結論
ソルクシーズは金融機関や官公庁のシステムを開発し、教習所向けソフトや法人向けクラウドも手がける中堅IT企業である。筆者の結論は「適正」だ。会社は着実に黒字を積み上げ、純現金も厚いが、売上の大半を占める人月型の受託開発がAIエージェントに置き換わる構造変化を、従来の増収率だけでは説明できないからだ。
2025年の売上は約174億円、営業利益は約14億円だった。金融・証券・公共分野の継続顧客に加え、ノイマンの教習所向け製品、Fleekdriveのクラウド、イー・アイ・ソルの計測制御という異なる収入源を持つ。2026年上期も増収増益が続き、2028年に売上220億円を目指す中期計画は、少なくとも足元の営業力が弱っていないことを示す。
ただし、顧客が買っているものを見極めたい。システムを安全に運用できることには価値があるが、開発に投入した人数そのものには永続的な価値がない。AIが要件整理、実装、試験まで担えば、開発需要が増えても請求できる工数は減りうる。独自の記録基盤として移行困難性を証明できていない部分には、長期の成長価値を先取りしない。
2035年の五つの筋書きを合算した本質価値は約85億円で、比較対象の時価総額約89億円を約5%下回る。上値を生むのは製品の収益性改善と受託事業の適応がともに進む場合である。価格だけで買い急ぐほどの安全域はなく、収益構造が変わる証拠を見ながら評価すべき会社だ。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主が最初に確かめるべきことは、顧客が10年後もその会社にお金を払い続ける理由である。金融システムは残るだろう。しかし、金融システムの開発に現在と同じ人数が必要とは限らない。この二つを混同すると、安定した顧客基盤の値打ちを過大評価する。ソルクシーズの受託部分は、顧客業務への理解を通じて仕事を守れるが、工数課金から成果・運用責任への転換を証明するまでは強い堀とはみなせない。
オーナー利益として残るものを考えると、2025年の純利益約8億円をすべて自由な配当原資とみるのは危うい。優秀な技術者を雇い、セキュリティや新しい開発基盤に投資し、クラウドの機能を更新する費用は続く。ソフトウェア資産の償却は過去の取得原価で計上されるが、新たな開発や設備更新は物価が上がった価格で行う必要がある。一方、約31億円の純現金があるため、変革に伴う数年の利益減少を吸収する余力はある。
資本配分では、2025年の約17億円の自社株買いを評価する。企業規模に比べ大きな取引を実行できた事実は、余った利益をただ蓄えるだけではない証拠だ。ただし将来の買い戻しを当然視して高い価値をつけることもしない。買収先を増やすことより、一つひとつの製品の継続率と追加投資の利益を開示させる方が、株主にとって重要だ。
最も関心があるのはノイマンの位置づけである。教習所向けの高いシェアが、法令対応、記録の正本、低い解約率に裏づけられるなら、受託と異なる長い寿命の収入になる。現在の証拠はそこまで届かず、購入時の安全域を大きく見込むべきである。本質価値と市場価値が近い今は、良い資産が混じっていることと、持ち続けるための値段の安さを同一視しない。
何で稼ぐ会社か
収益の土台は、金融機関の信用・決済、証券、官公庁向けの受託開発である。2025年のソフトウェア開発事業の外部売上は約127.5億円と全体の約73%を占めた。営業利益はセグメント表示で約7.4億円であり、案件の見積もり、開発工程、稼働率、外注費の管理が利益を左右する。契約には元請けと二次請けが混在し、同社の説明では直取引が約4割、間接取引が約6割である。富士通向けは全社売上の約1割で、重要な取引相手だが、単一顧客への全面依存ではない。
コンサルティング事業は約15.7億円を売り、組込みソフトの設計改善を支援するエクスモーションなどが中核である。自動車のCASE化や安全性の要求を背景に、開発方法、品質、プロジェクト運営を顧客に教える。生成AIを支援に使うCoBrainというサービスも育てているが、その売上金額は独立開示されておらず、人による支援の代替を埋め切ったとは判断できない。
ソリューション事業の売上は約30.4億円である。ノイマンの「N-LINE」「N-PLUS」は自動車教習所のオンライン学科や業務を支え、教習所向け主力システムで約6割の導入シェアを会社が示している。Fleekdriveは企業のファイル保管・共有、Fleekformは帳票関連を担い、イー・アイ・ソルは防災、鉄道、航空宇宙、防衛向けに計測・制御システムを作る。同じソリューション事業でも、学校ごとの継続契約、利用ID、機器を伴う開発案件では経済性がまるで違う。
2025年の開示上の営業利益は開発約7.44億円、コンサル約2.05億円、ソリューション約0.73億円で、連結調整約3.76億円を加えて全社の約13.97億円となる。調整額も含めて現実の利益であり、各事業が独立して高利益率だと誤認してはいけない。金額非開示の三つのソリューション小分野は、実際の顧客数と市場統計を手掛かりに、推定モデルとしてのみ扱う。
優良さと弱いところ
最もはっきりした競争力は、教習所という狭い市場にある。ノイマンはオンライン学科が広がり始めた時期から製品を供給し、既存校との取引を通じて新しい予約や高齢者講習の機能を横展開できる。2026年には群馬県の指定自動車教習所協会向けに予約システムを受注した。顧客が教習履歴や事務手順を移すには手間がかかるため、一定の切り替えコストは考えられる。
しかし、シェアの高さだけで独占的な堀とは呼べない。低い解約率の数字、法改正を伴う移行に何年かかるか、毎回の料金改定を受け入れさせた実績の三点について、開示で十分な証拠はない。Fleekdriveでは2025年に料金改定が売上に寄与したが、法人ストレージにはMicrosoft、Box、Googleという巨大な代替品がある。ソリューション全体のセグメント利益率も薄く、良い製品の存在がそのまま高い資本収益率を意味するわけではない。
金融・公共の受託開発には長年の業務知識と品質管理能力がある。ただし顧客の正本データや金融決済網を自社で独占しているわけではなく、元請けから価格を求められれば交渉力は限定される。過去10年のROE中央値は約9.2%で、長期の資本コストを少し上回るが、2018年には営業利益率が1%を割った。持続的な超過収益の証明にはなお距離がある。
財務は明確な長所だ。2025年末の純現金は約31億円で、自己資本の約47%に相当する。2025年の大規模な自社株買いで株主還元を実行した実績もある。反面、現金があるからこそ低収益の子会社や買収に資金を使う誘惑が生じる。増分投資が資本コストを超えるか、製品ごとの利益を開示して確認する必要がある。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は2025年に約7.6兆円と推計され、IDCの見通しでは2030年に10兆円を超える。老朽化した基幹系の刷新、クラウド移行、セキュリティ対応が発注を支える。だが、これは顧客のIT支出という市場の伸びであって、技術者の工数で課金する企業の数量が同じように増える保証ではない。AIがコード生成、試験、調査、移行作業を自動化するほど、むしろ開発工数の総量は減りやすい。
ソルクシーズの開発売上は国内ITサービス市場の約0.17%にすぎず、コンサル売上も国内ITコンサルティング市場約5,700億円に対して約0.27%である。市場と会社の事業範囲が完全には一致しないため概算だが、企業全体として値決めできるほどのシェアではない。NTTデータ、富士通、NEC、SCSK、TIS、独立系SI各社と、発注元企業の内製開発が競争相手になる。富士通など既存の元請けとの関係は安定需要をもたらす半面、間接取引の価格裁量を狭める。
教習所向けは事情が違う。警察庁によれば2025年末の指定自動車教習所は1,277校で、2016年の1,332校から減っている。約6割の導入シェアなら顧客接点は約760校に相当する。2025年の卒業者は約150万人で、若年人口の減少が市場の自然増を妨げる。オンライン学科や高齢者講習向けの機能追加には余地があっても、AIエージェントが事務画面を操作せずに完結させる方向は単価の上限を抑える。
法人ファイル共有ではMicrosoft 365、Box、Google Workspaceなどが大きな製品群であり、Fleekdriveの国内シェアと有料ID数は会社が開示していない。これに対し、現場で実物を計測する防災・鉄道・航空宇宙分野は、センサーや検証設備が必要なためソフトウェアの自動生成だけでは消えない。ただし装置制御ソフトの開発工数にはAI代替が及ぶ。事業ごとに競争と寿命を切り分けることが、長期の予想には欠かせない。
資本政策と M&A
経営陣は2026~2028年の中期経営計画で、最終年の売上220億円、経常利益23億円、純利益15億円を目指す。2026年は売上180億円、経常利益16億円、純利益10億円、2027年は売上200億円、経常利益20億円、純利益13億円という道筋である。SIの競争力を高め、ストック型事業との比率を対等に近づけ、海外事業も育てる。ただし配当性向、DOE、総還元性向、買い戻し金額の中期的な数字の約束はない。
2025年の配当総額は約2.82億円、配当性向は37.0%だった。2026年の会社予想は配当性向28.1%と、利益の伸びに応じて比率が下がる。同社は2025年に約17億円を投じて約430万株を取得し、発行済みから自己株式を除いた株数を大きく減らした。これは明確な資本還元だが、毎年繰り返せる規模ではなく、今後の利益成長と買収余力を別々に測るべきだ。
金融向けの開発力を増やすためのエフ社の子会社化や、エクスモーション、ノイマン、Fleekdriveなどへのグループ資本配分は事業の幅を広げた。ただし、製品別の投下資本収益率は示されていない。余剰現金約12億円は労務費と外注費の運転資金を控除した保守的な部分だけとし、2025年の買い戻しと増配、上位株主の分散を根拠に、余った現金は株主に戻る価値として全額評価する。
株主優待には長期保有者へ米を贈る制度がある。対象人数と仕入原価の開示が足りないため、年間約0.1億円、10年累計約1億円を基準に推定し、各筋書きの還元額に含めた。将来の大きな買収が高い投資利回りを生むとまでは認めず、手元資金を漫然と費やした場合は悲観側で評価する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
同社には大手SIの単純な下請けでは終わらない道がある。金融・証券・公共の業務知識は、AIがコードを書けても顧客の責任分界を決める場面で必要だ。開発工程の自動化を早く取り込み、技術者一人当たりの付加価値を引き上げれば、請求できる人数を増やさずに利益率を改善できる。顧客の業務変革が続けば、開発規模が一服しても運用、監査、安全性の確認という仕事は残る。2025年には開発・コンサルともに増収し、2026年上期にも増益を実現した。
成長の核として評価したいのはノイマンだ。約6割の導入シェアがある教習所向け製品は、新たな予約、高齢者講習、学科教習のオンライン化を既存顧客へ売り込める。群馬県の指定教習所協会向け予約システムの受注も、個々の校舎を超えた基盤へ踏み出す機会となる。規制に沿う運用記録を積み上げ、業界共通の正本に近づけば、運用の切り替え費用は高まる。そうした追加機能が確かに売れれば、導入校数を増やせなくても顧客単価は上がる。
Fleekdriveではすでに料金改定が増収に寄与しており、赤字縮小から利益寄与への転換が進みうる。イー・アイ・ソルの防衛・航空宇宙や鉄道向け計測制御は、画面の自動操作とは別の設備需要を持つ。2025年の純現金約31億円と大規模な自社株買いは、投資と株主還元の両立を支える。2028年の中期計画が目標に達し、その先もソリューションの収益性が増せば、2035年には今より小さな人月売上に頼らずとも高い利益を得られる。
慎重な見方
受託開発で取引が続くことと、現在の売上が続くことは別である。AIエージェントが調査、設計、実装、試験まで横断できるようになれば、顧客は人数ではなく完成した機能に対して支払う。元請け比率の高い大手ほど効率化の利益を先に握り、二次請けには工数削減と単価交渉が同時に降りてくる。同社の売上の約8割が開発とコンサルにある以上、この変化は枝葉のリスクではない。2026~2028年の中計は、今の受注の延長を語るもので、10年先のビジネスモデル転換を保証しない。
教習所向けの約6割シェアも万能ではない。市場自体が人口減少で縮み、2025年の指定教習所は1,277校まで減った。クラウドや事務画面を統合するエージェントが普及すれば、個別の席や機能の課金は下がる。低い解約率、規制上の正本としての法的地位、連続した値上げの実績が証明されない限り、N-LINEやN-PLUSにもSaaSの代替圧力を当てるべきである。FleekdriveはMicrosoft 365やBoxの機能進化と競い、独自データが競争を遮るわけではない。
2025年のソリューション事業のセグメント利益は約0.7億円しかなく、製品ごとの赤字を外部から識別できない。これまでの子会社買収が高い増分資本利益を生んだ証拠も弱い。純現金は防御になるが、運転資金、買収や減損を差し引けば全額を株主に配れるわけではない。資本を持っていても収益率が下がれば評価は縮む。2035年に市場全体のIT支出が増えていても、同社が請求する工数が半減し、収益を補えない筋書きは十分にありうる。
どちらに重みを置いたか
強みの証拠が最も厚いのは教習所向けの既存取引と財務体力で、事業全体の価格決定力ではない。2025年の料金改定は確認できるが、ソリューションの継続率や独自データの堀を数値で立証するには足りない。一方、受託開発の中立筋書きにはすでにAIによる工数減少を十分に織り込んだため、同じ理由だけで確率と資本コストを重ねて引かない。確率は楽観側30%に対して悲観側39%と、わずかに下へ寄せた。結論は約5%の下振れにとどまる適正評価であり、投資の安全域が厚いという判断ではない。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/12 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 574 円116 億円(+ 還元の換算額還元の合計 218 円44 億円)。 今の値に割り戻すと 422 円85 億円、今との差 +0.7%、 期待の年率 +7.8%(資本コスト 7.8%)→ 適正
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 11% | 1,261 円254 億円 | 441 円89 億円 | +306.3% | +18.5% | 187 円38 億円 |
| やや楽観 | 19% | 921 円186 億円 | 322 円65 億円 | +196.8% | +13.9% | 236 円48 億円 |
| 中立 | 31% | 593 円120 億円 | 238 円48 億円 | +98.3% | +8.5% | 258 円52 億円 |
| やや悲観 | 25% | 205 円41 億円 | 114 円23 億円 | −23.9% | −3.2% | 80 円16 億円 |
| 悲観 | 14% | 178 円36 億円 | 40 円8 億円 | −47.9% | −6.8% | 31 円6 億円 |
| 加重平均 | 100% | 574 円116 億円 | 218 円44 億円 | +88.9% | +7.8% | 791 円160 億円 |
今の株価時価総額 419 円85 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 11% 専門性が成果報酬へ移り製品の採算が改善 利益 18 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,261 円254 億円
顧客が求めるものがコードの量から、責任を持って動く金融・公共の仕組みへと変わる。ソルクシーズはAIで開発を省力化し、少人数で高い品質を保証する能力を成果物の価格に反映できる。受託開発の延べ請求人月は2025年程度を守り、単価上昇と再利用可能な開発部品によって利益率を高める。CoBrainにも採用先が増えるが、公表された独立売上がないため人月数量の成長は見込まない。
ノイマンは高齢者講習の予約など規制と業務に密着した製品を教習所へ追加販売する。校舎の総数は伸びないが既存顧客の機能契約を維持し、Fleekdriveも料金改定後の収益性が改善する。イー・アイ・ソルは防衛・航空宇宙・鉄道の設備更新を取り込み、実物の計測案件を増やす。2028年の中計達成後、製品別採算がさらに改善するため、2035年の営業利益は過去の最高圏を超える。
買収は不足技術を補う小規模案件にとどめ、大きな現金の浪費を避ける。利益の成長と株主還元を両立し、買い戻しを含む配分が継続する。狭い専門市場の顧客接点が少しずつ太くなる10年だ。
- ソフトウェア開発事業:数量 12,751(年間請求可能な外注を含む技術者人月(実質、推定))× 価格 0.01(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 171 億円・営業利益 15 億円。AI受託は数量が現在を超えず、物価分の価格転嫁と業務責任の高度化で利益率が上がる。
- コンサルティング事業:数量 1,000(年間請求可能なコンサルタント人月(実質、推定))× 価格 0.02(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 21 億円・営業利益 3 億円。外注を含む請求工数、成果課金の実績未確認。
- ソリューション内・教習所向けノイマン(推計):数量 765(有料システムの校舎機能契約換算数(校相当、実質・推計))× 価格 0.02(校舎機能契約換算1単位当たり年額(億円/年、名目))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。教習所の機能契約相当。AIエージェント代替による席・画面需要の変化を反映。
- ソリューション内・Fleekdrive等のクラウド(推計):数量 30,000(年額請求の有料利用ID換算数(ID、実質・推計))× 価格 0.00(ID当たり年間平均売上(億円/ID年、名目))→ 売上 7 億円・営業利益 1 億円。席課金のID減少と価格改定の上限を反映。
- ソリューション内・計測制御・防衛・IoT等(推計):数量 44.0(年間計測制御・機器納入案件換算数(件、実質・推計))× 価格 0.46(機器と開発を合わせた1案件平均売上(億円/件、名目))→ 売上 20 億円・営業利益 2 億円。物理計測の継続需要と組込み開発工数の削減を混合。
倍率:株式資本コストは7.75%。2035年全社ROEは約12.3%で、超過利益は通常の堀の残存割合1/2として新規投資のRONICに反映する。ただしAIエージェント代替によりg_longは名目0%であるため、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/0.0775=12.90倍となる。上限からさらに値引きする二重計算はしない。2035年の余剰現金22億円が生む税後利息1.4%を純利益から外し、現金を戻り方1.0で別に足した。現在の株価や同業PERは用いていない。
確率:受託開発の工数維持と教習所の横展開、法人クラウドの黒字定着、計測案件増加を同時に満たす必要がある。AIが生む需要増を未開示の売上として先取りせず、人月数量は現状以下に制限するため、可能性は11%とする。
やや楽観 19% 開発は縮んでもストックが増益を支える 利益 13 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 921 円186 億円
金融と公共の大型システム更新が続き、発注者はAIで実装を簡略化しながらも、設計責任と検証を既存取引先に求め続ける。請求できる開発人月は今より少なくなるものの、同社は高度な案件と共通部品の利用で仕事をつなぐ。コンサルティングも支援時間は減るが、車載組込みの安全性にかかわる難しい相談を取り込む。
ノイマンの教習所向け製品は、限られた校舎数の中で高齢者講習や予約業務を追加する。Fleekdriveは法人向けの安全なファイル共有機能で利益を確保するが、MicrosoftやBoxとの競争のため課金IDの大幅な増加は見込まない。現場の測定・制御を必要とする鉄道と防衛の案件は増える。2028年の中計に近い収益力を維持した後、成長は緩やかになる。
経営は2025年ほど大きな自社株買いを毎年行うわけではないが、安定した利益から配当と機会を見た買い戻しを続ける。強いブランドの独占ではなく、複数の顧客市場から利益を集める10年になる。
- ソフトウェア開発事業:数量 10,838(年間請求可能な外注を含む技術者人月(実質、推定))× 価格 0.01(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 141 億円・営業利益 11 億円。工数減を値上げと売上構成の改善で補うが、クラウドの強い寡占は想定しない。
- コンサルティング事業:数量 850(年間請求可能なコンサルタント人月(実質、推定))× 価格 0.02(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 2 億円。外注を含む請求工数、成果課金の実績未確認。
- ソリューション内・教習所向けノイマン(推計):数量 740(有料システムの校舎機能契約換算数(校相当、実質・推計))× 価格 0.02(校舎機能契約換算1単位当たり年額(億円/年、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。教習所の機能契約相当。AIエージェント代替による席・画面需要の変化を反映。
- ソリューション内・Fleekdrive等のクラウド(推計):数量 27,000(年額請求の有料利用ID換算数(ID、実質・推計))× 価格 0.00(ID当たり年間平均売上(億円/ID年、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。席課金のID減少と価格改定の上限を反映。
- ソリューション内・計測制御・防衛・IoT等(推計):数量 40.0(年間計測制御・機器納入案件換算数(件、実質・推計))× 価格 0.43(機器と開発を合わせた1案件平均売上(億円/件、名目))→ 売上 17 億円・営業利益 1 億円。物理計測の継続需要と組込み開発工数の削減を混合。
倍率:株式資本コストは7.75%。2035年全社ROEは約9.9%で、超過利益は通常の堀の残存割合1/2として新規投資のRONICに反映する。ただしAIエージェント代替によりg_longは名目0%であるため、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/0.0775=12.90倍となる。上限からさらに値引きする二重計算はしない。2035年の余剰現金18億円が生む税後利息1.4%を純利益から外し、現金を戻り方1.0で別に足した。現在の株価や同業PERは用いていない。
確率:金融・公共の業務理解が一定の工数を残し、ノイマンと現場計測の利益改善が進む組み合わせ。中計を概ね達成しつつ2035年に成熟する現実的な上振れとして19%。
中立 31% AI省人化で開発が縮み製品の収益が下支え 利益 8 億円 · PER 12.9 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 593 円120 億円
2026年の既存受注は堅調に進むものの、中期計画の後半から顧客のAI活用が請求可能な工数に効いてくる。金融・証券・公共はシステムそのものをやめない。しかし、開発案件のうち調査、実装、試験の多くが自動化されるため、ソルクシーズの受託人月は10年で約3割減る。コンサルティングは報告書作成や設計支援の省力化が大きく、提供時間は約4割減る。名目の人月単価は物価程度には上がるが、売上は以前のようには成長しない。
ノイマンでは教習所の閉鎖・統合と業務画面の省人化が同時に進む。高い顧客接点は守るが、有料機能契約の実質数量は減る。FleekdriveのID課金もエージェントによるアクセスや大手クラウドへの統合に押され、独立の利用席数が減る。一方、現場の測定装置を伴う防災・鉄道案件は残り、会社全体の減収を和らげる。2035年の営業利益は足元をやや下回るが赤字にはならない。
2025年のような大規模買い戻しを常態化させず、純利益のおよそ半分を配当と適時の還元に振り向ける。事業を続けるための現金は確保できるが、ためた自己資本が利益ほど増えないため、ROEは過去10年の標準を下回る。
- ソフトウェア開発事業:数量 8,926(年間請求可能な外注を含む技術者人月(実質、推定))× 価格 0.01(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 118 億円・営業利益 6 億円。AI代替の中立数量:開発0.70倍、コンサル0.60倍、学校0.85倍、クラウド0.80倍。端末を伴う計測案件は0.83倍。
- コンサルティング事業:数量 600(年間請求可能なコンサルタント人月(実質、推定))× 価格 0.02(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。外注を含む請求工数、成果課金の実績未確認。
- ソリューション内・教習所向けノイマン(推計):数量 650(有料システムの校舎機能契約換算数(校相当、実質・推計))× 価格 0.02(校舎機能契約換算1単位当たり年額(億円/年、名目))→ 売上 12 億円・営業利益 1 億円。教習所の機能契約相当。AIエージェント代替による席・画面需要の変化を反映。
- ソリューション内・Fleekdrive等のクラウド(推計):数量 24,000(年額請求の有料利用ID換算数(ID、実質・推計))× 価格 0.00(ID当たり年間平均売上(億円/ID年、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。席課金のID減少と価格改定の上限を反映。
- ソリューション内・計測制御・防衛・IoT等(推計):数量 30.0(年間計測制御・機器納入案件換算数(件、実質・推計))× 価格 0.44(機器と開発を合わせた1案件平均売上(億円/件、名目))→ 売上 13 億円・営業利益 1 億円。物理計測の継続需要と組込み開発工数の削減を混合。
倍率:株式資本コストは7.75%。2035年全社ROEは約6.7%で、超過利益は通常の堀の残存割合1/2として新規投資のRONICに反映する。ただしAIエージェント代替によりg_longは名目0%であるため、正当化PER=(1−g/RONIC)/(k−g)=1/0.0775=12.90倍となる。ROEが資本コスト以下の場合の稼ぐ力の上限として適用し、さらに値引きする二重計算はしない。2035年の余剰現金16億円が生む税後利息1.4%を純利益から外し、現金を戻り方1.0で別に足した。現在の株価や同業PERは用いていない。
確率:人月開発0.70倍、コンサル0.60倍、クラウドID0.80倍はAI代替規則の中立に沿う。顧客が残っても請求工数が減るという、現在の収益構造に最も自然な筋書きとして31%。
やや悲観 25% 間接取引に工数削減が集中し低収益化 利益 4 億円 · PER 9.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 205 円41 億円
金融機関と官公庁はシステムを使い続けるが、元請け大手がAIで標準実装を内製化し、二次請けへの発注量を減らす。契約更新時には人数と単価の両面で見直しが入り、ソルクシーズのソフトウェア開発の請求人月はほぼ半分になる。エクスモーションでも設計レビューや資料作成を顧客が自動化し、コンサルの稼働が低下する。人員の配置転換には時間がかかり、利益率は大きく下がる。
教習所向けでは人口減少に伴う校舎統合が進み、オンライン学科の製品も大手の業務エージェントと接続する部品へ変わる。これまでのように画面や機能を個別に売りにくくなる。Fleekdriveは利用IDの減少で規模の利益を失い、固定の開発費と保守費が赤字を生む。防衛・鉄道の計測案件も続くものの、周辺の組込み開発工数を削減される。
運転資金を守るために買収を抑え、社員と外注先の再編を進める。2026年頃の利益で積んだ配当は残るが、その後の還元は細る。会社は生き残っても、再投資の利回りが資本コストに届かず、蓄えた資本を株主が額面通りには評価できない姿である。
- ソフトウェア開発事業:数量 6,758(年間請求可能な外注を含む技術者人月(実質、推定))× 価格 0.01(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 80 億円・営業利益 2 億円。AIで受託数量ほぼ半減。学校ソフトの有料機能削減と法人クラウドの赤字化が重なる。
- コンサルティング事業:数量 500(年間請求可能なコンサルタント人月(実質、推定))× 価格 0.02(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。外注を含む請求工数、成果課金の実績未確認。
- ソリューション内・教習所向けノイマン(推計):数量 535(有料システムの校舎機能契約換算数(校相当、実質・推計))× 価格 0.02(校舎機能契約換算1単位当たり年額(億円/年、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。教習所の機能契約相当。AIエージェント代替による席・画面需要の変化を反映。
- ソリューション内・Fleekdrive等のクラウド(推計):数量 19,500(年額請求の有料利用ID換算数(ID、実質・推計))× 価格 0.00(ID当たり年間平均売上(億円/ID年、名目))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。席課金のID減少と価格改定の上限を反映。
- ソリューション内・計測制御・防衛・IoT等(推計):数量 22.0(年間計測制御・機器納入案件換算数(件、実質・推計))× 価格 0.39(機器と開発を合わせた1案件平均売上(億円/件、名目))→ 売上 9 億円・営業利益 0 億円。物理計測の継続需要と組込み開発工数の削減を混合。
倍率:2035年ROEは約3.4%とk7.75%を下回るため、将来の成長には価値を付けない。稼ぐ力の上限1/k=12.90倍に対し、子会社の赤字と追加の縮小リスクを認めた9.5倍の期間利益を用い、余剰現金9億円の税後受取利息0.126億円を控除した事業利益に掛けて現金を加える。足元の市場PERは参照しない。
確率:元請けがAIの生産性向上を取り込んだ場合、間接取引6割の立場では値上げを守りにくい。学校業務や法人クラウドも機能を減らすため、構造的な低収益化に25%を配する。
悲観 14% 受託の半分超を失い製品も代替される 利益 −1 億円 · PBR 0.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 178 円36 億円
AIエージェントが顧客企業内で要件整理からコード変更、テスト、保守記録の更新までを一体処理する。元請けは主要な業務知識を自社に囲い込み、ソルクシーズへの受託人月は10年で6割程度消える。金融系システムの運用契約は一部残るものの、単価も物価には追いつかない。コンサルティングでは資料作成と設計改善の相当部分が自動化され、固定の専門人員が重荷になる。
教習所は統廃合が進み、N-LINEやN-PLUSの各機能は外部の統合エージェントに吸収される。Fleekdriveは大手クラウドに契約を奪われ、利用IDが減った状態でも開発とセキュリティの費用を負担し続ける。鉄道・防災の装置案件はゼロにはならないが、開発工程の一部を発注者が内製化する。会社は売上が現在の半分を下回り、営業赤字へ転じる。
グループは追加買収を停止して人員と子会社の再編を行い、無形資産に減損が生じる。金融債務を返しつつ運転資金を解放することで、純現金と売却可能な持ち合い株の一部は守られる。継続企業の危機と決めつけるのではなく、稼ぐ力を失った事業を清算可能資産の近くで評価する10年である。
- ソフトウェア開発事業:数量 5,100(年間請求可能な外注を含む技術者人月(実質、推定))× 価格 0.01(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 55 億円・営業利益 1 億円。開発人月0.40倍、コンサル0.35倍、クラウドID0.40倍。AI代替と元請け集中が同時に進む。
- コンサルティング事業:数量 350(年間請求可能なコンサルタント人月(実質、推定))× 価格 0.02(人月当たり平均売上(億円/人月、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。外注を含む請求工数、成果課金の実績未確認。
- ソリューション内・教習所向けノイマン(推計):数量 400(有料システムの校舎機能契約換算数(校相当、実質・推計))× 価格 0.02(校舎機能契約換算1単位当たり年額(億円/年、名目))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。教習所の機能契約相当。AIエージェント代替による席・画面需要の変化を反映。
- ソリューション内・Fleekdrive等のクラウド(推計):数量 12,000(年額請求の有料利用ID換算数(ID、実質・推計))× 価格 0.00(ID当たり年間平均売上(億円/ID年、名目))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。席課金のID減少と価格改定の上限を反映。
- ソリューション内・計測制御・防衛・IoT等(推計):数量 16.0(年間計測制御・機器納入案件換算数(件、実質・推計))× 価格 0.34(機器と開発を合わせた1案件平均売上(億円/件、名目))→ 売上 5 億円・営業利益 −1 億円。物理計測の継続需要と組込み開発工数の削減を混合。
倍率:営業赤字でPERが使えず、当初の親会社株主自己資本65.8億円に対する売却可能資産の床35.5億円からPBR約0.547を採用する。2035年の自己資本73億円に掛けて価値を水増ししない。純現金31.2億円と上場持ち合い株税後約4.5億円から処分費用を控除した資産価値が根拠。今の株価や過去の谷のPBRは根拠にしない。
確率:AI代替の速度、元請けへの依存、クラウド競争、教習所需要減が同時に悪化する複合事象。現金が残るため倒産確率を過大には見ず、構造的な敗北を14%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ソフトウェア開発事業
金融・証券・公共等の受託開発、関連する保守・機器販売。AIエージェント代替の「人月・工数」型で、ソフトウェア開発量の減少を10年の数量に反映する。
| 数量年間請求可能な外注を含む技術者人月(実質、推定) | 価格人月当たり平均売上(億円/人月、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 12,751 | 0.01 | 128 | 7 |
| 10 年後 中立 | 8,926 | 0.01 | 118 | 6 |
取り方:2025年有報の外部売上127.50989億円、セグメント利益7.44403億円を採用。人月単価100万円は個別契約の実績開示ではなく、元請け・二次請け・保守・機器を含む売上の加重平均として仮定する。これに対応する延べ約12,751人月(約1,063人年)は自社技術者だけでなくパートナーの外注工数を含む推計。国内ITサービス市場約7.57兆円に対する同社の単純な売上シェアは約0.17%。AIエージェント代替の人月型に分類する。
コンサルティング事業
エクスモーション等による車載組込み設計支援、品質管理、プロジェクト改善、CoBrain関連。CoBrain売上は非開示なので人による支援として保守的に扱う。
| 数量年間請求可能なコンサルタント人月(実質、推定) | 価格人月当たり平均売上(億円/人月、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 1,000 | 0.02 | 16 | 2 |
| 10 年後 中立 | 600 | 0.02 | 12 | 1 |
取り方:2025年有報の外部売上15.69703億円とセグメント利益2.04646億円を採用。年間1,000人月(約83人年)を仮定し、平均単価約157万円/人月を売上から推定する。CoBrainの定額契約ID数と製品収入は非開示のため別売上に分離しない。国内ITコンサル市場約5,700億円に対する単純シェア約0.27%。AIエージェント代替の人月型とする。
ソリューション内・教習所向けノイマン(推計)
N-LINE、N-PLUS、オンライン学科・予約・教習所業務。実際の導入校数とソリューション部門内売上の個別開示はない。
| 数量有料システムの校舎機能契約換算数(校相当、実質・推計) | 価格校舎機能契約換算1単位当たり年額(億円/年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 765 | 0.02 | 12 | 1 |
| 10 年後 中立 | 650 | 0.02 | 12 | 1 |
取り方:警察庁の2025年末の指定教習所1,277校に、会社資料の教習所向け主力システム導入シェア約60%を掛けると約766校となるので、765校相当と推定。N-LINEとN-PLUSの個別契約数・売上は非開示。平均160万円/校/年は公開単価ではなく複数機能を含む年額の仮説であり、売上12.24億円もソリューション30.38558億円を経済モデルで分解した推計。利益1.30億円はセグメント利益0.72506億円の内部分解仮説。解約率等の証拠二つがないためAIエージェント代替の席・画面型に分類する。
ソリューション内・Fleekdrive等のクラウド(推計)
法人向けファイル共有・帳票クラウド。料金改定の実績はあるが有料ID数と独立損益は非開示。
| 数量年額請求の有料利用ID換算数(ID、実質・推計) | 価格ID当たり年間平均売上(億円/ID年、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 30,000 | 0.00 | 6 | −1 |
| 10 年後 中立 | 24,000 | 0.00 | 5 | 0 |
取り方:Fleekdrive公開プランの概ね月600~2,000円台/IDなどを手掛かりに、混合単価月約1,667円、年間約2万円を仮置きした。有料ID数3万は会社発表ではなく、総売上からクラウドに6億円を仮分解するための推定。2025年に料金改定と採算改善が開示されているが、独立損益はないので営業損失0.70億円は仮説にすぎない。AIエージェント代替の席・操作画面型とする。
ソリューション内・計測制御・防衛・IoT等(推計)
イー・アイ・ソル等の防災・鉄道・航空宇宙・防衛向け計測設備と組込み制御。物理装置需要が残る一方、付随する開発工数はAI代替の対象。
| 数量年間計測制御・機器納入案件換算数(件、実質・推計) | 価格機器と開発を合わせた1案件平均売上(億円/件、名目) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/12 | 36.0 | 0.34 | 12 | 0 |
| 10 年後 中立 | 30.0 | 0.44 | 13 | 1 |
取り方:2025年ソリューション事業売上30.38558億円から、教習所12.24億円、クラウド6億円を差し引いた12.14558億円を計測制御・その他に割り当てた。36案件、1件約3,374万円という件数・単価は非開示で完全な残差推計である。利益はソリューション全体の0.72506億円に一致するよう三小分野へ仮配賦したもので、実績セグメント利益ではない。計測機器等の現物対応とソフト開発の混合型とし、数量には人月作業縮減の影響を部分的に反映する。
リスクと懸念
AIエージェント代替による人月モデルの縮小
人月型の受託開発とコンサルティングで2025年の売上の約82%を占める。AIエージェントが仕様整理、実装、試験、資料作成をまとめて代替すれば、顧客のIT投資が増えても請求工数は減る。元請けが生産性向上の利益を優先して取り込むため、間接取引の多い同社は価格転嫁でも劣位に立ちやすい。
教習所ソフトの堀を示す証拠不足
導入シェア約6割は有力な顧客接点だが、年5%未満の解約率、法定記録の正本としての位置づけ、年単位の移行負担、反復した値上げ実績のうち複数を数量で確認できない。指定教習所の数そのものも人口減少で縮んでおり、画面の操作をAIが担うと席・機能課金は減る可能性がある。
Fleekdriveの大手プラットフォームとの競争
料金改定の売上への効果は確認できるが、企業のファイル共有市場にはMicrosoft 365、Box、Google Workspaceがある。大手製品はAI検索、操作、自動分類を標準機能に取り込めるため、独立製品としての有料ID数と更新単価が同時に圧迫されうる。会社は独立の解約率・ID数・利益を開示していない。
元請け集中と金融機関の投資停止
富士通向けは売上の約1割で、間接取引が約6割とされる。金融、証券、公共の更新案件が予定より遅れると、社員の稼働率と外注先の調達条件に影響する。需要が消えなくても予算が年度をまたいでずれるため、2018年のような急激な利益率低下が起こりうる。
買収とストック投資の資本効率
エフ社などの子会社取得により技術と顧客を補完してきたが、事業別の増分ROICは開示されていない。ソリューション事業の2025年セグメント利益率は約2.4%にすぎず、クラウド開発やシステム更新に資金を注いでも全社の資本コストを超えるとは限らない。純現金の豊かさは不採算事業を長生きさせる危険も持つ。
純現金と株主還元の持続性
2025年には約17億円の大規模な自社株買いを実施したが、毎年繰り返すと手元現金を急速に減らす。2026年の予想配当性向は28.1%で、固定した総還元目標はない。株主優待も米の調達原価と対象人数が開示されず、還元総額には誤差がある。足元の財務の強さを、そのまま十年の配当保証とみなさない。
今後の分かれ目
- ソフトウェア開発の案件数量・技術者稼働率が縮まず、成果報酬や運用保証による請求が金額付きで増えたら
- AI代替の中立数量を上方修正できる。単なる生成AIの導入発表ではなく、受注残と粗利率に反映した証拠を求め、やや楽観側の確率を引き上げる。
- 2028年に売上220億円・経常利益23億円・純利益15億円の目標を達成し、その内訳のストック粗利が増えていたら
- ソリューション事業の利益率と2035年までの利益の持続性を上方修正する。ただし一時的なSI検収益だけの達成なら長期価値は引き上げない。
- ノイマンの解約率5%未満、長期の切替手続き、法令対応の値上げ実績など堀の証拠が二つ以上開示されたら
- その契約部分に限って記録の正本に近い型へ見直す。教習所シェアだけで製品全体の長期成長率を引き上げることはしない。
- Fleekdriveの有料ID数と更新率が減り、料金改定でも独立採算を維持できなくなったら
- クラウド部門の単価と数量を同時に引き下げ、売上減だけでなく固定開発費が残る損失をやや悲観・悲観に反映する。
- 富士通など元請け経由の受注残が急減し、外注比率と稼働率が悪化したら
- 開発部門の数量を先に減らし、採用・外注調整が遅れる期間は営業利益率も下げる。顧客数の維持だけでは安全と判断しない。
- 配当性向50%以上を継続する方針や追加の自社株買い額を公表し、ROICの低い事業から資金を引き上げたら
- 余剰現金の実際の戻り方と資本効率の改善を確認する。既に株数へ反映された2025年の買い戻しを再加算せず、将来の還元だけを評価する。
見ておくもの
- 2026~2028年の中計:売上180→200→220億円、経常利益16→20→23億円、純利益10→13→15億円への進捗
- ソフトウェア開発の受注残と売上/技術者人員・外注費の推移(2025年末受注残約25.4億円)
- コンサルティングの請求人月とCoBrainの独立売上・有料契約数の開示
- N-LINE・N-PLUSの有料校舎数、課金機能数、解約率、教習所の再編と法制度
- Fleekdriveの有料ID、解約率、料金改定後の独立営業利益
- イー・アイ・ソルの防衛・鉄道等の現物納入案件数と利益率
- 現金・有価証券、金融負債、株式買い戻し、政策保有株の減少
- 営業利益の連結調整額と子会社ごとの利益率、ソリューションへの投下資本利益率
倍率と資本コストの決め方
現在の株価と他社のPER・PBRは、将来収益や倍率を決める段階では使っていない。2025年の報告セグメントの売上を固定の起点とし、技術者の延べ請求月数、教習所、課金ID、計測案件を数量に分け、物価を伴う値上がりは価格だけに入れた。開発とコンサルの中立数量はAIエージェント代替でそれぞれ0.70倍、0.60倍に縮む。製品の開示がない部分は推計であり、実数ではない。長期gは0%とし、株主資本コスト7.75%による利益の正当化倍率の上限を楽観から中立まで使った。悲観側は成長価値を外し、純現金と売却可能資産の床を点検した。2025年の約17億円の買い戻しは既に株数に反映されており、再び現在の資本価値に足していない。株式給付信託保有分の小さな株数差は指定のbasisに合わせた。新リース会計基準の採用後も、将来の利益率は賃料を営業費用に含む従来の経済ベースでそろえる。
資本コスト 7.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。