利になる。ポプラは、ローソンの看板を借りるメガフランチャイズに乗ることで、ブランドと仕入れの差を埋めた。
人手不足は加盟店オーナーを直撃する。最低賃金は年 3% 前後で上がり、店の利益が削られる。本部は、オーナーの 1 店あたり利益を上げる仕組みを作れないと、店が閉まる。会社も「オーナー 1 人あたり店利益を 2 倍に」と掲げる。
無人店舗は、オフィスや工場、病院などの人が集まる場所で伸びる分野だ。ただ、売上は小さく、補充の物流費が重い。収益化の道筋は定まっていない。
業界の 10 年の中立は、店が横ばい、客単価が物価並みに上がる姿だ。分かれ目は、人件費の上昇を店の利益で吸収できるかである。
弁当の差別化は、大手が日配品(毎日届く食品)を磨く中で、小さな会社が生き残るほぼ唯一の武器だ。ポプ弁の個性が日販をどこまで押し上げ続けられるか、そこがこの会社の将来を決める。
資本政策と M&A
資本政策は、ファンドの資金と優先株が中心だ。
2023 年に A 種種類株式を 7 億円、2025 年 10 月に B 種を 3.2 億円発行した。割当先は再建支援の投資ファンドだ。優先配当は年 0.35 億円ほどで、普通株より先に払う。B 種は普通株への転換と、金銭での償還を請求できる。償還の請求は 2026 年 5 月末から可能で、条件は有価証券報告書の本文に書かれていない。
自社株は、ローソンから 2025 年 10 月に 215 万株を買った。ローソンは大株主でなくなり、買収の筋書きは遠のいた。普通株の配当は出しておらず、株主優待も見つからない。
現預金は 8 億円で、借入は長期 2 億円。リース債務は約 1.7 億円。現金は優先株の償還と出店に使われるため、株主に戻る額は小さい。
中期計画は 2029 年 2 月期に営業利益 6.9 億円、税引後 4.7 億円を狙う。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
LP は営業利益率 15% の事業で、店が 150 に増えれば本部の利益が積み上がる。会社は 2029 年に LP の店を 150、スマートストアを有人 195・無人 329 へ増やす計画を持つ。日販 30% 増・オーナー利益 2 倍という目標は、ポプ弁の差別化で射程に入る。
自社工場が決め手だ。外販と冷凍食品は計画を大きく上回り、2026 年 9 月に利益予想が上がった。工場の稼働率が上がれば、店への卸の利益も厚くなる。外販は小売の景気に左右されにくい。
スマートストアは固定費が軽い無人売店で伸びる。人手不足の職場で、補充の物流を自前で持つ強みが出る。黒字化すれば、LP の利益に純粋に上乗せされる。
資本の面でも整理が進んだ。ローソンの持分を買い取り、優先株は事業の利益で賄える。10 年で営業利益が 14 億円に達する姿は、会社の計画が 3 年遅れて 2 倍に伸びたものだ。
加えて、店が 150 に達すれば、本部の固定費は店あたりで薄まる。営業総収入が増えても人は増えない構造で、利益率が上がる余地は大きい。
人手不足の時代は、オーナーを支援できる本部が選ばれる。ローソンの看板と自社の弁当、物流の支えを持つ本部は、その受け皿になりうる。
慎重な見方
売上は 10 年で 488 億円から 117 億円へ縮み、黒字になったのは 3 期だけだ。まだ「再建中」の会社で、確かな黒字の積み上げではない。
利益の源は LP の 9 億円で、これがローソンとの契約に依存する。契約は 2035 年までで、更新の条件は不透明だ。ローソンが資本を引き上げた今、後ろ盾は弱い。
スマートストアは売上 50 億円で 3 億円の赤字だ。出店を続けるほど赤字が増え、固定費の家賃は動かない。無人売店は補充の物流が重く、儲けが出る確証はない。
優先株が普通株の上に乗る。B 種は金銭での償還を請求でき、現金 8 億円と借入のバランスは薄い。償還に応じれば、出店の原資が消える。
人手不足でオーナーが辞めれば、店舗数が減る。店が減ると本部の固定費が重く、利益率が崩れる。
過去にも、会社は店を大量に閉じて売上を 4 分の 1 にした。再建は成功に見えるが、同じ構図が再び起きない保証はない。
3 期の黒字は、景気と原材料の追い風の下で出た数字だ。逆風の期に黒字を保てるかは、まだ試されていない。
どちらに重みを置いたか
LP の稼ぐ力と自社工場の外販を評価し、確率はやや楽観の側に厚く置いた。一方、優先株が普通株の取り分を削ること、スマートストアの赤字が証明されていないことを重く見て、悲観にも 38% を割いた。事業の質に比べて今の値段が安いと判断したが、前提が多い。結論は「やや割安」で、確信は強くない。回復が数字で確かめられれば上へ、優先株の償還が現金を削れば下へ、確率を動かす。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/02 期)
確率で加重した株価時価総額 462 円54 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 26 円3 億円)。 今の値に割り戻すと 247 円29 億円、今との差 +50.7%、 期待の年率 +11.5%(資本コスト 7.2%)→ 割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7% | 1,452 円171 億円 | 85 円10 億円 | +837.1% | +25.1% | 108 円13 億円 |
| やや楽観 | 18% | 941 円111 億円 | 51 円6 億円 | +504.8% | +19.7% | 179 円21 億円 |
| 中立 | 37% | 481 円57 億円 | 25 円3 億円 | +209.0% | +11.9% | 187 円22 億円 |
| やや悲観 | 25% | 47 円6 億円 | 4 円1 億円 | −68.7% | −11.0% | 13 円2 億円 |
| 悲観 | 13% | 5 円1 億円 | 0 円0 億円 | −96.9% | −29.3% | 1 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 462 円54 億円 | 26 円3 億円 | +197.0% | +11.5% | 487 円57 億円 |
今の株価時価総額 164 円19 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 7.2% を下回るほど割高。
楽観 7% LP が 120 店超に育ち、スマートストアも黒字化 利益 9 億円 · PER 16.4 倍 · 株価時価総額 1,452 円171 億円
LP の店舗は 120 に増え、日販は物価並みに上がる。ポプ弁の差別化が効き、営業利益率は 14% を保つ。
スマートストアは無人売店が職場に広がり、有人と合わせて 70 店を超える。黒字に転じ、営業利益率は 1.5% に乗る。自社工場の外販と冷凍は、小売の景気と別の稼ぎ口に育つ。
営業利益は 14 億円で、会社の 2029 年の目標の 2 倍。普通株の配当を再開し、優先株は利益で整理できる。
この姿は、再建が成功し、規模の小ささという弱みが薄れた会社だ。
中国地方の店の密度が高まり、物流と工場の効率も上がる。ローソンとの関係は良好で、契約は延長される。
- ローソン・ポプラ(ローソンのメガフランチャイズ):数量 122(店舗数(店、推定))× 価格 0.89(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 109 億円・営業利益 15 億円。LP 数量 1.35 倍・価格 1.34 倍、利益率 14.0%
- スマートストア(小型有人店・無人売店):数量 74.0(有人店の店舗数(店、推定))× 価格 1.63(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 121 億円・営業利益 2 億円。SS 数量 1.80 倍・価格 1.34 倍、利益率 1.5%
倍率:事業の純利益 9 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 46.2% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 26.7%、10 年より先の名目の伸び g 1.5% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.4 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.4 倍。全体の PER 16.42 倍、時価総額 147 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:LP の店が増え、工場の外販が育ち、スマートストアが黒字になる筋書き。会社の計画の 2 倍近い。累積の赤字と優先株の重さから 5〜10% の下の側に置いた。
やや楽観 18% LP は伸び、スマートストアは損益ゼロ 利益 6 億円 · PER 16.2 倍 · 株価時価総額 941 円111 億円
LP は 108 店に増え、日販は物価の 1.32 倍に上がる。オーナーの利益が守られ、営業利益率は 13.5% を保つ。
スマートストアは赤字を縮め、損益ゼロに届く。無人売店の補充を効率化し、小型の有人店は日販を上げる。
自社工場の外販は伸び、本社費の負担を和らげる。営業利益は 9 億円。
普通株の配当は小さく再開し、優先株は事業の利益で支えられる。
人手不足でオーナーが苦しむ局面はあるが、本部が支援策を打ち、店の閉鎖は限られる。会社は 2029 年の計画に 3〜4 年遅れで追いつく。
自社工場の外販は、新しい取引先を増やしながら着実に育つ。
- ローソン・ポプラ(ローソンのメガフランチャイズ):数量 108(店舗数(店、推定))× 価格 0.88(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 95 億円・営業利益 13 億円。LP 数量 1.20 倍・価格 1.32 倍、利益率 13.5%
- スマートストア(小型有人店・無人売店):数量 57.0(有人店の店舗数(店、推定))× 価格 1.59(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 90 億円・営業利益 0 億円。SS 数量 1.40 倍・価格 1.30 倍、利益率 0.0%
倍率:事業の純利益 6 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 36.5% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 21.9%、10 年より先の名目の伸び g 1.5% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 16.2 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 16.2 倍。全体の PER 16.2 倍、時価総額 93 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社の計画が 3〜4 年遅れで進む筋書き。黒字が 3 期続いた実績があり、18% を置いた。
中立 37% LP は微増、スマートストアは赤字が残る 利益 3 億円 · PER 15.7 倍 · 株価時価総額 481 円57 億円
LP は店が 95 に増え、日販は物価の 1.30 倍に上がる。人件費の上昇でオーナーの利益が削られ、本部の営業利益率は 12.5% に下がる。
スマートストアは店を増やさず、赤字が縮むだけで 2% の赤字が残る。無人売店の物流の重さが利益を食う。
自社工場の外販は伸びて本社費の一部を埋める。営業利益は 5 億円で、今の 3 億円の 1.7 倍。
普通株の配当は小さく再開する。優先株は据え置きで、現金は出店に回る。
会社の計画には届かないが、再建は崩れない。10 年先の会社は、小さく堅実な地域のコンビニ本部として黒字を保つ。
- ローソン・ポプラ(ローソンのメガフランチャイズ):数量 94.0(店舗数(店、推定))× 価格 0.87(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 82 億円・営業利益 10 億円。LP 数量 1.05 倍・価格 1.30 倍、利益率 12.5%
- スマートストア(小型有人店・無人売店):数量 41.0(有人店の店舗数(店、推定))× 価格 1.63(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 67 億円・営業利益 −1 億円。SS 数量 1.00 倍・価格 1.34 倍、利益率 -2.0%
倍率:事業の純利益 3 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 22.9% が k 7.25% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 15.1%、10 年より先の名目の伸び g 1.5% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 15.7 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 15.7 倍。全体の PER 15.66 倍、時価総額 46 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:会社の計画(2029 年 2 月期に営業利益 7 億円)に届かず、利益が物価並みに伸びる中立の姿。再建中の実績の弱さから、中心の確率を 37% とした。
やや悲観 25% LP の店が減り、スマートストアの赤字が重い 利益 0 億円 · PER 7.5 倍 · 株価時価総額 47 円6 億円
LP は店を閉じるオーナーが出て 85 店に減る。日販は物価の 1.25 倍と、人件費の上昇に追いつかない。営業利益率は 11% に下がる。
スマートストアは店を絞るが、赤字は 5% 残る。家賃と物流費は売上ほど減らない。
工場の外販は伸びるが、本社費の負担は変わらない。営業利益は 1 億円まで落ちる。
普通株の配当は出せず、優先株の配当が利益の多くを持っていく。
会社は店を減らしながら黒字をかろうじて保つが、再び赤字に落ちる年も出る。再建は途中で足踏みする姿である。
現金は赤字の補填と優先株の配当に使われ、出店の余力は乏しい。看板であるポプ弁だけが店の個性として残る。
- ローソン・ポプラ(ローソンのメガフランチャイズ):数量 86.0(店舗数(店、推定))× 価格 0.83(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 72 億円・営業利益 8 億円。LP 数量 0.95 倍・価格 1.25 倍、利益率 11.0%
- スマートストア(小型有人店・無人売店):数量 33.0(有人店の店舗数(店、推定))× 価格 1.52(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 50 億円・営業利益 −3 億円。SS 数量 0.80 倍・価格 1.25 倍、利益率 -5.0%
倍率:ROE が k を下回る小さな利益で、優先株の配当が利益を削る。稼ぐ力は式の上限 12.1 倍より低く、構造的に弱い姿として 7.5 倍。優先株の約 10 億円を除いた普通株の自己資本は 4 億円ほどで、帳簿の自己資本に対する PBR 0.19 倍は、普通株で見れば 0.7 倍近い。
確率:人手不足で加盟店が辞め、スマートストアの赤字が続く筋書き。再建中の会社であり、25% を置いた。
悲観 13% ローソン契約が崩れ、優先株の償還で現金が尽きる 利益 −4 億円 · PBR 0.3 倍 · 株価時価総額 5 円1 億円
ローソンとの契約の更新が不利になり、オーナーの離脱が続く。LP の店は 60 に減り、日販は物価に届かない。
スマートストアは赤字が 10% に拡大する。出店の原資は、優先株の償還請求への支払いで失われる。
営業損益は 3 億円の赤字で、優先配当も重い。自己資本は減損で細り、普通株の取り分はほとんど残らない。
事業の売却や資本の再編が現実になるが、そのとき普通株に回る額は小さい。
過去に債務超過へ落ちた会社であり、この筋書きは決して絵空事ではない。ローソンが資本を引いた今、看板を失う怖さが現実味を帯びる。
- ローソン・ポプラ(ローソンのメガフランチャイズ):数量 63.0(店舗数(店、推定))× 価格 0.77(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 48 億円・営業利益 4 億円。LP 数量 0.70 倍・価格 1.15 倍、利益率 9.0%
- スマートストア(小型有人店・無人売店):数量 20.0(有人店の店舗数(店、推定))× 価格 1.40(1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目))→ 売上 28 億円・営業利益 −3 億円。SS 数量 0.50 倍・価格 1.15 倍、利益率 -10.0%
倍率:稼ぐ力では値が付かず、赤字で自己資本が細る。優先株が普通株に先に払われるため、普通株の取り分は帳簿の自己資本のごく一部にとどまり、PBR 0.3 倍とした。
確率:看板と店を失い、赤字が続く構造的に負ける筋書き。3 期の黒字では足りず、再建が頓挫する確率として 13% とした。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ローソン・ポプラ(ローソンのメガフランチャイズ)
中国地方を中心に、ローソンの看板でポプラが加盟店を募り、弁当「ポプ弁」を武器にコンビニを運営する。売上の半分を占め、利益の源泉。
| 数量店舗数(店、推定) | 価格1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 90.0 | 0.67 | 60 | 10 |
| 10 年後 中立 | 94.0 | 0.87 | 82 | 10 |
取り方:LP 事業の営業総収入 60 億円、営業利益 9 億円強(開示)。店舗数は総数 131(フランチャイズ比率 86%)の開示のみで、LP と SS の内訳が見つからず、LP 90 店・SS 41 店と推定した。1 店あたりは割り算の結果。営業総収入は加盟店から受ける本部の収入と直営の売上の合計で、全店売上ではない。
スマートストア(小型有人店・無人売店)
小さな売り場の有人店と、オフィスや施設に置く無人売店。会社が成長の柱と位置づけるが、まだ赤字。
| 数量有人店の店舗数(店、推定) | 価格1 店あたり年間の営業総収入(億円、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/02 | 41.0 | 1.22 | 50 | −3 |
| 10 年後 中立 | 41.0 | 1.63 | 67 | −1 |
取り方:SS 事業の営業総収入 50 億円、営業利益 −3 億円強(開示)。店舗数は推定の 41 店で割った。無人売店は売上が小さく、有人店に含めて数えた。直営が多く、売上は全額が営業総収入に入る。
リスクと懸念
ローソン契約への依存
LP の利益 9 億円は、ローソンとのメガフランチャイズ契約(2020 年から 15 年)に乗っている。契約の更新条件は見えず、ローソンが資本を引いた今、交渉力は弱い。看板を失えば店舗網そのものが揺らぐ。
スマートストアの赤字
SS は売上 50 億円で営業利益が 3 億円の赤字。出店を続けるほど固定費が積み上がる。無人売店は補充の物流が重く、小型店は日販が上がらないと黒字にならない。
優先株の償還と転換
約 10 億円の優先株は、普通株より先に配当を受ける。B 種は金銭での償還を請求でき、償還すれば現金が減る。普通株に転換されれば既存株主の取り分が薄まる。条件は有報の本文では確認できない。
人手不足とオーナーの利益
最低賃金の上昇で加盟店の利益が削られる。オーナーが辞めれば店が閉まり、本部のチャージ収入が減る。人件費の吸収は、日販を上げるしか道がない。
規模の小ささ
131 店では仕入れと物流で大手に劣る。売上は 10 年で 4 分の 1 になり、本部費の重さが利益率を圧迫している。固定費は店が減っても減らない。
財務の薄さ
自己資本比率は 22%、うち優先株が大半を占める。債務超過に落ちた過去があり、業績が崩れると資金繰りが再び課題になる。リースの固定費もある。
今後の分かれ目
- スマートストアが営業黒字に転じる
- 利益の源が二つになり、中立の利益を上げる。やや楽観以上の確率を厚くする。
- ローソンとの契約の更新で、チャージ率や条件が悪くなる
- LP の利益率が下がり、悲観の筋書きに寄る。
- 優先株の償還請求が出る、または普通株への転換が進む
- 現金が減るか、既存株主の取り分が薄まる。値を下げる。
- 自社工場の外販・冷凍が伸び続ける
- 小売の景気に左右されない利益が増える。中立の営業利益を上げる。
- 店舗数が 150 を超え、日販が上がる
- 本部の固定費が薄まり、営業利益率が上がる。
見ておくもの
- LP とスマートストアの店舗数・日販
- スマートストアの営業損益
- 自社工場の外販・冷凍の売上
- 優先株の償還・転換の動き
- ローソンとの契約の更新
倍率と資本コストの決め方
倍率は式から決めた。中立は ROE 12% が k を上回るので下限の 1÷k = 12.1 倍の近くに置き、g は店の飽和を見て 1.5% とした。今の PER や株価は根拠にしていない。優先株の配当(年 0.35 億円)は純利益から引き、倍率は普通株に残る利益に掛けた。優先株の元本(約 10 億円)は借金に近いが、事業の資本として残る前提で、償還されない筋書きとした。償還される悲観では現金が減る形で置いた。新リース会計基準で店舗の賃借が BS に載る影響は、今と同じ形にそろえた。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 13.5→16.42 倍・やや楽観 PER 12.3→16.2 倍・中立 PER 12.2→15.66 倍)。
資本コスト 7.2% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。k = 基本 7.5% + quality 0.75% = 8.25%。個別のリスクは k に足さず、筋書きと確率で表す。 2026-10-22 に循環と借金を過去の数字で付け直し、k は 8.25% → 7.75%。