結論
KYCOMホールディングスは、自治体や企業向けのシステム開発と運用を主力とし、不動産、レンタカー、防災無線も営む福井発の企業である。筆者は、10年後の受託開発の姿には慎重だが、現時点の時価総額に対してはやや割安の余地があると見る。事業そのものが強い堀を持つからではない。純現金に加え、配当を生む上場株式や賃貸不動産を持ち、毎期の利益も少額の配当を除いて蓄えてきたからだ。
同社の売上の約9割は情報処理事業である。2026年3月期は同事業の営業利益が前年より16%減り、賃上げと教育、オフィス拡張が先に利益を圧迫した。日立製作所と日立系の三つの取引先だけで全社売上の約38%を占める。発注元との長年の関係は仕事の入口を守るが、値上げや開発手順を自ら決める強い力とは異なる。AIエージェントが開発・保守・事務作業を短縮すれば、人月を売る部分の数量が減ることを中立の中心に据えた。
一方、2026年3月末の純資産は約53億円で、時価総額約29億円より大きい。ただし帳簿が大きいだけでは価値にならない。賃貸不動産には簿価を下回る開示時価があり、2026年10月を実行予定日とする追加買収も発表された。保有資産を実際に株主のために使えるかと、AI時代に営業利益を守れるかが、割安さを実現できるかどうかを分ける。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主がこの会社を所有するとき、買っているものは急成長するソフトウェア製品ではない。大手発注元の仕事を引き受ける人々、採用・教育の仕組み、現場の運用経験、不動産と保有株式の組み合わせである。顧客が使い続ける基幹システムには寿命が長いものもあるが、そのシステムを動かすためにKYCOMの人数が今と同じだけ必要かは別の問いだ。価格を自在に上げられる証拠がない以上、人月の縮小を前提にしてなお残る利益をオーナー利益の中心に据える。
現状の利益を丸ごと自由に使える現金と考えるのも危うい。採用教育に資金が必要で、事業用オフィスの賃料も固定費となる。太陽光は既存設備の償却が物価とともに上がるわけではないが、雪害・盗難を経験しており、更新投資の価格は上がる。レンタカーも車両入替えには資金が要る。貸借対照表の純現金と所有する不動産があっても、すべてを配当に振り向けられるとは限らない。
それでも、同社には財務資産という安全弁がある。上場株式は実際に売れる可能性があり、賃貸物件はIT開発の失注と同時に価値が消えるわけではない。これを事業利益に高い倍率を掛けてさらに二重に足すことはしない。また、帳簿の純資産が株価を上回るという理由だけでは買わない。AIによる収益減少、資産の売却価格、低い株主還元をそれぞれ検証して、それでも期待値が資本コストを上回るかで判断する。
何で稼ぐ会社か
主力の情報処理事業は、システムの企画、受託開発、保守運用、ヘルプデスク、データ入力、事務の外部委託までを扱う。自治体、金融、電力・ガス、販売管理、生産管理、物流を顧客分野とし、SAP関連やローコード・ノーコード、AIシステム開発にも対応する。2026年3月期は売上約65.8億円、営業利益約4.1億円で、877人の従業員がこの事業に属する。仕事量は技術者や業務担当者が受け持つ案件の人年、単価は外注分を含む年間売上で捉えられる。
相手先は分散しているようで、実は日立システムズ、日立製作所、日立システムズエンジニアリングサービスの三社への依存が大きい。この三社だけで全社売上の38.1%になる。多くの案件では同社が業務の最終責任を握るというより、大手の供給網の一角として設計・開発・運用の仕事を引き受ける。顧客のシステムが長期間使われることと、KYCOM自身の価格決定権が強いことは同じではない。
不動産事業は社員寮兼用マンションの賃貸と、富山・福島の太陽光発電所を営む。売上約2.4億円、営業利益約0.9億円で、施設の耐久性と修繕費が利益を左右する。レンタカーは北陸の三拠点を中心に売上約1.7億円だが、足元は赤字である。無線ソリューションは綿引無線を通じて防災無線の設置・修理・点検を行い、売上約3.5億円、営業利益約0.3億円となった。これらの仕事は主力ITと異なり、実物の施設や現場作業が必要である。
2025年にナレッジファクトリーを買い、2026年10月1日を実行予定日とするユニオン情報企画の買収も公表した。同社は約50人、直近売上約3.4億円で、取得対価は費用込み約2.16億円である。人材と顧客を買う性格が強く、継続受注には役立つが、買収だけで人月商売のAI代替から逃れられるわけではない。
優良さと弱いところ
優良さの源は半世紀を超える顧客との付き合いと、複数地域の開発・運用要員をまとめる能力にある。会社はSAPジャパンの認定パートナー歴20年超、自治体へのシステム導入実績30超を掲げる。公共や基幹システムの運用では変更手続き、試験、障害対応への習熟が仕事の継続を支える。しかし、解約率5%未満、規制で指定された共同基盤、価格改定実績など、会社が独占できる収益源を示す二つ以上の証拠は確認できない。
情報処理事業の営業利益率は2026年3月期に約6.2%へ下がった。人材の賃金や研修費が上昇しても、顧客に即座に転嫁できない構造が表れた。過去には受託業務を増やしながら営業利益を改善できたが、これからの増分投資はAIの利用で減少する工数と競争しなければならない。営業に人を一人増やしても、その人の給与と教育費を超える持続的な利益が残るかは、以前より読みにくい。
純資産約53億円、純現金約2.6億円、約10.6億円の純投資株式は財務上の緩衝材だ。のれんは約0.3億円と小さく、大きな架空資産で純資産が膨らんでいるわけではない。一方、投資株式の評価益は相場で揺れ、賃貸等不動産の開示時価は帳簿より約4.6億円低い。財務の厚さを長期の堀や売れる資産の価値と同一視しない。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内ITサービス市場は2025年に約7.5兆円という規模があり、企業の基幹システム刷新、自治体のデジタル化、運用の高度化で発注需要は残る。KYCOMの情報処理売上はこの市場の約0.09%に過ぎず、全国シェアを大きく上げるという予測に根拠は乏しい。日立グループの調達網では日立自身が発注と設計の主導権を持ち、TIS、DTS、CIJなどの独立系受託企業や多数の地域企業とも要員・単価で競争する。個社の直接競合シェアは開示されていない。
これからは市場全体の名目成長と、一人の技術者が売れる人月が増えるかを分けなければならない。企業のIT予算が増えても、コード生成、テスト、保守、データ入力をAIエージェントが代行するなら受託側の請求時間は減る。大手元請けは効率化の果実を自ら取り、下請けの単価と投入人数を引き下げられる。足元で会社が取り組むAI開発は確かだが、金額を伴う自社AI製品の継続収益は確認できず、新しい需要が旧来の減収をすべて埋めるとは見ない。
不動産と太陽光は土地・建物・発電設備で稼ぐ領域であり、国内の賃貸住宅・再エネ市場に対する同社のシェアは極めて小さい。レンタカー市場ではトヨタレンタカー、ニッポンレンタカー、タイムズカーなどに比べ三拠点の規模が小さく、全国車両約117万台に対する厳密なシェアは保有台数の非開示で算出できない。防災無線はNECやJVCケンウッドなどの機器供給者や地域施工会社と競うが、綿引無線の受注案件数と統一市場統計がないため、シェアの数字は断定できない。老朽設備の更新需要はあるものの、入札の競争が続く。
資本政策と M&A
経営は長らく利益の多くを社内に残してきた。2023年3月期に配当を始め、2025年3月期には増配したが、2026年3月期の年間配当総額は約0.51億円で純利益の約1割にとどまる。直近の中期計画は売上高経常利益率6%、ROE15%を目標としている。売上高・営業利益の到達金額、配当性向、DOE、総還元性向、自社株買い額について数字の約束は確認できない。
株式投資も資本配分の一つである。連結子会社が純投資目的の上場株式約10.6億円を保有し、税前約0.25億円の配当を受けている。利益の留保を正当化するには、買収や物件取得が資本コストを超える利回りを生むか、使い切れない資金を株主に戻す必要がある。賃貸等不動産の期末時価は約13.9億円で簿価を下回り、金額の大きな資産を持てば自動的に株主価値が増えるわけではない。
買収は2015年のGISコンサルティング、2023年の綿引無線、2025年のナレッジファクトリー、2026年に発表したユニオン情報企画と続く。直近の取得額約2.16億円は被取得会社の直近営業利益がほぼゼロであることから、将来の技術者確保と収益改善が前提になる。2026年10月にはグループCEOの逝去が公表された。後継体制と大株主の持分、投資と還元の優先順位を注視したい。自社株買いによる明確な株数削減実績を確認できないため、留保資金の株主への戻り方は控えめに評価する。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
長い顧客関係は、人月単価だけでは測れない価値を持つ。自治体や日立系企業の基幹システムを開発・運用してきた経験は、システムの更新時に障害を防ぐ知識として残る。SAP関連、クラウド、AIシステムの需要を取り込み、従業員をより上流の設計や安全性の検証へ振り向けられれば、AIが作業を短縮しても請負案件を維持できる。2026年のユニオン情報企画の取得により、新たに首都圏と長野で開発人材と顧客を得たことも仕事の幅を広げる。
主力の成長率だけを見ると、資産の厚みを見落とす。2026年3月期の純資産は約53億円で、現金のほか純投資目的の上場株式と賃貸不動産を有する。開示されている有価証券の含み益は大きい。これらの資産を換金したり、さらに収益を生む用途に振り向けたりできれば、受託業務の利益減を補う手段がある。不動産や無線設備の現場事業もAIだけでは代替されず、物価が上がる10年では一定の名目売上を守れる。
何より、同社には一時的な減収を受け止める財務体力がある。経営が増配や適正価格での自己株取得に踏み出せば、株主が資産の価値を享受する道が開ける。今の時価総額は、既存の資産を十分に織り込んでいるとは言い切れない。
慎重な見方
売上のほとんどは、技術者と業務担当者の作業時間を請求する仕事である。AIエージェントはコード生成だけでなく、テスト、監視、データ入力、文書作成を一続きで担う。KYCOMが仕事を効率化しても発注元の日立系企業が価格改定を求めれば、作業時間の減少はそのまま請求できる数量の減少となる。3社で売上の約38%を占める相手への交渉力は限られ、上流の設計や知的財産だけで失う人月を補う証拠はまだない。
直近の情報処理事業では、人材教育と待遇改善の費用増で営業利益が減った。賃金が上がる局面でAIに価格決定権を握られれば、売上より営業利益が先に細る。新たに取得予定のユニオン情報企画も直近の営業利益はほぼゼロである。人員獲得を目的とする買収が、10年後に低収益の会社を抱え込む結果になる恐れがある。
財務資産も額面どおりには受け取れない。賃貸等不動産の自己開示時価は既に簿価を約4.6億円下回る。保有株式は相場で減価し、投資収益を事業利益に二重計上してはならない。配当は利益の約1割で、経営が資産の売却や還元を急ぐ証拠は薄い。上位10株主の持分が約65%に達するなか、少数株主は資金の使途を決められない。
どちらに重みを置いたか
結論は資産面を評価しつつ、事業の長期見通しでは慎重な側に重みを置く。中立の情報処理数量は今より3割以上減り、長期成長率も名目ゼロとした。AIを理由に資本コストや寿命まで重複して引き上げない。一方、下振れ側42%はAIだけでなく、日立系への顧客集中と新たな買収、経営継承後の還元姿勢の不透明さによる。投資判断の要は、保有資産の価値を少数株主が実際に受け取れるかどうかである。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,261 円64 億円(+ 還元の換算額還元の合計 90 円5 億円)。 今の値に割り戻すと 674 円34 億円、今との差 +14.7%、 期待の年率 +9.1%(資本コスト 7.5%)→ やや割安
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 10% | 2,162 円110 億円 | 177 円9 億円 | +297.8% | +15.7% | 234 円12 億円 |
| やや楽観 | 18% | 1,859 円94 億円 | 128 円7 億円 | +237.9% | +13.6% | 358 円18 億円 |
| 中立 | 30% | 1,396 円71 億円 | 98 円5 億円 | +154.1% | +10.2% | 448 円23 億円 |
| やや悲観 | 26% | 882 円45 億円 | 61 円3 億円 | +60.3% | +5.0% | 245 円12 億円 |
| 悲観 | 16% | 388 円20 億円 | 24 円1 億円 | −30.1% | −3.6% | 66 円3 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,261 円64 億円 | 90 円5 億円 | +129.7% | +9.1% | 1,351 円69 億円 |
今の株価時価総額 588 円30 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 10% 基幹系の仕事を守り財務資産も生かす 利益 7 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,162 円110 億円
自治体・日立系の基幹システムで、移行試験、運用上の事故防止、業務設計の仕事が残る。AIが定型のコード作成やデータ処理を代行しても、KYCOMは上流の調整と責任分界の設計に要員を振り向ける。ユニオン情報企画の人材を取り込み、SAPとクラウドの案件を維持して価格転嫁も進める。もっとも、AIを売り物にした独自製品の継続売上は金額で確認できていないため、社員相当の請求数量そのものは今を超えない。
太陽光の設備修繕とマンションの稼働率が改善し、北陸のレンタカーも観光客を取り込んで黒字に戻る。綿引無線は防災設備の更新・保守で実働要員を増やす。買収は小規模で既存案件と相乗効果のあるものに限り、簿価を超える不動産投資を控え、保有株式の一部売却や配当増額を進める。利益は緩やかに回復するが、10年先のIT受託を永続的な高成長事業とみなすことはない。
- 情報処理事業(受託開発・運用・BPO):数量 845(年間作業能力の代理となる情報処理事業の就業人員(人年))× 価格 0.10(就業人員1人年当たり連結売上(億円/人年、外注・機器・事務委託売上を含む代理単価))→ 売上 85 億円・営業利益 6 億円。実質数量0.963倍、単価1.340倍。AIの自社製品売上未開示のため数量は横ばい以下。
- 不動産賃貸・太陽光発電:数量 12.0(賃貸不動産と太陽光発電所の稼働拠点数(拠点))× 価格 0.33(1稼働拠点当たりの年間賃貸・売電売上(億円/拠点))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。賃貸拠点と発電所の稼働施設数×賃料・売電の合成単価。FITと修繕費を考慮。
- 北陸レンタカー:数量 4.0(レンタカーの営業拠点数(店舗))× 価格 0.75(1店舗当たり年間貸渡売上(億円/店舗))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。北陸の店舗数×店舗当たりの貸渡売上。カーシェアとの競争と車両更新費を反映。
- 無線ソリューション事業:数量 22.0(現場施工・保守に従事する従業員の年間人員(人年))× 価格 0.28(従業員1人年当たり機材・工事・保守の年間売上(億円/人年))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。綿引無線の現場人員×機器・点検保守込みの人員当たり売上。物理施工は残る。
倍率:資本コストk=7.5%、moat=weak(強い独自製品や記録の正本の独占なし)。AIエージェント代替を主力の数量とg_long=0%に入れ、10年より先のgも0%。ROEは6.6%でk以下のため、正当化PERの上限1÷k=13.33倍を手で割り引かずそのまま採用。保有株式の配当を資産評価と二重計上しないようholdingsで補正し、10年間で積もる現金の株主への戻り方は0.75とする。
確率:人月型であっても旧来のシステム移行や安全性の検証は残るため、主力の稼働人員を大幅には減らさずに済むケース。ただし自社AI製品の売上金額が未開示である以上、楽観でも人月数量を現在以下に制限する。
やや楽観 18% 需要を保ちつつAIによる工数削減を吸収 利益 5 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,859 円94 億円
日立系が基幹システムの更新を続け、自治体・公益企業の移行プロジェクトも途切れない。AIエージェントがプログラム修正や試験の一部を実行するため、人月需要は減る。それでも同社はSAP関連と旧システムの知識を使い、上流設計・運用の比較的難しい部分に軸足を移す。2026年のユニオン情報企画買収によって地域の人材を融通でき、外部委託を一部内製化する。
賃貸不動産と太陽光発電は修繕を重ねつつ稼働を維持し、防災無線も一定の更新案件を得る。レンタカーは競争で薄利だが赤字から抜け出す。配当は徐々に増やすものの、会社が重視する内部留保は厚いままである。主力の技術者数を横ばいで維持するほどの独占力はなく、名目売上がやや増えても利益の伸びは緩やかになる。
- 情報処理事業(受託開発・運用・BPO):数量 720(年間作業能力の代理となる情報処理事業の就業人員(人年))× 価格 0.10(就業人員1人年当たり連結売上(億円/人年、外注・機器・事務委託売上を含む代理単価))→ 売上 71 億円・営業利益 5 億円。実質数量0.821倍、単価1.305倍。
- 不動産賃貸・太陽光発電:数量 11.0(賃貸不動産と太陽光発電所の稼働拠点数(拠点))× 価格 0.32(1稼働拠点当たりの年間賃貸・売電売上(億円/拠点))→ 売上 4 億円・営業利益 1 億円。賃貸拠点と発電所の稼働施設数×賃料・売電の合成単価。FITと修繕費を考慮。
- 北陸レンタカー:数量 3.0(レンタカーの営業拠点数(店舗))× 価格 0.74(1店舗当たり年間貸渡売上(億円/店舗))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。北陸の店舗数×店舗当たりの貸渡売上。カーシェアとの競争と車両更新費を反映。
- 無線ソリューション事業:数量 18.0(現場施工・保守に従事する従業員の年間人員(人年))× 価格 0.26(従業員1人年当たり機材・工事・保守の年間売上(億円/人年))→ 売上 5 億円・営業利益 0 億円。綿引無線の現場人員×機器・点検保守込みの人員当たり売上。物理施工は残る。
倍率:資本コストk=7.5%、moat=weak(強い独自製品や記録の正本の独占なし)。AIエージェント代替を主力の数量とg_long=0%に入れ、10年より先のgも0%。ROEは5.4%でk以下のため、正当化PERの上限1÷k=13.33倍を手で割り引かずそのまま採用。保有株式の配当を資産評価と二重計上しないようholdingsで補正し、10年間で積もる現金の株主への戻り方は0.75とする。
確率:SAP・自治体向けに業務知識が残り、受託人員の減少を緩やかに抑えるが、元請け側からの単価圧力を避けきれない。
中立 30% 人月は縮小するが資産と物的事業が残る 利益 3 億円 · PER 13.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,396 円71 億円
企業のIT投資額自体は拡大し、日立系の基幹システムや公共分野の運用はなくならない。しかし、開発・試験・保守・データ入力の多くがAIエージェントで自動化され、人が請求できる作業時間が減る。KYCOMは残る難しい案件に人員を移すが、独自データや法定の共同基盤を持つ会社ほどの値決め力はない。受託人数は2026年比で約3割縮み、単価上昇は物価上昇を少し下回る。
マンションと太陽光は設備を維持して名目収入を増やす。既存設備の償却費は古い取得価格のままだが、更新工事は値上がりし、現金の自由度を抑える。レンタカーは拠点を維持する一方、カーシェア競争で利益を出しにくい。無線施工は防災設備の更新需要があるが、入札単価を上げにくい。売上成長よりも保有資産と、株主に実際に戻る余剰資金のほうが価値を左右する。
- 情報処理事業(受託開発・運用・BPO):数量 600(年間作業能力の代理となる情報処理事業の就業人員(人年))× 価格 0.10(就業人員1人年当たり連結売上(億円/人年、外注・機器・事務委託売上を含む代理単価))→ 売上 57 億円・営業利益 3 億円。実質数量0.684倍、単価1.265倍。AIエージェント代替の中立。
- 不動産賃貸・太陽光発電:数量 10.0(賃貸不動産と太陽光発電所の稼働拠点数(拠点))× 価格 0.32(1稼働拠点当たりの年間賃貸・売電売上(億円/拠点))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。賃貸拠点と発電所の稼働施設数×賃料・売電の合成単価。FITと修繕費を考慮。
- 北陸レンタカー:数量 3.0(レンタカーの営業拠点数(店舗))× 価格 0.68(1店舗当たり年間貸渡売上(億円/店舗))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。北陸の店舗数×店舗当たりの貸渡売上。カーシェアとの競争と車両更新費を反映。
- 無線ソリューション事業:数量 15.0(現場施工・保守に従事する従業員の年間人員(人年))× 価格 0.29(従業員1人年当たり機材・工事・保守の年間売上(億円/人年))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。綿引無線の現場人員×機器・点検保守込みの人員当たり売上。物理施工は残る。
倍率:資本コストk=7.5%、moat=weak(強い独自製品や記録の正本の独占なし)。AIエージェント代替を主力の数量とg_long=0%に入れ、10年より先のgも0%。ROEは3.9%でk以下のため、正当化PERの上限1÷k=13.33倍を手で割り引かずそのまま採用。保有株式の配当を資産評価と二重計上しないようholdingsで補正し、10年間で積もる現金の株主への戻り方は0.75とする。
確率:情報処理部門の中立数量を2026年比0.684倍、単価を物価相当より低い1.265倍とする。大手への依存と自社基盤の弱さを受け止めた中心ケース。
やや悲観 26% 大手発注先の内製化と価格引下げが進む 利益 2 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 882 円45 億円
日立グループが自社内でAI開発基盤を広げ、協力会社への委託を減らす。KYCOMは保守や一部の公共案件を維持するものの、必要な人月が大きく減り、単価交渉でも譲歩する。2026年の人材買収は当面の外注費削減には役立つが、顧客が求める人数そのものが減ると重荷になる。固定給と研修費を削りきれず、情報処理の利益率は低下する。
レンタカーは店舗を維持しても競合の値引きで再び赤字となる。太陽光発電は一部設備の劣化で修繕費が増え、賃貸事業の収入増を相殺する。防災無線には仕事が残るが、地方自治体の予算抑制で入札が厳しくなる。経営は配当を減らし、余剰資金の一部を採用やリストラに回す。最終的に事業利益の価値よりも、現金と売却できる資産が株価を支える局面となる。
- 情報処理事業(受託開発・運用・BPO):数量 520(年間作業能力の代理となる情報処理事業の就業人員(人年))× 価格 0.09(就業人員1人年当たり連結売上(億円/人年、外注・機器・事務委託売上を含む代理単価))→ 売上 47 億円・営業利益 1 億円。実質数量0.593倍、単価1.199倍。
- 不動産賃貸・太陽光発電:数量 9.0(賃貸不動産と太陽光発電所の稼働拠点数(拠点))× 価格 0.29(1稼働拠点当たりの年間賃貸・売電売上(億円/拠点))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。賃貸拠点と発電所の稼働施設数×賃料・売電の合成単価。FITと修繕費を考慮。
- 北陸レンタカー:数量 3.0(レンタカーの営業拠点数(店舗))× 価格 0.57(1店舗当たり年間貸渡売上(億円/店舗))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。北陸の店舗数×店舗当たりの貸渡売上。カーシェアとの競争と車両更新費を反映。
- 無線ソリューション事業:数量 13.0(現場施工・保守に従事する従業員の年間人員(人年))× 価格 0.26(従業員1人年当たり機材・工事・保守の年間売上(億円/人年))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。綿引無線の現場人員×機器・点検保守込みの人員当たり売上。物理施工は残る。
倍率:日立系受託の弱体化によってROEは約2.1%まで低下。2026年3月末の自己資本53.2億円にPBR0.55倍を適用し、29.26億円。10年後の留保資本80.8億円にはこの倍率を掛けず、収益力と株式等の回収可能価値の間に収める。市場の過去PBRは参照しない。
確率:下に寄せる理由:売上の38.1%を占める日立系三社への集中、収益がほぼゼロの追加買収、2026年10月の経営継承と低還元の不確実性を重視する。AIの数量縮小とg=0は別の箇所で既に織り込んでおり、同じ技術リスクを確率で二重には引いていない。発注元の自動化投資によって案件の再委託が減り、同時に新技術の採用教育・低稼働要員の費用が残る。財務資産は下支えだが利益が薄い。
悲観 16% 受託工数の半減と資産圧縮が同時に来る 利益 −1 億円 · PBR 0.4 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 388 円20 億円
大手顧客がAIエージェントを開発工程から運用・顧客応対まで本格導入し、外部の開発・データ処理業務を大きく縮小する。日立系三社の発注が一斉に細り、KYCOMに残る案件は難易度の割に単価を上げられない。早期に人員整理ができず、主力事業は営業赤字に転じる。買収した人材の一部は活用されず、のれんや固定設備の減損も生じる。
レンタカーは競争で店舗を減らし、防災無線では公共投資の停滞により施工量が減る。太陽光発電所も修繕と機器更新費で余力が低下し、投資有価証券には相場の下落が重なる。経営は株主還元を大幅に抑制する。会社が清算すると決めつけず、純現金・上場株式の税後価値・賃貸不動産の換金可能額から清算摩擦を控除した床だけを残す。収益低下は早期に始まるが、過去の利益の蓄積と小さい配当のため自己資本は約73億円残る。ただし、かつての高利益率が戻るとは考えず、資本の額面を事業の値付けには使わない。
- 情報処理事業(受託開発・運用・BPO):数量 400(年間作業能力の代理となる情報処理事業の就業人員(人年))× 価格 0.08(就業人員1人年当たり連結売上(億円/人年、外注・機器・事務委託売上を含む代理単価))→ 売上 32 億円・営業利益 −1 億円。実質数量0.456倍、単価1.066倍で売上はほぼ半分。
- 不動産賃貸・太陽光発電:数量 8.0(賃貸不動産と太陽光発電所の稼働拠点数(拠点))× 価格 0.26(1稼働拠点当たりの年間賃貸・売電売上(億円/拠点))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。賃貸拠点と発電所の稼働施設数×賃料・売電の合成単価。FITと修繕費を考慮。
- 北陸レンタカー:数量 2.0(レンタカーの営業拠点数(店舗))× 価格 0.54(1店舗当たり年間貸渡売上(億円/店舗))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。北陸の店舗数×店舗当たりの貸渡売上。カーシェアとの競争と車両更新費を反映。
- 無線ソリューション事業:数量 11.0(現場施工・保守に従事する従業員の年間人員(人年))× 価格 0.25(従業員1人年当たり機材・工事・保守の年間売上(億円/人年))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。綿引無線の現場人員×機器・点検保守込みの人員当たり売上。物理施工は残る。
倍率:情報処理が赤字化するため稼ぐ力の永続倍率は用いず、2026年3月末の自己資本53.2億円に資産処分価値に対応するPBR0.37倍を適用する。19.684億円は換金可能資産の床18.6億円を上回る。将来の自己資本73億円に倍率を掛けず、過去の市場PBRも参照しない。
確率:下に寄せる理由:売上の38.1%を占める日立系三社への集中、収益がほぼゼロの追加買収、2026年10月の経営継承と低還元の不確実性を重視する。AIの数量縮小とg=0は別の箇所で既に織り込んでおり、同じ技術リスクを確率で二重には引いていない。主力の人月数量は現在の0.46倍に落ち、売上はおおむね半減する。利益の床ではなく換金可能な資産から最低価値を測る。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
情報処理事業(受託開発・運用・BPO)
主に日立系や自治体向けソフトウエア受託開発、運用支援、ERP、ヘルプデスク、データ入力。AIエージェント代替の「人月・工数で売る」型。独占的な記録の正本とみなせる証拠は不足。
| 数量年間作業能力の代理となる情報処理事業の就業人員(人年) | 価格就業人員1人年当たり連結売上(億円/人年、外注・機器・事務委託売上を含む代理単価) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 877 | 0.08 | 66 | 4 |
| 10 年後 中立 | 600 | 0.10 | 57 | 3 |
取り方:有報の情報処理事業売上65.838億円、同事業従業員877人に基づく。65.838÷877=0.07507億円、年間約751万円/人年。外注工数や商品の売上が混在するため厳密な請求人月単価ではない。市場7.5兆円に対する売上シェアは約0.088%で、同社独自の直接販売シェアは非開示。AIエージェント代替の人月型と判定し、2036年中立の実質人数600人=0.684倍、価格0.095億円=1.265倍とする。2026年10月買収予定の50名が加わる一方、既存受託工数の構造的縮小を見込む。
不動産賃貸・太陽光発電
社員寮兼用マンションの賃料と富山・福島の太陽光売電を稼ぐ物的事業。AIの工数代替は直接当たらず、固定価格買取の制約と修繕が効く。
| 数量賃貸不動産と太陽光発電所の稼働拠点数(拠点) | 価格1稼働拠点当たりの年間賃貸・売電売上(億円/拠点) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 10.0 | 0.24 | 2 | 1 |
| 10 年後 中立 | 10.0 | 0.32 | 3 | 1 |
取り方:有報の主要な設備で賃貸不動産8拠点と太陽光発電所2拠点の計10拠点を数えた概数で、建物の戸数や発電量は非開示。セグメント売上2.44378億円÷10=1拠点当たり0.244378億円。土地・社員寮と売電の異質なものを足す便宜的な単価。価格は賃料が物価に沿って上がるが、固定買取の売電単価は据え置かれるため10年中立は1.30倍にとどめる。賃貸等不動産の2026年3月期簿価18.50億円、自己開示時価13.89億円は営業利益とは別に悲観の床でのみ参照し、二重加算しない。全社の2026年3月期減価償却費は約1.63億円。2036年中立の全社償却費は設備・車両の更新投資を含め約1.8億円と推定し、既存建物の古い取得原価の償却を物価1.34倍で膨らませない。
北陸レンタカー
北陸エリア・レンタカーの金沢本店など3店舗。レンタル車両の管理と対面受渡しを伴う物的サービスであり、競争はカーシェア・大手チェーン。
| 数量レンタカーの営業拠点数(店舗) | 価格1店舗当たり年間貸渡売上(億円/店舗) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 3.0 | 0.58 | 2 | 0 |
| 10 年後 中立 | 3.0 | 0.68 | 2 | 0 |
取り方:有報の主要設備は金沢の本店ほか2店舗=3店。2026年3月期の売上1.72861億円÷3=0.57620億円/店。保有車両台数・延べ貸渡日数・1日単価は未開示のため店舗を供給量の代理とする。全国レンタカー車両約116.9万台(2025年)に対する正確なシェアは算出不能。2026年は新幹線延伸効果一巡、カーシェア競合で営業赤字。
無線ソリューション事業
綿引無線による防災無線設備の設置、点検、修理と通信ソリューション。物理的な現場工事・保守が必要な型で、AI代替は設計書・事務の一部だけに当たる。
| 数量現場施工・保守に従事する従業員の年間人員(人年) | 価格従業員1人年当たり機材・工事・保守の年間売上(億円/人年) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 15.0 | 0.23 | 4 | 0 |
| 10 年後 中立 | 15.0 | 0.29 | 4 | 0 |
取り方:2026年3月期有報の無線ソリューション従業員15人、売上3.51793億円より1人当たり0.234529億円。設備や外注費を含むため労働単価そのものではない。公共防災無線は工事件数・工事単価と競合シェアの統計がないので、人員×付帯機器込み売上を代理とする。現場施工はAIエージェントの直接代替の対象外とし、行政設備更新と入札競争を数量・価格に反映する。
リスクと懸念
AIエージェント代替で受託の請求人月が減る
情報処理事業は約9割の売上を占め、ソフト開発、ヘルプデスク、保守、データ入力を人の作業能力で供給する。AIが開発・テスト・記録・照会を直接実行すると、発注側の必要工数が減る。顧客のIT予算が伸びてもKYCOMの請求人数が減るため、中立の数量を10年で約0.68倍とし、2036年より先の名目成長率も0%とした。
日立系顧客三社への集中
2026年3月期の上位三社、日立システムズ・日立製作所・日立システムズエンジニアリングサービスへの売上は全社の38.1%に達する。大口企業がAIによる原価削減を一次請負・再委託先に求めたり、開発を内製化したりすれば、同社は数量と単価の両方を失いやすい。
不動産の簿価と時価の逆転、太陽光設備の更新
賃貸等不動産は簿価約18.5億円に対して開示時価約13.9億円であり、貸借対照表の数字をそのまま換金可能額と見ない。太陽光発電所は過去に盗難と雪害があり、当期の保険金収入は継続収益ではない。物価上昇局面で屋根、パネル、車両を更新すると再調達支出が増える。
持ち合いではない上場株式の価格変動と資本配分
純投資目的の上場株式約10.6億円は時価総額に対して大きい。約6.8億円の評価益は市況次第で減少し、税金を差し引くと額面すべてが株主に戻るわけではない。利益の大部分を社内に残す方針が続くと、株主は資産価値を受け取るまで長期間待つ。
人材買収と経営継承の不確実性
2026年10月取得予定のユニオン情報企画は売上約3.4億円、営業利益ほぼゼロに対し、取得関連費用を含め約2.16億円を支払う。IT人材確保には役立つが、顧客の案件減少や賃金上昇で買収の利回りは下がりうる。2026年10月にはグループCEOの逝去も公表され、後継体制の資本配分を継続的に確かめる必要がある。
顧客内製化・競争入札・レンタカーの固定費
競合するTIS、DTS、CIJなどに案件が流れれば、規模が小さいKYCOMは人材を抱えたまま稼働率が低下する。無線工事は入札の価格競争があり、レンタカーはカーシェアと大手系列に対抗するため車両・営業所の固定費が残る。新リース会計基準適用後にはオフィス賃料の約束が負債として見えやすくなる。
今後の分かれ目
- 日立関連三社向け売上比率が38%台からさらに上がり、単価改定で営業利益率も下がれば
- 元請け依存による値決め力の喪失を確認したとして、情報処理数量と利益率を悲観側へ引き下げる。
- 受託案件の請求人月が減る一方、AI利用による成果報酬・自社サービスの売上額が継続開示されれば
- 減少人月を補う新しい売り物の実証とし、主力の数量・単価と長期成長率0%を上方修正する余地が生まれる。
- 連結で保有する上場株式の売却や大規模な増配・自社株買いが実行されれば
- 実際に少数株主へ戻る資金が増えるため、余剰現金の戻り方0.75を1.0に引き上げ、本質価値を見直す。
- 新規買収後の情報処理事業利益率が5%を下回り、採用数だけが増える状態が続けば
- 買収による人数増加を価値とみなさず、低収益人員の整理費用と固定費負担をやや悲観に織り込む。
- 賃貸物件の売却価額が開示時価を下回る、または太陽光で再び大規模な設備損傷が起きれば
- 悲観の回収可能資産の床を下げ、設備更新・保険金を除く恒常利益の前提も下げる。
- 2027年以降、日立系受注が維持され情報処理営業利益率が7%超へ回復し続ければ
- コスト転嫁と案件付加価値の改善を確認して、やや楽観側の確率を増やす。ただしAIエージェント代替による人月減少は独立に点検する。
見ておくもの
- 日立システムズ・日立製作所・日立システムズエンジニアリングサービスへの売上合計と比率
- 情報処理事業の就業人数、売上/人年、営業利益率、外注比率と請求人月
- ERP・AI関連の実際の継続受注額と成果報酬型契約の有無
- ユニオン情報企画取得後ののれん、利益、採用・離職と案件統合
- 投資有価証券の時価・評価損益と売却実績、年間の配当・自己株買い
- 賃貸等不動産の簿価・期末時価、太陽光の修繕費と更新投資
- 中期計画のROE15%達成状況と後継経営陣の資本配分
倍率と資本コストの決め方
現在株価や同業のPERを使わず、四つの報告セグメントを実質の人年・拠点・店舗数と単価から組み立てた。情報処理はAIエージェント代替の人月型とし、中立数量0.684倍、単価1.265倍、g_long0%。資本コストkは循環−0.5%、価格決定力+0.5%を基本7.5%に加え7.5%。長期成長率0%の正当化PER上限1÷k=13.33倍を楽観から中立まで用いる。2026年3月期のセグメント売上合計には内部取引約1.28億円が含まれ、連結営業利益5.98億円との差は調整+0.85億円であり、将来も調整を区分した。上場株式の配当と換金価値、賃貸利益と物件の換金価値を二重に足さない。悲観のPBRは今の自己資本53.2億円を基準とし、将来に積んだ資本へ掛けない。新リース基準への移行後も家賃を費用化した同じ利益概念で比較する。
資本コスト 7.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク3%と株式リスクプレミアム4.5%に事業の質の調整0%を加え、個別の買収・ガバナンス不確実性は筋書きに反映する。