結論
システムリサーチは、トヨタグループなどの基幹システムを作り、維持する名古屋発の独立系IT企業である。筆者の結論は「割高」だ。顧客との長い付き合いと財務の強さは評価するが、売上の約95%が受託型のSI・開発であり、今後10年は仕事の量を「人月」で売る仕組みそのものが問われる。
2016年3月期から2026年3月期までに売上高は約3倍、営業利益は約4倍となり、自己資本利益率も高い。トヨタシステムズへの直接売上は全体の19.4%、トヨタグループ全体なら約3割であり、自動車の生産・物流に関する業務知識が繰り返し受注を生んできた。受注を一度得ると顧客側にも引継ぎ負担が生じるため、単なる人材派遣会社とは違う。
ただし、その関係は自社が料金を自由に決める独占的な基盤とは異なる。AIエージェントによって設計・開発・テストの必要工数が減れば、顧客の投資額が増えても同社の請求人月は減りうる。会社は2029年3月期に売上約405億円を見込むが、10年後の中立では約256億円、純利益約18億円を見込む。
2026年3月末の純現金は約75億円あるものの、会社は雇用維持のため約70億円の現預金を必要と説明している。10年の5筋書きの価値は約185億円となり、基準日の時価総額約333億円を約44%下回る。短期の好業績だけでなく、人月以外で稼ぐ構造への転換を確かめたい。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、良い会社と良い株価は別の問いである。システムリサーチは顧客の工場や業務を止めずに改修できる人材を長年育て、資金繰りが悪い局面でも雇用を守れる財務を作った。これは再現しにくい努力の蓄積であり、顧客から信頼される理由でもある。
だが、顧客が金を払うのはエンジニアが長く働いた事実ではなく、欲しかった機能を安全に動かす結果である。AIエージェントが同じ結果を少ない人数で提供すれば、顧客との距離が近い会社にも値下げを求める圧力が生まれる。守るべき「堀」は固有の業務知識であって、人数や人月単価それ自体ではない。
オーナー利益を考えると、会計上の純利益を自由に配れる現金と同一視できない。雇用を維持する70億円の資金、毎年の教育費、開発センターの更新投資、受託の検収時期による運転資金が必要だ。過去に高いROEを上げたことは、資金を追加投入した後も資本コスト以上で稼げる証明にはならない。
高い評価を払える条件は、契約が人月から成果・利用量・継続利用に移り、値決め力があることを数字で示す場合だ。イージーマイショップの店舗数と流通額は芽として評価するが、今の利益の大半は顧客が工数を発注する構造から生まれる。株式の本質価値を支えるのは、顧客との関係が保たれることではなく、その関係から10年後も株主の取り分が十分に生まれることだ。今の時価総額には、その変化が成功するまでの安全域を見いだしにくい。
何で稼ぐ会社か
収入の柱は、顧客システムの企画・構築・保守まで請け負うSIサービスと、顧客が指定する開発や改修を担うソフトウエア開発である。2026年3月期はそれぞれ約109億円と166億円を稼ぎ、合わせて売上の94.5%を占めた。会計上は「ソフトウエア関連」の単一セグメントだが、投資家には契約形態と工数の違いが重要なので業務区分で分けて見る。
主な顧客にはトヨタシステムズ、トヨタ自動車、豊田通商系に加え、SCSK、富士通、日立、日本IBMなどの大手SI企業がある。自動車の生産管理や製造現場の制御、物流、流通、業務システムが対象だ。トヨタとの直接取引だけでなく、大手SIを経由した受注も多く、実際の発注元から二次請け以下まで幅がある。
受託の売上は仕事の総量と、請求できる1人月当たり金額でほぼ決まる。2026年3月期のSIと開発の外注費は合計約113億円で、この2区分の売上の約4割に当たる。社員を増やすだけでなく協力会社を使って納期を守る形であり、AIで工数が減ると外注費を削れる利点と売上単価が下がる弱点が同時に現れる。
独自の小規模事業として、BIGシリーズの会計・給与・販売管理ソフト、コールセンター向けCTI、ECサイト構築の「イージーマイショップ」がある。ソフトウエアプロダクト売上は約3.5億円、WEBサービス等も約3.5億円にすぎない。イージーマイショップは累計約3万6千店舗、年間流通総額128億円まで育ったが、顧客の流通額は同社売上ではなく、現時点で全社価値を左右する規模ではない。
商品販売はサーバー等のIT設備が中心で、直近は大型案件の寄与により約8.9億円へ倍増した。これは利益率の高い自社ソフトの販売ではなく、仕入原価を伴う収入である。大型案件を毎年繰り返せるとは考えず、10年後の数量には平準化を織り込む。
優良さと弱いところ
強みは、特定の顧客が長年使ってきた製造・物流システムの背景事情を知っていることだ。トヨタ系の業務では移行時の検証、既存システムとの接続、現場の停止リスクがあり、調達先の変更は単純な見積もり比較で済まない。この切替負担が安定した受注と、過去10年の営業利益率改善につながったとみる。
しかし、独占的なソフト、法令上の指定基盤、ネットワーク効果を持つ会社ではない。解約率5%未満、法改正に伴う連続値上げ、顧客データを独占する仕組みなど、「記録の正本」として扱うための複数の定量的証拠は確認できなかった。自動車・大手SIという規模の大きい発注者の交渉力も強く、堀はあるが太くない。
2016年3月期から2026年3月期までに営業利益は約9億円から35億円へ増えた。自己資本と純負債の合計で近似した事業投入資本の増分に対して利益の増分は大きく、既往の再投資効率は高い。ただし、事業の主な投資は人の採用・教育という損益計算書上の費用であり、過去の高い増分利回りをこの先も持続できるとは限らない。
資金繰りはかなり堅い。自己資本は約135億円、純現金は約75億円で、のれんも小さい。反面、競争力の源泉が退職・引継ぎ・顧客依存といった帳簿に載らない資産だからこそ、人月請求が減ったときに高いROEが急速に薄まる可能性がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
日本のITサービス需要には、レガシーシステムの刷新、クラウド移行、製造現場の情報連携という長い仕事が残る。IDC Japanの2024年国内ITサービス市場は約7兆円で、2029年には約9.6兆円との予測がある。同社のSI・開発売上をこの市場に比べると約0.4%で、全国市場を支配する会社ではなく、トヨタを軸とする特定顧客で選ばれてきた会社である。
競争相手はNTTデータ、TIS、SCSK、日鉄ソリューションズ、大塚商会などの大手だけではない。中堅SIや顧客の情報システム子会社、グローバルなクラウドベンダー、そして顧客自身が使うAIエージェントがある。各社の売上には物販・コンサル・運用などが混じるので、同じ定義の厳密なシェアを競合別に割り出せないことも明記しておく。
中期的には市場が名目で伸びても、人月を売る会社が同じ率で伸びるとは限らない。AIはコーディングやテストを自動化し、調達側に「短い工期で同じ成果」を求める材料を与える。会社自身も決算説明資料で受注件数減少や単価低下の危険を認めており、従来の2030年までの人材不足予測だけで高成長を延長しない。
独自ソフトでは弥生、OBC、freee、マネーフォワード、Microsoft、SAPが競争先となり、ECではShopify、BASE、STORESとの選択になる。2025年の国内ERPライセンス市場は約2,021億円だが、同社のソフトウエアプロダクト全額をその市場で割っても約0.18%にすぎず、実際のシェアはそれ以下であろう。イージーマイショップの年間流通総額は国内消費者向けEC市場約26兆円に対し約0.05%で、平台の規模の差は大きい。
資本政策と M&A
会社の2026年5月公表の3か年計画は、2027年3月期に売上322.76億円・営業利益38.50億円、2028年3月期に361.50億円・43.74億円、2029年3月期に404.88億円・49.72億円を掲げる。2029年4月の従業員数は2,000人を計画する。「Next Vision 50th」は売上500億円から1,000億円、利益率20%、社員3,000人を目標にするが、保証された成長ではない。
2026年7月28日に目標配当性向を40%から50%へ引き上げ、2027~2029年3月期は原則減配しない累進配当を決めた。2027年3月期の配当予想も増額した。株主優待は100株以上に年1回のQUOカード1,000円分で、直近の株主約1.1万人を上限に見積もれば費用は年約0.1億円、10年で約1億円相当の還元となる。
2006年にイリイ、2022年にゼネラルソフトウェアを買い、後者は翌年吸収合併した。今あるのれんは約0.5億円と小さく、巨額の買収失敗は見られない。大規模な自社株買いはなく、自己株式を株式報酬に処分している。
会社は受注半減時にも技術者を約1年間雇用するため、約70億円の現預金を必要と説明する。純現金のほとんどは事業の安全資金であり、直ちに株主へ分配できる額ではない。上位10株主の持株は41.5%で、余剰現金の株主への戻り方は0.75とみる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
トヨタ系の製造・物流システムは、設計書だけで再構築できるものではない。工場を止めない移行や顧客間の合意、責任分界を理解する人材が必要で、顧客は一度頼れる取引先を見つければ安易に替えない。2026年の決算説明会でも、会社は基幹システムに特有の業務知識とプロジェクト管理を強みと説明した。
会社は2026年4月にAX推進室を設け、開発工数の削減と上流工程への移動を進めている。AIを外敵だけでなく生産性向上の道具として使い、空いた工数を顧客の新しい改修に向けられれば、売上減少を緩和できる。2029年の計画は人数増だけを頼りにするには意欲的だが、足元の受注残高や既存顧客の繰り返し案件に裏打ちされた見通しでもある。
また、純現金が厚く、外注費の比率も高い。需要が減った際は外注量を調整する一方、自社社員を保ち、次の更新投資に備えることができる。BIGシリーズやEC構築サービスの規模はまだ小さいが、既存顧客への販売を広げる足掛かりになる。AIエージェントを直接販売している売上の金額が確認できない以上、楽観でも人月の量を大きく増やす期待には頼らず、単価維持と高い稼働率で評価する。
慎重な見方
受託開発が好調だった過去10年は、顧客が完成させたいソフトの量と人間の作業時間がほぼ比例していた時代である。今後は、少人数がAIエージェントを監督すれば大量のコード修正やテストを進められる。顧客は見積もりの工数を厳しく査定するので、工場の知識が残っていても、人月請求額が同じように残るとは限らない。
最大の顧客群であるトヨタのシステム投資も、長期には外注から内製化へ向かう可能性がある。2027年3月期第1四半期には全社受注高が前年同期比18.6%減り、特にSIの受注は28.3%減った。四半期の数字を10年の運命と決めつけないが、発注の山がひとたび移ると、外注費を減らしても自社社員の固定的な給与と新拠点の費用は残る。
基幹業務ソフトにもAIの代替が迫る。BIGシリーズは法対応と蓄積データを持つものの、低解約率や価格改定の実績が開示で確かめられず、独占的な「記録の正本」とは扱えない。イージーマイショップも累計店舗の数字と課金中の店舗を区別する必要があり、大手EC基盤の競争を受ける。会社が繰り返し利益を留保しても投資先の利回りが下がればROEは薄まり、株主が受け取れる利益も小さくなる。最も厳しい筋書きでは、会社は存続しても、企業価値の主な支えは過去にためた純資産になる。
どちらに重みを置いたか
顧客理解と雇用を守れる財務は確かな強みである。しかし、価格を独立して決める力と、工数以外で課金する売上の実績はまだ弱い。中立の人月数量にはすでにAI代替を入れ、長期の成長率も0%としたので、同じ危険を資本コストや確率でも重ねて引かない。上側26%に対し下側42%とした理由は、トヨタ関連の集中と直近の受注減少で、AIそのものをさらに数えたためではない。短期計画の達成余地を認めても、10年の割引後の価値は時価総額を大きく下回る。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,650 円274 億円(+ 還元の換算額還元の合計 645 円107 億円)。 今の値に割り戻すと 1,226 円204 億円、今との差 −33.7%、 期待の年率 +2.6%(資本コスト 7.8%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8% | 3,185 円529 億円 | 1,133 円188 億円 | +133.4% | +10.6% | 345 円57 億円 |
| やや楽観 | 18% | 2,521 円419 億円 | 929 円154 億円 | +86.5% | +7.6% | 621 円103 億円 |
| 中立 | 32% | 1,709 円284 億円 | 812 円135 億円 | +36.3% | +3.8% | 807 円134 億円 |
| やや悲観 | 27% | 1,039 円173 億円 | 395 円66 億円 | −22.5% | −2.9% | 387 円64 億円 |
| 悲観 | 15% | 759 円126 億円 | 139 円23 億円 | −51.5% | −7.4% | 135 円22 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,650 円274 億円 | 645 円107 億円 | +24.1% | +2.6% | 2,295 円381 億円 |
今の株価時価総額 1,850 円307 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 8% 顧客の上流工程を守り、高収益を維持 利益 37 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 3,185 円529 億円
既存顧客の業務を深く知る担当者が、設計・統合・移行の責任を引き受ける立場に進む。AIがコード生成とテストを大きく効率化するが、顧客は最終判断と既存工場の安全な切替をなお人に任せる。会社はその責任に対する対価を得て、案件全体の粗利益を改善する。
2036年にSIと開発の人月換算量は現在よりわずかに少ないものの、価格は物価並みに上がる。大手SI経由だけでなくトヨタ以外の物流・製造業からの直接受注を増やし、外注費を柔軟に調整する。既存顧客基盤を守り、収益力を維持した形である。
イージーマイショップは継続利用が維持され、設備販売も穏やかに増える。企業買収による飛躍や未開示のAIエージェント販売収益は織り込まない。純現金を雇用維持に使える強さが不況時にも活き、10年後の営業利益は約51億円、純利益は約37億円まで残る。
- SIサービス業務:数量 8,894(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.02(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 143 億円・営業利益 21 億円。人月は今の98%、単価は1.34倍。独自の強い製品の売上を仮定せず上流仕事を維持。
- ソフトウエア開発業務:数量 14,793(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 218 億円・営業利益 32 億円。人月98%・単価1.34倍。AIで外注費を減らすが収入量は増やさない。
- 業務パッケージ・ソフトウエアプロダクト:数量 1,682(年額20万円相当の契約・販売換算件数(契約、推計))× 価格 0.00(契約・販売換算1件の平均年額(億円/件、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。契約換算件数95%・年額1.15倍。
- IT設備・商品販売:数量 65.0(平均案件規模に直した年間設備納入案件数(件、推計))× 価格 0.24(設備納入換算1件当たりの売上(億円/件、名目))→ 売上 15 億円・営業利益 0 億円。大型納入案件の件数130%・単価1.34倍。
- ECサイト構築・WEB/SaaSサービス:数量 36,000(イージーマイショップ累計登録店舗を基準とする店舗換算数(店舗、推計))× 価格 0.00(店舗換算1件当たりWEB事業の見かけ年額(億円/店舗、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。累計店舗換算は100%・単価1.15倍。
倍率:事業に残る10年後の純利益から、余剰現金5億円の税引後利息0.07億円を外し、事業ROE11.5%、k7.75%、10年後以降の名目g上限0%を使う。RONIC=k+通常の堀1/2×(ROE−k)で求めるが、g=0のため正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷7.75%=12.903倍。AIエージェント代替を数量とgに反映済みなので、楽観から中立までは上限そのものとする。余剰現金は別途5億円×戻り方0.75を足す。
確率:上流工程への転換と受託工数の価値維持がともに成功する必要があり、売上で検証できるAI製品がまだ小さいため8%にとどめる。
やや楽観 18% 工数縮小を単価と生産性で吸収 利益 28 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,521 円419 億円
工場システムの刷新や物流DXへの投資は続き、トヨタグループの長期案件も継続する。しかし、請求できる人月はAIと内製化により減り、同じ人数を投入して売上を増やす旧来の拡大はできなくなる。上流の構想・設計を任される割合が増え、人月価格は物価に近いところまで引き上げられる。
会社が計画する2029年までの採用・受注拡大はある程度実現するが、その後は必要工数が減る局面に入る。ソフトの自社製品は大手競合を駆逐するほどのシェアを取れず、ECと商品販売も補助的な位置にとどまる。
顧客企業のAI導入を支える開発を継続できるため利益率は直近並みに保たれ、2036年の売上は約318億円、純利益は約28億円となる。小規模な技能補完の買収はありうるが、株主価値を大きく押し上げる買収益は見込まず、配当性向50%の方針が続く。
- SIサービス業務:数量 7,623(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.02(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 123 億円・営業利益 16 億円。人月84%・単価1.34倍。
- ソフトウエア開発業務:数量 12,076(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 175 億円・営業利益 24 億円。人月80%・単価1.32倍。
- 業務パッケージ・ソフトウエアプロダクト:数量 1,593(年額20万円相当の契約・販売換算件数(契約、推計))× 価格 0.00(契約・販売換算1件の平均年額(億円/件、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。件数90%・単価1.13倍。
- IT設備・商品販売:数量 56.5(平均案件規模に直した年間設備納入案件数(件、推計))× 価格 0.23(設備納入換算1件当たりの売上(億円/件、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 0 億円。納入件数113%・単価1.30倍。
- ECサイト構築・WEB/SaaSサービス:数量 32,400(イージーマイショップ累計登録店舗を基準とする店舗換算数(店舗、推計))× 価格 0.00(店舗換算1件当たりWEB事業の見かけ年額(億円/店舗、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。店舗換算90%・単価1.12倍。
倍率:事業に残る10年後の純利益から、余剰現金5億円の税引後利息0.07億円を外し、事業ROE9.7%、k7.75%、10年後以降の名目g上限0%を使う。RONIC=k+通常の堀1/2×(ROE−k)で求めるが、g=0のため正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷7.75%=12.903倍。AIエージェント代替を数量とgに反映済みなので、楽観から中立までは上限そのものとする。余剰現金は別途5億円×戻り方0.75を足す。
確率:顧客との関係、直近の利益率、研究開発・人材投資を踏まえれば、単価を守り利益が比較的残る筋は現実的で18%とする。
中立 32% 刷新需要の後に人月商売が細る 利益 18 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,709 円284 億円
トヨタや大手SIからの仕事は消えないが、同じ改修を少ない人員とAIエージェントで完了するようになる。最初の3年は会社が掲げる基幹系刷新の需要が業績を支え、長期では人月の販売量がSIで現在の71%、開発で65%まで減る。顧客にとっての便益が生産性改善に移るため、単価はおおむね物価の範囲でしか増えない。
2029年3月期に会社は売上約405億円を計画するが、その水準が2036年まで続くとは考えない。開発の自動化で外注費は減らせるものの、新拠点・教育・品質保証に必要な固定的な費用は残る。利益率が以前より低下するのは、この人月の縮小と費用の遅い調整による。
独自パッケージの利用件数もやや減り、ECは大手基盤と競争し、2026年の大型IT設備販売は平準化する。2036年の売上は約256億円、営業利益約24億円、純利益約18億円となる。配当は継続するが留保利益が積み上がり、ROEは7%弱まで低下する。
- SIサービス業務:数量 6,444(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.02(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 102 億円・営業利益 11 億円。AIエージェント代替により人月71%・単価1.32倍。
- ソフトウエア開発業務:数量 9,811(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 140 億円・営業利益 15 億円。AIエージェント代替により人月65%・単価1.30倍。
- 業務パッケージ・ソフトウエアプロダクト:数量 1,381(年額20万円相当の契約・販売換算件数(契約、推計))× 価格 0.00(契約・販売換算1件の平均年額(億円/件、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。画面操作代替により契約換算78%・年額1.10倍。
- IT設備・商品販売:数量 34.0(平均案件規模に直した年間設備納入案件数(件、推計))× 価格 0.22(設備納入換算1件当たりの売上(億円/件、名目))→ 売上 8 億円・営業利益 0 億円。大型案件の反動を平準化、件数68%・単価1.25倍。
- ECサイト構築・WEB/SaaSサービス:数量 28,080(イージーマイショップ累計登録店舗を基準とする店舗換算数(店舗、推計))× 価格 0.00(店舗換算1件当たりWEB事業の見かけ年額(億円/店舗、名目))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。画面操作代替により店舗換算78%・年額1.10倍。
倍率:事業に残る10年後の純利益から、余剰現金5億円の税引後利息0.07億円を外し、事業ROE6.7%、k7.75%、10年後以降の名目g上限0%を使う。RONIC=k+通常の堀1/2×(ROE−k)で求めるが、g=0のため正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷7.75%=12.903倍。AIエージェント代替を数量とgに反映済みなので、楽観から中立までは上限そのものとする。余剰現金は別途5億円×戻り方0.75を足す。
確率:市場成長と請求工数縮小を同時に見込み、会社の短期計画と長期のAI変化を分ける中心シナリオとして32%を置く。
やや悲観 27% 顧客内製化が進み、利益半減 利益 11 億円 · PER 12.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,039 円173 億円
顧客はAIを使う社内チームと少数の上流支援会社へ発注を集め、中堅の受託会社に支払う工数を大幅に削る。トヨタグループ向けの取引関係は一部残るものの、新しい設計・保守の内製化により、同社は新規開発で存在感を落とす。SIの売上換算人月は現在の54%、開発は50%となり、価格も物価を十分に転嫁できない。
会社は外注契約を縮小し、採用数を抑える一方、優秀な社員を残すため人件費と研修費の削減を急げない。新しい開発センターの維持負担は続き、営業利益率は8%程度へ下がる。自社製品も画面操作の需要が減って新規販売を伸ばせず、ECの累計店舗は有料稼働店舗の成長を保証しない。
大きなM&Aで失地を挽回するより、現金を守り既存顧客に集中する経営となる。2036年の売上は約176億円、純利益は約11億円に縮む。配当は減額を余儀なくされるが、積み上げた純資産が倒産リスクを和らげる。
- SIサービス業務:数量 4,901(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 69 億円・営業利益 7 億円。人月54%・単価1.18倍。
- ソフトウエア開発業務:数量 7,547(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 96 億円・営業利益 9 億円。人月50%・単価1.16倍。
- 業務パッケージ・ソフトウエアプロダクト:数量 1,151(年額20万円相当の契約・販売換算件数(契約、推計))× 価格 0.00(契約・販売換算1件の平均年額(億円/件、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。件数65%・単価1.03倍。
- IT設備・商品販売:数量 30.0(平均案件規模に直した年間設備納入案件数(件、推計))× 価格 0.20(設備納入換算1件当たりの売上(億円/件、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。件数60%・単価1.10倍。
- ECサイト構築・WEB/SaaSサービス:数量 23,400(イージーマイショップ累計登録店舗を基準とする店舗換算数(店舗、推計))× 価格 0.00(店舗換算1件当たりWEB事業の見かけ年額(億円/店舗、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。店舗換算65%・年額1.03倍。
倍率:10年後ROEは4.8%でk7.75%に届かず、将来利益を過大に育てずに稼ぐ力で測る。g_long0%での上限1÷k=12.903倍を少し下回る12.5倍にし、現金は5億円の0.75倍を残した額の税引後利息を控除し、戻り方0.75を適用して足す。株価や同業PERを根拠にしない。
確率:下に寄せる理由:トヨタグループが約3割を占め、大手SI経由の受注比率も高く、2027年3月期第1四半期の受注高が前年同期比18.6%減ったため27%。AIの減収は中立の数量にすでに反映済みで確率には重ねない。
悲観 15% 開発工数の構造的消失と資産の床 利益 3 億円 · PBR 0.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 759 円126 億円
AIエージェントを組み込んだ顧客の内製開発と、大手SIの標準化された開発基盤が同時に普及する。トヨタグループで得てきた業務知識は有用でも、必要な外部工数のかなりの部分が不要になる。請求できる量はSI・開発とも現在の半分以下となり、値上げも人件費の上昇に追いつかない。
同社は技術者を守ろうとするが、新センターや管理部門の固定費が残り、外注の削減だけでは収益を支えきれない。BIGシリーズやECサービスの操作画面もエージェントに置き換わり、顧客が大手基盤へ集約する。開発案件の失注に加え、教育投資の回収が遅れ、利益率は2%台へ低下する。
売上は約141億円と現状の半分前後になる。純利益は約3億円まで落ち、累進配当は厳しい業績悪化条項によって見直される。借入れが小さく土地・建物と売掛債権を保有するため直ちに破綻するとはみず、10年後の企業価値は営業利益の倍率ではなく、無形資産を差し引いた現在の実物に近い純資産が支える。
- SIサービス業務:数量 3,993(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 53 億円・営業利益 3 億円。人月44%・単価1.10倍。
- ソフトウエア開発業務:数量 6,792(年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計))× 価格 0.01(請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目))→ 売上 81 億円・営業利益 4 億円。人月45%・単価1.08倍。
- 業務パッケージ・ソフトウエアプロダクト:数量 885(年額20万円相当の契約・販売換算件数(契約、推計))× 価格 0.00(契約・販売換算1件の平均年額(億円/件、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。件数50%・単価横ばい。
- IT設備・商品販売:数量 22.5(平均案件規模に直した年間設備納入案件数(件、推計))× 価格 0.19(設備納入換算1件当たりの売上(億円/件、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。件数45%・単価1.05倍。
- ECサイト構築・WEB/SaaSサービス:数量 18,000(イージーマイショップ累計登録店舗を基準とする店舗換算数(店舗、推計))× 価格 0.00(店舗換算1件当たりWEB事業の見かけ年額(億円/店舗、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。店舗換算50%・年額横ばい。
倍率:受託工数喪失後のROE約1.5%では利益に正当化PERを掛けた価値は清算可能な資産を下回る。今の自己資本134.6億円から、のれん0.49億円・繰延税金資産6.30億円・自社ソフト約2.15億円を控除した約125.7億円を126億円の悲観の床とする。現在の自己資本に対してPBR約0.936倍であり、10年後の自己資本187億円に掛けない。貸付金や預り資金を余剰現金として二重加算しない。
確率:下に寄せる理由:業務別94.5%が工数型で、顧客集中が失注の波及を大きくすることから15%を付す。AIによる数量減と長期g0%の影響を重複してkには上乗せしない。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
SIサービス業務
顧客の企画・設計・構築・稼働後の運用を請け負う。特定の工場・基幹業務の知識が強みだが、基本は受託工数で稼ぐ。
| 数量年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計) | 価格請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 9,075 | 0.01 | 109 | 14 |
| 10 年後 中立 | 6,444 | 0.02 | 102 | 11 |
取り方:決算説明会の業務別売上108.905億円と有報の外注実績44.75億円を用いる。数量=108.905億円÷120万円/人月=約9,075人月、価格=1.2百万円/人月と仮定。顧客別工数と実売単価は非開示であり、社内人数だけでなく外注を含めた請求換算量である。IDC国内ITサービス市場約7兆円を分母とする全社SI・開発計約275億円のシェアは約0.4%(https://smb-cloud.org/?p=1765)。営業利益13.5億円は未開示の業務別利益を推定配賦した値。AIエージェント代替区分は「人月・工数で売る」。
ソフトウエア開発業務
製造・物流・金融等の個別開発と修正、既存基幹システムの改修を担う。単位時間の請負・準委任的な稼働に収益が連動する。
| 数量年間の売上換算請求人月(自社と協力会社を合算、人月、推計) | 価格請求人月1件当たりの売上(億円/人月、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 15,094 | 0.01 | 166 | 22 |
| 10 年後 中立 | 9,811 | 0.01 | 140 | 15 |
取り方:2026年3月期売上166.038億円÷仮定平均110万円/人月=約15,094人月とした。外注実績68.11億円(売上の約41%)を含む仕事量であり、正社員人数と同じではない。人月の実数・請求単価は未開示で、感応度を見るモデル上の換算値。競合のNTTデータ、SCSK、TIS等と分散市場で争い、独自分野の確定シェアは非公開。営業利益22.3億円は全社34.7億円に調整する推計配賦。AI代替は「人月・工数で売る」。
業務パッケージ・ソフトウエアプロダクト
BIGシリーズの会計・給与・販売管理、CTI等の中小企業向けパッケージと関連支援。画面・IDで操作する製品が主体。
| 数量年額20万円相当の契約・販売換算件数(契約、推計) | 価格契約・販売換算1件の平均年額(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,770 | 0.00 | 4 | 1 |
| 10 年後 中立 | 1,381 | 0.00 | 3 | 0 |
取り方:2026年3月期の開示売上3.54億円を、便宜的な年額20万円の契約換算1,770件に分解した。契約件数・実際の販売形態別単価は公表がなく、20万円は観測値ではない。矢野経済研究所の2025年ERPライセンス市場2,020.7億円を仮の市場上限とすると売上を全額充ててもシェア0.18%未満(https://www.imagazine.co.jp/erp-market-japan-2026-yanokeizai/)。会計・給与の記録を扱うが、低解約率・年単位移行・連続値上げなど独立の証拠2件が無いためAI区分は「操作画面中心の業務ソフト」であり正本型とはしない。利益は配賦推定。
IT設備・商品販売
サーバー、通信機器など顧客向け設備の販売と付帯作業。外部製品を仕入れるため、一括案件の波が大きい。
| 数量平均案件規模に直した年間設備納入案件数(件、推計) | 価格設備納入換算1件当たりの売上(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 50.0 | 0.18 | 9 | 0 |
| 10 年後 中立 | 34.0 | 0.22 | 8 | 0 |
取り方:2026年の売上8.87億円に対し、実案件数が未開示なので1件約1,774万円・50件という案件換算を設定。販売価格や台数の発表ではない。仕入実績7.94億円、前年売上4.10億円、今期は大型設備販売1件の寄与が明示されており、10年の中立数量は直近の山から平準化する。AIエージェントが直接代替する人月・席型には当たらない物販で、利益は推計配賦。
ECサイト構築・WEB/SaaSサービス
イージーマイショップ等のEC構築サービスとWEB運営、クラウド利用料。顧客が画面で操作する業務サービス。
| 数量イージーマイショップ累計登録店舗を基準とする店舗換算数(店舗、推計) | 価格店舗換算1件当たりWEB事業の見かけ年額(億円/店舗、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 36,000 | 0.00 | 3 | 1 |
| 10 年後 中立 | 28,080 | 0.00 | 3 | 0 |
取り方:自社2026年5月発表の累計店舗約36,000・年間流通額128億円を数量の目安とし、WEBサービス等の売上3.47億円÷36,000=約9,640円/店舗年を見かけ単価とした(https://www.sr-net.co.jp/news/6793/)。累計数は有料稼働店舗数と同義ではなく、WEB売上にはEC以外が含まれる。従って実際のARPUやテイクレートではなく、継続的な店舗数の増減を見るための便宜的な換算である。国内BtoC-EC流通額26.1兆円との比率は約0.05%で、GMVと同社収益は混同しない。AI区分は「席・操作画面中心のSaaS」。利益は推計配賦。
リスクと懸念
AIエージェント代替と人月ビジネスの縮小
売上の94.5%がSIと開発で、契約の中心は人間の工数である。AIエージェントがコーディング、テスト、改修を自動化すれば、顧客は同じ成果を少ない人月で買える。売上成長率より請求人月、成果報酬案件の割合、外注単価の変化が重要になる。これは中立の数量減少と長期成長率0%に織り込んでいる。
トヨタグループへの集中と発注変動
トヨタグループとの取引は全体の約3割で、トヨタシステムズだけで19.4%を占める。2027年3月期第1四半期にはSIの受注が28.3%減り、全社受注高も18.6%減った。トヨタの内製化、発注先集約、車両開発や工場投資の変更が起これば、他顧客の仕事で短期には埋めにくい。
人材の固定費と外注調整の限界
協力会社の外注費は主要2事業で約113億円と大きく、案件が減れば調整できる。しかし、自社の開発者は採用・育成に時間がかかり、新しい開発センターも維持が必要だ。会社自ら受注半減でも雇用を守る資金約70億円を確保すると説明しており、この現金を株主への純粋な余剰資産とみなすと安全域を過大評価する。
自社パッケージとECの価格競争
BIGシリーズは会計・給与の記録を扱うものの、解約率や法改正時の値上げ成功といった堀の証拠が十分に公表されていない。イージーマイショップの累計店舗は約3万6千あるが、有料で稼働する店舗の実数は明らかでない。クラウド大手やAIが業務画面を飛び越えて処理する世界では、席と画面に対する支払いが細る。
設備販売の一時性と検収の時期
商品販売は2026年3月期に大型IT設備案件の寄与で約8.9億円へ膨らんだが、仕入実績も約7.9億円であり持続的な高利益ソフト売上と性質が違う。受託開発も検収が四半期をまたぐため、単一四半期の進捗や受注高だけで収益の寿命を判断しない。一時的な売上増を恒久の市場シェア増加と数えると評価を誤る。
留保利益の再投資利回りと資本配分
目標配当性向は50%に引き上げられたが、残りの利益を毎年留保しても、受託の収益機会が縮めば再投資利回りは下がる。2022年のゼネラルソフトウェア買収は小規模で、いまあるのれんも小さい。一方、大規模な自社株買いによって資本効率を維持する仕組みは確立しておらず、2036年のROEが下がる危険を重く見る。
今後の分かれ目
- 契約額に占める成果報酬・継続利用料の割合が3割を超え、その分野の単価改定と解約率が開示されたら
- 人月縮小を補える証拠としてSI・開発の数量前提を上方修正する。独立した低解約率と継続値上げの両方が確認できた部分だけ、記録の正本型や正の長期成長率を検討する。
- 四半期受注高の前年割れが8四半期続き、特にトヨタ系の売上構成が下がったら
- 短い検収のずれではない構造的な失注と判断し、やや悲観・悲観の確率を増やし2036年の請求人月を減らす。
- 2029年3月期の売上404.88億円・営業利益49.72億円の計画を、外注依存を増やさず達成したら
- 上流工程での案件獲得と収益性改善の実証としてやや楽観の重みを上げる。ただし、2030年代に人月需要が細る長期のAI前提は別途検証する。
- 現預金の必要額70億円の方針を下げ、発行済株式数の5%超の自社株取得を実行したら
- 過剰な現金を外部株主へ戻す実績ができるため、余剰現金の取り分0.75を1.0に改める余地がある。事業の収益力自体を上げたとはみなさない。
- ECの有料稼働店舗と実効利用料の実数が開示され、流通額の増加と収益の増加が連動したら
- 累計店舗を代理数量にした不確かさを減らし、自社WEB事業の数量・価格を直接更新する。顧客が継続して払う金額が立証できて初めて小さな成長オプションを加える。
- 新しい開発センターの償却・採用費が先行し、営業利益率が2年連続で9%を下回ったら
- 工数の減少に固定費が追いつかない兆候であり、下振れの利益率と中立の資本効率をともに引き下げる。雇用維持資金の取り崩しにも注意する。
見ておくもの
- 2027年3月期第2四半期以降の業務区分別受注高・受注残高とトヨタシステムズ売上比率
- SIとソフトウエア開発の外注高/売上高、技術者の稼働率と実効請求人月単価
- 会社のAX推進室による工数削減率と成果報酬・上流工程売上の開示
- 2029年3月期の売上404.88億円、営業利益49.72億円、従業員2,000人の計画に対する進捗
- イージーマイショップの課金中店舗数、年間流通額とWEBサービスの収益化
- 配当性向50%・2029年までの累進配当と自社株の純増減、必要現金70億円の変更
- 営業利益率とROEが資本コスト7.75%を超える状態の持続
倍率と資本コストの決め方
株価2007円や時価総額333億円はシナリオの数量・単価、利益率と倍率を確定させる前の基準として使わない。2026年3月期の業務区分別収入を開示値に合わせ、工数は社内・外注の請求人月へ推定換算した。人月型は中立で数量をSI71%・開発65%、単価を物価以下の範囲で1.32倍・1.30倍とし、AIリスクはここおよびg_long0%だけに入れた。中立のPERはk7.75%とg0%から出る12.903倍の上限で、現在や同業のPERから決めていない。配当の10年総額は利益の年次推移と50%方針を用い、年平均で割り引く。持合株約0.1億円を余剰現金に二重計上せず、新リース基準の適用による帳簿上の負債変化は今と同じ賃料費用の形にそろえて評価する。中期経営計画の数値は原文に従い、添付の簡易予想とは区別した。過去業績・基準株価・株数は添付factsを採用している。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。基本7.5%に品質の4要素合計+0.25%を加え、資本コストは7.75%。市場のβや会社規模は用いない。