結論
DTSは、金融・通信・製造など約1,700社のシステム開発を請け負う中堅の受託開発会社だ。筆者の結論は割高で、稼ぎの元が技術者の数と単価の積で、顧客の基幹に入り込む力が大手SIerほど強くないことが理由だ。
足元は強い。売上と営業利益は過去最高で、無借金、純現金も厚い。ただ、業務ソリューションとテクノロジー(通信・製造向け)は人月の開発が中心で、数量は今の0.70倍と0.66倍にした。運用・自社ソリューションの継続収入は、運用の手作業が減るぶん少し軽く、0.78倍とした。
中立の売上は今の0.90倍の1,212億円、純利益は98億円。余った現金100億円は別に足した。資本コストは6.75%、本質価値は1,858億円に対して893億円で、差は-52%。やや悲観と悲観の確率は42%。顧客が分散している点は、悲観の深さを少し和らげる。成果報酬やAI製品に移れた証拠が金額で開示されれば、楽観を見直す。
バリュー投資の観点から
バリュー投資の観点では、DTS は良い会社の手前にいる。無借金で、利益のほとんどを株主に戻し、買収に大きな金額を投じない。経営の資本配分は堅実で、安心して預けられる部類に入る。
足りないのは、10年先も同じ利益が続くという確信だ。稼ぎの元は技術者の数と単価で、その単価を AI が揺さぶる。顧客を縛る共同利用型の基盤や、独自の製品といった、ほかに代えられない強みは小さい。10年後に今より強くなっているとは言い切れず、確信度は下げて見る。
オーナーが手にする利益、つまり再投資を引いた利益は、純利益に近い。再投資の負担が軽く、還元が厚いからだ。この点は魅力だが、利益を十分な倍率で買うには、堀の強さが足りない。
安全域の目で見ると、今の値段は中立の筋書きの価値とほぼ釣り合う。厚い還元と現金が、堀の薄さを補っている。ただ AI の影響が出る筋書きでは大きく損なうので、安く買えたとは言えない。払ってよいのは、ちょうどこの水準までだ。
何で稼ぐ会社か
DTS の稼ぎは、顧客のシステムを作り、動かし続けることにある。事業は3つに分かれる。業務&ソリューションは、金融・保険・流通など業種ごとの業務システムを作る。テクノロジー&ソリューションは、通信・製造向けの開発や、基盤・クラウド・セキュリティの構築を担う。プラットフォーム&サービスは、システムの運用・保守やクラウド、自社のソリューションの提供で、毎年の継続収入が中心になる。
顧客は約1,700社と広い。2025年3月期の売上は金融・保険が34%、情報通信が24%、製造が14%を占めた。金融の基幹システムへの参加が長く、消防システムの案件も利益に効いている。
DTS が注力事業と呼ぶ、付加価値の高い領域(クラウド、DX、自社ソリューション)の売上比率は2026年3月期で63%に達し、2028年3月期の目標57%を超えた。粗利が上がった理由も、この比率の上昇と、不採算案件の解消である。
人員は単体で3,199人、平均年齢は39.6歳だ。技術者の数を増やすのが成長の条件で、中期計画は国内で500人の増員を掲げる。M&A は、技術者や得意分野を買う形で進めてきた。安心計画(2023年)、アヴァンザ(2024年)、東北システムズ・サポート(2024年)が近年の例だ。
優良さと弱いところ
DTS の強みは、顧客の分散と、無理のない財務にある。金融・保険、通信、製造に売上が散り、1,700社と取引する。1つの業界や1社が傾いても、全体は崩れにくい。純現金があり、自己資本比率は74%と厚い。借り入れで背伸びをしないので、不況でも事業を続けやすい。
収益力は着実に上がってきた。営業利益率は10年前の9%から12%台へ、ROE も12〜13%から18%台へ上がった。注力事業への傾斜と、不採算案件を減らした効果が大きい。
弱みは堀、つまり他社がまねできない強みが普通の水準にあることだ。大手の NRI のように、乗り換えに数年かかる共同利用型の基盤を持つわけではない。SCSK、TIS、BIPROGY、NSD など、競合は多い。顧客から見て、発注先を変える費用は高くない。値段は、技術者が足りない間は上がりやすいが、主導権はあくまで需給にある。
中期計画は営業利益率を2028年3月期に11.7%とみる。いまが12.2%なので、利益率の大きな改善は前提にしていない。この控えめさは、筆者には好ましく映る。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の IT サービス市場は、2025年に7.5兆円規模とされ、2030年まで年6%前後で伸びる見通しだ。古い基幹システムの刷新、データの活用、AI の導入が需要を引っ張る。技術者が足りないため、人月単価は物価を上回って上がりやすい。
DTS が戦うのは、大手から中堅までが入り混じる分散した市場だ。大手の NRI や日鉄ソリューションズ、TIS は金融・公共の大型案件を押さえる。DTS と同じ中堅には、NSD、システナ、フューチャーなどがいる。市場は分散していて、1社が値段を決める形にはなっていない。
循環は緩やかだが、景気が悪くなれば新規開発の先送りが起きる。リーマン期の SI 業界では、技術者の稼働率が下がり営業利益が3〜5割減った例がある。DTS も2009年3月期の営業利益率は5.8%、2003年3月期は9.7%まで下がった。
最大の論点は生成AIだ。コードを書く作業が機械に移れば、人の数で値段を付ける契約は成り立ちにくくなる。逆に、AI を使いこなす高度な仕事は値段が上がる。DTS が前者に巻き込まれるか、後者を取れるかは、まだ見えない。2027年3月期の第1四半期は、大型案件の反動で減収減益だった。一時的とみるが、受託開発の波の大きさを示している。
【AIエージェント代替】受託開発の市場は伸びても、人月で売る数量は減る。DTSは中立で売上が今の0.90倍とみた。
資本政策と M&A
資本政策は、株主に厚く戻す方針だ。中期計画は配当性向50%以上、総還元性向70%以上を掲げる。2026年3月期の総還元性向は72%だった。2027年3月期は、50億円の自社株買いと増配で93%を見込む。手元資金を総資産の33%以下に抑える方針も明示しており、余った現金を抱え込まない姿勢がはっきりしている。
M&A は、3年で100億円を目安にしている。前の中期計画では116億円を使った。買う相手は小粒で、技術者の確保と、地方や特定分野の拠点づくりが目的だ。NRI の海外買収のような大きな失敗は、いまのところ見えない。ただ、のれんは増えるので、買った会社が利益に結びつくかは毎年見る必要がある。
親会社やオーナーはいない。NTTデータが少数を持つが、1.9%にとどまる。買われる側の可能性は否定できない。kabufu の推計では、10年以内の買収の確率は24%だった。ただ、これは本質価値の外の話とみる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
DTS の利益は、人手不足と IT 投資の拡大に支えられて伸び続ける。2026年3月期は売上・営業利益とも過去最高で、注力事業の比率は63%と中期計画の目標を前倒しで超えた。営業利益率は10年前の9%から12%台へ、ROE は18%へ上がり、稼ぐ力は構造的に改善している。中期計画の2028年3月期の目標、売上1,600億円・営業利益187億円は、いまの勢いなら届く。
顧客は約1,700社に分散し、金融の基幹システムに長く参加してきた。更新需要は途切れず、AI の導入支援という新しい仕事も加わる。人月の値段は人手不足で上がり、AI を使いこなす高度な技術者は、さらに高い値段を取れる。
資本の使い方も申し分ない。総還元性向は70%を超え、2027年3月期は93%を見込む。無借金で、現金も厚い。買収は小粒で、失敗しても傷は浅い。利益が伸び、戻し続ける会社は、時間とともに価値が積み上がる。第1四半期の減収は大型案件の反動にすぎず、傾向は崩れていない。
慎重な見方
DTS の稼ぎは技術者の数と単価の積で、AI がまさにその前提を壊す。生成AIがコードを書けば、人月で値段を付ける契約は通りにくくなる。値段が実質で下がり始めれば、技術者を増やしても利益は伸びない。大手は内製や自社の製品で対抗でき、中堅の DTS が先に値下げ圧力を受けやすい。
堀も薄い。顧客が発注先を変える費用は小さく、競合も多い。人手不足で単価が上がるのは、需給のおかげで、DTS の力ではない。景気が悪くなれば、新規開発の先送りで稼働率が落ち、利益はすぐに削られる。過去の営業利益率は2003年に9.7%、2009年に5.8%まで下がった。
いまの営業利益率12%台は、過去10年では最高の水準であり、これ以上の改善を見込む理由は乏しい。第1四半期の営業利益が1割減ったことも、受託開発の波の大きさを物語る。M&A も、技術者を買うだけで利益に結びつかなければ、のれんの減損に変わる。今の値段は、利益の伸びが続くことを前提にしすぎている。
どちらに重みを置いたか
強気は足元の最高益と無借金、顧客の分散を言い、慎重は堀の薄さとAIエージェントによる人月の置き換えを言う。足元の強さは数量の縮みを遅らせない、と筆者は見る。確率はやや悲観と悲観を42%とし、差は-52%。大手SIerや記録の正本を持つ会社より、重く出た。強気が当たるのは、AIを自社の売り物にして金額が開示された時だけだ。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した株価時価総額 949 円1,474 億円(+ 配当配当と自社株買いの合計 446 円693 億円)。 今の値に割り戻すと 816 円1,267 億円、今との差 −33.7%、 期待の年率 +1.3%(資本コスト 6.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の株価時価総額 | 配当の合計還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・配当込み | 年率 | 確率 × (株価+配当時価総額+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 5% | 1,563 円2,428 億円 | 590 円916 億円 | +74.9% | +5.7% | 108 円167 億円 |
| やや楽観 | 17% | 1,323 円2,055 億円 | 522 円811 億円 | +49.9% | +4.1% | 314 円487 億円 |
| 中立 | 36% | 1,145 円1,779 億円 | 481 円747 億円 | +32.1% | +2.8% | 585 円909 億円 |
| やや悲観 | 28% | 703 円1,092 億円 | 395 円613 億円 | −10.9% | −1.1% | 307 円477 億円 |
| 悲観 | 14% | 265 円412 億円 | 318 円494 億円 | −52.6% | −7.2% | 82 円127 億円 |
| 加重平均 | 100% | 949 円1,474 億円 | 446 円693 億円 | +13.4% | +1.3% | 1,396 円2,168 億円 |
今の株価時価総額 1,231 円1,912 億円(2026-10-22)から見たトータルリターン。加重平均の年率がこの 10 年に期待できる年率で、資本コスト 6.8% を下回るほど割高。
楽観 5% 金融・保険の業務システムが堅く、減りが小さい 利益 146 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 1,563 円2,428 億円
金融・保険の業務システムの更新が続き、AIエージェント込みの成果報酬型で受ける筋書き。数量は業務が今の0.91倍、テクノロジーが0.86倍。AIを自社の売り物にして金額が出ている開示はまだ確かめられないので、今以上には置かない。純現金が厚く、買収にも余裕がある。 内訳は業務&ソリューション=数量0.91倍・価格1.36倍・利益率13.6%、テクノロジー&ソリューション=数量0.86倍・価格1.36倍・利益率10.0%、プラットフォーム&サービス=数量1.00倍・価格1.34倍・利益率12.5%。 この筋書きの確率は5%。結果は、売上が今の1.24倍の1,679億円、営業利益205億円、純利益146億円、自己資本1,031億円、10年の還元916億円、時価総額2,240億円(PER14.81倍)。
- 業務&ソリューション:数量 1,365(技術者数(人))× 価格 5,164(1人当たり売上(万円))→ 売上 705 億円・営業利益 96 億円。数量0.91倍・価格1.36倍・営業利益率13.6%(人月型)
- テクノロジー&ソリューション:数量 1,287(技術者数(人))× 価格 3,778(1人当たり売上(万円))→ 売上 486 億円・営業利益 49 億円。数量0.86倍・価格1.36倍・営業利益率10.0%(人月型)
- プラットフォーム&サービス:数量 1,300(技術者・運用要員数(人))× 価格 3,756(1人当たり売上(万円))→ 売上 488 億円・営業利益 61 億円。数量1.00倍・価格1.34倍・営業利益率12.5%(人月と記録の正本の混合)
倍率:事業の純利益 144 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 20.4% が k 6.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.6%、10 年より先の名目の伸び g 0.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)100 億円。全体の PER 14.81 倍、時価総額 2,240 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:AIを自社の売り物にした金額の開示は無く、楽観でも数量は今以下。5%。
やや楽観 17% 業務システムの更新が続き、一部が成果報酬へ 利益 116 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 1,323 円2,055 億円
金融・保険向けの業務システムが堅く、通信・製造向けの一部が成果報酬へ移る。業務は数量0.78倍・価格1.31倍、テクノロジーは数量0.74倍・価格1.31倍。技術者の数は緩やかに減るが、単価は物価並みに上がる。 内訳は業務&ソリューション=数量0.78倍・価格1.31倍・利益率12.9%、テクノロジー&ソリューション=数量0.74倍・価格1.31倍・利益率9.5%、プラットフォーム&サービス=数量0.87倍・価格1.29倍・利益率11.9%。 この筋書きの確率は17%。結果は、売上が今の1.03倍の1,398億円、営業利益163億円、純利益116億円、自己資本985億円、10年の還元811億円、時価総額1,796億円(PER14.81倍)。
- 業務&ソリューション:数量 1,176(技術者数(人))× 価格 4,971(1人当たり売上(万円))→ 売上 585 億円・営業利益 76 億円。数量0.78倍・価格1.31倍・営業利益率12.9%(人月型)
- テクノロジー&ソリューション:数量 1,109(技術者数(人))× 価格 3,637(1人当たり売上(万円))→ 売上 403 億円・営業利益 39 億円。数量0.74倍・価格1.31倍・営業利益率9.6%(人月型)
- プラットフォーム&サービス:数量 1,136(技術者・運用要員数(人))× 価格 3,615(1人当たり売上(万円))→ 売上 411 億円・営業利益 49 億円。数量0.87倍・価格1.29倍・営業利益率11.9%(人月と記録の正本の混合)
倍率:事業の純利益 114 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 19.7% が k 6.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 13.2%、10 年より先の名目の伸び g 0.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)100 億円。全体の PER 14.81 倍、時価総額 1,796 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:金融・保険が堅く一部が成果報酬へ移る筋書き。17%。
中立 36% 人月の開発が縮み、運用の継続収入が支える 利益 98 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 1,145 円1,779 億円
業務システムの開発と保守をAIエージェントが肩代わりして技術者の数が減る。業務は数量0.70倍・価格1.27倍、テクノロジーは数量0.66倍。継続収入のプラットフォーム&サービスは数量0.78倍で、全体の利益率を支える。 内訳は業務&ソリューション=数量0.70倍・価格1.27倍・利益率12.6%、テクノロジー&ソリューション=数量0.66倍・価格1.27倍・利益率9.3%、プラットフォーム&サービス=数量0.78倍・価格1.25倍・利益率11.6%。 この筋書きの確率は36%。結果は、売上が今の0.90倍の1,212億円、営業利益137億円、純利益98億円、自己資本958億円、10年の還元747億円、時価総額1,523億円(PER14.81倍)。
- 業務&ソリューション:数量 1,050(技術者数(人))× 価格 4,826(1人当たり売上(万円))→ 売上 507 億円・営業利益 64 億円。数量0.70倍・価格1.27倍・営業利益率12.6%(人月型)
- テクノロジー&ソリューション:数量 990(技術者数(人))× 価格 3,531(1人当たり売上(万円))→ 売上 350 億円・営業利益 32 億円。数量0.66倍・価格1.27倍・営業利益率9.3%(人月型)
- プラットフォーム&サービス:数量 1,014(技術者・運用要員数(人))× 価格 3,510(1人当たり売上(万円))→ 売上 356 億円・営業利益 41 億円。数量0.78倍・価格1.25倍・営業利益率11.6%(人月と記録の正本の混合)
倍率:事業の純利益 96 億円(余った現金の利息を除く)・事業の ROE 17.1% が k 6.75% を上回る。残る割合 0.50(moat=normal)で RONIC 11.9%、10 年より先の名目の伸び g 0.0% g_long の理由で から正当化 PER = (1−g÷RONIC)÷(k−g) = 14.8 倍の上限そのものに置き、事業の純利益 × 14.8 倍 + 余った現金(戻り方込み)100 億円。全体の PER 14.81 倍、時価総額 1,523 億円(2026-10-22 機械で置き直した。手で上限から割り引かない:利益の質は moat と k で数え済み)。
確率:開発が縮み、運用が支える中心の筋書き。36%。
やや悲観 28% 顧客の内製で、中堅の受託が値引きに押される 利益 59 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 703 円1,092 億円
顧客がAIエージェントで開発と運用を内製し、中堅の受託は大手より値引きに弱い。業務の数量は0.59倍、テクノロジーは0.56倍まで下がり、利益率は6.9%前後に落ちる。顧客が分散しているため、特定の顧客を失う打撃は小さい。 内訳は業務&ソリューション=数量0.59倍・価格1.21倍・利益率9.4%、テクノロジー&ソリューション=数量0.56倍・価格1.21倍・利益率6.9%、プラットフォーム&サービス=数量0.66倍・価格1.19倍・利益率8.7%。 この筋書きの確率は28%。結果は、売上が今の0.72倍の979億円、営業利益83億円、純利益59億円、自己資本899億円、10年の還元613億円、時価総額935億円(PER14.81倍)。
- 業務&ソリューション:数量 893(技術者数(人))× 価格 4,585(1人当たり売上(万円))→ 売上 409 億円・営業利益 39 億円。数量0.59倍・価格1.21倍・営業利益率9.4%(人月型)
- テクノロジー&ソリューション:数量 842(技術者数(人))× 価格 3,354(1人当たり売上(万円))→ 売上 282 億円・営業利益 20 億円。数量0.56倍・価格1.21倍・営業利益率7.0%(人月型)
- プラットフォーム&サービス:数量 862(技術者・運用要員数(人))× 価格 3,335(1人当たり売上(万円))→ 売上 287 億円・営業利益 25 億円。数量0.66倍・価格1.19倍・営業利益率8.7%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg0.00%(人月は0%・席は0〜−1%。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=14.81倍(事業のROE7.0%、RONICは使わない)。余った現金は(純利益−帳簿額×1.4%)×PERに、戻り方1.0掛けの現金を足す。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:顧客の内製と値引きの筋書き。28%。
悲観 14% AIエージェントが開発と保守を置き換える 利益 25 億円 · PER 14.8 倍 · 株価時価総額 265 円412 億円
AIエージェントが開発と保守の大半を置き換え、売上は今の半分前後に縮む。通信・製造向けは利益が出ず、運用の継続収入だけが残る。純現金は厚いが、床は稼ぐ力の側で見る。 内訳は業務&ソリューション=数量0.46倍・価格1.12倍・利益率5.7%、テクノロジー&ソリューション=数量0.43倍・価格1.12倍・利益率4.2%、プラットフォーム&サービス=数量0.51倍・価格1.10倍・利益率5.2%。 この筋書きの確率は14%。結果は、売上が今の0.51倍の693億円、営業利益35億円、純利益25億円、自己資本849億円、10年の還元494億円、時価総額412億円(PER14.82倍)。
- 業務&ソリューション:数量 683(技術者数(人))× 価格 4,247(1人当たり売上(万円))→ 売上 290 億円・営業利益 16 億円。数量0.45倍・価格1.12倍・営業利益率5.7%(人月型)
- テクノロジー&ソリューション:数量 644(技術者数(人))× 価格 3,107(1人当たり売上(万円))→ 売上 200 億円・営業利益 8 億円。数量0.43倍・価格1.12倍・営業利益率4.2%(人月型)
- プラットフォーム&サービス:数量 659(技術者・運用要員数(人))× 価格 3,089(1人当たり売上(万円))→ 売上 204 億円・営業利益 11 億円。数量0.51倍・価格1.10倍・営業利益率5.2%(人月と記録の正本の混合)
倍率:10年より先の名目の伸びg0.00%(人月は0%・席は0〜−1%。実質の縮みは10年の数量に入れ済み)で、利益を全部株主に分ける形の正当化PER=1÷(k−g)=1÷(8.8%+-0.00%)=14.82倍(事業のROE3.1%、RONICは使わない)。余った現金は(純利益−帳簿額×1.4%)×PERに、戻り方1.0掛けの現金を足す。AIエージェント代替はgと別に数量・k・確率へ入れ済みで、PERの上に割引は重ねない。
確率:開発と保守が置き換わる筋書き。14%、合わせて42%。堀が薄いので、純現金の厚い同業より悲観を厚く置いた。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
業務&ソリューション
金融・保険・流通など、業種ごとの業務システムの開発と保守。顧客の基幹システムに入り込む。
| 数量技術者数(人) | 価格1人当たり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,500 | 3,800 | 570 | 77 |
| 10 年後 中立 | 1,050 | 4,826 | 507 | 64 |
取り方:中期計画の2028年3月期目標(650億円)と全体の売上から推定した約570億円を、推定の技術者1,500人で割った。営業利益はセグメント別の開示がなく、全体164億円からの推定。 【AIエージェント代替の見直し】業務&ソリューション(売上570億円、42%)は金融・保険・流通の業務システムの開発と保守。人月型で、中立で数量0.70倍・価格1.27倍。
テクノロジー&ソリューション
通信・製造向けの開発、クラウドや基盤・セキュリティの構築。
| 数量技術者数(人) | 価格1人当たり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,500 | 2,780 | 417 | 43 |
| 10 年後 中立 | 990 | 3,531 | 350 | 32 |
取り方:全体の売上から他の2つを引いた約417億円を推定の技術者1,500人で割った。営業利益は推定。 【AIエージェント代替の見直し】テクノロジー&ソリューション(売上417億円、31%)は通信・製造向けの開発とクラウド構築で、競争が激しい人月型。中立で数量0.66倍・価格1.27倍。
プラットフォーム&サービス
システムの運用・保守、クラウド、自社のソリューションの提供。継続収入が中心。
| 数量技術者・運用要員数(人) | 価格1人当たり売上(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,300 | 2,808 | 365 | 44 |
| 10 年後 中立 | 1,014 | 3,510 | 356 | 41 |
取り方:構成比27%から推定した約365億円を、推定の要員1,300人で割った。営業利益は推定。三つの人数の合計4,300人は連結の推定値で、単体は3,199人。 【AIエージェント代替の見直し】プラットフォーム&サービス(売上365億円、27%)は運用・保守・自社ソリューション。継続収入だが運用の人手が6割とみて、中立で数量0.78倍・価格1.25倍。
リスクと懸念
AIエージェント代替(人月の開発・保守)
DTSの稼ぎは技術者の数と単価の積で、AIエージェントが開発とテストと運用の手作業を肩代わりすると数量が減る。中堅の受託で顧客の基幹への入り込みは大手ほど深くなく、値引きにも弱い。中立の売上は今の0.90倍、悲観では0.51倍とした。
受託開発の景気への弱さ
景気が悪くなると、顧客は新規開発を先送りし、技術者の稼働率が下がる。過去には営業利益率が2003年に9.7%、2009年に5.8%まで下がった。2027年3月期の第1四半期も、大型案件の反動で営業利益が1割減った。
技術者の確保と人件費
成長は人を採れるかで決まる。中期計画は国内で500人の増員を掲げるが、競合も同じ人材を狙い、採用と育成の費用が上がる。単価が上がっても、人件費の上昇で利益率は動きにくい。
買収が利益に結びつかない恐れ
3年で100億円規模の M&A を続ける方針だ。小粒で失敗の傷は浅いが、技術者を買うだけで利益が増えなければ、のれんの償却や減損が利益を削る。買収した会社の統合は毎年の確認事項になる。
顧客の分散と中堅としての限界
顧客は約1,700社と分散するが、金融・保険が3割強を占める。金融機関の再編や IT 投資の抑制は、売上に響く。大手の競合のような大型案件を取りにくい点も、成長の天井になりうる。
手元資金を薄くしすぎる還元
総還元性向は70%を超え、2027年3月期は93%を見込む。現金が薄くなると景気後退時の余裕が減る。手元資金を総資産の33%以下とする目標は、守りの面では弱まる方向に働く。
今後の分かれ目
- 生成AIの普及で人月の単価が下がり始めたら
- やや悲観・悲観の確率を引き上げ、技術者数×単価を軸にした見方そのものを見直す。
- 注力事業の比率がさらに上がり、営業利益率が13%を超えたら
- やや楽観の筋書きへ重みを移す。独自の製品の収益が育っている印だ。
- 大型の M&A を発表し、のれんが大きく増えたら
- 買収の成否が利益を左右するようになる。やや悲観側の確率を上げて見る。
- 金融・保険の大口顧客が内製化や他社への切り替えを進めたら
- 最大の売上の柱が揺らぐ。堀の薄さが現れた形で、悲観側を厚くする。
- 景気が悪化し、技術者の稼働率が落ちたら
- 一時の減益か、構造の変化かを見分ける。単価が戻らなければ、中立の利益率を下げる。
- 買収の提案(TOB)が出たら
- 買い手の値付けは本質価値と別に見る。本質価値より高ければ受け入れる理由になる。
- 新規の受注がAIを使った成果報酬型に移り、金額が開示されたら
- 楽観の数量を今より上で見直す。
- 主要顧客の金融機関が開発の内製を強めたら
- やや悲観の確率を上げる。
見ておくもの
- 中期計画の2028年3月期目標(売上1,600億円・営業利益187億円・ROE18%以上)の達成度
- 注力事業の比率と営業利益率の推移
- 国内の技術者数の増減と1人当たり売上
- 生成AIによる単価・契約形態(人月から成果型へ)の変化
- 総還元性向の維持と手元資金の水準
- 人月単価と稼働率、成果報酬型の受注の割合
倍率と資本コストの決め方
倍率は10年先の名目の伸びg=0%の式 1÷(k−g) で出し、過去のPERや同業の値付けは使っていない。kは基本7.5%に循環+0.25%・寿命+1.0%(人月の下限)を足した8.75%。AI代替は数量に主に入れ、確率とgで重ねなかった。余った現金100億円は戻り方1.0で足した。今の株価との差は狙っていない。リース会計の形は今と同じ。 2026-10-22 の見直し(溜まる現金を事業の ROE から外す・k の目安を対称に・楽観〜中立は上限そのものに置く・ROE が k 以下は配り方から出す式)で、倍率を機械で置き直した(第 1 段より前 → 今:楽観 PER 11.43→14.81 倍・やや楽観 PER 11.43→14.81 倍・中立 PER 11.43→14.81 倍・やや悲観 PER 11.43→14.81 倍・悲観 PER 11.43→14.82 倍)。
資本コスト 6.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。