結論
ショーケースは、企業のオンライン本人確認と入力フォームの改善を支えるソフトウェア会社である。筆者の結論は「割高」だ。本人確認サービスの導入拡大は評価するが、継続事業の利益と現在の時価総額約75億円の間には大きな隔たりがある。
評価の出発点は、事業の姿が大きく変わったことだ。2026年3月期の売上高は約32.6億円、純利益は約8.5億円だった。しかし、この年度は15か月の変則決算であり、中古端末販売を営んでいたReYuuの売上が一部含まれる。純利益の大部分も関係会社株式の売却益によるものである。継続事業の実力を測るには、売却済み事業と一過性利益を取り除く必要がある。
希望は本人確認サービス「ProTech ID Checker」にある。累計導入社数は2026年10月に500社を超えた。マイナンバーカードや在留カードのIC認証、金融取引の本人確認は、AIエージェントが普及しても消えない仕事だ。ただし、導入社数の首位は売上シェアの首位を意味しない。競合のLIQUID eKYCは売上規模と大口顧客への浸透で強い。
一方、入力フォーム最適化や受託開発、広告運用は、AIエージェントによる代替にさらされる。加えて、親会社への10億円の無担保貸付は、少数株主にとって無視できない資本配分上の問題である。継続企業の前提に関する注記は確認されなかったが、営業キャッシュ・フローは4期続けてマイナスだった。
中立では2036年3月期の継続事業の売上高を約20.6億円、純利益を約1.5億円と見込む。本人確認の成長は旧事業の縮小を補うが、時価総額75億円を正当化するほどの超過利益には届かない。5つの筋書きと資本コストで測ると、現在価値は約10億円を中心とする水準であり、安全域は乏しい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主の立場では、10年後にも必要な仕事と、10年後にもその会社だけが稼げる仕事を区別したい。本人確認は前者としてかなり確かである。本人の実在性を確かめ、不正利用を防ぎ、法令に従って記録する必要は、AIが普及しても残る。だが、その処理をショーケースへ発注し続けなければならない理由が十分に固まっているとは言えない。
FormAssistには長い販売実績がある。導入した金融機関の申込フォームに組み込まれ、改善を積み重ねてきたことは無視できない。しかし、入力の途中離脱を減らすという価値は、人がフォームを操作する前提に依存している。AIエージェントが必要項目を機械間で渡すようになれば、同じ導入実績がそのまま収入を守るとは限らない。既存の優位を過大評価せず、次の利用形態へ移れるかを見るべきだ。
オーナー利益の面では、一時的な株式売却益を除き、継続事業がどれほど現金を残すかが問題になる。2026年3月期は会計上の純利益が大きかったが、営業キャッシュ・フローはなおマイナスだった。売却代金が親会社への貸付に回ったことも、会社に残った現金と少数株主が自由に使える資金が同じではないことを示している。貸付先からの利息を受け取れても、元本の使い道や返済時期を少数株主が決められるわけではない。
再投資するなら、認証件数の増加が運用費と安全対策費の増加を上回る必要がある。累計導入社数だけでなく、稼働社数、処理件数、1件当たり粗利、解約率がそろって初めて、増分資本利益率を判断できる。今はそれらが十分に見えず、本物の堀に高い価格を払う段階ではない。事業の一部に価値はあるが、現在の時価総額には将来の成功が先取りされており、安全域が不足している。
何で稼ぐ会社か
現在の稼ぎの中心はDXクラウド事業である。本人確認の「ProTech ID Checker」、入力フォーム改善の「FormAssist」、Webサイト最適化の「NaviCast」、手続き支援の「おもてなしSuite」、顧客企業向けのDX開発支援が含まれる。2026年3月期のDXクラウド売上高は約13.7億円だった。ただし、この数字も15か月分であり、製品別売上や稼働契約数は十分に開示されていない。
本人確認には二つの収入源がある。導入企業が払う基本料金と、認証処理に応じた従量料金である。基本料金は契約社数と契約単価で決まり、従量料金は実際の本人確認件数と処理単価で決まる。2026年4月には月額料金を1万8,000円引き上げた。これは値上げを実施した事実として重要だが、解約率や値上げ後の顧客維持率までは確認できない。
FormAssistは金融機関などのWeb申込フォームで入力ミスや途中離脱を減らす。会社は累計6,000フォーム以上の導入と、ITR調査に基づく入力フォーム最適化市場での10年連続売上シェア首位を公表している。これは製品の実績を示す一方、6,000という数字は累計であり、現在料金を払うフォーム数ではない。利用者が自分でWebフォームを操作しなくなると、製品の役割そのものが変わる。
DX開発支援は、顧客ごとの開発案件を受注して収入を得る。受託開発や運用支援の人月部分は、AIによるコード生成と業務自動化に直接さらされる。広告・メディア事業では自社媒体とアフィリエイト広告を扱い、検索流入や送客成果に収益を依存する。投資関連事業ではSmartPitchなどを提供するが、投資先の評価や売却に伴う収益は継続的なソフトウェア売上と同列には扱えない。
2025年3月にはReYuuの株式売却によって情報通信関連事業が連結対象から外れた。過去の中古スマートフォン販売売上を10年後まで伸ばすことはできない。最新四半期はDXクラウドが約2.54億円、広告・メディアが約0.42億円、投資関連が約0.003億円の売上だった。全社費用を控除した連結営業利益は約0.03億円にとどまり、主力製品の採算の良さがそのまま株主利益になっているわけではない。
優良さと弱いところ
同社の最も評価できる資産は、実際の業務で使われてきた製品群と顧客接点である。FormAssistは入力フォーム最適化市場で長期間の販売実績があり、ProTech ID Checkerは本人確認の複数方式に対応する。とくにICチップの読み取りや公的個人認証への対応は、単なる画面の作りやすさよりも長期の必要性が高い。
しかし、製品の必要性と会社の競争優位は別である。本人確認は今後も必要だが、認証の処理自体は複数の事業者から調達できる。LIQUID、TRUSTDOCK、サイバートラストなどの競合が存在し、政府が提供する公的認証基盤も発達する。導入社数が増えていることだけでは、他社へ切り替えにくいことや長期の値上げ力を証明できない。
2026年の月額料金引き上げは、価格決定力を測るうえで具体的な一歩である。ただし、法令改正のたびに値上げを受け入れさせた実績、年5%未満といった解約率、移行に年単位を要する証拠、独自データの蓄積を示す数字は確認できなかった。このため、本人確認についても「記録の正本」を独占する強い堀とは認定しない。FormAssistの既存実績も、AIエージェントがWebフォームを飛ばす未来まで守るものではない。
利益率にも注意が必要だ。2026年3月期のDXクラウド事業はセグメント営業利益を約5.3億円計上したが、全社費用は約5.5億円に達した。次の四半期にも全社費用は約0.94億円発生している。製品単体で粗利が高くても、本社機能、開発、安全対策、営業を支えるコストを払った後の収益力はまだ弱い。
過去の資本配分にも高い評価は難しい。赤字と減損を経て子会社を売却し、株主への配当が途絶えた時期が続いた。2024年には第三者割当増資が行われ、現在は回収期限が延長された親会社向け貸付が大きな割合を占める。再投資が資本コストを超える利益を生むという実績は、まだ継続的に示されていない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内のeKYC・公的個人認証・当人認証ソリューション市場は、法令と犯罪対策が需要を作る領域である。矢野経済研究所によると2023年度の事業者売上高は約89.9億円であり、2027年度には約247.9億円へ拡大すると予測されている。金融機関だけでなく、通信、リユース、マッチングサービスなどでも本人確認が必要になる。これは利用者が自分で画面を操作するかどうかとは別に残る需要だ。
ただし、市場の伸びがそのままショーケースの売上増になるわけではない。2026年10月の累計導入500社は、同社の総合型eKYC製品単体での実績である。比較対象と期間を限定した累計導入社数調査では首位だが、年間認証件数やベンダー売上高の首位ではない。競合のELEMENTS傘下のLIQUID eKYCは、別のITR調査で売上高シェア首位を公表しており、大手金融機関や通信事業者に深く入り込んでいる。両社の導入社数の定義も異なる。
本人確認の価格は、将来一方向に上がるとは限らない。IC認証や公的個人認証の利用が広がれば、不正防止と法令対応の必要性は高まる。一方、標準化と競合の増加は、認証1件当たりの価格を下げる。ショーケースは低い導入負担、多様な認証方式、多言語対応で顧客を獲得できるが、同じ仕組みを競合も提供できるため、成長はシェア争いを伴う。
入力フォーム最適化市場では、FormAssistの過去の売上シェア首位実績が際立つ。ただし、EFO単独の最新市場売上高と同社の絶対シェアは確認できなかった。KARTEなどのWeb接客・改善製品、企業が内製するフォーム改善機能とも競う。今後はAIエージェントが申込者に代わって情報を入力し、画面の入力補助ではなく機械間の認証とAPI連携が価値を持つようになる可能性がある。
広告・メディアには検索エンジンからの流入が必要だ。生成AIによる検索回答の完結や広告制作の自動化は、媒体への来訪者と運用手数料を同時に圧迫する。DX受託開発もAIによる工数削減の影響を受ける。国内SaaS市場全体が成長しても、その数字をこの会社の各製品へ均等に当てはめることはできない。10年後の競争力は、Web画面の改善から規制対応の認証基盤へ、収益の重心を移せるかにかかっている。
資本政策と M&A
資本配分の評価は慎重である。2024年5月に公表した中期経営計画では、2026年12月期の売上高128.4億円、営業利益13.0億円を目指していた。しかし同年12月16日、経営体制と事業環境の変化を理由に計画を取り下げた。現時点で確認できる有効な中期計画には、売上高、利益、ROE、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額に関する中期的な数字の約束なし。2027年3月期の単年度会社予想は売上高14.6億円、営業利益1.5億円、純利益1.1億円である。
2024年12月にはAIフュージョンキャピタルグループによる公開買付けと第三者割当増資が行われ、同社が親会社となった。この買付けは上場廃止を目的としたものではなく、ショーケースは上場を維持している。2025年3月にはReYuu株式を売却し、連結事業を整理した。売却による利益と財務改善は評価できるが、過去の買収や事業拡張が長期のオーナー利益に結びついたとは言い難い。
最大の論点は、親会社に対する10億円の無担保貸付である。貸付金は親会社のM&A資金などに使われ、2026年4月には返済期限が延長され、固定金利が年1.0%から2.53%へ引き上げられた。貸付条件の改善は事実だが、回収リスクと少数株主の資金利用に対する発言力の弱さは残る。会社は利益相反を審議する特別委員会を設けているものの、貸付資金が確実に回収されることを意味しない。
過去5年に安定的な増配や大規模な自社株買いを継続した実績は確認できず、2022年以降の配当は無配である。余剰資金の株主への戻り方は0.75とし、楽観側で業績回復が進んだ場合にだけ還元が再開する。経営者には、大型買収による規模拡大より先に、親会社貸付の回収と既存製品の採算改善を求めたい。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
本人確認市場は、AIの普及によってむしろ重要になる。生成AIで作られた画像や偽の本人情報が増えるほど、ICチップや公的個人認証によって本人の実在性を確かめる仕組みが必要になる。ショーケースは撮影方式だけでなく、マイナンバーカード、運転免許証、在留カードのIC認証に対応し、多言語の本人確認も広げている。累計導入500社は、金融機関だけに頼らない顧客開拓の実績である。
2026年4月には本人確認サービスの月額料金を引き上げた。既存顧客がそのまま利用を続け、認証件数も伸びれば、固定収入と従量収入が一緒に増える。本人確認件数の増加に対して運用費を抑えられれば、ソフトウェアの高い限界利益率が本社費用を吸収し、連結利益は現在より大きくなる。2027年の法令改正や非金融業種への普及は、顧客獲得の追い風になる。
FormAssistにも長年の顧客基盤が残る。AIエージェントが直接入力する時代になっても、既存の入力フォームをすぐに全面廃止できない金融機関や大企業は多い。本人確認との組み合わせ販売が進めば、導入済みの顧客接点は有利に働く。ReYuu売却で中古端末販売に伴う在庫と調達の負担が減ったことも、継続事業の利益率を改善させる。親会社貸付が期限どおりに回収され、還元が再開すれば、株主の受け取る現金も増える。
慎重な見方
累計導入500社という見出しだけで事業価値を判断するのは危険である。累計と稼働中の社数は違い、契約社数と認証件数も違う。本人確認を導入した企業が小規模なら、年間処理件数は少ない。実際、売上高ベースの市場ではLIQUID eKYCが強く、ショーケースの同一定義での売上シェアは確認できない。大口顧客が競合の認証基盤を使えば、取引件数が伸びても同社の収入にはつながらない。
値上げも利益拡大の証明にはまだならない。月額料金の引き上げは、サーバー費用やセキュリティ対応費用の増加を背景としている。値上げ後に解約率が低く保たれたか、従量単価が維持されたかは開示されていない。公的認証の普及は需要を増やす一方、業界全体の標準化と価格競争を招く。本人確認の義務が残っても、サービス提供会社の超過利益が残るとは限らない。
FormAssistはAIエージェントが入力を代行すれば必要性が減り、受託開発は人月単価の維持が難しくなる。広告運用もAIによる制作と運用の自動化で手数料が下がる。2026年3月期の純利益はReYuu売却益に大きく依存し、次の四半期の営業利益は小さい。全社費用が重いため、製品の成長がそのまま最終利益にならない。
さらに、売却代金の相当部分が親会社への無担保貸付に回っている。少数株主には資金の使い道を直接決める力がない。過去には赤字、減損、増資、中期計画の撤回が重なった。10年後に事業が残っていても、成長の果実が現在の普通株主へ十分に還元されない可能性を考える必要がある。
どちらに重みを置いたか
本人確認という仕事の必要性では強い見方が勝る。しかし、同社がその需要を独占的な利益に変えられるか、少数株主が利益を受け取れるかという問いでは慎重な見方の根拠が強い。確率は楽観側26%、中立27%、悲観側47%とした。下に寄せる理由は、単なるAIの一般論ではない。ReYuu売却後の利益の小ささ、継続的な営業キャッシュ・フロー不足、親会社への大口貸付、撤回済み中期計画という会社固有の事実がある。AIによる縮小は中立の数量と長期成長率に織り込み、資本コストや確率に同じ理由を重ねていない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 273 円23 億円(+ 還元の換算額還元の合計 26 円2 億円)。 今の値に割り戻すと 132 円11 億円、今との差 −79.7%、 期待の年率 −7.8%(資本コスト 9.0%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 745 円64 億円 | 105 円9 億円 | +30.6% | +2.9% | 85 円7 億円 |
| やや楽観 | 16% | 501 円43 億円 | 58 円5 億円 | −14.1% | −1.6% | 90 円8 億円 |
| 中立 | 27% | 250 円21 億円 | 23 円2 億円 | −58.0% | −8.6% | 74 円6 億円 |
| やや悲観 | 28% | 118 円10 億円 | 0 円0 億円 | −81.9% | −15.7% | 33 円3 億円 |
| 悲観 | 19% | 93 円8 億円 | 0 円0 億円 | −85.7% | −17.7% | 18 円2 億円 |
| 加重平均 | 100% | 273 円23 億円 | 26 円2 億円 | −54.1% | −7.8% | 299 円26 億円 |
今の株価時価総額 651 円56 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 本人確認APIが全国的な取引基盤へ成長 利益 5 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 745 円64 億円
本人確認の法令対応が金融機関以外にも広がり、ショーケースは低い導入負担と幅広いIC認証方式を武器に顧客を増やす。企業の稼働契約数は2,000社へ、年間の有料処理件数は1,000万件へ伸びる。市場そのものが成長するうえ、LIQUIDなどの大手との競争でも一定の案件を獲得する。これはAIエージェントを販売して伸びる筋書きではなく、法令対応と本人確認取引が増える筋書きである。
本人確認サービスの月額料金は、2026年4月の値上げ後の水準からさらに緩やかに上がる。認証単価も、高度な不正対策への需要によって維持される。FormAssistはAIエージェントによる画面操作の減少に直面するが、既存の金融機関向け需要が残り、利用フォーム数をおおむね維持する。受託開発はAIによる工数圧縮を受けつつ、複雑な金融機関連携を中心に仕事を残す。
認証APIの利益が増えて全社費用を十分に吸収できるようになる。2026年時点の親会社貸付も回収が進み、配当と自社株買いが再開される。10年間の純利益累計を約28億円、還元累計を約9億円とし、自己資本は約35.8億円まで増える。ROEは資本コストを超え、長期の株主利益をようやく継続的に生み出す。
- DXクラウド:本人確認サービスの基本料金:数量 2,000(稼働契約企業数(社、期中平均の推定))× 価格 0.01(1社当たり対象期間の基本料金(億円、税抜))→ 売上 12 億円・営業利益 5 億円。稼働契約2,000社。高い顧客獲得力を確認できた場合。
- DXクラウド:本人確認の従量処理:数量 10,000,000(本人確認の有料処理件数(件、15か月実績相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり平均認証料金(億円))→ 売上 25 億円・営業利益 10 億円。年間認証1,000万件、平均250円。法令対応の需要拡大が原動力。
- DXクラウド:FormAssist・NaviCast:数量 1,600(有料稼働フォーム数(フォーム、期中平均の推定))× 価格 0.00(1フォーム当たり対象期間の利用料(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。AI代替下でも稼働フォームは横ばい。価格は12か月換算後の現行額の1.125倍。
- DXクラウド:受託開発・クラウドインテグレーション:数量 18.0(開発・導入案件数(案件、15か月相当の推定))× 価格 0.17(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。案件数は15か月実績仮説以下。単価は12か月換算と名目インフレを反映。
- 広告・メディア:数量 75,000(成果報酬対象の送客件数(件、15か月相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり広告売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。広告送客数は今の推定数量の75%。
- 投資関連・SmartPitch:数量 1.0(投資収益・支援契約の年次収益単位(単位、推定))× 価格 0.15(1収益単位当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。大型の投資売却益を繰り返すとは想定しない。
- 売却済みReYuu・中古端末関連:数量 0.0(販売端末数(台、15か月連結期間内の仮置き))× 価格 0.00(1台当たり平均販売売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済みで連結対象外。
- その他・経営管理業務受託:数量 0.0(受託管理契約数(契約、15か月相当の推定))× 価格 0.04(1契約当たり対象期間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。外部管理受託の継続収益を見込まない。
倍率:k9.0%、長期名目成長率g_long0%、ROE約14.2%、moatはweakとする。2036年以後の成長を永続的に高く評価せず、正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷0.09=11.111倍を使用する。ROEがkを上回る場合にも上限を人為的に割り引かない。
確率:法令対応を追い風に稼働顧客と認証件数が大きく増え、LIQUIDなどの有力競合から案件を獲得し続ける必要がある。累計導入500社の実績はあるが、大口契約と利用単価の開示が不足するため、実現確率は10%に限る。
やや楽観 16% 本人確認が成長し、連結利益も定着 利益 3 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 501 円43 億円
本人確認の需要拡大は続くが、ショーケースが獲得するのは市場全体の一部にとどまる。稼働契約は1,450社となり、年間認証件数は700万件へ増える。LIQUIDなどの大手競合は売上シェアの優位を保つが、導入の容易さを求める金融機関や中堅企業の案件を取り込める。月額基本料金と取引単価の両方が収入を支える。
FormAssistは顧客の一部が機械間の手続きへ移行し、利用フォーム数が少し減る。既存システムを一度に廃止しにくい大企業の需要は残るため、収益が急に消えるわけではない。DX受託開発はAIエージェント代替による工数削減が進み、件数を縮めながら顧客との接点を維持する。広告・メディアは検索流入が減り、主力には戻らない。
認証APIの増収によって本社費用を吸収し、2036年の営業利益は約5.8億円、純利益は約3.1億円となる。買収より既存製品の改良を優先し、親会社への貸付もおおむね回収する。長期の配当は限定的に再開され、10年間の還元累計は約5億円となる。自己資本は約31.8億円まで積み上がり、ROEは資本コストをわずかに上回る。
- DXクラウド:本人確認サービスの基本料金:数量 1,450(稼働契約企業数(社、期中平均の推定))× 価格 0.01(1社当たり対象期間の基本料金(億円、税抜))→ 売上 8 億円・営業利益 3 億円。稼働契約1,450社。
- DXクラウド:本人確認の従量処理:数量 7,000,000(本人確認の有料処理件数(件、15か月実績相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり平均認証料金(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 7 億円。年間認証700万件。
- DXクラウド:FormAssist・NaviCast:数量 1,500(有料稼働フォーム数(フォーム、期中平均の推定))× 価格 0.00(1フォーム当たり対象期間の利用料(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。既存顧客は残るが、AIによって新規の画面需要は弱い。
- DXクラウド:受託開発・クラウドインテグレーション:数量 15.0(開発・導入案件数(案件、15か月相当の推定))× 価格 0.17(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。数量は現状推定の75%。
- 広告・メディア:数量 68,000(成果報酬対象の送客件数(件、15か月相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり広告売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。送客件数は減るが、媒体の一部に顧客を残す。
- 投資関連・SmartPitch:数量 1.0(投資収益・支援契約の年次収益単位(単位、推定))× 価格 0.10(1収益単位当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。少額の支援収入。
- 売却済みReYuu・中古端末関連:数量 0.0(販売端末数(台、15か月連結期間内の仮置き))× 価格 0.00(1台当たり平均販売売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済み。
- その他・経営管理業務受託:数量 0.0(受託管理契約数(契約、15か月相当の推定))× 価格 0.04(1契約当たり対象期間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。外部収益なし。
倍率:2036年ROE約9.7%がk9.0%をわずかに上回る。長期名目成長率0%では正当化PERは1÷k=11.111倍であり、製品の成長期待を10年後の利益と倍率の双方へ重ねない。
確率:eKYC市場の法令対応需要が増え、ショーケースが現在の製品競争力を保つ場合である。ただし、大口顧客の利用量と継続率が十分に開示されていないため、強気の中心とはしない。
中立 27% 本人確認の成長が他事業の縮小を補う 利益 2 億円 · PER 11.1 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 250 円21 億円
本人確認の需要は拡大するが、ショーケースが市場全体を主導するわけではない。稼働契約は850社となり、年間の認証処理は400万件まで増える。国内市場は2027年度の予測規模を超えて成長するものの、LIQUIDなどの競合も成長するため、同社の売上シェア拡大は限定的である。認証の基本料金は2026年4月の改定後の水準を維持しつつ上がるが、従量単価は標準化でほぼ横ばいになる。
FormAssistはAIエージェントがフォームを直接操作せずに手続きを済ませる影響を受け、稼働フォーム数が現在の推定から25%減る。DX受託開発の案件数はAIによる工数削減を受け、35%減少する。広告・メディアでも検索経由の送客が減り、従来の成長は戻らない。それでも、長年の顧客関係があるため事業全体が消えるわけではない。
2027年3月期の会社予想をそのまま高成長で延ばさず、利益の立ち上がりには数年を要する。2036年には継続事業の売上高が約20.6億円、営業利益が約2.6億円、純利益が約1.5億円に達する。親会社貸付については回収不能が発生しない中心ケースとするが、現金を直ちに株主へ戻すとは想定しない。10年間の純利益累計を約10億円、還元累計を約2億円とし、自己資本は約24.8億円となる。ROEは約6.0%で、資本コストを下回る。
- DXクラウド:本人確認サービスの基本料金:数量 850(稼働契約企業数(社、期中平均の推定))× 価格 0.00(1社当たり対象期間の基本料金(億円、税抜))→ 売上 4 億円・営業利益 2 億円。稼働契約850社。月額約4.14万円で、2026年4月改定後の参考額の1.15倍。
- DXクラウド:本人確認の従量処理:数量 4,000,000(本人確認の有料処理件数(件、15か月実績相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり平均認証料金(億円))→ 売上 10 億円・営業利益 4 億円。年間認証400万件、1件240円。法令需要は増えるが単価は競争で伸びない。
- DXクラウド:FormAssist・NaviCast:数量 1,200(有料稼働フォーム数(フォーム、期中平均の推定))× 価格 0.00(1フォーム当たり対象期間の利用料(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。数量は現在の推定の0.75倍、12か月換算単価は1.10倍。AIエージェント代替を反映。
- DXクラウド:受託開発・クラウドインテグレーション:数量 13.0(開発・導入案件数(案件、15か月相当の推定))× 価格 0.17(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。案件数は0.65倍。年額換算の単価には10年の物価上昇を反映。
- 広告・メディア:数量 60,000(成果報酬対象の送客件数(件、15か月相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり広告売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。送客件数0.60倍。成果単価は実質・名目ともに弱含む。
- 投資関連・SmartPitch:数量 1.0(投資収益・支援契約の年次収益単位(単位、推定))× 価格 0.08(1収益単位当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。通常の支援収入だけを想定し、売却益は恒常化させない。
- 売却済みReYuu・中古端末関連:数量 0.0(販売端末数(台、15か月連結期間内の仮置き))× 価格 0.00(1台当たり平均販売売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済みで対象外。
- その他・経営管理業務受託:数量 0.0(受託管理契約数(契約、15か月相当の推定))× 価格 0.04(1契約当たり対象期間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。外部管理収入を見込まない。
倍率:自己資本24.8億円に対するROEは約6.05%で、資本コスト9.0%を下回る。長期名目成長率g_long0%を適用し、超過利益が生じない事業の正当化PER上限1÷k=11.111倍を使用する。現行株価や同業PERから逆算していない。事業利益以外の余剰現金は、回収可能性を確認できない親会社貸付と重複しないよう別建てで加算していない。
確率:2027年の本人確認市場拡大を踏まえつつ、大手競合との価格競争とAIによる既存ソフト代替を同時に反映する。継続事業の増益には時間がかかるため、中立の確率は27%とする。
やや悲観 28% 本人確認は残るが、競争優位を失う 利益 1 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 118 円10 億円
本人確認市場は拡大するものの、認証の標準化が進む。LIQUIDなどの先行企業が金融機関の大量処理案件を維持し、ショーケースは中小規模の導入案件を中心に事業を続ける。稼働契約は700社にとどまり、年間の認証件数は350万件となる。顧客数は残っても取引単価が下がり、売上高は中立を下回る。
FormAssistはAIエージェントによる操作の自動化で利用フォームが減る。顧客によっては自社のAI基盤へ入力補助機能を取り込み、専用製品の契約をやめる。受託開発もAIによる工数短縮で案件が減り、広告・メディアでは検索流入と成果報酬の双方が弱まる。会社は採用と間接費を抑え、減収下でも赤字を避けるために組織を小さくする。
継続事業の売上高は約16.5億円、営業利益は約1.5億円にとどまる。親会社貸付が回収されても新規開発と運転資金への支出が優先され、配当は再開しない。最初の数年間の利益不足が後半の小さな黒字を相殺し、10年間の純利益累計はほぼゼロとする。床の評価には将来の積み上がった自己資本を用いず、現在の自己資本16.8億円を基礎にする。
- DXクラウド:本人確認サービスの基本料金:数量 700(稼働契約企業数(社、期中平均の推定))× 価格 0.00(1社当たり対象期間の基本料金(億円、税抜))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。契約は残るが、基本料金の引き上げは中立より弱い。
- DXクラウド:本人確認の従量処理:数量 3,500,000(本人確認の有料処理件数(件、15か月実績相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり平均認証料金(億円))→ 売上 7 億円・営業利益 3 億円。年間認証350万件、1件210円。
- DXクラウド:FormAssist・NaviCast:数量 1,150(有料稼働フォーム数(フォーム、期中平均の推定))× 価格 0.00(1フォーム当たり対象期間の利用料(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。入力操作の自動化でフォーム数が減少。
- DXクラウド:受託開発・クラウドインテグレーション:数量 11.0(開発・導入案件数(案件、15か月相当の推定))× 価格 0.17(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。受託案件数は0.55倍。
- 広告・メディア:数量 55,000(成果報酬対象の送客件数(件、15か月相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり広告売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。送客数も手数料も縮小。
- 投資関連・SmartPitch:数量 1.0(投資収益・支援契約の年次収益単位(単位、推定))× 価格 0.04(1収益単位当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。わずかな支援収入。
- 売却済みReYuu・中古端末関連:数量 0.0(販売端末数(台、15か月連結期間内の仮置き))× 価格 0.00(1台当たり平均販売売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済み。
- その他・経営管理業務受託:数量 0.0(受託管理契約数(契約、15か月相当の推定))× 価格 0.04(1契約当たり対象期間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。外部収益なし。
倍率:継続事業のROEは0.95÷16.8=約5.65%でk9%未満。今の自己資本16.8億円だけを基準とし、PBR0.60倍の10.08億円とする。稼ぐ力の上限0.95÷0.09=約10.56億円以下で、売却可能資産の床8.0億円以上である。将来の留保をPBRの分母に加えない。
確率:本人確認そのものが必要でも、収益単価と大口顧客獲得で競合に劣る可能性がある。過去の営業キャッシュ・フローと親会社への貸付実績を踏まえ、下振れを比較的重く見る。
悲観 19% 認証の価格競争とAI代替で事業が縮小 利益 0 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 93 円8 億円
公的個人認証の標準化が進み、認証の処理価格は下がる。大手金融機関はLIQUIDなどの主要ベンダーを使い、ショーケースは小口の顧客と一部の専門用途にとどまる。稼働契約は350社、年間認証件数は150万件まで縮む。本人確認を必要とする社会の需要が残っても、同社がその利益を取り切ることはできない。
FormAssistでは、人が入力するWebフォームそのものが減る。AIエージェントが本人確認APIと直接連携する仕組みが一般化し、従来のフォーム改善機能の価値は細る。受託開発は顧客の内製化と自動化で案件が減り、広告の送客は検索結果のAI回答によって落ち込む。継続事業の年間売上は約7.2億円となり、2027年3月期の会社予想の半分程度に落ちる。
会社は採用を止め、管理業務を統合し、本社費用を大幅に削る。2036年には営業損益をかろうじて均衡させるが、設備更新や新規開発への余力は少ない。過去10年間の赤字と黒字はおおむね相殺され、配当は再開しない。新しい大型買収によって価値が回復するとは仮定しない。評価は失われた成長期待ではなく、親会社貸付に回収掛目を付け、借入と最低運転資金を控除した売却可能資産を下限とする。
- DXクラウド:本人確認サービスの基本料金:数量 350(稼働契約企業数(社、期中平均の推定))× 価格 0.00(1社当たり対象期間の基本料金(億円、税抜))→ 売上 1 億円・営業利益 1 億円。稼働契約が縮み、料金も中立を大きく下回る。
- DXクラウド:本人確認の従量処理:数量 1,500,000(本人確認の有料処理件数(件、15か月実績相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり平均認証料金(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。認証件数は150万件、平均単価190円。
- DXクラウド:FormAssist・NaviCast:数量 730(有料稼働フォーム数(フォーム、期中平均の推定))× 価格 0.00(1フォーム当たり対象期間の利用料(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。フォーム数は半分未満へ縮小。実質的な値上げ力を失う。
- DXクラウド:受託開発・クラウドインテグレーション:数量 5.0(開発・導入案件数(案件、15か月相当の推定))× 価格 0.17(1案件当たり平均売上(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。受託案件数は現在推定の4分の1。
- 広告・メディア:数量 25,000(成果報酬対象の送客件数(件、15か月相当の推定))× 価格 0.00(1件当たり広告売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。検索流入減少と広告自動化で収益が細る。
- 投資関連・SmartPitch:数量 0.0(投資収益・支援契約の年次収益単位(単位、推定))× 価格 0.00(1収益単位当たり売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。投資関連の新規収益を見込まない。
- 売却済みReYuu・中古端末関連:数量 0.0(販売端末数(台、15か月連結期間内の仮置き))× 価格 0.00(1台当たり平均販売売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。売却済み。
- その他・経営管理業務受託:数量 0.0(受託管理契約数(契約、15か月相当の推定))× 価格 0.04(1契約当たり対象期間売上(億円))→ 売上 0 億円・営業利益 0 億円。外部収益なし。
倍率:2036年の事業純利益0.03億円に対する稼ぐ力は約0.33億円であり、売却可能資産の床8.0億円が価値を決める。現在の自己資本16.8億円に対するPBR0.47619倍で約8.0億円とする。将来の利益蓄積を床の分母に使わず、過去の市場PBRも参照しない。倒産や普通株の消滅を仮定していないため、時価総額は正の値とする。
確率:認証需要そのものはなくならないが、競合が主要取引を押さえ、AIによるフォーム・開発・広告業務の代替も重なる筋書きである。現在の利益水準と資本配分の不確実性を踏まえ、低頻度の極端な例として片付けない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
DXクラウド:本人確認サービスの基本料金
ProTech ID Checkerを導入した企業が払う月額基本料金。契約社数と月額料金が収益を決める。
| 数量稼働契約企業数(社、期中平均の推定) | 価格1社当たり対象期間の基本料金(億円、税抜) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 360 | 0.00 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 850 | 0.00 | 4 | 2 |
取り方:会社公表の累計導入社数は2026年3月末400社、同年10月500社であり、稼働契約社数は非開示。2026年3月期の期中平均稼働社数を360社と仮定する。料金は月額1万8,000円を15か月分として逆算した仮置きで、個別契約実額ではない。2026年4月の月額1万8,000円引き上げが別途公表されているため、2036年の価格は値上げ後の年額を起点に考える。売上はDXクラウド開示総額の内訳推定であり、実際の製品別売上は非開示。本人確認は取引を成立させる認証APIであり、席課金の画面ソフトや人月サービスとは区別する。ただし、解約率などの証拠が不足するため、記録の正本の強い堀は認定しない。
DXクラウド:本人確認の従量処理
顧客の本人確認時に生じる認証件数に応じた従量料金。IC認証、公的個人認証、撮影認証などが含まれる。
| 数量本人確認の有料処理件数(件、15か月実績相当の推定) | 価格1件当たり平均認証料金(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 2,000,000 | 0.00 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 4,000,000 | 0.00 | 10 | 4 |
取り方:本人確認件数と平均従量単価は非開示。国内eKYC市場の市場規模、累計導入400社、製品の基本料金とDXクラウド総売上を用い、15か月で200万件、1件約239円という組み合わせを仮置きする。固定料金0.972億円との合計5.744億円は実績で確認されたProTech売上ではない。2027年度の国内市場247.91億円という矢野経済研究所の予測は市場全体の名目売上であり、ショーケースの認証件数や売上シェアと混同しない。AIエージェントによる事務作業の置き換えは考慮するが、法令上必要な本人認証の取引件数まで同率で消えるとはみなさない。
DXクラウド:FormAssist・NaviCast
Web申込フォームの入力補助や離脱防止などを提供するクラウド製品。顧客の利用フォーム数と月額利用料が主な収入源。
| 数量有料稼働フォーム数(フォーム、期中平均の推定) | 価格1フォーム当たり対象期間の利用料(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,600 | 0.00 | 5 | 2 |
| 10 年後 中立 | 1,200 | 0.00 | 3 | 1 |
取り方:累計6,000フォーム超は会社公表値だが、稼働有料フォーム数ではない。稼働1,600フォーム、月額約2万円、15か月という仮説から売上4.8億円とする。ITR調査に基づく2014~2023年度の入力フォーム最適化市場における売上シェア首位は確認できるが、2026年時点の市場総額と絶対シェアは不明。利用者の画面操作が価値の中心なので、AIエージェント代替の席・画面型に分類し、中立では数量0.75倍、年額単価は12か月換算した現行水準の1.10倍にとどめる。
DXクラウド:受託開発・クラウドインテグレーション
顧客企業向けのクラウド開発、導入、個別業務のシステム連携など。案件数と平均受注額に依存する。
| 数量開発・導入案件数(案件、15か月相当の推定) | 価格1案件当たり平均売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 20.0 | 0.16 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 13.0 | 0.17 | 2 | 0 |
取り方:会社はDXクラウド内部の受託案件数と単価を開示していない。DXクラウド外部売上13.68345億円から、本人確認の固定・従量料金とFormAssistの推定額を差し引いた3.13945億円を暫定的な対象収入とする。20件、案件単価約1,570万円は実測ではなく案件数量を考えるための代理変数である。15か月を12か月へ換算した平均単価を2036年の物価前の基準とする。AIエージェント代替の人月・工数型として、中立の件数を0.65倍、単価を物価相当の1.34倍とする。
広告・メディア
自社媒体による集客とアフィリエイト広告運用。広告送客件数と1件当たりの平均収入が主な変動要因。
| 数量成果報酬対象の送客件数(件、15か月相当の推定) | 価格1件当たり広告売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 100,000 | 0.00 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 60,000 | 0.00 | 1 | 0 |
取り方:2026年3月期の広告・メディア外部売上3.03811億円は開示値だが、媒体PV、成果件数、平均広告単価の内訳は非開示。15か月で10万件、1件約3,038円として数量と単価を再現する推定である。自社媒体に固有の流入と広告制作・運用を切り分ける開示がないため、AI検索の回答完結による流入減少と広告運用自動化による手数料低下を併せて保守的に扱う。中立の送客件数は0.60倍とし、単価は12か月換算の現行水準を下回る。
投資関連・SmartPitch
スタートアップとのマッチング、投資先の成長支援、資金調達支援、投資関連の収益。
| 数量投資収益・支援契約の年次収益単位(単位、推定) | 価格1収益単位当たり売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1.0 | 1.80 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1.0 | 0.08 | 0 | 0 |
取り方:投資関連事業の外部売上1.79537億円は開示値だが、このうち顧客との契約から生じる収益は約0.00278億円、その他の収益が約1.79259億円を占める。大半を通常の継続課金とみなすことはできないため、数量1という表示は投資実現イベントの仮置きである。2036年は投資売却益の繰り返しを前提にせず、ごく小さい支援収入のみを残す。AIエージェントは情報・マッチング部分を代替し得る。
売却済みReYuu・中古端末関連
過去に連結していた中古スマートフォン等の販売事業。2025年3月の株式売却後は連結対象外。
| 数量販売端末数(台、15か月連結期間内の仮置き) | 価格1台当たり平均販売売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 20,000 | 0.00 | 14 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
取り方:有価証券報告書の情報通信関連事業の外部売上13.79904億円を、仮に2万台の端末販売で割り、1台約6.9万円の平均単価として表現した。実際の台数・平均販売価格ではなく、関連サービスなどを含む売上の代理変数である。ReYuuは2025年3月に連結除外されたため、2036年の数量と売上はすべて0とし、売却益も将来利益へ繰り入れない。
その他・経営管理業務受託
報告セグメント外の経営管理受託など。最新四半期の外部顧客売上は計上されていない。
| 数量受託管理契約数(契約、15か月相当の推定) | 価格1契約当たり対象期間売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 10.0 | 0.03 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 0.0 | 0.04 | 0 | 0 |
取り方:報告セグメント外の外部売上0.29742億円は開示値で、10契約という数量は実際の契約数ではない。管理受託を便宜的に件数化したものである。2027年3月期第1四半期は外部顧客売上がなく、2036年にも独立した外部収益を見込まない。
リスクと懸念
AI エージェント代替
FormAssistのような入力画面の操作補助、顧客別のDX受託開発、広告の制作・運用は、AIエージェントに仕事を奪われる可能性が高い。中立ではフォーム数を0.75倍、受託案件数を0.65倍、広告送客数を0.60倍とし、10年超の全社名目成長率も0%に制限した。本人確認APIの規制上の必要性とは区別している。
本人確認の導入社数と売上の食い違い
累計導入500社は重要な事業進捗だが、現在の稼働契約数、本人確認件数、解約率、1社当たり年間売上は十分に開示されていない。社数の首位を売上高の首位と取り違えると、単価と利益を大きく見積もる。大口金融機関をLIQUIDなどに押さえられると、社会全体の認証件数が増えても同社の利益は伸びにくい。
親会社への無担保貸付と少数株主の利益相反
親会社への10億円の貸付は自己資本に比べて大きい。2026年4月に利率が2.53%へ改善したが、無担保であり、期限延長の実績がある。貸付の回収が遅れれば、研究開発や株主還元へ回る資金が制約される。特別委員会の設置だけでは利益相反リスクが消えない。
利益と営業キャッシュ・フローの乖離
2026年3月期の純利益は約8.5億円だが、大きな関係会社株式売却益を含む。営業キャッシュ・フローは4期連続マイナスだった。最新四半期も連結営業利益は小さく、DX製品のセグメント利益から本社費用を控除すると稼ぐ力が薄くなる。売上高だけが増え、現金が残らない状態が長引く危険がある。
公的認証の標準化と単価低下
ICチップや公的個人認証の普及は本人確認を必要とする市場を広げるが、同時に仕様の標準化を進める。競合が同じ機能を提供できるようになれば、認証1件当たりの単価に下押し圧力がかかる。法令に対応しているという事実だけでは高い利益率を長期にわたり独占できない。
中期計画撤回と過去の資本配分
2024年の中期計画は同じ年に撤回された。赤字、減損、第三者割当増資、事業売却という経緯を踏まえると、経営陣が現在の事業に継続的に高い再投資利回りを得られるかは未確定である。今後のM&Aも、規模拡大ではなく投下資本に対する現金収益で判断する必要がある。
システム障害・不正認証・情報管理
本人確認は信頼が商品である。誤認証、なりすまし、情報流出、サービス停止が起これば、顧客の損失や規制対応費用が拡大し得る。認証件数の増加とともに監視、セキュリティ認証、クラウド基盤の費用も増える。値上げが売上増になっても、追加費用を上回る利益が残るとは限らない。
今後の分かれ目
- ProTech ID Checkerの稼働契約数、年間有料認証件数、解約率が継続して開示され、売上高とともに伸びたら
- 累計導入社数だけによる不確実性が低下する。実際の認証件数と顧客単価を使って数量と価格を更新し、やや楽観側の確率を上げる。
- 2026年4月の月額料金引き上げ後も顧客解約率が低く、同じ顧客からの年間売上が増えたら
- 値上げを通す力の証拠となる。単発の価格改定ではなく複数回の実績が確認できれば、本人確認部分の堀と長期成長率を再評価する。
- 本人確認の認証件数が増えても従量単価が下がり、DXクラウドのセグメント利益率が低下したら
- 市場全体の成長よりも競争による利益流出が強いと判断し、やや悲観側の数量と利益率を採用する。
- FormAssistの有料稼働フォーム数が減り、AIエージェントから直接利用できるAPI製品への移行も進まなかったら
- 既存の入力補助ソフトが構造的に縮小している証拠となる。EFOの利益率と2036年以降の成長期待を下方修正する。
- 親会社への10億円の無担保貸付が予定どおり回収され、資金が借入返済や株主還元に使われたら
- 資産の回収可能性と少数株主への現金の戻り方を改善してよい。現在は0.75としている余剰現金の戻り方を、実際の還元実績に応じて見直す。
- 営業キャッシュ・フローの黒字が複数年度にわたり定着し、連結営業利益から現金が継続して残るようになったら
- 一過性売却益による回復ではなく継続事業の採算改善と判断する。再建途上として加えた資本コストの上乗せを再点検する。
- 新しい中期経営計画で継続事業の売上、利益、ROE、配当性向または自社株買いの具体的数値が示されたら
- 撤回された旧計画ではなく、新計画の対象事業と達成状況を検証する。特に経営陣が再投資と還元のどちらを選ぶかを評価へ反映する。
見ておくもの
- ProTech ID Checkerの累計導入社数ではなく稼働契約社数と解約率
- 本人確認の年間処理件数、従量単価、固定料金の改定後継続率
- DXクラウド事業の外部売上、セグメント利益と本社費用の差額
- FormAssistの累計導入数ではなく有料稼働フォーム数
- LIQUID eKYC、TRUSTDOCKなどとの同一定義の売上シェア
- 2027年の本人確認法令改正とIC・JPKI認証方式への移行
- 営業キャッシュ・フローの黒字化と継続期間
- 親会社向け貸付10億円の満期、回収額、延長の有無、条件
- 新中期経営計画の公表と配当・自社株買いの具体的な数字
- 第三者割当増資や新株予約権による既存株主の希薄化
倍率と資本コストの決め方
現在の時価総額約75億円や過去のPERから逆算せず、売却済みのReYuuを除いた本人確認契約数・認証処理件数・稼働フォーム数・開発案件数・広告送客数から2036年の売上を積み上げた。本人確認の数量は法令需要で増加するが、FormAssist、受託開発、広告にはAIエージェント代替を反映した。2036年以降の名目成長率は0%、資本コストは9%で、楽観から中立の正当化PERは11.111倍となる。悲観側は今の自己資本と換金可能資産を用い、将来の留保資本へPBRを掛けていない。現在の株価に価値を近づける倍率調整はしていない。仮定による製品別売上と実際の製品別開示は厳密に区別した。
資本コスト 9.0% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.0%。国債3%と株式リスクプレミアム4.5%を基礎とし、事業の利益変動によるquality+0.5%と、営業キャッシュ・フロー4期連続赤字など再建途上の資金繰りに対するdistress+1.0%を加えた。親会社取引のガバナンスリスクやAI代替は、別途筋書きと数量に反映する。
同じ業種(情報・通信業)の AI 分析
読んだ資料
- ショーケース 2026年3月期有価証券報告書(15か月決算、セグメント、ReYuu売却、親会社貸付、継続企業の前提に関する重要事象等)
- ショーケース 2027年3月期第1四半期決算短信(継続事業の最新セグメント損益と継続企業の前提に関する注記)
- ショーケース ProTech ID Checker累計導入500社突破(2026年10月15日)
- ショーケース ProTech ID Checker月額料金の改定(2026年4月1日実施)
- ショーケース FormAssist入力フォーム最適化市場10年連続売上シェア首位
- 矢野経済研究所 国内eKYC・公的個人認証/当人認証ソリューション市場調査
- ショーケース 2024年5月15日中期経営計画(撤回前の売上・営業利益目標)
- ショーケース 2024年12月16日中期経営計画の取り下げに関するお知らせ
- ELEMENTS・LIQUID eKYCの売上高シェア首位に関する開示