結論
ReYuu Japanは、中古スマートフォンなどの買取・卸売・輸出を中核とする会社である。筆者の結論は「割高」だ。中古端末の需要には追い風が吹いているが、売上の増加が株主の利益に変わる仕組みは、まだ十分に証明されていない。
2025年10月期の売上高は62.6億円まで回復した。しかし営業損失は1.6億円、純損失は2.3億円だった。2026年10月期も会社予想では最終赤字が続く。2026年7月までの9か月間に24.6万台を販売し、前年同期から数量が大きく伸びたことは評価する。一方、販売台数が増えても採算が改善しなければ、在庫と運転資金を膨らませるだけになりかねない。
10年先には、リユース端末の流通量が増え、修理会社の買収も一定の成果を上げるとみる。それでも中立の2035年10月期は、売上高約153億円に対して親会社株主の純利益を約1.8億円とする。端末の価格は競争で決まり、仕入れ価格や検品費用が上がれば、増収分は容易に消える。独占的なブランドや顧客の高い乗り換え費用は確認できない。
さらに、2026年の転換社債による株数増加と、今後行使され得る新株予約権を無視できない。買収したサイバーセキュリティ会社についても、連結利益の全額が親会社株主に帰属するわけではない。これらを区別して計算した10年価値の現在価値は約6.9億円で、添付の基準時価総額約14.9億円を約54%下回る。事業の存続可能性と、今の株主が十分な利益を受け取れるかは別の問題である。
バリュー投資の観点から
長く持つ株主にとって、最初の問いは10年後も客がいるかどうかである。中古スマートフォンの売買と修理は、10年後にも必要とされるだろう。新品の価格が高く、法人が大量の端末を入れ替える社会では、再利用は経済的にも環境面でも意味がある。事業の存在そのものを疑う必要は小さい。
しかし次の問い、利益を誰が取るかに対する答えは弱い。中古端末の卸売では、商品の仕入れ値も売り値も市場で決まる。販売台数を倍にしても、検品、人件費、返品、値下がり損を差し引いたあとに十分な利益が残るとは限らない。現に売上が拡大する間にも営業赤字が続いてきた。堀の狭い商売で重要なのは売上の成長率ではなく、在庫一円を何度回し、最後に何円を株主のものにできるかである。
修理会社を買収して調達から再販売までをつなげることは理にかなう。だが、あいプロの取得額は買収前の利益や純資産に比べて大きく、成功はまだ実証されていない。サイバーセキュリティ会社の買収も、利益の多様化には役立つ一方、持分比率は49%であり、AIによる業務代替の影響を受け得る。
経営者が資本を何度も調達しながら事業の形を変える会社では、将来の売上より、資本一円当たりの利益改善と既存株主の取り分を先に確かめたい。現時点の適正価値は添付の基準時価総額を明確に下回る。業績改善の可能性は認めるが、長く持つために必要な安全域が十分にあるとは判断しない。
何で稼ぐ会社か
稼ぎの中心は中古スマートフォンの流通である。法人や通信事業者などから端末を調達し、検品やデータ消去を経て、国内の事業者や海外の販売先へ卸す。商品を仕入れて売る商売なので、売上高の大きさよりも、端末一台当たりに残る利益と在庫の回転速度が重要になる。2025年10月期のリユース関連売上高は61.4億円で、全社売上高の約98%を占めた。
2025年10月期の端末販売台数は22万7360台だった。そこから計算される一台当たり売上高は約2.7万円である。2026年7月までの9か月間には24万6374台を販売した一方、平均売上単価は約2.65万円だった。売上数量の急増と平均単価の低下が同時に起きている。新品端末の値上がりは中古への需要を増やすが、中古品の卸売単価を自由に引き上げる力には直結しない。
顧客にはインターネットイニシアティブやオプテージなどが含まれる。2025年10月期の開示では、両社向けの売上比率を合わせると約38%に達する。国内だけでなく香港やドバイ向けの売上もあるため、国内消費者向け中古端末市場の数字を、そのまま同社の取扱市場全体とはみなせない。
2026年には事業の形が変わり始めた。10月に全株式を取得したあいプロが修理、買取、店舗運営を加え、8月に取得したネクスト・セキュリティが法人向けの情報セキュリティサービスを加える。後者は議決権の49%しか保有しないが、取締役会を実質的に支配する契約によって連結子会社となる。売上と営業利益は連結される一方、少数株主に帰属する利益は親会社株主の価値から差し引く必要がある。
端末の仕入れから再生、修理、法人への再販売までをつなげる戦略には合理性がある。しかし買収後の店舗数、実際の修理件数、単価、相互送客による増分利益はまだ十分に検証できない。したがって、売上の拡大をそのまま高い利益率に結び付ける評価は避ける。
優良さと弱いところ
同社の強みは中古端末の調達先と卸売先を持ち、検品、データ消去、再販売を実際に回していることである。大量の端末を継続して扱う経験は、商品の状態を見極め、売り先を探し、資金を短い期間で回収する能力につながる。2026年の販売数量の伸びは、この業務基盤が顧客に必要とされている証拠の一つだ。
ただし、それを強い堀、つまり競争相手が容易に越えられない壁とまでは評価しない。ゲオ、イオシス、じゃんぱら、Belongなどに加え、通信会社やメーカー自身も整備済み端末の販売を広げている。中古端末は同じ機種と状態であれば価格を比べやすく、顧客が特定の卸売業者に留まる必然性は弱い。値上げによる利益率改善が長期に定着した実績も確認できない。
収益の履歴は厳しい。2015年以降、営業赤字の年度が繰り返され、2022年以降は赤字が継続している。過去10年のROE中央値は約マイナス10%だった。2020年と2021年には黒字を出したが、それが安定して再現されていない。現在の利益率から増分投資収益率の高さを証明することは難しい。
2026年7月までの9か月間は営業赤字が縮小し、第3四半期単独では営業黒字となった。ただし滞留在庫の整理や一時的な取引の影響を見極める必要がある。財務面も、2025年10月期の純現金約0.4億円に安心できるほどの余裕はない。仕入れ在庫、売掛金、借入金に加え、新たな買収資金を管理する力が、今後の利益の質を左右する。
あいプロの修理ノウハウや店舗網は、調達面の壁を少し厚くする可能性がある。それでも修理技術、店舗網、法人顧客を合わせるだけでは高い投下資本利益率は保証されない。競争上の優位は「弱い」と判断する。
業界はいまどこにいて、どこへ向かうか
中古スマートフォン市場は拡大している。MM総研によると、国内の2025年度販売台数は360.7万台で、前年比12.4%増だった。2026年度は396万台、2029年度は515万台、2030年度は548万台に達すると予測されている。新品スマートフォンの価格上昇が中古への乗り換えを促し、通信会社が販売する認定中古品の普及も利用者の不安を和らげている。
一方、市場の拡大は必ずしも独立系卸売業者の利益拡大を意味しない。ゲオストアやイオシスは店舗と販売網を持ち、伊藤忠グループのBelongは「にこスマ」などで流通に関わる。じゃんぱらやブックオフ、メルカリも顧客と端末を奪い合う。Apple、Google、Samsungなどのメーカーが認定整備済み品を増やせば、安心感の高い販路に需要が移る可能性もある。
各社の国内中古端末最終販売シェアについて、比較可能な最新の一式の数字は確認できなかった。ReYuu Japanの2025年販売台数22.7万台を国内市場360.7万台で単純に割ると約6.3%になるが、これを実際の市場シェアとは呼べない。前者には事業者間取引と輸出が含まれ、後者の統計ではそれらが除かれているためである。したがって同社の正確な国内最終販売シェアは不明とする。
2035年までの国内需要は、人口減少と端末の使用期間の長期化を差し引いても拡大すると考える。中立では国内最終販売市場を年間600万〜700万台程度と想定する。ただしこれはMM総研の2030年度予測から先を伸ばした筆者の仮説であり、会社や調査機関の予測値ではない。ReYuu Japan自身の数量には、国内市場の伸びだけでなく法人調達、卸売先、輸出先の変化を織り込む。
価格には物価上昇による押し上げがあるが、旧機種の陳腐化、端末価格の下落、買取競争による実質的な値下げ圧力もある。中古品は仕入れと売却の双方が市場価格で動くため、インフレ率と同じだけ売値が上がっても、利幅が広がるとは限らない。安全なデータ消去や修理の品質管理には引き続き需要があるものの、それが十分な値上げ力になるかは別途確認が必要である。
資本政策と M&A
資本配分は、この会社の価値を判断するうえで最も慎重に見る部分である。長期間にわたって無配が続き、2025年10月期も配当はなかった。増配や継続的な自社株買いによって資本を株主に戻した実績は乏しい。他方、2022年と2025年には株式数の大幅な増加があり、2026年も転換社債と新株予約権による資金調達を進めている。
2026年6月に発行した第5回と第6回新株予約権の潜在株式数は合計690万株で、当初の行使価額は257円だった。すべて行使されれば約17.7億円の資金が会社に入る一方、既存株主の持分は大幅に薄まる。資金が本当に高い利回りで使われるのでなければ、増資による事業拡大が株主一人当たりの価値を高めるとは限らない。
2026年には、あいプロを約4.0億円で取得し、関連費用を含めた支出見込みは約4.45億円となる。買収対象の直近通期の営業利益は約0.08億円で、純資産はマイナスだった。また、ネクスト・セキュリティの49%を関連費用込み約2.59億円で取得した。同社は買収前に一定の利益を出していたが、その利益を全額親会社の持分とみなすことはできない。
2026年3月公表の成長戦略資料には、修理・再生、端末の循環利用、法人向けサービスへの展開が示されている。しかし10年の評価に利用できる売上高、営業利益、ROE、配当性向、DOE、自社株買い額の一体的な中期数値目標については、数字の約束なしと判断する。暗号資産を保有する方針を2025年に打ち出し、2026年9月に終了した短期間での方針転換も、経営資源の配分規律を見極める材料となる。
強気の見方と慎重な見方
強気の見方
中古スマートフォンの需要拡大は、短期的な流行ではない。新品端末の高価格化、企業の端末更新、環境負荷への配慮が重なり、国内の中古販売台数は過去最高を更新している。ReYuu Japanは既に年20万台を超える端末を扱っており、2026年7月までの9か月間では前年同期を大きく上回る数量を販売した。これは調達先と卸売先のネットワークが拡張している具体的な証拠といえる。
あいプロの買収は、卸売中心の事業を変えるきっかけになる。店舗で集めた端末を自社で修理し、品質をそろえて法人や消費者に販売できれば、従来は外部に払っていた手数料や修理費用の一部を社内に残せる。修理した端末のデータ消去、保証、再販売を束ねることで、単なる端末の仲介業者から法人の端末管理を支える事業へ進化する余地がある。
ネクスト・セキュリティにも相互送客の余地がある。中古端末を大量に導入する法人には、端末の安全な初期設定や情報漏えい対策も必要だからだ。会社側が2026年10月に販売連携を発表したことは、買収を実際の営業に結び付けようとしている姿勢を示している。現場対応やセキュリティ製品の導入には人間の仕事も残る。
第5回・第6回新株予約権の行使による資金調達は希薄化を伴うが、利益を生む仕入れや買収に使われれば、会社全体の価値は大きく伸び得る。端末の扱いを年間65万台程度まで増やし、利益率を改善できるなら、今の赤字企業という評価は大きく変わる。問題は、この好循環を実際に作れるかである。
慎重な見方
この会社が過去に繰り返してきたのは、売上の変動ではなく利益を安定して残せないという問題だ。2015年以降、営業赤字の年度が多く、2022年以降は連続赤字となっている。2026年の販売台数の急増は明るい材料だが、9か月累計ではなお赤字である。第3四半期単独の黒字化だけで、競争上の優位が確立したと判断するのは早い。
市場が拡大しても、ゲオ、Belong、イオシス、じゃんぱら、通信会社、メーカー自身がより多くの端末を調達すれば、仕入れ値が上がる。買い手は価格を比較でき、販売価格への転嫁は難しい。安値で仕入れられない商品を大量に抱えれば、機種の陳腐化とともに値下がり損が出る。売上高の成長がむしろ運転資金の負担を重くする可能性がある。
あいプロは修理の現場を持つが、買収前の営業利益は取得額に比べて小さい。純資産もマイナスであり、投じた資本を回収するには大幅な採算改善が必要になる。ネクスト・セキュリティは買収前に黒字を出していたものの、親会社の経済的持分は49%にとどまる。コンサルティング、環境構築、運用支援のうち、定型作業はAIエージェントによる代替が進む可能性がある。人手で行う仕事の価格決定力が強まるとは限らない。
さらに、資金調達の負担は株主一人当たりで見る必要がある。2026年の転換社債による株数の増加は既に起きており、追加の新株予約権も存在する。多額の現金を調達しても、買収対価や在庫に使われた後に十分な利益を生まなければ、既存株主の価値は薄まる。継続企業の前提に関する重要事象等が開示されている以上、黒字化が遅れる筋書きを軽視すべきではない。
どちらに重みを置いたか
中古端末の市場拡大と修理事業の取り込みには現実的な成長余地がある。しかし、会社がその成長を株主の利益に変えてきた実績は弱い。2026年の増資・転換社債、買収に伴う資本負担、顧客集中、連続赤字を重く見る。確率は楽観側31%、中立30%、悲観側39%と、やや下振れに寄せた。下に寄せる理由は、需要の衰退ではなく、販売数量が増えても利益が残らない過去の実績と、既存株主の取り分が減る具体的な資本政策である。中立でも2035年のROEは資本コストに届かず、利益を伴う成長への転換が確認されるまでは慎重な判断を維持する。
10 年後の 5 つの筋書き(2035/10 期)
確率で加重した現株数換算の終価現在株主分の終価 221 円15 億円(+ 還元の換算額還元の合計 19 円1 億円)。 今の値に割り戻すと 101 円7 億円、今との差 −37.7%、 期待の年率 +4.2%(資本コスト 9.5%)→ 割高
| 筋書き | 確率 | 10 年後の現株数換算の終価現在株主分の終価 | 還元の換算額還元の合計配当+自社株買い | トータルリターン10 年・還元込み | 年率 | 確率 × (終価+還元) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 12% | 519 円36 億円 | 52 円4 億円 | +252.8% | +14.4% | 69 円5 億円 |
| やや楽観 | 19% | 407 円28 億円 | 43 円3 億円 | +177.3% | +11.5% | 85 円6 億円 |
| 中立 | 30% | 219 円15 億円 | 14 円1 億円 | +44.1% | +3.9% | 70 円5 億円 |
| やや悲観 | 25% | 48 円3 億円 | 0 円0 億円 | −70.6% | −11.5% | 12 円1 億円 |
| 悲観 | 14% | 24 円2 億円 | 0 円0 億円 | −85.3% | −17.5% | 3 円0 億円 |
| 加重平均 | 100% | 221 円15 億円 | 19 円1 億円 | +47.7% | +4.2% | 239 円16 億円 |
今の株価時価総額 162 円11 億円(2026-11-02)から見たトータルリターン。各行の年率は還元・追加負担を期間の中間時点に置く仮定のIRRです。最下段は期待CFから計算したIRRで、各行のIRRの加重平均ではありません。実際の配当時期を観測した値ではありません。
楽観 12% 修理と流通を一体化し、数量拡大が利益を伴う 利益 8 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 519 円36 億円
国内の中古スマートフォン市場が拡大し、法人の端末更新需要も強くなる。ReYuu Japanは通信事業者や法人からの調達を増やし、年間65万台の端末を扱う。あいプロの店舗を通じて消費者から直接集めた端末を修理・整備し、卸売や再販に戻す流れが定着する。外注費と仕入れロスが減り、端末流通の営業利益率は4%台へ上がる。
修理事業は店舗網の拡大と相互送客によって大きく成長する。ネクスト・セキュリティは法人顧客との取引を維持し、製品販売や高度な現場対応を中心に一定の利益率を確保する。ただしAIを自社の売り物として増収できた金額の裏付けはないため、同社のサービス換算数量が買収前を超えて増えるとは想定しない。
追加の新株予約権690万株はすべて行使され、会社には約17.7億円が入る。その資金は在庫、店舗、買収事業の拡張に使われる。会社全体の利益は大きく伸びるが、既存株主の所有割合はさらに薄まる。資金調達後も十分な利益が残るかが、この筋書きの条件である。
- リユース端末の買取・卸売・輸出:数量 65.0(年間販売台数(万台。国内卸売と輸出を含む))× 価格 3.75(端末1台当たり平均売上高(万円))→ 売上 244 億円・営業利益 11 億円。年間65万台。市場と海外販路で数量が伸び、整備の内製化により営業利益率4.4%まで改善する。
- あいプロの修理・買取・再販:数量 85,000(修理・買取・再販の換算案件数(件/年))× 価格 0.00(換算案件1件当たり売上高(億円。商品再販を含む))→ 売上 23 億円・営業利益 1 億円。年間換算8.5万件。修理と再販の相互送客が成功し、利益率6%となる。
- ネクスト・セキュリティの法人向けサービス:数量 100(年間のサービス・製品案件数(換算件数))× 価格 0.06(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 6 億円・営業利益 1 億円。AI代替を考慮し数量は買収前相当を上限とする。単価は1.34倍、高付加価値案件で利益率23%。
- 既存その他事業:数量 200(年間取引案件数(推計上の換算件数))× 価格 0.02(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 4 億円・営業利益 0 億円。既存その他事業も採算改善。換算案件数は仮定であり実数ではない。
倍率:2035年のROEは7.55÷56.58=13.34%で資本コスト9.5%を上回るが、10年後以降の名目成長率g_longは0%とする。弱い堀の残存割合を3分の1としても、正当化PER=(1−0÷RONIC)÷(0.095−0)=10.5263倍となる。新株予約権の行使払込金約17.73億円は将来の自己資本と再投資の原資に含め、余剰現金として二重に加算しない。ネクスト・セキュリティの非支配株主持分は親会社純利益から控除済み。
確率:あいプロの修理網を生かして調達と整備の採算が改善し、端末取扱台数が65万台へ増える。多額の新株予約権が全て行使されるほど資金需要と成長機会が大きい一方、過去にない営業利益率の安定が必要となるため12%とする。
やや楽観 19% 流通の回復と修理事業がそろって収益化 利益 5 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 407 円28 億円
端末の再利用は一般的な購入手段としてさらに定着する。ReYuu Japanは法人からの回収と中古端末の卸売に強みを持ち、年間55万台の取扱量を確保する。あいプロの店舗網も、端末の仕入れと修理を支える実用的な拠点になる。価格競争は続くものの、検品や整備の効率化によって本業の営業利益率は3%台半ばまで改善する。
修理事業は買収前を大きく上回る売上を得るが、店舗家賃、人件費、修理部品の調達負担は残る。ネクスト・セキュリティでは定型的な構築業務の一部が自動化され、従来型サービスの案件数は減る。それでも、法人顧客への製品提案や実装支援によって一定の収益力を維持する。
第5回新株予約権330万株が行使され、その資金を主として流通と修理事業の運転資金へ投じる。一方、第6回分は行使されない。利益の大部分を再投資するため、株主還元は限定的である。買収によって会社全体の規模は拡大するが、投じた資金に見合う利益を残すという条件は楽観ほど容易ではない。
- リユース端末の買取・卸売・輸出:数量 55.0(年間販売台数(万台。国内卸売と輸出を含む))× 価格 3.50(端末1台当たり平均売上高(万円))→ 売上 193 億円・営業利益 7 億円。年間55万台。営業利益率3.6%は整備内製化と在庫損失の縮小が定着した場合に限る。
- あいプロの修理・買取・再販:数量 60,000(修理・買取・再販の換算案件数(件/年))× 価格 0.00(換算案件1件当たり売上高(億円。商品再販を含む))→ 売上 16 億円・営業利益 1 億円。換算6万件。新規店舗と法人送客の成果を見込むが家賃・人件費も増える。
- ネクスト・セキュリティの法人向けサービス:数量 85.0(年間のサービス・製品案件数(換算件数))× 価格 0.06(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 5 億円・営業利益 1 億円。AIエージェント代替で数量は買収前比0.85倍、単価は1.30倍。
- 既存その他事業:数量 160(年間取引案件数(推計上の換算件数))× 価格 0.02(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。既存その他事業の規模拡大と採算改善。数量は換算案件。
倍率:2035年のROEは約11.4%で資本コスト9.5%を上回る。弱い堀と10年後以降の名目成長率0%から、正当化PER=1÷0.095=10.5263倍。新株予約権330万株の行使払込金8.481億円は将来の自己資本と事業資金に含めており、別の余剰現金には計上しない。子会社の51%非支配持分を除いた親会社純利益を用いる。
確率:端末販売台数が55万台へ増え、あいプロの修理事業も利益を残す筋書き。取扱数量の伸びは国内中古市場の成長と既存販路の拡大で説明できるが、仕入れと売値の利幅改善を継続する必要があるため19%とする。
中立 30% 市場は拡大するが、本業の利益率は低いまま 利益 2 億円 · PER 10.5 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 219 円15 億円
国内の中古スマートフォン市場は2035年に年間600万〜700万台程度へ拡大する。ReYuu Japanは国内卸売と海外向け販路を保ち、年間43万台を販売する。これは2025年の約1.9倍の数量だが、2026年には既に販売台数が増えているため、今後も同じ勢いで成長し続ける想定ではない。競合も調達を増やし、売値と仕入れ値の利幅は大きく広がらない。
あいプロは修理や買取の拠点として定着し、買収前を上回る売上を生む。ただし店舗家賃と修理人員の費用が残り、利益率は低い。ネクスト・セキュリティではAIエージェントが提案資料の作成、設定作業、定型監視を代替し、従来型案件の換算数量は買収前の65%まで減少する。価格も物価上昇の全額は転嫁できない。
2035年の営業利益は約3.1億円、親会社株主の純利益は約1.8億円となる。黒字化は達成するが、自己資本は再投資で増え、ROEは資本コストを下回る。新株予約権の追加行使は想定せず、利益の大半を運転資金として使うため、大きな配当も出ない。
- リユース端末の買取・卸売・輸出:数量 43.0(年間販売台数(万台。国内卸売と輸出を含む))× 価格 3.22(端末1台当たり平均売上高(万円))→ 売上 138 億円・営業利益 4 億円。年間43万台、1台3.22万円。単価は2025年比1.19倍で物価1.34倍を下回る。値下がりと卸売競争を反映する。
- あいプロの修理・買取・再販:数量 38,000(修理・買取・再販の換算案件数(件/年))× 価格 0.00(換算案件1件当たり売上高(億円。商品再販を含む))→ 売上 10 億円・営業利益 0 億円。換算3.8万件。買収前から規模は伸びるが、修理の人件費と店舗費用で営業利益率2.5%。
- ネクスト・セキュリティの法人向けサービス:数量 65.0(年間のサービス・製品案件数(換算件数))× 価格 0.05(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 1 億円。人月・工数型。AIエージェント代替により数量0.65倍、単価1.22倍、g_long0%。製品販売と現場業務も含むが内訳非開示なので保守的に同型として扱う。
- 既存その他事業:数量 120(年間取引案件数(推計上の換算件数))× 価格 0.01(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。既存その他事業は緩やかな拡大。換算数量に対し価格は2025年比約1.22倍。
倍率:2035年のROEは1.75÷24.7=7.09%で資本コスト9.5%を下回る。新しく留保した利益が高い収益を生む証拠がなく、10年後以降の名目成長率も0%とする。ROEが資本コスト以下のため正当化PERの上限は1÷k=10.5263倍であり、その上限を用いる。買収したセキュリティ子会社の利益は51%非支配持分を除外した親会社利益に調整済み。
確率:下に寄せる理由:中古端末の販売需要が伸びても、仕入れと売値の両方に競争があり、販売数量の拡大を利益に変えられなかった過去が長い。修理買収が一定の成果を上げる一方、営業利益率の改善は控えめとする中心筋書き。
やや悲観 25% 流通量は維持するが、修理買収が採算に結び付かない 利益 −2 億円 · PBR 0.3 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 48 円3 億円
中古スマートフォン市場そのものは拡大する。しかし販売量の伸びを主としてゲオやBelong、通信会社の認定中古品が獲得し、ReYuu Japanは取扱いの一部を失う。2035年の端末販売数量は年間26万台となり、2026年の事業拡大後と比べても停滞する。売上は残るものの、仕入れ値の上昇と卸売先の値下げ要求で、本業の営業利益はほぼゼロになる。
あいプロは店舗運営と修理業務を続けるが、修理人員と家賃の負担が重い。大型の買収代金に見合う利益を生まず、のれんの減損が問題になる。ネクスト・セキュリティはAIエージェントの普及で定型構築案件が減り、顧客の内製化も進む。製品販売と一部の現場業務だけが利益を支える。
会社は大幅な増収を実現できず、営業損失が再び続く。新株予約権の行使による追加調達は実現せず、配当も出ない。資産の評価では、過去の高い株価純資産倍率は使わず、現金、回収可能な売掛金、値下がりを考慮した在庫の処分価値から負債を引いた残りだけを重視する。
- リユース端末の買取・卸売・輸出:数量 26.0(年間販売台数(万台。国内卸売と輸出を含む))× 価格 2.85(端末1台当たり平均売上高(万円))→ 売上 74 億円・営業利益 0 億円。年間26万台。大手との競争で単価は上がらず、在庫損失と検品費用で利益はほぼ消える。
- あいプロの修理・買取・再販:数量 25,000(修理・買取・再販の換算案件数(件/年))× 価格 0.00(換算案件1件当たり売上高(億円。商品再販を含む))→ 売上 6 億円・営業利益 0 億円。換算2.5万件。修理事業は買収前並みの規模にとどまり、固定費負担で営業赤字。
- ネクスト・セキュリティの法人向けサービス:数量 55.0(年間のサービス・製品案件数(換算件数))× 価格 0.05(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替で数量0.55倍、単価1.10倍。顧客の内製化による値下げ圧力を反映。
- 既存その他事業:数量 90.0(年間取引案件数(推計上の換算件数))× 価格 0.01(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。既存その他事業も採算悪化。
倍率:営業赤字が続き、事業の利益還元価値はプラスにならない。将来の大きな自己資本を積み上げて資産倍率を掛けるのではなく、損失と買収のれんの減損で現在より目減りした自己資本12.75億円を評価対象とする。売却可能な資産の税後回収額を約4.0億円とするため、PBRは4.0÷12.75=0.3137倍。中立の実質PBR約0.75倍より低い。
確率:2026年の急増した数量が持続せず、通信会社と大手中古販売業者との調達競争で利幅が縮む場合を想定する。買収費用と在庫維持費用が固定的に残り、赤字から抜けられない履歴を考慮して25%とする。
悲観 14% 薄利の流通でシェアを失い、買収価値も毀損する 利益 −2 億円 · PBR 0.2 倍 · 現株数換算の終価現在株主分の終価 24 円2 億円
中古スマートフォンの販売市場は拡大するが、端末の回収と販売を通信会社、メーカー、資本力のある中古販売業者が押さえる。ReYuu Japanは主要顧客との取引の一部を失い、年間取扱いは13万台まで落ち込む。仕入れ価格を抑えられず、販売価格を上げることもできない。端末一台ごとの利益が消え、売れば売るほど検品と物流の費用が重くなる。
あいプロの修理店舗も十分な集客を得られず、家賃と人件費を賄えない。取得時に発生したのれんは減損対象となる。ネクスト・セキュリティではAIエージェントの普及によって標準的な構築、運用、監視支援が大きく自動化され、人手の案件が買収前よりさらに減る。専門家による高度な対応は残るが、買収した会社全体の価値を支えるほどではない。
経営は不採算部門の縮小と保有資産の処分を迫られる。新株予約権の追加行使による資金調達は進まず、配当も出せない。2026年までの資金調達による既存株主の希薄化は残る。倒産を確定的に想定するものではないが、事業価値ではなく、残る現金と回収可能な資産が株主価値を支える厳しい10年になる。
- リユース端末の買取・卸売・輸出:数量 13.0(年間販売台数(万台。国内卸売と輸出を含む))× 価格 2.50(端末1台当たり平均売上高(万円))→ 売上 33 億円・営業利益 −1 億円。年間13万台。主要顧客を失い、価格競争と在庫評価損で営業利益率マイナス2%。
- あいプロの修理・買取・再販:数量 15,000(修理・買取・再販の換算案件数(件/年))× 価格 0.00(換算案件1件当たり売上高(億円。商品再販を含む))→ 売上 3 億円・営業利益 0 億円。換算1.5万件。修理店舗の固定費を回収できず、縮小と撤退が進む。
- ネクスト・セキュリティの法人向けサービス:数量 40.0(年間のサービス・製品案件数(換算件数))× 価格 0.04(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 2 億円・営業利益 0 億円。AIエージェント代替と顧客内製化で数量0.40倍、価格は買収前並み。営業利益はゼロ。
- 既存その他事業:数量 60.0(年間取引案件数(推計上の換算件数))× 価格 0.01(換算案件1件当たり売上高(億円))→ 売上 1 億円・営業利益 0 億円。その他事業は縮小して赤字。
倍率:収益力が消失し、営業赤字と減損によって自己資本は8.5億円へ減る。将来の利益留保を積み上げた自己資本は使わない。中古端末在庫と売掛金の回収率が一段と悪化すると想定し、純現金と売却可能資産から負債を控除した税後回収価値を2.0億円とする。PBRは2.0÷8.5=0.2353倍で、中立とやや悲観をともに下回る。収益がないためPERによる価値は数えない。
確率:市場が成長しても同社だけが調達競争と資本配分で負ける構造的な敗北を想定する。長期の連続赤字、在庫損失、買収の実行リスクが実在する一方、現時点で正式な継続企業の前提に関する注記はなく、直ちに事業が消滅するとまではみないため14%とする。
セグメント:数量 × 価格
いまの数量と価格、中立の筋書きの 10 年後。売上と営業利益は億円。
リユース端末の買取・卸売・輸出
中古スマートフォンを中心とする端末の調達、検品、データ消去、国内卸売、海外向け販売。会社の主たる収益源。
| 数量年間販売台数(万台。国内卸売と輸出を含む) | 価格端末1台当たり平均売上高(万円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 22.7 | 2.70 | 61 | −1 |
| 10 年後 中立 | 43.0 | 3.22 | 138 | 4 |
取り方:2025年10月期決算短信の部門別リユース関連売上高61億4009万8千円と販売台数22万7360台を使用し、1台当たり2.700606万円と算出した。2026年7月までの9か月間は24万6374台、部門売上65億2465万円で、平均単価は約2.65万円に低下した。市場規模はMM総研の2025年度国内最終販売360.7万台を参照。ただし統計は事業者間取引と輸出を除き、当社数量とは母集団が異なる。競合はゲオ、Belong、イオシス、じゃんぱら等であり、実際の国内最終販売シェアは開示不足で不明。営業利益の部門別開示はないため、全社営業損失1.638億円のうち1.48億円を本部門に仮配分した推計値であり、開示された部門利益ではない。
あいプロの修理・買取・再販
2026年10月に買収したあいプロによるスマートフォン、PC、ゲーム機などの修理、端末の買取・販売、店舗運営。
| 数量修理・買取・再販の換算案件数(件/年) | 価格換算案件1件当たり売上高(億円。商品再販を含む) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 38,000 | 0.00 | 10 | 0 |
取り方:2025年10月期時点では未買収なのでReYuu Japan連結対象の売上と営業利益はゼロとする。あいプロの買収前の直近通期売上は約5.35億円、営業利益約0.08億円、純資産約マイナス0.35億円。実際の修理件数・客単価は確認できないため、将来の換算案件数は1件2万〜3万円の売上に相当する修理、買取、端末再販の混合単位として試算する。2025年の単独売上5.35億円なら、換算2万件前後の規模に当たるが、実件数の開示値ではない。
ネクスト・セキュリティの法人向けサービス
サイバーセキュリティ製品の販売、コンサルティング、環境構築・導入・運用支援。2026年8月末に49%を取得して実質支配。
| 数量年間のサービス・製品案件数(換算件数) | 価格換算案件1件当たり売上高(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 0.0 | 0.00 | 0 | 0 |
| 10 年後 中立 | 65.0 | 0.05 | 3 | 1 |
取り方:2025年10月期には未取得なので当社の部門売上はゼロ。買収対象単独の2025年3月期売上4.25億円、営業利益0.81億円を将来推計の比較基準とする。サービスと製品販売の数量内訳は未公表のため、年間100件、平均425万円という換算案件に仮置きし、実際の受注件数であるとは主張しない。AIエージェント代替の分類は、証拠のない正本データ型ではなく、人月・工数型のコンサルティング・構築・運用支援型とする。中立では2025年の換算100件に対して数量0.65倍、単価1.22倍とし、g_longは名目0%。同社は49%保有で51%の非支配持分が残るため、連結営業利益から親会社に帰属する純利益を計算する際に控除する。
既存その他事業
リユース関連売上以外の既存事業。公表されている部門別売上を主部門と分離して管理するための区分。
| 数量年間取引案件数(推計上の換算件数) | 価格換算案件1件当たり売上高(億円) | 売上 | 営業利益 | |
|---|---|---|---|---|
| 今 2025/10 | 100 | 0.01 | 1 | 0 |
| 10 年後 中立 | 120 | 0.01 | 2 | 0 |
取り方:2025年10月期決算短信のその他事業売上高1億1906万3千円を使用。件数と平均単価は非開示のため、100件と1件約119万円という換算単位を仮置きした。実際の顧客数や案件数を示すものではない。営業損失0.1584億円も全社営業損失との差額による分析上の推計であり、会社が公表した部門営業利益ではない。
リスクと懸念
売上数量の拡大と利益率の改善が一致しない
2026年7月までの9か月間に端末の販売台数は前年同期から大きく増えたが、累計営業損益はなお赤字だった。中古端末は仕入れ値と売り値がともに市場で変わり、仕入れ後の機種の陳腐化や検品費用によって利益が消える。売上高より、一台当たりの粗利益、在庫評価損、在庫回転日数を優先して確認する必要がある。
顧客集中とメーカー・通信会社による流通の内製化
2025年10月期はインターネットイニシアティブとオプテージ向けの売上比率が合計約38%に達する。主要取引先が仕入れ条件を厳しくしたり、端末調達と再販を自社または別の業者へ移したりすれば、売上数量と単価の双方が影響を受ける。メーカー認定整備済み品の普及も、独立系卸売業者の付加価値を薄める可能性がある。
買収代金と収益力の不釣り合い
あいプロの株式取得代金は約4.0億円であり、買収前の営業利益約0.08億円、純資産約マイナス0.35億円に比べて大きい。修理店舗と端末の調達網の統合が成功しなければ、投資の回収が難しくなる。ネクスト・セキュリティは買収前に利益を出していたが、経済的持分は49%である。連結売上と連結営業利益の増加だけでは、買収が既存株主に有利だったと判定できない。
転換社債と新株予約権による希薄化
2026年の転換社債の株式転換によって発行株式数は増えた。さらに第5回・第6回新株予約権には合計690万株の潜在株式がある。全行使で約17.7億円の資金が入り得るが、同時に既存株主の所有割合は大きく減る。行使が進まなければ成長資金の確保が難しく、行使されれば一株当たりの利益成長が必要になるという両面のリスクがある。
AIエージェント代替と買収したサービスの価値
端末の現物売買や修理そのものはAIエージェントで置き換えられない。しかしネクスト・セキュリティが担うコンサルティング、環境構築、定型的な運用支援は、AIが作業を自動化し得る人月・工数型業務である。解約率の低さ、業界共通の基盤、独自データなどによる強い堀の証拠は十分に確認できないため、10年後の中立数量は買収前の換算数量の65%とした。
財務の立て直しと資本配分の一貫性
会社は2026年の決算で、継続企業の前提に関する重要事象等を説明している。ただし正式な継続企業の前提に関する注記は該当事項なしとしており、両者を混同しない。連続赤字の間に事業拡大、資金調達、買収を進めており、追加の運転資金負担が生じる可能性がある。暗号資産保有戦略を短期間で終了した経緯も、投資方針の継続性を点検すべき理由となる。
今後の分かれ目
- 四半期の端末販売台数が増え、一台当たり粗利益と在庫回転速度が同時に改善し、それが複数年度続いたら
- 数量拡大が利益に変わる構造的な証拠として、本業の営業利益率と中立の利益を引き上げる。
- あいプロの実際の修理件数、平均単価、店舗別利益、グループ内の端末調達への貢献が継続して開示されたら
- 推計上の換算案件を実績に置き換え、買収代金に見合う増分投下資本利益率を検証する。
- 第5回・第6回新株予約権の行使が進み、資金調達と同時に利益を生む在庫・設備・買収先の投資が確認できたら
- 発行済株式数と資本の増加を同時に反映し、会社全体の利益と既存株主の持分価値を別々に再評価する。
- 主要取引先の売上比率が上がり、卸売価格の引き下げや契約縮小が開示されたら
- リユース端末の数量と単価、営業利益率の前提を引き下げ、やや悲観側の確率を高める。
- ネクスト・セキュリティでAIを活用した独自商品の有償売上と継続契約率が金額付きで開示されたら
- 単純な人月型とみなす現在のAI代替前提を再検討する。ただし親会社の持分49%と非支配株主持分は引き続き区別する。
- 2027年以降も連結営業赤字が続くか、買収のれんの大幅な減損が生じたら
- 中立の黒字化前提を見直し、売却可能な資産を再評価して悲観側の確率を高める。
見ておくもの
- 四半期のリユース端末販売台数、一台当たり平均売上高、一台当たり粗利益の変化
- 棚卸資産の金額、長期滞留在庫、在庫回転日数、営業キャッシュフロー
- 主要顧客向け売上比率と国内・海外向け販売の構成
- あいプロの修理実件数、店舗別収益、取得後ののれんと減損
- ネクスト・セキュリティの受注高、工数売上比率、製品売上、非支配株主利益
- 第5回・第6回新株予約権の行使数、残存数、払込資金の使途と発行済株式数
- 連結営業黒字の継続、ROE、株主還元方針、正式な継続企業の前提に関する注記の有無
倍率と資本コストの決め方
利益の出発点は添付の2025年10月期実績とし、2026年7月までの販売台数増加、8月のセキュリティ子会社化、10月の修理会社取得を区別した。10年後の売上は端末の数量と単価、および買収事業の換算案件数から導き、利益率を競争と固定費で決めた。倍率は現在の株価、過去のPER・PBR、同業の市場評価を参照せず、資本コスト9.5%と長期の利益成長率0%から算定した。追加発行株式はholder_shareで調整し、買収した49%保有会社の非支配持分を親会社純利益から控除した。2027年4月以後開始事業年度に適用される新リース会計による表示変更は、家賃負担そのものの消滅ではないため、営業費用と借入の比較に二重計上しない。割引後の確率加重価値は約6.93億円、添付基準時価総額14.92億円との差は約マイナス53.5%。その差を狙って数量、利益率、倍率を調整していない。
資本コスト 9.5% = 無リスク金利 3% + β — × 5% + 上乗せ 1.0%。無リスク金利3%と株式リスクプレミアム4.5%の合計7.5%を基礎とし、事業の循環と価格競争で1.0%、連続赤字による立て直し負担で1.0%を加算した。規模や株価のβは加えない。