結論
クレオは、企業の人事給与ソフト「ZeeM」と、受託開発、システム運用、ヘルプデスクを組み合わせて稼ぐITサービス会社である。筆者の結論は「やや割高」だ。財務が厚く、配当も着実だが、働いた時間やソフトを操作する人数に売上が結びつく事業が多い。AIエージェントが作業を代行する時代には、今の利益が10年後も同じ形で続くと考えにくい。
ZeeMシリーズには累計2,000社超の導入実績があり、複雑な給与制度や行政への電子申請を支える。顧客の業務に入り込んだ製品であることは確かだ。しかし累計導入数は現在の有料契約数ではなく、低解約率や法改正のたびの値上げ実績も公表されていない。画面を操作する人が減った後も同じ売上を保てると判断するには、証拠が足りない。
もっと直接的な警告も出ている。サポート事業では顧客の内製化が起こり、LINEヤフー向け運用でも高収益案件が減った。会社は生成AIの変化を理由に労働集約型の買収を一部取りやめ、2027年3月期の見通しも当初中計を大きく下回る。成長投資の選別には好感が持てるが、売上拡大の約束をそのまま先へ延ばせない。
純現金は約61億円あり、配当と自社株買いによって少数株主にも利益が戻っている。これが価値の下支えになる。とはいえ現金を全額事業外資産とは扱えない。運転資金を残した余剰部分と、縮む業務量、必要な製品更新投資を合わせて見ると、確率加重した現在価値は時価総額約96億円をおよそ25%下回る。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主がまず問うのは、10年後も顧客が同じ仕事にお金を払い続けるかである。給与計算と税・社会保険の法対応は消えない。企業の過去の給与情報や複雑な賃金制度を安全に処理する基盤には、確かに粘り強い需要がある。ZeeMの実績とアマノの勤怠管理との結びつきは、同社の中で最も理解しやすい収益源だ。
しかし、顧客が必要とする業務が残ることと、今の受注単価や契約人数が残ることは別である。AIエージェントが給与計算の操作、プログラム改修、監視、電話応答を代行すれば、顧客は結果にだけお金を払おうとする。クレオが成果課金や独自データへ移れたことを示す具体的な売上開示はまだ乏しい。堀はソフトの周囲にあるが、会社の大半を守るほど広くはない。
オーナー利益を見るなら、会計上の純利益から製品更新のために不可欠な投資を意識する必要がある。既存ソフトの償却だけを見て余剰資金を過大評価してはいけない。コードの更新と人材育成は続く。一方、現金が潤沢で、経営陣がAI時代に人を買うM&Aを撤回し、配当・自社株買いへ振り替えた事実は株主にとって良い兆候だ。
最終判断を分けるのは安全域である。積み上げた現金は魅力的だが、売上の約6割は受託開発、運用、支援という労務依存の仕事だ。ZeeMが十分な値決め力を証明するまでは、この部分の高い利益を何十年も続くものとして買わない。値段が下がるか、AIによって削られない契約収入が確認できるまで、判断を保留する方が長期株主には合理的である。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの柱は四つある。第一のソリューションサービスは売上約53億円で、人事給与・会計の「ZeeM」、給与クラウド、ITサービス管理の「SmartStage」、購買統制の「トラミル」などを提供する。ZeeMは大企業や学校法人の複数賃金体系、年末調整、e-Gov・e-Tax・eLTAXとの連携を支え、保守・利用料と導入開発を受け取る。2026年3月期はストック型の利用料が伸び、この部門が全社の利益を押し上げた。
第二の受託開発は約28億円。富士通グループやアマノ向けに、顧客の仕様に沿ってシステムを作る。高度な業務知識が必要な案件もあるが、基本的には開発人員と工数に依存する。第三のシステム運用・サービスは約22億円。子会社ココトがLINEヤフーグループなどの開発、保守、運用監視を請け負う。障害対応と現場の信用が役立つ一方、主要顧客の方針一つで案件が変わる。
第四のサポートサービスは約43億円で、ブライエのヘルプデスク、テクニカルサポート、アダムスコミュニケーションの市場調査・コールセンターが中心となる。問い合わせの件数、対応人員、調査の作業量に売上が結びつくため、AIエージェントによる代替を最も受けやすい。2026年3月期には主要顧客の内製化と大型案件の終了で減収減益になった。
利益の見え方にも注意が要る。製品と受託開発のセグメント利益には一部の本社費が配賦されていない。四部門の利益を単純合算すると全社利益を大幅に上回る。全社費用は約10億円あり、これを負担した後の営業利益は約12億円である。ソフト更新投資と共通管理費を無視してZeeMの高い部門利益率だけを企業全体へ広げることはできない。
優良さと弱いところ
同社で最も残りそうな強みは、人事給与の複雑さを理解してきた顧客基盤である。ZeeMには累計2,000社超の導入実績があり、学校法人の複数身分、企業グループの異なる賃金規程、勤怠管理システムとの連携など、汎用ソフトだけでは処理しにくい仕事に対応してきた。アマノのTimeProシリーズとの連携も、単独では獲得しにくい顧客への入口になっている。
ただし、これは独占的な堀ではない。累計導入数は現在の稼働顧客数を示さず、解約率の定量開示も確認できない。法対応の標準機能と移行事例はあるが、移行に常に年単位を要する証拠や、法改正ごとに値上げできた実績は見つからない。人事データは顧客が持つデータであり、クレオだけの独占的な情報資産とは言えない。したがってZeeMを無条件に「記録の正本」の高い成長力で評価しない。
財務面の質ははっきり良い。借入に依存せず、自己資本比率は7割を超え、純現金は自己資本の大部分を占める。営業利益も2019年ごろから改善し、最近は10億円台を保ってきた。売上が横ばいでも人員構成と利用料収入を改善して利益を伸ばした点は評価できる。
弱みは大口顧客と作業人員への依存だ。アマノ向け売上は全体の約14%、富士通向けも約12%に達する。アマノは大株主でもあり、協業の利益と価格交渉上の制約が同居する。受託開発・運用・サポートでは、顧客による内製化がすでに売上へ表れている。10年先の強みはソフトの導入履歴だけではなく、AI利用後も顧客が払う対価を維持できるかで決まる。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
国内の情報サービス需要は表面上拡大している。情報サービス産業協会による2024年の業界売上は約33.6兆円で、受注ソフトウェアだけでも大きな市場を作る。国内受託ソフトウェアの公的統計は約11.1兆円、システム運用受託は約2.25兆円で、クレオの売上比はそれぞれ約0.025%と0.10%にすぎない。市場全体の景気より、富士通、アマノ、LINEヤフーといった特定先から仕事を取れるかの方が重要である。
サポート分野では国内コールセンターサービス市場が2024年度約1.05兆円、運用を外注するマネージドサービス市場は約3.30兆円だった。クレオのサポート売上を前者に単純対比すると約0.41%だが、実際にはヘルプデスクと調査を含むため厳密なシェアではない。競争相手にはトランスコスモス、ベルシステム24、パーソル系の業務受託会社がいる。各社ともAIによる省人化を売り物にできる半面、顧客が自分で自動化する道も開ける。
人事給与ソフトではオービック、OBC、Works Human Intelligence、SAP、Oracle、SmartHR、マネーフォワードなどが競う。ITRの調査は給与管理だけで25社を対象にしており、市場は幅広い。ただしZeeMの現役契約数と同じ定義の市場占有率は公表されておらず、累計2,000社を現在のシェアとして使えない。クレオは大手・中堅、学校・医療などの複雑な給与業務で防戦できるが、海外のAI機能やAPI連携が標準化すると、独自画面と導入工数の価値は目減りする。
10年後の争点はIT支出総額ではなく、そのうち人間が操作し、人間が作業する部分の量である。AIエージェントは開発、運用監視、問い合わせ応答、給与処理の操作を削る。請負業者が生産性を高めても、契約が人月のままでは顧客が単価引下げを求める。中立では開発・運用の実質稼働量を今の約3分の2とし、料金改定は物価の範囲内に抑える。10年より先の名目成長はゼロを基本とする。
資本政策と M&A
資本配分の評価は、長期計画より足元の判断が重要である。2024年策定の中期経営計画は2027年3月期に売上180億円、営業利益15億円、ROE12%超を目標とした。2030年度には売上250億円超、営業利益25億円超、営業利益率10%超、ROE14%超を掲げる。計画には3年間の投資47億円、うち内部強化22億円とM&A等25億円、配当と自社株買い16億円という配分も明記された。
だが2026年5月の会社説明では、2027年3月期の見通しを売上151億円、営業利益12.4億円、純利益8.2億円へ下げた。会社はAIの急進展を踏まえ、労働集約型企業の買収を一部白紙にし、3年間の還元枠を17億円へ増やしたと説明した。これは目標未達を正当化する理由にはならないが、将来の低収益事業に現金を投じない判断には合理性がある。
配当性向は40%超が公約であり、直近はおおむね5割以上だ。増配も続き、2026年9月に完了した自己株買いは累計約1.50億円だった。過去5年の還元実績から、余剰現金が株主に戻る割合は1.0とする。対照的に、2030年の売上目標達成を前提として大型買収効果を織り込むことはしない。アマノが32.8%を保有する関係会社で、TOBの可能性はあっても成立済み・発表済みの事実はない。将来の買収プレミアムは現在価値へ足さない。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
ZeeMを単なる席売りソフトとみなすのは、顧客が負う置き換えの痛みを過小評価している。複数法人の給与体系、大学・医療法人の特殊な制度、マイナンバー、年末調整、行政の電子申請をつなぐシステムは、移行時に重大な業務停止リスクがある。シリーズ累計2,000社を超える導入実績は、年単位で顧客と信頼関係を築いてきた証しだ。日々の給与支払はAIが便利になっても必ず残り、監査と制度対応を伴う基盤は最後まで使われ続ける。
同社は既にクラウド利用料の拡大を実現している。2026年3月期のソリューションサービスは増収増益となり、全社の営業利益率も改善した。AIによって受託開発とサポートの作業時間が減っても、社内人員を減らしながら同じ顧客への成果提供を続けられるなら、利益率は上がる。特にアマノとの連携は、勤怠管理TimeProのAI機能とサポート受託という新たな接点を生む。大型買収に頼らず、社内の製品と顧客基盤を使えば投下資本も小さい。
財務も強い。自己資本の相当部分が純現金で、投資の失敗から立ち直る余地が大きい。経営陣は環境が変わると労働集約型M&Aを止め、還元を増額した。ソフトのストック収入を増やし、案件ごとの人員生産性を引き上げれば、2036年に現在を上回る利益を残しながら増配を続ける筋道はある。
慎重な見方
いちばんの問題は、人事給与が社会に必要でもクレオの料金が必要とは限らないことだ。海外ERPや国産クラウドは給与計算と外部サービスの連携を標準機能にする。AIエージェントは画面を経由せず、必要な計算、承認、照合を代行する。独自のデータを会社が保有するわけでもなく、現役顧客の解約率、継続率、値上げ実績は数字で確かめられない。累計導入2,000社を現在の固い契約残高として評価すれば誤る。
既に労務型事業では顧客による内製化の影響が出た。サポートサービスは大型案件終了と内製化で縮み、LINEヤフー側の高収益運用案件も減った。富士通やアマノへの依存が高く、相手が調達方針を変えた際に価格を守る余地は小さい。今後10年で受託開発と電話・ヘルプデスクの作業量が大きく減り、賃金やシステム維持費だけが物価に沿って上がれば、営業利益は売上以上に減少する。
2027年3月期の会社予想は、2024年の中計で宣言した売上180億円に対し151億円である。大幅な成長がすぐ実現するとの期待は既に一度修正された。AIへの対応を理由に大型の買収を断念した姿勢は健全でも、それは代わりの高成長事業を獲得した証拠ではない。手元資金は配当で返せるものの、営業赤字が続けば開発投資と撤退費用に消える。10年後の弱い事業に高い利益倍率を付ける理由はない。
どちらに重みを置いたか
ZeeMの複雑な給与業務と財務の厚さには確かな下支えがある。ただ、低解約率や値上げの実績がなく、「記録の正本」の強い堀と断言できない。しかもサポートの内製化と運用案件の減少は、AI以前から人月収入が失われる現実を示した。中立の数量にはAI代替を既に織り込み、確率で同じ変化を機械的に二重計上しない。それでも下側43%、上側26%と下へ寄せるのは、クレオ固有の大口顧客集中と中計未達があるためだ。現金と還元を含めても、現在の時価総額に十分な安全域は見いだせない。
10 年後の 5 つの筋書き(2036/03 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 1,230 円95 億円(+ 還元の換算額還元の合計 417 円32 億円)。 今の値に割り戻すと 941 円72 億円、今との差 −22.8%、 期待の年率 +3.5%(資本コスト 6.8%)→ やや割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 9% | 2,989 円230 億円 | 846 円65 億円 | +214.8% | +14.3% | 345 円27 億円 |
| やや楽観 | 17% | 2,135 円164 億円 | 638 円49 億円 | +127.7% | +10.0% | 471 円36 億円 |
| 中立 | 31% | 1,168 円90 億円 | 442 円34 億円 | +32.2% | +3.3% | 499 円38 億円 |
| やや悲観 | 25% | 625 円48 億円 | 286 円22 億円 | −25.2% | −3.4% | 228 円18 億円 |
| 悲観 | 18% | 445 円34 億円 | 130 円10 億円 | −52.8% | −8.0% | 104 円8 億円 |
| 加重平均 | 100% | 1,230 円95 億円 | 417 円32 億円 | +35.2% | +3.5% | 1,647 円127 億円 |
今の株価時価総額 1,218 円94 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 9% 収益構造の転換に成功 利益 14 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,989 円230 億円
ZeeMと給与クラウドは、大企業の複数賃金制度や行政手続きを支える土台として残る。アマノのTimeProシリーズへのAI機能実装と連携が進み、同じ顧客からのストック収入が増える。ただしAIを新たな売上として数量を膨らませるのではなく、現行の稼働取引口座をほぼ守り、利用料と支援契約の価格だけが緩やかに上がる。
富士通向け受託開発とLINEヤフー向け運用は、実際の人手を減らしても高い品質を保つ。問い合わせ対応ではブライエの効率化が成功し、顧客による内製化を抑えられる。アマノとの契約も拡大するが、会社の強い成長を買収プレミアムには頼らせない。本社管理の統合とAIによる生産性改善で部門利益率を上げ、物価による賃金上昇を吸収する。配当と自社株買いを続け、会社に残る現金も毀損しない。
- ソリューションサービス:数量 990(稼働企業・案件の年間取引口座換算(社・件相当、推定))× 価格 0.06(1取引口座換算当たり年間包括売上(億円。導入・利用・保守を含む))→ 売上 61 億円・営業利益 15 億円。数量はソフト0.99倍、人月型0.92~0.96倍で、AI商品の金額付き開示がないため楽観でも今を超えない。社内省人化で直販と運用の利益率を伸ばすが、本社費用は物価に沿って約13億円まで増える。
- 受託開発:数量 195(年間請負稼働人員換算(人年。開発・外注分を含む目安))× 価格 0.18(1人年当たり請負売上(億円))→ 売上 35 億円・営業利益 8 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率23.0%。
- システム運用・サービス:数量 175(年間運用稼働人員換算(人年))× 価格 0.16(1人年当たり受託運用売上(億円))→ 売上 28 億円・営業利益 5 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率18.0%。
- サポートサービス:数量 455(年間窓口・調査稼働人員換算(人年))× 価格 0.11(1人年当たりサポート・調査受託売上(億円))→ 売上 52 億円・営業利益 5 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率10.0%。
倍率:k=6.75%、g_long=0%(AIエージェント代替で長期は名目横ばい)、moat=normal、全社ROE=11.39%。余剰現金とその利息を除いた事業ROE=14.65%で、RONIC=k+0.5×(事業ROE−k)。g=0では正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷k=14.8148倍。事業純利益は全社純利益13.9億円から余剰現金30.0億円の税後利息1.4%相当を控除。事業純利益×正当化PER+余剰現金×戻り方1.0=229.7億円。現在・過去の市場倍率を使わず、楽観~中立は上限そのものとする。
確率:実現には、ZeeMの既存顧客を守り、社内の生成AIによる作業削減を販売価格の下落より速く進める必要がある。会社が計画するアマノとの協業も契約収入につながり、労務収入の減少を抑える上限側のケース。
やや楽観 17% クラウドを守り効率化が進む 利益 10 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 2,135 円164 億円
中堅・大企業向けのZeeMは旧来のパッケージから利用料収入へ移り、顧客への定期的な請求が増える。会計・給与の処理は残り、学校法人や複数法人の制度対応も続く。ただし新規契約を楽観的に積み増すのではなく、AIエージェントが操作を減らす分だけ稼働口座は少し減る。値上げの実績がまだ十分に見えないため、価格改定も限定的になる。
受託開発ではアマノ向けの高付加価値案件を選び、富士通向けなどの下請け工数を絞る。ココトの運用監視とブライエのサポートは、人員を絞りながら自動化と有人対応を組み合わせる。直近の主要顧客の内製化は完全には戻らず、売上の伸びは鈍い。しかしソフトの保守、売上原価の自動化、無理な買収を避ける姿勢が利益を守り、現状を少し上回る純利益と着実な還元が続く。
- ソリューションサービス:数量 920(稼働企業・案件の年間取引口座換算(社・件相当、推定))× 価格 0.06(1取引口座換算当たり年間包括売上(億円。導入・利用・保守を含む))→ 売上 56 億円・営業利益 13 億円。ソフトの稼働口座0.92倍と各人月の0.85~0.87倍、単価1.13倍前後。売上の伸びより費用効率の改善が利益の主因であり、法人全体の独占的な値決め力は前提にしない。
- 受託開発:数量 173(年間請負稼働人員換算(人年。開発・外注分を含む目安))× 価格 0.18(1人年当たり請負売上(億円))→ 売上 31 億円・営業利益 7 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率21.5%。
- システム運用・サービス:数量 155(年間運用稼働人員換算(人年))× 価格 0.15(1人年当たり受託運用売上(億円))→ 売上 24 億円・営業利益 4 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率16.0%。
- サポートサービス:数量 420(年間窓口・調査稼働人員換算(人年))× 価格 0.11(1人年当たりサポート・調査受託売上(億円))→ 売上 47 億円・営業利益 4 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率8.5%。
倍率:k=6.75%、g_long=0%(AIエージェント代替で長期は名目横ばい)、moat=normal、全社ROE=8.19%。余剰現金とその利息を除いた事業ROE=10.32%で、RONIC=k+0.5×(事業ROE−k)。g=0では正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷k=14.8148倍。事業純利益は全社純利益9.58億円から余剰現金28.0億円の税後利息1.4%相当を控除。事業純利益×正当化PER+余剰現金×戻り方1.0=164.12億円。現在・過去の市場倍率を使わず、楽観~中立は上限そのものとする。
確率:クラウド契約の増加は直近で確かめられたが、代替される人月を高付加価値案件で埋めるには、価格改善と顧客流出の抑制がともに必要となるため、楽観より高めでも過半の確率にはしない。
中立 31% AIによる工数減を相殺しきれない 利益 5 億円 · PER 14.8 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 1,168 円90 億円
ZeeMの給与・会計は制度対応を続け、重要な顧客が一斉に消えるわけではない。だがAIエージェントが画面を操作する人数を減らし、パッケージ導入時の設定や周辺改修も効率化する。稼働取引口座換算は今より約2割減り、保守・利用料の価格も物価3%の累積上昇には届かない。ソフト部分の基盤は残っても、周辺の導入工数が薄くなる。
アマノ、富士通向けの開発は高付加価値の案件が残るが、必要な開発人年は約3分の2になる。LINEヤフー向けの運用は自動監視が広がり、サポートは自己解決とAI応答で労務量が4割減る。人件費単価は上がるものの、契約価格は物価程度しか増やせず、売上の減少を補えない。本社費用は約12億円となる。無理な買収を控え、ソフト更新に資金を回しながら還元を減益に合わせて抑えるため、自己資本は残るが利益率とROEは下がる。
- ソリューションサービス:数量 820(稼働企業・案件の年間取引口座換算(社・件相当、推定))× 価格 0.06(1取引口座換算当たり年間包括売上(億円。導入・利用・保守を含む))→ 売上 48 億円・営業利益 10 億円。AIエージェント代替でソフト口座0.82倍、受託0.65倍、運用0.67倍、サポート0.61倍。ソフトの包括単価1.10倍は席・画面型の範囲、人月単価の1.27~1.28倍は物価1.34倍以下。共通費は現9.62億円から約12.35億円へ増える。
- 受託開発:数量 132(年間請負稼働人員換算(人年。開発・外注分を含む目安))× 価格 0.18(1人年当たり請負売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 4 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率18.0%。
- システム運用・サービス:数量 120(年間運用稼働人員換算(人年))× 価格 0.15(1人年当たり受託運用売上(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 3 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率15.0%。
- サポートサービス:数量 300(年間窓口・調査稼働人員換算(人年))× 価格 0.11(1人年当たりサポート・調査受託売上(億円))→ 売上 33 億円・営業利益 2 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率6.5%。
倍率:k=6.75%、g_long=0%(AIエージェント代替で長期は名目横ばい)、moat=normal、全社ROE=4.39%。余剰現金とその利息を除いた事業ROE=5.30%で、RONIC=k+0.5×(事業ROE−k)。g=0では正当化PER=(1−g÷RONIC)÷(k−g)=1÷k=14.8148倍。事業純利益は全社純利益4.72億円から余剰現金25.0億円の税後利息1.4%相当を控除。事業純利益×正当化PER+余剰現金×戻り方1.0=89.74億円。現在・過去の市場倍率を使わず、楽観~中立は上限そのものとする。
確率:下に寄せる理由:ZeeMのストック収入と運転資金の厚さは残るが、会社自身が労働集約型M&Aを避けたほどAIによる変化は大きい。四部門の実態と顧客の内製化の実績から、売上は名目でも縮む見通しを中心とした。
やや悲観 25% 内製化と自動化が先行 利益 0 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 625 円48 億円
人事給与システムは残るが、SmartHR、OBC、外資ERPの標準機能が広がり、AIによる操作の自動化も進む。ZeeMは既存の特殊な顧客を守るものの、新規導入は失注が増え、値上げ幅も物価より小さい。導入開発と保守の両方が減り、ソリューションサービスの稼働口座は3割ほど減少する。
受託開発は主要顧客のソフト内製化と作業自動化が重なり、人年換算で約半分の量になる。運用センターでは顧客による監視基盤の統合が進み、サポートではAI窓口が標準となって人員が減る。従業員の再配置と拠点整理で変動費を抑えても、本社管理とソフトの維持費は残る。大型買収は見送り、過去に稼いだ現金のうち必要資金を守る。還元は当初の数年に偏り、2036年には営業利益がほとんど出ない会社となる。
- ソリューションサービス:数量 700(稼働企業・案件の年間取引口座換算(社・件相当、推定))× 価格 0.06(1取引口座換算当たり年間包括売上(億円。導入・利用・保守を含む))→ 売上 39 億円・営業利益 7 億円。ソフト口座0.70倍、労務量0.47~0.56倍で、保守売上と手数料に下押し圧力が加わる。本社費用は整理をしても11.6億円残る。将来自己資本96.3億円には床倍率を掛けず、現在自己資本77.4億円と清算可能資産の価値を用いる。
- 受託開発:数量 111(年間請負稼働人員換算(人年。開発・外注分を含む目安))× 価格 0.16(1人年当たり請負売上(億円))→ 売上 18 億円・営業利益 3 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率14.0%。
- システム運用・サービス:数量 100(年間運用稼働人員換算(人年))× 価格 0.14(1人年当たり受託運用売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 2 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率12.0%。
- サポートサービス:数量 235(年間窓口・調査稼働人員換算(人年))× 価格 0.10(1人年当たりサポート・調査受託売上(億円))→ 売上 23 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率4.0%。
倍率:資本コストk=6.75%、g_long=0%だが、失った案件は短期に戻らず、利益倍率より現金と売れる資産の床を優先する。現在の自己資本77.4億円×床PBR0.6202=48.0億円。2036年の積み上がった自己資本96.3億円には掛けない。過去の市場PBRの谷ではなく、損失時に株主に残る可処分資産を根拠とする。
確率:既に発現しているサポート内製化とLINEヤフー案件縮小が長引くとみる。ソフトも競争圧力を受け、作業時間が短くなるほど販売単価に転嫁できないため、収益はほぼ損益分岐点まで落ちる。
悲観 18% 契約の半減と赤字定着 利益 −4 億円 · PBR 0.6 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 445 円34 億円
AIエージェントと大手ERPの一体化で、給与の基本処理やヘルプデスクの作業が顧客のシステム内に吸収される。ZeeMが必要とされるのは個別制度の複雑な一部顧客だけになる。人事給与の業務そのものはなくならないが、クレオへ支払われる保守料と導入工数は細る。アマノ、富士通、LINEヤフーの仕事も、顧客側の自動化と契約統合で大幅に失う。
会社は2029年頃から赤字に転落し、その後も赤字が続く。開発人員とサポート拠点を減らしても、本社管理とソフトウェア更新の最低費用は残る。過去に投じた製品開発費の一部は回収不能となり、現金は赤字補填、配当、閉鎖費用へ流出する。配当は初期の利益がある数年だけで止まり、将来の営業価値を高く見ない。残る純現金と売却できる資産の税引後価値が長期株主の最後の支えとなる。
- ソリューションサービス:数量 500(稼働企業・案件の年間取引口座換算(社・件相当、推定))× 価格 0.05(1取引口座換算当たり年間包括売上(億円。導入・利用・保守を含む))→ 売上 27 億円・営業利益 2 億円。売上は現状の約44%で、10年間後半に赤字が続く。2027~2029年の黒字合計とその後の損失を合わせ、10年純利益の累計を約−10億円、前半の還元を10億円と想定する。現在自己資本77.4億円から約57億円に減少させ、損失を伴う整理後の帳簿にのみ床倍率を掛ける。
- 受託開発:数量 80.0(年間請負稼働人員換算(人年。開発・外注分を含む目安))× 価格 0.15(1人年当たり請負売上(億円))→ 売上 12 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率4.0%。
- システム運用・サービス:数量 82.0(年間運用稼働人員換算(人年))× 価格 0.13(1人年当たり受託運用売上(億円))→ 売上 11 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率2.0%。
- サポートサービス:数量 160(年間窓口・調査稼働人員換算(人年))× 価格 0.09(1人年当たりサポート・調査受託売上(億円))→ 売上 14 億円・営業利益 −1 億円。AIエージェント代替に伴う実質稼働量の推移を反映。部門利益率-5.0%。
倍率:資本コストk=6.75%、g_long=0%だが、失った案件は短期に戻らず、利益倍率より現金と売れる資産の床を優先する。2036年の減少後の自己資本57.0億円×床PBR0.6=34.2億円。過去の市場PBRの谷ではなく、損失時に株主に残る可処分資産を根拠とする。
確率:単なる景気後退ではなく、大口顧客の業務内製化とAIエージェントが従来型受託を大きく奪う場合である。売上がほぼ半減し、ソフト投資の一部が回収不能になる事態を想定する。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
ソリューションサービス
ZeeM人事給与・会計、ジームクラウド、SmartStageなどの利用料・保守・ライセンスと導入開発。席課金・操作画面型と開発工数型の混合であり、内部売上比率は未開示。
| 数量稼働企業・案件の年間取引口座換算(社・件相当、推定) | 価格1取引口座換算当たり年間包括売上(億円。導入・利用・保守を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 1,000 | 0.05 | 53 | 10 |
| 10 年後 中立 | 820 | 0.06 | 48 | 10 |
取り方:会社2026年3月期セグメント売上53.42億円。ZeeMの累計導入実績は2,000社超だが現役契約ではない(https://www.zeem.jp/products/human-payroll/)。現役稼働と他製品の案件を合算する比較用の「取引口座換算」約1,000件を分析上の推定とした。1件年534万円は販売時300万円からのライセンス費用、複数法人向け導入・保守を含む合成単価で、正式な契約ARPAではない。現状のサブスクと受託開発の金額別内訳は非開示のため、堀の強い一体型と決めつけず、AIエージェント代替の席・画面型を中心に中立件数0.82倍、料金1.10倍とする。
受託開発
アマノと富士通グループ向けのシステム設計・開発。人的工数が主たる課金単位。
| 数量年間請負稼働人員換算(人年。開発・外注分を含む目安) | 価格1人年当たり請負売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 203 | 0.14 | 28 | 6 |
| 10 年後 中立 | 132 | 0.18 | 23 | 4 |
取り方:2025年決算説明資料の受託開発従業員203人を2026年事業規模の代表稼働人年に採用し、2026年決算売上27.86億円÷203人=年約1,372万円、月約114万円と逆算した。公開される業界のSE人月80~120万円、PM100~160万円のレンジとも整合する(https://overx.co.jp/media/man-month-rate/)。外注、稼働率、成果物契約を含む集約単価で実売単価ではない。人月型AIエージェント代替の中立数量は0.65倍、価格は1.28倍。
システム運用・サービス
ココトのLINEヤフーグループ等へのシステム運用、監視、保守と開発。
| 数量年間運用稼働人員換算(人年) | 価格1人年当たり受託運用売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 180 | 0.12 | 22 | 3 |
| 10 年後 中立 | 120 | 0.15 | 18 | 3 |
取り方:2025年決算説明資料の担当180人と2026年決算の売上21.65億円から、年約1,203万円、月100万円を算出した。人件費、夜間運用、外部委託を含む契約の売上で実給料ではない。2027年3月期第1四半期はLINEヤフーグループの高利益案件が縮小(https://www.creo.co.jp/ir/ir-library/financial-results/)。AI監視・自動復旧で中立稼働数量0.67倍、価格1.27倍。
サポートサービス
ブライエのヘルプデスクとテクニカルサポート、アダムスコミュニケーションの調査・コールセンター。
| 数量年間窓口・調査稼働人員換算(人年) | 価格1人年当たりサポート・調査受託売上(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2026/03 | 495 | 0.09 | 43 | 3 |
| 10 年後 中立 | 300 | 0.11 | 33 | 2 |
取り方:2025年決算説明資料でサポート担当495人、2026年売上42.75億円。1人年862万円、月約72万円の売上相当額を得る。ここには電話以外の調査・外注費を含む。国内コールセンターサービス市場約1兆517億円(https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3953)に対する単純な売上比は0.41%だが、定義が一致しないため確定シェアではない。すでに顧客内製化が起きており、AIエージェント代替で中立数量0.61倍、価格1.27倍。
リスクと懸念
AIエージェント代替と価格体系の破壊
受託開発、監視、問い合わせ応答、給与ソフトの画面操作は、AIが自律実行するほど必要な人月や席数が減る。顧客が機能ではなく成果に課金するようになると、コスト削減を自社の利益として留められない。会社は2026年にAIの進展を理由に労働集約型M&Aを一部撤回したが、成果課金型の売上実績は十分に開示されていない。
アマノと富士通、LINEヤフーへの集中
アマノ向け約14%、富士通向け約12%に販売が集中し、運用部門はLINEヤフーグループの受注に依存する。アマノは大株主で勤怠管理の連携も強みだが、そのぶん条件交渉が難しくなる。主要顧客が内製化したり案件を再配分したりすれば、新規顧客の開拓だけで補うのは容易でない。
ZeeMの解約率と現役顧客の不透明さ
累計2,000社超という実績は高く評価できる。しかし累計導入は現役の有料契約数、課金ID数、解約率とは異なる。人事給与・法令対応は残っても、AIが操作画面を飛ばしたり競合のERPに統合されたりすれば、保守料を値上げできない。現役契約数と更新価格の追跡が欠かせない。
売上低下時の固定費とソフト更新投資
現行の四セグメント利益から本社費用を引くと、全社営業利益は約12億円に減る。将来は賃金と事務所費が物価で上がり、開発済みソフトの更新・再構築も続く。受託量が落ちる一方で費用削減が遅れると、部門利益が残っていても連結は赤字になりうる。
資本配分・買収と大株主の影響
2024年の中期計画は3年間でM&A等25億円を含む大きな投資を予定した。会社はAI時代を踏まえて労務型買収を一部取りやめ、株主還元枠を増やしたが、資金の使い方は今後も変わりうる。アマノの持分約33%は共同開発の後ろ盾であると同時に、少数株主と資本政策の利害が一致するかを確かめる必要がある。
中期計画の達成確度と金利・物価
2027年3月期の当初目標は売上180億円だったが、現在の会社予想は151億円へ下がった。2030年度の250億円超も努力目標として残るにすぎない。人件費が年3%の物価上昇に近い速度で増え、受託単価に完全転嫁できない場合、純現金の受取利息増だけでは利益率を守れない。
今後の分かれ目
- ZeeMと給与クラウドの現役有料契約数、解約率、単価の継続的開示が始まったら
- 解約率が年5%未満で値上げ後も顧客が残り、法対応の更新料も実際に増えることを確認した上で、ソリューションの数量と長期成長率を見直す。
- AIエージェントを成果課金として販売し、契約金額と粗利の増加が確認できたら
- 人月から成果への転換が本物なら、受託開発・運用・サポートの数量減少を緩め、上側シナリオの重みを増す。技術発表だけでは変更しない。
- LINEヤフー等の運用案件と大口ヘルプデスクで再び内製化が進んだら
- 受託人年をより速く減らし、連結の固定費負担を上乗せして、やや悲観と悲観の筋書きへ移す。
- アマノのTimePro製品向けAI開発とサポート受託の売上が金額付きで開示されたら
- 具体的な長期契約と粗利の伸びが確認できる範囲だけ新規の稼働量として加え、実績のないAI成長は引き続き認めない。
- 営業利益率が8%台を保ち、ソフト更新投資と本社費用が増えずに済んだら
- 固定費を下げられる力が示されたとみなし、中立の営業利益率と事業の純利益を上方修正する。
- 大株主による正式な公開買付け・完全子会社化の発表が出たら
- 10年の独立企業としての分析を止め、発表された対価、買付条件、少数株主保護の手続きを別途確認する。
見ておくもの
- ZeeM・ジームクラウドの有料契約数、利用料売上、チャーン率と導入費用の内訳
- 受託開発とサポートの稼働人員、受注単価、顧客の内製化の有無
- アマノ・富士通・LINEヤフー向けの売上比率と案件継続率
- 全社費用、ソフトウェア取得額・償却額、営業キャッシュフロー
- AI成果課金の外部顧客売上の実額と利益率
- 2027年3月期計画とVISION2030の改定、自己株買いの実施状況
倍率と資本コストの決め方
会社予想や現在のPERを出発点にせず、ZeeM等は累計導入実績から稼働取引口座換算を仮定し、受託三部門は開示従業員数から稼働人年と販売単価を組み立てた。AIエージェント代替は中立の数量と2036年以降のg_long=0%に入れ、寿命への二重上乗せはしない。資本コスト6.75%、2036年の事業ROEと長期成長0%から正当化PER14.81倍を用いる。悲観は過去の市場PBRの底を使わず、残る純現金と売れる資産を基準にした。日本基準の新リース会計適用後も、利益は従来の家賃を費用に含む比較可能な形で見る。2026年9月の追加自己株買いは取得事実として考慮するが、株価と株数の起点は添付指定の2026年6月末株数を使う。
資本コスト 6.8% = 無リスク金利 3% + β — × 5%。無リスク3%、株式リスク4.5%、定量的な利益安定と実質無借金を反映した質の調整−0.75%の合計。顧客集中・AIによる縮小は利益の筋書きに反映する。